(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117026
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】器具及び粒体収容体
(51)【国際特許分類】
B65B 67/00 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
B65B67/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022954
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】505223137
【氏名又は名称】株式会社Yogibo
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 政志
(72)【発明者】
【氏名】上村 隆之
【テーマコード(参考)】
3E057
【Fターム(参考)】
3E057AA01
3E057CB05
3E057CC02
3E057CC15
(57)【要約】
【課題】粒体を第1収容袋から第2収容袋に移し替える作業を容易化する
【解決手段】第1収容袋に収容された粒体を第2収容袋に移し替える際に用いられる器具であって、リング状の外枠部と、前記外枠部から外向きの径方向に突出する複数の突起部と、を有する第1部品と、前記外枠部の内側面に嵌合可能な外側面を有する中空の筒の形状を有し、前記外側面を前記内側面に嵌合させることにより前記第1部品に装着される第2部品と、を備える、器具。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1収容袋に収容された粒体を第2収容袋に移し替える際に用いられる器具であって、
リング状の外枠部と、前記外枠部から外向きの径方向に突出する複数の突起部と、を有する第1部品と、
前記外枠部の内側面に嵌合可能な外側面を有する中空の筒の形状を有し、前記外側面を前記内側面に嵌合させることにより前記第1部品に装着される第2部品と、
を備える、器具。
【請求項2】
請求項1に記載の器具であって、
前記第1部品は、前記第1収容袋に形成された第1開口部を前記外枠部の内側を通過させるようにして前記第1収容袋に装着され、
前記第2部品は、前記外側面と前記内側面との間に前記第1収容袋を挟みつつ前記外側面を前記内側面に嵌合させることにより前記第1部品に装着される、器具。
【請求項3】
請求項1に記載の器具であって、
複数の前記突起部は、少なくとも2つの前記突起部が互いに逆向きに突出するように構成される、器具。
【請求項4】
請求項2に記載の器具であって、
複数の前記突起部は、前記第1収容袋から前記第2収容袋に前記粒体を移し替える際に、前記第2収容袋に形成される第2開口部を介して前記第2収容袋の内部に挿入される、器具。
【請求項5】
請求項1に記載の器具であって、
前記第2部品は、前記筒の一方の開放端面を開閉可能とするべく、前記筒に連結される蓋を有する、器具。
【請求項6】
請求項1に記載の器具であって、
前記外枠部は、周方向に切れ目なく連続するように成形されてなる、器具。
【請求項7】
粒体を収容した第1収容袋と、
前記第1収容袋に装着される第1部品と、
前記第1部品に装着される第2部品と、
を備え、
前記第1部品は、リング状の外枠部と、前記外枠部から外向きの径方向に突出する複数の突起部と、を有し、前記第1収容袋に形成された第1開口部を前記外枠部の内側を通過させるようにして前記第1収容袋に装着され、
前記第2部品は、前記外枠部の内側面に嵌合可能な外側面を有する中空の筒の形状を有し、前記外側面と前記内側面との間に前記第1収容袋を挟みつつ、前記外側面を前記内側面に嵌合させることにより前記第1部品に装着される、
粒体収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具及び粒体収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
布地で作られた袋の内部に直径数ミリ程度の粒体(ビーズ)を充填した、ビーズソファと呼ばれるインテリア製品が知られている。
【0003】
ビーズソファに用いられるビーズは、発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレン等の高分子樹脂から作られており、長年の使用により徐々に潰れやへたりが生じてくる。このため、ビーズソファは、徐々にボリュームの減少や、柔軟性の低下などが生じる場合がある。
【0004】
しかしながらこのような場合であっても、新たにビーズを補充することで、ビーズソファのボリュームを増大させ、快適な使用感を取り戻すことが可能である。
【0005】
またビーズソファに関しては例えば特許文献1のような技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ビーズの補充先であるビーズソファは、柔らかく形状が不安定な布地の内部に大量のビーズが充填された構造となっており、ビーズを補充する際に布地に開けられる開口部の位置や形状、さらにビーズソファ全体の姿勢が作業中に変化しやすい。また補充用ビーズの収容袋自体も同様であり、収容袋を開封した際の開口部の位置や形状、さらには収容袋自体の位置や形状がビーズの補充作業中に変化しやすい。そのため、ビーズをこぼさずに移し替えることは容易ではない。
