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特開2024-116965モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造
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  • 特開-モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造 図1
  • 特開-モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造 図2
  • 特開-モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造 図3
  • 特開-モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造 図4
  • 特開-モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造 図5
  • 特開-モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116965
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20240821BHJP
   B60K 11/06 20060101ALI20240821BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20240821BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240821BHJP
【FI】
B60K1/00 ZHV
B60K11/06
B60L9/18 J
H02M7/48 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022851
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢倉 武蔵
(72)【発明者】
【氏名】田代 雅也
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H125
5H770
【Fターム(参考)】
3D038AA09
3D038AB01
3D038AC02
3D038AC24
3D235AA01
3D235BB17
3D235CC13
3D235FF24
3D235FF35
3D235HH04
3D235HH07
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125FF22
5H125FF23
5H770AA21
5H770BA02
5H770CA06
5H770DA10
5H770PA01
5H770PA22
5H770PA24
5H770PA42
5H770QA27
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】液体冷媒の配管を通すための空間を必要としない、モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造を提供する。
【解決手段】MG41のパワーコントロールユニット取付構造(モータユニットのPCU取付構造)は、電動車両である電動車10に搭載されるモータユニット(MG41)において、モータユニットの側方にパワーコントロールユニット(PCU43)が一体に取り付けられている。PCU43には、PCU43を冷却させるためのフィン433が設けられている。フィン433は、電動車両の前方FRからの冷却風が電動車両の後方に流れるように配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に搭載されるモータユニットであって、
前記モータユニットの側方にパワーコントロールユニットが一体に取り付けられており、
前記パワーコントロールユニットには、前記パワーコントロールユニットを冷却させるためのフィンが設けられており、
前記フィンは、前記電動車両の前方からの冷却風が前記電動車両の後方に流れるように配置されている、
モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造。
【請求項2】
前記パワーコントロールユニットの前記フィンの高さは、ドライブシャフトの高さ以下である、
請求項1に記載のモータユニットのパワーコントロールユニット取付構造。
【請求項3】
前記モータユニットの前記側方には、熱源が設けられており、
前記パワーコントロールユニットは、前記モータユニットを挟んで前記熱源とは反対側に設けられる、
請求項1または請求項2に記載のモータユニットのパワーコントロールユニット取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両の中には、例えば、エンジンの動力で発電する発電モータと、走行用の動力を発生する駆動モータと、を搭載するものがある。そして、モータは駆動によって熱が発生するため、モータの連続的な運転を行うためには、モータの冷却が必要となる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、車両には、モータ(発電モータおよび駆動モータ)を駆動するため、半導体などの電子部品を内蔵したPCU(Power Control Unit:パワーコントロールユニット)が搭載される。そして、PCUの連続的な運転を行うためには、PCUの冷却が必要となる。上記のような車両には、PCUを冷却するための冷却装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-3752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両において、PCUの冷却装置を水冷式にした場合には、水等の液体冷媒をパワーコントロールユニットに輸送するための配管が必要になる。そして、例えば軽自動車等の車両の内部空間が狭い車両では、内部空間に液体冷媒の配管を通すための空間を確保することが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、液体冷媒の配管を通すための空間を必要としない、モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明に係るモータユニットのパワーコントロールユニット取付構造は、電動車両に搭載されるモータユニットであって、モータユニットの側方にパワーコントロールユニットが一体に取り付けられており、パワーコントロールユニットには、パワーコントロールユニットを冷却させるためのフィンが設けられており、フィンは、電動車両の下方の冷却風が電動車両の後方に流れるように配置されている。
