IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メディカルシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-116845X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法
<>
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図1
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図2
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図3
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図4
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図5
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図6
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図7
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図8
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図9
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図10
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図11
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図12
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図13
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図14
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図15
  • 特開-X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116845
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240821BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240821BHJP
   G06V 10/72 20220101ALI20240821BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
G06T7/00 612
G06T7/00 350B
G06V10/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022665
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 純平
(72)【発明者】
【氏名】上原 久幸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 元
(72)【発明者】
【氏名】早津 泰人
(72)【発明者】
【氏名】和久 敏哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直高
【テーマコード(参考)】
4C093
5L096
【Fターム(参考)】
4C093AA08
4C093AA26
4C093CA35
4C093EC16
4C093FA13
4C093FD03
4C093FF18
4C093FF50
5L096BA13
5L096EA45
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】X線画像に対する学習済みモデルの適合を図ること。
【解決手段】 実施形態に係るX線診断装置は、取得部と、処理部と、を備える。前記取得部は、X線画像を取得する。前記処理部は、前記X線画像が入力される第1学習済みモデルについて前記X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、前記適合する第1学習済みモデルとなるように、前記X線画像に対して画像処理を行う。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線画像を取得する取得部と、
前記X線画像が入力される第1学習済みモデルについて前記X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、前記適合する第1学習済みモデルとなるように、前記X線画像に対して画像処理を行う処理部と、
を備えるX線診断装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記第1学習済みモデルの学習データに関する第1特徴量の分布の重心から前記X線画像に関する第2特徴量が逸脱する逸脱度に応じて前記判定を行う、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項3】
前記第1特徴量の分布の重心及び標準偏差を記憶する記憶部を更に備え、
前記処理部は、前記第2特徴量と前記重心との差分を前記標準偏差で除算することで前記逸脱度を取得し、当該逸脱度が閾値以下か否かに応じて前記判定を行う、請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記否の場合には、前記逸脱度が閾値より大きい第2特徴量を選択し、前記選択した第2特徴量に関連する前記画像処理を行う、請求項2又は3に記載のX線診断装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第1特徴量のうちの画像特徴量の分布の平均値を前記画像処理の目標値として設定し、前記目標値に基づき、前記X線画像に対して画像処理を行う、請求項4に記載のX線診断装置。
【請求項6】
前記適合する第1学習済みモデルとなるように、前記取得されるX線画像の収集条件を推定する推定部を更に備える、請求項1又は2に記載のX線診断装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記否の場合には、前記逸脱度が閾値より大きい第2特徴量を選択し、前記選択した第2特徴量に関連する前記画像処理を行い、
前記第1特徴量は、前記学習データに用いた入力画像の収集条件として第1X線条件及び第1撮影条件を含み、
前記第2特徴量は、前記X線画像の収集条件として第2X線条件及び第2撮影条件を含み、
前記推定部は、前記第1X線条件から前記第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、前記第1撮影条件から前記第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とのうちの大きい方の逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する前記入力画像の収集条件を用いるように、次回以降に取得されるX線画像の収集条件を推定する、
請求項2を引用する請求項6に記載のX線診断装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記画像処理を行った後、再度、前記判定を行うループ処理を閾値以下の回数又は時間だけ行う、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記ループ処理における最後の判定の結果、否の場合には、前記画像処理以外で且つ前記第1学習済みモデルを用いない代替処理をX線画像に行う、請求項8に記載のX線診断装置。
【請求項10】
前記適合する第1学習済みモデルとなるように、前記第1学習済みモデルの準備を行う準備部を更に備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項11】
前記準備部は、前記画像処理に並行して機械学習モデルの再学習を実行し、前記再学習の後、前記第1学習済みモデルを、前記再学習により得られた新規の第1学習済みモデルに更新することで前記準備を行う、請求項10に記載のX線診断装置。
【請求項12】
前記処理部は、複数の前記第1学習済みモデルの各々について前記X線画像に適合するか否かを判定し、
前記準備部は、複数の前記第1学習済みモデルのうちの1つ以上が適合すると判定された場合には、最も適合する第1学習済みモデルを選択することで前記準備を行う、請求項10に記載のX線診断装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記否の場合には、前記逸脱度が閾値より大きい第2特徴量を選択し、前記選択した第2特徴量に関連する前記画像処理を行い、
前記第1特徴量は、前記学習データに用いた入力画像の収集条件として第1X線条件及び第1撮影条件を含み、
前記第2特徴量は、前記取得されるX線画像の収集条件として第2X線条件及び第2撮影条件を含み、
前記推定部は、前記第1X線条件から前記第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、前記第1撮影条件から前記第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とのうちの大きい方の逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する前記入力画像の収集条件を用いるように、初回に取得されるX線画像の収集条件を推定する、
請求項2を引用する請求項6に記載のX線診断装置。
【請求項14】
前記処理部は、前記否の場合には、前記第1学習済みモデルの学習データに用いた入力画像に関する画像特徴量の分布を変更させた変更画像に基づいて前記入力画像を生成する第2学習済みモデルに対して、前記X線画像を入力することで、前記X線画像の画像特徴量の分布を前記入力画像に近づけたX線画像を生成する前記画像処理を行う、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項15】
X線画像を取得する取得部と、