【0008】
そのため、ビーズの補充作業は、
図9に例示する様に、二人あるいはそれ以上で行うことが一般的である。
【0009】
図9に示す例では、一方の作業者が、ビーズソファ200の内部に収容されている布地で作られたインナー(第2収容袋)210のジッパー(不図示)を開けて、別途用意したメガホンなどの筒体500をインナー210の開口部(不図示)に差し込んで把持し、他方の作業者が、補充用のビーズ400が収容された補充用ビーズ収容袋(第1収容袋)110を持ち上げて、筒体500内にビーズ400を流し入れるようにしている。
【0010】
図9に示すような作業を、ビーズ400をこぼさずに一人で行うことは困難である。このため、例えば一人暮らしの方にとっては、ビーズ400の補充作業を一人で行えないことは極めて不便である。
【0011】
またビーズ400の補充をたとえ二人で行う場合であっても、補充用ビーズ収容袋110の開口部(不図示)の位置や形状が作業中に変化する中で、ビーズ400をこぼさずに継続的に筒体500内に流し入れることは容易ではない。
【0012】
さらにこのことは、ビーズ400を補充する場合だけでなく、広く、第1収容袋110に収容された粒体400を第2収容袋210に移し替える場合も同様である。
【0013】
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、ビーズ400のような粒体を第1収容袋から第2収容袋に移し替える作業を容易化することが可能な器具及び粒体収容体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態に係る器具は、第1収容袋に収容された粒体を第2収容袋に移し替える際に用いられる器具であって、リング状の外枠部と、前記外枠部から外向きの径方向に突出する複数の突起部と、を有する第1部品と、前記外枠部の内側面に嵌合可能な外側面を有する中空の筒の形状を有し、前記外側面を前記内側面に嵌合させることにより前記第1部品に装着される第2部品と、を備える。
【0015】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄の記載、及び図面の記載等により明らかにされる。
【発明の効果】
【0016】
粒体を第1収容袋から第2収容袋に移し替える作業を容易化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る器具を用いてビーズソファにビーズを補充する作業を行う様子を示す図である。
【
図5】ビーズの補充作業を説明するための図である。
【
図6】ビーズの補充作業を説明するための図である。
【
図7】ビーズの補充作業を説明するための図である。
【
図8】ビーズの補充作業を説明するための図である。
【
図9】本実施形態に係る器具を用いずにビーズソファにビーズを補充する作業を行う様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。以下、本発明を実施形態に即して添付図面を参照しつつ説明する。
【0019】
==概要==
図1は、本実施形態に係る器具1000(詳細は後述する。
図1には不図示)を用いて、補充用ビーズ収容袋(第1収容袋)110からビーズソファ200の中のインナー(第2収容袋)210にビーズ400を移し替える作業を行う様子を示す図である。
【0020】
図1に示す例では、作業者は、補充用ビーズ収容袋110に器具1000(
図1には不図示)を装着した上で、ビーズソファ200の内部に収容されている布地で作られたインナー210のジッパー(
図1には不図示)を開け、インナー210の開口部(
図1には不図示)に器具1000を差し込むことで、補充用ビーズ収容袋110とインナー210とを連結し、補充用ビーズ収容袋110内のビーズ400をインナー210の中に直接流し入れるようにしている。
【0021】
このような態様により、一人で作業を行う場合であっても、こぼさずにビーズ400をインナー210に補充することが可能となる。
【0022】
==器具==
次に、上述した器具1000の構成について
図2~
図4を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
器具1000は、
図2及び
図3に示すように、第1部品1100及び第2部品1200を備えて構成される。
【0024】
本実施形態では、第1部品1100及び第2部品1200は、それぞれがポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂を一体成形することにより製造されるが、ABS樹脂や金属を材料として製造されてもよい。
【0025】
<第1部品>
第1部品1100は、リング状の外枠部1110と、外枠部1110から外向きの径方向に突出する複数の突起部1120と、を有して構成される。
