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特開2024-116992情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116992
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20240821BHJP
【FI】
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022894
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼保 和弘
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】より適切な医療提供の支援を行う情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置10は、疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得する取得部30と、画像に基づいて、ユーザの疾患の重症度を導出する導出部32と、重症度に応じて、重症度ごとに予め定められた処置を行う処置部34と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得する取得部と、
前記画像に基づいて、前記ユーザの前記疾患の重症度を導出する導出部と、
前記重症度に応じて、前記重症度ごとに予め定められた処置を行う処置部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記ユーザの生体情報を取得し、
前記導出部は、前記画像及び前記生体情報に基づいて、前記重症度を導出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記ユーザによって入力された問診情報を取得し、
前記導出部は、前記画像及び前記問診情報に基づいて、前記重症度を導出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記導出部は、
前記画像に基づいて、前記ユーザが前記疾患に罹患している確度を導出し、
前記確度が予め定められた閾値以上である場合に、前記重症度を導出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記ユーザの生体情報を取得し、
前記導出部は、前記画像及び前記生体情報に基づいて、前記確度を導出する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記ユーザによって入力された問診情報を取得し、
前記導出部は、前記画像及び前記問診情報に基づいて、前記確度を導出する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記導出部は、前記画像を入力とし、前記重症度を出力とするよう予め学習された学習済モデルを用いて、前記重症度を導出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記学習済モデルは、複数のユーザのそれぞれを撮影した学習用画像と、前記複数のユーザのそれぞれの疾患の重症度と、の組合せを含む教師データを用いて学習された機械学習モデルである
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処置部は、前記重症度が予め定められた閾値以上である場合に、前記処置として、前記ユーザの診療予約及び救急車の手配の少なくとも一方を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処置部は、前記重症度が予め定められた閾値未満である場合に、前記処置として、前記ユーザの自宅宛に食料品及び医薬品の少なくとも一方の配送手配を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記疾患は、感染性呼吸器疾患である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが、
疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得し、
前記画像に基づいて、前記ユーザの前記疾患の重症度を導出し、
前記重症度に応じて、前記重症度ごとに予め定められた処置を行う
処理を行う情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得し、
前記画像に基づいて、前記ユーザの前記疾患の重症度を導出し、
前記重症度に応じて、前記重症度ごとに予め定められた処置を行う
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、医療機関への受診者が増加し、医療体制が逼迫する状況が生じている。このような状況において、受診者が任意の医療機関を訪れて診療を受けるという従来手法では、適切な医療機関の選択に医療機関及び受診者の双方の手間を要したり、待機時間が増加したりする等の問題が生じていた。また、受診機会の増加及び待機時間の増加に伴って、感染拡大リスクが高まるという問題も生じていた。
【0003】
これに対して、適切な医療の提供を図る各種技術が提案されている。例えば、特許文献1には、問診情報及び生体情報を基にユーザの疾病内容と緊急度を判定し、判定結果に応じた対処法等のコメントをユーザ端末に返信したり、診察予約依頼及び救急車の出動依頼を実行したりすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-163817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、受診者自身が問診情報を入力するため個人差が生じ、疾病内容と緊急度を適切に判定できず、判定結果に応じた適切な処置を実行できない場合があった。
