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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011690
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】監視システムおよび監視装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240118BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240118BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G08B25/04 C
G08G1/00 D
G08B21/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113907
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下田 光昭
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C086AA28
5C086AA51
5C086CA25
5C086DA14
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA10
5C087AA37
5C087AA44
5C087BB20
5C087DD03
5C087DD05
5C087DD14
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
5H181AA15
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF17
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
5H181MB01
5H181MB06
5H181MB07
5H181MB08
(57)【要約】
【課題】移動体を適切に監視することができる。
【解決手段】位置発信装置1aは、移動体1に設置され、移動体1の位置の特定および発信をする。監視装置10は、位置発信装置1aから発信された移動体1の位置を取得する。監視装置10は、移動体1の第1時点での位置から複数の目的地それぞれへの経路2a,2b,2cを特定する。監視装置10は、第1時点以降の移動体1の位置の第1軌跡3と、移動体1の第1時点での位置から複数の目的地のうちの移動体の次の目的地以外の別目的地への経路2b,2cとの比較結果に応じて第1警報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置され、前記移動体の位置の特定および発信をする位置発信装置と、
前記位置発信装置から発信された前記移動体の位置を取得し、前記移動体の第1時点での位置から複数の目的地それぞれへの経路を特定し、前記第1時点以降の前記移動体の位置の第1軌跡と、前記移動体の前記第1時点での位置から前記複数の目的地のうちの前記移動体の次の目的地以外の別目的地への経路との比較結果に応じて第1警報を出力する監視装置と、
を有する監視システム。
【請求項2】
前記監視装置は、前記第1軌跡が前記移動体の前記第1時点での位置から前記別目的地への経路のいずれかと一致する場合、前記第1警報を出力し、前記第1軌跡が前記移動体の前記第1時点での位置から前記複数の目的地への経路のいずれとも一致しない場合、前記第1警報とは異なる第2警報を出力する、
請求項1記載の監視システム。
【請求項3】
前記監視装置は、前記移動体の前記第1警報が出力された後の第2時点以降の前記移動体の位置の第2軌跡と、前記移動体の第2時点での位置から前記次の目的地への経路とが一致する場合、前記第1警報の出力を抑止する、
請求項1記載の監視システム。
【請求項4】
前記監視装置は、前記移動体の第3時点での位置が前記次の目的地の場合、前記第3時点以降、前記移動体が一定期間停止したか否かを判定し、前記移動体が前記一定期間停止しなかった場合、前記第1警報を出力する、
請求項1記載の監視システム。
【請求項5】
前記監視装置は、前記第1警報を前記位置発信装置に送信し、
前記位置発信装置は、前記第1警報を取得すると、前記移動体によって移動する人物への通知を出力する、
請求項1記載の監視システム。
【請求項6】
移動体に設置され、前記移動体の位置の特定および発信をする位置発信装置から発信された前記移動体の位置を取得し、前記移動体の第1時点での位置から複数の目的地それぞれへの経路を特定し、前記第1時点以降の前記移動体の位置の第1軌跡と、前記移動体の前記第1時点での位置から前記複数の目的地のうちの前記移動体の次の目的地以外の別目的地への経路との比較結果に応じて第1警報を出力する処理部、
を有する監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムおよび監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現金輸送車や配送車等の車両が走行するルートは、あらかじめ指定されていることが多い。車両がルート上の各地点を立ち寄る順序を指定されていることもあり、車両が指定されたルートを走行しているかを監視することが重要である。
