IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 台湾中油股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特開2024-117044多孔性バイオ炭材料及びその製造方法
<>
  • 特開-多孔性バイオ炭材料及びその製造方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117044
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】多孔性バイオ炭材料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/05 20170101AFI20240821BHJP
【FI】
C01B32/05
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060200
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】112105499
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519051920
【氏名又は名称】台湾中油股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CPC Corporation,Taiwan
【住所又は居所原語表記】No.2,Zuonan Rd.,Nanzi Dist.,Kaohsiung City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100175064
【弁理士】
【氏名又は名称】相澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】謝子賢
(72)【発明者】
【氏名】張家瑜
(72)【発明者】
【氏名】呉志勇
(72)【発明者】
【氏名】張揚状
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AC08B
4G146AC09B
4G146AC10B
4G146AD23
4G146BA31
4G146BA32
4G146BA34
4G146BA38
4G146BB12
4G146BC02
4G146BC23
4G146BC33A
4G146BC33B
4G146BC41
4G146BC43
4G146CA16
4G146CB12
4G146CB37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造工程を簡素化でき、かつ産物の経済価値を高められる、多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【解決手段】混合温度においてバイオマス炭素源と酸化剤とを均等に混合することにより原料混合物が得られる材料準備工程S1と、低酸素状態において、前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物を酸化還元させることにより原始産物が得られる酸化還元工程S2と、前記原始産物を酸洗することにより第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物乾燥させることにより乾燥産物が得られる第一酸洗乾燥工程S3と、低酸素状態において、前記乾燥産物を熱処理温度で加熱することにより揮発性成分除去産物が得られる熱処理工程S4と、第二酸洗産物から多孔性バイオ炭材料が得られる第二酸洗乾燥工程S5とが含まれることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合温度において、ブドウ糖またはリグニンであるバイオマス炭素源と硝酸カリウムまたは硝酸アンモニウムである酸化剤とをかき混ぜる方式で均等に混合することにより原料混合物が得られる材料準備工程と、
低酸素状態において、前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物を酸化還元させることにより原始産物が得られる酸化還元工程と、
前記原始産物を酸洗することにより第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して乾燥させることにより乾燥産物が得られる第一酸洗乾燥工程と、
低酸素状態において、前記乾燥産物を熱処理温度で加熱し、前記乾燥産物に残留する揮発性成分を除去することにより揮発性成分除去産物が得られる熱処理工程と、
前記揮発性成分除去産物を酸洗することにより第二酸洗産物を得て、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して乾燥させることにより多孔性バイオ炭材料が得られる第二酸洗乾燥工程と、
が含まれることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法。
【請求項2】
前記材料準備工程と前記酸化還元工程との間に、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する冷却固定工程がさらに含まれ、かつ前記酸化還元工程では冷却固定された前記原料混合物を酸化還元させることにより前記原始産物が得られることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記酸化還元工程と酸洗乾燥工程との間に、前記原始産物を研磨することにより研磨産物を取得する研磨工程がされに含まれ、かつ前記第一酸洗乾燥工程では前記研磨産物を酸洗することにより前記第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物を乾燥させることにより前記乾燥産物が得られることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記原料準備工程において、前記バイオマス炭素源と前記酸化剤とは粉体を直接に混合する方式、あるいは溶媒で補助する方式で均等に混合することにより前記原料混合物が得られ、かつ溶媒で補助する方式における使用する前記溶媒が水またはアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記原料混合物において、前記バイオマス炭素源が10~90質量%、前記酸化剤が10~90質量%であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記材料準備工程において、前記混合温度が200℃~400℃であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記熱処理工程において、前記熱処理温度が700℃~900℃であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法により製造される多孔性バイオ炭材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオ炭材料及びその製造方法に関するもの、特に多孔性バイオ炭材料及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