【0008】
この構成によれば、電動車両の下方の冷却風を利用してパワーコントロールユニットを冷却することができるため、冷却媒体として液体を用いる場合と比べて、配管の取り回しを不要にすることができる。
【0009】
また、本発明に係るモータユニットのパワーコントロールユニット取付構造において、パワーコントロールユニットのフィンの高さは、ドライブシャフトの高さ以下である。
【0010】
この構成によれば、パワーコントロールユニットのフィンを車両の低い位置に配置することによって、車両走行による冷却風を当たりやすくすることができるため、冷却性能を向上することができる。
【0011】
また、本発明に係るモータユニットのパワーコントロールユニット取付構造において、モータユニットの側方には、熱源が設けられており、パワーコントロールユニットは、モータユニットを挟んで熱源とは反対側に設けられる。
【0012】
この構成によれば、パワーコントロールユニットに対する熱源からの受熱を抑制することができ、それによって、冷却性能を向上することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、モータユニットのパワーコントロールユニット取付構造において、車両下方の冷却風を利用してパワーコントロールユニットを冷却することができるため、液体冷媒の配管を通すための空間を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、電動車の一部を示す模式的な底面図である。
図2図2は、電動車両の車両後方側における下部の側面図である。
図3図3は、電動車両の車両後方側における斜視図である。
図4図4は、電動車両が有するモータユニット、PCU、および、トランスアクスルの正面図である。
図5図5は、図4に示すPCU、および、トランスアクスルの正面図である。
図6図6は、図4に示すPCUの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、電動車の実施形態について、図1図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0016】
図1は、電動車10の一部を示す模式的な底面図である。本実施形態において、電動車(電動車両)10は、ハイブリッドカー(HV)である。なお、電動車10は、プラグインハイブリッドカー(PHEV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、又は駆動力に電気を用いる他の種類の車両であっても良い。
【0017】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、車幅方向に沿って設けられる。Y軸は、前後方向に沿って設けられる。Z軸は、鉛直方向に沿って設けられる。
【0018】
さらに、本明細書において、X方向(車幅方向)、Y方向(前後方向)及びZ方向(鉛直方向)が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向(右方向)と、X軸の矢印の反対方向である-X方向(左方向)とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向(前方向)と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向(後方向)とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向(上方向)と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向(下方向)とを含む。
【0019】
電動車10は、車体11と、一対の後輪12と、リアサスペンション13と、一対のドライブシャフト14と、E-Axle15と、燃料タンク16と、エキゾーストパイプ(エキパイ)17とを備える。さらに、電動車10は、前輪、エンジン、電池、及び他の種々の部品を備える。
【0020】
車体11は、例えば、シャシー及びフロアパネルを有する。
【0021】
後輪12、リアサスペンション13、ドライブシャフト14、E-Axle15、燃料タンク16、エキパイ17、前輪、エンジン、及び電池は、直接的又は間接的に、車体11に支持される。エンジンは、例えばガソリンエンジンである。電池は、例えば、複数のリチウムイオン電池のような二次電池を組み合わせた組電池である。
【0022】
リアサスペンション13は、ド・ディオン式サスペンション又はトーションビーム式サスペンションである。なお、リアサスペンション13は、この例に限られない。リアサスペンション13は、一対のトレーリングアーム31と、中間ビーム32とを有する。中間ビーム32は、トーションビームとも称され得る。
【0023】
一対のトレーリングアーム31は、車幅方向に互いに離間している。トレーリングアーム31は、おおよそ前後方向に延びている。一対のトレーリングアーム31のそれぞれは、対応する後輪12及び対応するサイドメンバに取り付けられる。なお、トレーリングアーム31は、車体11の他の部分に取り付けられても良い。
【0024】
一対の後輪12が、対応するトレーリングアーム31の後方の端部31aに回転可能に取り付けられる。
【0025】
