(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116844
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】異常検知調整装置、異常検知調整方法、および、異常検知調整プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240821BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022664
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】圓山 和也
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA01
5L049AA01
(57)【要約】
【課題】様々な検知方法による異常検知の厳しさを制御するパラメータを専門知識が無い人でも直感的に調整することができる異常検知調整装置、異常検知調整方法、および、異常検知調整プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させ、異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、業務データに対する検知手法により異常と判定される検知結果である異常検知結果の異常検知件数を設定した判定結果を取得する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた異常検知調整装置であって、
前記記憶部は、
業務データに対して各検知手法により検知される検知結果を記憶する検知記憶手段と、
前記検知手法、異常検知基準となるパラメータ、前記パラメータ毎の値、および、前記検知手法による異常検知件数が多くなるにつれて大きくなるように調整した検知件数インデックスを紐付けて設定したアルゴリズム調整パラメータマスタと、
を備え、
前記制御部は、
前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させる調整表示手段と、
前記異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、前記業務データに対する前記検知手法により異常と判定される前記検知結果である異常検知結果の前記異常検知件数を設定した判定結果を取得する結果取得手段と、
を備えたことを特徴とする異常検知調整装置。
【請求項2】
前記調整表示手段は、
前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整スライドバーを表示させることを特徴とする請求項1に記載の異常検知調整装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記業務データ上の異常判定の定義である異常判定定義、および、前記検知手法を紐付けて設定した異常判定定義マスタ、
を更に備え、
前記調整表示手段は、
前記異常判定定義を選択可能に表示させ、選択異常判定定義が選択された場合、前記異常判定定義マスタ、および、前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記選択異常判定定義に対応する前記検知手法に紐付く前記検知件数インデックスを調整可能な前記異常検知件数調整インターフェースを表示させることを特徴とする請求項1に記載の異常検知調整装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記検知結果に設定されたデータ件数、および、前記判定結果を出力させる結果出力手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の異常検知調整装置。
【請求項5】
前記記憶部は、
前記異常検知結果の異常の度合いに応じて大きくなるように調整した異常度ランクインデックス、および、異常度ランクを調整する前記パラメータの値を紐付けて設定した異常度ランク調整パラメータマスタ、
を更に備え、
前記調整表示手段は、
更に、前記異常度ランク調整パラメータマスタに基づいて、前記異常度ランクインデックスを振分調整可能な異常度ランク振分調整インターフェースを表示させ、
前記結果取得手段は、
更に、前記異常度ランク振分調整インターフェースを介して選択された選択異常度ランクインデックスに基づいて、前記異常検知件数を前記異常度ランク毎に振り分けた異常度ランク振分件数を設定した振分結果を取得し、
前記制御部は、
前記異常検知件数、および、前記振分結果を出力させる結果出力手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の異常検知調整装置。
【請求項6】
前記調整表示手段は、
前記異常度ランク調整パラメータマスタに基づいて、前記異常度ランクインデックスを振分調整可能な異常度ランク振分調整スライドバーを表示させることを特徴とする請求項5に記載の異常検知調整装置。
【請求項7】
前記異常度ランクは、
前記異常検知結果の前記異常の度合いを示す異常度の平均値よりも小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク1、前記異常度の平均値以上であり且つ前記異常度の平均値と前記異常度の標準偏差との和より小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク2、および、前記異常度の平均値と異常度の標準偏差との和以上である前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク3を含むことを特徴とする請求項5に記載の異常検知調整装置。
【請求項8】
前記異常度ランクは、
