(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117004
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】プログラム、ゲーム制御装置及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/422 20140101AFI20240821BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240821BHJP
A63F 13/812 20140101ALN20240821BHJP
【FI】
A63F13/422
A63F13/69
A63F13/812 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022907
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100140660
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 理恵
(74)【代理人】
【識別番号】100174148
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 和教
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 礼弥
(72)【発明者】
【氏名】宮川 知昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘典
(57)【要約】
【課題】ゲーム媒体を交代する手間を減らして対戦時間の短縮化を図ることができるようにする一方で、ユーザの意図しない交代を回避する。
【解決手段】自動交代制御部は、ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、対戦に使用する1以上のゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代制御を実行する。交代判定部は、自動交代制御の対象となる1以上のゲーム媒体の属性に基づいて、自動交代制御部により当該ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦で使用可能な複数のゲーム媒体を含むゲームの制御を実行するコンピュータを、
前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代制御を実行する自動交代制御部と、
前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性に基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定部と、
して機能させるプログラム。
【請求項2】
前記交代判定部は、前記自動交代制御の対象となる前記ゲーム媒体の前記属性であって、当該ゲーム媒体に対して前記ゲーム内で与えられている役割に関するパラメータに基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記自動交代制御によって1以上の前記ゲーム媒体と交代する前記他のゲーム媒体を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第1の設定部
としてさらに前記コンピュータを機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記自動交代条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第2の設定部
としてさらに前記コンピュータを機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記複数のゲーム媒体の少なくとも1のゲーム媒体に対して、前記他のゲーム媒体に自動的に交代させることを禁止する又は許可する前記属性を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第3の設定部
としてさらに前記コンピュータを機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記交代判定部が自動的に交代させないと判定する前記属性の条件又は自動的に交代させると判定する前記属性の条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第4の設定部
としてさらに前記コンピュータを機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ゲーム中にユーザにより所定の操作が行われた場合であって、当該所定の操作を確定することにより前記自動交代条件を満たす場合、当該所定の操作を確定する前に、前記自動交代制御が発生するか否かを報知する事前報知部
としてさらに前記コンピュータを機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記複数のゲーム媒体のそれぞれは、前記ゲーム中に他のゲーム媒体と所定回数の交代が行われた場合に、前記ゲーム中に再度使用することができなくなるものである
請求項1ないし7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
対戦で使用可能な複数のゲーム媒体を含むゲームの制御を実行するゲーム制御装置であって、
前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代制御を実行する自動交代制御部と、
前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性に基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定部と、
を含むゲーム制御装置。
【請求項10】
サーバと、当該サーバと通信可能な端末装置とを含み、対戦で使用可能な複数のゲーム媒体を含むゲームの制御を実行するゲームシステムであって、
前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代制御を実行する自動交代制御部と、
前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性に基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定部と、
を含むゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプログラム、ゲーム制御装置及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対戦に使用するキャラクタ等のゲーム媒体を、ゲーム中に必要に応じて交代させることができるゲームがある。例えば、ユーザが代打や継投(投手交代)の操作を行うことにより、試合中に選手キャラクタを控えの選手キャラクタと交代させることができる野球ゲームがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームでは、代打や継投のような選手キャラクタの交代については、ユーザ自らが手動で行う必要があるため、当該交代の操作に手間がかかり、対戦時間が長くなる傾向にある。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、ゲーム媒体を交代する手間を減らして対戦時間の短縮化を図ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるプログラムは、対戦で使用可能な複数のゲーム媒体を含むゲームの制御を実行するコンピュータを、前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代制御を実行する自動交代制御部と、前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性に基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定部と、して機能させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
【
図2】キャラクタの野手能力を表示する画面の一例を示す図である。
【
図3】キャラクタの守備能力を表示する画面の一例を示す図である。
【
図4】キャラクタの投手能力を表示する画面の一例を示す図である。
【
図5】マイチームの野手起用法を設定するための画面の一例を示す図である。
【
図6】マイチームの投手起用法を設定するための画面の一例を示す図である。
【
図10】ゲームシステムの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
【
図12】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】マイチームの野手起用法を設定するための画面の他の一例を示す図である。
【
図14】自動交代条件を設定するための画面の一例を示す図である。
【
図15】ゲームシステムの機能的な構成の他の一例を示す概略の機能ブロック図である。
【
図16】自動継投が実行されない属性の条件を設定するための画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0009】
[1.ゲームシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末10-n(nは正の整数。10-1、10-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末10-nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム端末10」と記載して説明する。
【0010】
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0011】
ユーザが操作するゲーム端末10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム端末10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
【0012】
サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースDBに記憶して管理する。データベースDBはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
【0013】
ゲームシステム1では、コンピュータ対戦(またはCPU対戦とも称される)や通信対戦が可能である。通信対戦では、例えば、ゲーム端末10-1を操作するユーザAと、ゲーム端末10-2を操作するユーザBとが、ネットワークNを介して対戦ゲームを行うことができる。この通信対戦の場合、例えば、サーバ30によってマッチングされたゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間のデータのやり取りを、サーバ30を経由して通信対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦が行われてもよい。
【0014】
ゲーム端末10-nとサーバ30との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
【0015】
一方、P2P等で接続されるゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側のゲーム端末に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
【0016】
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム端末10-nでは、複数台のゲーム端末10-n間で、直接通信を行って対戦ゲーム等を実行することもできる。
【0017】
(ゲーム端末のハード構成)
ゲーム端末10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、補助記憶装置14、通信部15、操作部16、表示部17、および音声出力部18を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路、画像処理部、またはサウンド処理部等が介在しているが、ここでは図示を省略している。
【0018】
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム端末10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム端末10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0019】
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0020】
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム端末10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0021】
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム端末10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
【0022】
表示部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて駆動され、ゲーム画面等を表示する。表示部17には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部17を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部17をタッチパネルとして構成した場合、ゲーム端末10は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部17の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。表示部17は、ゲーム端末10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム端末10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。このように、表示部17が外部接続されるテレビジョンモニタ等の場合、当該表示部17はゲーム端末10の構成には含まれない。
