(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116971
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20240821BHJP
【FI】
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022869
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】山田 康夫
(72)【発明者】
【氏名】サレンダー・パラニサミー
(72)【発明者】
【氏名】テンピア・アンジェロ
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA57
3D241BB02
3D241CA12
3D241DA23Z
3D241DA32Z
3D241DA39Z
3D241DB02Z
3D241DC46Z
3D241DC51Z
3D241DC59Z
(57)【要約】
【課題】本発明は、鞍乗り型車両の操作性を向上させることができる制御装置及び制御方法を得るものである。
【解決手段】本発明に係る制御装置(30)及び制御方法では、制御装置(30)の実行部が、ライダーを支援するライダー支援動作を実行し、さらに、制御装置(30)の判定部が、鞍乗り型車両(1)の停車又は停車可能性の有無を判定し、実行部は、停車又は停車可能性が有ると判定部により判定された場合、ライダーに対して鞍乗り型車両(1)の設定情報の変更を提案する報知を行うライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗り型車両(1)のライダーを支援するライダー支援システム(10)の制御装置(30)であって、
前記ライダーを支援するライダー支援動作を実行する実行部(32)を備え、
さらに、前記鞍乗り型車両(1)の停車又は停車可能性の有無を判定する判定部(33)を備え、
前記実行部(32)は、前記停車又は停車可能性が有ると前記判定部(33)により判定された場合、前記ライダーに対して前記鞍乗り型車両(1)の設定情報の変更を提案する報知を行う前記ライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する、
制御装置。
【請求項2】
前記設定情報は、前記鞍乗り型車両(1)の走行モードである、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記実行部(32)は、前記設定変更報知動作において、天候情報に応じた前記走行モードの変更を提案する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記実行部(32)は、前記設定変更報知動作において、路面情報に応じた前記走行モードの変更を提案する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記判定部(33)は、信号機情報に基づいて、前記停車又は停車可能性の有無を判定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記判定部(33)は、前記鞍乗り型車両(1)の車速情報に基づいて、前記停車又は停車可能性の有無を判定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記判定部(33)は、前記鞍乗り型車両(1)のギア情報に基づいて、前記停車又は停車可能性の有無を判定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記判定部(33)は、前記鞍乗り型車両(1)のクラッチ情報に基づいて、前記停車又は停車可能性の有無を判定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記実行部(32)は、前記鞍乗り型車両(1)に生じている制動力が前記ライダーによるブレーキ操作によらずに保持される制動力保持制御を実行し、
前記判定部(33)は、前記制動力保持制御の実行状態情報に基づいて、前記停車又は停車可能性の有無を判定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記鞍乗り型車両(1)の停車が継続すると予想される時間の情報である停車継続時間情報を取得する取得部(31)を備え、
前記実行部(32)は、前記停車継続時間情報に基づいて、前記設定変更報知動作を変化させる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記実行部(32)は、前記停車継続時間情報に基づいて、前記設定変更報知動作における提案内容を変化させる、
請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記実行部(32)は、前記停車継続時間情報に基づいて、前記設定変更報知動作の実行可否を変化させる、
請求項10に記載の制御装置。
【請求項13】
前記取得部(31)は、信号機情報に基づいて、前記停車継続時間情報を取得する、
請求項10に記載の制御装置。
【請求項14】
鞍乗り型車両(1)のライダーを支援するライダー支援システム(10)の制御方法であって、
制御装置(30)の実行部(32)が、前記ライダーを支援するライダー支援動作を実行し、
さらに、前記制御装置(30)の判定部(33)が、前記鞍乗り型車両(1)の停車又は停車可能性の有無を判定し、
