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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116834
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】通知システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20240821BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A61M5/168 510
A61M39/10 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022646
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000111085
【氏名又は名称】ニッタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】六軒 益成
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA05
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066EE06
4C066EE12
4C066GG20
4C066JJ04
4C066QQ48
4C066QQ58
4C066QQ77
4C066QQ82
4C066QQ84
(57)【要約】
【課題】カテーテルの自己抜去に伴う液漏れを抑制すると共に、自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことが可能な通知システムを提供する。
【解決手段】通知システムは、継手を備える。継手は、患者に留置されたカテーテルに直接的又は間接的に接続される。継手は、互いに分離可能な状態で接続された第1及び第2ユニットを含む。第1及び第2ユニットによって、カテーテルに直接的又は間接的に連通した流路が形成されている。継手は、カテーテルを患者から抜く方向に力が加えられるのに応じて、第1及び第2ユニットの各々において流路が狭まり、その後、第1及び第2ユニットが互いに分離するように構成されている。通知システムは、検出部と、通知部とをさらに備える。検出部は、第1及び第2ユニットの分離を検出するように構成されている。通知部は、検出部によって上記分離が検出されるのに応じて通知を行なうように構成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に留置されたカテーテルに直接的又は間接的に接続される継手を備え、
前記継手は、互いに分離可能な状態で接続された第1及び第2ユニットを含み、
前記第1及び第2ユニットによって、前記カテーテルに直接的又は間接的に連通した流路が形成されており、
前記継手は、前記カテーテルを前記患者から抜く方向に力が加えられるのに応じて、前記第1及び第2ユニットの各々において前記流路が狭まり、その後、前記第1及び第2ユニットが互いに分離するように構成されており、
前記第1及び第2ユニットの分離を検出するように構成された検出部と、
前記検出部によって前記分離が検出されるのに応じて通知を行なうように構成された通知部とをさらに備える、通知システム。
【請求項2】
前記継手は、感圧センサをさらに含み、
前記感圧センサは、前記第1及び第2ユニットが互いに接続された状態で前記第1及び第2ユニットによって挟まれ、
前記検出部は、前記感圧センサの出力に基づいて前記分離を検出するように構成されている、請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記継手は、電気接点をさらに含み、
前記電気接点は、前記第1及び第2ユニットが互いに接続された状態で通電し、前記第1及び第2ユニットが互いに分離するのに応じて非通電となるように構成されており、
前記検出部は、前記非通電を検出することによって前記分離を検出するように構成されている、請求項1に記載の通知システム。
【請求項4】
前記通知部は、医療従事者に対して前記通知を行なうように構成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通知システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-15347号公報(特許文献1)は、生体接触検知センサを開示する。生体接触検知センサは、生体の接触を検知するように構成されている。生体接触検知センサは、例えば、医療用カテーテルを留置するために処置された部分が包帯等で保護されている場合に包帯等の上に配置される。例えば、患者自身が医療用カテーテル(以下、単に「カテーテル」とも称する。)を抜去しようとした場合に患者の手等が生体接触検知センサに触れると、患者自身による医療用カテーテルの抜去(以下、「自己抜去」とも称する。)が生体接触検知センサによって事前に検知される。自己抜去が事前に検知されると、例えば、ナースコール等に生体接触信号が出力される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-15347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている技術においては、例えば、自己抜去をするつもりがない場合であっても、患者の手等が生体接触検知センサに触れることによって自己抜去が検知され得る。このような検知に基づいてナースコール等に生体接触信号が出力され、医療従事者の呼出しが行なわれると、医療従事者の負荷が増加する。また、実際に自己抜去が生じた場合には、点滴液又は血液等の漏れが発生する。