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特開2024-116935カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法
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  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図1
  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図2
  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図3
  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図4
  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図5
  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図6
  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図7
  • 特開-カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116935
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/90 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
E04B2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022811
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】510128018
【氏名又は名称】パルマスティーリザ・ジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523055905
【氏名又は名称】GLASS MASTERS&PARTNERS合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】中島 浩志
(72)【発明者】
【氏名】辻井 友成
(72)【発明者】
【氏名】賀井 伸一郎
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB02
2E002PA04
2E002UB04
2E002XA01
(57)【要約】
【課題】建物のカーテンウォールに設けられ意匠性の向上が図られた、カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法を提供すること。
【解決手段】底面鋼材フレーム101と、底面鋼材フレーム101の両端部にそれぞれ立設される一対の側面鋼材フレーム102、103を備え、底面鋼材フレーム101と一対の側面鋼材フレーム102、103とによりコの字形状の鋼材フレーム10を構成し、コの字形状の鋼材フレーム10に沿って配置される側面ガラス30-2と、一対の側面鋼材フレーム102、103の、底面鋼材フレーム101に接続されていない端部間に配置される正面ガラス30-1を備えるカーテンウォール用ガラスボックス1である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面鋼材フレームと、
前記底面鋼材フレームの両端部にそれぞれ立設される一対の側面鋼材フレームを備え、前記底面鋼材フレームと前記一対の側面鋼材フレームとによりコの字形状の鋼材フレームを構成し、
前記コの字形状の鋼材フレームに沿って配置される側面ガラスと、
前記一対の側面鋼材フレームの、前記底面鋼材フレームに接続されていない端部間に配置される正面ガラスを備えるカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項2】
前記鋼材フレームは、切り出し材により構成される請求項1に記載のカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項3】
前記側面ガラスと前記正面ガラスとは、シーリングで支持されている請求項1に記載のカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項4】
前記シーリングは、構造シーリングにより構成される請求項3に記載のカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項5】
前記側面ガラスは、前記シーリングを支持するために形成された切り欠きを有する請求項4に記載のカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項6】
前記側面ガラスと前記正面ガラスとを支持するバックアップ材がパッキンにより構成される請求項1に記載のカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項7】
前記底面鋼材フレームの内側には、扉が設けられる請求項1に記載のカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項8】
高層階に取り付けられる請求項1に記載のカーテンウォール用ガラスボックス。
【請求項9】
底面鋼材フレームと、前記底面鋼材フレームの両端部にそれぞれ立設される一対の側面鋼材フレームと、を備え、前記底面鋼材フレームと前記一対の側面鋼材フレームとによりコの字形状に構成された鋼材フレームに、前記鋼材フレームに沿って側面ガラスを配置させるとともに、前記一対の側面鋼材フレームの、前記底面鋼材フレームに接続されていない端部間に正面ガラスを配置させて、カーテンウォール用ガラスボックスを組み立てる工程と、