音声出力部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成してスピーカーより音声等を出力する。
【0023】
また、ゲーム端末10は、記録媒体ドライブを具備していてもよい。記録媒体ドライブとしては、例えば、DVD-ROMドライブ、CD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体としては、DVD-ROM、CD-ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。記録媒体ドライブは、記録媒体から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダを介してRAM13等に供給する。
【0024】
(サーバのハード構成)
サーバ30は、主に、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶装置34、および通信部35を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0025】
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM33は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0026】
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム端末10-nとの間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。また、例えば、サーバ30は、ユーザがプレイしたゲーム動画を、観戦者に配信する動画配信サーバとの間の通信を制御する。なお、サーバ30に動画配信機能を持たせることもできる。
【0027】
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0028】
プログラムやデータは、ネットワークNを介して遠隔地からゲーム端末10又はサーバ30に供給されて、RAM13、補助記憶装置14、RAM33又は補助記憶装置34に記憶される。なお、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラムやデータを読み取るための構成要素(例えば光ディスクドライブ又はメモリーカードスロット等)がゲーム端末10又はサーバ30に備えられてもよい。そして、プログラムやデータが、前記情報記憶媒体を介してゲーム端末10又はサーバ30に供給されてもよい。
【0029】
なお、以下では、ゲーム端末10がタッチパネルを備えたスマートフォン又はタブレット型コンピュータである場合を想定する。画面へのタッチ、スライド、タッチオフ等の各種操作は、指やペン等の指示体によって行われるが、以下の説明では、指を用いた操作として説明する。
【0030】
[2.ゲームの一例の概要]
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲームシステム1では、各種ゲームを実行できる。例えば、スポーツゲーム(野球、サッカー、テニス、アメリカンフットボール等を題材としたゲーム)、レースゲーム、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、デジタルカードゲーム等、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを実行できる。なお、ゲームは、ゲーム端末10がサーバ30又は他のゲーム端末10との間でデータ通信を行うことによって実行されてもよいし、ゲーム端末10単体で実行されてもよい。以下では、ゲームシステム1で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
【0031】
本実施形態の野球ゲームには、育成モード、チーム育成モード、抽選入手モード、強化モード、CPU対戦モード、リアルタイム対戦モード等の様々なゲームモードが搭載されている。
【0032】
育成モードは、ユーザが育成対象キャラクタを育成して、自分だけのオリジナルのゲームキャラクタを作成するキャラクタ育成モードである。本実施形態では、育成モードにおいて、投手または野手(捕手も含む)のキャラクタを育成することができる。以下、ユーザが育成モードで作成したゲームキャラクタを「育成選手」と称する。育成選手は、チーム育成モード、CPU対戦モード、リアルタイム対戦モード等の他のゲームモードで使用できる。チーム育成モードは、複数の選手キャラクタから構成されるチームの育成等を行うゲームモードである。チーム育成モード内では、様々な練習、試合等が実行される。
【0033】
抽選入手モードは、育成モードで育成対象キャラクタを育成するときに補助のオブジェクトとして利用できる、「イベントキャラクタ」を抽選により入手可能なゲームモードである。この抽選入手モードでは、例えば、ゲーム内の全てのイベントキャラクタの中からユーザに付与するイベントキャラクタの抽選(いわゆるガチャ)が行われる。ユーザが抽選入手モードを実行するためには、例えば、所定量のゲーム内ポイント、課金アイテム等を必要としてもよい。
強化モードは、抽選入手モード等で入手したイベントキャラクタ同士を合成などすることでイベントキャラクタのレベルを向上させて強化できるモードである。
【0034】
CPU対戦モードは、コンピュータ対戦モードとも称される。例えば、CPU対戦モードに「スタジアム」等の名称を付けてもよい。このCPU対戦モードでは、ユーザが育成モードで育成した育成選手で編成した自チームの選手キャラクタの打撃操作、走塁操作、投球操作または守備操作等を行い、CPUが自動制御する対戦相手のチームと対戦する。例えば、CPUが自動制御する対戦相手チームは、他のユーザが育成モードで育成した育成選手で編成したチームである。
【0035】
リアルタイム対戦モードは、ネットワークNを介して、ユーザが遠隔地の他のユーザとオンラインで通信対戦できるモードである。ユーザは、育成選手、イベントキャラクタまたはゲーム運営側が指定した固定のキャラクタの何れかにより編成されるチーム(またはそれらの混成チーム)を用いて、他のユーザのチームと対戦する。このリアルタイム対戦では、例えば、ユーザのチームと、対戦相手のチーム(ネットワークN上の他のユーザの野球チーム)との試合が、それぞれのゲーム端末10における操作に基づいて、通信対戦で進行する。例えば、ユーザが攻撃側で、対戦相手のユーザが守備側であれば、対戦相手のユーザの操作(投球操作、守備操作)に応じて選手キャラクタが投球又は守備を行い、ユーザの操作(打撃操作、走塁操作)に応じて選手キャラクタが打撃又は走塁を行う。このようなアクションゲームでは、選手キャラクタに対する各ユーザの操作に基づいて、ゲーム内の試合の状況が更新されていく。このリアルタイム対戦は、eスポーツ(electronic sports)でも利用される対戦方式である。
【0036】
本実施の形態では、上記のCPU対戦モード、リアルタイム対戦モード、またはチーム育成モード内でそれぞれ実行される試合中に、基本の自動交代条件を満たした場合に、試合に出場している選手キャラクタ(ゲーム媒体の一例)を他のキャラクタに自動的に交代させる自動交代制御が、プロセッサ(CPU11又はCPU31)によって実行される場合がある。そして、この自動交代制御により選手キャラクタを交代させるか否かは、選手キャラクタの属性に基づいて判定される。具体例としては、ユーザが投手キャラクタの打席で代打を立てた場合に、次の回に自動継投(代打に立った選手キャラクタを他の投手キャラクタに自動的に交代)するか否かを、代打に立った選手キャラクタの属性に基づいて制御する。例えば、代打に立った選手キャラクタが所定の投手能力を持つ場合は自動継投を行わずに当該選手キャラクタが投手として登板する一方、所定の投手能力を持たない場合は、事前の選手登録情報に基づいて自動継投するように制御する。これにより、ユーザが投手キャラクタの打席で代打を立てた場合に、次の回での継投が半自動化される。
この例のように、試合に使用する1以上の選手キャラクタを交代させるか否かを、選手キャラクタの属性に応じて制御することにより、必要に応じてユーザによる選手交代操作の手間を減らして試合時間を短縮できる一方で、ユーザの意図しない自動交代を回避することも可能となる。以下、これについて詳細に説明する。
【0037】
(キャラクタの属性)
以下では、選手キャラクタ、投手キャラクタ、野手キャラクタ、打者キャラクタ、走者キャラクタを、単に「選手」、「投手」、「野手」、「打者」、「走者」と称することがある。
本実施の形態のゲームで選手として試合に用いることができる全てのキャラクタ(前述の育成選手、イベントキャラクタ等)には、野手能力、守備能力、および投手能力等の属性が設定されている。以下に、キャラクタの属性の一例について説明する。
【0038】
図2には、キャラクタの野手能力を表示する画面G30の一例を示す。表示領域A31~A34には、それぞれキャラクタの「画像」、「名前」、「背番号」および「打撃フォーム、利き腕」が表示される。表示領域A35には、キャラクタのポジション適性情報が表示される。ポジション適性情報には、少なくともメインポジションの情報を含む。また、キャラクタによっては、メインポジション以外にも守ることができるサブポジションが設定されている場合がある。サブポジションが設定されている場合、表示領域A35の左端にメインポジションを示す情報が表示され、その右側にやや小さくサブポジションを示す情報が表示される。
図2に例示するキャラクタの場合、メインポジションが「三塁手」であり、サブポジションは「外野手」である。
【0039】
なお、サブポジションなし(メインポジションのみ)のキャラクタや、サブポジションが2つ以上設定されているキャラクタもいる。また、メインポジションが「投手(先発、中継ぎ、抑えの何れか)」であり、サブポジションが野手のポジション(捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手または外野手)であるキャラクタも存在する。また、メインポジションが野手のポジションであり、サブポジションが「投手(先発、中継ぎ、抑えの何れか)」であるキャラクタが存在してもよい。
【0040】
画面G30の表示領域A36には、野手としての基本能力である弾道、ミート、パワー、走力、肩力、守備力、捕球の各能力パラメータが表示される。「弾道」は、評価ランク1~4の数値で表され、数値が高いほど打撃での打球の軌道が高くなり、本塁打が出やすくなる。弾道以外の各能力パラメータは、S、A、B、C、D、E、F、Gの8段階の評価ランクでも表示され、能力値が90以上の場合はS、80~89の場合はA、70~79の場合はB、60~69の場合はC、50~59の場合はD、40~49の場合はE、20~39の場合はF、19以下の場合はGとなる。「ミート」の能力が高いほどバットをボールに当てやすく、ヒットが出やすくなる。また、「パワー」の能力が高いほど打撃で長打が出やすくなる。また、「走力」の能力が高いほど走塁が速くなり、内野安打が出やすくなる。また、「肩力」の能力が高いほど守備でボールを速く送球することができる。また、
図2の「守備力」は、キャラクタのメインポジションの守備力を示しており、守備力が高いほど守備範囲が広くなる。また、「捕球」の能力が高いほど守備で上手に捕球しやすく、エラーが発生しにくくなる。
また、画面G30の表示領域A37には、キャラクタが保持する野手に関する特殊能力の一覧が表示される。
図2に示す例では、キャラクタは、「パワーヒッター」、「代打」、「インコース」の3種類の特殊能力を保持している。
【0041】
画面G30のボタンB38をタップすると、キャラクタの守備能力を確認できる。
図3には、キャラクタの守備能力を表示する画面G40の一例を示す。なお、
図3の画面G40において、
図2の画面G30と同じパーツには同じ部材番号を付し、その説明を省略する(以降も同様)。
画面G40の表示領域A41には、メインポジション及びサブポジションの「守備力」の能力パラメータが表示される。なお、サブポジションが設定されていないキャラクタの場合は、メインポジションの守備力のみが表示されることになる。また、画面G40の表示領域A42には、キャラクタが保持するその他の特殊能力の一覧が表示される。
図3に示す例では、キャラクタは、「積極守備」という特殊能力を保持している。なお、画面G40には、
図2の画面G30にも表示されていた「肩力」や「捕球」等の情報も表示される。
【0042】
画面G40のボタンB43をタップすると、キャラクタの投手能力を確認できる。
図4には、キャラクタの投手能力を表示する画面G50の一例を示す。表示領域A51には、キャラクタの「投球フォーム」等が表示される。表示領域A52~A54には、投手としての基本能力である「球速」、「コントロール」及び「スタミナ」の各能力パラメータが表示される。「球速」は、ストレート(直球)を投げた場合の最高球速である。また、「コントロール」の能力が高いほど失投が発生しにくく、狙ったコースへ投球しやすくなる。また、「スタミナ」の能力が高いほど疲れにくくなり、例えば試合後半で能力が下がりにくくなる。
【0043】
表示領域A55には、キャラクタが投球可能な球種(いわゆる持ち球)の情報が表示される。本実施の形態では、選手として試合に用いることができる全てのキャラクタは、少なくともストレートの球種を投球できる。メインポジションが投手ではなく「野手のポジション」のキャラクタの場合、ストレートのみ投球できるキャラクタが多いが、ストレート以外の球種も投球できるキャラクタも存在する。
図4では、メインポジション「三塁手」のキャラクタが、「ストレート」だけでなく、変化球「カーブ」および「フォーク」も投球できる例を示している。
【0044】
なお、表示領域A55に表示されている5本の矢印は、打者側から投手に向かって見た右腕投手の変化球の軌道変化の方向を示している。また、前記5本の矢印は、変化球の変化量を示すゲージとしての機能も有する。ここで、変化球の変化量とは、キャラクタの能力パラメータの一つであり、変化球の曲がりの大きさを示すものである。例えば、変化量は、「1」~「7」の7段階で示され、「1」が最も変化量が小さく、「7」が最も変化量が大きい。