【0003】
車両の監視に関する技術としては、例えば、貨物の追跡を常時可能とする輸送システムが提案されている。また、例えば、荷物の誤配送の未然防止、配送途中の荷物の追跡、捜索、また輸送状態を荷物毎に記録する貨物集配管理システムが提案されている。また、例えば、走行パターンが変化する自動車での走行に対応した運転監視システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-151086号公報
【特許文献2】特開2002-96913号公報
【特許文献3】特開2012-174185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ルートが指定された車両の運転手が、誤って次の目的地とは別の地点へ向かってしまうことがある。このような、運転手のミスを自動で検知できるよう車両を監視できることが好ましい。
【0006】
1つの側面では、本件は、移動体を適切に監視することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、位置発信装置と監視装置とを有する監視システムが提供される。位置発信装置は、移動体に設置され、移動体の位置の特定および発信をする。監視装置は、位置発信装置から発信された移動体の位置を取得し、移動体の第1時点での位置から複数の目的地それぞれへの経路を特定し、第1時点以降の移動体の位置の第1軌跡と、移動体の第1時点での位置から複数の目的地のうちの移動体の次の目的地以外の別目的地への経路との比較結果に応じて第1警報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、移動体を適切に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る監視システムの一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る監視システムの一例を示す図である。
図3】監視装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
図4】ドングルのハードウェアの一構成例を示す図である。
図5】監視装置の機能例を示すブロック図である。
図6】配送先情報の一例を示す図である。
図7】ルート監視処理と移動先間違い通知の一例を示す図である。
図8】初期設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9】ルート監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る監視システムの一例を示す図である。第1の実施の形態は、監視装置10が移動体1の監視をするものである。移動体1は、指定されたルートを移動するものである。移動体1は、例えば、現金輸送車、配送車等の車両である。なお、移動体1は、自転車や人等であってもよい。
【0012】
第1の実施の形態の監視システムは、位置発信装置1aと監視装置10とを有する。位置発信装置1aは、移動体1に設置され、移動体1の位置の特定および発信をする。位置発信装置1aは、例えば、移動体1に設置されたドングルや、移動体1の運転手のスマートフォン等である。位置発信装置1aは、例えば、GPS(Global Positioning System)装置によって算出した位置発信装置1aの現在位置を、移動体1の位置として特定する。
【0013】
監視装置10は、移動体1が指定されたルートを移動しているかを監視するコンピュータである。監視装置10は、処理部11を有する。処理部11は、監視装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部11は、例えば、監視装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。以下では、移動体1のルートとして、地点xから地点a、地点b、地点cを順に訪れるルートが設定されている場合について説明する。
【0014】
処理部11は、位置発信装置1aから発信された移動体1の位置を取得する。例えば、位置発信装置1aは、無線通信によってネットワークに接続し、一定時間間隔で、移動体1の現在位置をネットワークを介して発信する。処理部11は、一定時間間隔で、ネットワークを介して位置発信装置1aから移動体1の位置を取得する。
【0015】
処理部11は、移動体1の第1時点での位置から複数の目的地それぞれへの経路2a,2b,2cを特定する。例えば、移動体1の第1時点での位置は地点xであり、経路2aは、地点xから次の目的地である地点aへの経路である。また、経路2bは、地点xから地点bへの経路である。また、経路cは、地点xから地点cへの経路である。例えば、処理部11は、地点xから地図上の地点a、地点b、地点cそれぞれへの最短経路を経路2a,2b,2cとして特定する。
【0016】
次に、処理部11は、第1時点以降の移動体1の位置の第1軌跡3を特定する。例えば、処理部11は、第1時点以降に位置発信装置1aから取得した一定時間間隔の移動体1の位置の軌跡を、第1軌跡3として特定する。処理部11は、第1軌跡3と、移動体1の第1時点での位置から複数の目的地のうちの移動体1の次の目的地以外の別目的地への経路2b,2cとを比較する。