前記カーテンウォール用ガラスボックスを建物の鉄骨に固定する工程と、を有する、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中高層ビル等の建物に設けられたガラスボックスが知られている(例えば、特許文献1参照)。ガラスボックスは、直方体形状の枠の正面及び側面にガラスが配置されて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-115520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のガラスボックスは、直方体形状の枠により構成されていたため、カーテンウォールに設けられる場合には枠が目立ち、より意匠性の向上が求められていた。
【0005】
本開示は、建物のカーテンウォールに設けられ意匠性の向上が図られた、カーテンウォール用ガラスボックス、及び、カーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、底面鋼材フレームと、前記底面鋼材フレームの両端部にそれぞれ立設される一対の側面鋼材フレームを備え、前記底面鋼材フレームと前記一対の側面鋼材フレームとによりコの字形状の鋼材フレームを構成し、前記コの字形状の鋼材フレームに沿って配置される側面ガラスと、前記一対の側面鋼材フレームの、前記底面鋼材フレームに接続されていない端部間に配置される正面ガラスを備えるカーテンウォール用ガラスボックスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態のガラスボックスがビルの最上階付近に取り付けられている様子を示す図である。
図2】一実施形態のガラスボックスがビルの最上階付近に取り付けられている様子を示す側方断面図である。
図3】一実施形態のガラスボックスを示す斜視図である。
図4】一実施形態のガラスボックスの鋼材フレームを示す斜視図である。
図5】一実施形態のガラスボックスを示す正面図である。
図6】一実施形態のガラスボックスを示す平面視断面図である。
図7図6のS1で囲まれた部分を示す拡大断面図である。
図8図6のS2で囲まれた部分を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に納められたガラスボックス1における正面ガラス30(30-1)の面方向を意味し、「見込方向」とは、ガラスボックス1における側面ガラス30(30-2)の面方向を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、ガラスボックス1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、ガラスボックス1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、ガラスボックス1の室外側を室外側X1とし、ガラスボックス1の室内寄りの側を室内側X2とする。また、底面鋼材フレーム101から側面鋼材フレーム102、103が延びる方向を前方向Frと定義し、その反対の方向を後方向Rrと定義する。また、下側連結枠24から上側連結枠23へと向かう方向を上方向Upと定義し、その反対の方向を下方向Dwと定義する。また、縦枠14から縦枠13へと向かう方向を左方向Lと定義し、その反対の方向を右方向Rと定義して、以下説明する。
【0009】
ガラスボックス1は、建物の外壁を構成するカーテンウォールに設けられている。具体的には、複数のガラスボックス1は、図1図2に示すように、建物である高層ビルBの高層階である上端部及びその近傍の下部に、上下に一列に、複数列並べられて設けられている。このため、ガラスボックス1は、図1に示すように、カーテンウォールにおいて凸状に、複数列で上下方向に延びて配置されている。
【0010】
ガラスボックス1は、図3図4に示すように、鋼材フレーム10と、ガラス30とを有している。鋼材フレーム10は、上枠11と、下枠12と、一対の縦枠13、14と、これらを架け渡す中間柱状部21と、を有する長方形状の底面鋼材フレーム101と、左上枠15と、右上枠16と、左下枠17と、右下枠18と、上側連結枠23と、下側連結枠24と、を有する側面鋼材フレーム102、103とを有しており、これらはアルミ押出形材により覆われて止水されている。
【0011】
底面鋼材フレーム101は、上枠11及び下枠12が短辺を構成し、一対の縦枠13、14が長辺を構成する長方形状を有している。上枠11、下枠12、及び、一対の縦枠13、14は、長方形状の板状に形成されている。
【0012】
側面鋼材フレーム102は、左上枠15及び右上枠16が短辺を構成し、上側連結枠23、及び、底面鋼材フレーム101の上枠11が長辺を構成する長方形状を有している。左上枠15、右上枠16、及び、上側連結枠23は、これらの長手方向に直交する断面が、L字形状の板状に形成されている。側面鋼材フレーム103は、左下枠17及び右下枠18が短辺を構成し、下側連結枠24、及び、底面鋼材フレーム101の下枠12が長辺を構成する長方形状を有している。左下枠17、右下枠18、及び、下側連結枠24は、これらの長手方向に直交する断面が、L字形状の板状に形成されている。
【0013】
図4に示すように、側面鋼材フレーム102と、底面鋼材フレーム101と、側面鋼材フレーム103とにより、鋼材フレーム10は、コ字形状に形成されている。鋼材フレーム10は、鋼材が切り出しによりこの形状に形成された切り出し材により構成されている。このため、コ字形状に形成された鋼材フレーム10は、変形せずに質量の大きなガラス30を支持することが可能となる。このため、直方体形状の鋼材フレームとせずに、コ字形状に形成された鋼材フレーム10で、正面ガラス30-1の左右端縁と側面ガラス30-2の前端縁と間に枠の無い構成とすることが可能となる。この結果、意匠性の向上が図られたガラスボックスとすることが可能となる。
【0014】
一対の縦枠13、14の上部には、ブラケット22、22がそれぞれ設けられている。ブラケット22、22は、図2に示すように、建物である高層ビルBの鉄骨B11に設けられた鉄骨先付材B12にファスナーB13により固定される。また、下枠12には、下方向へ延びる一対の連結用凸部121が設けられている。連結用凸部121は、1つ下に配置されるガラスボックス1の上枠11に形成された凸部係合孔111(図6参照)に係合する。以上により、ガラスボックス1は、高層ビルBのカーテンウォールにおいて支持される。
【0015】
