IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 高石工業株式会社の特許一覧

特開2024-1170370リングとゴム製バックアップリング、樹脂製バックアップリングを組み合わせた高圧水素機器の水素シール構造
<>
  • 特開-0リングとゴム製バックアップリング、樹脂製バックアップリングを組み合わせた高圧水素機器の水素シール構造 図1
  • 特開-0リングとゴム製バックアップリング、樹脂製バックアップリングを組み合わせた高圧水素機器の水素シール構造 図2
  • 特開-0リングとゴム製バックアップリング、樹脂製バックアップリングを組み合わせた高圧水素機器の水素シール構造 図3
  • 特開-0リングとゴム製バックアップリング、樹脂製バックアップリングを組み合わせた高圧水素機器の水素シール構造 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117037
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】0リングとゴム製バックアップリング、樹脂製バックアップリングを組み合わせた高圧水素機器の水素シール構造
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
F16J15/10 C
F16J15/10 T
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023035070
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】513321087
【氏名又は名称】高石工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 陽久
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040AA17
3J040BA02
3J040BA04
3J040CA01
3J040EA15
3J040FA05
3J040HA11
(57)【要約】
【課題】高圧水素機器において、0リングと樹脂製バックアップリングの組み合わせでは、加減圧により0リングが破壊されリーク(漏れ)が起きる。
【解決手段】高圧水素をシールする構造として、ゴム製バックアップリングを組み合わせると、0リングの破壊を防ぐことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧水素機器に使用される0リングとゴム製バックアップリング、樹脂製バックアップリングを組み合わせたシール構造。
【請求項2】
ゴム製バックアップリングは、水素をシールするOリング受圧側の反対側に組みつけ、さらにその次に樹脂製バックアップリングを組み付ける。
【請求項3】
減圧によりOリングが加圧方向と逆方向に引き込まれる場合は、反対側にもゴム製バックアップリングと樹脂製バックアップリングを組み付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水素機器に適用される水素シール構造に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
高圧水素をシールする0リングは、その圧力によって破壊されリーク(漏れ)になるトラブルが発生している。高圧流体をシールする場合、はみ出しを防ぐために樹脂製バックアップリングを使用することが一般的である。高圧水素をシールする場合は、加圧と減圧を繰り返すことから樹脂製バックアップリングを使用しても0リングが破壊される。0リングが破壊される原因は、高圧によるはみ出しと亀裂に起因しており、小さく発生したはみ出しや亀裂は、継続使用により徐々に進展し、破壊に至る。つまり、0リングにはみ出しや亀裂を発生させないことが破壊を防ぎ、ひいてはリーク(漏れ)を防ぐ。
【課題を解決するための手段】
【0003】
高圧による0リングのはみ出しや亀裂を防ぐ方法として、ゴム製バックアップリングを組み合わせて使用する。ゴム製バックアップリングは硬さが高いものが好ましく、また構造として樹脂のバックアップリングと併用する。
【発明の効果】
【0004】
0リングのはみ出しや亀裂は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】 本発明のシール構造(内側の軸に装着加減圧有の場合)
図2】 本発明のシール構造(内側の軸に装着片側受圧の場合)
図3】 本発明のシール構造(外側の円筒に装着加減圧有の場合)
図4】 本発明のシール構造(外側の円筒に装着片側受圧の場合)
【発明を実施するための形態】
【0006】
ゴム製バックアップリングは、0リングの次に装着する。0リングの圧力を受ける側(受圧側)と反対側に装着する。ゴム製バックアップリングの次には樹脂製バックアップリングを装着する。
図1は、内側の軸に装着し、加圧方向と減圧により逆方向に引き込まれる場合を指す。図2は、内側の軸に装着し、片側のみ圧力を受ける場合を指す。図3は、外側の円筒に装着し、加圧方向と減圧により逆方向に引き込まれる場合を指す。図4は、外側の円筒に装着し、片側のみ圧力を受ける場合を指す。
【実施例0007】
高圧水素をシールする治具を作製し、流体は水素を使用、加減圧条件にてサイクルを実施した。
圧力条件は6秒を1サイクルとし、1秒で0MPaから90MPaに昇圧、3秒90MPaを保持し1秒で0MPaまで減圧、1秒0MPaを保持し昇圧する、というサイクルを繰り返した。
シール構造としては、図1(内側の軸に装着加減圧有の場合)を例に行った。ゴム製バックアップリングを装着したサンプル(試験No.1)と、樹脂製バックアップリングのみ使用のサンプル(試験No.2)を用意した。結果、試験No.1は30,000サイクルでリーク無し、試験No.2は、20,000サイクルでリークが発生した。試験No.1の0リングは異常が無く、試験No.2の0リングには、はみ出しと亀裂が確認された。
この結果から、ゴム製バックアップリングを組み合わせることにより、Oリングの破壊を防ぐ効果が確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0008】
高圧水素用機器が想定される。例として、水素ステーション内に設置される水素圧縮機の水素シール、水素ディスペンサーの水素シール、水素タンクの水素シールなどが挙げられる。また燃料電池車内の水素シールも想定として挙げられる。他にも高圧水素のシールとして使用が近いものであれば適用の可能性がある。
【符号の説明】
【0009】
1 ゴム製バックアップリング
図1
図2
図3
図4