前記異常検知結果の前記異常の度合いを示す異常度の平均値と前記パラメータの値との乗算値よりも小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク1、前記異常度の平均値とパラメータの値との乗算値以上であり且つ前記異常度の平均値および前記異常度の標準偏差の和と前記パラメータの値との乗算値より小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク2、ならびに、前記異常度の平均値および異常度の標準偏差の和とパラメータの値との乗算値以上である前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク3を含むことを特徴とする請求項5に記載の異常検知調整装置。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた異常検知調整装置に実行させるための異常検知調整方法であって、
前記記憶部は、
業務データに対して各検知手法により検知される検知結果を記憶する検知記憶手段と、
前記検知手法、異常検知基準となるパラメータ、前記パラメータ毎の値、および、前記検知手法による異常検知件数が多くなるにつれて大きくなるように調整した検知件数インデックスを紐付けて設定したアルゴリズム調整パラメータマスタと、
を備え、
前記制御部において実行される、
前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させる調整表示ステップと、
前記異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、前記業務データに対する前記検知手法により異常と判定される前記検知結果である異常検知結果の前記異常検知件数を設定した判定結果を取得する結果取得ステップと、
を含むことを特徴とする異常検知調整方法。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた異常検知調整装置に実行させるための異常検知調整プログラムであって、
前記記憶部は、
業務データに対して各検知手法により検知される検知結果を記憶する検知記憶手段と、
前記検知手法、異常検知基準となるパラメータ、前記パラメータ毎の値、および、前記検知手法による異常検知件数が多くなるにつれて大きくなるように調整した検知件数インデックスを紐付けて設定したアルゴリズム調整パラメータマスタと、
を備え、
前記制御部において、
前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させる調整表示ステップと、
前記異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、前記業務データに対する前記検知手法により異常と判定される前記検知結果である異常検知結果の前記異常検知件数を設定した判定結果を取得する結果取得ステップと、
を実行させるための異常検知調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検知調整装置、異常検知調整方法、および、異常検知調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、健康測定データのデータ解析において、健康状態の正常/異常を判定する場合の基準となる異常検知閾値を外部から手動で設定することができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、個別データに特化した閾値再設定しかできず、様々な検知方法に応じて汎用的且つ直感的なパラメータ設定をすることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、様々な検知方法による異常検知の厳しさを制御するパラメータを専門知識が無い人でも直感的に調整することができる異常検知調整装置、異常検知調整方法、および、異常検知調整プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る異常検知調整装置は、記憶部と制御部とを備えた異常検知調整装置であって、前記記憶部は、業務データに対して各検知手法により検知される検知結果を記憶する検知記憶手段と、前記検知手法、異常検知基準となるパラメータ、前記パラメータ毎の値、および、前記検知手法による異常検知件数が多くなるにつれて大きくなるように調整した検知件数インデックスを紐付けて設定したアルゴリズム調整パラメータマスタと、を備え、前記制御部は、前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させる調整表示手段と、前記異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、前記業務データに対する前記検知手法により異常と判定される前記検知結果である異常検知結果の前記異常検知件数を設定した判定結果を取得する結果取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る異常検知調整装置において、前記調整表示手段は、前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整スライドバーを表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る異常検知調整装置において、前記記憶部は、前記業務データ上の異常判定の定義である異常判定定義、および、前記検知手法を紐付けて設定した異常判定定義マスタ、を更に備え、前記調整表示手段は、前記異常判定定義を選択可能に表示させ、選択異常判定定義が選択された場合、前記異常判定定義マスタ、および、前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記選択異常判定定義に対応する前記検知手法に紐付く前記検知件数インデックスを調整可能な前記異常検知件数調整インターフェースを表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る異常検知調整装置において、前記制御部は、前記検知結果に設定されたデータ件数、および、前記判定結果を出力させる結果出力手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る異常検知調整装置において、前記記憶部は、前記異常検知結果の異常の度合いに応じて大きくなるように調整した異常度ランクインデックス、および、異常度ランクを調整する前記パラメータの値を紐付けて設定した異常度ランク調整パラメータマスタ、を更に備え、前記調整表示手段は、更に、前記異常度ランク調整パラメータマスタに基づいて、前記異常度ランクインデックスを振分