(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116884
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】人工降雨用ノズルを有する人工降雨装置及び人工降雨装置の設計方法
(51)【国際特許分類】
A01G 25/02 20060101AFI20240821BHJP
B05B 1/20 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A01G25/02
B05B1/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022728
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】502391600
【氏名又は名称】株式会社テクノコア
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】替場 信一
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033AA09
4F033BA04
4F033DA01
4F033EA06
4F033LA12
4F033NA01
(57)【要約】
【課題】より少ない数のノズルでより効率的に、より均一性の高い降雨状態を再現することができる人工降雨用ノズルおよび人工降雨用装置を提供すること及びその設計方法を提供することである。
【解決手段】人工降雨装置は、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第1ノズル2aと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第2ノズル2bと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第3ノズル2cと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第4ノズル2dと、を少なくとも有する単位ノズルユニット2を有し、第1ノズル2aは単位ノズルユニット2の左側端部位置に配置され、第4ノズル2dは単位ノズルユニット2の右側端部位置に配置され、第2ノズル2bは単位ノズルユニット2の前側端部位置に配置され、第3ノズル2cは単位ノズルユニット2の後側端部位置に配置され、単位ノズルユニット2は、左右方向及び前後方向に複数配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第1ノズルと、
左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第2ノズルと、
左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第3ノズルと、
左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第4ノズルと、
を少なくとも有する単位ノズルユニットを有し、
前記第1ノズルは前記単位ノズルユニットの左側端部位置に配置され、
前記第4ノズルは前記単位ノズルユニットの右側端部位置に配置され、
前記第2ノズルは前記単位ノズルユニットの前側端部位置に配置され、
前記第3ノズルは前記単位ノズルユニットの後側端部位置に配置され、
前記単位ノズルユニットは、左右方向及び前後方向に複数配置されている
人工降雨装置。
【請求項2】
複数の前記単位ノズルユニットは、前後方向及び左右方向に等間隔で配置されている
請求項1に記載の人工降雨装置。
【請求項3】
前記単位ノズルユニットの第1ノズル、第2ノズル、第3ノズル及び第4ノズルの各ノズル位置には、N倍の数のノズルが配置されている
請求項1に記載の人降雨装置。
【請求項4】
請求項1に記載の人工降雨装置を設計する際に、
雨量を少なくする場合に、前記単位ノズルユニットの第1ノズル、第2ノズル、第3ノズル及び第4ノズルの配置間隔を広くし、
前記単位ノズルユニットの設置位置を高位置に設計する
人工降雨装置の設計方法。
【請求項5】
降雨量をN倍したい場合には、前記単位ノズルユニットの第1ノズル、第2ノズル、第3ノズル及び第4ノズルの各ノズル位置には、N倍の数のノズルが配置されるように設計する
請求項4に記載の人工降雨装置の設計方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工降雨用ノズルについての人工降雨装置及び人工降雨装置の設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人工降雨用ノズルおよび人工降雨用装置の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人工降雨用ノズルおよび人工降雨用装置はより少ない数のノズルでより効率的により均一性の高い降雨状態を再現することが課題である。
【0005】