台湾では年間平均100万トンの農業廃棄物が発生しているが、その多くはその場で埋め立てや焼却など無作為に処理されていたため、有効に再利用することができなかった。バイオ炭材料は、バイオマスの熱分解によって生成される産物であり、環境と資源に対する二重の炭素削減効果がある。近年、世界中の科学者は、農業廃棄物がバイオ炭材料の原料として使用できることを見出した。
【0003】
しかしながら、農業廃棄物からバイオ炭材料に製造する過程が時間やエネルギーを多く消費する。しかも従来の技術によって製造されたバイオ炭材料の経済価値が上げづらくなった。よって従来の製造方法を改良する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
故に、本発明の目的は製造工程を簡素化できてかつ産物の経済価値が高められるように、多孔性バイオ炭材料及びその製造方法提供することである。
【0005】
本発明が従来の技術問題を解決するために、混合温度において、ブドウ糖またはリグニンであるバイオマス炭素源と硝酸カリウムまたは硝酸アンモニウムである酸化剤とをかき混ぜる方式で均等に混合することにより原料混合物が得られる材料準備工程と、低酸素状態において、前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物を酸化還元させることにより原始産物が得られる酸化還元工程と、前記原始産物を酸洗することにより第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して乾燥させることにより乾燥産物が得られる第一酸洗乾燥工程と、低酸素状態において、前記乾燥産物を熱処理温度で加熱し、前記乾燥産物に残留する揮発性成分を除去することにより揮発性成分除去産物が得られる熱処理工程と、前記揮発性成分除去産物を酸洗することにより第二酸洗産物を得て、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して乾燥させることにより多孔性バイオ炭材料が得られる第二酸洗乾燥工程と、が含まれることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【0006】
本発明の一つの実施形態では前記材料準備工程と前記酸化還元工程との間に、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する冷却固定工程がさらに含まれ、かつ前記酸化還元工程では冷却固定された前記原料混合物を酸化還元させることにより前記原始産物が得られることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【0007】
本発明の一つの実施形態では前記酸化還元工程と酸洗乾燥工程との間に、前記原始産物を研磨することにより研磨産物を取得する研磨工程がされに含まれ、かつ前記第一酸洗乾燥工程では前記研磨産物を酸洗することにより前記第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物を乾燥させることにより前記乾燥産物が得られることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【0008】
本発明の一つの実施形態では前記原料準備工程において、前記バイオマス炭素源と前記酸化剤とは粉体を直接に混合する方式、あるいは溶媒で補助する方式で均等に混合することにより前記原料混合物が得られ、かつ溶媒で補助する方式における使用する前記溶媒が水またはアルコールであることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【0009】
本発明の一つの実施形態では前記原料混合物において、前記バイオマス炭素源が10~90質量%、前記酸化剤が10~90質量%であることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【0010】
本発明の一つの実施形態では前記材料準備工程において、前記混合温度が200℃~400℃であることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【0011】
本発明の一つの実施形態では前記熱処理工程において、前記熱処理温度が700℃~900℃であることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の多孔性バイオ炭材料の製造方法が採用する技術手段によると、製造工程の簡素化だけでなく、高表面積の多孔性バイオ炭材料も製造できて、産物の経済価値を高める。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の多孔性バイオ炭材料の製造方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施形態について図1に基づいて説明をする。該当説明は本発明の実施形態の一つの例示にすぎず、本発明の実施形態を限定するものではない。
【0015】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、以下の工程が含まれる:混合温度において、ブドウ糖またはリグニンであるバイオマス炭素源と硝酸カリウムまたは硝酸アンモニウムである酸化剤とをかき混ぜる方式で均等に混合することにより原料混合物が得られる材料準備工程S1。