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、自己抜去に伴う液漏れを抑制すると共に、自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことが可能な通知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従う通知システムは、継手を備える。継手は、患者に留置されたカテーテルに直接的又は間接的に接続される。継手は、互いに分離可能な状態で接続された第1及び第2ユニットを含む。第1及び第2ユニットによって、カテーテルに直接的又は間接的に連通した流路が形成されている。継手は、カテーテルを患者から抜く方向に力が加えられるのに応じて、第1及び第2ユニットの各々において流路が狭まり、その後、第1及び第2ユニットが互いに分離するように構成されている。通知システムは、検出部と、通知部とをさらに備える。検出部は、第1及び第2ユニットの分離を検出するように構成されている。通知部は、検出部によって上記分離が検出されるのに応じて通知を行なうように構成されている。
【0007】
この通知システムにおいては、カテーテルを患者から抜く方向に継手に力が加えられるのに応じて、第1及び第2ユニットの各々において流路が狭まり、その後、第1及び第2ユニットが互いに分離する。したがって、この通知システムによれば、第1及び第2ユニットが互いに分離する前に第1及び第2ユニットの各々において流路が狭まるため、流路が破断されることに伴う液漏れを抑制することができる。また、この通知システムにおいては、第1及び第2ユニットの分離が検出されるのに応じて通知が行なわれる。したがって、この通知システムによれば、第1及び第2ユニットの分離と自己抜去との相関が高いため、自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことができる。
【0008】
上記通知システムにおいて、継手は、感圧センサをさらに含み、感圧センサは、第1及び第2ユニットが互いに接続された状態で第1及び第2ユニットによって挟まれ、検出部は、感圧センサの出力に基づいて上記分離を検出するように構成されていてもよい。
【0009】
この通知システムによれば、感圧センサの出力に基づいて自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことができる。
【0010】
上記通知システムにおいて、継手は、電気接点をさらに含み、電気接点は、第1及び第2ユニットが互いに接続された状態で通電し、第1及び第2ユニットが互いに分離するのに応じて非通電となるように構成されており、検出部は、非通電を検出することによって上記分離を検出するように構成されていてもよい。
【0011】
この通知システムによれば、電気接点の通電状態に基づいて自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことができる。
【0012】
上記通知システムにおいて、通知部は、医療従事者に対して上記通知を行なうように構成されていてもよい。
【0013】
この通知システムによれば、自己抜去が発生したことを医療従事者に速やかに認識させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自己抜去に伴う液漏れを抑制すると共に、自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことが可能な通知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】通知システムを模式的に示す図である。
図2】継手の外観を模式的に示す側面図である。
図3】継手を模式的に示す斜視図である。
図4】継手を模式的に示す側面図である。
図5】第1ユニット及び第2ユニットの各々において流路が閉じた状態における継手を模式的に示す側面図である。
図6】流路が閉じた状態における第1ユニットの一部を模式的に示す断面図である。
図7】第1ユニット及び第2ユニットの分離動作について説明するための図である。
図8】第1ユニット及び第2ユニットが互いに分離された状態における継手を模式的に示す側面図である。
図9】通知装置の動作を示すフローチャートである。
図10】第1の他の実施の形態に従う継手の外観を模式的に示す側面図である。
図11】第2の他の実施の形態に従う継手の側面を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0017】
[1.構成]
<1-1.通知システムの全体構成>
治療のためにカテーテル(例えば、中心静脈カテーテル)が患者の体内に留置されることがある。例えば、患者がせん妄状態である場合に、患者自身がカテーテルを引き抜く行為(自己抜去)が医療現場で問題となっている。自己抜去が発生すると、例えば、カテーテルの穿刺が再び必要となる。すなわち、患者は穿刺の痛みに再び耐える必要があり、医療従事者は再び穿刺作業を行なう必要がある。また、自己抜去に伴って薬液及び栄養剤等の漏れ並びに大量出血が発生し得る。本実施の形態に従う通知システム10においては、このような問題に対処するための工夫が施されている。以下、通知システム10について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に従う通知システム10を模式的に示す図である。図1に示されるように、通知システム10は、継手100と、カテーテル200と、チューブ300と、輸液ボトル400と、通知装置500とを含んでいる。
【0019】
継手100において、一方の端部にはカテーテル200が接続されており、他方の端部にはチューブ300が接続されている。カテーテル200は、例えば、処置部FI1を介して患者の体内に穿刺されている。カテーテル200は、例えば、粘着テープ等によって処置部FI1において患者に固定されている。チューブ300は、輸液ボトル400に接続されている。