前記実行部(32)は、前記停車又は停車可能性が有ると前記判定部(33)により判定された場合、前記ライダーに対して前記鞍乗り型車両(1)の設定情報の変更を提案する報知を行う前記ライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、鞍乗り型車両の操作性を向上させることができる制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータサイクル等の鞍乗り型車両のライダーを支援する種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1では、走行方向又は実質的に走行方向にある障害物を検出するセンサ装置により検出された情報に基づいて、不適切に障害物に接近していることをモータサイクルのライダーへ警告する運転者支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鞍乗り型車両の運転中において、ライダーは、鞍乗り型車両の設定情報を変更するための設定操作を適宜行う。ここで、鞍乗り型車両は四輪の自動車等と比べて小型であるので、設定操作の際に用いられる表示部や操作部も小型である。つまり、鞍乗り型車両では、設定操作の操作性が悪くなりやすい。よって、鞍乗り型車両の操作性を向上させることが望まれる。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗り型車両の操作性を向上させることができる制御装置及び制御方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、鞍乗り型車両のライダーを支援するライダー支援システムの制御装置であって、前記ライダーを支援するライダー支援動作を実行する実行部を備え、さらに、前記鞍乗り型車両の停車又は停車可能性の有無を判定する判定部を備え、前記実行部は、前記停車又は停車可能性が有ると前記判定部により判定された場合、前記ライダーに対して前記鞍乗り型車両の設定情報の変更を提案する報知を行う前記ライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する。
【0007】
本発明に係る制御方法は、鞍乗り型車両のライダーを支援するライダー支援システムの制御方法であって、制御装置の実行部が、前記ライダーを支援するライダー支援動作を実行し、さらに、前記制御装置の判定部が、前記鞍乗り型車両の停車又は停車可能性の有無を判定し、前記実行部は、前記停車又は停車可能性が有ると前記判定部により判定された場合、前記ライダーに対して前記鞍乗り型車両の設定情報の変更を提案する報知を行う前記ライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る制御装置及び制御方法では、制御装置の実行部が、ライダーを支援するライダー支援動作を実行し、さらに、制御装置の判定部が、鞍乗り型車両の停車又は停車可能性の有無を判定し、実行部は、停車又は停車可能性が有ると判定部により判定された場合、ライダーに対して鞍乗り型車両の設定情報の変更を提案する報知を行うライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する。それにより、鞍乗り型車両が停車しているタイミングで、ライダーに対して設定情報の変更を提案することができる。ゆえに、ライダーは、設定操作を行いやすいタイミングで設定操作を行うことができる。さらに、設定操作を行うことが困難なタイミングにおいては、不必要に設定変更報知動作が実行されて他の情報提示が阻害されることを抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両の概略構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る制御装置が行う第1処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に係る制御装置が行う第2処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態に係る制御装置が行う第3処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る制御装置及び制御方法について、図面を用いて説明する。
【0011】
なお、以下では、二輪のモータサイクルに用いられる制御装置について説明しているが(
図1中の鞍乗り型車両1を参照)、本発明に係る制御装置の制御対象となる車両は、二輪のモータサイクル以外の他の鞍乗り型車両であってもよい。鞍乗り型車両は、ライダーが跨って乗車する車両を意味する。鞍乗り型車両には、例えば、モータサイクル(自動二輪車、自動三輪車)、自転車等が含まれる。モータサイクルには、エンジンを動力源とする車両、電気モータを動力源とする車両等が含まれる。モータサイクルには、例えば、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。自転車は、ペダルに付与されるライダーの踏力によって路上を推進することが可能な車両を意味する。自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。
【0012】
また、以下では、駆動輪を駆動するための動力を出力可能な駆動源としてエンジン(具体的には、後述される
図1中のエンジン11)が搭載されている場合を説明しているが、駆動源としてエンジン以外の他の駆動源(例えば、電気モータ)が搭載されていてもよく、複数の駆動源が搭載されていてもよい。
【0013】
また、以下では、車輪に生じる制動力の制御ユニットとして、ブレーキ液の液圧を制御する制御ユニット(具体的には、後述される
図1中の液圧制御ユニット14)が採用される場合を説明しているが、車輪に生じる制動力の制御ユニットとして、車輪の制動部自体の位置を電気的信号によって制御する制御ユニット(いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ)が採用されてもよい。
【0014】
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る制御装置及び制御方法は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。
【0015】
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略しているか、又は同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0016】
<鞍乗り型車両の構成>
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両1の構成について説明する。