図4に示す例では、キャラクタは、「カーブ」の変化量「3」、「フォーク」の変化量「4」の能力を有することを示している。
【0045】
また、表示領域A56には、キャラクタが保持する投手に関する特殊能力の一覧が表示される。
図4に示す例では、キャラクタは、「重い球」の特殊能力を保持しており、球質の重いボールを投げることができる。
【0046】
キャラクタの投手能力を表示する画面G50の表示領域A35において、メイン野手のキャラクタの場合は、野手のポジション情報が表示される。一方、メイン投手のキャラクタの場合は、画面G50の表示領域A35に、投手としてのポジション適性情報として、「先発」、「中継ぎ」、「抑え」の少なくとも一つのポジション適性情報が表示される。
【0047】
画面G50のボタンB57をタップすると、
図2の画面G30に遷移し、キャラクタの野手能力を確認できる。なお、各キャラクタには、上述の野手能力、守備能力、および投手能力以外の属性が関連付けられていてもよい。例えば、各キャラクタには、拡張能力(例えば、格、集客力、調整力等)の属性が関連付けられていてもよい。
【0048】
(ユーザによるチーム編成)
ユーザは、自らが所有している任意のキャラクタ(育成選手又はイベントキャラクタ)を自分の野球チーム(以下「マイチーム」と称する)の選手としてオーダーに組み込んでチーム編成し、対戦相手(他のユーザまたはコンピュータ)と対戦できる。マイチームは、例えば25名の選手(野手スターティングメンバ8名、野手控え8名、先発投手3名、中継ぎ投手5名、抑え投手1名)で構成される。
【0049】
図5は、試合開始前にユーザがマイチームの野手起用法を設定するための画面G10の一例である。画面G10の領域A11には、ユーザが設定しているマイチームの現在の野手オーダー(野手起用法の設定内容)が表示される。マイチームのオーダーに含まれる選手は、スターティングオーダーの選手(すなわちスターティングメンバ9名)と、控えの選手とに分けて表示される。ユーザは、スターティングメンバの各選手の打順および守備位置を設定できる。例えば、ユーザがマイチーム内で選手を入れ替える場合、ある選手の選手名が記載されている選手プレートP12を他の選手の選手プレートP12にドラッグすることにより可能である。また、現在のマイチームのオーダーに含まれていない育成選手等とマイチームの選手とを入れ替える場合、選手プレートP12をパーツP13へドラッグすると、入れ替え可能な育成選手等の一覧が表示される。ボタンB14は、おまかせボタンであり、ユーザがボタンB14をタップすると、ゲームシステム1がユーザのマイチームの最適な野手オーダーを自動で編成する。例えば、その時点でユーザのユーザIDに関連付けられている全ての育成選手の中から、ポジション適性および能力パラメータに基づいて最適と判断される育成選手等が自動的に選出される。例えば、ユーザは自動で編成された内容を確認し、必要に応じて手動で野手起用法の設定を変更する。
【0050】
なお、野手オーダー(野手スターティングメンバ8名、野手控え8名)に登録することができるキャラクタは、少なくともメインポジションが野手のキャラクタである。
なお、以下ではメインポジションが野手(又は投手)のことを「メイン野手(又は投手)」、サブポジションが野手(又は投手)のことを「サブ野手(又は投手)」と称する場合がある。
すなわち、野手オーダーに登録できるのは、メイン野手(サブなし)、メイン野手サブ野手、またはメイン野手サブ投手のキャラクタである。本実施の形態では、メイン投手(サブなし)、およびメイン投手サブ野手のキャラクタは野手オーダーには登録できない。
なお、バリエーションとしては、例えばメイン投手サブ野手のキャラクタを野手オーダーに登録できるようにしてもよい。
【0051】
画面G10のボタンB15は、ユーザが画面G10で設定した内容を設定前の状態(画面G10を開いた当初の状態)にリセットするためのボタンである。ボタンB16は、野手起用法を設定するための画面に切り替えるためのボタンである。
【0052】
図6は、試合開始前にユーザがマイチームの投手起用法を設定するための画面G20の一例である。画面G20の領域A21には、ユーザが設定しているマイチームの現在の投手起用法の設定内容が表示される。ユーザは、先発投手3名とその登板順、中継ぎ投手5名とその登板順、および抑え投手1名を設定できる。ここで、中継ぎ投手の登板順は、自動継投が行われる場合の登板順(登板の優先順位)である。例えば、ユーザが中継ぎとして設定している各投手の登板順を変更する場合、ある選手の選手プレートP12を他の選手の選手プレートP12にドラッグすることにより可能である。また、現在の投手起用法に含まれていない育成選手等とマイチームの選手とを入れ替える場合、当該選手の選手プレートP12をパーツP13へドラッグすると、入れ替え可能な育成選手等の一覧が表示される。また、ユーザがボタンB14をタップすると、ゲームシステム1がユーザのマイチームの最適な投手起用法を自動で設定する。例えば、その時点でユーザのユーザIDに関連付けられている全ての育成選手の中から、投手能力のパラメータに基づいて、先発、中継ぎ、および抑えの各ポジションに適する育成選手等が自動的に選出される。例えば、ユーザは自動で設定された投手起用法の内容を確認し、必要に応じて手動でその設定を変更する。ボタンB22は、野手起用法を設定するための画面に切り替えるためのボタンである。
【0053】
なお、投手オーダー(先発投手3名、中継ぎ投手5名、抑え投手1名)に登録することができるキャラクタは、少なくともメインポジションが投手のキャラクタである。すなわち、投手オーダーに登録できるのは、メイン投手(サブなし)、またはメイン投手サブ野手のキャラクタである。本実施の形態では、メイン野手(サブなし)、メイン野手サブ野手、およびメイン野手サブ投手のキャラクタは投手オーダーには登録できない。
なお、バリエーションとしては、例えばメイン野手サブ投手のキャラクタを投手オーダーに登録できるようにしてもよい。
【0054】
図5の画面G10および
図6の画面G20の領域A17には、マイチームのチームランクおよびチーム総合力が表示される。例えば、チームランクおよびチーム総合力は、マイチームに含まれる全ての選手の能力パラメータに基づいて算出される。なお、選手のメインポジション又はサブポジションとは異なるポジションに設定した場合は、ポジション不適正のペナルティが発生する。例えば、メインポジション「一塁手」の選手を、一塁手以外の守備位置に配置すると、ポジション不適正のペナルティで、ポジション不適正がない場合よりも、当該選手の能力が低下する。これにより、チーム総合力も、ポジション不適正がない場合よりも減少する。ユーザは、チームを構成する各選手のポジション適性を考慮してチーム設定を行うことを要求される。
【0055】
また、画面G10または画面G20の戻るボタンB18をタップすると、マイチームの野手起用法または投手起用法の設定が保存され、図示しないトップ画面に遷移する。そして、ユーザは、トップ画面において、CPU対戦モードまたはリアルタイム対戦モード等を選択し、ユーザが設定したマイチームを用いた試合を開始することができる。
【0056】
(試合中の選手交代)
図7は、攻撃時操作画面G60の一例を示す。
図7に示すように、ユーザのチームの攻撃の場面(打者キャラクタBTが打席に立っている場面)では、ホームベースHBよりも捕手側の位置に配置された仮想カメラで撮像した画像が表示される。よって、攻撃時操作画面G60には、ホームベースHBの後方から投手キャラクタPCを見た所定のアングルの画像が表示される。
【0057】
攻撃時操作画面G60には、ユーザのマイチームの打者キャラクタBT、走者キャラクタRCのうち画角に入っているキャラクタ、相手チームの投手キャラクタPC、守備についている野手キャラクタDCのうち画角に入っているキャラクタ等が表示される。また、攻撃時操作画面G60には、ストライクゾーンの枠SZ、ミートカーソルMC、投手情報表示領域A61、ゲーム進行情報表示領域A62、走者操作領域A63、タイムボタンB64、バントボタンB65、強振ボタンB66等が表示される。
【0058】
投手情報表示領域A61には、投手キャラクタPCの名前、能力パラメータ(球速、コントロール、スタミナ)等が表示される。ゲーム進行情報表示領域A62には、現在のイニング、得点、ボールカウント、アウトカウント、走者の出塁状況等の情報が表示される。ミートカーソルMCは、打者キャラクタBTがバットでボールをミートする位置を示す。バントボタンB65又は強振ボタンB66は打撃モードの切り替えボタンであり、ユーザは打者キャラクタBTにバントをさせたりバットを強振させたりできる。攻撃時において、打者キャラクタBTを操作するユーザは、ミートカーソルMCを移動させる等の既知の打撃操作を行う。また、走者操作領域A63に表示される盗塁ボタンSB等を操作することにより、走者キャラクタRCに盗塁を指示できる。
【0059】
本実施の形態のゲームでも通常の野球のルールが適用されるため、試合に出場している9名のスターティングメンバの選手と控えの選手とを、試合開始後にユーザが交代させることができる。また、試合途中でスターティングメンバの選手に代わって試合に出場した選手を、さらに他の控えの選手と交代させることができる。攻撃時には、代打または代走による選手交代が可能である。また、守備時には投手の交代(継投)または野手の交代が可能である。一度試合に出場した選手が選手交代によりベンチに下がった場合は、再度試合に出場することはできない。
【0060】
例えば、ユーザは、攻撃時操作画面G60のタイムボタンB64をタップすることにより、現在打席に立っている打者の交代(代打)、及び/又は現在出塁している走者の交代(代走)の操作が可能である。タイムボタンB64をタップすると、「打者交代」、「走者交代」等の選択メニューを含むタイムメニューが表示される。このタイムメニューからユーザが「打者交代」を選択すると、打者交代操作画面に遷移する。
【0061】
図8は、打者交代操作画面G70の一例を示す。打者交代操作画面G70には、現在打席に立っている打者と交代可能なマイチームの控え選手の一覧リストL71が表示される。すなわち、控え選手の一覧リストL71には、
図5に例示する画面G10においてユーザが予め設定した野手オーダーの控え選手8名のうち、まだ試合に出場していない控え選手が表示される。前述のように、野手オーダーに登録できるのは少なくともメイン野手のキャラクタであるため、メイン投手(サブなし)、またはメイン投手サブ野手のキャラクタは、代打選手を選択するための一覧リストL71に表示されることはない。
【0062】
また、打者交代操作画面G70には、現在打席に立っている打者の能力データを表示する表示領域A72、および相手投手の能力データを表示する表示領域A73等も表示される。また、ユーザが控え選手の一覧リストL71から任意の控え選手を選択し、選手データボタンB74をタップすると、
図4~
図6に例示した画面に遷移し、当該控え選手の詳細な能力を確認できる。ユーザが控え選手の一覧リストL71から任意の控え選手を選択し、選手交代ボタンB75をタップすると、
図9に例示する最終確認画面G80に遷移する。この最終確認画面G80には、現在の打者の能力データの表示領域A81と、ユーザが選択した代打の控え選手の能力データの表示領域A82とが表示される。ユーザは選手交代の内容を最終確認し、交代するボタンB83またはキャンセルボタンB84をタップする。ここで、ユーザが交代するボタンB83をタップすることにより選手交代が確定する。
【0063】
また、タイムメニューからユーザが「走者交代」を選択すると、走者を選択するための画面が表示される。ここで、ユーザが交代させたい走者を選択すると、当該走者と交代可能なマイチームの控え選手の一覧が表示され、任意の控え選手を代走に送ることができる。
【0064】
なお、タイムメニューには、選手交代以外のメニューとして、「選手データ」、「試合設定」等の選択メニューを含めることもできる。例えば「選手データ」を選択すると、マイチームまたは相手チームの選手能力を確認できる。また、「試合設定」を選択すると、例えばミートカーソルの移動速度を変更する等の設定ができる。
選手交代等のために試合中に
図7に示すタイムボタンB64を操作することは、試合の進行を一時的に中断させることにつながるため、例えばイニング毎に所定回数まで、または一試合につき所定回数まで等の上限を設けることができる。本実施の形態では、タイムボタンB64の操作はイニング毎に5回までという上限が設定されている。選手交代はタイムメニューの中にあるため、ユーザは選手交代のタイミングや回数をよく考えて戦略を立てる必要がある。
【0065】
守備中においても、ユーザは選手交代の操作が可能である。例えば、ユーザは、図示しない守備時操作画面のタイムボタンをタップすることにより、現在の投手ポジションの選手の交代(継投)、及び/又は現在守備についている野手の交代の操作が可能である。例えば、ユーザがタイムボタンをタップすると、「投手交代」、「野手交代」、「選手データ」、「試合設定」等の選択メニューを含むタイムメニューが表示される。このタイムメニューからユーザが「投手交代」を選択すると、現在の投手ポジションの選手と交代可能なマイチームの控え投手の一覧が表示され、任意の控え投手をマウンドに送る手動の継投ができる。また、タイムメニューからユーザが「野手交代」を選択すると、交代させたい守備ポジションの野手を選択するための画面が表示される。ここで、ユーザが交代させたい野手を選択すると、当該野手と交代可能なマイチームの控え選手の一覧が表示され、任意の控え選手を対象の守備ポジションにつかせることができる。
【0066】
(野手のポジションの再配置)
ユーザによる選手交代操作により、ある守備ポジションに適性がない選手が代打等で当該守備ポジションにつくことになっている場合がある。そこで、ユーザが手動で選手交代を行った場合、次の攻守交代で守備になった際に、野手のポジションの再配置(選手の守備位置の入れ替え)が、ゲームシステム1により自動的に実行される。ここで、選手交代とは、攻撃側が代打を立てる、攻撃側が代走を送る、守備側が投手交代をする、守備側が守備交代をすることを含む。例えば、選手交代後、次の攻守交代で守備になったタイミングで、試合に出場している全野手(8名)それぞれに関連付けられているポジションに関する情報(ポジション適性、守備力等)の情報に基づいて、AI(Artificial Intelligence)による自動判定により野手のポジションの再配置が実行される。ここで、ポジション適性には、メインポジションだけでなくサブポジションの適性を含めることができる。これにより、選手交代により守備ポジションの乱れが生じても、次の守備時にはユーザの操作なしに自動的にポジションの最適化が図られるので、ユーザの操作の手間を省くことができる。