本発明は、より少ない数のノズルでより効率的に、より均一性の高い降雨状態を再現することができる人工降雨用ノズルおよび人工降雨用装置を提供すること及びその設計方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点における人工降雨装置は、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第1ノズルと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第2ノズルと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第3ノズルと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第4ノズルと、を少なくとも有する単位ノズルユニットを有し、前記第1ノズルは前記単位ノズルユニットの左側端部位置に配置され、前記第4ノズルは前記単位ノズルユニットの右側端部位置に配置され、前記第2ノズルは前記単位ノズルユニットの前側端部位置に配置され、前記第3ノズルは前記単位ノズルユニットの後側端部位置に配置され、前記単位ノズルユニットは、左右方向及び前後方向に複数配置されている。
【0007】
好適には、複数の前記単位ノズルユニットは、前後方向及び左右方向に等間隔で配置される。
請求項1に記載の人工降雨装置。
【0008】
好適には、前記単位ノズルユニットの第1ノズル、第2ノズル、第3ノズル及び第4ノズルの各ノズル位置には、N倍の数のノズルが配置されている。
【0009】
好適には、人工降雨装置の設計方法は、人工降雨装置を設計する際に、雨量を少なくする場合に、前記単位ノズルユニットの第1ノズル、第2ノズル、第3ノズル及び第4ノズルの配置間隔を広くし、前記単位ノズルユニットの設置位置を高位置に設計する。
【0010】
好適には、降雨量をN倍したい場合には、前記単位ノズルユニットの第1ノズル、第2ノズル、第3ノズル及び第4ノズルの各ノズル位置には、N倍の数のノズルが配置されるように設計する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、より少ない数のノズルでより効率的に人工降雨を生じさせ、かつ、より自然の降雨の状態に近づけることができる人工降雨用ノズルおよび人工降雨用装置及び人工降雨用装置の設計方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る人工降雨装置を利用した試験研究施設の構成の一例を示す説明図である。
【
図2】単位ノズルユニットについての説明図である。
【
図4】前後方向からみた、単位ノズルユニットの効果の説明図である。
【
図5】左右方向からみた、単位ノズルユニットの効果の説明図である。
【
図6】人工降雨用の水の供給についての説明図である。
【
図8】単位ノズルユニット2の位置を高くすること、及び、ノズルの位置関係を広げることによる雨量の調整をすることができることの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る人工降雨装置を利用した試験研究施設の構成の一例を示す説明図である。
【0015】
図1のように、試験用路面101上に、支持構造102を、間隔をあけて(通常は等間隔)複数設置する。
本実施例(本発明)において、左右方向とは試験用路面101が伸びている方向に対して垂直かつ鉛直方向との両方に垂直な方向をいう(
図1の紙面右左方向)。
また、前後方向とは、試験用路面101が伸びる方向をいう。
支持構造102は、水平に伸びるバー部102aとこのバー部を地面に対して保持する支柱部102bを有している。
バー部102aには、複数のノズル(=第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2d、
図2を参照のこと)を一ユニットトにした単位ノズルユニット2が配置される。
この単位ノズルユニット2は、1つのバー部102a上に左右方向に複数配置されることが通常である。
また、この単位ノズルユニット2は、
図1のように、複数の支持構造102それぞれにも同じように配置することが通常である。
なお、本実施例(本発明)において、右方向とは、
図1における紙面右側をいう。
なお、本実施例(本発明)において、左方向とは、
図1における紙面左側をいう。
なお、本実施例(本発明)において、前方向とは、
図1における紙面手前側をいう。
なお、本実施例(本発明)において、後方向とは、
図1における紙面奥側をいう。
【0016】
このように、一定間隔で単位ノズルユニット2が配置されることにより、人工降雨をより自然の雨に近い形で降雨させることができる。
また、
図1のように、単位ノズルユニット2の中心点と、左右方向に隣接する他の単位ノズルユニット2の中心点との距離は、L1と規定している(なお、中心点の説明は、
図2において行う)。
また、
図1のように、単位ノズルユニット2の中心点と、前後方向に隣接する他の単位ノズルユニット2の中心点との前後方向の距離は、L2と規定している。
なお、
図1のように前後方向の隣接する単位ノズルユニット2は縦横に並んで(整列して)配置されている。
異なる例としては、互い違いに(斜め位置に)配置されていてもよい。