前記X線画像が入力される第1学習済みモデルについて前記X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、前記適合する第1学習済みモデルとなるように、前記X線画像に対して画像処理を行う処理部と、
を備える医用画像処理装置。
【請求項16】
X線画像を取得することと、
前記X線画像が入力される第1学習済みモデルについて前記X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、前記適合する第1学習済みモデルとなるように、前記X線画像に対して画像処理を行うことと、
を備える医用画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機械学習による学習済みモデルを用いて画像処理を行うX線診断装置が知られている。この種の学習済みモデルは、例えば、入力されたX線画像に対し、ノイズの低減、又は病変部のセグメンテーションといった画像処理を施し、画像処理後のX線画像を出力する。このような学習済みモデルは、入力されたX線画像が学習データの範囲内にあり、当該X線画像に適合する場合には、性能が発揮されて所望の画像処理結果を出力できる。逆に、学習済みモデルは、入力されたX線画像が学習データの範囲外にあり、当該X線画像に適合しない場合には、性能が発揮されず、想定外の画像処理結果を出力してしまう。例えば、入力されたX線画像が学習データの範囲外のX線条件や患者条件をもつ場合、学習済みモデルは、明るさが変化してアーチファクトが発生したX線画像を出力することがある。なお、このように、学習済みモデルが適合せず、想定外の画像処理結果を出力する場合、誤診の発生や撮影のやり直し及び不要被ばくが発生する可能性がある。
【0003】
従って、学習済みモデルは、入力されるX線画像に適合することで、性能を発揮して所望の画像処理結果を得る必要がある。しかしながら、学習済みモデルは、X線画像に対する適合の有無によらず、性能の発揮の有無を検知できないため、当該性能の発揮の有無をユーザが知ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-104140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線画像に対する学習済みモデルの適合を図ることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るX線診断装置は、取得部と、処理部と、を備える。前記取得部は、X線画像を取得する。前記処理部は、前記X線画像が入力される第1学習済みモデルについて前記X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、前記適合する第1学習済みモデルとなるように、前記X線画像に対して画像処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る第1学習済みモデルを説明するための模式図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る第1学習済みモデルに関する学習情報を説明するための模式図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る画像処理(前処理)を説明するための模式図である。
図5図5は、第1の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、第1の実施形態におけるステップST31の動作を説明するための模式図である。
図7図7は、第2の実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。
図8図8は、第2の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、第3の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、第4の実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。
図11図11は、第4の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図12図12は、第5の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図13図13は、第6の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図14図14は、第7の実施形態に係る第2学習済みモデルを説明するための模式図である。
図15図15は、第7の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図16図16は、第8の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。以下の説明では、略同一の機能及び構成を有する構成要素については同一符号を付すことにより、重複した記載を省略する。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。X線診断装置1としては、例えば、循環器用の装置を用いてもよい。また、X線診断装置1としては、シングルプレーン構造を例に挙げて述べるが、これに限らず、バイプレーン構造を用いてもよい。
【0010】
具体的には例えば、X線診断装置1は、撮像装置10、寝台装置30及びコンソール装置40を備えている。撮像装置10は、高電圧発生装置11、X線発生部12、X線検出器13、Cアーム14及びCアーム駆動装置141を備えている。
【0011】
高電圧発生装置11は、X線管の陰極から発生する熱電子を加速するために、陽極と陰極の間に印加する高電圧を発生させてX線管へ出力する。
【0012】
X線発生部12は、X線を発生させる。具体的には、X線発生部12は、被検体Pに対してX線を照射するX線管と、X線の照射野を限定したり、照射野のうちの一部についてX線を減衰させたりする機能を有するX線絞りとを備えている。
【0013】
X線管は、X線を発生する。具体的には、X線管は、熱電子を発生する陰極と、陰極から飛翔する熱電子を受けてX線を発生する陽極とを保持する真空管である。例えば、X線管には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。X線管は高圧ケーブルを介して高電圧発生装置11に接続されている。陰極と陽極との間には、高電圧発生装置11により管電圧が印加される。管電圧の印加により陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔する。陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔することにより管電流が流れる。高電圧発生装置11からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔し、熱電子が陽極に衝突することによりX線が発生される。
【0014】
X線絞りは、X線管とX線検出器13の間に位置し、一般的には、絞り羽根、付加フィルタ及び補償フィルタを備えている。X線絞りは、開口領域外のX線を遮蔽することにより、X線管が発生したX線を、被検体Pの関心領域にのみ照射されるように絞り込む。例えば、X線絞りは4枚の鉛板からなる絞り羽根を有し、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線の遮蔽される領域を任意のサイズに調節する。X線絞りの絞り羽根は、操作者が入力インタフェース43から入力した関心領域に応じて、図示しない駆動装置により駆動される。また、X線絞りは、X線の総ろ過を調整するための付加フィルタがスリットから挿入可能となっている。また、X線絞りは、X線検査時に使用される鉛マスクや補償フィルタがアクセサリ挿入口から挿入可能となっている。なお、補償フィルタは、照射X線量を減衰或いは低減させる機能を有するROI(Region Of Interest)フィルタを含んでもよい。
【0015】
X線検出器13は、被検体Pを透過したX線を検出する。このようなX線検出器13としては、X線を直接電荷に変換するものと、光に変換した後、電荷に変換するものとが使用可能であり、ここでは前者を例に説明するが後者であっても構わない。すなわち、X線検出器13は、例えば、被検体Pを透過したX線を電荷に変換して蓄積する平面状のFPD(Flat Panel Detector)と、このFPDに蓄積された電荷を読み出すための駆動パルスを生成するゲートドライバとを備えている。FPDは微小な検出素子を列方向及びライン方向に2次元的に配列して構成される。各々の検出素子はX線を感知し、入射X線量に応じて電荷を生成する光電膜と、この光電膜に発生した電荷を蓄積する電荷蓄積コンデンサと、電荷蓄積コンデンサに蓄積された電荷を所定のタイミングで出力するTFT(薄膜トランジスタ)を備えている。蓄積された電荷はゲートドライバが供給する駆動パルスによって順次読み出される。
【0016】
X線検出器13の後段には、図示しない投影データ生成回路及び投影データ記憶回路を備える。投影データ生成回路は、FPDから行単位あるいは列単位でパラレルに読み出された電荷を電圧に変換する電荷・電圧変換器と、この電荷・電圧変換器の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタル変換されたパラレル信号を時系列的なシリアル信号に変換するパラレル・シリアル変換器を備えている。投影データ生成回路は、このシリアル信号を時系列的な投影データとして投影データ記憶回路に供給する。投影データ記憶回路は、投影データ生成回路から供給される時系列的な投影データを順次保存して2次元投影データ(X線画像)を生成する。言い換えると、X線検出器13は、被検体を透過したX線を検出してX線画像を順次生成する。このX線画像(2次元投影データ)は、メモリ41に保存される。
【0017】
Cアーム14は、X線発生部12とX線検出器13とを被検体P及び天板33を挟んで対向するように保持することで、天板33上の被検体PのX線撮影を行うことができる構成を有する。以下の説明では、天井吊りタイプのCアームを例に挙げて述べるが、これに限らず、例えば、床置きタイプのCアームであってもよい。
【0018】