【0067】
前述の自動的に行われる野手のポジションの再配置は、あくまで試合に出場している野手のみを対象とした守備位置の入れ替えであり、ポジションの最適化のために控え選手と自動交代する制御までは実行されない。
【0068】
なお、手動での選手交代が発生した場合、次の攻守交代で守備になるまでは、自動でのポジションの再配置は実行されない。攻守交代により、守備に切り替わった際にのみ自動でポジションの再配置を行う理由は、次の守備までに手動の選手交代が複数回発生する場合があり、選手交代の度にポジションの再配置を実行すると無駄な処理が発生する可能性があるからである。
【0069】
(自動継投)
ユーザのチームの攻撃中に、ユーザが投手(投手ポジションの選手)の打席で代打を立てた場合、攻守交代時に(すなわち次の守備イニングで)、代打に立った選手が他の控え投手へ自動的に交代する「自動継投」が行われる場合と行われない場合がある。
代打に立った選手に「所定の投手能力がない」場合、投手への代打後の攻守交代時に、ユーザが事前に登録している投手オーダーの設定情報に基づいて、「自動継投」が行われる。一方、代打に立った選手に「所定の投手能力がある」場合、投手への代打後の攻守交代時に、「自動継投」が行われない。本実施の形態では、選手に所定の投手能力があるか否かは、当該選手がストレート以外の球種を投球できるか否かで判断される。
【0070】
自動継投が行われる場合、
図6の画面G20においてユーザが予め設定した中継ぎ投手の登板順に従って、投手の代打の選手と交代する中継ぎ投手が自動的に選択される。なお、自動継投が行われる守備イニングが最終回の場合であって、ユーザのチームが勝ち越している場合には、
図6の画面G20においてユーザが予め設定した抑え投手が、投手の代打の選手と交代する投手として自動的に選択されるようにしてもよい。
【0071】
前述のように、代打に立つことができる選手は、少なくともメイン野手の選手であり、投球できる球種はストレートだけの選手が多い。よって、投手の打席で代打に立った選手の多くは「所定の投手能力がない」と判断され、攻守交代時に自動継投が行われる場合が比較的多い。
【0072】
ところで、バリエーションとしては、ユーザが投手の打席で代打を立てた場合に、常に自動継投を行うようにしてもよい。但し、野球ゲームには、選手交代ができる人数(または回数)の上限があったり、選手交代により一度ベンチに下がった選手は、その試合では再度使用することができなかったりする等の選手交代に関する制限がある。このため、ユーザは無駄な選手交代を避ける傾向にある。投手の打席で代打を立てた場合に常に自動継投を行うことによりユーザの意図に反する交代が行われてしまうと、ユーザの意図する試合運びができなくなる可能性もある。そこで、本実施の形態では、投手の打席で代打を立てるという、基本的な自動継投の条件(代打に立った選手の属性以外の条件)を満たした場合であっても、代打に立った選手に「所定の投手能力がある」場合には、代打後の攻守交代時に自動継投を行わないようにしている。
【0073】
本実施の形態では、投手の打席で代打に立った選手がストレート以外の球種を投球できる場合には、代打後の攻守交代時に自動継投が行われず、そのまま代打に立った選手が投手として登板する。例えば
図2~
図4に示すキャラクタの場合、メイン三塁手サブ外野手のキャラクタであるが、ストレート以外にカーブおよびフォークの球種を投球できる能力を有する。このキャラクタが投手の代打に立った場合、攻守交代時にそのまま投手として登板する。
【0074】
上記のように自動継投が行われなかった場合、ユーザは、投手の代打に立ったメイン野手の選手を、そのまま投手として試合で使用してもよいし、手動で控えの投手と交代させてもよい。
【0075】
なお、例えば
図8の表示領域A73のように、試合中に現在登板中の投手の能力データが表示される場合、ポジション適性情報の表示領域A76には、投手としてのポジション適性情報として、「先発(「先」と表示される)」、「中継ぎ(「中」と表示される)」、「抑え(「抑」と表示される)」が表示される。メイン野手の選手が登板している場合であって、当該選手に投手適性が設定されていない場合には、表示領域A76には、投手としてのポジション適性がないことを示すために「なし」と表示される。一方、メイン野手の選手が登板している場合であっても、当該選手に投手適性が設定されている場合は(例えばメイン野手サブ投手の場合等)、表示領域A76には投手としてのポジション適性が表示される。
【0076】
(選手交代操作確定前の報知)
前述のように、試合中にユーザが選手交代の操作をした場合に、
図9に例示する最終確認画面G80が表示され、ここで交代するボタンB83をタップすることにより選手交代の操作が確定する。最終確認画面G80には、報知領域A85が設けられており、選手交代の操作が投手の打席で代打を立てる操作であった場合、報知領域A85には、自動継投が発生するか否かをユーザに報知する情報が表示される。
投手の代打に立つメイン野手の控え選手が所定の投手能力を持っていない場合、
図9に示すように、報知領域A85には、例えば「攻守交代時に自動継投が発生します。」という注意文が表示される。なお、ユーザが選手交代の操作をしているイニングが最終回裏の場合は、前記注意文は表示されない。
一方、投手の代打に立つメイン野手の控え選手が所定の投手能力を持っている場合、報知領域A85には、例えば「攻守交代時に自動継投が発生しません。」という注意文が表示される。
【0077】
すなわち、試合中にユーザにより選手交代の操作が行われた場合であって、当該操作を確定することにより、投手の打席で代打を立てるという「基本的な自動継投の条件」を満たす場合、当該操作を確定する前に、自動継投が発生するか否かが最終確認画面G80でユーザに報知される。
【0078】
[3.ゲームシステムの機能的構成]
図10は、ゲームシステム1の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図10に示すように、ゲームシステム1はデータ記憶部100を含む。例えば、データ記憶部100は、データベースDB、ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33、及び補助記憶装置34の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
【0079】
例えば、データ記憶部100に記憶されているゲームを実行するための各種データは、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されており、ゲーム端末10がサーバ30にアクセスした場合に、必要なデータがゲーム端末10のRAM13又は補助記憶装置14にダウンロードされるようにすることができる。また、ゲーム端末10で実行されたゲームの結果やデータの変更についての情報は、リアルタイムで又は所定のタイミングでゲーム端末10からサーバ30へ送信され、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されているデータが適宜更新されるようにすることができる。また、例えば、ゲームの少なくとも一部を、各ユーザのゲーム端末10において、サーバ30にログインせずにオフラインでもゲームが実行できるように、必要なデータをゲーム端末10の補助記憶装置14等に記憶しておくようにしてもよい。
【0080】
データ記憶部100に記憶されるデータの具体例として、上記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部100は、ユーザ情報テーブルTBL101、自動交代条件データDT102、属性条件データDT103、チームデータDT104、ゲーム進行データDT105等を記憶する。
図10では省略されているが、データ記憶部100には、ゲーム内で用いられる全てのキャラクタの情報を記憶したキャラクタ情報テーブル等も格納されている。
【0081】
ユーザ情報テーブルTBL101には、ゲームシステム1に登録されている全てのユーザに関する情報が記憶されている。例えば、ユーザ情報テーブルTBL101には、各ユーザのユーザIDと関連付けて、ユーザ名、ユーザのゲームレベル、所持しているキャラクタ(育成選手、イベントキャラクタ等)の情報、所持アイテムの情報、所持ポイントの情報、ユーザのユーザIDに関連付けられる他のユーザ(仲間、フレンド等)の情報等が記憶される。
【0082】
自動交代条件データDT102は、自動交代制御が行われるための基本的な条件の情報である。前述の野球ゲームの基本的な自動継投の条件である「投手の打席で代打を立てる」等の情報が自動交代条件データDT102として記憶される。
【0083】
属性条件データDT103は、自動交代制御の対象のゲーム媒体を自動的に交代させないと判定する属性の条件である。自動継投させない属性の条件である「持ち球にストレート以外の球種が含まれる(ストレート以外の球種も投球できる)」等の情報が属性条件データDT103として記憶される。
【0084】
図11は、チームデータDT104の一例を示す。チームデータDT104は、
図5および
図6に例示する野手および投手の起用法を設定する画面でユーザにより予め設定されたチームオーダーの登録情報である。チームデータDT104は、ユーザ毎に(ユーザIDと関連付けて)記憶される。チームデータDT104は、投手(先発投手、中継ぎ投手、抑え投手)、及び野手(スターティングメンバ及び控え)のキャラクタIDおよび各キャラクタの属性の情報を含む。キャラクタIDは、ゲーム内のキャラクタを一意に識別する識別情報である。各キャラクタの属性には、
図2の画面G30、
図3の画面G40、および
図4の画面G50にそれぞれ表示される各種パラメータ(野手能力、守備能力、投手能力等)の情報を含む。また、チームデータDT104は、ユーザの操作に基づいて設定されたチーム内のポジションの情報、打順、および登板順の情報を含む。例えば、中継ぎ1~5は、中継ぎ投手の登板順を表す。また、チームデータDT104には、後述する守備固め、又は自動交代禁止のフラグ等の情報を含めてもよい。
【0085】
ゲーム進行データDT105としては、例えば、各チームの得点、イニング、アウトカウント、ボールカウント、出塁状況、選手交代、ポジション交代等の試合経過の情報が記憶される。また、ゲーム進行データDT105には、自動継投を発生させるための管理情報等も記憶される。
【0086】
図10に示すように、ゲームシステム1は制御部110を含む。制御部110は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31が実行することにより実現される。制御部110の機能の一部をゲーム端末10のCPU11によって実現し、残りの機能をサーバ30のCPU31によって実現してもよい。または、制御部110の機能の全てをサーバ30のCPU31によって実現してもよいし、制御部110の機能の全てをゲーム端末10のCPU11によって実現してもよい。
【0087】
制御部110は、対戦で使用可能な複数のゲーム媒体を含むゲームの制御を実行する。ここで、前記「対戦」とは、ゲームにおいてユーザが対戦相手と優劣、勝敗、順位等を決することである。対戦の結果は必ずしも勝敗が決まらなくてもよく、引き分けになる場合があってもよい。スポーツゲームにおける試合、競馬・車・オートバイ・自転車等のレース、格闘・戦闘ゲームにおけるバトル等が「対戦」の一例に相当する。ここで、ユーザの対戦相手は、他のユーザであってもよいし、コンピュータ(CPU)であってもよい。すなわち、ユーザが他のユーザと対戦する有人対戦の他、コンピュータ対戦(CPU対戦)も「対戦」に含まれる。ユーザの対戦相手は、1人であってもよいし、2人以上であってもよい。1対1の対戦であってもよいし、1対多の対戦であってもよいし、多対多の対戦であってもよい。例えば、2人のユーザがそれぞれ自分の野球チームの複数の選手キャラクタを使用して試合をする野球ゲームが、「対戦」の一例に相当する。また、例えば、3人以上のユーザが、同じゲーム空間内でそれぞれ自分のキャラクタを使用して戦うゲームが、「対戦」の一例に相当する。また、「対戦」は、例えば、有線または無線のネットワークを介して接続された複数のユーザの端末の間で行われるオンライン対戦であってもよい。また、「対戦」は、例えば、一つのゲーム装置に複数のコントローラー等を接続し、同じゲーム装置を複数のユーザがそれぞれ操作して対戦する形式であってもよい。
【0088】
前記「ゲーム媒体」は、ゲーム内においてユーザによって使用され得る対象となるオブジェクトである。例えば、ゲームキャラクタ、ゲームカード(デジタルカード)、又はゲームアイテム等のオブジェクトが「ゲーム媒体」の一例に相当する。例えば、スポーツ選手等の人物、競走馬等の生物、モンスター等の架空の人物や生物、ロボット等の非生物を示すゲームキャラクタやゲームカードが「ゲーム媒体」の一例に相当する。例えば、「ゲーム媒体」は、実在する人物や生物に対応するゲームキャラクタやゲームカードであってもよいし、実在する人物等に対応するものでなくてもよい。また、「ゲーム媒体」は、ユーザの操作対象のオブジェクトであってもよいし、操作対象のオブジェクトでなくてもよい(例えばNPCであってもよい)。
【0089】
図10に示すように、制御部110は、自動交代制御部111及び交代判定部112を含む。
前記自動交代制御部111は、ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、対戦に使用する1以上のゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代制御を実行する機能を有する。ここで、前記「自動的に交代させる」とは、ユーザによる直接的な交代の操作を伴うことなく行われる、ゲーム媒体を他のゲーム媒体に交代させる制御のことである。
【0090】
また、前記「自動交代条件」とは、ゲーム中に、対戦に使用する1以上のゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代制御が行われるための基本的な条件である。「自動交代条件」としては、自動交代制御の対象となるゲーム媒体の属性以外の条件であれば、ゲームの種類・内容に応じて様々な条件を適用できる。例えば、前述の野球ゲームにおいて自動継投(投手を他の投手に自動的に交代させる自動交代制御)を行う場合に、「投手の打席で代打を立てること」が、「自動交代条件」の一例に相当する。また、例えば、後述するように、1以上の守備ポジションの野手を守備固めの他の野手に自動的に交代させる自動交代制御を行う場合に、「最終回の守備時に勝ち越していること」が、「自動交代条件」の一例に相当する。