【0026】
外枠部1110は中空の筒の形状を有している。また外枠部1110は、周方向に切れ目なく連続するように成形されている。外枠部1110は、本実施形態では、内側面1111の横断面が円形をした円筒の形状であるが、横断面が多角形(三角形、四角形、五角形、六角形など)をした角筒の形状でもよい。また横断面が楕円形をした楕円筒の形状でもよい。
【0027】
外枠部1110の内側面1111には、後述する第2部品1200の外側面1212に形成されたネジ山(第2嵌合部)1213と螺合可能なネジ溝(第1嵌合部)1113が形成されている。このため、第1部品1100及び第2部品1200は、互いの筒軸をそろえた状態で筒軸の周りに一方を回転させることで結合及び分離することができる。なお、外枠部1110の内側面1111の横断面が多角形や楕円形である場合は、第1嵌合部1113及び第2嵌合部1213は、相互に嵌まり合うように位置決めされた凸凹の形状となる。この場合、第1部品1100及び第2部品1200は、互いの筒軸をそろえた状態で筒軸方向に一方を押し込むことにより結合でき、一方を引き抜くことにより分離できる。
【0028】
なお、外枠部1110の外側面1112の横断面の形状は、内側面1111の横断面の形状と異なっていてもよい。
【0029】
そして外枠部1110の外側面1112には、棒状に延伸する複数の突起部1120が設けられている。突起部1120は、第1部品1100の製造時に外枠部1110と一体成型されることが好ましいが、外枠部1110とは別に製造されたのちに、外枠部1110に装着(接着や溶着、ねじ留め、嵌め合わせ等)される態様としてもよい。
【0030】
本実施形態では、2本の直方体形状の突起部1120が外枠部1110から互いに逆向き(180度異なる向き)に突出する態様としているが、突起部1120は2本以上でもよい。例えば第1部品1100は、120度ずつ向きが異なる3本の突起部1120を備える構成や、90度ずつ向きが異なる4本の突起部1120を備える構成でもよい。さらには隣り合う突起部1120間の角度が均一でなくてもよい。
【0031】
また突起部1120は、外枠部1110から外向きの径方向に延伸する部分を有していれば良く、直方体の他にも円筒形や螺旋の形状、リングの形状などでもよいし、途中から延伸方向が変化したり形状が変わったりしてもよい。さらに突起部1120には模様などの装飾が施されていてもよいし、動物やキャラクターなどの立体形状が形成されていてもよい。また突起部1120は、軽量化やコスト低減のために内部がくり抜かれた形状にするとよい。
【0032】
<第2部品>
一方、第2部品1200は、第1部品1100の外枠部1110の内側面1111に嵌合可能な外側面1212を有する中空の筒の形状を有した円筒部1210を有し、上記外側面1212を外枠部1110の内側面1111に嵌合させることにより第1部品1100に装着される。
【0033】
円筒部1210は、中空の筒の形状を有しており、本実施形態では筒の外側面1212の横断面が円形をした円筒の形状である。円筒部1210の外側面1212の形状は、第1部品1100の内側面1111の形状に対応しており、横断面が多角形(三角形、四角形、五角形、六角形など)をした角筒の形状や、横断面が楕円形をした楕円筒でもよい。
【0034】
円筒部1210の外側面1212には、第1部品1100に形成されたネジ溝(第1嵌合部)1113と螺合するネジ山(第2嵌合部)1213が形成されている。また第1部品1100の内側面1111の横断面が多角形や楕円形である場合は、第1嵌合部1113及び第2嵌合部1213は、相互に嵌まり合うように位置決めされた凸凹の形状となる。
【0035】
また円筒部1210の外側面1212には、外向きの径方向に鍔状に延出するストッパ1214が形成されている。ストッパ1214は、第1部品1100を第2部品1200に結合する際に、第1部品1100の外枠部1110が当接する位置に形成されている。円筒部1210にストッパ1214を設けることにより、第1部品1100と第2部品1200とを嵌め合わせる際の固定位置を規定することが可能となり、締め過ぎによる破損を予防できる。またストッパ1214を設けることにより、筒状の第2部品1200の強度を向上させることも可能である。
【0036】
また詳細は後述するが、器具1000を補充用ビーズ収容袋110に装着する際には、外枠部1110の内側面1111と円筒部1210の外側面1212との間に補充用ビーズ収容袋110を挟み込むようにするが、円筒部1210にストッパ1214を設けることにより、外枠部1110とストッパ1214との間にも補充用ビーズ収容袋110を挟み込むことが可能になるので、器具1000をより強固に補充用ビーズ収容袋110に固定することが可能になる。これにより、補充用ビーズ収容袋110から器具1000が外れてビーズソファ200内に落下してしまうような不便をより確実に防止することが可能となる。
【0037】
なお、円筒部1210の内側面1211の横断面の形状は、外側面1212の横断面の形状と異なっていてもよい。
【0038】