具体的にはCアーム14は、天板33に垂直なY方向と、天板33の長軸方向に沿ったZ方向との両者に直交するX方向の軸を中心に回転可能に保持部(図示せず)に保持されている。また、Cアーム14は、Z方向の軸を中心とした略円弧形状を有し、略円弧形状に沿ってスライド動作可能に保持部に保持されている。すなわち、Cアーム14は、Z方向の軸を回転中心としたスライド動作を行うことができる。また、Cアーム14は、保持部を中心としてX方向の軸を中心とした回転動作(以下、「主回転動作」と称する。)をすることができ、スライドとこの回転の組み合わせにより様々な角度方向からX線画像を観察することを可能とする。さらに、Cアーム14は、Y方向の軸を中心にも回転することができ、これにより、例えば、上述のスライド動作の回転中心軸をX方向とすることができる。なお、X線発生部12のX線焦点と、X線検出器13の検出面中心とを通る撮影軸は、スライド動作の回転中心軸と、主回転動作の回転中心軸とに一点で交差するように設計されている。当該交点は、一般的には、アイソセンタと呼ばれている。アイソセンタは、Cアーム14が上述のスライド動作や主回転動作をしても変位しない。このため、アイソセンタに関心部位が位置した場合、Cアーム14のスライド動作又は主回転動作により得られた医用画像の動画像において、関心部位の観察が容易になる。
【0019】
Cアーム14は、このようなスライド動作と回転動作を実現するための複数の動力源が該当する適当な箇所に備えられている。これらの動力源はCアーム駆動装置141を構成する。Cアーム駆動装置141は、システム制御機能441からの駆動信号を読み込んでCアーム14をスライド運動、回転運動、直線運動させる。さらに、Cアーム14には、その角度または姿勢や位置の情報を検出する状態検出器(図示せず)がそれぞれ備えられている。状態検出器は、例えば回転角や移動量を検出するポテンショメータや、位置検出センサであるエンコーダ等で構成される。エンコーダとしては、例えば磁気方式、刷子式、あるいは光電式等の、いわゆるアブソリュートエンコーダが使用可能となっている。また、状態検出器としては、回転変位をデジタル信号として出力するロータリエンコーダあるいは直線変位をデジタル信号として出力するリニアエンコーダなど、様々な種類の位置検出機構が適宜、使用可能となっている。
【0020】
寝台装置30は、被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備えている。
【0021】
基台31は、床面に設置され、支持フレーム34を鉛直方向(Y方向)に移動可能に支持する筐体である。
【0022】
寝台駆動装置32は、寝台装置30の筐体内に収容され、被検体Pが載置された天板33を天板33の長手方向(Z方向)に移動するモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、システム制御機能441からの駆動信号を読み込んで、天板33を床面に対して水平方向や垂直方向に移動させる。Cアーム14または天板33が移動することにより、被検体Pに対する撮影軸の位置関係が変化する。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動してもよい。
【0023】
天板33は、支持フレーム34の上面に設けられ、被検体Pが載置される板である。
【0024】
支持フレーム34は、基台31の上部に設けられ、天板33をその長手方向に沿ってスライド可能に支持する。
【0025】
コンソール装置40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インタフェース43、処理回路44及びネットワークインタフェース45を備えている。
【0026】
メモリ41は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hardware Disk Drive)及び画像メモリなど電気的情報を記録するメモリ本体と、それらメモリ本体に付随するメモリコントローラやメモリインタフェースなどの周辺回路とを備えている。メモリ41は、例えば、処理回路44に実行されるプログラムと、処理回路44により生成されたX線画像と、処理回路44の処理に用いるデータ、処理途中のデータ及び処理後のデータ等とが記憶される。また、メモリ41は、処理回路44の処理に用いる学習済みモデル、学習情報、前処理情報を記憶している。学習情報は、第1学習済みモデルの学習データに関する第1特徴量の分布の重心及び標準偏差を含んでいる。メモリ41は、第1特徴量の分布の重心及び標準偏差を記憶する記憶部の一例である。
【0027】
ディスプレイ42は、医用画像などを表示するディスプレイ本体と、ディスプレイ本体に表示用の信号を供給する内部回路、ディスプレイ本体と内部回路とをつなぐコネクタやケーブルなどの周辺回路から構成されている。内部回路は、処理回路44から供給される画像データに被検体情報や投影データ生成条件等の付帯情報を重畳して表示データを生成し、得られた表示データに対しD/A変換とTVフォーマット変換を行なってディスプレイ本体に表示する。
【0028】
入力インタフェース43は、被検体情報の入力、X線照射条件を含むX線撮影条件の設定、各種コマンド信号の入力等を行う。入力インタフェース43は、例えば、Cアーム14の移動指示、関心領域(ROI)の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、及び表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インタフェース43は、処理回路44に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し、処理回路44へと出力する。なお、本明細書において入力インタフェース43はマウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース43の例に含まれる。
【0029】
処理回路44は、メモリ41内のプログラムを呼び出し実行することにより、プログラムに対応するシステム制御機能441、取得機能442及び処理機能443を実現するプロセッサである。この種のプログラムとしては、例えば、取得機能442及び処理機能443をコンピュータ(医用画像処理装置46)に実現させるための医用画像処理プログラムが使用可能となっている。この医用画像処理プログラムは、適宜、後述する推定機能及び準備機能のうちの少なくとも一方をコンピュータに更に実現させてもよい。なお、図1においては単一の処理回路44にてシステム制御機能441、取得機能442及び処理機能443が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現するものとしても構わない。また、システム制御機能441、取得機能442、処理機能443は、それぞれシステム制御回路、取得回路、処理回路と呼んでもよく、個別のハードウェア回路として実装してもよい。これらプログラム、プロセッサ及びハードウエア回路に関する説明は、後述する推定機能及び準備機能についても同様である。処理回路44は、取得部、処理部、推定部及び準備部の一例である。
【0030】
システム制御機能441は、例えば、入力インタフェース43から入力された操作者によるコマンド信号、及び各種初期設定条件等の情報を一旦記憶した後、これらの情報を処理回路44の各処理機能に送信する。また、システム制御機能441は、例えば、入力インタフェース43から入力されたCアーム14や天板33の駆動に関する情報を用いてCアーム駆動装置141及び寝台駆動装置32の制御を行う。また、システム制御機能441は、例えば、記憶した各種初期設定条件等の情報を読み込んで、高電圧発生装置11における管電流、管電圧、照射時間等のX線照射条件の制御を行う。
【0031】
取得機能442は、メモリ41からX線画像を取得する。例えば、取得機能442は、X線検出器13により順次生成されたX線画像がメモリ41に保存されることにより、メモリ41内のX線画像を取得する。なお、取得機能442は、取得されるX線画像の収集条件を設定する機能を含んでもよい。
【0032】
処理機能443は、取得機能442に取得されたX線画像が入力される第1学習済みモデルについて当該X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、当該適合する第1学習済みモデルとなるように、当該X線画像に対して画像処理を行う。例えば、処理機能443は、取得されたX線画像の明るさが学習データの範囲外にある旨の理由で適合しない場合には、X線画像に対して明るさを調整する画像処理を掛ける等、適合しない理由に応じた画像処理を行う。適合しない理由は、学習済みモデルの学習データの範囲から逸脱度の大きい特徴量が、当該学習済みモデルの性能を発揮させないことによる。これに伴い、処理機能443は、X線画像に画像処理(前処理)を掛けて適合するX線画像に修正する。これにより、修正後のX線画像に対し、第1学習済みモデルの性能が発揮されるようになる。
【0033】
第1学習済みモデルは、図2(a)に学習時の例を示すように、入力データ及び出力データを含む学習データに基づいて、機械学習モデルMdに機械学習を施して得られた学習済みの機械学習モデルMdがメモリ41に実装されたものである。また、学習済みモデルMd1は、図2(b)に使用時の例を示すように、実装された学習済みの機械学習モデルMdであり、取得されたX線画像が入力されると、画像処理後の当該X線画像を出力する。なお、第1学習済みモデルMd1は、X線診断装置1の工場出荷前に予めメモリ41に保存することで実装してもよい。あるいはX線診断装置1の工場出荷後に、図示しないサーバ装置などから取得した学習済みの機械学習モデルMdをメモリ41に保存することで実装してもよい。このことは、後述する他の実施形態及び変形例でも同様である。
【0034】
機械学習としては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)を用いている。DNNとしては、例えば、動画に対して再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)を用いてもよく、静止画に対して畳込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)を用いてもよい。この種のCNNは、DCNN(Deep CNN)ともいう。本実施形態では、学習済みモデルとしてDCNNを用いている。また、RNNは、長・短期記憶(Long Short-Term Memory:LSTM)を含んでもよい。但し、機械学習は、DNNに限らず、例えば、サポートベクターマシン(SVM)などの教師あり学習アルゴリズムを用いてもよい。すなわち、機械学習としては、処理の対象画像を入力データとし、処理の結果画像を出力データとした教師あり学習アルゴリズムを用いるものであればよい。以上の機械学習に関する説明は、以下の全ての機械学習モデルMd、第1学習済みモデルMd1、及び後述する第2学習済みモデルにも該当する。