【0091】
なお、ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させる自動交代のタイミングは、自動交代条件を満たした後すぐであってもよいし、予め定められたタイミングまで待って自動交代するようにしてもよい。すなわち、自動交代条件を満たした後の自動交代のタイミングは、任意に設定可能である。例えば、前述の自動継投の場合、攻撃中にユーザが投手の打席で代打を立てたことにより自動交代条件を満たした後、次の攻守交代で守備になるまで待機してから、他の投手に自動的に交代する自動継投が行われるようにすることができる。
【0092】
なお、「自動交代条件」は自動交代制御が行われるための基本的な条件ではあるが、当該自動交代条件を満たした場合に必ず自動交代制御が実行されるのではなく、自動交代制御の対象となる1以上のゲーム媒体の属性に基づいて、自動交代制御の実行の有無が決まる。この自動交代制御の実行の有無の判定は、前記交代判定部112により行われる。
「自動交代条件」は、デフォルトで設定されている条件(例えば、ゲーム運営側が予め設定している条件)であってもよいし、ユーザの操作に基づいてユーザ自身が設定できる条件であってもよい。
【0093】
前述の野球ゲームの例では、前記自動交代制御部111は、自動交代条件データDT102に基づいて、試合中に「投手の打席で代打を立てる」という基本的な自動継投の条件を満たした場合であって、交代判定部112により自動継投実行の判定が行われた場合に、自動継投を実行する。すなわち、自動継投実行の判定が行われた場合、自動交代制御部111は、投手の代打の選手を、チームデータDT104に記憶されている事前の選手登録情報に従って、控え投手に自動的に交代させる。前記事前の選手登録情報とは、
図6の画面G20におけるユーザの設定操作により、登板順に並べられた中継ぎ投手または抑え投手の情報である。
【0094】
前記交代判定部112は、前記自動交代制御の対象となる1以上のゲーム媒体の属性に基づいて、前記自動交代制御部111により当該ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する機能を有する。
ここで、前記「属性」とは、ゲーム媒体に関連付けられた、ゲーム媒体の特徴または性質等を示す情報である。例えば、ゲーム媒体に設定された能力等のパラメータが「属性」の一例に相当する。「属性」は数値パラメータであってもよいし、数値パラメータでなくてもよい。例えば、ゲーム媒体としてのオブジェクトの能力又は性能の高低を示すパラメータ(例えば、総合力、攻撃力、守備力等の値、ランク、レベル等)が、「属性」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトが有している能力又は性能の情報(例えば、野球選手キャラクタが投球できる球種の情報等)が、「属性」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトに設定された役割に関するパラメータ(例えば、スポーツゲームのポジション、ポジションに対する適性等)が、「属性」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトに設定された使用可能期限や使用可能回数を示すパラメータが、「属性」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトの能力又は性能を向上するために必要なパラメータ(例えば経験値等)が、「属性」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトの状態の良し悪しを示すパラメータ(例えば、調子、疲労度、やる気等)が、「属性」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトの希少性を示す希少度が、「属性」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトの体形や形状の情報(画像、身長、重量、足や手等のパーツの大きさ等)、性別情報等を「属性」に含めてもよい。また、オブジェクトに関連付けられた「自動交代の可否を示す情報(自動交代禁止のフラグ等)」が、「属性」の一例に相当する。
【0095】
前述の野球ゲームの例では、交代判定部112は、自動継投の対象となる「投手の代打の選手」の属性に基づいて、投手の代打の選手に所定の投手能力があるか否かを判断し、自動継投の要否を判定する。具体的には、交代判定部112は、「投手の代打の選手」の属性の一つである「持ち球(投球可能な球種)」に基づいて、自動交代制御部111により当該「投手の代打の選手」を他の控え投手に自動的に交代(自動継投)させるか否かを判定する。例えば、交代判定部112は、投手の代打の選手がストレート以外の球種を投球できない場合は自動継投させると判定する一方、ストレート以外の球種を投球できる場合は自動継投させないと判定する。
【0096】
この構成によれば、投手の打席で代打を立てるという自動継投の基本の条件を満たした場合に、常に自動継投が実行されるのではなく、投手の代打の選手の属性に基づいて、当該選手を他の控え投手に自動的に交代させるか否かを制御できる。これにより、投手の代打の選手に所定の投手能力がないような場合には、選手交代するユーザの手間を減らして試合時間の短縮化を図ることができる一方で、ユーザの意図しない選手交代を回避することも可能である。特に、ユーザ間で行われるリアルタイム対戦においては、操作時間の短縮化が求められるので、本実施の形態の構成は好適である。
【0097】
前記交代判定部112は、前記自動交代制御の対象となるゲーム媒体の属性であって、当該ゲーム媒体に対してゲーム内で与えられている役割に関するパラメータに基づいて、前記自動交代制御部111により当該ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する機能を有する。役割に関するパラメータが複数ある場合には、それらのうちの1つのパラメータを適用してもよいし、2以上のパラメータを組み合わせて適用してもよい。
【0098】
ここで、前記「役割」とは、ゲーム媒体に対してゲーム内で割り当てられる役目である。例えば、野球ゲームやサッカーゲーム等のスポーツゲームの場合、ポジションが「役割」の一例に相当する。また、例えば、戦闘ゲーム等の場合、職業が「役割」の一例に相当する。例えば、野球ゲームの場合、「投手」または「野手」のポジションが、「役割」の一例に相当する。また、例えば、投手のポジションを細分化した、「先発」、「中継ぎ」、「セットアッパー」または「抑え」が、「役割」の一例に相当する。また、例えば、「野手」のポジションを細分化した、「内野手」または「外野手」が、「役割」の一例に相当する。また、例えば、「野手」のポジションをさらに細分化した、「捕手」、「一塁手」、「二塁手」、「三塁手」、「遊撃手」、「中堅手」、「右翼手」、「左翼手」または「指名打者(DH:Designated Hitter)」が、「役割」の一例に相当する。
【0099】
前記「自動交代制御の対象となるゲーム媒体に対してゲーム内で与えられている役割」とは、自動交代制御の対象となるゲーム媒体に対して、現在(当該ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かの判定の時点で)、ゲーム内で与えられているポジション等の役割である。例えば、野球ゲームにおいて、自動交代制御の対象となるゲーム媒体が投手の代打に立った選手である場合、打者としての役割の他、守備時に投手のポジションに付く必要があるので、「打者」または「投手」という役割が「自動交代制御の対象となるゲーム媒体に対してゲーム内で与えられている役割」の一例に相当する。
【0100】
前記「役割に関するパラメータ」には、その役割を達成するために必要な能力パラメータ、その役割の適性を示すパラメータ、その役割を有すること(またはその役割がないこと)を示すパラメータ等を含む。例えば、役割が「投手」の場合、投球可能な球種、ストレート等の球速、変化球の変化量、コントロール能力、投手としての特殊能力、投手適性、メインポジション、サブポジション等のパラメータが、「役割に関するパラメータ」の一例に相当する。また、役割が「野手」の場合、打撃能力、守備能力、走塁能力、守備ポジション毎の適性、メインポジション、サブポジション等のパラメータが、「役割に関するパラメータ」の一例に相当する。
【0101】
前述の野球ゲームの例では、交代判定部112は、自動継投制御の対象となる投手の代打の選手の属性であって、当該選手に対してゲーム内で与えられている「守備時に投手ポジションに付くという役割」に関するパラメータである「投球可能な球種」(又は「ストレート以外の球種を投球できる能力」)に基づいて、自動継投を実行させるか否かを判定する。この構成によれば、投手の代打の選手(自動継投制御の対象)の役割に関するパラメータが所定の基準に満たない(例えば、ストレート以外の球種を投球できない)場合にのみ、自動交代制御部111に自動継投を実行させ、それ以外は自動継投を実行させないようにすることができる。これにより、ユーザの意図しない自動継投を効果的に回避することができる。
【0102】
図10に示すように、制御部110は、第1の設定部113を含んでいてもよい。この第1の設定部113は、前記自動交代制御によって1以上のゲーム媒体と交代する他のゲーム媒体を、ユーザの操作に基づいて予め設定する機能を有する。
ここで、前記「ゲーム媒体と交代する他のゲーム媒体を、ユーザの操作に基づいて予め設定する」に関し、例えば、野球ゲームの自動継投の場合、中継ぎ及び/又は抑えの少なくとも1の投手(他のゲーム媒体の一例)を、登板の順番を指定して、又は登板の順番を指定せずに、ユーザが予め設定することができる。また、例えば、1以上の守備ポジションの野手を守備固めの他の野手に自動的に交代させる自動交代制御を行う場合、守備固めをするポジション毎に、守備固めの控えの選手を、ユーザが予め設定することができる。また、例えば、サッカーゲームにおいて、後半開始前に1以上の選手をサブメンバの選手に自動的に交代させる自動交代制御を行う場合、交代するサブメンバの選手を、ユーザが予め設定することができる。
ゲーム媒体と交代する他のゲーム媒体をユーザが個別に選択する操作をして、当該他のゲーム媒体を設定することの他、例えば、ユーザが所定ボタン(おすすめボタン、おまかせボタン等)を操作することによってコンピュータが選択した他のゲーム媒体をユーザが確認して設定を確定する場合も、「ゲーム媒体と交代する他のゲーム媒体を、ユーザの操作に基づいて予め設定する」に含まれる。
【0103】
前述の野球ゲームの例では、第1の設定部113は、自動継投制御によって「投手の代打の選手」と交代する控え投手を、ユーザの操作に基づいて予め設定する。具体的には、試合開始前に、
図6の投手起用法を設定するための画面G20におけるユーザの操作に基づいて、自動継投で交代する5名の中継ぎ投手(登板順の指定あり)および抑え投手を予め設定する。この構成によれば、自動継投で交代する控え投手をユーザ自身が予め設定できるので、自動継投が実行される場合には、ユーザの意図する投手交代が行われるようになる。
【0104】
また、
図10に示すように、制御部110は、事前報知部114を含んでいてもよい。この事前報知部114は、ゲーム中にユーザにより所定の操作が行われた場合であって、当該所定の操作を確定することにより自動交代条件を満たす場合、当該所定の操作を確定する前に、自動交代制御が発生するか否かを報知する機能を有する。ここで、前記「報知する」には、報知する情報を画面に表示する場合の他、音声で伝えることも含まれる。
【0105】
前述の野球ゲームの例では、
図8の打者交代操作画面G70におけるユーザによる選手交代操作が、前記「所定の操作」の一例に相当する。この選手交代操作が、投手に代打を立てるための操作であった場合、当該操作を確定することにより基本的な自動継投の条件を満たすことになる。この場合、選手交代操作を確定する前に、
図9に例示する最終確認画面G80が表示され、事前報知部114は、自動継投が発生するか否かをユーザに報知する情報を、最終確認画面G80に表示する。この構成によれば、ユーザによる選手交代操作により自動継投が発生しうる場合に、ユーザが当該操作を確定する前に、自動継投が発生するか否かが分かる。これにより、ユーザは、自動継投の発生の有無の報知を参照して、最終的に選手交代操作を確定するか否かを判断できる。
【0106】
なお、対戦で使用可能な複数のゲーム媒体のそれぞれは、ゲーム中に他のゲーム媒体と所定回数(例えば1回)の交代が行われた場合に、ゲーム中に再度使用することができなくなるものとしてもよい。前述の野球ゲームの例では、試合で使用可能な各選手は、試合中に他の選手と1回でも交代が行われた場合には、その試合では再度使用することができなくなる。このように、選手交代に関する制限がある場合、ユーザは無駄な交代を避ける傾向がある。ここで、投手の代打の選手の属性に基づいて、当該選手を自動的に交代させるか否かを制御する本実施の形態の半自動継投の構成は、必要に応じて選手を自動交代させながらも、ユーザの意図しない自動交代を回避することができるので、交代に関する制限があるゲームに好適である。
【0107】
なお、ゲーム中に交代可能な前記所定回数は1回に限定されない。例えば、バレーボールゲームの場合は、一般的なバレーボールの選手交代ルールを適用し、スターティングプレーヤとして試合に出ている各選手は、他の選手との交代によりベンチに下がった後、同一セット内でもう1回だけコートに戻ることができる。このように、ゲームの内容に応じて、各ゲーム媒体が交代可能な所定回数は任意に設定可能である。
【0108】
[4.処理]
次に、本実施の形態のゲームシステム1で実行される処理の一例を以下に説明する。ここでは、前述の野球ゲームにおける継投の半自動制御を実行するゲームシステム1の処理の一例を説明する。
図12は、ゲームシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、例えば、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、制御部110(ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31)が実行することにより実現される。
【0109】
攻撃側のユーザは、現在打席に立っている打者と控え選手とを交代させる打者交代操作が可能である。例えば、