【0017】
図1は、鞍乗り型車両1の概略構成を示す模式図である。鞍乗り型車両1は、本発明に係る鞍乗り型車両の一例に相当する二輪のモータサイクルである。鞍乗り型車両1は、
図1に示されるように、エンジン11と、クラッチ12と、変速機13と、液圧制御ユニット14と、表示装置15と、周囲環境センサ16と、前輪車輪速センサ17と、後輪車輪速センサ18と、クラッチセンサ19と、ギアポジションセンサ20と、制御装置(ECU)30とを備える。
【0018】
鞍乗り型車両1は、鞍乗り型車両1のライダーを支援するライダー支援システム10を備える。ライダー支援システム10には、上記の構成要素(具体的には、エンジン11、クラッチ12、変速機13、液圧制御ユニット14、表示装置15、周囲環境センサ16、前輪車輪速センサ17、後輪車輪速センサ18、クラッチセンサ19、ギアポジションセンサ20及び制御装置30)が含まれる。
【0019】
エンジン11は、鞍乗り型車両1の駆動源の一例に相当し、駆動輪(具体的には、後輪)を駆動するための動力を出力可能である。例えば、エンジン11には、内部に燃焼室が形成される1又は複数の気筒と、燃焼室に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁と、点火プラグとが設けられている。燃料噴射弁から燃料が噴射されることにより燃焼室内に空気及び燃料を含む混合気が形成され、当該混合気が点火プラグにより点火されて燃焼する。それにより、気筒内に設けられたピストンが往復運動し、クランクシャフトが回転するようになっている。また、エンジン11の吸気管には、スロットル弁が設けられており、スロットル弁の開度であるスロットル開度に応じて燃焼室への吸気量が変化するようになっている。
【0020】
クラッチ12は、エンジン11と変速機13との間に介在し、エンジン11と変速機13とを接続する。つまり、変速機13は、エンジン11とクラッチ12を介して接続されている。クラッチ12は、エンジン11から変速機13への動力の伝達を断接する。クラッチ12が締結状態になっている場合、エンジン11から変速機13へ動力が伝達可能な状態となる。クラッチ12が開放状態になっている場合、エンジン11から変速機13へ動力が伝達不可能な状態となる。ライダーは、クラッチ12を操作するための操作部であるクラッチ操作部を用いたクラッチ操作を行うことによって、クラッチ12を開放状態にすることができる。
【0021】
変速機13は、複数のギア段を有する。変速機13の入力軸は、エンジン11のクランクシャフトとクラッチ12を介して接続されている。変速機13の出力軸は、駆動輪である後輪と接続されている。ゆえに、エンジン11から出力される動力は、クラッチ12を介して変速機13に伝達され、変速機13により変速されて後輪に伝達される。ライダーは、クラッチ操作によってクラッチ12を開放状態にした状態で、変速操作を行うことによって、シフトチェンジを行うことができる。
【0022】
なお、以下では、鞍乗り型車両1が複数のギア段を有する変速機13を備えるマニュアル車である例を説明する。ただし、鞍乗り型車両1は、自動変速機を備えるオートマ車であってもよい。
【0023】
液圧制御ユニット14は、車輪に生じる制動力を制御する機能を担うユニットである。例えば、液圧制御ユニット14は、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する油路上に設けられ、ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御するためのコンポーネント(例えば、制御弁及びポンプ)を含む。液圧制御ユニット14のコンポーネントの動作が制御されることによって、車輪に生じる制動力が制御される。なお、液圧制御ユニット14は、前輪及び後輪の双方に生じる制動力をそれぞれ制御するものであってもよく、前輪及び後輪の一方に生じる制動力のみを制御するものであってもよい。
【0024】
表示装置15は、情報を視覚的に表示する表示機能を有する。表示装置15としては、例えば、液晶ディスプレイ等が挙げられる。表示装置15は、例えば、鞍乗り型車両1のうちハンドルに対して前方に設けられている。ただし、表示装置15の車体に対する配置は、特に限定されない。
【0025】
周囲環境センサ16は、鞍乗り型車両1の周囲の環境に関する周囲環境情報を検出する。具体的には、周囲環境センサ16は、鞍乗り型車両1の前部に設けられており、鞍乗り型車両1の前方の周囲環境情報を検出する。周囲環境センサ16により検出された周囲環境情報は、制御装置30に出力される。
【0026】
周囲環境センサ16により検出される周囲環境情報は、鞍乗り型車両1の周辺に位置する被検体までの距離又は方位に関連する情報(例えば、相対位置、相対距離、相対速度、相対加速度等)であってもよく、また、鞍乗り型車両1の周辺に位置する被検体の特徴(例えば、被検体の種別、被検体自体の形状、被検体に付されているマーク等)であってもよい。周囲環境センサ16は、例えば、レーダー、Lidarセンサ、超音波センサ、カメラ等である。
【0027】
なお、周囲環境情報は、他車両に搭載される周囲環境センサ、又は、インフラストラクチャ設備によっても検出され得る。つまり、制御装置30は、他車両又はインフラストラクチャ設備との無線通信を介して、周囲環境情報を取得することもできる。
【0028】
前輪車輪速センサ17は、前輪の車輪速(例えば、前輪の単位時間当たりの回転数[rpm]又は単位時間当たりの移動距離[km/h]等)を検出する車輪速センサであり、検出結果を出力する。前輪車輪速センサ17が、前輪の車輪速に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。前輪車輪速センサ17は、前輪に設けられている。
【0029】
後輪車輪速センサ18は、後輪の車輪速(例えば、後輪の単位時間当たりの回転数[rpm]又は単位時間当たりの移動距離[km/h]等)を検出する車輪速センサであり、検出結果を出力する。後輪車輪速センサ18が、後輪の車輪速に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。後輪車輪速センサ18は、後輪に設けられている。