【0006】
本開示は、より適切な医療提供の支援を行う情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る情報処理装置は、疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得する取得部と、前記画像に基づいて、前記ユーザの前記疾患の重症度を導出する導出部と、前記重症度に応じて、前記重症度ごとに予め定められた処置を行う処置部と、を備える。
【0008】
また、本開示に係る情報処理方法は、コンピュータが、疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得し、前記画像に基づいて、前記ユーザの前記疾患の重症度を導出し、前記重症度に応じて、前記重症度ごとに予め定められた処置を行う。
【0009】
また、本開示に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得し、前記画像に基づいて、前記ユーザの前記疾患の重症度を導出し、前記重症度に応じて、前記重症度ごとに予め定められた処置を行う処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、より適切な医療提供の支援を行う情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】診断モデルについて説明するための図である。
図5】情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置10を適用した情報処理システム1の概略構成図である。図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置4と、情報処理装置10と、を備える。また、端末装置4と、情報処理装置10と、は有線又は無線のネットワーク6を経由して通信可能な状態で接続されている。
【0013】
端末装置4は、受診者2が所有する静止画像及び/又は動画像を撮影可能なカメラ機能を有する少なくとも1台の装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末及びパーソナルコンピュータ等を適宜適用できる。情報処理装置10は、医療機関等に設置される少なくとも1台の装置であり、医療従事者が情報の閲覧及び操作等を行う。受診者2が、本開示のユーザの一例である。
【0014】
受診者2は、自身が疾患、特に感染性呼吸器疾患であることを疑う場合に、自宅からオンラインでのリモート診療を端末装置4を介して情報処理装置10に対して依頼する。感染性呼吸器疾患とは、咳、痰、発熱及び胸痛等の自覚症状を発する疾患であり、例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、インフルエンザウイルス感染症、かぜ症候群、急性気管支炎及び肺炎等である。情報処理装置10は、端末装置4からリモート診療の依頼を受け付けると、端末装置4に対して、診療に必要な情報の入力を要求する。以下、情報処理装置10の機能について説明する。
【0015】
まず、図2を参照して、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を説明する。図2に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)21、不揮発性の記憶部22、及び一時記憶領域としてのメモリ23を含む。また、情報処理装置10は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ24、タッチパネル、キーボード及びマウス等の入力部25、並びにネットワークI/F(InterFace)部26を含む。ネットワークI/F部26は、端末装置4及びその他外部装置等との有線又は無線通信を行う。CPU21、記憶部22、メモリ23、ディスプレイ24、入力部25及びネットワークI/F部26は、システムバス及びコントロールバス等のバス28を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0016】
記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記憶媒体によって実現される。記憶部22には、情報処理装置10における情報処理プログラム27が記憶される。CPU21は、記憶部22から情報処理プログラム27を読み出してからメモリ23に展開し、展開した情報処理プログラム27を実行する。CPU21が本開示のプロセッサの一例である。また、記憶部22には、後述する診断モデルM1が記憶される。情報処理装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末及びウェアラブル端末等を適宜適用できる。
【0017】
次に、図3を参照して、情報処理装置10の機能的な構成の一例について説明する。図3に示すように、情報処理装置10は、取得部30、導出部32、処置部34及び制御部36を含む。CPU21が情報処理プログラム27を実行することにより、CPU21が取得部30、導出部32、処置部34及び制御部36の各機能部として機能する。
【0018】
まず、制御部36は、端末装置4からリモート診療の依頼を受け付けると、端末装置4に対して、疾患が疑われる受診者2の静止画像及び/又は動画像を撮影するよう要求する。受診者2は、自身の顔色、姿勢、咳及び痰の出方等の様子が分かるように、端末装置4を用いて静止画像及び/又は動画像を撮影する。この場合、静止画像であれば予め定められた間隔で10枚程度撮影し、動画像であれば5分程度撮影することが好ましい。
【0019】
また、制御部36は、端末装置4からリモート診療の依頼を受け付けると、端末装置4に対して、疾患が疑われる受診者2の生体情報を入力するよう要求する。生体情報とは、例えば、体温、動脈血酸素飽和度(SpO)、心拍、心電、筋電、血圧、体重、体脂肪率、筋肉量、骨密度及び血糖値等である。受診者2は、体温計等の測定器を用いて生体情報を測定し、手動で入力を行ってもよい。また例えば、これらの生体情報を測定可能なセンサを有するスマートウォッチを用いて生体情報を測定し、スマートウォッチが端末装置4に対して生体情報を送信してもよい。