調整可能な異常度ランク振分調整インターフェースを表示させ、前記結果取得手段は、更に、前記異常度ランク振分調整インターフェースを介して選択された選択異常度ランクインデックスに基づいて、前記異常検知件数を前記異常度ランク毎に振り分けた異常度ランク振分件数を設定した振分結果を取得し、前記制御部は、前記異常検知件数、および、前記振分結果を出力させる結果出力手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る異常検知調整装置において、前記調整表示手段は、前記異常度ランク調整パラメータマスタに基づいて、前記異常度ランクインデックスを振分調整可能な異常度ランク振分調整スライドバーを表示させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る異常検知調整装置において、前記異常度ランクは、前記異常検知結果の前記異常の度合いを示す異常度の平均値よりも小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク1、前記異常度の平均値以上であり且つ前記異常度の平均値と前記異常度の標準偏差との和より小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク2、および、前記異常度の平均値と異常度の標準偏差との和以上である前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク3を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る異常検知調整装置において、前記異常度ランクは、前記異常検知結果の前記異常の度合いを示す異常度の平均値と前記パラメータの値との乗算値よりも小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク1、前記異常度の平均値とパラメータの値との乗算値以上であり且つ前記異常度の平均値および前記異常度の標準偏差の和と前記パラメータの値との乗算値より小さい前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク2、ならびに、前記異常度の平均値および異常度の標準偏差の和とパラメータの値との乗算値以上である前記異常度の前記異常検知結果を振り分けるための異常度ランク3を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る異常検知調整方法は、記憶部と制御部とを備えた異常検知調整装置に実行させるための異常検知調整方法であって、前記記憶部は、業務データに対して各検知手法により検知される検知結果を記憶する検知記憶手段と、前記検知手法、異常検知基準となるパラメータ、前記パラメータ毎の値、および、前記検知手法による異常検知件数が多くなるにつれて大きくなるように調整した検知件数インデックスを紐付けて設定したアルゴリズム調整パラメータマスタと、を備え、前記制御部において実行される、前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させる調整表示ステップと、前記異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、前記業務データに対する前記検知手法により異常と判定される前記検知結果である異常検知結果の前記異常検知件数を設定した判定結果を取得する結果取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る異常検知調整プログラムは、記憶部と制御部とを備えた異常検知調整装置に実行させるための異常検知調整プログラムであって、前記記憶部は、業務データに対して各検知手法により検知される検知結果を記憶する検知記憶手段と、前記検知手法、異常検知基準となるパラメータ、前記パラメータ毎の値、および、前記検知手法による異常検知件数が多くなるにつれて大きくなるように調整した検知件数インデックスを紐付けて設定したアルゴリズム調整パラメータマスタと、を備え、前記制御部において、前記アルゴリズム調整パラメータマスタに基づいて、前記検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させる調整表示ステップと、前記異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、前記業務データに対する前記検知手法により異常と判定される前記検知結果である異常検知結果の前記異常検知件数を設定した判定結果を取得する結果取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、会計や販売のトランザクションデータを用いて会計不正の兆候を早期に検知する際に、異常検知の厳しさを制御するパラメータを簡易的に調整することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、検知件数を調整することで優先的に確認すべきデータを絞ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、内部統制を運用する上で、異常値検知に関する設定を簡略化することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、統計学の知見の無い担当者であっても、異常検知の設定を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、統計学の難しさを排除し、視覚的に分かりやすく設定を行えるため、顧客の自立化を促すことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、不正防止、ミス防止による業務効率化を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、検知手法毎に設定するパラメータのスケール、手法毎にパラメータの大小関係および検知件数の大小関係、ならびに、異常と検知されたデータの中でも特に優先的に確認すべきデータの調整をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態における機能概略図