【0020】
継手100は第1ユニット110と第2ユニット120とを含んでおり、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々の内部には流路が形成されている。輸液ボトル400には薬液又は栄養剤等の液体が収容されており、輸液ボトル400に収容された液体は、チューブ300、継手100及びカテーテル200を通じて患者の体内へ供給される。
【0021】
自己抜去を試みる患者によってチューブ300が引っ張られると、第1ユニット110及び第2ユニット120は互いに分離するように構成されている。換言すると、第1ユニット110及び第2ユニット120は、例えば、カテーテル200を抜く方向に所定の力以上の力が加わると、互いに分離するように構成されている。所定の力は、例えば、粘着テープ等がカテーテル200を患者に固定する力よりも小さい。この場合には、所定の力以上の力が継手100に加わった場合に、カテーテル200が患者から抜ける前に継手100が分離する。したがって、継手100によれば、患者がチューブ300を引っ張ることによってカテーテル200が患者から抜ける事態の発生を抑制することができる。
【0022】
また、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々は、分離前に流路を狭めるように構成されている。より詳細には、第1ユニット110及び第2ユニット120においては、第1ユニット110及び第2ユニット120の分離前にカテーテル200及びチューブ300をそれぞれ後述のグリッパ(グリッパ118,128)で挟むことによって流路が閉じられる。したがって、継手100によれば、第1ユニット110及び第2ユニット120の分離によって流路が破断されることに伴う液漏れを抑制することができる。なお、継手100の機械的な構成については後程詳しく説明する。
【0023】
図2は、継手100の外観を模式的に示す側面図である。図2においては、継手100が上下対称な構成を有しているため、継手100の下側の図が省略されている。図2に示されるように、継手100においては、第1ユニット110に感圧センサ150が固定されている。感圧センサ150は、圧力を検出するように構成されている。第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに接続されている状態において、感圧センサ150は、第1ユニット110及び第2ユニット120によって挟まれている。第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離すると、感圧センサ150は第1ユニット110及び第2ユニット120によって挟まれなくなる。感圧センサ150の出力信号は、通知装置500(図1)へ送信される。
【0024】
再び図1を参照して、通知装置500は、制御部510と、通知部520とを含んでいる。制御部510は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んでいる。制御部510は、感圧センサ150の出力信号に基づいて継手100の分離を検出するように構成されている。
【0025】
通知部520は、例えば、医療従事者への通知を行なうように構成されている。通知部520は、例えば、無線LAN(Local Area Network)モジュール等の通信モジュールで構成されてもよく、スピーカ等の音声出力モジュールで構成されてもよい。すなわち、通知部520は、医療従事者の通信端末へ情報を送信することによって医療従事者への通知を行なってもよいし、医療従事者に向けて音声を出力することによって医療従事者への通知を行なってもよい。
【0026】
制御部510は、例えば、第1ユニット110及び第2ユニット120によって感圧センサ150が挟まれていないこと(第1ユニット110及び第2ユニット120の分離)が検出された場合に、医療従事者への通知を行なうように通知部520を制御する。通知システム10においては、第1ユニット110及び第2ユニット120の分離が検出されるのに応じて通知が行なわれる。第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離される程にチューブ300が引っ張られた場合には、患者が自己抜去を試みた可能性が高い。したがって、通知システム10によれば、自己抜去に関する医療従事者への通知をより高精度に行なうことができる。
【0027】
<1-2.継手の機械的構成>
図3は、継手100を模式的に示す斜視図である。図4は、継手100を模式的に示す側面図である。図3及び図4の各々においては、継手100の上側の一部が切り取られており、継手100の内部が部分的に示されている。また、図3及び図4の各々においては、感圧センサ150が省略されている。
【0028】
図3及び図4を参照して、継手100は、第1ユニット110と、第2ユニット120とを含んでいる。第1ユニット110は、スリーブ111と、第1ボディ112と、第2ボディ113と、スリーブスプリングSP1と、ボール114と、キャップ115と、ロックリング116と、ファーツリー117と、グリッパ118と、バックリング119と、OリングR1,R2とを含んでいる。
【0029】
スリーブ111は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。スリーブ111は、継手100の外装部材として機能する。スリーブ111において、軸方向におけるカテーテル200側の端部には凹部AM4が形成されている。凹部AM4は、スリーブ111の内周面上に形成されており、径方向の外側に窪んでいる。凹部AM4は、例えば、スリーブ111の周方向全体に形成されていてもよいし、スリーブ111の周方向における一部に形成されていてもよい。また、スリーブ111において、軸方向における中央部分よりもチューブ300側の位置には凸部CO1が形成されている。凸部CO1は、スリーブ111の内周面上に形成されており、径方向の内側に突出している。凸部CO1は、例えば、スリーブ111の周方向全体に形成されていてもよいし、スリーブ111の周方向における一部に形成されていてもよい。