また第2部品1200は、筒状の円筒部1210の一方の開放端面を開閉可能とするべく、円筒部1210に連結された蓋1220を有する。より具体的には、蓋1220は、円筒部1210のストッパ1214の位置から見て、第1部品1100に結合するためのネジ山1213が設けられていない側の開放端面を開閉するように設けられる。つまり、蓋1220は、器具1000を補充用ビーズ収容袋110に装着した際に、補充用ビーズ収容袋110の外部に出ることになる側の端面に設けられる。
【0039】
図4を参照しながら蓋1220について詳細に説明する。
【0040】
蓋1220は、第2部品1200の円筒部1210の一方の開放端面を閉塞可能な蓋本体部1221と、蓋本体部1221を第2部品1200の円筒部1210に連結する蓋連結部1222と、蓋本体部1221に立設され、円筒部1210の内側面1211に嵌合する形状を有する蓋固定部1223と、を有する。
【0041】
蓋固定部1223を内側面1211と嵌め合わせることにより、蓋1220が閉じられ、円筒部1210の端面は閉塞した状態となる。逆に、蓋固定部1223と内側面1211との嵌め合わせを解除することにより、蓋1220が開き、円筒部1210の端面は開放した状態となる。
【0042】
このように、蓋1220は適宜開閉可能であるが、蓋1220を開けても閉めても蓋1220と円筒部1210は蓋連結部1222によって常に連結されている。そのため、蓋1220の紛失を防止することが可能である。また、仮にビーズソファ200にビーズ400を補充している間に蓋1220のみが外れると、ビーズソファ200内の大量のビーズ400の中で蓋1220を見失うことになるが、本実施形態のように蓋1220を蓋連結部1222によって円筒部1210と連結させることにより、そのような事態を防止することが可能となる。
【0043】
なお器具1000は、上記のような構成を有することで、補充用ビーズ収容袋110から外部の袋状物にビーズ400のような充填材を供給するための充填材供給用部材として機能すると共に、補充用ビーズ収容袋110がインナー210から抜けにくくなるような抜け防止部材としても機能する。
【0044】
そして、上記のような器具1000を用いることにより、補充用ビーズ収容袋110内のビーズ400をビーズソファ200に移し替える作業を容易化することが可能となる。
【0045】
==ビーズの補充==
次に、補充用ビーズ収容袋(第1収容袋)110に収容されたビーズ(粒体)400を、器具1000を用いてビーズソファ200に補充する際の作業の流れを、
図5~
図8を参照しながら説明する。なお補充用ビーズ収容袋110は、ポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン、ポリプロピレン、布地等を袋状に成型したものである。
【0046】
まず作業者は、
図5に示すように、補充用ビーズ収容袋110の所定位置(角部等)をハサミで切り落とし、補充用ビーズ収容袋110に第1開口部111を形成する。第1開口部111の大きさを均一にするため、補充用ビーズ収容袋110には、ハサミで切り落とす位置を示す目印(破線等)が印刷されているとよい。あるいは、補充用ビーズ収容袋110の所定位置(角部等)を作業者が手でちぎって切り落とすことで、補充用ビーズ収容袋110に第1開口部111を形成するようにしてもよい。
【0047】
続いて作業者は、
図6に示すように、補充用ビーズ収容袋110に形成した第1開口部111を第1部品1100の外枠部1110の内側を通過させるようにして、第1部品1100を補充用ビーズ収容袋110に装着する。このとき、第1部品1100には上述した突起部1120が形成されているため、作業者は、一方の手で突起部1120を把持し、他方の手で第1開口部111の周縁部112を把持することにより、第1部品1100の装着作業を容易に行うことができる。これにより、第1部品1100を作業の途中で落下させたりすることなく、容易に補充用ビーズ収容袋110に装着することが可能となる。
【0048】
次に作業者は、
図7に示すように、第2部品1200の外側面1212と第1部品1100の内側面1111との間に補充用ビーズ収容袋110を挟みつつ、外側面1212を内側面1111に嵌合(螺合)させることにより、第2部品1200を第1部品1100に装着する。これにより、器具1000が補充用ビーズ収容袋110に固定される。このとき、外側面1212と内側面1111との間に補充用ビーズ収容袋110を挟み込んでいるため、器具1000を強固に補充用ビーズ収容袋110に固定することができる。
【0049】
また補充用ビーズ収容袋110を挟み込んだ状態で第2部品1200を第1部品1100に装着する際に、第1部品1100に大きな力が加わっても、第1部品1100の外枠部1110が周方向に切れ目なく連続するように一体的に成形されているため、外枠部1110の変形や破損を防止でき、補充用ビーズ収容袋110に器具1000を強固に固定することができる。
【0050】