つまり、前後方向から見ると、一つの支持構造102に左右方向に配置されている複数の単位ノズルユニット2の間の位置に、前後方向に隣接する他の支持構造102に左右方向に配置されている複数の単位ノズルユニット2が位置することなる。
なお、
図1では、分かりやすく、支持構造102と前後方向に隣接する支持構造102の距離は広くとっているが、実際にはより近接させて配置することが望ましい(
図2のところで記載する実施例の数値を確認のこと)。
また、
図1では、支持構造102は3つだけであるが、実際にはもっと大量の支持構造102を配置することが普通である。もちろん、それらの支持構造102には、単位ノズルユニット2が複数配置されている。
【0017】
図1では、単位ノズルユニット2は、試験用路面101に対して左右方向に延びるように配置しているが、試験用路面101に対して前後方向(車の進行方向)に延びるように配置してもよい。
また、屋内の屋根の内側(屋根の下)に単位ノズルユニット2を配置して、屋内(長い体育館や、工場の建屋のような構造)に試験用路面2を形成することができる。
【0018】
図2は、単位ノズルユニット2についての説明図である。
【0019】
単位ノズルユニット2は、
図2のように、第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dを有している。
第1ノズル2aと、第4ノズル2dとの中心位置が前述の単位ノズルユニット2の中心点となる。
この中心点の前後方向の手前側に第2ノズル2bが配置される。
また、この中心点の前後方向の奥側に第3ノズル2cが配置される。
第2ノズル2bと、第3ノズル2cの間の中心点が、前述の第1ノズル2aと、第4ノズル2dの中心点に一致している。
【0020】
なお、第2ノズル2bと、第3ノズル2cの位置関係は、必ずしも、左右方向で同一の位置に配置されている必要はなく斜めに配置されていてもよい。
ここで、中心点と第1ノズル2aの距離がl1とする。
また、中心点と第4ノズル2dの距離がl1とする。
中心点と第2ノズル2bの距離がl2とする。
また、中心点と第3ノズル2cの距離がl2とする。
【0021】
(本実施形態での数値)
l1=5000mm
l2= 350mm
L1=9200mm
L2= 700mm
である(L1、L2については
図1も参照のこと)。現在のところこの数値が最適であると考えている。
このような数値で、前後方向及び左右方向のいずれの場所にも均一に人工降雨を降らせることができる。
なお、前後方向に隣接する単位ノズルユニット2は、互縦に並んで配置されている(
図1参照)。
このように、縦横に並んで(等間隔に整列されて並んで)配置することにより、隙間なく人工降雨を降らせることが可能となる。
【0022】
なお、本実施形態における重要なポイントの一つとして、単位ノズルユニット2の単位で、人工降雨装置が作られる点である。
これによって、容易に設置や制御化できることになる。
【0023】
第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dは、送水管103に接続されている。
送水管103には、一定の圧力で水が供給されている。
この水が、第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dの先端から排出されて人工降雨として利用されている。
なお、
図2においては、単位ノズルユニット2の先には送水管が伸びていないが、その先の単位ノズルユニット2がある場合は、さらに伸びていてよい。
【0024】
【0025】
図3の左側が正面図(前後方向の位置から見た形状)であり、右側が側面図(左右方向の位置から見た形状)である。
そのため、
図1の手前方向から見ると、第1ノズル2aは正面図のように見える。
以下、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dについても同一なので、以下代表して、第1ノズル2aのみ説明する。
【0026】
第1ノズル2aは、
図3に示すように、先端部側が水滴放出用のフレキシブルチュ-ブ部21cと、中央部が幅広に形成されたノズル本体部21bと、後端部が外部から散水用の水を取り込む管接続部21aとを備えて構成されている。
そして、送水管103(
図2参照のこと)を介して第1ノズル2aに送り込まれる(降雨用)水が、フレキシブルチュ-ブ部21cから外部に向けて放散される際に、第1ノズル2aは、中央部が幅広に形成されているので、先端部側のフレキシブルチュ-ブ部21cの横ぶれ(振動、揺動)を、有効に抑制することとなる。
【0027】
この横ぶれの抑制により、フレキシブルチュ-ブ部21cでは、放水動作時には、放水の反動で生じる一方向への往復屈曲動作(自励振動・揺動)が、円滑に実行されることとなり、横ぶれすることがないので、その動作の安定が確保された状態となっている。
つまり、
図3の正面図において左右に方向(左右方向と同一方向)にのみ振動(揺動)を起こすことになる。
【0028】
具体的には、放水に際し、第1ノズル2aは、厚みが薄い面(先端部)で屈曲動作するため扇状に振動することから、散水される水滴郡も扇状に広がりつつ落下し、ほぼ直線状に降雨をもたらす(
図4、
図5参照)。
【0029】