【0020】
また、制御部36は、端末装置4からリモート診療の依頼を受け付けると、端末装置4に対して、問診情報の入力を要求する。問診情報とは、例えば、受診者2自身の自覚症状、既往歴、内服薬、家族の既往歴、アレルギーの有無及び渡航歴等であり、問診項目が予め定められている。受診者2は、端末装置4を用いて、それぞれの問診項目に回答する。
【0021】
取得部30は、上述のようにして端末装置4によって撮影された、疾患が疑われる受診者2を撮影した画像を取得する。ここで、画像とは、1枚の静止画像であってもよいし、上述したように複数枚の静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。また、取得部30は、上述のようにして端末装置4において入力された受診者2の生体情報及び問診情報を取得してもよい。
【0022】
導出部32は、取得部30によって取得された画像に基づいて、受診者2が疾患に罹患している確度を導出する。この場合、導出部32は、生体情報及び問診情報を確度の導出に用いてもよい。また、導出部32は、受診者2が何の疾患に罹患しているかを判定することが好ましい。例えば、導出部32は、新型コロナウイルス感染症に罹患している確度、インフルエンザウイルス感染症に罹患している確度、かぜ症候群に罹患している確度、等と疾患の種類ごとに確度を導出し、最も確度が高い疾患に受診者2が罹患していると判定してもよい。確度は、例えば、画像に写る受診者2の顔色、姿勢、咳及び痰の出方等の様子から推定できる。
【0023】
制御部36は、導出部32によって導出された確度が予め定められた閾値以上である場合に、端末装置4に対して、更なる受診者2の静止画像及び/又は動画像の撮影を要求してもよい。より長い期間の受診者2の様子を観察することで、重症度の導出の精度が高まるためである。例えば、静止画像であれば予め定められた間隔で60枚程度撮影し、動画像であれば30分程度撮影することが好ましい。取得部30は、このようにして端末装置4によって撮影された、受診者2を撮影した画像を更に取得してもよい。
【0024】
導出部32は、導出した確度が予め定められた閾値以上である場合に、取得部30によって取得された画像(確度の導出後に更に取得した画像を含む)に基づいて、受診者2の疾患の重症度を導出してもよい。この場合、導出部32は、生体情報及び問診情報を重症度の導出に用いてもよい。例えば、確度に応じて受診者2が新型コロナウイルス感染症に罹患していると判定された場合、画像に写る受診者2の咳の頻度が多く、静止したり臥したりした時間が長いほど、重症度が高いと推定される。
【0025】
具体的には、図4に示すように、導出部32は、受診者2を撮影した画像を入力とし、重症度を出力とするよう予め学習された診断モデルM1を用いて、受診者2の疾患の重症度を導出してもよい。診断モデルM1は、複数の受診者のそれぞれを撮影した学習用画像と、複数の受診者のそれぞれの疾患の重症度と、の組合せを含む教師データを用いて学習された機械学習モデルである。なお、教師データには、各種疾患(新型コロナウイルス感染症、インフルエンザウイルス感染症及びかぜ症候群等)のそれぞれに罹患している受診者に関するデータが含まれることが好ましい。また、本実施形態における画像は、受診者2ごとに異なる端末装置4によって撮影される画像であることから、教師データには、解像度、顔の写り込み方及び照明条件等が異なる学習用画像が含まれることが好ましい。
【0026】
このような機械学習モデルとしては、例えば、畳み込み型ニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)及び再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)等の公知のモデルを適宜適用できる。診断モデルM1が、本開示の学習済モデルの一例である。
【0027】
また、診断モデルM1は、更に、受診者2の生体情報及び問診情報の少なくとも一方を入力としてもよい。この場合の診断モデルM1の教師データには、複数の受診者のそれぞれの生体情報及び問診情報の少なくとも一方が含まれることとなる。導出部32は、このような診断モデルM1に受診者2の画像と、生体情報及び問診情報の少なくとも一方と、を入力することによって、受診者2の疾患の重症度を導出してもよい。
【0028】
また、診断モデルM1は、更に、受診者2が疾患に罹患している確度を出力としてもよい。この場合の診断モデルM1の教師データには、複数の受診者のそれぞれが疾患に罹患している確度が含まれることとなる。導出部32は、このような診断モデルM1に受診者2の画像、又は、受診者2の画像と、生体情報及び問診情報の少なくとも一方と、を入力することによって、受診者2の疾患の確度を導出してもよい。
【0029】
処置部34は、導出部32によって導出された重症度に応じて、重症度ごとに予め定められた処置を行う。例えば、処置部34は、導出部32によって導出された重症度が予め定められた閾値以上である場合に、処置として、受診者2の診療予約及び救急車の手配の少なくとも一方を行ってもよい。重症の場合には、早急な対面診療が求められるためである。診療予約には、受診者2が対面診療を行う医療機関の選択及び受診日時等の手配が含まれる。
【0030】
また例えば、処置部34は、導出部32によって導出された重症度が予め定められた閾値未満である場合に、処置として、受診者2の自宅宛に食料品及び医薬品の少なくとも一方の配送手配を行ってもよい。軽症の場合には、自宅での療養で病状が改善されることが期待されるためである。