【0017】
そして、処理部11は、第1軌跡3と、移動体1の第1時点での位置から別目的地への経路2b,2cとの比較結果に応じて第1警報を出力する。ここで、処理部11は、第1軌跡3が移動体1の第1時点での位置から別目的地への経路2b,2cのいずれかと一致する場合、第1警報を出力する。
【0018】
例えば、処理部11は、第1警報を位置発信装置1aに送信する。位置発信装置1aは、第1警報を取得すると、移動体1によって移動する人物への通知を出力する。人物への通知としては、例えば、位置発信装置1aは、位置発信装置1aが有するスピーカや表示装置から、行先を間違っていることを示すメッセージを出力する。なお、位置発信装置1aは、移動体1と接続され、移動体1が有するスピーカや表示装置から、行先を間違っていることを示すメッセージを出力してもよい。
【0019】
また、処理部11は、第1軌跡3が移動体1の第1時点での位置から複数の目的地への経路2a,2b,2cのいずれとも一致しない場合、第1警報とは異なる第2警報を出力する。第2警報は、例えば、緊急連絡先への通知である。
【0020】
第1の実施の形態によれば、位置発信装置1aは、移動体1に設置され、移動体1の位置の特定および発信をする。監視装置10は、位置発信装置1aから発信された移動体1の位置を取得する。監視装置10は、移動体1の第1時点での位置から複数の目的地それぞれへの経路2a,2b,2cを特定する。そして、監視装置10は、第1時点以降の移動体1の位置の第1軌跡3と、移動体1の第1時点での位置から複数の目的地のうちの移動体1の次の目的地以外の別目的地への経路2b,2cとの比較結果に応じて第1警報を出力する。
【0021】
これにより、第1の実施の形態の監視システムは、移動体1が誤って別目的地へ向かってしまうことを検知することができる。よって、第1の実施の形態の監視システムは、移動体1を適切に監視することができる。
【0022】
また、監視装置10は、第1軌跡3が移動体1の第1時点での位置から別目的地への経路2b,2cのいずれかと一致する場合、第1警報を出力する。監視装置10は、第1軌跡3が移動体1の第1時点での位置から複数の目的地への経路2a,2b,2cのいずれとも一致しない場合、第1警報とは異なる第2警報を出力する。これにより、第1の実施の形態の監視システムは、移動体1の運転手が行先を間違った可能性が高い場合と、移動体1が事件に巻き込まれた可能性が高い場合とで異なる警報を出力できる。
【0023】
また、監視装置10は、第1警報を位置発信装置1aに送信し、位置発信装置1aは、第1警報を取得すると、移動体1によって移動する人物への通知を出力する。これにより、第1の実施の形態の監視システムは、移動体1によって移動する人物に、行先を間違っていることを適切に通知できる。
【0024】
なお、監視装置10は、移動体1の第1警報が出力された後の第2時点以降の移動体1の位置の第2軌跡と、移動体1の第2時点での位置から次の目的地への経路とが一致する場合、第1警報の出力を抑止してもよい。これにより、第1の実施の形態の監視システムは、移動体1がルートを修正した場合、第1警報の出力を抑止できる。
【0025】
また、監視装置10は、移動体1の第3時点での位置が次の目的地の場合、第3時点以降、移動体1が一定期間停止したか否かを判定し、移動体1が一定期間停止しなかった場合、第1警報を出力してもよい。これにより、第1の実施の形態の監視システムは、移動体1が誤って次の目的地を通過してしまったことを検知して、通知することができる。
【0026】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、配送車の移動を監視するものである。
【0027】
図2は、第2の実施の形態に係る監視システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の監視システムは、監視装置100およびドングル200を有する。監視装置100およびドングル200は、ネットワーク30に接続されている。ネットワーク30は、例えば、インターネット等の広域ネットワークである。
【0028】
監視装置100は、配送車20を監視するサーバコンピュータである。配送車20は、あらかじめ設定されたルートを走行し荷物を配送する車両である。配送車20が走行するルートとしては、荷物を配送する目的地(配送先)と各配送先へ向かう順序が設定される。監視装置100は、ドングル200から発信される配送車20の位置を、一定時間間隔で取得する。監視装置100は、取得した配送車20の位置の軌跡と次の目的地への経路とを比較し、一致しているか否かを判定する。
【0029】
監視装置100は、配送車20の位置の軌跡と次の目的地への経路とが一致していない場合、配送車20の位置の軌跡と他の配送先への経路とを比較する。監視装置100は、配送車20の位置の軌跡と他の配送先への経路とが一致する場合、ドングル200のスピーカから、行先を間違っていることを示すメッセージを出力させる。また、監視装置100は、配送車20の位置の軌跡と他の配送先への経路とが一致していない場合、緊急連絡先に通知する。
【0030】