【0030】
クラッチセンサ19は、クラッチ12の接続状態を検出し、検出結果を出力する。クラッチ12の接続状態には、例えば、クラッチ12が締結している締結状態、及び、クラッチ12が開放している開放状態等が含まれる。クラッチセンサ19は、例えば、クラッチ12に設けられている。
【0031】
ギアポジションセンサ20は、変速機13のギア段がいずれのギア段になっているかを検出し、検出結果を出力する。ギアポジションセンサ20は、例えば、変速機13に設けられている。
【0032】
制御装置30は、ライダー支援システム10の動作を制御する。例えば、制御装置30の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、制御装置30の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御装置30は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0033】
制御装置30は、
図2に示されるように、例えば、取得部31と、実行部32と、判定部33とを備える。制御装置30は、ライダー支援システム10の各装置(例えば、エンジン11、液圧制御ユニット14、表示装置15、周囲環境センサ16、前輪車輪速センサ17、後輪車輪速センサ18、クラッチセンサ19及びギアポジションセンサ20)と通信する。また、制御装置30は、ライダー支援システム10の各装置(例えば、エンジン11、液圧制御ユニット14及び表示装置15)の動作を制御することができる。
【0034】
取得部31は、ライダー支援システム10の各装置から情報を取得し、実行部32及び判定部33へ出力する。例えば、取得部31は、周囲環境センサ16、前輪車輪速センサ17、後輪車輪速センサ18、クラッチセンサ19及びギアポジションセンサ20から情報を取得する。なお、本明細書において、情報の取得には、情報の抽出又は生成(例えば、演算)等が含まれ得る。
【0035】
実行部32は、ライダー支援動作を実行する。ライダー支援動作は、ライダーを支援する動作であり、種々の動作を含み得る。特に、実行部32は、ライダーに対して鞍乗り型車両1の設定情報の変更を提案する報知を行うライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する。実行部32は、例えば、表示装置15の動作を制御することによって、設定変更報知動作を実行する。本実施形態では、後述するように、設定変更報知動作が適切なタイミングで実行されることによって、鞍乗り型車両1の操作性を向上させることが実現される。
【0036】
判定部33は、各種判定を行う。判定部33による判定結果は、実行部32が行う処理に用いられる。
【0037】
<制御装置の動作>
図3~
図5を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置30の動作について説明する。
【0038】
上述したように、制御装置30の実行部32は、ライダーに対して鞍乗り型車両1の設定情報の変更を提案する報知を行うライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する。鞍乗り型車両1の設定情報は、鞍乗り型車両1の設定に関する種々の情報を含み、例えば、鞍乗り型車両1の走行モードを含む。以下では、設定変更報知動作において、ライダーに対して鞍乗り型車両1の走行モードの変更が提案される例を説明する。ただし、後述するように、設定変更報知動作は、このような例に限定されない。
【0039】
以下、設定変更報知動作に関する処理例として、第1処理、第2処理及び第3処理を順に説明する。
【0040】
図3は、制御装置30が行う第1処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3におけるステップS101は、
図3に示される制御フローの開始に対応する。
【0041】
図3に示される制御フローが開始されると、ステップS102において、取得部31は、天候情報を取得する。天候情報は、天候に関する種々の情報を含み、例えば、現在の天候が晴れであるか、雨であるか、雪であるかを示す情報等を含み得る。
【0042】
例えば、周囲環境センサ16としてカメラが用いられる場合、取得部31は、当該カメラにより撮像される画像に対して画像認識処理を施すことによって、天候情報を取得することができる。例えば、取得部31は、カメラにより撮像される画像に映る路面の色情報から推定する処理を実行することによって、現在の天候が晴れであるか、雨であるか、雪であるかを判断できる。この場合、天候情報は、路面情報に基づいて取得されることになる。路面情報は、路面に関する種々の情報を含み得る。なお、取得部31は、空の色情報に基づいて天候情報を取得してもよい。
【0043】
なお、取得部31は、上記の方法以外の他の方法によって天候情報を取得してもよい。例えば、取得部31は、天候情報を送信可能なインフラストラクチャ設備又は他車両から天候情報を通信によって取得してもよい。
【0044】
次に、ステップS103において、判定部33は、現在設定されている走行モードが現在の天候に適した走行モードと異なるか否かを判定する。
【0045】
ここで、鞍乗り型車両1では、複数種類の走行モードが用意されており、複数種類の走行モードの中から選択された1種類の走行モードが設定されている。例えば、ライダーは、鞍乗り型車両1の入力装置(例えば、表示装置15)を用いて、設定されている走行モードを変更する設定操作を行うことができる。制御装置30は、設定されている走行モードに応じて、鞍乗り型車両1の各装置の動作を制御する。その結果、例えば、設定されている走行モードに応じて、アンチロックブレーキ制御の介入度合いが変化したり、サスペンションの効き具合が変化したりする。
【0046】
鞍乗り型車両1の走行モードとしては、例えば、天候が晴れの場合に適する走行モード(例えば、ロードモード)、天候が雨又は雪の場合に適する走行モード(例えば、レインモード)等が用意されている。判定部33は、ステップS102で取得された天候情報に基づいて、現在の天候に適した走行モードを特定できる。例えば、現在の天候が晴れの場合、判定部33は、ロードモードを現在の天候に適した走行モードとして特定する。また、例えば、現在の天候が雨又は雪の場合、判定部33は、レインモードを現在の天候に適した走行モードとして特定する。