【0035】
学習データは、画像処理前のX線画像である入力画像を入力データとし、画像処理後の入力画像を出力データとした、入力データと出力データとの組である。機械学習には、複数の学習データが用いられる。複数の学習データは、図3に示すように、当該学習データの分布を示す情報が学習情報41aとしてメモリ41に保存されている。学習情報41aは、特徴量分類、第1特徴量、平均値μ、標準偏差σを含んでいる。特徴量分類は、第1学習済みモデルMd1の学習データにおける入力データ(X線画像)の特徴量である第1特徴量を分類した項目である。例えば、特徴量分類としては、X線条件、撮影条件、装置の構成、患者情報、デバイス情報、画像情報、検査内容が適宜、使用可能となっている。X線条件は、管電圧、管電流、線質フィルタなどのX線に関する第1特徴量が属する項目である。撮影条件は、Cアーム角度、視野サイズなどの撮影に関する第1特徴量が属する項目である。装置の構成は、検出器サイズ、検出器画素サイズなどの撮像装置の構成に関する第1特徴量が属する項目である。患者情報は、体重、BMI(Body-Mass Index)などの患者に関する第1特徴量が属する項目である。デバイス情報は、カテーテル又はステントといったX線画像内に撮像されるデバイスを表すデバイス種類、大きさなどの情報に関する第1特徴量が属する項目である。画像情報は、ノイズ量、ヒストグラム情報などの画像特徴量を示す第1特徴量が属する項目である。検査内容は、造影の有無、検査対象部位などの検査に対応する画像内容に関する第1特徴量が属する項目である。第1特徴量は、第1学習済みモデルMd1の学習データに関する特徴量である。平均値μは、当該学習データの第1特徴量毎に算出され、当該第1特徴量の分布を示すデータの一例である。具体的には、平均値μは、学習データの第1特徴量の平均を示す値であり、第1特徴量の分布の重心に相当する。標準偏差σは、当該学習データの第1特徴量毎に算出され、当該第1特徴量の分布を示すデータの他の一例である。具体的には、標準偏差σは、学習データの第1特徴量の標準偏差を示す値であり、第1特徴量の分布の重心から標準的に逸脱した距離の大きさに相当する。
【0036】
また、処理機能443は、第1学習済みモデルMd1の学習データに関する第1特徴量の分布の重心からX線画像に関する第2特徴量が逸脱する逸脱度に応じて上記判定を行うようにしてもよい。具体的には、処理機能443は、当該第2特徴量と当該重心との差分を標準偏差で除算することで逸脱度を取得し、当該逸脱度が閾値以下か否かに応じて上記判定を行うようにしてもよい。
【0037】
また、処理機能443は、判定の結果、否の場合には、逸脱度が閾値より大きい第2特徴量を選択し、当該選択した第2特徴量に関連する画像処理を行うようにしてもよい。このとき、処理機能443は、図4に示すように、前処理としての画像処理と、当該X線画像の第2特徴量とを関連付けた前処理情報41bをメモリ41から読み出し、上記選択した第2特徴量に関連する画像処理を前処理情報41bから特定してもよい。図4中、ノイズ量の調整という画像処理と、ノイズ量、患者体厚、線量という第2特徴量とが関連付けられている。同様に、コントラスト量の調整という画像処理と、コントラスト、管電圧、線質フィルタという第2特徴量とが関連付けられている。また、前処理情報41bは、撮影目的を更に画像処理及び第2特徴量に関連付けてもよい。具体的には例えば、ステントを確認する旨の撮影目的の場合、当該撮影目的は、エッジ強調フィルタを調整する旨の画像処理と、空間解像度を含む第2特徴量とに関連付けられる。また、処理機能443は、第1特徴量のうちの画像特徴量の分布の平均値を画像処理の目標値として設定し、目標値に基づき、X線画像に対して画像処理を行うようにしてもよい。この設定に関する画像特徴量は、学習情報41aにおける画像情報に関連する第1特徴量である。すなわち、画像特徴量の分布の平均値は、学習情報41aにおいて、画像情報に関連する第1特徴量における学習データの平均値である。
【0038】
ネットワークインタフェース45は、コンソール装置40をネットワークNwに接続して他の装置と通信するための回路である。ネットワークインタフェース45としては、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)が使用可能となっている。以下の説明では、他の装置との通信にネットワークインタフェース45が介在する旨の記載を省略する。
【0039】
これらメモリ41、ディスプレイ42、入力インタフェース43、処理回路44の取得機能442及び処理機能443は、医用画像処理方法を実行する医用画像処理装置46を構成している。医用画像処理装置46は、後述する推定機能及び準備機能を更に含んでもよい。
【0040】
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図5のフローチャート及び図6の模式図を用いて説明する。
【0041】
始めに、X線診断装置1の処理回路44は、操作者による入力インタフェース43の操作に応じて、X線画像の収集条件を設定し、収集条件に応じて撮像装置10を制御することにより、X線撮像を行う。
【0042】
ステップST20において、X線発生部12がX線を発生し、X線検出器13が、被検体Pを透過したX線を検出してX線画像を順次生成する。順次生成されたX線画像は、X線検出器13からメモリ41に保存される。これにより、X線画像が処理回路44に取得される。
【0043】
ステップST30において、処理回路44は、取得されたX線画像が入力される第1学習済みモデルMd1について当該X線画像に適合するか否かを判定する。この適合判定を行うステップST30は、ステップST31~ST32により実行される。
【0044】
例えばステップST31において、処理回路44は、第1学習済みモデルMd1の学習データに関する第1特徴量と、取得されたX線画像に関する第2特徴量とに基づいて、逸脱度を算出する。逸脱度は、第1特徴量の分布の重心(平均値μ)から第2特徴量が逸脱する度合を示す指標である。例えば図6及び以下の(1)式に示すように、逸脱度Dは、第2特徴量xと、第1特徴量の平均値μとの差分を第1特徴量の標準偏差σで除算することで取得される。なお、(1)式は、差分の絶対値を標準偏差σで除算する形(D=|x-μ|/σ)で表現してもよい。また、逸脱度Dは、特徴量間で次元が異なるため、標準偏差σで除算することで無次元に合わせている。
【0045】
D=|(x-μ)/σ| ・・・(1)
また、図6の縦軸は学習データの個数を表し、図6の横軸は学習データの第1特徴量を表す。図6の曲線は、平均値μ、標準偏差σである第1特徴量の分布を表す。
【0046】
しかる後、ステップST32において、処理回路44は、取得した逸脱度に応じて判定を行う。例えば、処理回路44は、当該逸脱度が閾値以下か否かに応じて、上記適合するか否かの判定を行う。閾値としては、例えば、第1特徴量の分布の3σに相当する値を使用してもよい。判定の結果、逸脱度が閾値を超えたときの、否の場合にはステップST50に移行する。また、逸脱度が閾値以下であるときの、適合する場合にはステップST60に移行する。以上により、ステップST31~ST32からなるステップST30が終了する。
【0047】
ステップST30からステップST50に移行した場合、適合しないX線画像に対し、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、前処理としての画像処理を施すステップST50がステップST51及びST52として実行される。ステップST51において、処理回路44は、逸脱度が閾値より大きい第2特徴量を選択する。また、ステップST52において、処理回路44は、当該選択した第2特徴量に関連する画像処理を行う。例えば、処理回路44は、前処理情報41bに基づいて、選択した第2特徴量に関連する画像処理を特定する。例えば、患者体厚が大きい場合や線量が少ない場合にはX線画像のノイズが増加するため、体厚や線量の第2特徴量に関連する画像処理としてノイズ量の調整を特定する。また例えば、コントラスト、管電圧、線質フィルタが逸脱する場合にはX線画像のコントラストが低減するため、コントラスト、管電圧、線質フィルタの第2特徴量に関連する画像処理としてコントラストの調整を特定する。しかる後、処理回路44は、第1特徴量のうちの画像特徴量の分布の平均値μを当該画像処理の目標値として設定し、当該目標値に基づき、X線画像に対して画像処理を行う。この場合、前処理である画像処理には強度調整機能を持たせておき、目標値の大きさに合わせて、画像処理の強度を調整することが好ましい。例えば、画像特徴量がSD値で目標値がプラス値の場合、X線画像のノイズ量が学習データと比較して大きい状態にあるため、前処理としてノイズを低減する画像処理を行う。反対に、目標値がマイナス値の場合にはノイズ量が少ないため、前処理としてノイズを付加する画像処理を行う。以上により、ステップST51~ST52からなるステップST50が終了する。ステップST50の終了後、ステップST60に移行する。
【0048】
ステップST60において、処理回路44は、入力画像に基づいて、画像処理後の当該入力画像を生成する第1学習済みモデルMd1に対して、X線画像を入力することで、X線画像の画像特徴量の分布を入力画像に近づけたX線画像を生成する画像処理を行う。
【0049】
ステップST70において、処理回路44は、ステップST60の画像処理後のX線画像をディスプレイ42に表示出力させる。
【0050】
上述したように第1の実施形態によれば、処理回路44は、X線画像を取得する。また、処理回路44は、当該X線画像が入力される第1学習済みモデルMd1について当該X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、当該適合する第1学習済みモデルMd1となるように、当該X線画像に対して画像処理を行う。このように、第1学習済みモデルMd1についてX線画像に適合しない場合には、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、X線画像に対して画像処理を行う構成により、X線画像に対する学習済みモデルの適合を図ることができる。