【0030】
第1ボディ112は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。第1ボディ112は、スリーブ111の径方向内側に位置している。第1ボディ112において、軸方向における略中央部分には凸部CO6が形成されている。凸部CO6は、第1ボディ112の外周面上に形成されており、径方向の外側に突出している。凸部CO6は、例えば、第1ボディ112の周方向全体に形成されていてもよいし、第1ボディ112の周方向における一部に形成されていてもよい。凸部CO6は、スリーブ111の凹部AM4に嵌合している。
【0031】
第1ボディ112において、凸部CO6よりもカテーテル200側の位置には凹部AM2が形成されている。凹部AM2は、第1ボディ112の外周面上に形成されており、径方向の内側に窪んでいる。凹部AM2は、例えば、第1ボディ112の周方向全体に形成されていてもよいし、第1ボディ112の周方向における一部に形成されていてもよい。第1ボディ112において、凸部CO6よりもチューブ300側の位置には段部UN4が形成されている。第1ボディ112においては、段部UN4よりもカテーテル200側の部分の外径が段部UN4よりもチューブ300側の部分の外径よりも大きい。
【0032】
第1ボディ112において、軸方向におけるカテーテル200側の端面にはロックリング116が配置されている。ロックリング116は、環状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。ロックリング116において、第1ボディ112に固定されている部分(径方向における外側の部分)は径方向に平行に延びており、径方向における内側の部分は軸方向におけるカテーテル200側に傾いている。ロックリング116とキャップ115との間には、バックリング119が配置されている。バックリング119は、環状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。第1ボディ112とバックリング119とによってロックリング116が固定されている。
【0033】
第2ボディ113は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。第2ボディ113は、スリーブ111の径方向内側かつ第1ボディ112の径方向外側に位置している。第2ボディ113において、軸方向における中央部分よりもチューブ300側の位置には空間S3を形成する孔が設けられている。この孔は、例えば、第2ボディ113の周方向において所定間隔置きに形成されている。これらの孔の径は、第2ボディ113の径方向の内側に向かって徐々に小さくなっている。これらの孔によって形成される各空間S3にはボール114が配置されている。ボール114は、球状の部材であり、例えば、金属によって構成されている。各孔の径のうち最も大きい部分の径(第2ボディ113の径方向において最も外側の位置における径)はボール114の直径よりも大きく、各孔の径のうち最も小さい部分の径(第2ボディ113の径方向において最も内側の位置における径)はボール114の直径よりも小さい。したがって、各ボール114は、第2ボディ113の径方向の内側に落ちないようになっている。
【0034】
第2ボディ113において、軸方向における中央部分よりもカテーテル200側の位置には段部UN3が形成されている。第2ボディ113においては、段部UN3よりもカテーテル200側の部分の内径が段部UN3よりもチューブ300側の部分の内径よりも大きい。第2ボディ113において、軸方向におけるカテーテル200側の端部には凸部CO2が形成されている。凸部CO2は、例えば、第2ボディ113の外周面上に形成されており、径方向の外側に突出している。凸部CO2は、例えば、第2ボディ113の周方向全体に形成されていてもよいし、第2ボディ113の周方向における一部に形成されていてもよい。
【0035】
スリーブ111の凸部CO1と第2ボディ113の凸部CO2とによって囲まれる空間S1には、スリーブスプリングSP1が配置されている。スリーブスプリングSP1は、例えば、第2ボディ113の外周において周方向の全体に配置される。スリーブスプリングSP1は、バネ等の弾性部材であり、スリーブ111に対して第2ボディ113を軸方向におけるカテーテル200側へ付勢する。スリーブスプリングSP1が空間S1に配置されているため、継手100に力が加わっていない状態で、第2ボディ113の段部UN3は、第1ボディ112の段部UN4と接している。第2ボディ113は、スリーブ111及び第1ボディ112に対して軸方向において摺動可能である。
【0036】
キャップ115は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。キャップ115は、継手100の外装部材として機能する。キャップ115において、軸方向におけるチューブ300側の端部には凸部CO3が形成されている。凸部CO3は、キャップ115の内周面上に形成されており、径方向の内側に突出している。凸部CO3は、例えば、キャップ115の周方向全体に形成されていてもよいし、キャップ115の周方向における一部に形成されていてもよい。凸部CO3は、第1ボディ112の凹部AM2に嵌合している。
【0037】
キャップ115において、軸方向におけるカテーテル200側の端部には傾斜部SL1が形成されている。傾斜部SL1は、軸方向においてカテーテル200側に近付く程、キャップ115の径方向において内側に近付くように傾斜している。キャップ115においては、傾斜部SL1から軸方向におけるチューブ300側に延びるように面SU1が形成されている。面SU1は、軸方向に平行である。