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における機能概略図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における機能概略図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における異常検知調整装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における異常判定定義マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における異常判定データ定義マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における異常判定データストアドパラメータ定義マスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における異常判定データ結果セット定義マスタの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における異常判定定義データマッピングマスタの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態におけるアルゴリズム調整パラメータマスタの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態におけるパラメータの値と検知件数との大小関係の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における異常度ランク調整パラメータマスタの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態における異常検知調整装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、本実施形態における検知件数調整処理の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、本実施形態における検知件数調整処理の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、本実施形態における検知件数調整処理の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、本実施形態における検知件数調整処理の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、本実施形態における検知件数調整処理の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、本実施形態における検知件数調整処理の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、本実施形態における異常度ランク振分処理の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、本実施形態における異常度ランク振分処理の一例を示す図である。
【
図30】
図30は、本実施形態における異常度ランク振分処理の一例を示す図である。
【
図31】
図31は、本実施形態における異常度ランク振分処理の一例を示す図である。
【
図32】
図32は、本実施形態における異常度ランク振分処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、
図1から
図3を参照して、本発明の概要を説明する。
図1から
図3は、本実施形態における機能概略図である。
【0020】
従来、業務データ上の異常検知の厳しさを調整するパラメータは、検知手法に応じてスケールが異なるため、専門知識が無い人が調整することは困難であり、検知されるデータの件数を調整できずに全てのデータを確認しなければならない状況に陥る可能性があり、業務データ上の異常を検知する際に、異常と検知されたデータ件数が多いと全てを確認できない恐れがあった。そのため、従来、検知の厳しさの調整、特に重視すべきデータを絞るために検知手法毎のパラメータの調整を簡易的に行う仕組みが必要であり、加えて、調整したパラメータに応じて検知の件数がどの程度変化するのかを知るために、パラメータに応じた検知結果を確認できる仕組み、すなわち、検知する手法毎にパラメータを調整できる仕組み、および、調整したパラメータに応じた結果を確認できる仕組みが必要であった。
【0021】
すなわち、従来、検知手法毎に設定するパラメータのスケールが異なる(例えば、平均標準偏差手法の場合、調整するパラメータ:有意水準、且つ、適切なパラメータの範囲:0~0.5であり、四分位範囲手法の場合、調整するパラメータ:四分位範囲倍率、且つ、適切なパラメータの範囲:0.5~2.5程度である)ことで、適切な値を設定することが困難、且つ、手入力で値を設定させるのが困難であったため、パラメータを手入力ではなく選択形式で調整するための仕組みが必要であった。
【0022】
そこで、
図1に示すように、本実施形態においては、検知手法毎にパラメータの値を切り分け、同一の画面上でパラメータの設定を行い、調整するパラメータをスライドバー形式で直感的に設定する仕組みを提供することで、ユーザが直接値を設定しないで済み、ユーザがパラメータの値のスケールを考える必要をなくしている。
【0023】
また、従来、手法毎にパラメータの大小関係と検知件数の大小関係が異なる(例えば、パラメータの値を大きくすればするほど、検知件数を増やす方向に作用し、パラメータの値を大きくすればするほど、検知件数を減らす方向に作用する)状態が混在することで、検知件数を絞りたい場合にパラメータを大きめに設定/小さめに設定のどちらにすればよいか分からないため、検知件数の変動が分かる形でパラメータを調整できる仕組みが必要であった。
【0024】
そこで、
図2に示すように、本実施形態においては、パラメータ調整方向と検知件数の増減とを対応させて設定することで、パラメータを調整する方向が分かるように、「重要なものだけを検知する」:検知件数を減らす、および、「幅広く検知する」:検知件数を増やす旨の説明を表示させ、調整した後の検知件数の結果を表示させる仕組みを提供することで、検知件数の増減が分かる状態でパラメータを調整でき、検知件数の変動を確認しながらパラメータを調整できるようにしている。