【0051】
また、第1の実施形態によれば、処理回路44は、第1学習済みモデルMd1の学習データに関する第1特徴量の分布の重心からX線画像に関する第2特徴量が逸脱する逸脱度に応じて上記判定を行う。この場合、X線画像が学習データの範囲内にあるか否かに応じて学習済みモデルが性能を発揮できるか否かが決まる性質を利用し、第1学習済みモデルの学習データからのX線画像の逸脱度に応じて、第1学習済みモデルがX線画像に適合するか否かを判定できる。従って、逸脱度という指標を用いて定量的に上記判定を行うことができる。
【0052】
また、第1の実施形態によれば、メモリ41は、学習情報41aとして、第1特徴量の分布の重心及び標準偏差を記憶する。処理回路44は、第2特徴量と重心との差分を標準偏差で除算することで逸脱度を取得し、当該逸脱度が閾値以下か否かに応じて上記判定を行う。この場合、第1特徴量の分布の重心(平均値μ)と第2特徴量との差分の大きさを、標準偏差σの何倍かで表す逸脱度により統計的に評価することができる。例えば、逸脱度の閾値を第1特徴量の分布の3σに相当する値とすることで、統計的に異常な逸脱度を検出できる。このように、統計的な値に基づいて逸脱度を取得し、閾値と比較する構成により、逸脱度の統計的な評価を伴って上記判定を行うことができる。
【0053】
また、第1の実施形態によれば、処理回路44は、上記判定の結果、否の場合には、逸脱度が閾値より大きい第2特徴量を選択し、当該選択した第2特徴量に関連する画像処理を行う。このように、逸脱度の大きい第2特徴量に関連する画像処理をX線画像に対して行う構成により、逸脱度の小さい第2特徴量に関連する画像処理を行う場合に比べ、一層、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、画像処理を行うことができる。
【0054】
また、第1の実施形態によれば、処理回路44は、第1特徴量のうちの画像特徴量の分布の平均値を画像処理の目標値として設定し、目標値に基づき、X線画像に対して画像処理を行う。このように、平均的な学習データに近づけるように、X線画像の画像処理を行う構成により、他の目標値を用いた画像処理に比べ、より一層、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、画像処理を行うことができる。
【0055】
(第1の実施形態の変形例)
以下、第1の実施形態の各変形例について説明するが、第1の実施形態と重複した部分の説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。このことは、他の実施形態についても同様である。また、第1の実施形態の各変形例は、それぞれ他の実施形態及びその変形例にも適用できる。
【0056】
(第1変形例)
第1の実施形態では、ステップST31において、1つの逸脱度を算出することで取得したが、これに限定されない。例えば、取得する逸脱度としては、第1特徴量の分布及び第2特徴量ごとに算出した逸脱度を平均化して平均値を計算してもよい。また、逸脱度を平均化する際には、第1学習済みモデルMd1の画像処理で改善される第2特徴量に重要度を設定し、重要度に応じて、逸脱度の重みづけ平均を計算してもよい。このように、複数の逸脱度の平均値又は重みづけ平均を計算することにより、逸脱度を取得してもよい。このような変形例によれば、判定に用いる逸脱度を、より多くの第1特徴量の分布及び第2特徴量に基づいて取得できるので、より妥当な逸脱度の取得を図ることができる。
【0057】
また、第1の実施形態では、ステップST31~ST32において、1つの特徴量に応じて逸脱度の取得及び判定を行ったが、これに限定されない。例えば、特定の特徴量の組合せが逸脱度の値に影響するか又は影響が予想される場合には、その組合せを特徴量として使用してもよい。例えば,患者の体型情報とCアームの角度情報の組合せはX線の通過長に相当する情報となる。X線の通過長に応じて画像の明るさやノイズ量が変化するため、機械学習技術でノイズ低減などを実施する場合にはこれらの組合せが重要と予想される。そこでこれらの組合せを特徴量として使用することで、より正確に判定を行うことができる。
【0058】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1学習済みモデルMd1が適合しない場合に、X線画像の画像処理(前処理)を行うと共に、第1学習済みモデルMd1が適合するX線画像となるように次回以降の収集条件を推定する形態となっている。
【0059】
これに伴い、処理回路44は、図7に示すように、メモリ41内のプログラムに対応する推定機能444を更に実現する構成となっている。
【0060】
ここで、推定機能444は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、取得されるX線画像の収集条件を推定する。これに関し、学習データの第1特徴量は、当該学習データに用いた入力画像の収集条件として第1X線条件及び第1撮影条件を含んでいる。X線画像の第2特徴量は、当該X線画像の収集条件として第2X線条件及び第2撮影条件を含んでいる。
【0061】
推定機能444は、第1X線条件から第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、第1撮影条件から第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とのうちの大きい方の逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する入力画像の収集条件を用いるように、次回以降に取得されるX線画像の収集条件を推定する。
【0062】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図8のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
いま、前述同様にステップST20~ST30の処理が実行される。ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合する場合には、前述同様にステップST60以降の処理が実行される。また、ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合しない場合には、前述したステップST50~ST70の処理が実行される。このとき、ステップST50の処理と並行してステップST53の処理が実行される。
【0065】
ステップST53において、処理回路44は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、取得されるX線画像の収集条件を推定する。例えば、処理回路44は、第1X線条件から第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、第1撮影条件から第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とを算出する。すなわち、処理回路44は、前述同様に、第2X線条件xと、第1X線条件の分布の重心(平均値μ)との差分を第1X線条件の標準偏差σで除算することにより、第1逸脱度を算出する。同様に、処理回路44は、第2撮影条件xと、第1撮影条件の分布の重心(平均値μ)との差分を第1撮影条件の標準偏差σで除算することにより、第2逸脱度を算出する。
【0066】
また、処理回路44は、第1逸脱度及び第2逸脱度のうちの大きい方の逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する入力画像の収集条件を含むように、次回以降に取得されるX線画像の収集条件を推定する。例えば、第1逸脱度の方が大きい場合、処理回路44は、第1逸脱度に関する第2X線条件に代えて、当該第1逸脱度に関する第1X線条件を用いるように、次回以降のX線画像の収集条件を推定する。反対に、第2逸脱度の方が大きい場合、処理回路44は、第2逸脱度に関する第2撮影条件に代えて、当該第2逸脱度に関する第1撮影条件を用いるように、次回以降のX線画像の収集条件を推定する。これにより、次回以降のX線画像は、推定された収集条件に基づいて撮像装置10によりメモリ41に収集される。
【0067】
しかる後、次回以降のX線画像について、処理回路44は、ステップST20~ST70の処理を実行する。次回以降のX線画像は、学習データに用いた入力画像の収集条件としての第1X線条件又は第1撮影条件を収集条件に用いたため、ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合する場合となることを期待できる。
【0068】
上述したように第2の実施形態によれば、処理回路44は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、取得されるX線画像の収集条件を推定する。従って、前述した効果に加え、推定された収集条件に基づいてX線画像を取得した場合に、当該X線画像に対する第1学習済みモデルMd1の適合を図ることができる。
【0069】
また、第2の実施形態によれば、第1特徴量は、学習データに用いた入力画像の収集条件として第1X線条件及び第1撮影条件を含んでいる。第2特徴量は、X線画像の収集条件として第2X線条件及び第2撮影条件を含んでいる。処理回路44は、第1X線条件から第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、第1撮影条件から第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とのうちの大きい方の逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する入力画像の収集条件を用いるように、次回以降に取得されるX線画像の収集条件を推定する。従って、前述した効果に加え、推定された収集条件に基づいて次回以降にX線画像を取得した場合に、当該次回以降に取得したX線画像に対する第1学習済みモデルMd1の適合を図ることができる。
【0070】
(第2の実施形態の変形例)
第2の実施形態では、第1逸脱度と第2逸脱度との間の大小関係を求めたが、これに限定されない。例えば、X線条件及び撮影条件の重要度に応じた重み係数を各々の逸脱度に乗じることで算出した重み付け第1逸脱度と重み付け第2逸脱度との間の大小関係を求めてもよい。このような変形例によれば、X線条件及び撮影条件の重要度に応じた判定により、X線画像の収集条件を推定できるので、より適合し易いX線画像を取得することができる。