【0038】
ファーツリー117は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。ファーツリー117は、第1ボディ112の径方向内側に位置している。第1ボディ112とファーツリー117との間には、OリングR1(シール材の一例)が配置されている。OリングR1は、環形状を有し、ゴム等の弾性部材で構成されている。OリングR1によって、第1ボディ112とファーツリー117との間がシールされている。ファーツリー117において、軸方向における略中央部分には段部UN1が形成されている。ファーツリー117においては、段部UN1よりもカテーテル200側の部分の外径が段部UN1よりもチューブ300側の部分の外径よりも小さい。ファーツリー117において、軸方向におけるカテーテル200側の端部にはテーパ部CL1が形成されている。段部UN1には、第1グリッパ118A及び第2グリッパ118B(グリッパ118)が固定されている。ファーツリー117において、段部UN1よりもチューブ300側の部分の一部の外周には連続凹凸部B1が形成されている。連続凹凸部B1は、軸方向において交互に形成された複数の凹部及び凸部によって構成されている。
【0039】
グリッパ118は、第1グリッパ118Aと、第2グリッパ118Bとを含んでいる。第1グリッパ118A及び第2グリッパ118Bの各々は、キャップ115の径方向内側に位置している。第1グリッパ118A及び第2グリッパ118Bは、カテーテル200を挟んで互いに対向する位置に配置されている。第1グリッパ118A及び第2グリッパ118Bの各々は、軸方向に延びる板状部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。第1グリッパ118A及び第2グリッパ118Bの各々において、軸方向におけるカテーテル200側の端部には爪部CL3が形成されている。
【0040】
ファーツリー117(テーパ部CL1)及びグリッパ118によってカテーテル200が挟み込まれることにより、カテーテル200が継手100に固定されている。継手100に力が加わっていない状態で、第1グリッパ118A及び第2グリッパ118Bの各々において、カテーテル200と接触する面と反対側の面は面SU1と接触している。ファーツリー117及びグリッパ118の各々は、キャップ115に対して摺動可能である。ファーツリー117及びグリッパ118の各々が軸方向におけるカテーテル200側へ摺動する場合に、ロックリング116の端部のうち径方向の内側における端部は、連続凹凸部B1の凸部に接触する。例えば、軸方向におけるカテーテル200側への強い力がカテーテル200を介してファーツリー117及びグリッパ118に掛かった場合に、ロックリング116が軸方向におけるカテーテル200側へ撓み、ロックリング116が連続凹凸部B1の凸部を乗り越える。
【0041】
第2ユニット120は、ニップル121と、キャップ125と、ロックリング126と、ファーツリー127と、グリッパ128と、バックリング129とを含んでいる。ニップル121は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。ニップル121は、第1ボディ112及び第2ボディ113の径方向内側に位置している。第1ボディ112とニップル121との間には、OリングR2(シール材の一例)が配置されている。OリングR2は、環形状を有し、ゴム等の弾性部材で構成されている。OリングR2によって、第1ボディ112とニップル121との間がシールされている。ニップル121において、軸方向における中央部分よりもチューブ300側の位置には段部UN5が形成されている。ニップル121においては、段部UN5よりもカテーテル200側の部分の外径が段部UN5よりもチューブ300側の部分の外径よりも小さい。
【0042】
ニップル121において、段部UN5よりもカテーテル200側の部分には凹部AM1が形成されている。凹部AM1は、ニップル121の外周面上に形成されており、径方向の内側に窪んでいる。凹部AM1は、例えば、ニップル121の周方向全体に形成されていてもよいし、ニップル121の周方向における一部に形成されていてもよい。継手100に力が加わっていない状態で、凹部AM1にはボール114が配置されている。
【0043】
ニップル121において、凹部AM1よりもカテーテル200側の部分には凸部CO5が形成されている。凸部CO5は、ニップル121の外周面上に形成されており、径方向の外側に突出している。凸部CO5は、例えば、ニップル121の周方向全体に形成されていてもよいし、ニップル121の周方向における一部に形成されていてもよい。
【0044】
ニップル121において、段部UN5よりもチューブ300側の部分には凹部AM3が形成されている。凹部AM3は、ニップル121の外周面上に形成されており、径方向の内側に窪んでいる。凹部AM3は、例えば、ニップル121の周方向全体に形成されていてもよいし、ニップル121の周方向における一部に形成されていてもよい。
【0045】
ニップル121において、軸方向におけるチューブ300側の端面にはロックリング126が配置されている。ロックリング126は、環状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。ロックリング126において、ニップル121に固定されている部分(径方向における外側の部分)は径方向に平行に延びており、径方向における内側の部分は軸方向におけるチューブ300側に傾いている。ロックリング126とキャップ125との間には、バックリング129が配置されている。バックリング129は、環状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。ニップル121とバックリング129とによってロックリング126が固定されている。