【0025】
また、従来、異常と検知されたデータの中でも特に優先的に確認すべきデータを調整する必要があるため、異常と検知されたデータに対して異常度ランクの振り分けを自動で行っていたが、異常と検知された全てのデータを確認しなければならない状態に陥る可能性があり、優先的に確認すべきデータの件数を調整することができなかったため、異常度ランクの振り分けを調整でき、且つ、優先的に確認すべきデータを絞ることができる仕組みが必要であった。
【0026】
そこで、
図3に示すように、本実施形態においては、検知件数を調整するパラメータと同様に、異常度ランクの振り分けを調整するパラメータの設定し、パラメータの調整後にランクに振り分けの結果を表示させる仕組みを提供することで、優先的に確認すべき(異常の度合いが大きい)データを絞る調整ができ、異常度ランクの振り分けの変動を確認しながら調整できるようにしている。
【0027】
[2.構成]
本実施形態に係る異常検知調整装置100の構成の一例について、
図4から
図12を参照して説明する。
図4は、本実施形態における異常検知調整装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図4に示すように、異常検知調整装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、異常検知調整装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0029】
異常検知調整装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。異常検知調整装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0030】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、異常検知調整装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、異常検知調整装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0031】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0032】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、異常判定定義マスタ106aと異常判定データ定義マスタ106bと異常判定データストアドパラメータ定義マスタ106cと異常判定データ結果セット定義マスタ106dと異常判定定義データマッピングマスタ106eと検知データベース106fとアルゴリズム調整パラメータマスタ106gと異常度ランク調整パラメータマスタ106hとを備えている。
【0033】
異常判定定義マスタ106aは、業務データ上の異常判定の定義である異常判定定義を管理するマスタである。ここで、異常判定定義マスタ106aは、業務データ上の異常判定の定義である異常判定定義、および、検知手法が紐付けて設定されていてもよい。
【0034】
ここで、
図5を参照して、本実施形態における異常判定定義マスタ106aの一例について説明する。
図5は、本実施形態における異常判定定義マスタ106aの一例を示す図である。
【0035】
図5に示すように、本実施形態における異常判定定義マスタ106aにおいては、異常判定定義、検知手法(アルゴリズム)、ステータス、および、異常度調整パラメータが紐付けて設定されている。
【0036】
図4に戻り、異常判定データ定義マスタ106bは、異常判定に使用するデータを取得するストアドプロシージャのデータを管理するマスタである。
【0037】
ここで、
図6を参照して、本実施形態における異常判定データ定義マスタ106bの一例について説明する。
図6は、本実施形態における異常判定データ定義マスタ106bの一例を示す図である。
【0038】
図6に示すように、本実施形態における異常判定データ定義マスタ106bにおいては、データ定義、および、ストアドプロシージャが紐付けて設定されている。
【0039】
図4に戻り、異常判定データストアドパラメータ定義マスタ106cは、異常判定に使用するデータを取得するストアドプロシージャのパラメータのデータを管理するマスタである。
【0040】
ここで、
図7を参照して、本実施形態における異常判定データストアドパラメータ定義マスタ106cの一例について説明する。
図7は、本実施形態における異常判定データストアドパラメータ定義マスタ106cの一例を示す図である。
【0041】
図7に示すように、本実施形態における異常判定データストアドパラメータ定義マスタ106cにおいては、データ定義、パラメータ名、および、パラメータ値が紐付けて設定されている。
【0042】
図4に戻り、異常判定データ結果セット定義マスタ106dは、異常判定に使用するデータとして、判定に使用するデータを取得するストアドプロシージャの結果セットの列データを管理するマスタである。
【0043】
ここで、
図8を参照して、本実施形態における異常判定データ結果セット定義マスタ106dの一例について説明する。
図8は、本実施形態における異常判定データ結果セット定義マスタ106dの一例を示す図である。
【0044】
図8に示すように、本実施形態における異常判定データ結果セット定義マスタ106dにおいては、データ定義、および、項目名が紐付けて設定されている。
【0045】
図4に戻り、異常判定定義データマッピングマスタ106eは、異常判定定義で使用するデータ定義を管理するマスタである。
【0046】
ここで、
図9を参照して、本実施形態における異常判定定義データマッピングマスタ106eの一例について説明する。
図9は、本実施形態における異常判定定義データマッピングマスタ106eの一例を示す図である。
【0047】
図9に示すように、本実施形態における異常判定定義データマッピングマスタ106eにおいては、異常判定定義、および、データ定義が紐付けて設定されている。
【0048】
図4に戻り、検知データベース106fは、業務データに対して各検知手法により検知される検知結果を記憶する。