ドングル200は、配送車20の位置を発信する装置である。ドングル200は、配送車20にUSB(Universal Serial Bus)接続され、配送車20から電力の供給を受ける。ドングル200は、GPS装置によって現在位置を特定し、特定した現在位置を一定時間間隔で監視装置100に通知する。ドングル200は、監視装置100からの指示に応じて、スピーカから行先を間違っていることを示すメッセージを出力する。なお、配送車20は、第1の実施の形態に示した移動体1の一例である。また、ドングル200は、第1の実施の形態に示した位置発信装置1aの一例である。
【0031】
図3は、監視装置のハードウェアの一構成例を示す図である。監視装置100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0032】
メモリ102は、監視装置100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0033】
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0034】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0035】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機ELを用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0036】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0037】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0038】
機器接続インタフェース107は、監視装置100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0039】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0040】
監視装置100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した監視装置10も、図3に示した監視装置100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部11の一例である。
【0041】
監視装置100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。監視装置100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、監視装置100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また監視装置100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0042】
図4は、ドングルのハードウェアの一構成例を示す図である。ドングル200は、プロセッサ201によって装置全体が制御されている。プロセッサ201には、バス208を介してメモリ202と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ201は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ201は、例えば、CPU、MPUまたはDSPである。プロセッサ201がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC、PLD等の電子回路で実現してもよい。
【0043】
メモリ202は、ドングル200の主記憶装置として使用される。メモリ202には、プロセッサ201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ202には、プロセッサ201による処理に利用する各種データが格納される。メモリ202としては、例えば、RAM等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。バス208に接続されている周辺機器としては、不揮発性メモリ203、USB端子204、GPS装置205、スピーカ206および無線インタフェース207がある。
【0044】
不揮発性メモリ203は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。不揮発性メモリ203は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。不揮発性メモリ203には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、不揮発性メモリ203としては、例えば、フラッシュメモリを使用することができる。
【0045】
USB端子204は、ドングル200を外部機器にUSB接続させる。ドングル200は、USB端子204を介して外部機器から電力の供給を受ける。また、ドングル200は、USB端子204を介して外部機器とデータの送受信をする。GPS装置205は、GPS衛星から信号を受信し、現在地の緯度および経度を算出する。GPS装置205は、算出した緯度および経度を、プロセッサ201に送信する。
【0046】