【0016】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、低酸素状態において、前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物を酸化還元させることにより原始産物が得られる酸化還元工程S2が含まれる。
【0017】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記材料準備工程S1と前記酸化還元工程S2との間に、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する冷却固定工程S1がさらに含まれ、かつ前記酸化還元工程S2冷却固定された前記原料混合物を酸化還元させることにより前記原始産物が得られる。
【0018】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記原始産物を酸洗することにより第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して乾燥させることにより乾燥産物が得られる第一酸洗乾燥工程S3が含まれる。
【0019】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記酸化還元工程S2と酸洗乾燥工程S3との間に、前記原始産物を研磨することにより研磨産物を取得する研磨工程S21がされに含まれ、かつ前記第一酸洗乾燥工程では、前記研磨産物を酸洗することにより前記第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物を乾燥させることにより前記乾燥産物が得られる。
【0020】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、低酸素状態において、前記乾燥産物を熱処理温度で加熱し、前記乾燥産物に残留する揮発性成分を除去することにより揮発性成分除去産物が得られる熱処理工程S4が含まれる。
【0021】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記揮発性成分除去産物を酸洗することにより第二酸洗産物を得て、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して乾燥させることにより多孔性バイオ炭材料が得られる第二酸洗乾燥工程S5が含まれる。
【0022】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記原料準備工程において、前記バイオマス炭素源と前記酸化剤とは粉体を直接に混合する方式、あるいは溶媒で補助する方式で均等に混合することにより前記原料混合物が得られ、かつ溶媒で補助する方式における使用する前記溶媒が水またはアルコールである。
【0023】
本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記原料混合物において、前記バイオマス炭素源が10~90質量%、前記酸化剤が10~90質量%である。
【0024】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記材料準備工程において、前記混合温度が200℃~400℃である。
【0025】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記熱処理工程において、前記熱処理温度が700℃~900℃である。
【0026】
さらに詳しく言うと、本発明の実施形態が原料混合物の異なる質量%の比率によって実験を行い、それぞれを実施形態1、実施形態2、実施形態3、実施形態4及び実施形態5とする。以下はこれらの実施形態の内容をさらに詳しく説明する。
【0027】
実施形態1
【0028】
材料準備工程S1では、前記バイオマス炭素源がブドウ糖、前記酸化剤が硝酸カリウムであり、50質量%のブドウ糖と50質量%硝酸カリウムを230℃においてかき混ぜることにより93.26gの前記原料混合物を取得する。前記冷却固定工程S11では、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する。前記酸化還元工程S2では、安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:820 Standard Cubic Centimeter per Minute(SCCM))低酸素雰囲気を作り、前記低酸素雰囲気において冷却固定された前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物が自燃始めたら加熱を止めて、前記原料混合物の自燃により酸化還元を行うことにより前記原始産物を取得する。酸化還元反応が行う間に窒素雰囲気が定常的に流し続けていて、環境温度が室温まで冷却してから前記原始産物を取り出す。前記研磨工程S21では、前記原始産物を研磨して前記研磨産物を取得する。前記第一酸洗乾燥工程S3では、35質量%の塩酸で前記研磨産物を酸洗して前記第一酸洗産物を取得し、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第一酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記乾燥産物を取得する。前記熱処理工程S4では、前記乾燥産物を坩堝に入れて安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:5542 SCCM)低酸素雰囲気を作り、800℃の前記熱処理温度で前記乾燥産物に対して2時間の加熱焼成を加えて前記乾燥産物の残留揮発成分を除去することにより前記揮発成分除去産物を取得する。前記第二酸洗乾燥工程S5では、35質量%の塩酸で揮発成分除去産物を酸洗して前記第二酸洗産物を取得し、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第二酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記第二酸洗産物が多孔性バイオ炭材料に形成する。取得した多孔性バイオ炭材料の重量が1.315gであり、比表面積分析装置(BET)で測定した表面積は2526.74m/gである。
【0029】