【0049】
アルゴリズム調整パラメータマスタ106gは、検知手法、異常検知基準となるパラメータ、パラメータ毎の値、および、検知手法による異常検知件数が多くなるにつれて大きくなるように調整した検知件数インデックスを紐付けて設定したマスタである。
【0050】
ここで、
図10および
図11を参照して、本実施形態におけるアルゴリズム調整パラメータマスタ106gの一例について説明する。
図10は、本実施形態におけるアルゴリズム調整パラメータマスタ106gの一例を示す図である。
図11は、本実施形態におけるパラメータの値と検知件数との大小関係の一例を示す図である。
【0051】
図10に示すように、本実施形態におけるアルゴリズム調整パラメータマスタ106gにおいては、検知手法(アルゴリズム)×パラメータ毎の値が管理されている。なお、
図11に示すように、本実施形態において、検知件数とパラメータの値との大小関係が異なる検知手法においては、インデックス順に値が小さくなるようにマスタ管理されており、インデックスが大きくなるにつれて検知される件数が多くなる方向に調整される。
【0052】
図4に戻り、異常度ランク調整パラメータマスタ106hは、異常検知結果の異常の度合いに応じて大きくなるように調整した異常度ランクインデックス、および、異常度ランクを調整するパラメータの値を紐付けて設定したマスタである。ここで、異常度ランクは、異常検知結果の異常の度合いを示す異常度の平均値よりも小さい異常度の異常検知結果を振り分けるための異常度ランク1、異常度の平均値以上であり且つ異常度の平均値と異常度の標準偏差との和より小さい異常度の異常検知結果を振り分けるための異常度ランク2、および、異常度の平均値と異常度の標準偏差との和以上である異常度の異常検知結果を振り分けるための異常度ランク3を含んでいてもよい。また、異常度ランクは、異常検知結果の異常の度合いを示す異常度の平均値とパラメータの値との乗算値よりも小さい異常度の異常検知結果を振り分けるための異常度ランク1、異常度の平均値とパラメータの値との乗算値以上であり且つ異常度の平均値および異常度の標準偏差の和とパラメータの値との乗算値より小さい異常度の異常検知結果を振り分けるための異常度ランク2、ならびに、異常度の平均値および異常度の標準偏差の和とパラメータの値との乗算値以上である異常度の異常検知結果を振り分けるための異常度ランク3を含んでいてもよい。
【0053】
ここで、
図12を参照して、本実施形態における異常度ランク調整パラメータマスタ106hの一例について説明する。
図12は、本実施形態における異常度ランク調整パラメータマスタ106hの一例を示す図である。
【0054】
図12に示すように、本実施形態における異常度ランク調整パラメータマスタ106hにおいては、異常度ランクを調整するパラメータの値が管理されており、インデックスが大きくなるにつれて、異常の度合いが大きいデータの件数が少なくなる方向に異常度ランクの振り分けが調整される。
【0055】
図4に戻り、制御部102は、異常検知調整装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、調整表示部102aと結果取得部102bと結果出力部102cとを備えている。
【0056】
調整表示部102aは、検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させる。ここで、調整表示部102aは、アルゴリズム調整パラメータマスタ106gに基づいて、検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させてもよい。また、調整表示部102aは、アルゴリズム調整パラメータマスタ106gに基づいて、検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整スライドバーを表示させてもよい。また、調整表示部102aは、異常判定定義を選択可能に表示させ、選択異常判定定義が選択された場合、異常判定定義マスタ106a、および、アルゴリズム調整パラメータマスタ106gに基づいて、選択異常判定定義に対応する検知手法に紐付く検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整インターフェースを表示させてもよい。また、調整表示部102aは、異常度ランク調整パラメータマスタ106hに基づいて、異常度ランクインデックスを振分調整可能な異常度ランク振分調整インターフェースを表示させてもよい。また、調整表示部102aは、異常度ランク調整パラメータマスタ106hに基づいて、異常度ランクインデックスを振分調整可能な異常度ランク振分調整スライドバーを表示させてもよい。
【0057】
結果取得部102bは、業務データに対する検知手法により異常と判定される検知結果である異常検知結果の異常検知件数を設定した判定結果を取得する。ここで、結果取得部102bは、異常検知件数調整インターフェースを介して選択された選択検知件数インデックスに基づいて、業務データに対する検知手法により異常と判定される検知結果である異常検知結果の異常検知件数を設定した判定結果を取得してもよい。また、結果取得部102bは、異常度ランク振分調整インターフェースを介して選択された選択異常度ランクインデックスに基づいて、異常検知件数を異常度ランク毎に振り分けた異常度ランク振分件数を設定した振分結果を取得してもよい。
【0058】
結果出力部102cは、判定結果を出力させる。ここで、結果出力部102cは、検知結果に設定されたデータ件数、および、判定結果を出力させてもよい。また、結果出力部102cは、異常検知件数、および、振分結果を出力させてもよい。
【0059】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図13から
図32を参照して説明する。
【0060】
[異常検知調整処理]
ここで、
図13を参照して、本実施形態における異常検知調整処理の一例について説明する。
図13は、本実施形態における異常検知調整装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図13に示すように、調整表示部102aは、異常判定定義を選択可能に出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して選択された選択異常判定定義を取得する(ステップSA-1)。