スピーカ206は、プロセッサ201から取得した音声信号に従って音声を出力する。無線インタフェース207は、無線通信によるネットワークインタフェースである。無線インタフェース207は、ネットワーク30に接続されている。無線インタフェース207は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0047】
ドングル200は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した位置発信装置1aも、図4に示したドングル200と同様のハードウェアにより実現することができる。
【0048】
ドングル200は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。ドングル200に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、ドングル200に実行させるプログラムを不揮発性メモリ203に格納しておくことができる。プロセッサ201は、不揮発性メモリ203内のプログラムの少なくとも一部をメモリ202にロードし、プログラムを実行する。また、不揮発性メモリ203に実行させるプログラムを、可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えば、可搬型記録媒体が接続されたコンピュータからの制御により、当該コンピュータにUSB接続されたドングル200の不揮発性メモリ203にインストールされた後、実行可能となる。
【0049】
次に、監視装置100の機能について詳細に説明する。
図5は、監視装置の機能例を示すブロック図である。監視装置100は、記憶部110、登録部120、判定部130および通知部140を有する。記憶部110は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。登録部120、判定部130および通知部140は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。記憶部110は、配送先情報111を記憶する。配送先情報111は、車両の配送先の位置と配送順序とを示す情報である。
【0050】
登録部120は、配送車20の情報を配送先情報111に登録する初期設定処理を実行する。登録部120は、配送車20の各配送先の位置情報、配送車20が各配送先へ向かう順序(配送順序)、最初の目的地の入力を受け付ける。登録部120は、入力された情報を配送先情報111に登録する。
【0051】
判定部130は、配送車20が走行しているルートを判定する。まず、判定部130は、配送車20の現地点から各配送先への経路を特定する。例えば、判定部130は、ドングル200から配送車20の緯度、経度を取得し、取得した緯度、経度から配送車20の地図データ上の座標を特定する。判定部130は、配送車20の地図データ上の座標から、配送先情報111に登録された各配送先の地図データ上の座標それぞれへの最短経路を各配送先への経路として特定する。次に、判定部130は、一定時間間隔で、ドングル200から配送車20の位置情報を受信する。例えば、判定部130は、一定時間間隔で、ドングル200から配送車20の緯度、経度を取得し、取得した緯度、経度から配送車20の地図データ上の座標を特定する。
【0052】
そして、判定部130は、位置情報の軌跡と各配送先への経路とを比較する。例えば、判定部130は、経路特定以降に取得した配送車20の地図データ上の座標と、各配送先への経路それぞれとの地図データ上の距離を算出する。判定部130は、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致するか否かを判定する。例えば、判定部130は、次の目的地である配送先への経路と、経路特定以降に取得した配送車20の地図データ上の座標それぞれとの距離が全て所定値未満である場合、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致すると判定する。判定部130は、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致すると判定した場合、配送車20の位置情報の取得および位置情報の軌跡と各配送先への経路との比較を継続する。
【0053】
判定部130は、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致しないと判定した場合、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致するか否かを判定する。例えば、判定部130は、次の目的地以外の配送先への経路のいずれかと、経路特定以降に取得した配送車20の地図データ上の座標それぞれとの距離が全て所定値未満である場合、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致すると判定する。
【0054】
判定部130は、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致すると判定した場合、移動先間違い通知の出力を通知部140に指示する。また、判定部130は、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致しないと判定した場合、緊急連絡先への通知を通知部140に指示する。