トレーリングアーム31は、スプリングを介して車体11に懸架される。リアサスペンション13は、当該スプリングにより、車体11に対して鉛直方向に作用する振動を吸収することができる。
【0026】
中間ビーム32は、一対のトレーリングアーム31を連結する。中間ビーム32は、トレーリングアーム31の二つの端部の中間において当該トレーリングアーム31に取り付けられる。中間ビーム32は、略車幅方向に延びている。
【0027】
エキパイ17は、おおよそ前後方向に延び、エンジンのシリンダから出た排気ガスを電動車10の後端から外部へ排出させる。エキパイ17は、マフラ51を有する。
【0028】
マフラ51は、箱状に形成され、排気騒音を低減させる。マフラ51は、後述するMG41と車幅方向に並ぶ。本実施形態では、マフラ51は、MG41から左方向に離間している。このため、MG41は、PCU43とマフラ51との間に位置する。
【0029】
一対のドライブシャフト14は、中間ビーム32の後方に位置する。一対のドライブシャフト14は、中間ビーム32から後方向に離間している。一対のドライブシャフト14のそれぞれは、おおよそ車幅方向に延び、対応する後輪12に接続される。ドライブシャフト14は、後輪12と略一体に回転する。このため、ドライブシャフト14は、後輪12を駆動することができる。
【0030】
E-Axle15は、モータジェネレータ(MG)41と、トランスアクスル(TA)42と、パワーコントロールユニット(PCU)43とを有する。なお、E-Axle15は、他の部品を有しても良い。
【0031】
MG41は、中間ビーム32の後方に位置し、且つドライブシャフト14の後方に位置する。MG41は、ドライブシャフト14及び中間ビーム32から後方向に離間している。なお、前後方向においてMG41の一部がドライブシャフト14と同一の位置にあっても良い。
【0032】
MG41は、電動機及び発電機として機能することができる。MG41は、例えば、永久磁石同期モータである。なお、MG41は、この例に限られない。MG41は、ロータ45を有する。さらに、MG41は、ステータ及び他の部品を有する。
【0033】
ロータ45は、例えば、永久磁石及び出力軸を有する。MG41は、ロータ45を中心軸Ax1まわりに回転させる。中心軸Ax1は、略前後方向に延びている。中心軸Ax1は、ロータ45の回転の中心軸であるとともに、ロータ45の出力軸の中心軸である。なお、中心軸Ax1は、出力軸の中心軸と若干異なっても良い。
【0034】
ロータ45の回転の中心軸Ax1は、ドライブシャフト14の回転の中心軸Ax2と交差する方向に延びている。中心軸Ax2は、ドライブシャフト14の回転の中心軸であるとともに、ドライブシャフト14の中心軸である。なお、中心軸Ax2は、ドライブシャフト14の中心軸と若干異なっても良い。
【0035】
ドライブシャフト14の回転の中心軸Ax2は、おおよそ車幅方向に延びている。本実施形態では、ロータ45の回転の中心軸Ax1は、ドライブシャフト14の回転の中心軸Ax2と直交する方向に延びている。
【0036】
TA42は、デファレンシャルギヤ(デフ)46を有する。TA42は、トランスミッション及び他の部品をさらに有しても良い。デフ46は、ロータ45の回転をドライブシャフト14に伝達する。デフ46又はTA42の他の部品に含まれる複数のギヤは、中心軸Ax1まわりのロータ45の回転を、中心軸Ax2まわりのドライブシャフト14の回転に変換する。
【0037】
PCU43は、例えば、右方向におけるMG41の端面に取り付けられる。このため、PCU43は、MG41と車幅方向に並ぶ。なお、PCU43の位置は、この例に限られない。PCU43は、MG41の駆動を制御する。例えば、PCU43は、インバータを有する。
【0038】
電動車10の走行時には、電池から出力される直流電流がインバータで交流電流に変換され、交流電流がMG41に供給される。これにより、MG41が力行運転されて、MG41が動力を発生する。例えば電池の残容量が所定の値を下回るとき、エンジンが稼働している間、MG41は発電運転されても良い。
【0039】
また、電動車10の減速時には、MG41が回生運転され、後輪12からMG41に伝達される動力が交流電力に変換される。このとき、MG41が走行駆動系の抵抗となり、その抵抗が電動車10を制動する制動力(回生制動力)として作用する。このとき、PCU43では、MG41からインバータに供給される交流電力がインバータで直流電力に変換される。そして、直流電力が電池に供給されることにより、電池が充電される。
【0040】
燃料タンク16は、ガソリンのような燃料を貯蔵する。なお、電動車10が電気自動車の場合、燃料タンク16の代わりに電池が中間ビーム32の前方に配置される。また、電動車10が燃料電池自動車の場合、燃料タンク16は水素を貯蔵する。
【0041】
図2は、電動車両の車両後方側における下部の側面図である。図3は、電動車両の車両後方側における斜視図である。図4は、電動車両が有するモータユニットであるMG41、PCU43、および、TA42の正面図である。図5は、図4に示すPCU43、および、TA42の正面図である。図6は、図4に示すPCU43の断面図である。
【0042】
本発明に係るモータユニット(MG41)のパワーコントロールユニット(PCU43)の取付構造は、例えば、電動車10の前後方向における後部に搭載される。
【0043】
本実施形態に係るMG41、TA42およびPCU43は、それぞれの筐体411、421、431が接合されてユニット化され、一体となっている(図1参照)。より具体的に説明すると、MG41の筐体411とTA42の筐体421とが接合され、かつ、MG41の筐体411とPCU43の筐体431とが接合される。換言すると、MG41の側方にPCU43が一体に取り付けられている。なお、本実施形態に係る電動車10は、MG41、TA42およびPCU43が一体にされたものを説明した。しかし、本実施形態に係る電動車10は、それに限られず、MG41とPCU43とを一体にしてもよい。
【0044】
エキパイ17は、エンジンからの排気ガスを車外に排出するため、熱源である。本実施形態に係る電動車10は、図1図3に示すように、車幅方向において、PCU43と、MG41と、エキパイ17とを並べて配置してある。