【0031】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の作用を説明する。情報処理装置10において、CPU21が情報処理プログラム27を実行することによって、図5に示す情報処理が実行される。情報処理は、例えば、受診者2から端末装置4を介してリモート診療の依頼があった場合に実行される。
【0032】
ステップS10で、取得部30は、疾患が疑われる受診者を撮影した画像を取得する。この画像は、例えば、静止画像であれば10枚程度であり、動画像であれば5分程度である。ステップS12で、取得部30は、受診者の生体情報を取得する。ステップS14で、取得部30は、受診者の問診情報を取得する。
【0033】
ステップS16で、導出部32は、少なくともステップS10で取得された画像に基づいて、好ましくはステップS12で取得された生体情報及びステップS14で取得された問診情報の少なくとも一方にも基づいて、受診者2が疾患に罹患している確度を導出する。ステップS18で、導出部32は、ステップS16で導出した確度が予め定められた閾値以上であるか否かを判定し、ステップS18が肯定判定の場合は、ステップS20へ移行する。
【0034】
ステップS20で、取得部30は、受診者2を撮影した画像を更に取得してもよい。この画像は、例えば、静止画像であれば60枚程度であり、動画像であれば30分程度である。ステップS22で、導出部32は、少なくともステップS20で取得された画像に基づいて、好ましくはステップS12で取得された生体情報及びステップS14で取得された問診情報の少なくとも一方にも基づいて、受診者2の疾患の重症度を導出する。ステップS24で、導出部32は、ステップS22で導出した重症度が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。
【0035】
ステップS24が肯定判定の場合、ステップS26へ移行する。ステップS26で、処置部34は、受診者2の診療予約及び救急車の手配の少なくとも一方を行う。一方、ステップS24が否定判定の場合、ステップS28へ移行する。ステップS28で、処置部34は、受診者2の自宅宛に食料品及び医薬品の少なくとも一方の配送手配を行う。ステップS26又はステップS28が完了した場合、及び、ステップS18が否定判定の場合は、本情報処理を終了する。
【0036】
以上説明したように、本開示の一態様に係る情報処理装置10は、疾患が疑われるユーザを撮影した画像を取得する取得部30と、画像に基づいて、ユーザの疾患の重症度を導出する導出部32と、重症度に応じて、重症度ごとに予め定められた処置を行う処置部34と、を備える。すなわち、本開示の技術によれば、受診者2の様子を画像で確認しながら、重症度に応じたより適切な医療提供の支援を行うことができる。また、重症度に応じたより適切な医療を提供することによって、受診者数及び受診回数を低減し、待機時間を短縮化できるので、感染拡大リスクを低減することに寄与できる。
【0037】
なお、上記実施形態においては、導出部32が、受診者2を撮影した画像、生体情報及び問診情報に基づいて受診者2が疾患に罹患している確度を導出した後、確度が高い場合に、重症度を導出する形態について説明したが、これに限らない。例えば、確度の導出を行わず、全ての受診者2に対して重症度の導出を行ってもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、導出部32が、受診者2を撮影した画像、生体情報及び問診情報に基づいて確度及び重症度を導出する形態について説明したが、これに限らない。確度及び重症度の導出には、少なくとも受診者2を撮影した画像を用いればよく、生体情報及び問診情報の少なくとも一方は省略してもよい。
【0039】
すなわち、例えば、導出部32は、受診者2を撮影した画像に基づいて、重症度を導出してもよい。また例えば、導出部32は、受診者2を撮影した画像及び生体情報に基づいて、重症度を導出してもよい。また例えば、導出部32は、受診者2を撮影した画像及び問診情報に基づいて、重症度を導出してもよい。
【0040】
また例えば、導出部32は、受診者2を撮影した画像に基づいて、確度を導出してもよい。また例えば、導出部32は、受診者2を撮影した画像及び生体情報に基づいて、確度を導出してもよい。また例えば、導出部32は、受診者2を撮影した画像及び問診情報に基づいて、確度を導出してもよい。これらの場合、省略する生体情報及び/又は問診情報は、端末装置4における入力も省略してもよい。
【0041】
また、上記実施形態において、例えば、取得部30、導出部32、処置部34及び制御部36といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0042】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0043】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0044】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0045】
また、上記実施形態では、情報処理装置10における情報処理プログラム27が記憶部22に予め記憶されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム27は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム27は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。更に、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
【符号の説明】
【0046】
1 情報処理システム
2 受診者
4 端末装置
6 ネットワーク
10 情報処理装置
21 CPU
22 記憶部
23 メモリ
24 ディスプレイ
25 入力部
26 ネットワークI/F
27 情報処理プログラム
28 バス
30 取得部
32 導出部
34 処置部
36 制御部
M1 診断モデル
図1
図2
図3
図4
図5