【0055】
また、判定部130は、配送車20が次目的地に到着した場合、配送車20が一定期間停止したか否かを判定する。例えば、判定部130は、一定期間、ドングル200から配送車20の位置情報を一定時間間隔で受信する。判定部130は、受信した位置情報の変化が所定値未満である場合、配送車20が一定期間停止したと判定する。判定部130は、配送車20が一定期間停止していないと判定した場合、移動先間違い通知の出力を通知部140に指示する。
【0056】
判定部130は、上記の処理を配送車20が最終目的地に到着するまで繰り返す。
通知部140は、移動先間違い通知の出力および緊急連絡先への通知をする。例えば、通知部140は、判定部130から移動先間違い通知の出力を指示された場合、ドングル200に、移動先が間違っていることを示すメッセージをスピーカ206から出力させる。また、通知部140は、判定部130から緊急連絡先への通知を指示された場合、あらかじめ設定された連絡先に、配送車20が事件に巻き込まれた可能性があることを示すメッセージを送信する。なお、移動先間違い通知は、第1の実施の形態に示した第1警報の一例である。また、緊急連絡先への通知は、第1の実施の形態に示した第2警報の一例である。
【0057】
なお、図5に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部110に記憶される配送先情報111について説明する。
【0058】
図6は、配送先情報の一例を示す図である。配送先情報111は、車両の配送先の位置と配送順序とを示す情報である。配送先情報111は、車両、配送先名称、配送先位置、配送順序および次目的地の項目を有する。
【0059】
車両の項目には、車両の名称が設定される。配送先名称の項目には、各配送先の名称が設定される。配送先位置の項目には、各配送先の地図データにおける位置座標が設定される。なお、配送先名称および配送先位置の項目には、配送先の数だけ名称および位置座標が設定される。配送順序の項目には、各配送先へ向かう順序が設定される。次目的地の項目には、次の目的地である配送先の名称が設定される。
【0060】
次に、第2の実施の形態の監視システムによるルート監視処理と移動先間違い通知について説明する。
図7は、ルート監視処理と移動先間違い通知の一例を示す図である。判定部130は、配送車20が走行しているルートを判定し、通知部140は、配送車20が次の目的地以外の配送先へ向かっている場合、ドングル200に移動先の間違いを通知させる。図7の例では、配送車20が地点Aから地点B、地点C、地点D、地点E、地点Aへ順に向かう場合を例に説明する。
【0061】
配送車20のルートとしては、経路41,42,43,44,45が指定されている。経路41は、地点Aから地点Bへ向かう経路である。経路42は、地点Bから地点Cへ向かう経路である。経路43は、地点Cから地点Dへ向かう経路である。経路44は、地点Dから地点Eへ向かう経路である。経路45は、地点Eから地点Aへ向かう経路である。
【0062】
まず、判定部130は、配送車20が地点Aにある時点において、地点Aから各配送先への経路41,51,52,53を特定する。経路51は、地点Aから地点Cへ向かう経路である。経路52は、地点Aから地点Dへ向かう経路である。経路53は、地点Aから地点Eへ向かう経路である。
【0063】
次に、判定部130は、一定時間間隔で、ドングル200から配送車20の現在位置を取得する。ここで、判定部130は、位置61a,61bをドングル200から取得したものとする。そして、判定部130は、位置61a,61bの軌跡と、経路41,51,52,53とを比較する。判定部130が位置61a,61bの軌跡と、経路41とが一致したと判定した場合、監視装置100は、移動先間違い通知をせずにルート監視処理を継続する。
【0064】
判定部130が位置61a,61bの軌跡と、経路51,52,53のいずれかとが一致したと判定した場合、通知部140は、ドングル200に移動先の間違いを通知させる。ドングル200は、スピーカ206から「移動先が違います」等のメッセージを出力し、移動先を間違っていることを配送車20の運転手に通知する。なお、配送車20の運転手は、第1の実施の形態に示した移動体1によって移動する人物の一例である。
【0065】
このようにして、第2の実施の形態の監視システムは、配送車20が次の目的地以外の配送先へ向かおうとしている場合、配送車20の運転手に移動先の間違いを通知できる。これにより、第2の実施の形態の監視システムは、配送車20の運転手が他の配送先を次の目的地と勘違いした場合に、配送車20の運転手に移動先の間違いを通知し、配送車20の走行ルートを修正させることができる。
【0066】
次に、監視装置100が実行する処理について詳細に説明する。まず、配送車20のルート監視処理をするための初期設定処理について説明する。
図8は、初期設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0067】
[ステップS11]登録部120は、配送先情報111に配送車20を登録する。例えば、登録部120は、配送車20の名称の入力を受け付ける。そして、登録部120は、配送先情報111に、車両の項目に入力された名称が設定されたレコードを追加する。
