(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116863
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】計量包装システム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
G01G19/387 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022691
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】工藤 大輔
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物品の重量値及び個数に基づく組合せ演算の誤差を低減すること。
【解決手段】計量包装システム1は、外部から投入される物品の重量値及び予め設定される物品1個当たりの重量値に基づいて、目標の重量範囲に含まれ且つ目標の個数により構成される複数の物品を下流に排出する組合せ計量装置10と、組合せ計量装置の下流に配置され、組合せ計量装置から排出された複数の物品を包装する包装装置20と、組合せ計量装置と包装装置との間に配置され、複数の物品が包装される前に、個数をカウントする計数装置30とを有し、計数装置は、個数をカウントするカウンタ31と、包装装置へ向かう第1方向と、それとは異なる第2方向との間で、複数の物品を振り分ける振分部32と、カウントの結果と組合せ計量装置に設定される目標の個数とが異なる場合には、複数の物品を第2方向に振り分けるように振分部を設定する制御部33と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から投入される物品の重量値及び予め設定される前記物品1個当たりの重量値に基づいて、目標の重量範囲に含まれ且つ目標の個数により構成される複数の前記物品を下流に排出する組合せ計量装置と、
前記組合せ計量装置の下流に配置され、前記組合せ計量装置から排出された前記複数の物品を包装する包装装置と、
前記組合せ計量装置と前記包装装置との間に配置され、前記複数の物品が前記包装装置により包装される前に、前記複数の物品の個数をカウントする計数装置とを有し、
前記計数装置は、
前記複数の物品の個数をカウントするカウンタと、
前記包装装置へ向かう第1方向と、前記第1方向とは異なる第2方向との間で、前記複数の物品を振り分ける振分部と、
前記カウンタにおけるカウントの結果と前記組合せ計量装置に設定される前記目標の個数との比較に基づき、前記カウントの結果が前記目標の個数と異なる場合には、前記複数の物品を前記第2方向に振り分けるように前記振分部を設定する制御部と、を備える、計量包装システム。
【請求項2】
前記組合せ計量装置において前記物品の個数をカウントする方式は、前記カウンタにより前記複数の物品の個数をカウントする方式と異なる、請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項3】
前記第2方向に振り分けられた前記複数の物品を前記組合せ計量装置に再投入するリターンコンベアを備える、請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項4】
前記計数装置は、前記複数の物品のX線画像を撮像する撮像部を備え、
前記カウンタは、前記撮像部によって撮像された前記X線画像に基づいて、前記複数の物品の個数をカウントする、請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項5】
前記カウンタは、光電センサを用いて、前記複数の物品の個数をカウントする、請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項6】
前記計数装置は、前記複数の物品を整列させる整列部を備え、
前記カウンタは、前記光電センサを用いて、前記整列部によって整列された前記複数の物品の個数をカウントする、請求項5に記載の計量包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1として、各計量容器について検出した重量値を物品の単重で除して保持物品個数を算出し、その保持物品個数の和が目標組合せ個数となり、かつ、検出した重量値の和が目標組合せ重量値と等しいか又は許容下限重量値及び許容上限重量値により定まる重量範囲内となる組合せを選択する組合せ計数装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来装置では、物品の総重量を物品の単重で割って個数を算出しているため、物品の単重の分散が大きい場合、組合せ演算の誤差が大きくなるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、物品の重量値及び個数に基づく組合せ演算の誤差を低減できる計量包装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る計量包装システムは、外部から投入される物品の重量値及び予め設定される前記物品1個当たりの重量値に基づいて、目標の重量範囲に含まれ且つ目標の個数により構成される複数の前記物品を下流に排出する組合せ計量装置と、前記組合せ計量装置の下流に配置され、前記組合せ計量装置から排出された前記複数の物品を包装する包装装置と、前記組合せ計量装置と前記包装装置との間に配置され、前記複数の物品が前記包装装置により包装される前に、前記複数の物品の個数をカウントする計数装置とを有し、前記計数装置は、前記複数の物品の個数をカウントするカウンタと、前記包装装置へ向かう第1方向と、前記第1方向とは異なる第2方向との間で、前記複数の物品を振り分ける振分部と、前記カウンタにおけるカウントの結果と前記組合せ計量装置に設定される前記目標の個数との比較に基づき、前記カウントの結果が前記目標の個数と異なる場合には、前記複数の物品を前記第2方向に振り分けるように前記振分部を設定する制御部と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、物品の重量値及び個数に基づく組合せ演算の誤差を低減できる計量包装システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る計量包装システム1の全体構成の一例を説明する図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る計量包装システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第2実施形態に係る計量包装システム1の全体構成の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る計量包装システム1について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る計量包装システム1は、組合せ計量装置10と、包装装置20と、計数装置30とを有する。