さらに補充用ビーズ収容袋110は、内側面1111と外側面1212との間のみならず、外枠部1110とストッパ1214との間にも挟み込まれるため、器具1000はより強固に補充用ビーズ収容袋110に固定される。このようにして、ビーズ400の補充作業中における器具1000の外れをより確実に防止できるので、より効率的に補充作業を行うことが可能となる。
【0051】
その後作業者は、
図8に示すように、ビーズソファ200のインナー210のジッパー212を開けることでインナー210に第2開口部211を形成し、第2開口部211を介して器具1000をインナー210の内部に挿入する。これにより、補充用ビーズ収容袋110の第1開口部111と、インナー210の第2開口部211とが連通するため、補充用ビーズ収容袋110からインナー210の内部にビーズ400を直接移し替えることが可能となる。
【0052】
またこのとき、第1部品1100の突起部1120が、インナー210の第2開口部211の周辺部分に引っ掛かる様に作用するため、作業者が補充用ビーズ収容袋110を不意に持ち上げるようなことがあっても、補充用ビーズ収容袋110がインナー210から外れにくくできる。
【0053】
なお、器具1000をインナー210の第2開口部211の内部に挿入した後にジッパー212を適度に閉めておくことにより、より確実に補充用ビーズ収容袋110をインナー210から外れにくくすることが可能である。
【0054】
そしてビーズ400の補充作業が終了した後、補充用ビーズ収容袋110内にビーズ400が余った場合は、補充用ビーズ収容袋110に器具1000を装着したまま蓋1220を閉じておくことで、余ったビーズ400を保管しておくこともできる。
【0055】
以上、本実施形態に係る器具1000について詳細に説明したが、本実施形態に係る器具1000を用いることにより、ビーズソファ200へのビーズ400の補充作業を容易化することが可能になる。特にビーズ400の補充作業を一人で行う場合には極めて有用である。
【0056】
また、ビーズ400を収容した補充用ビーズ収容袋(第1収容袋)110に上述した第1部品1100を装着し、この第1部品1100に第2部品1200を装着することで、補充用ビーズ収容袋110と器具1000とが一体化した粒体収容体を構成することが可能である。
【0057】
また器具1000は、第1部品1100と第2部品1200の2パーツ構成となっており、蓋1220が第2部品1200と一体的に構成されているので、作業中に不意に蓋1220が外れてビーズソファ200の中で紛失するような事態を防止することができる。
【0058】
また蓋1220が第2部品1200と一体的に構成されており蓋1220を紛失することがないため、器具1000を補充用ビーズ収容袋110に装着したまま蓋1220を閉めておくだけで、余ったビーズ400を保管しておくこともできる。
【0059】
このように、本実施形態に係る器具1000によれば、ビーズソファ200のインナー210に器具1000を差し込み、ジッパー212を閉めることで突起部1120がインナー210に引っかかるようにできるため、ビーズ400の補充時に補充用ビーズ収容袋110が抜けないようにすることができる。
【0060】
これにより、1人でビーズ400の補充を行ってもビーズ400をこぼしてしまうことが防止できる。
【0061】
また、器具1000を構成するパーツ数を2つにすることで、蓋1220の脱落リスクをなくし、安心してビーズ400の補充作業を行うことが可能になる。
【0062】
このようにして、「ストレスの無い社会を実現する」との理念の下、ビーズ400を補充することそのもののストレスや、ビーズ400をこぼして掃除することのストレス、蓋1220をビーズ400の海に落として探すストレスなどを軽減できるビーズ補充用パーツとして、器具1000が開発された。
【0063】
なお上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0064】
例えば上述したビーズソファ200はビーズクッションでもよい。さらにビーズソファ200は、インナー210を覆う外装カバーを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。またビーズ400の補充先は、ぬいぐるみなどのようにビーズソファ200以外でも良い。
【0065】
さらに、器具1000は、ビーズ400を補充する場合だけでなく、広く、第1収容袋110に収容された粒体400を第2収容袋210に移し替える場合に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0066】
110 補充用ビーズ収容袋(第1収容袋)
111 第1開口部
112 辺縁部
200 ビーズソファ
210 インナー(第2収容袋)
211 第2開口部
212 ジッパー
400 ビーズ(粒体)
500 筒体
1000 器具
1100 第1部品
1110 外枠部
1111 内側面
1112 外側面
1113 ネジ溝(第1嵌合部)
1120 突起部
1200 第2部品
1210 円筒部
1211 内側面
1212 外側面
1213 ネジ山(第2嵌合部)
1214 ストッパ
1220 蓋
1221 蓋本体部
1222 蓋連結部
1223 蓋固定部