【0068】
[ステップS12]登録部120は、配送先情報111に配送先の位置情報を登録する。例えば、登録部120は、各配送先の名称および位置座標の入力を受け付ける。そして、登録部120は、配送先情報111のステップS11で追加されたレコードの配送先名称および配送先位置の項目に、入力された名称および位置座標を設定する。
【0069】
[ステップS13]登録部120は、配送先情報111に配送順序を登録する。例えば、登録部120は、配送車20が各配送先へ向かう順序(配送順序)の入力を受け付ける。そして、登録部120は、配送先情報111のステップS11で追加されたレコードの配送順序の項目に、入力された配送順序を設定する。
【0070】
[ステップS14]登録部120は、最初の目的地を設定する。例えば、登録部120は、配送車20が最初に向かう配送先の名称の入力を受け付ける。そして、登録部120は、配送先情報111のステップS11で追加されたレコードの次目的地の項目に、入力された配送先の名称を設定する。
【0071】
このようにして、登録部120は、配送車20のルートを設定できる。次に、配送車20のルート監視処理について説明する。
図9は、ルート監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0072】
[ステップS21]判定部130は、配送車20の現地点から各配送先への経路を特定する。例えば、判定部130は、ドングル200から配送車20の緯度、経度を取得し、取得した緯度、経度から配送車20の地図データ上の座標を特定する。判定部130は、配送先情報111の車両の項目に、配送車20の名称が設定されたレコードを特定する。判定部130は、配送車20の地図データ上の座標から、特定したレコードの配送先位置の項目に設定された座標それぞれへの地図データ上の最短経路を各配送先への経路として特定する。ここで、判定部130は、地図をモニタ31に表示する。判定部130は、特定した経路のうちの次目的地の項目に名称が設定された配送先への経路をモニタ31の画面上の地図に表示する。
【0073】
[ステップS22]判定部130は、一定時間間隔で、ドングル200から配送車20の位置情報を受信する。例えば、判定部130は、一定時間間隔で、ドングル200から配送車20の緯度、経度を取得し、取得した緯度、経度から配送車20の地図データ上の座標を特定する。判定部130は、特定した地図データ上の座標の軌跡をモニタ31の画面上の地図に表示する。
【0074】
[ステップS23]判定部130は、位置情報の軌跡と各配送先への経路とを比較する。例えば、判定部130は、ステップS22で取得した配送車20の地図データ上の座標と、ステップS21で特定した各配送先への経路それぞれとの地図データ上の距離を算出する。また、判定部130は、各配送先への経路をモニタ31の画面上の地図に表示する。
【0075】
[ステップS24]判定部130は、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致するか否かを判定する。例えば、判定部130は、ステップS21で特定した次の目的地である配送先への経路と、ステップS22で特定した配送車20の地図データ上の座標それぞれとの距離が全て所定値未満である場合、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致すると判定する。判定部130は、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致すると判定した場合、処理をステップS28に進める。また、判定部130は、位置情報の軌跡が次目的地への経路と一致しないと判定した場合、処理をステップS25に進める。
【0076】
[ステップS25]判定部130は、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致するか否かを判定する。例えば、判定部130は、ステップS21で特定した次の目的地以外の配送先への経路のいずれかと、ステップS22で特定した配送車20の座標それぞれとの距離が全て所定値未満である場合、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致すると判定する。判定部130は、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致すると判定した場合、処理をステップS26に進める。また、判定部130は、位置情報の軌跡が別目的地への経路と一致しないと判定した場合、処理をステップS27に進める。
【0077】
[ステップS26]通知部140は、移動先間違い通知を出力する。例えば、通知部140は、ドングル200に、スピーカ206から「移動先が違います」等のメッセージを出力させる。そして、処理がステップS21に進む。
【0078】
[ステップS27]通知部140は、緊急連絡先に通知する。例えば、通知部140は、あらかじめ設定された連絡先に、配送車20が事件に巻き込まれた可能性があることを示すメッセージを送信する。そして、処理が終了する。
【0079】