【0062】
そして、調整表示部102aは、アルゴリズム調整パラメータマスタ106gに基づいて、検知件数インデックスを調整可能な異常検知件数調整スライドバーを出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して異常検知件数調整スライドバーにて選択された選択検知件数インデックスを取得する(ステップSA-2)。
【0063】
そして、結果取得部102bは、選択検知件数インデックスに基づいて、業務データに対する検知手法により異常と判定される検知結果である異常検知結果の異常検知件数を設定した判定結果を取得する(ステップSA-3)。
【0064】
そして、調整表示部102aは、異常度ランク調整パラメータマスタ106hに基づいて、異常度ランクインデックスを振分調整可能な異常度ランク振分調整スライドバーを出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して異常度ランク振分調整スライドバーにて選択された選択異常度ランクインデックスを取得する(ステップSA-4)。
【0065】
そして、結果取得部102bは、選択異常度ランクインデックスに基づいて、異常検知件数を異常度ランク毎に振り分けた異常度ランク振分件数を設定した振分結果を取得する(ステップSA-5)。
【0066】
そして、結果出力部102cは、検知結果に設定されたデータ件数および判定結果、ならびに、異常検知件数および振分結果を出力装置114に表示させ(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0067】
ここで、
図14から
図21を参照して、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例について説明する。
図14から
図21は、本実施形態におけるアラート定義パラメータ設定処理の一例を示す図である。
【0068】
本実施形態においては、異常検知に使用するデータ、手法および結果の更新内容の設定が完了している際に、
図14に示すように、異常検知の厳しさおよび異常度ランクの振り分けの調整を行うアラート定義パラメータ設定画面の画面起動時に、インデックスおよび異常度ランクを調整するパラメータの値がセットされる。
【0069】
そして、
図15に示すように、本実施形態においては、ユーザにより作成済みのパラメータを調整する異常判定定義が選択される。
【0070】
そして、
図16に示すように、本実施形態においては、選択された異常判定定義に設定されている検知手法に応じたパラメータが取得され、インデックスと検知件数とを調整するパラメータの値がセットされることで、ユーザが手法を意識せずにパラメータを直感的に設定できる。ここで、
図17に示すように、本実施形態においては、アルゴリズムによってインデックスに対するパラメータの値が等間隔ではなく、桁が変化する配分をしている検知手法(例えば、平均標準偏差の有意水準等)も存在するが、スライドバー上の操作によって値を調整できることで、ユーザが感覚的に、レンジの異なる値への調整が可能であり、生じる検知件数が激しく変動しないような調整が可能である。このように、本実施形態においては、パラメータの値をスライドバー形式で選択でき、検知手法毎の調整するパラメータの値を切り出し、レンジの異なる値の変更でも検知件数が激しく変動しないように調整でき、検知手法によらず同じ画面でパラメータの調整を行うことができる。
【0071】
そして、
図18に示すように、本実施形態においては、ユーザによるスライドバーの左右への移動により調整されることで、検知件数のパラメータが調整されて結果の変動が確認でき、パラメータの値の大小関係および検知件数の大小関係が分かる形でパラメータが調整される。このように、本実施形態においては、パラメータを調整する方向が検知結果にどのように作用するかが表示され、パラメータ調整後の検知件数の結果がリアルタイムに表示され、スライドバー形式で設定できるため、直感的に調整可能となる。
【0072】
そして、
図19に示すように、本実施形態においては、ユーザによるスライドバーの左右への移動により調整されることで、異常度ランク振り分けが調整されて、結果の変動が確認でき、異常と検知されたデータの中で特に重視すべきデータの件数が調整できる。このように、本実施形態においては、パラメータを調整する方向が重視すべきデータ件数にどのように作用するかが表示され、パラメータ調整後の異常度ランクのデータがリアルタイムに表示され、スライドバー形式で設定できるため、直感的に調整可能となる。
【0073】
そして、本実施形態においては、
図20に示すように、アラート定義パラメータ設定画面にてパラメータ調整が完了し、
図21に示すように、ユーザにより登録ボタンが押下された場合、検知件数を調整するパラメータ、および、異常度ランクの振り分けを調整するパラメータそれぞれのスライドバーにて設定されたインデックスに対応する値が更新される。
【0074】
また、
図22から
図27を参照して、本実施形態における検知件数調整処理の一例について説明する。
図22から
図27は、本実施形態における検知件数調整処理の一例を示す図である。
【0075】
図22に示すように、本実施形態においては、ユーザにより選択された異常判定定義に紐付くアルゴリズムのデータが取得される。
【0076】
そして、
図23に示すように、本実施形態においては、ストアドプロシージャのデータ、ストアドプロシージャのパラメータのデータ、および、結果セットのデータを元に、異常検知に使用するデータが取得される。
【0077】
そして、
図24に示すように、本実施形態においては、アルゴリズムのデータを元に、異常検知が実行される。すなわち、
図24に示すように、本実施形態における四分位範囲による異常検知においては、四分位範囲倍率で異常検知する範囲が調整され、異常判定定義の列名に設定されているデータが昇順にプロットされ、検定が上側であるため、上限値を上回るデータのみが異常とされる。
【0078】
そして、
図25に示すように、本実施形態においては、判定に使用された総データ件数に対するTRUE(異常)の件数の割合:1%、および、当該件数:10件を含む判定結果が表示される。