図7の攻撃時操作画面G60でタイムボタンB64をタップし、タイムメニューから「打者交代」を選択する。そして、
図8の打者交代操作画面G70において控え選手の一覧リストL71から交代する控え選手を選択して選手交代ボタンB75をタップする。
図12のステップS100では、制御部110は、ユーザによって打者交代操作が行われたかを判断する。ここで、打者交代操作が行われた場合(S100でYES)、制御部110は、現在打席に立っている打者が投手(投手ポジションの選手)であるかを判断する(S102)。ここで、現在打席に立っている打者が投手でなければ(S102でNO)、投手の打席で代打を立てるという基本的な自動継投の条件を満たさないため、ステップS100に戻る。一方、現在打席に立っている打者が投手の場合(S102でYES)、基本的な自動継投の条件を満たすことになるので、ステップS104以降の処理に進む。
【0110】
ステップS104では、制御部110は、代打の控え選手がストレート以外の球種を投球できるかを判断する。すなわち、制御部110は、
図11のチームデータDT104を参照し、現在選択されている代打の控え選手の属性の一つである「投球可能な球種」に基づいて、当該選手がストレート以外の球種を投球できるかを判断する。ここで、制御部110は、代打の控え選手がストレート以外の球種を投球できないと判断した場合(S104でNO)、当該選手が所定の投手能力を持たないと判断し、自動継投を行うとの判定を下す(S106)。この場合、制御部110は、その後の攻守交代時に自動継投を発生させるための管理情報(例えば、自動継投フラグ等)を、ゲーム進行データDT105に記憶する。また、制御部110は、打者交代の確定前に、自動継投が発生することを報知する(S108)。例えば、
図9に示すように、制御部110は、最終確認画面G80に「攻守交代時に自動継投が発生します。」という注意文を表示させるように、表示部17を制御する。その後はステップS114に移行する。
【0111】
一方、制御部110は、代打の控え選手がストレート以外の球種を投球できると判断した場合(S104でYES)、当該選手が所定の投手能力を持つと判断し、自動継投を行わないとの判定を下す(S110)。この場合、制御部110は、打者交代の確定前に、自動継投が発生しないことを報知する(S108)。例えば、
図9の最終確認画面G80に「攻守交代時に自動継投が発生しません。」という注意文を表示させるように、表示部17を制御する。その後はステップS114に移行する。
【0112】
最終確認画面G80において、ユーザは、選手交代の内容を最終確認し、交代するボタンB83をタップして打者交代を確定する操作を行うか、又はキャンセルボタンB84をタップして打者交代を取り止める。ここで、交代するボタンB83がタップされた場合(S114でYES)、ユーザによる打者交代操作を確定させ、現在打席に立っている打者と、ユーザが選択した控え選手とを交代させる(S116)。そして、制御部110は、ゲーム進行データDT105を更新する。
【0113】
前記のステップS100~S116の処理は、攻守交代で前記ユーザのチームの守備が開始されるまで繰り返される。前記ユーザのチームの守備が開始される際に(S118でYES)、ゲーム進行データDT105に自動継投を発生させるための管理情報が記憶されている場合(S120でYES)、ステップS122に移行し、制御部110が自動継投を実行する。ステップS122では、制御部110は、予め登録されている投手起用法の設定情報に基づいて、ユーザのチームの控え投手の中から継投する投手を決定する。すなわち、制御部110は、チームデータDT104における中継ぎ投手の登板順または抑え投手の情報に基づいて、継投する投手を決定する。具体的には、予め登録されている5名の中継ぎ投手のうち、既に登板している投手を除いて登板順が最も早い中継ぎ投手が、継投する投手として決定される。なお、最終回にユーザのチームが勝ち越している場合は、予め登録されている抑え投手が継投する投手として決定されるようにしてもよい。
【0114】
その後、制御部30は、ステップS122で決定した継投する投手と、投手の代打の選手とを交代させる(S124)。そして、制御部110は、ゲーム進行データDT105を更新する。この場合、投手に代打を立てた後の守備の際に、ユーザが選手交代の操作をすることなく、自動的に継投が行われるので、ユーザの手間を減らして試合時間の短縮化を図ることができる。
【0115】
一方、前記ユーザのチームの守備が開始される際に(S118でYES)、ゲーム進行データDT105に自動継投を発生させるための管理情報が記憶されていない場合(S120でNO)、ステップS126に移行する。このステップS126では、制御部110は、投手の代打の選手をそのまま投手として登板させる。
以上のように、投手の代打の選手が所定の投手能力を持つ(ストレート以外の球種を投球できる)場合には、自動継投を行わない。この場合、選手交代ができる人数(または回数)の上限があったり、一度ベンチに下がった選手はその試合に再度出場できなかったりという選手交代に関する制限がある中で、ユーザの意図しない選手交代を回避することができる。
【0116】
[5.変形例]
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
[5-1]以上では、自動継投が行われる場合に、ユーザが事前に登録した中継ぎ投手の登板順の設定情報に基づいて、投手の代打に立った選手と交代する控え投手が選択される例について説明したが、次のようにしてもよい。例えば、制御部110が、投手の代打に立った選手と交代可能な控え投手の中から最適な控え投手を自動的に選択するようにしてもよい。例えば、制御部110は、交代可能な控え投手の中から最も能力の高い控え投手を自動的に選択するようにしてもよい。
[5-2]投手に代走を送る場合への適用
以上では、主に、投手の打席で代打を立てた場合に、投手の代打の選手の属性に基づいて、自動継投を行うか否かを制御する構成について説明したが、投手が出塁した場合であって、投手に代走を送る場合にも適用できる。すなわち、ユーザのチームの攻撃時に投手が出塁した場合、ユーザは当該投手に代えて、控え選手を代走に送る走者交代操作が可能である。そこで、この走者交代操作が行われた場合、制御部110は、投手の代走の選手に所定の投手能力がある(例えば、ストレート以外の球種を投球できる)場合は、自動継投を行わないと判定し、所定の投手能力がない場合は、自動継投を行うと判定する。それ以外は前述の投手の打席で代打を立てた場合と同様である。
【0117】
[5-3]使用する属性のバリエーション
以上では、自動継投制御の対象となる選手(投手の代打または代走の選手)の属性の一つである「投球可能な球種」に基づいて、所定の投手能力があるか否かを判断し、自動継投を行うか否かの判定を下す例を示したが、「投球可能な球種」以外の属性を使用してもよい。例えば、投球可能な球種以外にも、球速、コントロール、変化量、投手に関する特殊能力等の能力パラメータ(
図4参照)、又はこれらの2以上の組み合わせに基づいて、所定の投手能力があるか否かを判断し、自動継投を行うか否かの判定を下してもよい。一例を挙げると、球速が所定以上(例えば140km/h以上)、且つ、コントロールが所定ランク以上(例えばAランク以上)の場合に、所定の投手能力があると判断する。また、例えば、ストレート以外に「変化量が所定以上(例えば3以上)」の変化球を投球可能な場合に、所定の投手能力があると判断する。また、例えば、投手に関する特殊能力(
図4に例示する「重い球」等)を一つ以上有する場合に、所定の投手能力があると判断する。
【0118】
また、自動継投制御の対象となる選手の属性の一つであるサブポジションを使用して、所定の投手能力があるか否かを判断してもよい。例えば、投手の代打または代走の選手のサブポジションが投手の場合(すなわち、メイン野手サブ投手の場合)、当該選手に所定の投手能力があると判断する。
【0119】
[5-4]野球ゲームへの適用のバリエーション(野手への代打・代走)
以上では、主に、投手の打席で代打を立てた場合に、投手の代打の選手の属性に基づいて、自動継投を行うか否かを制御する構成について説明したが、野手の打席で代打を立てた場合にも適用できる。その一例を以下に説明する。
【0120】
あるポジション(例えば一塁手)の野手(野手Aとする)の打席においてユーザが控えの野手(野手Bとする)を代打に立てた場合を想定する。攻守交代で守備に切り替わった際に、基本的には代打の野手Bを、他の控えの野手(野手Cとする)に自動的に交代させる自動交代制御が行われる。この自動交代制御において、例えば、交代する控えの野手Cとしては、代打を送られた野手Aのポジションと同じポジションをメインポジションとする控え選手の中から、守備力または打撃力が最も高い選手が自動選択される。但し、野手の打席で代打を立てた場合に、必ず前記自動交代制御が実行されるのではなく、代打の野手Bの属性の一つであるポジション適性(メインポジション、サブポジション)に基づいて、前記自動交代制御を行うか否かが判定される。具体的には、代打の野手Bのメインポジションまたはサブポジションが、代打を送られた野手Aのポジションと同じでなければ、前記自動交代制御が行われる一方、同じであれば前記自動交代制御が行われないように制御する。
なお、出塁した野手Aに代えて、ユーザが野手Bを代走とした場合も同様である。
【0121】
[5-5]野球ゲームへの適用のバリエーション(自動守備固め)
以上では、主に、ユーザが代打・代走の操作を行った場合の適用例について説明したが、代打・代走の場合に限定されない。一例として、ユーザが代打・代走の操作を行っていない場面でも、守備時に1以上の選手を自動で控え選手と入れ替える構成例について、以下に説明する。
【0122】
例えば、最終回にユーザのチームが勝ち越している(対戦相手より得点が多い)場合には、基本的に、ユーザが予約設定している守備ポジションについて、予約設定している守備固めの控え選手に自動的に交代させる自動交代制御(これを「自動守備固め」と称する)が行われるようにしてもよい。
図13は、マイチームの野手起用法を設定するための画面の他の一例を示す図である。
図13の画面G90には、
図5の画面G10にはない守備固めの設定を行うためのパーツP91が追加されている。このパーツP91は、1以上の控え選手に対して、守備ポジションを指定した守備固めの予約を設定するためのものである。ユーザは、任意の控え選手の選手プレートP12の右側にあるパーツP91をタップすると、守備固めのポジションを選択できる。
図13では、ユーザが選手CEに二塁手のポジションの守備固め、選手ZNに遊撃手のポジションの守備固めをそれぞれ予約設定した例を示している。守備固めの予約設定が行われた場合、
図11に例示するチームデータDT104において、守備固め対象の控え選手の守備固めフィールドに、守備固めのポジションの情報が記憶される。
【0123】
この実施形態の場合、最終回に勝ち越していることが、自動守備固めの基本的な条件である。この自動守備固めの基本的な条件を満たしている場合、自動交代制御部111は、ユーザのチームの最終回の守備の際に、ユーザにより予約設定されている守備ポジションの選手と、予約設定されている守備固めの控え選手とを自動的に交代させる自動守備固めを実行する。
図11および
図13の例では、最終回の守備の際に、二塁手および遊撃手の二人の選手が、守備固めの控え選手二人と自動的に交代されることになる。
【0124】
但し、自動守備固めの基本的な条件を満たしている場合に、必ず前記自動守備固めが実行されるのではなく、自動守備固めの対象となる選手(上記の例では二塁手または遊撃手)の属性に基づいて、当該選手を守備固めの控え選手に自動的に交代させるか否かを制御してもよい。例えば、交代判定部112は、自動守備固めの対象となる選手の属性の一つである調子パラメータが所定ランク(例えば好調)未満の場合は、当該選手を守備固めの控え選手に自動的に交代させる一方、所定ランク以上の場合は、当該選手を守備固めの控え選手に自動的に交代させない。ここで、前記選手の調子パラメータは、例えば、ランクの高い順に、絶好調、好調、普通、不調、絶不調の5段階あり、ランクが高いほどその選手の能力にプラスに作用する。チームの各選手の調子パラメータは、例えば試合毎にランダムで決定される。例えば、自動守備固めの対象となる二塁手の調子パラメータが「絶好調」であり、遊撃手の調子パラメータが「不調」の場合、遊撃手のみ守備固めの控え選手と自動的な交代が行われるが、絶好調の二塁手については守備固めの控え選手と自動的な交代が行われない。
【0125】
なお、交代判定部112は、調子パラメータ以外の属性を使用して、自動交代制御部111に自動守備固めを行わせるか否かを判定してもよい。例えば、自動守備固めの対象となる選手の属性の一つであるパワー、ミート等の打撃に関する能力に基づいて、自動守備固めの要否を判定してもよい。一例を挙げると、最終回に相手チームに追いつかれて延長になる可能性もあるため、パワーが所定ランク(例えばAランク)以上の選手については、守備固めの控え選手と自動的な交代が行われないようにしてもよい。
[5-6]野球ゲームへの適用のバリエーション(自動野手交代)
前述の自動的に行われる野手のポジションの再配置は、あくまで試合に出場している野手のみを対象とした守備位置の入れ替えであり、ポジションの最適化のために控え選手と自動交代する制御までは実行されない例を示した。バリエーションとしては、試合に出場している野手のみを対象とした守備位置の入れ替えを実行した結果、どの野手も適性を有さないポジションがある場合には、当該ポジションの適性を有する控え選手と試合に出場している野手とを入れ替える制御まで自動的に実行してもよい。この場合、ポジションの適性を有する控え選手と入れ替えられる対象の野手の属性(例えば、パワー、ミート等の打撃に関する能力)に基づいて、当該野手を控え選手に自動的に交代させるか否かを制御してもよい。例えば、パワーが所定ランク(例えばAランク)以上の野手については、控え選手と自動的な交代が行われないようにしてもよい。
【0126】
[5-7]野球ゲームへの適用のバリエーション(自動代打)
以上では、主に、攻守交代で攻撃から守備になった際に、選手を自動で控え選手と入れ替える構成例を示したが、攻守交代で守備から攻撃になった際、または攻撃中に、打者を自動で控え選手と交代する構成例について、以下に説明する。
【0127】