【0047】
現在設定されている走行モードが現在の天候に適した走行モードと一致していると判定された場合(ステップS103/NO)、ステップS102に戻る。例えば、現在の天候が晴れであり、かつ、現在設定されている走行モードがロードモードである場合、ステップS103でNOと判定される。また、例えば、現在の天候が雨又は雪であり、かつ、現在設定されている走行モードがレインモードである場合、ステップS103でNOと判定される。
【0048】
一方、現在設定されている走行モードが現在の天候に適した走行モードと異なると判定された場合(ステップS103/YES)、ステップS104に進む。例えば、現在の天候が晴れであり、かつ、現在設定されている走行モードがレインモードである場合、ステップS103でYESと判定される。また、例えば、現在の天候が雨又は雪であり、かつ、現在設定されている走行モードがロードモードである場合、ステップS103でYESと判定される。
【0049】
なお、用意されている走行モードは、上記の例に限定されず、例えば、上記以外の種類の走行モードが別途用意されていてもよく、晴れ、雨及び雪以外の天候に適する走行モードが用意されていてもよい。
【0050】
ステップS103でYESと判定された場合、ステップS104において、判定部33は、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定する。
【0051】
鞍乗り型車両1の停車が有ることは、鞍乗り型車両1が実際に停車していると判断できることを意味する。鞍乗り型車両1の停車可能性が有ることは、鞍乗り型車両1が近々停車すると予想できることを意味する。つまり、ステップS104の判定では、鞍乗り型車両1が実際に停車しているか否かのみならず、鞍乗り型車両1が近々停車するか否かも判定される。なお、鞍乗り型車両1の停車は、鞍乗り型車両1が直ちに再発進できる状態で止まっていることを意味する。
【0052】
例えば、判定部33は、信号機情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定してもよい。信号機情報は、信号機に関する情報であり、例えば、信号機が赤信号であるか否かを示す情報等を含む。判定部33は、例えば、信号機情報が、信号機が赤信号であることを示す情報である場合、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定する。
【0053】
例えば、周囲環境センサ16としてカメラが用いられる場合、取得部31は、当該カメラにより撮像される画像に対して画像認識処理を施すことによって、信号機情報を取得することができる。なお、取得部31は、上記の方法以外の他の方法によって信号機情報を取得してもよい。例えば、取得部31は、信号機情報を送信可能なインフラストラクチャ設備又は他車両から信号機情報を通信によって取得してもよい。
【0054】
また、例えば、判定部33は、鞍乗り型車両1の車速情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定してもよい。車速情報は、鞍乗り型車両1の車速を示す情報、又は、鞍乗り型車両1の車速に実質的に換算可能な情報である。判定部33は、例えば、鞍乗り型車両1の車速が基準車速より低い場合、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定する。基準車速は、例えば、0近傍の値に設定される。例えば、取得部31は、前輪車輪速センサ17の検出結果、及び、後輪車輪速センサ18の検出結果に基づいて車速情報を取得することができる。
【0055】
また、例えば、判定部33は、鞍乗り型車両1のギア情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定してもよい。ギア情報は、変速機13のギア段に関する情報であり、例えば、変速機13のギア段がいずれのギア段になっているかを示す情報を含む。判定部33は、例えば、変速機13のギア段がニュートラルになっている場合、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定する。例えば、取得部31は、ギアポジションセンサ20の検出結果に基づいてギア情報を取得することができる。
【0056】
また、例えば、判定部33は、鞍乗り型車両1のクラッチ情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定してもよい。クラッチ情報は、クラッチ12の接続状態に関する情報であり、例えば、クラッチ12が締結状態になっているか、開放状態になっているかを示す情報を含む。判定部33は、例えば、クラッチ12が開放状態になっている場合、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定する。例えば、取得部31は、クラッチセンサ19の検出結果に基づいてクラッチ情報を取得することができる。
【0057】
また、例えば、判定部33は、制動力保持制御の実行状態情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定してもよい。制動力保持制御の実行状態情報は、制動力保持制御の実行状態に関する情報であり、例えば、制動力保持制御が実行されているか否かを示す情報を含む。制動力保持制御は、鞍乗り型車両1の停止時に鞍乗り型車両1を自動的に制動するための制御である。制動力保持制御では、鞍乗り型車両1に生じている制動力がライダーによるブレーキ操作によらずに保持される。制動力保持制御には、ヒルホールドコントロール(Hill Hold Controll)又はビークルホールドコントロール(Vehicle Hold Controll)と呼ばれる制御が含まれ得る。実行部32は、例えば、鞍乗り型車両1が停車している状態において、ライダーが特定の操作を行ったことをトリガとして制動力保持制御を実行する。判定部33は、例えば、制動力保持制御が実行されている場合、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定する。
