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▶ 杉本 彩代の特許一覧

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  • 特開-装身具用留具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117036
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】装身具用留具
(51)【国際特許分類】
   A44C 25/00 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
A44C25/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023035069
(22)【出願日】2023-02-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】523081904
【氏名又は名称】杉本 彩代
(72)【発明者】
【氏名】杉本 彩代
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114EB05
(57)【要約】
【課題】二つの部品を互いに近づけるだけでしっかりと連結されるような、装身具用留具を提供する。
【解決手段】紐状の装身具の両端に設けられ互いに軸方向に連結可能な第一連結部品11及び第二連結部品12からなる装身具用留具1であって、第一連結部品11が、軸方向に沿った一の方向に突出する突起11aと、その先端に設置された第一磁石91とを有し、第二連結部品12が、一の方向に窪んで形成されており連結時に突起11aを収容する凹部12aと、その底部に設置された第二磁石92と、第二磁石92から軸方向の他の方向に離れており凹部12aより径方向外側に設置された第三磁石93とを有し、第一磁石91が軸方向において第二磁石92と第三磁石93との間に位置する場合、第二磁石92が第一磁石91に対して一の方向に向けて引力を作用させるとともに、第三磁石93が第一磁石91に対して一の方向に向けて反発力を作用させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐状の装身具の両端に設けられ互いに軸方向に連結可能な第一連結部品及び第二連結部品からなる装身具用留具であって、
前記第一連結部品が、
軸方向に沿った一の方向に突出する突起と、
前記突起の先端に設置された第一磁石とを有し、
前記第二連結部品が、
前記一の方向に窪んで形成されており連結時に前記第一連結部品の前記突起を収容する凹部と、
前記凹部の底部に設置された第二磁石と、
前記第二磁石から軸方向の他の方向に離れており前記凹部より径方向外側に設置された第三磁石とを有し、
前記第一磁石が軸方向において前記第二磁石と前記第三磁石との間に位置する場合、前記第二磁石が前記第一磁石に対して前記一の方向に向けて引力を作用させるとともに、前記第三磁石が前記第一磁石に対して前記一の方向に向けて反発力を作用させ、
前記第一磁石が軸方向において前記第三磁石より前記他の方向の側に位置する場合、前記第三磁石が前記第一磁石に対して前記他の方向に向けて反発力を作用させる
ことを特徴とする装身具用留具。
【請求項2】
前記第一連結部品と前記第二連結部品とが、連結時に、軸方向に垂直な面に対して傾斜する平面で互いに接触する
ことを特徴とする請求項1に記載の装身具用留具。
【請求項3】
前記第一連結部品と前記第二連結部品とが、連結時に、曲面で互いに接触する
ことを特徴とする請求項1に記載の装身具用留具。
【請求項4】
前記曲面が、軸方向を中心とする螺旋状の面からなる螺旋面である
ことを特徴とする請求項3に記載の装身具用留具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐状の装身具を容易に着脱できる装身具用留具に関する。
【背景技術】
【0002】
ネックレス等の紐状の装身具の留具として、磁力を用いるものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されている留具は、二つの磁石を用いて連結できるようになっている。さらに特許文献1に記載されている留具は、連結した状態で外れにくくなるよう、傾斜状凹部と、それに嵌る傾斜状凸部を有している。そのため、しっかり連結する時には回転しなければならない。もしも回転せずに連結しようとすると、磁力の引力で一応はくっついた状態になるが、結合力が弱く、外から軽く引っ張られたような場合でも、すぐに分離してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56-60505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、従来の装身具用留具では、二つの部品を近づけるだけでは結合力が弱く、分離しやすいという点である。