例えば、最終回(または終盤)の攻撃時にユーザのチームが負けている場合には、基本的に、下位打線の選手と、代打の控え選手とを自動的に交代させる自動交代制御(これを「自動代打」と称する)が行われるようにしてもよい。なお、下位打線は、例えば打順が「7番、8番、9番」であってもよいし、「8番、9番」であってもよいし、「9番」だけであってもよい。下位打線の選手は、打力よりも守備力が重視される傾向にあるが、最終回の攻撃時に負け越している場合は、下位打線に代打を送って得点を狙う必要があり、これをユーザによる選手交代操作なしに自動化する。
【0128】
図13のマイチームの野手起用法を設定するための画面G90(または
図5の画面G10)において、複数の控え選手のリストの上位(上側)に表示されている控え選手ほど、代打の優先順位が高くなっている。すなわち、ユーザは、試合前に画面G90で野手起用法を設定する場合、複数の控え選手に対して代打の優先順位を設定できる。この代打の優先順位の設定は、
図11に例示するチームデータDT104に反映される。すなわち、チームデータDT104の控え1~8は、代打の優先順位を表す。
【0129】
この実施形態の場合、最終回に負けており、且つ、下位打線であることが、自動代打の基本的な条件である。この自動代打の基本的な条件を満たしている場合、自動交代制御部111は、ユーザのチームの最終回の攻撃開始時または攻撃中に、ユーザにより予め設定されている代打の優先順位に従って、下位打線の選手と控え選手とを自動的に交代させる自動代打を実行する。
【0130】
但し、自動代打の基本的な条件を満たしている場合に、必ず前記自動代打が実行されるのではなく、自動代打の対象となる下位打線の選手の属性に基づいて、当該選手を控え選手に自動的に交代させるか否かを制御してもよい。例えば、交代判定部112は、自動代打の対象となる下位打線の選手の調子パラメータが所定ランク(例えば好調)未満の場合は、当該選手を控え選手に自動的に交代させる一方、所定ランク以上の場合は、当該選手を控え選手に自動的に交代させない。なお、自動代打の対象となる下位打線の選手のメインポジションが投手の場合は、当該選手を控え選手に自動的に交代させるようにしてもよい。例えば、最終回の攻撃時にユーザのチームが負けており、7番打者から攻撃が開始される場合には、当該7番打者の調子が「普通」以下の場合は、代打の優先順位に従って、7番打者に自動的に代打が送られる。一方、7番打者の調子が好調」又は「絶好調」の場合は、自動的に代打が送られることなく、7番打者がそのまま打席に立つ。続く8番打者、9番打者の場合も同様である。
【0131】
なお、交代判定部112は、調子パラメータやメインポジション以外の属性を使用して、自動交代制御部111に自動代打を行わせるか否かを判定してもよい。例えば、自動代打の対象となる下位打線の選手の属性の一つである守備力に基づいて、自動代打の要否を判定してもよい。一例を挙げると、最終回の攻撃で追いついて延長になる可能性もあるため、守備力が所定ランク(例えばAランク)以上の選手については、控え選手と自動的な交代が行われないようにしてもよい。
【0132】
[5-8]自動交代制御を実行するための基本的な条件である「自動交代条件」をユーザ自身が予め設定できるようにしてもよい。この実施態様を以下に示す。
図14は、ユーザが自動交代条件を設定するための画面G100の一例を示す。画面G100には、自動継投の基本的な条件を設定する領域A110、自動守備固めの基本的な条件を設定する領域A120、および自動代打の基本的な条件を設定する領域A130が設けられている。ユーザは、各領域A110、A120、A130のチェックボックスP101のチェックの有無により、自動継投、自動守備固め、自動代打のON(有効)又はOFF(無効)を切り替えることができる。
図14の例では、自動継投および自動守備固めをONとし、自動代打をOFFとしている。
【0133】
例えば、ユーザがパーツP111、P121、P122、P131、P132をタップすると、それぞれプルダウンメニューが表示され、当該メニューから任意の条件を設定できる。例えば、パーツP111、P121、P131では、それぞれ自動継投、自動守備固め、自動代打のイニングの条件をユーザが設定できる。また、例えばパーツP122では得点の条件、パーツP132では打順の条件をユーザが設定できる。ユーザの操作により設定された情報は、自動交代条件データDT102として記憶される。
【0134】
図15は、ゲームシステム1の機能的な構成の他の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図15に示すように、制御部110は、第2の設定部115を具備していてもよい。この第2の設定部115は、前記自動交代条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する機能を有する。ここで、「自動交代条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する」に関し、例えば自動守備固めの場合、「守備固めを行う回」、「何点以上勝ち越しているか」等の自動交代条件の全部または一部の条件を、ユーザが予め設定することができる。自動交代条件が複数の条件を含む場合(AND条件、OR条件、AND条件とOR条件の組み合わせの何れでもよい)、当該複数の条件の少なくとも1の条件をユーザの操作に基づいて予め設定することは、「自動交代条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する」に含まれる。また、ユーザが自動交代条件を直接入力する操作をすることの他、例えば、ユーザが所定ボタン(おすすめボタン、おまかせボタン等)を操作することによってコンピュータが提示した自動交代条件をユーザが確認して設定を確定する場合も、「自動交代条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する」に含まれる。
【0135】
この構成によれば、自動継投や自動守備固め等の自動交代制御を実行するための基本的な条件である「自動交代条件」をユーザ自身が予め設定できる。このため、ユーザの意図しない自動交代を的確に回避することができる。
【0136】
[5-9]ゲーム媒体に対して、自動交代を禁止または許可するための属性をユーザが予め設定できるようにしてもよい。この実施態様を以下に示す。
図15に示すように、制御部110は、第3の設定部116を具備していてもよい。この第3の設定部116は、複数のゲーム媒体の少なくとも1のゲーム媒体に対して、他のゲーム媒体に自動的に交代させることを禁止する又は許可する属性を、ユーザの操作に基づいて予め設定する機能を有する。
【0137】
ここで、「他のゲーム媒体に自動的に交代させることを禁止する属性」とは、その属性が設定されているゲーム媒体については、交代判定部112における判定において、他のゲーム媒体に自動的に交代させないと必ず判定されるような属性である。例えば、ユーザがお気に入りのゲーム媒体に対して予め設定する「自動交代禁止のフラグ」は、「他のゲーム媒体に自動的に交代させることを禁止する属性」の一例に相当する。
また、「他のゲーム媒体に自動的に交代させることを許可する属性」とは、その属性が設定されているゲーム媒体については、自動交代制御の対象となった場合に、交代判定部112における判定において、他のゲーム媒体に自動的に交代させると必ず判定されるような属性である。
【0138】
前述の野球ゲームの例では、マイチームの野手起用法を設定するための画面G90(または
図5の画面G10)において、ユーザが任意の選手の選手プレートP12をダブルタップする等の所定の操作をすることにより、当該選手に自動交代禁止の属性を設定することができる。あるいは、ユーザが任意の選手を選択して当該選手の能力を表示する画面G30、G40、G50(
図2~
図4参照)に遷移した後、当該画面G30等において所定の操作をすることにより、当該選手に自動交代禁止(又は許可)の属性を設定をすることができるようにしてもよい。
【0139】
ユーザがマイチームの1以上の選手に自動交代禁止の属性を設定する操作を行った場合、
図11のチームデータDT104において、当該選手のキャラクタIDと関連付けて「自動交代禁止のフラグ」が交代禁止フィールドに設定される。または、交代禁止フィールドを省略して、「自動交代禁止のフラグ」を属性フィールドに設定してもよい。
【0140】
この実施態様の構成によれば、任意の選手に対して、「自動交代を禁止する属性」をユーザ自身が予め設定できる。これにより、ユーザが自動交代をさせたくない選手が自動交代されてしまうことを確実に回避することができる。或いは、任意の選手に対して、「自動交代を許可する属性」をユーザ自身が予め設定することができるようにしてもよい。この場合は、ユーザが自動交代を許可する選手が自動交代制御の対象となった場合に、確実に自動交代させることができる。
【0141】
[5-10]自動交代制御が実行されない(又は実行される)属性の条件を、ユーザが予め設定できるようにしてもよい。この実施態様を以下に示す。
図16は、自動継投が実行されない属性の条件を設定するための画面G200の一例を示す。この画面G200では、投手の代打の選手の属性の条件として、「ストレート以外に所定数(例えば1つ)以上の球種を投球できる」、「球速が所定速度(例えば140Km/h)以上」、「コントロール能力が所定ランク(例えばAランク)以上」、「サブポジションが投手」という4つの条件から1つ以上の条件をユーザが選択的に設定できる例を示している。ユーザは、前記4つの条件のうち、適用したい条件のチェックボックスP101をチェックする。また、ユーザがパーツP201~P203をタップすると、それぞれプルダウンメニューが表示され、当該メニューから任意の条件を設定できる。例えばパーツP201では球種の数の条件、パーツP202では球速の条件、パーツP203では能力ランクの条件が設定できる。ユーザの操作により設定された情報は、属性条件データDT103として記憶される。
【0142】
図15に示すように、制御部110は、第4の設定部117を具備していてもよい。この第4の設定部117は、交代判定部112が自動的に交代させないと判定する属性の条件、又は自動的に交代させると判定する属性の条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する機能を有する。属性の条件が複数の条件を含む場合(AND条件、OR条件、AND条件とOR条件の組み合わせの何れでもよい)、当該複数の条件の少なくとも1の条件をユーザの操作に基づいて予め設定することは、「交代判定部112が自動的に交代させない(又は交代させる)と判定する属性の条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する」に含まれる。また、このような属性の条件をユーザが直接入力する操作をすることの他、例えば、ユーザが所定ボタン(おすすめボタン、おまかせボタン等)を操作することによってコンピュータが提示した属性の条件をユーザが確認して設定を確定する場合も、「交代判定部112が自動的に交代させない(又は交代させる)と判定する属性の条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する」に含まれる。
【0143】
この実施態様の構成によれば、交代判定部112が自動的に交代させない(又は交代させる)と判定する属性の条件をユーザ自身が予め設定できる。これにより、ユーザの意図する属性の条件を満たした場合にのみ自動継投等が実行され、ユーザの意図しない自動継投等の自動交代制御を確実に回避することができる。
【0144】
[5-11]
図10又は
図15に例示した制御部110の機能の一部を省略することもできる。
例えば、
図10又は
図15の第1の設定部113及び/又は事前報知部114を省略してもよい。また、
図15の第2の設定部115、第3の設定部116、第4の設定部117の一部または全部を省略してもよい。
【0145】
[5-12]以上では、主に野球ゲームの例について説明したが、本発明は他のゲームにも適用できる。例えば、他のスポーツゲーム(サッカー、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー、バレーボール、ラグビー等を題材としたゲーム)、戦闘ゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲームのように、ゲーム形式・ジャンルを問わず、「対戦で使用可能な複数のゲーム媒体を含むゲーム」なら様々なゲームに適用できる。
野球以外のゲームの適用例としては次のようなものがある。例えば、サッカーゲームにおいて、ユーザが事前に決めておいた方針(例えば、能力重視、体力重視等)に従い、後半開始前に、所定数の選手を、サブメンバの選手に一括で自動的に交代させる自動交代制御が行われる。ここで、選手ごとに自動で交代させるか否かの設定をユーザがすることができるようにし、その設定情報(交代禁止フラグ等)が属性の一つとして選手に関連付けられるようにする。例えば、ユーザは、お気に入りの選手だけは自動で交代させないように予め設定しておく。この場合、例えば体力重視の方針で本来は自動的に交代になる選手であっても、当該選手に交代禁止フラグが関連付けられている場合は、自動で交代されない。
【0146】
[5-13]なお、以上で説明した本発明は対戦以外のゲームに適用してもよい。例えば、料理の材料を調達するキャラクタ、料理のレシピを考えるキャラクタ、調理するキャラクタ等の複数のキャラクタが共同で料理を作るゲームなど、対戦する相手が存在しないようなゲームに適用してもよい。
【0147】
[5-14]ゲーム端末10とサーバ30は、互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明した各種機能の一部をゲーム端末10のCPU11によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。又は、以上に説明した各種機能のすべてをゲーム端末10のCPU11によって実現してもよい。あるいは、以上に説明した各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。
【0148】
[5-15]各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームシステム1内の記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
【0149】
[5-16]上述した制御部110の機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路により実現してもよい。また、上述の各機能を個別にプロセッサ化してもよい。あるいは、上述の機能の一部または全部を集積してプロセッサ化してもよい。