[ステップS28]判定部130は、次目的地に到着したか否かを判定する。例えば、判定部130は、ステップS22で最後に取得した配送車20の座標と、配送先情報111の、次目的地の配送先に対応する配送先位置に設定された座標との距離を算出する。判定部130は、算出した距離が所定値未満の場合、次目的地に到着したと判定する。判定部130は、次目的地に到着したと判定した場合、処理をステップS29に進める。また、判定部130は、次目的地に到着していないと判定した場合、処理をステップS22に進める。
【0080】
[ステップS29]判定部130は、配送車20が一定期間停止したか否かを判定する。例えば、判定部130は、一定期間、ドングル200から配送車20の位置情報を一定時間間隔で受信する。判定部130は、受信した位置情報の変化が所定値未満である場合、配送車20が一定期間停止したと判定する。判定部130は、配送車20が一定期間停止したと判定した場合、処理をステップS30に進める。また、判定部130は、配送車20が一定期間停止していないと判定した場合、処理をステップS26に進める。
【0081】
[ステップS30]判定部130は、配送車20が最終目的地に到着したか否かを判定する。例えば、判定部130は、配送先情報111の配送順序の項目を参照し、最後に向かう配送先を最終目的地として特定する。判定部130は、配送先情報111の次目的地の項目に特定した最終目的地が設定されている場合、最終目的地に到着したと判定する。判定部130は、最終目的地に到着したと判定した場合、処理を終了する。また、判定部130は、最終目的地に到着したと判定する。判定部130は、最終目的地に到着していないと判定した場合、処理をステップS31に進める。
【0082】
[ステップS31]判定部130は、次目的地を更新する。例えば、判定部130は、配送先情報111の配送順序の項目を参照し、次目的地の項目に現在設定されている配送先の次に向かう配送先を特定する。判定部130は、特定した配送先を次目的地の項目に設定する。そして、処理がステップS21に進む。
【0083】
なお、ステップS21を実行する時点は、第1の実施の形態に示した第1時点の一例である。また、ステップS26で移動先間違い通知をしてからステップS21を実行する時点は、第1の実施の形態に示した第2時点の一例である。また、ステップS28で次目的地に到着したと判定した時点は、第1の実施の形態に示した第3時点の一例である。
【0084】
このように、監視装置100は、ドングル200から発信された配送車20の位置から各配送先への経路を特定する。そして、監視装置100は、経路を特定する処理以降の配送車20の位置の軌跡と、次目的地以外の別目的地への経路との比較結果に応じて移動先間違い通知を出力する。ここで、配送車20の運転手は、次の目的地を勘違いして、配送車20を別の配送先に向かわせてしまうことがある。第2の実施の形態の監視システムは、配送車20の位置の軌跡と別目的地への経路とを比較することで、配送車20の運転手の勘違いによって配送車20が指定されたルートから外れていることを検知することができる。よって、第2の実施の形態の監視システムは、配送車20を適切に監視することができる。
【0085】
また、監視装置100は、配送車20の位置の軌跡が次目的地以外の別目的地への経路のいずれかと一致する場合、移動先間違い通知を出力し、配送車20の位置の軌跡が各配送先への経路のいずれとも一致しない場合、緊急連絡先に通知する。ここで、配送車20が盗難等の事件に巻き込まれた場合、配送車20は、各配送先とは無関係の場所へ向かう可能性が高い。そこで、監視装置100は、配送車20の位置の軌跡が各配送先への経路のいずれとも一致しない場合、緊急連絡先に通知する。これにより、第2の実施の形態の監視システムは、配送車20がルートを外れた原因が、配送車20の運転手が行先を間違った場合であるか、配送車20が事件に巻き込まれた場合であるかに応じて、適切に対応できる。
【0086】
また、監視装置100は、移動先間違い通知が出力された後の配送車20の軌跡と、次の目的地への経路とが一致する場合、移動先間違い通知を出力しない。つまり、第2の実施の形態の監視システムは、配送車20の運転手が配送車20のルートを修正した場合、移動先間違い通知を出力しない。これにより、第2の実施の形態の監視システムは、不要な通知を出力することを防止できる。
【0087】
また、監視装置100は、配送車20が次目的地で一定期間停止したか否かを判定し、配送車20が一定期間停止しなかった場合、移動先間違い通知を出力する。ここで、配送車20の運転手は、配送先に到着した場合、配送車20を停止させ作業をする可能性が高い。第2の実施の形態の監視システムは、配送車20が一定期間停止しなかった場合、移動先間違い通知を出力することにより、配送車20が誤って次の目的地を通過してしまったことを検知して、配送車20の運転手に通知することができる。
【0088】
また、監視装置100は、移動先間違い通知として、ドングル200に、配送車20の運転手への通知を出力させる。これにより、第2の実施の形態の監視システムは、配送車20の運転手に、行先を間違っていることを適切に通知できる。
【0089】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 移動体
1a 位置発信装置
2a,2b,2c 経路
3 第1軌跡
10 監視装置
11 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9