【0005】
本発明は、二つの部品を互いに近づけるだけでしっかりと連結されるような、装身具用留具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の装身具用留具は、紐状の装身具の両端に設けられ互いに軸方向に連結可能な第一連結部品及び第二連結部品からなる装身具用留具であって、前記第一連結部品が、軸方向に沿った一の方向に突出する突起と、前記突起の先端に設置された第一磁石とを有し、前記第二連結部品が、前記一の方向に窪んで形成されており連結時に前記第一連結部品の前記突起を収容する凹部と、前記凹部の底部に設置された第二磁石と、前記第二磁石から軸方向の他の方向に離れており前記凹部より径方向外側に設置された第三磁石とを有し、前記第一磁石が軸方向において前記第二磁石と前記第三磁石との間に位置する場合、前記第二磁石が前記第一磁石に対して前記一の方向に向けて引力を作用させるとともに、前記第三磁石が前記第一磁石に対して前記一の方向に向けて反発力を作用させ、前記第一磁石が軸方向において前記第三磁石より前記他の方向の側に位置する場合、前記第三磁石が前記第一磁石に対して前記他の方向に向けて反発力を作用させることを特徴とする。
【0007】
また本発明の他の装身具用留具は、前記第一連結部品と前記第二連結部品とが、連結時に、軸方向に垂直な面に対して傾斜する平面で互いに接触することを特徴とする。
【0008】
また本発明の他の装身具用留具は、前記第一連結部品と前記第二連結部品とが、連結時に、曲面で互いに接触することを特徴とする。
【0009】
また本発明の他の装身具用留具は、前記曲面が、軸方向を中心とする螺旋状の面からなる螺旋面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の装身具用留具は、二つの部品を互いに近づけるだけでしっかりと連結される。
【0011】
また本発明の他の装身具用留具は、軸方向周りにひねることで二つの部品が離れ、簡単に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態の装身具用留具を使用した装身具全体を示す図である。
図2】本発明の第一実施形態の装身具用留具の第一連結部品を示す斜視図と正面図である。
図3】本発明の第一実施形態の装身具用留具の第二連結部品を示す斜視図と正面断面図である。
図4】本発明の第一実施形態の装身具用留具の連結されている状態を示す一部断面正面図である。
図5】本発明の第一実施形態の装身具用留具の分離状態を示す一部断面正面図である。
図6】本発明の第二実施形態の装身具用留具を分離して示す斜視図である。
図7】本発明の第三実施形態の装身具用留具を示す平面図と正面図である。
図8】本発明の第四実施形態の装身具用留具を示す正面図とA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態の装身具用留具1は、紐状の装身具Cの端部に設置される(図1参照)。装身具用留具1は、大きく分けて、第一連結部品11と第二連結部品12を有する。第一連結部品11の取付部11d及び第二連結部品12の取付部12dが、それぞれ装身具Cの両端に設置される。第一連結部品11と第二連結部品12が連結されると、図1のように、装身具Cは環状になる。第一連結部品11と第二連結部品12が分離していると、装身具Cは紐状になる。第一連結部品11及び第二連結部品12は、おおむね円筒状の外形を有している。
【0014】
次に図2に基づいて第一連結部品11の説明をする。第一連結部品11は、軸方向に沿った一の方向に突出する突起11aを有する。突起11aの先端には第一磁石91が設置されている。第一連結部品11は傾斜面11bを有しており、傾斜面11bは軸方向に垂直な面に対して傾斜する平面である。
次に第一連結部品11の第一磁石91の磁極について説明する。第一磁石91の91aはN極であり、91bはS極である。
【0015】
次に図3に基づいて第二連結部品12の説明をする。第二連結部品12は、軸方向に沿った一の方向に窪んで形成された凹部12aを有する。凹部12aは、第一連結部品11と第二連結部品12が連結された時に、突起11aを収容する。凹部12aの底部には第二磁石92が設置されている。第二連結部品12は第三磁石93を有しており、第三磁石93は、第二磁石92から軸方向の他の方向に離れており、凹部12aより径方向外側に設置されている。第二連結部品12は傾斜面12bを有しており、傾斜面12bは軸方向に垂直な面に対して傾斜する平面である。傾斜面12bは、第一連結部品11と第二連結部品12が連結された時に、傾斜面11bと面で接触する。