【0058】
上記では、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無の判定に用いられる情報として、信号機情報、車速情報、ギア情報、クラッチ情報、及び、制動力保持制御の実行状態情報を例示した。ただし、上記の判定は、上記で例示した情報のうちの任意の一部を併用して行われてもよい。例えば、判定部33は、信号機情報が、信号機が赤信号であることを示す情報であり、かつ、鞍乗り型車両1の車速が基準車速より低い場合、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定してもよい。また、例えば、判定部33は、変速機13のギア段がニュートラルになっており、かつ、鞍乗り型車両1の車速が基準車速より低い場合、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定してもよい。また、上記の判定は、上記で例示した情報以外の情報を用いて行われてもよい。
【0059】
鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が無いと判定された場合(ステップS104/NO)、ステップS102に戻る。一方、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定された場合(ステップS104/YES)、ステップS105に進む。
【0060】
ステップS104でYESと判定された場合、ステップS105において、実行部32は、設定変更報知動作を実行し、ステップS102に戻る。
図3の第1処理では、実行部32は、設定変更報知動作において、鞍乗り型車両1の走行モードの変更をライダーに対して提案する。具体的には、実行部32は、設定変更報知動作において、現在の天候に適した走行モード(具体的には、ステップS103で現在の天候に適した走行モードとして特定された走行モード)への変更をライダーに対して提案する。つまり、設定変更報知動作において、天候情報に応じた走行モードの変更が提案される。
【0061】
実行部32は、例えば、表示装置15を用いて、鞍乗り型車両1の走行モードの変更をライダーに対して提案することができる。この場合、例えば、提案される走行モード、及び、当該走行モードへの変更を受け付けるボタン等のオブジェクトが表示装置15に表示され、ライダーは、当該オブジェクトを押すことによって、鞍乗り型車両1において設定されている走行モードを提案されている走行モードに変更することができる。
【0062】
ただし、設定変更報知動作は、表示装置15を用いる例に限定されない。例えば、設定変更報知動作は、ライダーの着用物(例えば、ヘルメット、グローブ等)に搭載された表示装置を用いて行われてもよい。また、例えば、設定変更報知動作は、音を用いて行われてもよい。この場合、設定変更報知動作は、例えば、鞍乗り型車両1、又は、ライダーの着用物に搭載された音出力装置を用いて行われる。
【0063】
なお、設定変更報知動作は、例えば、所定時間が経過した際に終了してもよく、鞍乗り型車両1が再発進したと判定された場合に終了してもよい。例えば、判定部33は、鞍乗り型車両1の車速情報に基づいて、鞍乗り型車両1が再発進したか否かを判定できる。
【0064】
以上説明したように、第1処理では、実行部32は、停車又は停車可能性が有ると判定部33により判定された場合、設定変更報知動作を実行する。それにより、鞍乗り型車両1が停車しているタイミングで、ライダーに対して設定情報の変更を提案することができる。ゆえに、ライダーは、設定操作を行うことができるタイミングで、短時間で設定操作を行うことができる。さらに、設定操作を行うことが困難なタイミングにおいては、不必要に設定変更報知動作が実行されることを抑制できるので、設定変更報知動作により他の情報提示(例えば、速度メータの表示)が阻害されることを抑制できる。よって、鞍乗り型車両1の操作性を向上させることができる。
【0065】
上記では、設定変更報知動作において、天候情報に応じた走行モードの変更が提案される例を説明した。ただし、設定変更報知動作において、天候情報以外の他の情報に応じた走行モードの変更が提案されてもよい。
【0066】
例えば、上記の例において、天候情報が路面情報に基づいて取得される場合は、設定変更報知動作において、路面情報に応じた走行モードの変更が提案される場合にも該当する。ここで、路面情報には、路面が舗装路であるか、未舗装路であるかを示す情報も含まれ得る。ゆえに、判定部33は、このような路面情報に基づいて、現在設定されている走行モードが路面に適した走行モードと異なるか否かを判定できる。そして、実行部32は、現在設定されている走行モードが路面に適した走行モードと異なると判定された場合、設定変更報知動作において、路面に適した走行モードへの変更をライダーに対して提案してもよい。例えば、鞍乗り型車両1が未舗装路を走行しており、かつ、現在設定されている走行モードが舗装路に適した走行モードである場合、未舗装路に適した走行モードへの変更を提案する設定変更報知動作が実行されてもよい。つまり、設定変更報知動作において、路面情報に応じた走行モードの変更が提案されてもよい。
【0067】
図4は、制御装置30が行う第2処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4におけるステップS201は、
図4に示される制御フローの開始に対応する。
【0068】
図4の第2処理では、
図3の第1処理と比較して、ステップS104でYESと判定された場合、ステップS105の前にステップS111及びステップS112が追加して実行される点が異なる。
【0069】
図4の第2処理では、ステップS104でYESと判定された場合(つまり、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定された場合)、ステップS111において、取得部31は、停車継続時間情報を取得する。停車継続時間情報は、鞍乗り型車両1の停車が継続すると予想される時間(以下、停車継続時間とも呼ぶ)の情報である。