【0046】
キャップ125は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。キャップ125は、継手100の外装部材として機能する。キャップ125において、軸方向におけるカテーテル200側の端部には凸部CO4が形成されている。凸部CO4は、キャップ125の内周面上に形成されており、径方向の内側に突出している。凸部CO4は、例えば、キャップ125の周方向全体に形成されていてもよいし、キャップ125の周方向における一部に形成されていてもよい。凸部CO4は、ニップル121の凹部AM3に嵌合している。
【0047】
キャップ125において、軸方向におけるチューブ300側の端部には傾斜部SL2が形成されている。傾斜部SL2は、軸方向においてチューブ300側に近付く程、キャップ125の径方向において内側に近付くように傾斜している。キャップ125においては、傾斜部SL2から軸方向におけるカテーテル200側に延びるように面SU2が形成されている。面SU2は、軸方向に平行である。
【0048】
ファーツリー127は、筒状の部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。ファーツリー127は、ニップル121の径方向内側に位置している。ニップル121とファーツリー127との間には、OリングR3(シール材の一例)が配置されている。OリングR3は、環形状を有し、ゴム等の弾性部材で構成されている。OリングR3によって、ニップル121とファーツリー127との間がシールされている。ファーツリー127において、軸方向における略中央部分には段部UN2が形成されている。ファーツリー127においては、段部UN2よりもチューブ300側の部分の外径が段部UN2よりもカテーテル200側の部分の外径よりも小さい。ファーツリー127において、軸方向におけるチューブ300側の端部にはテーパ部CL2が形成されている。段部UN2には、第1グリッパ128A及び第2グリッパ128B(グリッパ128)が固定されている。ファーツリー127において、段部UN2よりもカテーテル200側の部分の一部の外周には連続凹凸部B2が形成されている。連続凹凸部B2は、軸方向において交互に形成された複数の凹部及び凸部によって構成されている。
【0049】
グリッパ128は、第1グリッパ128Aと、第2グリッパ128Bとを含んでいる。第1グリッパ128A及び第2グリッパ128Bの各々は、キャップ125の径方向内側に位置している。第1グリッパ128A及び第2グリッパ128Bは、チューブ300を挟んで互いに対向する位置に配置されている。第1グリッパ128A及び第2グリッパ128Bの各々は、軸方向に延びる板状部材であり、例えば、樹脂によって構成されている。第1グリッパ128A及び第2グリッパ128Bの各々において、軸方向におけるチューブ300側の端部には爪部CL4が形成されている。
【0050】
ファーツリー127(テーパ部CL2)及びグリッパ128によってチューブ300が挟み込まれることにより、チューブ300が継手100に固定されている。継手100に力が加わっていない状態で、第1グリッパ128A及び第2グリッパ128Bの各々において、チューブ300と接触する面と反対側の面は面SU2と接触している。ファーツリー127及びグリッパ128の各々は、キャップ125に対して摺動可能である。ファーツリー127及びグリッパ128の各々が軸方向におけるチューブ300側へ摺動する場合に、ロックリング126の端部のうち径方向の内側における端部は、連続凹凸部B2の凸部に接触する。例えば、軸方向におけるチューブ300側への強い力がチューブ300を介してファーツリー127及びグリッパ128に掛かった場合に、ロックリング126が軸方向におけるチューブ300側へ撓み、ロックリング126が連続凹凸部B2の凸部を乗り越える。
【0051】
[2.動作]
<2-1.継手の動作>
上述のように、継手100においては、例えば、継手100に接続されたチューブ300が患者によって引っ張られた場合に、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路がまず閉じ、その後、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離する。以下、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路が閉じる動作、及び、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離する動作について順に説明する。
【0052】
図5は、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路が閉じた状態における継手100を模式的に示す側面図である。図5においては、継手100の上側の一部が切り取られており、継手100の内部が部分的に示されている。また、図5においては、感圧センサ150、カテーテル200及びチューブ300が省略されている。図6は、流路が閉じた状態における第1ユニット110の一部を模式的に示す断面図である。図6においては、第1ユニット110が上下対称な構成を有しているため、第1ユニット110の下側の図が省略されている。また、図6においては、ファーツリー117における連続凹凸部B1が省略されている。
【0053】
図5及び図6を参照して、例えば、チューブ300(図1)が患者によって引っ張られることによって、チューブ300に接続されたグリッパ128及びファーツリー127が軸方向におけるチューブ300側へ移動すると共に、カテーテル200に接続されたグリッパ118及びファーツリー117が軸方向におけるカテーテル200側へ移動する。
【0054】