次に第二連結部品12の磁石の磁極について説明する。第二磁石92の92aはN極であり、92bはS極である。第二連結部品12が有するもう一つの磁石である第三磁石93の、93aはN極であり、93bはS極である。
【0016】
次に図4に基づいて第一連結部品11と第二連結部品12を連結する状態について説明する。分離した状態から第一連結部品11と第二連結部品12を連結するには、近づければよい。第二連結部品12の凹部12aに、第一連結部品11の突起11aを挿入して、第一磁石91が軸方向において第二磁石92と第三磁石93の間に位置すると、第一磁石91のN極91aと第二磁石92のS極92bが向かい合っているため引力が発生する。これに加えて第一磁石91のS極91bと第三磁石93のS極93bが向かい合っているため反発力が発生する。したがって第一連結部品11と第二連結部品12は、強固に結合する。このとき第一連結部品11の傾斜面11bと、第二連結部品12の傾斜面12bは、面で接触している。
なお、装身具Cが引っ張られたような場合、第一連結部品11と第二連結部品12が分離するような方向に力がかかる。そうすると第一連結部品11が他の方向に移動しようとする。そのとき、第一磁石91が第三磁石93に近づく。すると第一磁石91のS極91bと第三磁石93のS極93bの間の反発力がさらに強くなるので、第一連結部品11は一の方向に向けて戻される。そのため第一連結部品11と第二連結部品12は、装身具Cに外から引っ張られるような力がかかっても、簡単には分離しない。
【0017】
次に図5に基づいて第一連結部品11と第二連結部品12を分離する状態について説明する。連結した状態から第一連結部品11と第二連結部品12を分離するには、第一連結部品11を、第二連結部品12に対して、軸方向のまわりにいずれか一方に回せばよい。すると第一連結部品11の傾斜面11bと第二連結部品12の傾斜面12bが面で接触した状態を維持できなくなり、軸方向に離れる。すると第一連結部品11は第二連結部品12から他の方向に向けて移動する。すなわち第一磁石91は第二磁石92から他の方向に向けて移動する。そして第一磁石91が第三磁石93より他の方向側に位置すると、第一磁石91のN極91aと第三磁石93のN極93aが向かい合っているため反発力が発生する。したがって第一連結部品11は他の方向に向けて反発力を受ける。そのあとは第一連結部品11を引っ張れば簡単に分離することができる。
【0018】
〔第二実施形態〕
次に図6に基づいて、本発明の第二実施形態の装身具用留具2について説明する。第二実施形態の装身具用留具2と、第一実施形態の装身具用留具1の違いは、第一連結部品21と第二連結部品22とが、連結時に、平面ではなく曲面で互いに接触するだけである。そのため、第一連結部品21は傾斜面21bと垂直面21cを有しこれらが曲面を構成する。第二連結部品22は傾斜面22bと垂直面22cを有しこれらが曲面を構成する。すなわち、第一連結部品21と第二連結部品22の連結時には、傾斜面21b及び垂直面21cからなる曲面が、傾斜面22b及び垂直面22cからなる曲面と、面で接触している。
連結した状態から第一連結部品21と第二連結部品22を分離するには第一連結部品21を、第二連結部品22に対して、軸方向の周りにいずれか一方に回せばよい。すると第一連結部品21の傾斜面21b及び垂直面21cからなる曲面と第二連結部品22の傾斜面22b及び垂直面22cからなる曲面が面で接触した状態を維持できなくなり、軸方向に離れる。すると第一連結部品21は第二連結部品22から他の方向に向けて移動する。この後の磁力の作用は第一実施形態と同様である。
【0019】
〔第三実施形態〕
次に図7に基づいて、本発明の第三実施形態の装身具用留具3について説明する。第三実施形態の装身具用留具3と、第一実施形態の装身具用留具1の違いは、第一連結部品31と第二連結部品32とが、連結時に、平面ではなく軸方向を中心とする螺旋状の面からなる螺旋面で互いに接触するだけである。そのため、第一連結部品31は螺旋面31b,31cを有す。第二連結部品32は螺旋面32b,32cを有す。すなわち、第一連結部品31と第二連結部品32の連結時には、螺旋面31b,31cが、螺旋面32b,32cと、それぞれ面で接触している。