【0012】
組合せ計量装置10は、外部から投入される物品の重量値及び予め設定される物品1個当たりの重量値(単重)に基づいて組合せ演算する。具体的に、組合せ計量装置10は、目標の重量範囲に含まれ且つ目標の個数により構成される複数の物品を下流に排出する。
【0013】
包装装置20は、
図1に示すように、組合せ計量装置10の下流に配置され、組合せ計量装置10から排出された複数の物品を包装する。
【0014】
計数装置30は、
図1に示すように、組合せ計量装置10と包装装置20との間に配置され、複数の物品が包装装置20により包装される前に、複数の物品の個数をカウントする。
【0015】
本実施形態では、複数の物品は、組合せ計量装置10にて組合せ演算され、計数装置30に排出された後、計数装置30において個数をカウントされた後、包装装置20に排出又は搬送され、包装装置20にて包装される。
【0016】
また、計数装置30は、
図1に示すように、カウンタ31と、振分部32と、制御部33とを備える。
【0017】
計数装置30は、複数の物品の画像を撮像する撮像部34を備える。例えば、撮像部34は、計数装置30内の搬送部35上で搬送されている物品を撮像可能な位置に配置されている。ここで、撮像部34によって撮像される画像は、一例として、X線画像である。
【0018】
カウンタ31は、組合せ計量装置10から排出された複数の物品の個数をカウントする。例えば、カウンタ31は、撮像部34によって撮像された画像(例えば、X線画像)を取得する場合、そのX線画像を解析することにより複数の物品の個数をカウントする。
【0019】
振分部32は、包装装置20へ向かう第1方向と、第1方向とは異なる第2方向との間で、複数の物品を振り分ける。ここで、第2方向は、物品を系外に排出する不良排出方向であり、第2方向には、不良排出方向に排出される物品Mを受け取る回収装置(図示せず)が配置されていてもよい。
【0020】
制御部33は、カウンタ31におけるカウントの結果と、組合せ計量装置10が実際に排出した物品の個数との比較に基づき、かかるカウントの結果が相互に異なる場合、組合せ計量装置10から排出されてきた複数の物品を第2方向に振り分けるように振分部32を設定する。
【0021】
ここで、組合せ計量装置10において物品の個数をカウントする方式(以下、第1カウント方式)は、カウンタ31により複数の物品の個数をカウントする方式(以下、第2カウント方式)と異なる。
【0022】
例えば、第1カウント方式では、ホッパ(例えば、計量ホッパ)において物品の個数をカウントするという従来の方式が用いられている。具体的には、第1カウント方式では、計量ホッパで計量された物品の重量(総重量)を物品の単重で割って物品の個数を算出する。すなわち、第1カウント方式では、実際に組合せ計量装置10から排出された物品の個数ではなく、ホッパから排出された物品の個数がカウントされる。
【0023】
また、別の方式では、組合せ計量装置10が有する分散テーブル又は放射フィーダの上方にカメラを配置し、このカメラにより得られた可視画像に基づき物品の個数を取得しても構わない。具体的に、組合せ計量装置10は、得られた可視画像を画像解析することで物品の個数を取得する。
【0024】
これに対して、第2カウント方式は、第1カウント方式とは別の方法を利用している。そのため、単に第1カウント方式を用いる場合よりも、最終的に包装装置20へ搬送する物品の正確な個数を計数できる。
【0025】
すなわち、かかる構成によれば、物品の重量の分散が大きい場合であっても、目標の個数ではない物品の組合せについて検出して、包装装置20に排出しないようにできる。
【0026】
また、計量包装システム1は、第2方向に振り分けられた複数の物品を組合せ計量装置10に再投入するリターンコンベア40を備えてもよい。
【0027】
かかる構成によれば、計数装置30において検出された目標の個数ではない物品の組合せについて回収して破棄するのではなく、リターンコンベアで組合せ計量装置10に戻して、再度、組合せ演算の対象にでき、無駄な物品の廃棄を削減できる。
【0028】
以下、
図2を参照して、本実施形態に係る計量包装システム1の動作の一例について説明する。
【0029】
図2に示すように、ステップS101において、組合せ計量装置10は、計量ホッパに供給された物品の重量値を計量する。
【0030】
ステップS102において、組合せ計量装置10は、かかる物品の重量値を物品の単重で割ることで、計量ホッパに供給された物品の個数を算出する。
【0031】
ステップS103において、組合せ計量装置10は、かかる物品の重量値及び個数に基づいて組合せ演算を行い、目標の重量範囲に含まれ且つ目標の個数により構成される複数の物品を計数装置30に排出する。
【0032】
ステップS104において、計数装置30は、組合せ計量装置10から供給された物品の個数をカウントする。
【0033】
ステップS105において、計数装置30は、第1方向と第2方向との間で、複数の物品を振り分ける。
【0034】
ステップS106において、包装装置20は、計数装置30から排出された複数の物品を包装する。
(変更例1)
以下、
図3を参照して、本発明の変更例1について、上述の第1実施形態との相違点に着目して説明する。
【0035】
本変更例1において、
図3に示すように、カウンタ31は、光電センサ31Aを用いて、複数の物品の個数をカウントしてもよい。
【0036】
さらに、計数装置30は、
図3に示すように、複数の物品を整列させる整列部36を備えてもよい。ここで、カウンタ31は、光電センサ31Aを用いて、整列部36によって整列されて搬送部35上で搬送されている複数の物品の個数をカウントしてもよい。
【0037】
かかる構成によれば、整列部36によって整列されて搬送部36上で搬送されている物品の個数を光電センサ31Aにてカウントすることで、ランダムな状態で搬送部35上を搬送される物品の個数をカウントするよりも、さらに物品の個数のカウントの精度を向上させることができる。
【0038】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0039】
1…計量包装システム
10…組合せ計量装置
20…包装装置
30…計数装置
31…カウンタ
31A…光電センサ
32…振分部
33…制御部
34…撮像部
35…搬送部
36…整列部
40…リターンコンベア