この場合に、グリッパ128における各爪部CL4は傾斜部SL2に沿ってキャップ125の径方向の内側へ撓み、グリッパ118における各爪部CL3は傾斜部SL1に沿ってキャップ115の径方向の内側へ撓む。これにより、カテーテル200の外周面がグリッパ118によって挟み込まれ、チューブ300の外周面がグリッパ128によって挟み込まれる。その結果、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路が閉じる。
【0055】
図5に示される状態で、例えば、患者がカテーテル200又はチューブ300を継手100内に押し込もうとしたとする。この場合には、ロックリング116が連続凹凸部B1に引っかかり、又は、ロックリング126が連続凹凸部B2に引っかかり、患者は、カテーテル200又はチューブ300を継手100内に押し込むことができない。
【0056】
なお、グリッパ118がカテーテル200を挟むと共にグリッパ128がチューブ300を挟む過程において、第2ボディ113及びボール114は、スリーブ111及び第1ボディ112に対して大きく動かない。グリッパ118,128等の摺動の際に生じる摩擦力よりも空間S1に配置されたスリーブスプリングSP1の弾性力の方が強いためである。
【0057】
グリッパ118,128がカテーテル200及びチューブ300をそれぞれ挟み込むことにより、軸方向におけるカテーテル200側のキャップ115の端部にグリッパ118が引っ掛かり、軸方向におけるチューブ300側のキャップ125の端部にグリッパ128が引っ掛かる。この状態でチューブ300がさらに引っ張られると、第1ユニット110及び第2ユニット120の分離が進む。
【0058】
図7は、第1ユニット110及び第2ユニット120の分離動作について説明するための図である。図7を参照して、図5に示される状態からさらにチューブ300が引っ張られると、ニップル121が軸方向におけるチューブ300側へ移動する。それに伴い、空間S1に配置されたスリーブスプリングSP1が軸方向に縮み、凹部AM1に位置するボール114及び第2ボディ113が軸方向におけるチューブ300側へ移動する。ボール114が空間S2付近まで移動すると、ボール114が凸部CO5に乗り上げ、ニップル121の抜去が可能となる。
【0059】
図8は、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離された状態における継手100を模式的に示す側面図である。図8に示されるように、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離された状態において、グリッパ118及びグリッパ128はそれぞれカテーテル200及びチューブ300を挟み込んでいる。上述のように、この場合には、ロックリング116が連続凹凸部B1に引っかかり、又は、ロックリング126が連続凹凸部B2に引っかかり、患者は、カテーテル200又はチューブ300を継手100内に押し込むことができない。
【0060】
このように、継手100においては、カテーテル200を患者から抜く方向に継手100に力が加えられるのに応じて、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路が狭まり、その後、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離する。したがって、この継手100によれば、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離する前に第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路が狭まるため、流路が破断されることに伴う液漏れを抑制することができる。
【0061】
<2-2.通知装置の動作>
図9は、通知装置500の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、制御部510によって所定間隔で繰り返し実行される。
【0062】
図9を参照して、制御部510は、感圧センサ150の出力に基づいて継手100の分離(第1ユニット110及び第2ユニット120の分離)が生じたか否かを判定する(ステップS100)。継手100の分離が生じていないと判定されると(ステップS100においてNO)、制御部510は、継手100の分離が生じるまでステップS100の処理を繰り返す。一方、継手100の分離が生じたと判定されると(ステップS100においてYES)、制御部510は、医療従事者への通知を行なうように通知部520を制御する(ステップS110)。
【0063】
通知システム10においては、継手100の分離が検出されるのに応じて通知が行なわれる。したがって、通知システム10によれば、継手100の分離と自己抜去との相関が高いため、自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことができる。
【0064】
また、通知システム10においては、継手100の分離が生じた場合に医療従事者へ通知が行なわれる。したがって、通知システム10によれば、自己抜去が発生したことを医療従事者に速やかに認識させることができる。
【0065】
[3.特徴]
以上のように、通知システム10においては、カテーテル200を患者から抜く方向に継手100に力が加えられるのに応じて、第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路が狭まり、その後、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離する。したがって、通知システム10によれば、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに分離する前に第1ユニット110及び第2ユニット120の各々において流路が狭まるため、流路が破断されることに伴う液漏れを抑制することができる。また、通知システム10においては、第1ユニット110及び第2ユニット120の分離が検出されるのに応じて通知が行なわれる。したがって、通知システム10によれば、第1ユニット110及び第2ユニット120の分離と自己抜去との相関が高いため、自己抜去に関する通知をより高精度に行なうことができる。