連結した状態から第一連結部品31と第二連結部品32を分離するには第一連結部品31を、第二連結部品32に対して、軸方向の周りにいずれか一方に回せばよい。すると第一連結部品31の螺旋面31bと第二連結部品32の螺旋面32bが部分的に接触しつつ、第一連結部品31の螺旋面31cと第二連結部品32の螺旋面32cが互いに離れてゆくか、あるいは、第一連結部品31の螺旋面31cと第二連結部品32の螺旋面32cが部分的に接触しつつ、第一連結部品31の螺旋面31bと第二連結部品32の螺旋面32bが互いに離れてゆく。すると第一連結部品31は第二連結部品32から他の方向に向けて移動する。この後の磁力の作用は第一実施形態と同様である。
【0020】
〔第四実施形態〕
次に図8に基づいて、本発明の第四実施形態の装身具用留具4について説明する。第四実施形態の装身具用留具4と、第一実施形態の装身具用留具1の違いは、第二連結部品42に内蔵されている第三磁石94の形状が円柱型ではなく円環型であるだけである。そのため、第一連結部品41の形は第一連結部品11と変わらない。第一実施形態の第二連結部品12では一部分にのみ第三磁石93が内蔵されている。しかし、第二連結部品42では、第三磁石94は凹部42aの外側を周回するような円環状の形をしている。そのため連結する際には、第三磁石94が第一磁石91に与える反発力が強くなり、第一連結部品41と第二連結部品42は、より強固に連結する。分離する際は、第一磁石91が第三磁石94より他の方向に位置すると、第一磁石91と第三磁石94との間に円柱型の磁石よりもより強い反発力が働くため、第一連結部品41と第二連結部品42は離れやすくなる。
【0021】
〔他の変形例〕
なお、上述の各実施形態では、91a,92a,93aをN極、91b,92b,93bをS極としたが、これらは逆に設定してもよい。また上述の各実施形態では、装身具用留具1,2,3,4の外形が円筒状であったが、装身具用留め具の断面が三角形や四角形などの多角形にすることも、その他の任意の形状とすることも可能である。また第一実施形態の装身具用留具1は、第一連結部品11と第二連結部品12とが、傾斜面11b,12bで接触するようになっていたが、軸に垂直な平面で接触するよう構成することも可能である。また第二実施形態の装身具用留具2は、第一連結部品21と第二連結部品22とが、二つの平面が複合してなる曲面で接触するようになっていたが、任意の曲面で接触するよう構成することも可能である。
【符号の説明】
【0022】
1,2,3,4…装身具用留具
11,21,31,41…第一連結部品
11a,21a,31a,41a…突起
11b…傾斜面(平面)
21b…傾斜面(曲面)
21c…垂直面(曲面)
31b…螺旋面
31c…螺旋面
11d…取付部
12,22,32,42…第二連結部品
12a,22a,32a,42a…凹部
12b…傾斜面(平面)
22b…傾斜面(曲面)
22c…垂直面(曲面)
32b…螺旋面
32c…螺旋面
12d…取付部
91…第一磁石
92…第二磁石
93,94…第三磁石
91a,92a,93a…N極
91b,92b,93b…S極
C…装身具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐状の装身具の両端に設けられ互いに軸方向に連結可能な第一連結部品及び第二連結部品からなる装身具用留具であって、
前記第一連結部品が、
前記軸方向に沿った一の方向に突出する突起と、
前記突起の先端に設置された第一磁石とを有し、
前記第二連結部品が、
前記一の方向に窪んで形成されており連結時に前記第一連結部品の前記突起を収容する凹部と、
前記凹部の底部に設置された第二磁石と、
前記第二磁石から前記軸方向の他の方向に離れており前記凹部より径方向外側に設置された第三磁石とを有し、
前記第一磁石が前記軸方向において前記第二磁石と前記第三磁石との間に位置する場合、前記第二磁石が前記第一磁石に対して前記一の方向に向けて吸引力を作用させるとともに、前記第三磁石が前記第一磁石に対して前記一の方向に向けて反発力を作用させ、
前記第一磁石が前記軸方向において前記第三磁石より前記他の方向の側に位置する場合、前記第三磁石が前記第一磁石に対して前記他の方向に向けて反発力を作用させ、
前記第一連結部品及び前記第二連結部品が、前記軸方向に垂直な面に対して傾斜する平面である傾斜面をそれぞれ有し、
前記第一連結部品と前記第二連結部品とが連結した状態で、前記傾斜面同士が面で接触しており、
前記第一連結部品と前記第二連結部品とが連結した状態から、前記第一連結部品を前記第二連結部品に対して前記軸方向のまわりにいずれか一方に回すと、前記傾斜面同士が面で接触した状態を維持できなくなり、前記第一連結部品と前記第二連結部品とが前記軸方向に離れる
ことを特徴とする装身具用留具。