換言すると、第1ノズル2aの自励振動(フレキシブルチュ-ブ部21cの一方向への往復屈曲動作)によって、
図4(
図5)に示すように、安定した状態で、人工降雨が連続的に実行され維持される。
【0030】
図4は、前後方向からみた、単位ノズルユニット2の効果の説明図である。
【0031】
第1ノズル2a、第2ノズル2b(第3ノズル2c)及び第4ノズル2dは、
図3で説明したように左右方向に大きく揺動(振動)する。
これにより、
図4のように左右方向に人工降雨を広範囲に振らせることができる。
なお、単位ノズルユニット2は、約2000mm程度の高さに設置することで十分に人工降雨の役割を果たすことができる。
もちろん、これ以上の高さにした方がより均一化して人工降雨を降らせることができるが、支柱部102b(
図1参照)が長くなるため費用が掛かってしまう。
さらに、高くなると設置工事や保守管理に手間が増えることになる。また、施工者、保守・管理者が高い位置に上がって作業することになり危険性も増す。
そのため、この高さが一般に適切だと考えている。
また、人間がかがんで歩くようだと、これまた各種の作業性を害するため、1800mm~2400mmの範囲程度が適切である。
もっとも、その高さの範囲は人工降雨を降らせて試験等をしたい対象(用途)によって異なってくることは当然である。
【0032】
なお、
図1のように支持構造102は必須ではないことは言うまでもない。
また、高さについても様々に変更可能であることも言うまでもない。
【0033】
図5は、左右方向からみた、単位ノズルユニット2の効果の説明図である。
【0034】
図5のように、第2ノズル2b及び第3ノズル2cは、前後方向に配置されえている。
図4で説明したように、第1ノズル2a(第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2d)は、前後方向には揺動しない(大きくは揺動しない)。
もちろん、第1ノズル2a(第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2d)は多少揺動することや、第1ノズル2aを出たときの乱れによって、
図4のように前後方向にも拡散(ばらまいて)して人工降雨を降らせることが可能である。
もっとも、
図4と
図5を比較すれば容易に理解できるが、拡散(ばらまく)程度は明らかに差が存在する。
この違いが、前述のL1とL2の違いに表れている。
なお、
図5では、第1ノズル2a、第4ノズル2dは省略している。
【0035】
図6は、人工降雨用の水の供給についての説明図である。
【0036】
人工降雨用の水は、ポンプ110から吐出され、送水管103を通じて各単位ノズルユニット2に分配される。
なお、送水管103は、支持構造102の支柱部102bとバー部102a内又はその表面を送水管されている。
なお、
図6では、一つの支持構造102にのみ配水しているが、当然複数の支持構造102にはいすいしていてもよい。
また、
図6では、一つの支持構造102内の1つの単位ノズルユニット2にのみ配水しているが、複数の単位ノズルユニット2に配水することのほうが普通である。
【0037】
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態の説明図である。
【0038】
図7のように、第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dの数を各2つにしてもよい。
これにより、雨量を倍にすることができる。
さらに、安定して、かつ、ムラのない人工降雨を実現できる。
さらに、3倍、4倍、N倍にすることで、雨量を、2倍、3倍、N倍にすることができる。
このような設計方法とそれによって設置された人工降雨装置を上記の方法で提供することができる。
【0039】
<数値範囲>
第1の実施形態及び第2の実施形態における、数値範囲を記載すると、第1ノズル2aと第4ノズル2dの左右方向の距離を3等分した場合に、3等分の中央の範囲位置に、第2ノズル2b及び第2ノズル2bは位置する。
また、第2ノズル2bと第3ノズル2cの前後方向の距離は、第1ノズル2aと第4ノズル2dの左右方向の距離の1/5以下である。
<変形例1>
第2ノズル2bと第3ノズル2cは、第1ノズル2aと第4ノズル2dの距離を3等分した場合に中央の位置の範囲にあればよい。
もちろんより好適には、第1ノズル2aと第4ノズル2dの距離を5等分した場合に中央の位置の範囲にあればよい。
さらに、第2ノズル2bと第3ノズル2cは、左右方向において同一の位置に配置されているとより好適である。
l2の長さは、l1の1/5以下であることが好適である。
より好適には、l2の長さは、l1の1/10以下であることがより好適である。
L2の長さは、L1の1/5以下であることが好適である。
より好適には、L2の長さは、L1の1/10以下であることがより好適である。
l1の長さは、L1の1/2以下であることが好適である。
より好適には、l1の長さは、L1の1/3以下であることが好適である。
l2の長さは、L2の1/5以下であることが好適である。
より好適には、l1の長さは、L1の1/3以下であることが好適である。
【0040】
<高さによる雨量の調整>