【0070】
取得部31は、例えば、信号機情報に基づいて、停車継続時間情報を取得できる。例えば、取得部31は、信号機が赤になったタイミングを示す情報を信号機情報として取得する。また、取得部31は、信号機が赤に維持される時間を示す情報を信号機情報として取得する。また、取得部31は、鞍乗り型車両1の車速情報に基づいて、鞍乗り型車両1が停車したタイミングを示す情報を信号機情報として取得する。それにより、取得部31は、信号機が赤になったタイミングを示す情報、信号機が赤に維持される時間を示す情報、及び、鞍乗り型車両1が停車したタイミングを示す情報に基づいて、停車継続時間を示す情報を停車継続時間情報として取得できる。
【0071】
なお、取得部31は、信号機情報以外の情報に基づいて、停車継続時間情報を取得してもよい。例えば、取得部31は、鞍乗り型車両1の前方に停車している車両の数を示す情報に基づいて、停車継続時間情報を取得してもよい。鞍乗り型車両1の前方に停車している車両の数を示す情報は、例えば、周囲環境センサ16等から取得される周囲環境情報に基づいて取得され得る。例えば、取得部31は、鞍乗り型車両1の前方に停車している車両の数が多いほど、現時点から信号機が赤から青に切り替わる時点までの時間が短く停車継続時間が短いと判断できる。また、例えば、取得部31は、停車継続時間情報を送信可能なインフラストラクチャ設備又は他車両から停車継続時間情報を通信によって取得してもよい。
【0072】
ステップS111の次に、ステップS112において、実行部32は、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作における提案内容を決定し、ステップS105に進む。つまり、ステップS105では、ステップS112で決定された提案内容が設定変更報知動作によってライダーに対して報知される。
【0073】
ステップS112では、実行部32は、例えば、停車継続時間情報により示される停車継続時間が短いほど、短い時間で行える設定操作(例えば、走行モードを変更するための設定操作が表示装置15をタップする操作である場合、より少ない回数のタップで走行モードを変更することができる操作)を、設定変更報知動作における提案内容として決定する。それにより、停車継続時間が短い場合に、ライダーは、より短時間で設定操作を行うことができる。よって、鞍乗り型車両1の操作性をより向上させることができる。
【0074】
図5は、制御装置30が行う第3処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5におけるステップS301は、
図5に示される制御フローの開始に対応する。
【0075】
図5の第3処理では、
図4の第2処理と比較して、ステップS112がステップS113に置き換えられている点が異なる。
【0076】
図5の第3処理では、ステップS111の次に、ステップS113において、実行部32は、停車継続時間が基準時間より長いか否かを判定する。基準時間は、例えば、ライダーが設定操作を行うのに必要な時間に対して停車継続時間が不足するか否かを判断し得る時間に設定される。停車継続時間が基準時間より短い場合が、ライダーが設定操作を行うのに必要な時間に対して停車継続時間が不足する場合に相当する。
【0077】
停車継続時間が基準時間より短いと判定された場合(ステップS113/NO)、ステップS102に戻る。つまり、この場合には、設定変更報知動作は実行されない。一方、停車継続時間が基準時間より長いと判定された場合(ステップS113/YES)、ステップS105に進み、ステップS105において、設定変更報知動作が実行される。それにより、ライダーが設定操作を行うのに必要な時間に対して停車継続時間が不足する場合に、設定変更報知動作が不必要に実行されることを抑制できる。
【0078】
上記で説明したように、
図4の第2処理、及び、
図5の第3処理は、実行部32が、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作を変化させる処理の例に相当する。具体的には、
図4の第2処理は、実行部32が、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作における提案内容を変化させる処理の例に相当する。一方、
図5の第3処理は、実行部32が、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作の実行可否を変化させる処理の例に相当する。
【0079】
なお、上記では、設定変更報知動作において、ライダーに対して鞍乗り型車両1の走行モードの変更が提案される例を説明した。ただし、設定変更報知動作における提案対象となる設定情報は、走行モードに限定されない。例えば、鞍乗り型車両1の各装置に個別に設定される制御モードに関する設定情報の変更が、設定変更報知動作において提案されてもよい。
【0080】
<制御装置の効果>
本発明の実施形態に係る制御装置30の効果について説明する。
【0081】
制御装置30は、ライダーを支援するライダー支援動作を実行する実行部32を備え、さらに、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定する判定部33を備える。そして、実行部32は、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性が有ると判定部33により判定された場合、ライダーに対して鞍乗り型車両1の設定情報の変更を提案する報知を行うライダー支援動作である設定変更報知動作を実行する。それにより、鞍乗り型車両1が停車しているタイミングで、ライダーに対して設定情報の変更を提案することができる。ゆえに、ライダーは、設定操作を行いやすいタイミングで設定操作を行うことができる。さらに、設定操作を行うことが困難なタイミングにおいては、不必要に設定変更報知動作が実行されて他の情報提示が阻害されることを抑制し得る。
【0082】