【0071】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、一度の画像処理(前処理)で適合しない可能性を考慮し、画像処理後のX線画像に対して適合判定する形態となっている。
【0072】
これに伴い、処理回路44の処理機能443は、画像処理(前処理)を行った後、再度、判定を行うループ処理を閾値以下の回数又は時間だけ行う。補足すると、ループ処理の閾値は、前処理で解決しない場合や、要求される出力時間が近い場合にループ処理を抜ける観点から、ループ処理に必要な時間や、要求される出力時間などに応じて設定される。
【0073】
また、処理機能443は、当該ループ処理における最後の判定の結果、否の場合には、当該画像処理(前処理)以外で且つ第1学習済みモデルMd1を用いない代替処理をX線画像に行う。ここで、代替処理は、第1学習済みモデルMd1を用いずに、第1学習済みモデルMd1が生成するX線画像と同等のX線画像を得るための処理である。すなわち、代替処理としては、機械学習技術以外の画像処理などが適宜、使用可能となっている。例えば、代替処理は、第1学習済みモデルMd1が施す画像処理がノイズ低減であれば、ノイズ低減を施す画像処理であり、第1学習済みモデルMd1が施す画像処理がセグメンテーションであれば、セグメンテーションを施す画像処理である。すなわち、代替処理は、機械学習技術を用いずに実行される、本来の目的の画像処理である。
【0074】
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
いま、前述同様にステップST20~ST30の処理が実行される。ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合する場合には、前述同様にステップST60以降の処理が実行される。また、ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合しない場合には、前述したステップST50の前に、ステップST40の処理が実行される。
【0076】
ステップST40において、処理回路44は、画像処理を行った後、再度、判定を行うループ処理を閾値以下の回数だけ行うように、例えば、当該ループ処理の回数が閾値以下か否かを判定する。なお、図9中、ループ処理の回数は、初期値0からステップST50及びST30を実行する毎に、値1ずつ増加する。また、ステップST40の判定の結果、ループ処理の回数が閾値以下の場合にはステップST50に移行し、ステップST50の画像処理(前処理)を実行してステップST30に至るループ処理が実行される。なお、ステップST50の画像処理(前処理)は、X線画像に対し、ループ処理毎に重ね掛けされる。一方、当該ループ処理における最後のステップST40の判定の結果、否の場合には、ステップST41に移行する。
【0077】
ステップST41において、処理回路44は、ステップST50の画像処理以外で且つ第1学習済みモデルMd1を用いない代替処理をX線画像に施す。ステップST41の後、前述同様にステップST70の処理を実行する。
【0078】
上述したように第3の実施形態によれば、処理回路44は、画像処理を行った後、再度、判定を行うループ処理を閾値以下の回数だけ行う。これにより、前述した効果に加え、ループ処理の回数が閾値を超えると、ループを抜けるので、画像処理(前処理)の効果がない場合に、ループ処理の繰り返しを避けることができる。
【0079】
また、第3の実施形態によれば、処理回路44は、ループ処理における最後の判定の結果、否の場合には、画像処理(前処理)以外で且つ第1学習済みモデルMd1を用いない代替処理をX線画像に行う。従って、ループを抜けた後に、代替処理を行う構成により、前述した効果に加え、画像処理を繰り返しても第1学習済みモデルMd1が適用しない場合に、代替処理を施すことができる。
【0080】
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態では、ループ処理の回数が閾値以下か否かを判定したが、これに限定されない。例えば、ループ処理の時間が閾値以下か否かを判定してもよい。このような変形例としても、第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0081】
第3の実施形態では、ループ処理毎に、ループ中のX線画像に画像処理(前処理)を重ね掛けしたが、これに限定されない。例えば、ループ処理毎に、最初に取得したX線画像に対し、補正強度を調整して再度、画像処理(前処理)を掛けてもよい。このような変形例としても、第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0082】
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、第1学習済みモデルMd1の準備を行う形態となっている。
【0083】
これに伴い、処理回路44は、図10に示すように、メモリ41内のプログラムに対応する準備機能445を更に実現する構成となっている。
【0084】
ここで、準備機能445は、適合する第1学習済みモデルとなるように、第1学習済みモデルの準備を行う。例えば、準備機能445は、画像処理(前処理)に並行して機械学習モデルMdの再学習を実行し、再学習の後、第1学習済みモデルMd1を、再学習により得られた新規の第1学習済みモデルMd1に更新することで当該準備を行う。
【0085】
具体的には例えば、準備機能445は、適合しないX線画像に似た入力画像に関する学習データに基づいて、メモリ41内の機械学習モデルMdに再学習を施すことにより、学習済みの機械学習モデルである新規の第1学習済みモデルMd1を生成し、当該第1学習済みモデルMd1をメモリ41に保存する。
【0086】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0087】
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図11のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
いま、前述同様にステップST20~ST30の処理が実行される。ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合する場合には、前述同様にステップST60以降の処理が実行される。また、ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合しない場合には、前述したステップST50~ST70の処理が実行される。このとき、ステップST50の処理と並行してステップST54の処理が実行される。
【0089】
ステップST54において、処理回路44は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、第1学習済みモデルMd1の準備を行う。例えば、処理回路44は、ステップST50の画像処理(前処理)に並行して機械学習モデルMdの再学習を実行する。再学習に用いる学習データとしては、例えば、複数の学習データのうち、入力画像の第1特徴量がX線画像の第2特徴量の近傍にあるものを用いる。これにより、図6中、第1特徴量の平均値μが第2特徴量xの近傍にシフトした分布の学習データが再学習に用いられる。但し、シフト後の第1特徴量の平均値μにおける学習データの個数は、シフト前の当該個数よりも少ない。すなわち、図6に示した第1特徴量の分布の山が小さくなって平均値μが第2特徴量xにシフトした分布の学習データが再学習に用いられる。これにより、ステップST54が終了する。
【0090】
ステップST55において、処理回路44は、再学習の後、第1学習済みモデルMd1を、再学習により得られた新規の第1学習済みモデルMd1に更新することで当該準備を行う。当該更新のとき、処理回路44は、新規の第1学習済みモデルMd1に関する学習情報41aも更新する。ステップST55の終了後に取得されたX線画像については、更新後の学習情報41aに基づいて、ステップST30の適合判定が実行される。また、判定の結果、適合する場合には、更新後の第1学習済みモデルMd1を用いて、ステップST60の処理が実行される。ステップST60の後、前述同様にステップST70の処理が実行される。
【0091】
上述したように第4の実施形態によれば、処理回路44は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、第1学習済みモデルMd1の準備を行う。従って、前述した効果に加え、X線画像の画像処理とは別に、適合する第1学習済みモデルを準備することができる。
【0092】
また、第4の実施形態によれば、処理回路44は、画像処理に並行して機械学習モデルの再学習を実行し、再学習の後、第1学習済みモデルMd1を、再学習により得られた新規の第1学習済みモデルMd1に更新することで上記準備を行う。従って、前述した効果に加え、X線画像の画像処理とは並行して、再学習を用いてX線画像に、より適合する第1学習済みモデルを準備することができる。
【0093】
(第4の実施形態の変形例)
第4の実施形態では、1つの機械学習モデルMdを再学習したが、これに限定されない。例えば、複数の機械学習モデルMdを再学習してもよい。例えば、学習に時間のかかる場合、予め複数の学習データからサンプリングした複数の学習データに基づいて複数の機械学習モデルMdを再学習し、複数の学習済みモデルを作成する。しかる後、適合しない場合に、X線画像の第2特徴量に近い第1特徴量をもつ複数の学習データを再学習した第1学習済みモデルMd1を選択して使用してもよい。このような変形例としても、第4の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0094】
<第5の実施形態>
第5の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、第1学習済みモデルMd1の準備を行う形態となっている。但し、第5の実施形態は、第4の実施形態とは異なり、予め適合する第1学習済みモデルMd1を準備する。これに伴い、処理回路44は、図10に示したように、メモリ41内のプログラムに対応する準備機能445を更に実現する構成となっている。