【0066】
[4.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。例えば、いずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成と、他のいずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成とが組み合わされてもよい。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0067】
<4-1>
上記実施の形態においては、軸方向におけるチューブ300側の第1ユニット110の端面と、軸方向におけるカテーテル200側の第2ユニット120の端面との間に感圧センサ150が配置された。しかしながら、継手100の分離を検出するセンサは、感圧センサ150に限定されない。
【0068】
図10は、第1の他の実施の形態に従う継手100Xの外観を模式的に示す側面図である。図10においては、継手100Xが上下対称な構成を有しているため、継手100Xの下側の図が省略されている。図10に示されるように、継手100Xは、電気接点150Xを含んでいる。電気接点150Xは、端子151X,152Xを含んでいる。
【0069】
第1ユニット110Xには端子151Xが固定され、第2ユニット120Xには端子152Xが固定されている。第1ユニット110X及び第2ユニット120Xが接続されている場合に、端子151X,152Xは通電している。一方、第1ユニット110X及び第2ユニット120Xが分離されている場合に、端子151X,152Xは非通電状態となる。制御部510は、例えば、電気接点150Xが非通電状態となったことに基づいて継手100の分離を検出してもよい。
【0070】
<4-2>
第1ユニット110及び第2ユニット120の接続部分の構成は上記実施の形態に限定されない。例えば、第1ユニット110及び第2ユニット120が互いに機械的に嵌合しており、第1ユニット110及び第2ユニット120に強い力が加わった場合に、嵌合部分が破壊されることによって第1ユニット110及び第2ユニット120が分離する構成であってもよい。
【0071】
図11は、第2の他の実施の形態に従う継手100Yの側面を模式的に示す断面図である。図11においては、継手100Yが上下対称な構成を有しているため、継手100Yの下側の図が省略されている。
【0072】
図11に示されるように、第1ユニット110Yにおいて、第1ボディ112Yには、凸部CO7及び凹部AM8が形成されている。また、第2ユニット120Yにおいて、ニップル121Yには、凹部AM7及び凸部CO8が形成されている。第1ユニット110Y及び第2ユニット120Yが接続された状態で、第1ボディ112Yの凸部CO7とニップル121Yの凹部AM7とが嵌合し、第1ボディ112Yの凹部AM8とニップル121Yの凸部CO8とが嵌合している。例えば、チューブ300が患者によって強く引っ張られた場合に、各嵌合が破壊される。第1ユニット110及び第2ユニット120の接続部分の構成はこのようなものであってもよい。
【0073】
<4-3>
上記実施の形態においては、継手100の第1ユニット110にはカテーテル200が接続され、継手100の第2ユニット120にはチューブ300が接続された。しかしながら、必ずしも継手100の一方にカテーテル200が接続されなくてもよい。継手100の両方にチューブ300が接続されてもよい。例えば、継手100の両方にチューブ300が接続された場合に、一方のチューブ300に他の継手等を介して間接的にカテーテル200が接続されてもよい。
【0074】
<4-4>
上記実施の形態においては、自己抜去が生じたこと(継手100の分離が生じたこと)に関する通知が医療従事者に対して行なわれた。しかしながら、通知の対象は医療従事者に限定されない。例えば、自己抜去が生じたことに関する通知は、患者の家族等に対して行なわれてもよい。
【0075】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0076】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0077】
10 通知システム
100 継手
110 第1ユニット
111 スリーブ
112 第1ボディ
113 第2ボディ
114 ボール
115,125 キャップ
116,126 ロックリング
117,127 ファーツリー
118,128 グリッパ
118A,128A 第1グリッパ
118B,128B 第2グリッパ
119,129 バックリング
120 第2ユニット
121 ニップル
150 感圧センサ
150X 電気接点
151X,152X 端子
200 カテーテル
300 チューブ
400 輸液ボトル
500 通知装置
510 制御部(「検出部」の一例)
520 通知部
AM1,AM2,AM3,AM4,AM7,AM8 凹部
B1,B2 連続凹凸部
CL1,CL2 テーパ部
CL3,CL4 爪部
CO1,CO2,CO3,CO4,CO5,CO6,CO7,CO8 凸部
FI1 処置部
R1,R2,R3 Oリング
S1,S2,S3 空間
SL1,SL2 傾斜部
SP1 スリーブスプリング
SU1,SU2 面
UN1,UN2,UN3,UN4 段部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11