(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116864
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022692
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】影山 寿晴
(57)【要約】
【課題】各供給トラフへの物品の供給を均一化させること。
【解決手段】一実施形態に係る組合せ計量装置1は、外部から供給される物品を排出する排出口を有し、第1加振部11からの振動を受けて物品を搬送する物品供給部13と、第2加振部12から振動を受け、物品供給部13から供給される物品を周方向に旋回させながら半径方向に排出していく平面視で円形の分散テーブル14と、分散テーブ14ルの周縁部のうち物品供給部13の下流に位置する第1周縁部141に取り付けられ、第1周縁部141からの物品の排出を阻止する円弧状の壁部材15と、分散テーブル14の周縁部のうち第1周縁部141を除く第2周縁部142に沿って扇状に配列された複数の供給トラフ16と、物品供給部13から第1周縁部141に排出される物品の排出方向D1と、第1周縁部141における分散テーブル14上の物品の搬送方向D2とを互いに逆方向とし、第1周縁部141において物品の塊を形成させる制御部17とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を発生させる第1加振部と、
振動を発生させる第2加振部と、
外部から供給される物品を排出する排出口を有し、前記第1加振部からの振動を受けて前記物品を搬送する物品供給部と、
前記第2加振部から振動を受け、前記物品供給部から供給される前記物品を周方向に旋回させながら半径方向に排出していく平面視で円形の分散テーブルと、
前記分散テーブルの周縁部のうち前記物品供給部の下流に位置する第1周縁部に取り付けられ、前記第1周縁部からの前記物品の排出を阻止する円弧状の壁部材と、
前記分散テーブルの周縁部のうち前記第1周縁部を除く第2周縁部に沿って扇状に配列された複数の供給トラフと、
前記第1加振部及び前記第2加振部の振動を制御し、前記物品供給部から前記第1周縁部に排出される前記物品の排出方向と、前記第1周縁部における前記分散テーブル上の前記物品の搬送方向とを互いに逆方向とし、前記第1周縁部において前記物品の塊を形成させる制御部と、を備える組合せ計量装置。
【請求項2】
隣接する第1組合せ計量機構及び第2組合せ機構を有し、
前記分散テーブルは、前記第1組合せ計量機構及び前記第2組合せ計量機構の各々が有する独立した第1分散テーブル及び第2分散テーブルを含み、
前記第1分散テーブルの回転方向及び前記第2分散テーブルの回転方向は同一である、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記物品供給部は、前記第1分散テーブルの中心と前記第2分散テーブルの中心とを結ぶ第1直線の中央を通り前記第1直線に直交する第2直線に対して非対称の形状を有する、請求項2に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、上流から供給された物品を組合せ計量装置に供給する供給装置(クロスフィーダ)と、かかる供給装置の下流に位置して物品を各チャネル(組合せ計量機構)に振り分ける振分装置と、かかる振分装置の下流において機物中央部に1乃至2つ設けられた供給フィーダ及び一部領域を非排出領域として規定された分散テーブルとを組み合わせた物品供給方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5993722号
【特許文献2】特許第5095477号
【特許文献3】特許第5314506号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の物品供給方法では、分散テーブルの周縁部に沿って設けられた各供給トラフへの物品の供給量が不均一になってしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、各供給トラフへの物品の供給を均一化できる組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る組合せ計量装置は、振動を発生させる第1加振部と、振動を発生させる第2加振部と、外部から供給される物品を排出する排出口を有し、前記第1加振部からの振動を受けて前記物品を搬送する物品供給部と、前記第2加振部から振動を受け、前記物品供給部から供給される前記物品を周方向に旋回させながら半径方向に排出していく平面視で円形の分散テーブルと、前記分散テーブルの周縁部のうち前記物品供給部の下流に位置する第1周縁部に取り付けられ、前記第1周縁部からの前記物品の排出を阻止する円弧状の壁部材と、前記分散テーブルの周縁部のうち前記第1周縁部を除く第2周縁部に沿って扇状に配列された複数の供給トラフと、前記第1加振部及び前記第2加振部の振動を制御し、前記物品供給部から前記第1周縁部に排出される前記物品の排出方向と、前記第1周縁部における前記分散テーブル上の前記物品の搬送方向とを互いに逆方向とし、前記第1周縁部において前記物品の塊を形成させる制御部と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、各供給トラフへの物品の供給を均一化できる組合せ計量装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る組合せ計量装置1の全体構成の一例を説明する図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る組合せ計量装置1の効果の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る組合せ計量装置1について説明する。