【0095】
ここで、処理回路44の処理機能443は、複数の第1学習済みモデルMd1の各々について当該X線画像に適合するか否かを判定する。
【0096】
一方、準備機能445は、複数の第1学習済みモデルMd1のうちの1つ以上が適合すると判定された場合には、最も適合する第1学習済みモデルMd1を選択することで上記準備を行う。なお。全ての学習データを使用するのではなく,特徴量の範囲を限定した学習データを使用して複数の第1学習済みモデルMd1を作成する。例えば、X線条件である管電圧60kVp、80kVp、100kVp付近の学習データをそれぞれ用いて機械学習を行うことにより、複数の第1学習済みモデルMd1を作成する。しかる後、適合判定を行い、最も適合する第1学習済みモデルMd1を選択することで上記準備を行う。
【0097】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0098】
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0099】
いま、前述同様にステップST20が実行された後、ステップST30の処理が開始される。
【0100】
ステップST30において、処理回路44は、複数の第1学習済みモデルMd1の各々について当該X線画像に適合するか否かを判定する。この適合判定を行うステップST30は、ステップST31A~ST32Aにより実行される。
【0101】
例えばステップST31Aにおいて、処理回路44は、複数の第1学習済みモデルMd1のうちの各々の第1学習済みモデルMd1毎に、逸脱度を算出する。
【0102】
しかる後、ステップST32Aにおいて、処理回路44は、算出した各々の逸脱度に応じて判定を行う。例えば、処理回路44は、複数の第1学習済みモデルMd1の各々の逸脱度のうち、閾値以下の逸脱度をもつ第1学習済みモデルMd1があるか否かの判定に応じて、上記適合するか否かの判定を行う。この判定の結果、否の場合には、前述したステップST50~ST70の処理が実行される。一方、ステップST32Aの判定の結果、複数の第1学習済みモデルMd1のうちの1つ以上の第1学習済みモデルMd1が適合する場合には、ステップST56に移行する。
【0103】
ステップST56において、処理回路44は、ステップST32Aで適合すると判定された1つ以上の学習済みモデルのうち、最も適合する第1学習済みモデルMd1を選択することで上記準備を行う。なお、最も適合する第1学習済みモデルMd1は、例えば、最小の逸脱度をもつ第1学習済みモデルMd1である。
【0104】
ステップST56の後、前述同様にステップST60以降の処理が実行される。
【0105】
上述したように第5の実施形態によれば、処理回路44は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、第1学習済みモデルMd1の準備を行う。従って、前述した効果に加え、適合する第1学習済みモデルを予め準備することができる。
【0106】
また、第5の実施形態によれば、処理回路44は、複数の第1学習済みモデルMd1の各々について当該X線画像に適合するか否かを判定する。また、処理回路44は、複数の第1学習済みモデルMd1のうちの1つ以上が適合すると判定された場合には、最も適合する第1学習済みモデルMd1を選択することで上記準備を行う。従って、前述した効果に加え、X線画像の画像処理に先行して、複数の第1学習済みモデルの中から、適合する第1学習済みモデルを準備することができる。また、X線画像に特化した第1学習済みモデルMd1を選択的に使用できるため,より高い精度の第1学習済みモデルによる画像処理の適用結果を得ることができる。
【0107】
<第6の実施形態>
第6の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1学習済みモデルMd1が適合するX線画像となるような初回の収集条件を推定する形態となっている。
【0108】
これに伴い、処理回路44は、図7に示すように、メモリ41内のプログラムに対応する推定機能444を更に実現する構成となっている。
【0109】
ここで、推定機能444は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、取得されるX線画像の収集条件を推定する。これに関し、学習データの第1特徴量は、当該学習データに用いた入力画像の収集条件として第1X線条件及び第1撮影条件を含んでいる。X線画像の第2特徴量は、当該X線画像の収集条件として第2X線条件及び第2撮影条件を含んでいる。
【0110】
推定機能444は、第1X線条件から第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、第1撮影条件から第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とのうちの大きい方の逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する入力画像の収集条件を用いるように、初回に取得されるX線画像の収集条件を推定する。
【0111】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0112】
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図13のフローチャートを用いて説明する。
【0113】
始めに、ステップST10において、処理回路44は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、取得されるX線画像の収集条件を推定する。この推定を行うステップST10は、ステップST11~ST12により実行される。
【0114】
例えばステップST11において、処理回路44は、X線画像が入力される第1学習済みモデルMd1について当該X線画像に適合するか否かを判定する。例えば、処理回路44は、前述したステップST30と同様に、逸脱度を算出して取得し、当該取得した逸脱度が閾値以下か否かに応じて、上記適合するか否かの判定を行う。但し、逸脱度の算出に用いるX線画像の第2特徴量は、X線画像の取得前のため、画像特徴量を含まない。また、逸脱度の算出に用いるX線画像の第2特徴量は、当該X線画像の収集条件として第2X線条件及び第2撮影条件を含んでいる。また、逸脱度の算出に用いる学習データの第1特徴量は、当該学習データに用いた入力画像の収集条件として第1X線条件及び第1撮影条件を含んでいる。これに伴い、処理回路44は、第1X線条件から第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、第1撮影条件から第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とを少なくとも算出する。また、ステップST11の判定の結果、逸脱度が閾値を超えたときの、否の場合にはステップST12に移行する。また、逸脱度が閾値以下であるときの、適合する場合にはステップST20に移行する。
【0115】
ステップST12において、処理回路44は、第1逸脱度及び第2逸脱度のうちの大きい方の逸脱度を選択する。また、処理回路44は、選択した逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する入力画像の収集条件を用いるように、初回に取得されるX線画像の収集条件を推定する。これにより、ステップST12が終了し、ステップST20に移行する。
【0116】
ステップST20において、初回のX線画像は、推定された収集条件に基づいて撮像装置10によりメモリ41に収集される。これにより、処理回路44は、メモリ41内のX線画像を取得する。
【0117】
以下、前述同様にステップST30以降の処理が実行される。なお、ステップST30中、逸脱度の算出に用いるX線画像の第2特徴量は、X線画像の取得後のため、画像特徴量を含んでいる。
【0118】
上述したように第6の実施形態によれば、処理回路44は、適合する第1学習済みモデルMd1となるように、取得されるX線画像の収集条件を推定する。従って、前述した効果に加え、推定された収集条件に基づいてX線画像を取得した場合に、当該X線画像に対する第1学習済みモデルMd1の適合を図ることができる。
【0119】
また、第6の実施形態によれば、第1特徴量は、学習データに用いた入力画像の収集条件として第1X線条件及び第1撮影条件を含んでいる。第2特徴量は、X線画像の収集条件として第2X線条件及び第2撮影条件を含んでいる。処理回路44は、第1X線条件から第2X線条件が逸脱する第1逸脱度と、第1撮影条件から第2撮影条件が逸脱する第2逸脱度とのうちの大きい方の逸脱度に関する第2X線条件又は第2撮影条件に代えて、当該逸脱度に関する入力画像の収集条件を用いるように、初回に取得されるX線画像の収集条件を推定する。従って、前述した効果に加え、推定された収集条件に基づいて初回にX線画像を取得した場合に、当該初回に取得したX線画像に対する第1学習済みモデルMd1の適合を図ることができる。
【0120】
また、第6の実施形態は、第2の実施形態の変形例を同様に適用して同様の作用効果を得ることができる。
【0121】
<第7の実施形態>
第7の実施形態は、第1乃至第6の実施形態の変形例であり、前処理としての画像処理を第2学習済みモデルにより実行する形態である。但し、重複した説明を避けるため、以下では、第7の実施形態を第1の実施形態に適用した場合を代表例に挙げて述べる。
【0122】
ここで、処理回路44の処理機能443は、前述した機能に加え、判定の結果が否の場合には、第1学習済みモデルMd1の学習データに用いた入力画像に関する画像特徴量の分布を変更させた変更画像に基づいて入力画像を生成する第2学習済みモデルを用いる。すなわち、処理機能443は、当該第2学習済みモデルに対して、X線画像を入力することで、当該X線画像の画像特徴量の分布を当該入力画像に近づけたX線画像を生成する画像処理を行う。
【0123】