さらに詳しく言うと、前記第一酸洗乾燥工程S3及び前記第二酸洗乾燥工程S5で使用された35質量%の塩酸が他の酸性溶液に置き換えて酸洗を行うことができる。
【0030】
実施形態2
【0031】
材料準備工程S1では、前記バイオマス炭素源がブドウ糖、前記酸化剤が硝酸カリウムであり、80質量%のブドウ糖と20質量%硝酸カリウムを230℃においてかき混ぜることにより61.86gの前記原料混合物を取得する。前記冷却固定工程S11では、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する。前記酸化還元工程S2では、安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:281 SCCM)低酸素雰囲気を作り、前記低酸素雰囲気において冷却固定された前記原料混合物を加熱し自燃させるものの、この質量%の比率の前記原料混合物が自燃しづらいため、前記原料混合物が自燃始めでも加熱し続ける必要があり、前記原料混合物の自燃により酸化還元を行うことにより前記原始産物を取得する。前記研磨工程S21では、前記原始産物を研磨して前記研磨産物を取得する。前記第一酸洗乾燥工程S3では、35質量%の塩酸で前記研磨産物を酸洗して前記第一酸洗産物を取得し、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第一酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記乾燥産物を取得する。前記熱処理工程S4では、前記乾燥産物を坩堝に入れて安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:5542 SCCM)低酸素雰囲気を作り、800℃の前記熱処理温度で前記乾燥産物に対して2時間の加熱焼成を加えて前記乾燥産物の残留揮発成分を除去することにより前記揮発成分除去産物を取得する。前記第二酸洗乾燥工程S5では、35質量%の塩酸で揮発成分除去産物を酸洗して前記第二酸洗産物を取得し、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第二酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記第二酸洗産物が多孔性バイオ炭材料に形成する。取得した多孔性バイオ炭材料の重量が2.612gであり、比表面積分析装置(BET)で測定した表面積は549.34m/gである。
【0032】
実施形態3
【0033】
材料準備工程S1では、前記バイオマス炭素源がブドウ糖、前記酸化剤が硝酸カリウムであり、70質量%のブドウ糖と30質量%硝酸カリウムを230℃においてかき混ぜることにより76.60gの前記原料混合物を取得する。前記冷却固定工程S11では、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する。前記酸化還元工程S2では、安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:281 SCCM)低酸素雰囲気を作り、前記低酸素雰囲気において冷却固定された前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物が自燃し始めたら加熱を止めて、前記原料混合物の自燃により酸化還元を行うことにより前記原始産物を取得する。酸化還元反応が行う間に窒素雰囲気が定常的に流し続けていて、環境温度が室温まで冷却してから前記原始産物を取り出す。前記研磨工程S21では、前記原始産物を研磨して前記研磨産物を取得する。前記第一酸洗乾燥工程S3では、35質量%の塩酸で前記研磨産物を酸洗して前記第一酸洗産物を取得し、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第一酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記乾燥産物を取得する。前記熱処理工程S4では、前記乾燥産物を坩堝に入れて安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:5542 SCCM)低酸素雰囲気を作り、800℃の前記熱処理温度で前記乾燥産物に対して2時間の加熱焼成を加えて前記乾燥産物の残留揮発成分を除去することにより前記揮発成分除去産物を取得する。前記第二酸洗乾燥工程S5では、35質量%の塩酸で揮発成分除去産物を酸洗して前記第二酸洗産物を取得し、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第二酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記第二酸洗産物が多孔性バイオ炭材料に形成する。取得した多孔性バイオ炭材料の重量が4.85gであり、比表面積分析装置(BET)で測定した表面積は763.61m/gである。
【0034】
実施形態4
【0035】
材料準備工程S1では、前記バイオマス炭素源がブドウ糖、前記酸化剤が硝酸カリウムであり、60質量%のブドウ糖と40質量%硝酸カリウムを230℃においてかき混ぜることにより54.75gの前記原料混合物を取得する。前記冷却固定工程S11では、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する。前記酸化還元工程S2では、安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:402 SCCM)低酸素雰囲気を作り、前記低酸素雰囲気において冷却固定された前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物が自燃始めたら加熱を止めて、前記原料混合物の自燃により酸化還元を行うことにより前記原始産物を取得する。酸化還元反応が行う間に窒素雰囲気が定常的に流し続けていて、環境温度が室温まで冷却してから前記原始産物を取り出す。前記研磨工程S21では、前記原始産物を研磨して前記研磨産物を取得する。前記第一酸洗乾燥工程S3では、35質量%の塩酸で前記研磨産物を酸洗して前記第一酸洗産物を取得し、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第一酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記乾燥産物を取得する。前記熱処理工程S4では、前記乾燥産物を坩堝に入れて安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:5542 SCCM)低酸素雰囲気を作り、800℃の前記熱処理温度で前記乾燥産物に対して2時間の加熱焼成を加えて前記乾燥産物の残留揮発成分を除去することにより前記揮発成分除去産物を取得する。前記第二酸洗乾燥工程S5では、35質量%の塩酸で揮発成分除去産物を酸洗して前記第二酸洗産物を取得し、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第二酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記第二酸洗産物が多孔性バイオ炭材料に形成する。取得した多孔性バイオ炭材料の重量が2.42gであり、比表面積分析装置(BET)で測定した表面積は1599.41m/gである。
【0036】
実施形態4
【0037】
材料準備工程S1では、前記バイオマス炭素源がブドウ糖、前記酸化剤が硝酸カリウムであり、50質量%のブドウ糖と50質量%硝酸カリウムを230℃においてかき混ぜることにより129.58gの前記原料混合物を取得する。前記冷却固定工程S11では、前記原料混合物を石英チューブに入れて冷却固定を行うことにより冷却固定された前記原料混合物を取得する。前記酸化還元工程S2では、安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:653 Standard Cubic Centimeter per Minute(SCCM))低酸素雰囲気を作り、前記低酸素雰囲気において冷却固定された前記原料混合物を加熱し自燃させて、前記原料混合物が自燃し始めたら加熱を止めて、前記原料混合物の自燃により酸化還元を行うことにより前記原始産物を取得する。酸化還元反応が行う間に窒素雰囲気が定常的に流し続けていて、環境温度が室温まで冷却してから前記原始産物を取り出す。前記研磨工程S21では、前記原始産物を研磨して前記研磨産物を取得する。前記第一酸洗乾燥工程S3では、35質量%の塩酸で前記研磨産物を酸洗して前記第一酸洗産物を取得し、前記第一酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第一酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記乾燥産物を取得する。前記熱処理工程S4では、前記乾燥産物を坩堝に入れて安定した窒素雰囲気を導入して(窒素の流量:5542 SCCM)低酸素雰囲気を作り、800℃の前記熱処理温度で前記乾燥産物に対して2時間の加熱焼成を加えて前記乾燥産物の残留揮発成分を除去することにより前記揮発成分除去産物を取得する。前記第二酸洗乾燥工程S5では、35質量%の塩酸で揮発成分除去産物を酸洗して前記第二酸洗産物を取得し、前記第二酸洗産物を脱イオン水で中性に洗浄して、105℃で前記第二酸洗産物を翌日まで乾燥処理することにより前記第二酸洗産物が多孔性バイオ炭材料に形成する。取得した多孔性バイオ炭材料の重量が1.62gであり、比表面積分析装置(BET)で測定した表面積は2124.05m/gである。
【0038】
詳しく言うと、前述の実施形態がバイオ炭素源と酸化剤(例えば:硝酸カリウム)の高酸素含有量かつ自発的に酸化することができ、高温で炭材料を活性化する特性を用いて、前記多孔性バイオ炭材料の製造工程において、酸化剤の比率を調整することにより産物(即ち本発明の多孔性バイオ炭材料)の表面積を簡単に調整する。従来の高表面積炭材料の製造工程が複数回の加熱と冷却工程が含まれていて、かつ高価で複雑な活性化技術を使用しなければならない。故に、従来の高表面積炭材料の製造工程に比べて、本発明の多孔性バイオ炭材料の製造方法は明らかに簡便である。
【0039】
本発明の多孔性バイオ炭材料の製造方法が採用する技術手段によると、製造工程の簡素化だけでなく、高表面積の多孔性バイオ炭材料も製造できる。前記多孔性バイオ炭材料が従来の活性炭に比べてより高速な物質移動率を備えていて、スーパーキャパシタまたはリチウムイオンキャパシタに応用できる電極に加工することができ、産物の経済価値を高める。
【0040】
本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
S1 材料準備工程
S11 冷却固定工程
S2 酸化還元工程
S21 研磨工程
S3 第一酸洗乾燥工程
S4 熱処理工程
S5 第二酸洗乾燥工程
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一つの実施形態では前記材料準備工程において、前記バイオマス炭素源と前記酸化剤とは粉体を直接に混合する方式、あるいは溶媒で補助する方式で均等に混合することにより前記原料混合物が得られ、かつ溶媒で補助する方式における使用する前記溶媒が水またはアルコールであることを特徴とする多孔性バイオ炭材料の製造方法を提供する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
図1が示すように、本発明の実施形態による多孔性バイオ炭材料の製造方法では、前記材料準備工程において、前記バイオマス炭素源と前記酸化剤とは粉体を直接に混合する方式、あるいは溶媒で補助する方式で均等に混合することにより前記原料混合物が得られ、かつ溶媒で補助する方式における使用する前記溶媒が水またはアルコールである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記酸化還元工程と酸洗乾燥工程との間に、前記原始産物を研磨することにより研磨産物を取得する研磨工程がされに含まれ、かつ前記第一酸洗乾燥工程では前記研磨産物を酸洗することにより前記第一酸洗産物を得て、前記第一酸洗産物を乾燥させることにより前記乾燥産物が得られることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
前記材料準備工程において、前記バイオマス炭素源と前記酸化剤とは粉体を直接に混合する方式、あるいは溶媒で補助する方式で均等に混合することにより前記原料混合物が得られ、かつ溶媒で補助する方式における使用する前記溶媒が水またはアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。