図8は、単位ノズルユニット2の位置を高くすること、及び、ノズルの位置関係を広げることによる雨量の調整をすることができることの説明図である。
【0041】
図8(a)は、例えば、高さ2mで、第1ノズル2aと第4ノズル2dとの間の距離を1500mm(±100mm)、第2ノズル2bと第3ノズル2cの距離との間を120mm(±20mm)のとすることにより、1時間当たり55mm(±10mm)の降水量を実現できる。
図8(b)は、例えば、高さ4mで、第1ノズル2aと第4ノズル2dとの間の距離を3250mm(±100mm)、第2ノズル2bと第3ノズル2cの距離との間を260mm(±20mm)のとすることにより、1時間当たり35mm(±10mm)の降水量を実現できる。
図8(c)は、例えば、高さ6mで、第1ノズル2aと第4ノズル2dとの間の距離を5000mm(±100mm)、第2ノズル2bと第3ノズル2cの距離との間を360mm(±20mm)のとすることにより、1時間当たり20mm(±10mm)の降水量を実現できる。
なお、単位ノズルユニット2は、縦方向(前後方向)に長く配置することも、横方向(左右方向)にがなくなるように配置することもできる。
【0042】
降水量が少なくてもよい場合には、
図8(a)~(c)を比較すればわかるように単位ノズルユニット2の大きさを大きくすることができる。
その結果、ノズルの数を減少させることができる。ノズルの数の減少は費用の低額化、施工及びメンテナンスの低下をもたらす。
ただ、単位ノズルユニット2の各ノズルの間隔が広くなるため、十分に拡散するために、
図8のように高さを高くする必要がある。
なお、同じ高さで雨量を2倍に大きくしたい場合には、
図7のように2倍のノズルを配置すればよい。雨量を3倍にしたい場合は、3倍とすることで対応できる。以下、N倍でも同様である。
このような設計方法とそれによって設置された人工降雨装置を上記の方法で提供することができる。
【0043】
<実施形態の構成及び効果>
人工降雨装置は、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第1ノズル2aと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第2ノズル2bと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第3ノズル2cと、左右方向に振動して人工降雨用の水を噴射する第4ノズル2dと、を少なくとも有する単位ノズルユニット2を有し、第1ノズル2aは単位ノズルユニット2の左側端部位置に配置され、第4ノズル2dは単位ノズルユニット2の右側端部位置に配置され、第2ノズル2bは単位ノズルユニット2の前側端部位置に配置され、第3ノズル2cは単位ノズルユニット2の後側端部位置に配置され、単位ノズルユニット2は、左右方向及び前後方向に複数配置されている。
このような構成を有することから、ある程度均一に人工降雨を降らせることが可能となる。
【0044】
複数の単位ノズルユニット2は、前後方向及び左右方向に等間隔で配置される。
このような構成を有することから、より均一に人工降雨を降らせることが可能となる。
【0045】
好適には、単位ノズルユニット2の第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dの各ノズル位置には、N倍の数のノズルが配置されている。
このような構成を有することにより、2倍からN倍までの雨量を容易に形成することができる。
【0046】
好適には、人工降雨装置の設計方法は、人工降雨装置を設計する際に、雨量を少なくする場合に記単位ノズルユニット2の第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dの配置間隔を広くし、単位ノズルユニット2の設置位置を高位置に設計する。
このような構成を有することによって、必要とされる雨量を容易に作り出すことができる。
【0047】
好適には、降雨量をN倍したい場合には、単位ノズルユニット2の第1ノズル2a、第2ノズル2b、第3ノズル2c及び第4ノズル2dの各ノズル位置には、N倍の数のノズルが配置されるように設計する。
このような構成を有することによって、必要とされる雨量を容易に作り出すことができる。
【0048】
本発明の、構造、各部材の連結、化学物質、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
材質も、金属、プラスチック、FRP、木材、コンクリート等を自由に選択することが可能である。
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
また、上記実施形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態の1つにすぎない。
【符号の説明】
【0049】
2 単位ノズルユニット
2a 第1ノズル
2b 第2ノズル
2c 第3ノズル
2d 第4ノズル
21a 管接続部
21b ノズル本体部
21c フレキシブルチュ-ブ部
101 試験用路面
102 支持構造
102a バー部
102b 支柱部
103 送水管
110 ポンプ