【0045】
PCU43は、車幅方向において、MG41を挟んで熱源であるエキパイ17の反対側に配置される。換言すると、PCU43は、MG41を挟んで熱源であるエキパイ17とは反対側に配置される。したがって、PCU43は、熱源であるエキパイ17から離れるように配置されるため、熱源からの受熱を抑制することができる。
【0046】
PCU43のフィン433の高さは、図4に示すように、鉛直方向において、ドライブシャフト14の高さと略同一となるようにMG41にPCU43が取り付けられる。つまり、本実施形態に係る電動車10において、PCU43のフィン433の高さは、ドライブシャフト14の高さ以下である。また、鉛直方向において、ドライブシャフト14に対するフィン433の配置は、上記に限られず、鉛直方向において、ドライブシャフト14の下方に、PCU43のフィン433が配置されてもよい。
【0047】
PCU43は、図3に示すように、車外に露出するようにMG41に取り付けられ、図4図5に示す筐体431を有する。筐体431は、例えば、車幅方向に対して直交し、かつ、前後方向に沿う外面432fを有する壁部432を有する(図3参照)。壁部432は、PCU43を冷却するためのフィン433を有する。フィン433は、図4図5に示すように、壁部432の外面432fから外側に向けて突出する凸部433aと、凸部433aに対して筐体431の内部へ向けて凹む凹部433bと、を有する。凸部433aおよび凹部433bは、例えば、前後方向に沿う直線状にそれぞれ形成される。このような凸部433aおよび凹部433bは、壁部432に複数設けられ、鉛直方向において、凸部433aと凹部433bとが交互に配置される。
【0048】
車両が走行した場合には、走行によって電動車10の車体11の下方LOを通過する冷却風が発生する。そして、冷却風は、矢印F1、F2、F3、F4の方向(つまり、車両の前後方向における前方から後方へ向かう方向)に流れる。そして、矢印F3と矢印F4との間において、冷却風は、フィン433の凹部433bのそれぞれに沿って流れる。そのため、PCU43は、フィン433によって車両の前後方向における前方から後方へ向かう冷却風で冷却される。
【0049】
PCU43は、図6に示すように、基板434と、パワー半導体(いわゆるInsulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)435と、コンデンサ436と、を備える。基板434、パワー半導体435、および、コンデンサ436は、PCU43の筐体431の内部に位置する内部空間431sに配置される。そして、パワー半導体435は、基板434に取り付けられ、かつ、筐体431の内部空間431sを介し、車幅方向においてフィン433の裏面に対向して配置される。言い換えると、内部空間431sを介在させた状態で、車幅方向から視た場合、フィン433とパワー半導体435とが重なるように配置される。したがって、電動車10が走行した場合には、パワー半導体435は、走行によって生じる冷却風によって冷却される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る駆動モータ(モータユニット)41のPCU取付構造は、PCU43には、PCU43を冷却させるためのフィン433が設けられており、フィン433は、電動車10の車体11における下方の冷却風が電動車10の前後方向における前方から後方に流れるように配置されている。したがって、電動車10の車体11における下方の冷却風を利用してPCU43を冷却することができるため、冷却媒体として液体を用いる場合と比べて、配管の取り回しを不要にすることができる。その結果、冷却媒体としての液体を循環させるための配管が不要になるため、電動車10の製造コストを安価にすることができる。
【0051】
その上、本実施形態に係るMG41のPCU取付構造は、例えば車幅方向におけるMG41の側方にPCU43が一体に取り付けられている。したがって、PCUと駆動モータとが別体に設けられ、PCUと駆動モータとの間に空間が設けられた車両と比較し、当該空間の分だけ部品が配置される空間を小型にすることができる。その結果、軽自動車等の車両の搭載空間が狭い車両において、部品が配置される空間を有効に利用することができる。
【0052】
また、本実施形態に係るMG41のPCU取付構造は、PCU43のフィン433の高さは、ドライブシャフト14の高さ以下である。したがって、PCU43を電動車10の鉛直方向における低い位置に配置することによって、電動車10の走行による冷却風を当たりやすくすることができるため、PCU43の冷却性能を向上することができる。
【0053】
また、本実施形態に係るMG41のPCU取付構造は、MG41の側方には、熱源(本実施形態ではマフラ51)が設けられており、PCU43は、MG41を挟んで熱源とは反対側に設けられる。したがって、PCU43に対する熱源からの受熱を抑制することができ、それによって、冷却性能を向上することができる。
【0054】
また、本実施形態に係るMG41のPCU取付構造は、内部空間431sを介在させた状態で、車幅方向から視た場合、フィン433とパワー半導体435とが重なるように配置される。したがって、電動車10が走行した場合、パワー半導体435は、走行によって生じる冷却風によって冷却される。一方、フィンとパワー半導体との間に、他の部品が配置される車両では、フィンで冷却された内部空間の空気が他の部品で暖められ、フィンで冷却された内部空間の空気によるパワー半導体の冷却が阻害される。
【0055】
また、本実施形態に係るMG41のPCU取付構造は、車幅方向において、PCU43と、MG41と、マフラ51とを並べて配置してある。したがって、軽自動車等の車両の搭載空間が狭い車両において、搭載空間を有効に活用することができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
10…電動車(電動車両)、14…ドライブシャフト、17…エキパイ(熱源)、41…MG(モータユニット)、43…PCU(パワーコントロールユニット)、433…フィン
図1
図2
図3
図4
図5
図6