ガラス30は、正面ガラス30-1、側面ガラス30-2を構成する。具体的には、正面ガラス30-1は、長方形状を有している。正面ガラス30-1の短辺の近傍が、DPG工法によりガラス支持金物351によって、上側連結枠23の上面231から突出する半円形状の固定部232と、下側連結枠24の上面241から突出する半円形状の固定部242と、にそれぞれ固定される。これにより、正面ガラス30-1は、一対の側面鋼材フレーム102、103の、底面鋼材フレーム101に接続されていない端部間、即ち、一対の側面鋼材フレーム102、103の前端部を構成する上側連結枠23、下側連結枠24間に配置される。
【0016】
側面ガラス30-2は、コの字形状の鋼材フレーム10に沿って配置される。具体的には、側面ガラス30-2は、長手方向における長さが正面ガラス30-1と同一の長方形状を有している。側面ガラス30-2の短辺の近傍が、DPG工法によりガラス支持金物351によって、左上枠15の左面151から突出する半円形状の固定部152と、左下枠17の左面171から突出する半円形状の固定部172と、にそれぞれ固定される。これにより、左側の側面ガラス30-2は、一対の側面鋼材フレーム102、103の、底面鋼材フレーム101に接続されていない端部間、即ち、一対の側面鋼材フレーム102、103の、左上枠15の前端部と左下枠17の前端部との間に配置される。右上枠16の前端部と右下枠18についても、同様に右側の側面ガラス30-2が固定される。
【0017】
図7等に示すように、正面ガラス30-1、側面ガラス30-2を構成するガラス30は、2枚の同一形状の長方形状のガラス板31が、中間膜32を挟んで張り合わされて構成された合わせガラスである。中間膜32は、自動車のフロントガラスを構成する中間膜よりも高い硬度、及び、強度を有する。中間膜32がこのような硬度及び強度を有することにより、ガラス30の剛性を高めることが可能となり、ねじれ等を抑えることが可能となる。このため、鋼材フレーム10をコの字形状としても、ガラスボックス1の歪みや変形を抑えることが可能となる。
【0018】
正面ガラス30-1に対向する側面ガラス30-2の端部には、図7に示すように、切り欠きにより構成される溝301が形成されている。溝301は、合わせガラスである側面ガラス30-2の端部における、2枚のガラス板31の張り合わされた位置に形成されている。
【0019】
正面ガラス30-1を構成するガラス30と、側面ガラス30-2を構成するガラス30の端部との間には、構造シールである気密材33と、パッキンであるシリコーンシール34と、により構成されるシーリングが配置されている。気密材33の一部は、溝301に係合しており、この係合により気密材33は安定して支持されている。このシーリングにより、正面ガラス30-1及び側面ガラス30-2は、安定して支持されている。
【0020】
正面ガラス30-1を構成するガラス30と、側面ガラス30-2を構成するガラス30の端部との間であって、これらのガラスの長手方向における中間の位置には、図2に示すように、連結部材353が設けられている。連結部材353は、長円形状の板状の鋼材が長手方向の中央において直角に折り曲げられたような形状を有しており、その両端部がガラス支持金物351によって、それぞれ正面ガラス30-1と側面ガラス30-2とに固定されている。これにより、正面ガラス30-1と側面ガラス30-2とは、連結されて支持されている。ガラス30の剛性を利用して、鋼材フレーム10を補強し、構造ブレースの代わりの効果を発揮させることも出来る。
【0021】
左側の側面ガラス30-2の後端部は、図8に示すように、グレーチングガスケット362を介して押縁361と、グレーチングシール363及びスペーサガスケット364を介して左上枠15に、挟まれて支持されている。
【0022】
底面鋼材フレーム101の内側である前側の全面には、意匠材41が設けられている。意匠材41は、鉄板の表面に木目塗装が施されて構成されており、図5に示すように、横に4列、縦に2列配置されている。いずれの意匠材41も同一の意匠ではなく異なる意匠により構成されている。
【0023】
図5に示す下側の4つの意匠材41は、開閉可能な扉51の前側に固定されている。扉51は、図6等において2点鎖線で示すように、観音開きで意匠材41と一体で開くように構成されている。扉51が設けられているため、扉51を開いてガラスボックス1の内部に人が入り、ガラスボックス1のメンテナンスを行うことが可能となる。
【0024】
次にカーテンウォール用ガラスボックスの建物への取り付け方法について説明する。ガラスボックスの建物への取り付け方法では、先ず、鋼材フレーム10に、正面ガラス30-1と側面ガラス30-2とを、ガラス支持金物351によって取り付けて、ガラスボックス1を組み立てる工程を行う。
【0025】
次に、ガラスボックス1を建物の鉄骨に固定する工程を行う。先ず、ガラスボックス1の連結用凸部121を1つ下のガラスボックス1の凸部係合孔111に挿入して係合させる。これとともに、ブラケット22、23を、建物である高層ビルBの鉄骨B11に設けられた鉄骨先付材B12に、ファスナーB13により固定する。以上の工程により、ガラスボックス1を建物の鉄骨B11に固定する工程が行われる。
【0026】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0027】
例えば、本実施形態では、ガラスボックス1は、高層階に取り付けられたが、これに限定されない。また、鋼材フレーム等の構成は、本実施形態における鋼材フレーム10等の構成に限定されない。また、鋼材のサイズ、強度、支持方法により鋼材フレームの構成はコの字形状に限定されない。例えば、鋼材フレームの構成は、片持ち状のフレーム、又はコの字形状の中間が切れている形状であってもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 ガラスボックス、10 鋼材フレーム、30 ガラス、30-1 正面ガラス、30-2 側面ガラス、33 気密材(構造シーリング)、51 扉、101 底面鋼材フレーム、102、103 側面鋼材フレーム、301 溝(切り欠き)、B 高層ビル(建物)、B11 鉄骨、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8