第2学習済みモデルは、図14(a)に学習時の例を示すように、入力データ及び出力データを含む学習データに基づいて、機械学習モデルMdに機械学習を施して得られた学習済みの機械学習モデルMdがメモリ41に実装されたものである。第2学習済みモデルMd2の学習データは、第1学習済みモデルMd1の学習データに用いた入力画像に関する画像特徴量の分布を変更させた変更画像を入力データとし、分布変更前の入力画像を出力データとした、入力データと出力データとの組である。変更画像は、例えば、入力画像に「変化」を加えた画像として準備される。「変化」については、第1学習済みモデルMd1の学習データでカバーできていない範囲の条件とする。第2学習済みモデルMd2の学習データは、第1学習済みモデルMd1に適合しない変更画像に基づいて、第1学習済みモデルMd1に適合する入力画像を生成させるための機械学習に用いられる。機械学習には、複数の学習データが用いられる。また、第2学習済みモデルMd2は、図14(b)に使用時の例を示すように、実装された学習済みの機械学習モデルMdであり、取得されたX線画像が入力されると、画像処理後の当該X線画像を出力する。なお、第2学習済みモデルMd2は、X線診断装置1の工場出荷前に予めメモリ41に保存することで実装してもよい。あるいはX線診断装置1の工場出荷後に、図示しないサーバ装置などから取得した学習済みの機械学習モデルMdをメモリ41に保存することで実装してもよい。このことは、他の実施形態及び変形例でも同様である。
【0124】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0125】
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図15のフローチャートを用いて説明する。
【0126】
いま、前述同様にステップST20~ST30の処理が実行される。ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合する場合には、前述同様にステップST60以降の処理が実行される。また、ステップST30の判定の結果、第1学習済みモデルMd1が適合しない場合には、前述したステップST50~ST70の処理が実行される。このとき、ステップST50において、ステップST51、ST52Bからなる前処理が実行される。
【0127】
ステップST51において、処理回路44は、逸脱度が閾値より大きい第2特徴量を選択する。また、ステップST52Bにおいて、処理回路44は、第1学習済みモデルMd1の学習データに用いた入力画像に関する画像特徴量の分布を変更させた変更画像に基づいて入力画像を生成する第2学習済みモデルMd2に対して、X線画像を入力することで、当該X線画像の画像特徴量の分布を当該入力画像に近づけたX線画像を生成する画像処理を行う。以上により、ステップST51、ST52BからなるステップST50が終了する。ステップST50の終了後、前述同様にステップST60以降の処理が実行される。
【0128】
上述したように第7の実施形態によれば、処理回路44は、第1学習済みモデルMd1の学習データに用いた入力画像に関する画像特徴量の分布を変更させた変更画像に基づいて入力画像を生成する第2学習済みモデルMd2に対して、X線画像を入力することで、当該X線画像の画像特徴量の分布を当該入力画像に近づけたX線画像を生成する画像処理を行う。従って、前述した効果に加え、X線画像に対して第2学習済みモデルMd2を用いた画像処理を行う構成により、前処理としての画像処理を機械学習技術によって実装することができる。
【0129】
<第8の実施形態>
第8の実施形態は、第1乃至第7の実施形態の変形例であり、図16に示すように、X線診断装置1の外部装置として、医用画像処理装置66を備えている。医用画像処理装置66は、少なくとも1つのメモリ61、ディスプレイ62、入力インタフェース63、処理回路64及びネットワークインタフェース65を備えている。処理回路64は、図示しないプロセッサとメモリを備えている。処理回路64のプロセッサは、メモリ61内のプログラムを呼び出し実行することにより、プログラムに対応する取得機能642、処理機能643、推定機能644及び準備機能645を実現する。このプログラムは、例えば、予めネットワーク又は非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(non-transitory computer-readable storage medium)67からワークステーション等のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータのプロセッサに実行されることにより、当該コンピュータに医用画像処理装置66の機能を実現させる。但し、推定機能644及び準備機能645のうちの少なくとも一方は、必須ではなく、任意の付加的事項である。
【0130】
ここで、医用画像処理装置66は、X線診断装置1とネットワークNwを介して通信可能であり、X線診断装置1の医用画像処理装置46と同様の機能をもっている。このため、医用画像処理装置66の説明としては、前述したX線診断装置1内の医用画像処理装置46の説明から、参照符号の最上位桁の値“4”を“6”に読み替えることにより、重複した詳細な説明を省略する。医用画像処理装置66及び医用画像処理装置46は、それぞれ、医用画像処理方法を実行する医用画像処理装置の一例である。
【0131】
すなわち、メモリ61は、前述したメモリ41と同様の構成であり、被検体のX線画像を順次生成するX線診断装置1により順次生成されたX線画像を保存する。X線画像は、X線診断装置1により生成及び送信され、ネットワークインタフェース65により受信されてメモリ61に書き込まれる。また、メモリ61は、医用画像処理装置66のプログラムを記憶する。メモリ61及びメモリ41は、それぞれ記憶部の一例である。
【0132】
ディスプレイ62は、前述したディスプレイ42と同様の構成であり、処理回路44に制御され、X線画像などを表示する。
【0133】
入力インタフェース63は、前述した入力インタフェース43と同様の構成であり、操作者の操作に応じた電気信号を処理回路64に出力する。
【0134】
処理回路64は、前述した処理回路44と同様の構成であり、図示しないプロセッサとメモリを備え、入力インタフェース63にて入力あるいは設定された各種情報がメモリに保存される。処理回路64のプロセッサは、メモリ61内のプログラムを呼び出し実行することにより、プログラムに対応する取得機能642、処理機能643、推定機能644及び準備機能645を実現する。処理回路64及び取得機能642は、取得部の一例である。処理回路64及び処理機能643は、処理部の一例である。処理回路64及び推定機能644は、推定部の一例である。処理回路64及び準備機能645は、準備部の一例である。
【0135】
取得機能642は、被検体のX線画像を順次生成するX線診断装置1からX線画像を取得し、当該X線画像をメモリ61に保存する。また、取得機能642は、前述した取得機能442と同様の機能である。
【0136】
処理機能643は、X線画像が入力される第1学習済みモデルについて当該X線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、当該適合する第1学習済みモデルとなるように、X線画像に対して画像処理を行う。処理機能643は、前述した処理機能443と同様の機能である。
【0137】
推定機能644は、前述した推定機能444と同様の構成であり、適合する第1学習済みモデルとなるように、X線画像の収集条件を推定する。この場合、取得機能642は、当該収集条件に基づいてX線画像を取得する。
【0138】
準備機能645は、前述した準備機能445と同様の構成であり、適合する第1学習済みモデルとなるように、第1学習済みモデルの準備を行う。
【0139】
ネットワークインタフェース65は、前述したネットワークインタフェース45と同様の構成であり、有線、無線又はその両方にて外部装置と通信するための回路である。外部装置は、例えば、モダリティとしてX線診断装置1が含まれる。
【0140】
このような医用画像処理装置66は、X線診断装置1内の医用画像処理装置46が外部装置として設けられたものとして機能する。
【0141】
上述したように第8の実施形態によれば、医用画像処理装置66において、処理回路64は、X線画像を取得する。また、処理回路64は、X線画像が入力される第1学習済みモデルについてX線画像に適合するか否かを判定し、否の場合には、当該適合する第1学習済みモデルとなるように、X線画像に対して画像処理を行う。従って、X線画像に対する学習済みモデルの適合を図ることができる。すなわち、医用画像処理装置においても、第1乃至第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、このような効果は、医用画像処理装置の各機能に対応するプログラムをコンピュータに実装した構成によっても、得ることができる。
【0142】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、X線画像に対する学習済みモデルの適合を図ることができる。
【0143】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)等の回路を意味する。プロセッサはメモリに保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサはメモリに保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、プログラムがメモリに保存される代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、各実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1図7図10又は図16における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0144】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0145】
1 X線診断装置
10 撮像装置
11 高電圧発生装置
12 X線発生部
13 X線検出器
14 Cアーム
30 寝台装置
31 基台
32 寝台駆動装置
33 天板
34 支持フレーム
40 コンソール装置
41,61 メモリ
41a 学習情報
41b 前処理情報
42,62 ディスプレイ
43,63 入力インタフェース
44,64 処理回路
441 システム制御機能
442,642 取得機能
443,643 処理機能
444,644 推定機能
445,645 準備機能
45,65 ネットワークインタフェース
46,66 医用画像処理装置
67 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16