【0150】
[5-17]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されて、ゲームシステム1又はゲーム制御装置を構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムのコンピュータへの提供は、インターネット、WAN、LANまたは専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して行うこともできる。ファイルサーバ(オンラインストレージ)に記憶しておいたプログラムを、コンピュータが読み出してもよい。また、配信サーバから配信されるプログラムをコンピュータが受信してもよい。前記記録媒体には、プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、それを受信したコンピュータで直接実行可能な形式のコードでなくてもよい。すなわち、配信サーバからダウンロード後にコンピュータで実行可能にインストールできれば、配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムの形式は任意である。また、プログラムは、複数に分割されてそれぞれ異なるタイミングでダウンロードされた後に合体するものであってもよい。分割されたプログラムをそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、ネットワークを介してプログラムを送信するサーバまたは受信するコンピュータにおける、RAM等の揮発性メモリのように、一定時間、プログラムを保持するものも含む。また、プログラムは、コンピュータに既に保存されているプログラムとの組み合わせで上述の機能を実現できる差分プログラムであってもよい。
【0151】
[6.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0152】
1)本発明の一態様に係るプログラムは、対戦(例えば野球の試合)で使用可能な複数のゲーム媒体(例えば選手キャラクタ)を含むゲームの制御を実行するコンピュータ(1、10、30)を、前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体(例えば投手の代打の選手)を他のゲーム媒体(例えば中継ぎ投手)に自動的に交代させる自動交代制御(例えば自動継投)を実行する自動交代制御部(111)と、前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性(例えば投球可能な球種)に基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定部(112)と、して機能させるプログラムである。
【0153】
ここで、「コンピュータ」は、少なくともプロセッサ及び記憶装置(メモリ)を含むものであればよい。ここで、プロセッサは例えばCPUである。また、プロセッサは、CPUに加え、またはCPUに代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、据置型または携帯型のゲーム専用機、業務用(商業用)ゲーム機、携帯電話端末、PHS端末、PDA、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機、サーバ、その他プロセッサ及び記憶装置を含むものは全て「コンピュータ」に含まれる。また、「コンピュータ」は、通信可能な複数台で構成されていてもよい。例えば、サーバと端末装置とを含むシステムも「コンピュータ」に含まれる。
【0154】
上記の構成によれば、ゲーム媒体の属性に基づいて、ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを制御できるため、必要に応じてゲーム媒体を交代する手間を減らして対戦時間の短縮化を図ることができる一方で、ユーザの意図しない交代を回避することも可能である。
【0155】
2)本発明の一態様では、上記1)に記載の態様において、前記交代判定部(112)は、前記自動交代制御の対象となる前記ゲーム媒体(例えば投手の代打の選手)の前記属性であって、当該ゲーム媒体に対して前記ゲーム内で与えられている役割(例えば投手ポジション)に関するパラメータに基づいて(例えば、ストレート以外の球種を投球できる能力の有無に基づいて)、前記自動交代制御部(111)により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する。
【0156】
上記の構成によれば、ゲーム媒体の役割に関するパラメータに基づいて、ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを制御できる。このため、ゲーム媒体の役割に関するパラメータが所定の基準に満たない場合にのみ、ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させ、それ以外は自動的な交代が実行されないようにすることができる。これにより、ユーザの意図しない自動交代制御を効果的に回避することができる。
【0157】
3)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記自動交代制御によって1以上の前記ゲーム媒体(例えば投手の代打の選手)と交代する前記他のゲーム媒体(例えば中継ぎ投手)を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第1の設定部(113)としてさらに前記コンピュータを機能させる。
【0158】
上記の構成によれば、自動交代制御によりゲーム媒体と交代する「他のゲーム媒体」をユーザ自身が予め設定できるので、自動交代制御が実行される場合には、ユーザの意図する他のゲーム媒体との自動交代が行われるようになる。
【0159】
4)本発明の一態様では、上記1)ないし3)の何れかに記載の態様において、前記自動交代条件(例えば自動継投が行われる基本的な条件)を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第2の設定部(115)としてさらに前記コンピュータを機能させる。
【0160】
上記の構成によれば、自動交代制御を実行するための基本的な条件である「自動交代条件」をユーザ自身が予め設定できるので、ユーザの意図する自動交代条件を満たした場合にのみ自動交代制御が実行され、ユーザの意図しない自動交代を的確に回避することができる。
【0161】
5)本発明の一態様では、上記1)ないし4)の何れかに記載の態様において、前記複数のゲーム媒体の少なくとも1のゲーム媒体に対して、前記他のゲーム媒体に自動的に交代させることを禁止する又は許可する前記属性(例えば交代禁止フラグ)を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第3の設定部(116)としてさらに前記コンピュータを機能させる。
【0162】
上記の構成によれば、複数のゲーム媒体の中の任意のゲーム媒体に対して、「自動交代を禁止する属性」をユーザ自身が予め設定できる。これにより、ユーザが自動交代をさせたくないゲーム媒体が自動交代されてしまうことを確実に回避することができる。
あるいは、複数のゲーム媒体の中の任意のゲーム媒体に対して、「自動交代を許可する属性」をユーザ自身が予め設定することができる。この場合は、ユーザが自動交代を許可するゲーム媒体が自動交代制御の対象となった場合に、確実に自動交代させることができる。
【0163】
6)本発明の一態様では、上記1)ないし5)の何れかに記載の態様において、前記交代判定部が自動的に交代させないと判定する前記属性の条件又は自動的に交代させると判定する前記属性の条件を、ユーザの操作に基づいて予め設定する第4の設定部(117)としてさらに前記コンピュータを機能させる。
【0164】
上記の構成によれば、交代判定部が自動的に交代させない(又は交代させる)と判定する属性の条件をユーザ自身が予め設定できる。これにより、ユーザの意図する属性の条件を満たした場合にのみ自動交代制御が実行され、ユーザが自動交代をさせたくない属性を有するゲーム媒体が自動交代されてしまうことを確実に回避することができる。
【0165】
7)本発明の一態様では、上記1)ないし6)の何れかに記載の態様において、前記ゲーム中にユーザにより所定の操作(例えば選手交代操作)が行われた場合であって、当該所定の操作を確定することにより前記自動交代条件を満たす場合、当該所定の操作を確定する前に、前記自動交代制御(例えば自動継投)が発生するか否かを報知する事前報知部(114)としてさらに前記コンピュータを機能させる。
【0166】
上記の構成によれば、ゲーム中の所定の操作により自動交代が発生しうる場合に、ユーザが当該所定の操作を確定する前に、ゲーム媒体が自動交代されるか否かが分かる。これにより、ユーザは、自動交代の発生の有無の報知を参照して、最終的に所定の操作を確定するか否かを判断できる。例えば、自動交代が発生するとの報知があった場合で、ユーザが自動交代させたくないと考えた場合には、所定の操作を確定せずに中止することも可能である。
【0167】
8)本発明の一態様では、上記1)ないし7)の何れかに記載の態様において、前記複数のゲーム媒体(例えば野手チームのオーダーに含まれる選手)のそれぞれは、前記ゲーム中に他のゲーム媒体と所定回数(例えば1回)の交代が行われた場合に、前記ゲーム中に再度使用することができなくなるものである。
【0168】
上記の構成によれば、各ゲーム媒体は、ゲーム中に所定の回数の交代が行われると再度使用することができないという交代に関する制限があるため、ユーザは無駄な交代を避ける傾向がある。よって、ゲーム媒体の属性に基づいて、ゲーム媒体を他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを制御する本構成は、必要に応じてゲーム媒体を自動交代させながらも、ユーザの意図しない自動交代を回避することができるので、交代に関する制限があるゲームに好適である。
【0169】
9)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10又は30)は、対戦(例えば野球の試合)で使用可能な複数のゲーム媒体(例えば選手キャラクタ)を含むゲームの制御を実行するものであって、前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体(例えば投手の代打の選手)を他のゲーム媒体(例えば中継ぎ投手)に自動的に交代させる自動交代制御(例えば自動継投)を実行する自動交代制御部(111)と、前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性(例えば投球可能な球種)に基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定部(112)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0170】
10)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、サーバ(30)と、当該サーバ(30)と通信可能な端末装置(10)とを含み、対戦(例えば野球の試合)で使用可能な複数のゲーム媒体(例えば選手キャラクタ)を含むゲームの制御を実行するものであって、前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体(例えば投手の代打の選手)を他のゲーム媒体(例えば中継ぎ投手)に自動的に交代させる自動交代制御(例えば自動継投)を実行する自動交代制御部(111)と、前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性(例えば投球可能な球種)に基づいて、前記自動交代制御部により当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定部(112)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0171】
11)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、1)~8)のいずれかに記載の態様のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。これにより、上記1)~8)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0172】
12)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)の制御方法は、対戦(例えば野球の試合)で使用可能な複数のゲーム媒体(例えば選手キャラクタ)を含むゲームの制御を実行するゲームシステム又はゲーム制御装置を制御する方法であって、前記ゲーム中に自動交代条件を満たした場合に、前記対戦に使用する1以上のゲーム媒体(例えば投手の代打の選手)を他のゲーム媒体(例えば中継ぎ投手)に自動的に交代させる自動交代制御(例えば自動継投)を実行する自動交代制御ステップ(S122、S124)と、前記自動交代制御の対象となる1以上の前記ゲーム媒体の属性(例えば投球可能な球種)に基づいて、前記自動交代制御ステップにより当該ゲーム媒体を前記他のゲーム媒体に自動的に交代させるか否かを判定する交代判定ステップ(S104、S106、S110)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0173】
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、DB…データベース、10…ゲーム端末、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、17…表示部、30…サーバ、31…CPU、33…RAM、34…補助記憶装置、100…データ記憶部、110…制御部、111…自動交代制御部、112…交代判定部、113…第1の設定部、114…事前報知部、115…第2の設定部、116…第3の設定部、117…第4の設定部、TBL101…ユーザ情報テーブル、DT102…自動交代条件データ、DT103…属性条件データ、DT104…チームデータ、DT105…ゲーム進行データ、G10・G20・G30・G40・G50・G60・G70・G80・G90・G100・G200…画面