好ましくは、制御装置30において、上記の設定情報は、鞍乗り型車両1の走行モードである。それにより、鞍乗り型車両1が停車しているタイミングで、ライダーに対して走行モードの変更を提案することができる。ゆえに、ライダーは、走行モードの設定操作を行うことができるタイミングで、短時間で走行モードの設定操作を行うことができる。よって、鞍乗り型車両1の走行モードの設定における操作性を向上させることができる。
【0083】
好ましくは、制御装置30において、実行部32は、設定変更報知動作において、天候情報に応じた走行モードの変更を提案する。それにより、設定変更報知動作において、現在の天候に適した走行モードへの変更をライダーに対して提案することができる。ゆえに、ライダーは、走行モードの設定操作を行うことができるタイミングで、短時間で現在の天候に適した走行モードへの変更を行うことができる。よって、鞍乗り型車両1の走行モードの設定における操作性を向上させることが適切に実現される。
【0084】
好ましくは、制御装置30において、実行部32は、設定変更報知動作において、路面情報に応じた走行モードの変更を提案する。それにより、それにより、設定変更報知動作において、路面に適した走行モードへの変更をライダーに対して提案することができる。ゆえに、ライダーは、走行モードの設定操作を行うことができるタイミングで、短時間で路面に適した走行モードへの変更を行うことができる。よって、鞍乗り型車両1の走行モードの設定における操作性を向上させることが適切に実現される。
【0085】
好ましくは、制御装置30において、判定部33は、信号機情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定する。それにより、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定することが適切に実現される。特に、信号機情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車が継続すると予想される時間の情報である停車継続時間情報を取得することもできるので、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無の判定に加えて、停車継続時間情報に基づいて設定変更報知動作を変化させることも適切に実現できる。
【0086】
好ましくは、制御装置30において、判定部33は、鞍乗り型車両1の車速情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定する。それにより、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定することが適切に実現される。
【0087】
好ましくは、制御装置30において、判定部33は、鞍乗り型車両1のギア情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定する。それにより、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定することが適切に実現される。
【0088】
好ましくは、制御装置30において、判定部33は、鞍乗り型車両1のクラッチ情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定する。それにより、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定することが適切に実現される。
【0089】
好ましくは、制御装置30において、実行部32は、鞍乗り型車両1に生じている制動力がライダーによるブレーキ操作によらずに保持される制動力保持制御を実行し、判定部33は、制動力保持制御の実行状態情報に基づいて、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定する。それにより、鞍乗り型車両1の停車又は停車可能性の有無を判定することが適切に実現される。
【0090】
好ましくは、制御装置30は、鞍乗り型車両1の停車が継続すると予想される時間の情報である停車継続時間情報を取得する取得部31を備え、実行部32は、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作を変化させる。それにより、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作を適正化できる。
【0091】
好ましくは、制御装置30において、実行部32は、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作における提案内容を変化させる。それにより、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作における提案内容を適正化できる。例えば、停車継続時間が短い場合に、ライダーは、より短時間で設定操作を行うことができる。よって、鞍乗り型車両1の操作性をより向上させることができる。
【0092】
好ましくは、制御装置30において、実行部32は、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作の実行可否を変化させる。それにより、停車継続時間情報に基づいて、設定変更報知動作の実行可否を適正化できる。例えば、ライダーが設定操作を行うのに必要な時間に対して停車継続時間が不足する場合に、設定変更報知動作が不必要に実行されることを抑制できる。
【0093】
好ましくは、制御装置30において、取得部31は、信号機情報に基づいて、停車継続時間情報を取得する。それにより、停車継続時間情報を取得することが適切に実現される。
【0094】
本発明は実施形態の説明に限定されない。例えば、実施形態の一部のみが実施されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 鞍乗り型車両、10 ライダー支援システム、11 エンジン、12 クラッチ、13 変速機、14 液圧制御ユニット、15 表示装置、16 周囲環境センサ、17 前輪車輪速センサ、18 後輪車輪速センサ、19 クラッチセンサ、20 ギアポジションセンサ、30 制御装置、31 取得部、32 実行部、33 判定部。