【0011】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る組合せ計量装置1は、隣接する第1組合せ計量機構1A及び第2組合せ機構1Bを有する。本実施形態では、隣接する2つの組合せ計量機構を有する組合せ計量装置1を例に挙げて説明するが、本発明は、かかる例に限定されず、他の数の組合せ計量機構を有する組合せ計量装置1にも適用可能である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る組合せ計量装置1は、第1加振部11と、第2加振部12と、物品供給部13と、分散テーブル14と、壁部材15と、複数の供給トラフ16と、制御部17と、を備える。
【0013】
第1加振部11は、物品供給部13に対して振動を発生させる。また、第2加振部12は、分散テーブル14に対して振動を発生させる。
【0014】
物品供給部13は、外部から供給される物品を分散テーブル14(14A、14B)の各々に排出する排出口13A、13Bを有する。なお、物品供給部13は、第1加振部11からの振動を受けて物品を搬送する。
【0015】
分散テーブル14は、第2加振部12から振動を受け、
図2に示すように、物品供給部13から供給される物品を周方向D2に旋回させながら半径方向Drに排出していく。ここで、分散テーブル14は、平面視で円形の形状を有する。
【0016】
なお、本実施形態に係る組合せ計量装置1では、
図1及び
図2に示すように、分散テーブル14は、第1組合せ計量機構1A及び第2組合せ計量機構1Bの各々が有する独立した第1分散テーブル14A及び第2分散テーブル14Bを含む。
【0017】
ここで、
図2に示すように、第1分散テーブル14Aの回転方向(周方向)D2及び第2分散テーブル14Bの回転方向(周方向)D2は同一である。
【0018】
壁部材15は、
図1~
図3に示すように、分散テーブル14の周縁部のうち物品供給部13の下流に位置する第1周縁部141に取り付けられ、第1周縁部141からの物品の排出を阻止する。ここで、壁部材15は、円弧状の形状を有する。
【0019】
なお、本実施形態に係る組合せ計量装置1では、
図1~
図3に示すように、第1組合せ計量機構1Aには、壁部材15Aが設けられ、第2組合せ計量機構1Bには、壁部材15Bが設けられる。
【0020】
具体的には、壁部材15Aは、分散テーブル14Aの周縁部のうち物品供給部13の下流に位置する第1周縁部141Aに取り付けられ、第1周縁部141Aからの物品の排出を阻止する。
【0021】
一方、壁部材15Bは、分散テーブル14Bの周縁部のうち物品供給部13の下流に位置する第1周縁部141Bに取り付けられ、第1周縁部141Bからの物品の排出を阻止する。
【0022】
複数の供給トラフ16は、
図1及び
図2に示すように、分散テーブル14(14A、14B)の周縁部のうち第1周縁部141(141A、141B)を除く第2周縁部142(142A、142B)に沿って扇状に配列されている。
【0023】
制御部17は、第1加振部11及び第2加振部12の振動を制御し、物品供給部13から第1周縁部141(141A、141B)に排出される物品の排出方向D1と、第1周縁部141(141A、141B)における分散テーブル14(14A、14B)上の物品の搬送方向(周方向)D2とを互いに逆方向とし、第1周縁部141(141A、141B)近傍において物品の塊を形成させる。
【0024】
以下、
図2及び
図3を参照して、本実施形態に係る組合せ計量装置1の効果について説明する。
【0025】
本実施形態に係る組合せ計量装置1では、物品は、物品供給部13から排出口13A、13Bを介して分散テーブル14A、14Bに供給されると、分散テーブル14A、14Bの回転により、分散テーブル14A、14Bの回転方向D2において上流に配置される供給トラフ16から下流に配置される供給トラフ16に順番に排出されていく。
【0026】
その際、
図2及び
図3に示すように、分散テーブル14A、14B上に物品が存在しない領域Xが発生する。かかる領域Xは、分散テーブル14A、14Bの回転方向D2の最下流の近傍に発生する。
【0027】
その結果、物品供給部13から供給された物品が、分散テーブル14A、14Bの回転方向D2の最下流の近傍に配置される供給トラフ16(例えば、
図2に示す供給トラフ16E)にはほとんど排出されないという事態が発生する。
【0028】
したがって、本実施形態に係る組合せ計量装置1では、物品供給部13が、物品供給部13から第1周縁部141A、141Bに排出される物品の排出方向D1と、第1周縁部141A、141Bにおける分散テーブル14A、14B上の物品の搬送方向(周方向)D2とを互いに逆方向とすることで、かかる領域Xに向って物品を排出する。
【0029】
その結果、本実施形態に係る組合せ計量装置1によれば、分散テーブル14A、14Bの回転方向D2の最下流の近傍に配置される供給トラフ16に対しても物品を排出することができ、各供給トラフへの物品の供給の均一化を実現できる。
【0030】
また、物品供給部13は、
図2に示すように、第1分散テーブル14Aの中心C1と第2分散テーブル14Bの中心C2とを結ぶ第1直線L1の中央O1を通り第1直線L1に直交する第2直線L2に対して非対称の形状を有する。
【0031】
かかる構成によれば、「第1加振部11による時計回り又は反時計回りの搬送力を用いて分散テーブル14A、14Bの所望する領域Xへ物品供給部13上の各面の傾斜角度の違いを用いて案内させることができる。
【0032】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0033】
1…組合せ計量装置
1A…第1組合せ計量機構
1B…第2組合せ計量機構
11…第1加振部
12…第2加振部
13…物品供給部
13A、13B…排出口
14…分散テーブル
14A…第1分散テーブル
14B…第2分散テーブル
141…第1周縁部
142…第2周縁部
15…壁部材
16…供給トラフ
17…制御部
C1…第1分散テーブルの中心
C2…第2分散テーブルの中心
D1…物品の排出方向
D2…物品の搬送方向