【0079】
そして、
図26に示すように、本実施形態においては、アラート定義パラメータ設定画面上でパラメータが調整されてアルゴリズムのデータが作成される。すなわち、
図26に示すように、本実施形態においては、四分位範囲倍率がスライドバーで設定されたインデックスに対応する値に変更される。
【0080】
そして、
図27に示すように、本実施形態においては、調整後のアルゴリズムのデータと異常検知に使用されるデータとを元に異常検知が実行されて判定結果が作成される。なお、本実施形態において、異常検知に使用するデータは、パラメータの調整前後で変わらない。そして、
図27に示すように、本実施形態においては、判定に使用された総データ件数に対するTRUE(異常)の件数の割合:0.2%、および、当該件数:2件を含む判定結果が表示される。
【0081】
また、
図28から
図32を参照して、本実施形態における異常度ランク振分処理の一例について説明する。
図28から
図32は、本実施形態における異常度ランク振分処理の一例を示す図である。
【0082】
図28に示すように、本実施形態においては、異常度ランクの振り分けが「異常度」という数値を元に行われ、異常検知に使用される検知手法毎に「異常度」の算出方法が異なり、正常データの異常度ランクを「0」、異常度ランクが大きい値ほど異常の度合いが強いデータ(優先的に確認すべきデータ)であることを前提として、判定が実行され、データが、正常データ(判定結果:FALSE)、または、異常データ(判定結果:TRUE)に分けられ、異常度も算出される。そして、
図28に示すように、本実施形態においては、異常度を元に、正常データ(「異常度ランク:0」)、「異常度ランク:1」の異常データ(異常の度合い:低)、「異常度ランク:2」の異常データ(異常の度合い:中)、および、「異常度ランク:3」の異常データ(異常の度合い:高)にランクの振り分けがされる。
【0083】
例えば、
図29に示すように、本実施形態においては、正常データの異常度ランクが0と振り分けられ、異常と判定されたデータの中の異常度の平均および標準偏差が算出され、異常度の平均および標準偏差を元に、異常度ランクが振り分けられる。
【0084】
そして、
図30に示すように、本実施形態においては、異常と判定されたデータの中で、異常度<「異常度の平均」のデータに「異常度ランク:1」が振り分けられ、「異常度の平均」≦異常度<「異常度の平均+1×標準偏差」のデータに「異常度ランク:2」が振り分けられ、「異常度の平均+1×標準偏差」≦異常度のデータに「異常度ランク:3」が振り分けられる。
【0085】
そして、
図31に示すように、本実施形態においては、異常度ランクの振り分けの調整がされる。このように、本実施形態においては、異常度ランクの振り分けを調整できるようになったことで、優先的に確認すべきデータを調整できる。すなわち、
図32に示すように、本実施形態においては、異常と判定されたデータの中で、異常度<「異常度の平均」×調整パラメータのデータに「異常度ランク:1」が振り分けられ、「異常度の平均」×調整パラメータ≦異常度<「異常度の平均+1×標準偏差」×調整パラメータのデータに「異常度ランク:2」が振り分けられ、「異常度の平均+1×標準偏差」×調整パラメータ≦異常度のデータに「異常度ランク:3」が振り分けられるように調整される。
【0086】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0088】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0089】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0090】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0091】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0092】
また、異常検知調整装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0093】
例えば、異常検知調整装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて異常検知調整装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0094】
また、このコンピュータプログラムは、異常検知調整装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0095】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0096】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0097】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0098】
また、異常検知調整装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、異常検知調整装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0099】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、小売業界等を含む様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0101】
100 異常検知調整装置
102 制御部
102a 調整表示部
102b 結果取得部
102c 結果出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 異常判定定義マスタ
106b 異常判定データ定義マスタ
106c 異常判定データストアドパラメータ定義マスタ
106d 異常判定データ結果セット定義マスタ
106e 異常判定定義データマッピングマスタ
106f 検知データベース
106g アルゴリズム調整パラメータマスタ
106h 異常度ランク調整パラメータマスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク