(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117055
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】充電装置、電子機器、充電システム、充電方法および通信方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240821BHJP
【FI】
H02J7/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023156226
(22)【出願日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2023022447
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】乙幡 弘
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA04
5G503EA05
5G503GD03
5G503GD05
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】管理対象の電子機器を効率的に充電すること。
【解決手段】充電装置は、電子機器に充電を行う充電部と、自機に備えられた蓄電池の残電力値情報を取得する残電力値情報取得部と、複数の電子機器から無線通信により電子機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得する電子機器情報取得部と、複数の電子機器のうちの充電対象機器が充電部に接続された場合、充電対象機器の少なくとも識別情報を含む充電対象情報を取得する充電対象情報取得部と、残電力値情報と、電子機器情報と、充電対象情報とに基づいて、充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成する充電管理部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に充電を行う充電部と、
自機に備えられた蓄電池の残電力値情報を取得する残電力値情報取得部と、
複数の前記電子機器から無線通信により前記電子機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得する電子機器情報取得部と、
複数の前記電子機器のうちの充電対象機器が前記充電部に接続された場合、前記充電対象機器の少なくとも識別情報を含む充電対象情報を取得する充電対象情報取得部と、
前記残電力値情報と、前記電子機器情報と、前記充電対象情報とに基づいて、前記充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成する充電管理部と、
を備える、充電装置。
【請求項2】
前記充電管理部は、前記充電対象機器のバッテリ残量よりもバッテリ残量値が少ない他の電子機器が前記電子機器情報に含まれている場合、前記他の電子機器の充電優先度を充電対象機器よりも高いと判定し、前記他の電子機器が必要とする充電電力を含む充電情報を生成する、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
ユーザに情報を提供する表示部と、
前記ユーザから操作を受け付ける操作部と、
前記充電対象機器に対する充電を制御する充電制御部と、
さらに備え、
前記充電管理部は、充電優先度を含む前記充電対象情報を前記表示部に表示させ、
前記充電制御部は、前記操作部が受け付けた操作に基づいて、前記充電対象機器への充電を開始する、
請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電管理部は、前記電子機器情報と、前記充電対象情報とに基づいて、前記充電対象機器のバッテリ残量が所定の条件を満たしているか否かを判定し、
前記充電管理部により前記充電対象機器のバッテリ残量が所定の条件を満たしていると判定された場合に、前記充電対象機器への充電を開始する充電制御部をさらに備える、
請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項5】
自機の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記自機のバッテリ残量情報を取得するバッテリ残量情報取得部と、
複数の他機の間で通信されている前記他機の識別子と前記他機の位置情報とを含む通信信号を傍受する通信部と、
前記通信部を制御して前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通信信号を送信させる通信制御部と、
前記自機のバッテリ残量情報があらかじめ設定した閾値未満となった場合に、前記自機のバッテリ残量情報が前記閾値未満となった時点の前記自機の位置情報と前記他機の位置情報とに基づいて、前記自機との距離が最小となる前記他機を送信先他機として選択する送信先決定部と、を備え、
前記通信制御部は、前記送信先他機との間の距離に基づいて前記通信部の送信出力値を決定し、前記送信先他機に対して、前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通知信号を前記通信部から前記送信出力値で送信させる、
電子機器。
【請求項6】
充電装置と、
前記充電装置と通信可能な複数の電子機器と、を含み、
前記充電装置は、
前記電子機器に充電を行う充電部と、
自機に備えられた蓄電池の残電力値情報を取得する残電力値情報取得部と、
複数の前記電子機器から無線通信により前記電子機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得する電子機器情報取得部と、
複数の前記電子機器のうちの充電対象機器が前記充電部に接続された場合、前記充電対象機器の少なくとも識別情報を含む充電対象情報を取得する充電対象情報取得部と、
前記残電力値情報と、前記電子機器情報と、前記充電対象情報とに基づいて、前記充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成する充電管理部と、を備える、
充電システム。
【請求項7】
自機に備えられた蓄電池の残電力値情報を取得するステップと、
複数の電子機器から無線通信により前記電子機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得するステップと、
複数の前記電子機器のうちの充電対象機器が充電を行う充電部に接続された場合、前記充電対象機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む充電対象情報を取得するステップと、
前記残電力値情報と、前記電子機器情報と、前記充電対象情報とに基づいて、前記充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成するステップと、
を含む、充電方法。
【請求項8】
自機の位置情報を取得するステップと、
前記自機のバッテリ残量情報を取得するステップと、
他機が送信した前記他機の識別子と前記他機の位置情報とを含む通信信号を通信部で傍受するステップと、
前記通信部を制御して前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通信信号を送信させるステップと、
前記自機のバッテリ残量情報があらかじめ設定した閾値未満となった場合に、前記自機のバッテリ残量情報が前記閾値未満となった時点の前記自機の位置情報と前記他機の位置情報とに基づいて、前記自機との距離が最小となる前記他機を送信先他機として選択するステップと、
前記送信先他機との間の距離に基づいて前記通信部の送信出力値を決定し、前記送信先他機に対して、前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通知信号を前記通信部から前記送信出力値で送信させるステップと、
を含む、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置、電子機器、充電システム、充電方法および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電子機器が接続されている状態において各電子機器の状況を考慮した充電を実現する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、充電装置に接続された電子機器の状況を判断して充電を行う。そのため、従来は、充電装置に接続されていない充電対象機器が複数存在する場合には、適切な充電を実現できない可能性がある。
【0005】
本発明は、管理対象の電子機器を効率的に充電することのできる充電装置、電子機器、充電システム、充電方法および通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の充電装置は、電子機器に充電を行う充電部と、自機に備えられた蓄電池の残電力値情報を取得する残電力値情報取得部と、複数の前記電子機器から無線通信により前記電子機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得する電子機器情報取得部と、複数の前記電子機器のうちの充電対象機器が前記充電部に接続された場合、前記充電対象機器の少なくとも識別情報を含む充電対象情報を取得する充電対象情報取得部と、前記残電力値情報と、前記電子機器情報と、前記充電対象情報とに基づいて、前記充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成する充電管理部と、を備える。
【0007】
本発明の電子機器は、自機の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記自機のバッテリ残量情報を取得するバッテリ残量情報取得部と、複数の他機の間で通信されている前記他機の識別子と前記他機の位置情報とを含む通信信号を傍受する通信部と、前記通信部を制御して前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通信信号を送信させる通信制御部と、前記自機のバッテリ残量情報があらかじめ設定した閾値未満となった場合に、前記自機のバッテリ残量情報が前記閾値未満となった時点の前記自機の位置情報と前記他機の位置情報とに基づいて、前記自機との距離が最小となる前記他機を送信先他機として選択する送信先決定部と、を備え、前記通信制御部は、前記送信先他機との間の距離に基づいて前記通信部の送信出力値を決定し、前記送信先他機に対して、前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通知信号を前記通信部から前記送信出力値で送信させる。
【0008】
本発明の充電システムは、充電装置と、前記充電装置と通信可能な複数の電子機器と、を含み、前記充電装置は、前記電子機器に充電を行う充電部と、自機に備えられた蓄電池の残電力値情報を取得する残電力値情報取得部と、複数の前記電子機器から無線通信により前記電子機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得する電子機器情報取得部と、複数の前記電子機器のうちの充電対象機器が前記充電部に接続された場合、前記充電対象機器の少なくとも識別情報を含む充電対象情報を取得する充電対象情報取得部と、前記残電力値情報と、前記電子機器情報と、前記充電対象情報とに基づいて、前記充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成する充電管理部と、を備える。
【0009】
本発明の充電方法は、自機に備えられた蓄電池の残電力値情報を取得するステップと、複数の電子機器から無線通信により前記電子機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得するステップと、複数の前記電子機器のうちの充電対象機器が充電を行う充電部に接続された場合、前記充電対象機器の少なくとも識別情報を含む充電対象情報を取得するステップと、前記残電力値情報と、前記電子機器情報と、前記充電対象情報とに基づいて、前記充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成するステップと、を含む。
【0010】
本発明の通信方法は、自機の位置情報を取得するステップと、前記自機のバッテリ残量情報を取得するステップと、他機が送信した前記他機の識別子と前記他機の位置情報とを含む通信信号を通信部で傍受するステップと、前記通信部を制御して前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通信信号を送信させるステップと、前記自機のバッテリ残量情報があらかじめ設定した閾値未満となった場合に、前記自機のバッテリ残量情報が前記閾値未満となった時点の前記自機の位置情報と前記他機の位置情報とに基づいて、前記自機との距離が最小となる前記他機を送信先他機として選択するステップと、前記送信先他機との間の距離に基づいて前記通信部の送信出力値を決定し、前記送信先他機に対して、前記自機の識別子と前記自機のバッテリ残量情報とを含む通知信号を前記通信部から前記送信出力値で送信させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の電子機器を適切に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る充電システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る充電システムの処理の概要を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る充電装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る充電装置と電子機器とを接続する方法を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る電子機器情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る電子機器情報取得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る充電管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る充電管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る充電管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第4実施形態に係る充電装置の構成例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態に係る通知処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第5実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第5実施形態に係る充電システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図14】
図14は、第5実施形態に係る電子機器の第1の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第5実施形態に係る電子機器の第2の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第5実施形態の変形例に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0014】
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態に係る充電システムの構成例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る充電システムの構成例を示す図である。
【0015】
図1に示すように、充電システム1は、充電装置10と、複数の電子機器12と、を含む。
【0016】
充電装置10は、電子機器12のバッテリを充電する充電装置である。充電装置10は、例えば、屋外で使用可能なポータブル型の充電装置であるが、これに限定されない。充電装置10は、電子機器12と通信可能な通信機能を備えている。
【0017】
電子機器12は、充電装置10と通信可能な通信機能を備えている電子機器である。電子機器12は、例えば、業務用無線通信端末、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などであるが、これらに限定されない。
【0018】
充電装置10と、電子機器12とは、ネットワークNを介して、通信可能に接続されている。ネットワークNは、無線通信網、インターネット網、携帯電話網などであるが、これらに限定されない。
【0019】
図2は、第1実施形態に係る充電システムの処理の概要を説明するための図である。
図2に示す例では、電子機器12として、無線端末12aと、無線端末12bとが示されている。無線端末12aは、送信信号13を無線端末12bに送信して、無線端末12bと通信を開始する。この際、無線端末12aは、自信を識別するための端末IDと、バッテリの残量に関するバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を送信信号13に含める。
【0020】
充電装置10は、常時、送信信号13を傍受することで、送信信号13に含まれている無線端末12aのバッテリ残量情報を取得する。なお、無線端末12aは、充電装置10に対して、送信信号13を送信するようにしてもよい。充電装置10は、各無線端末からバッテリ残量情報を取得し、無線端末12aと無線端末12bとの充電の優先順位を示す充電優先度を判定する。これにより、充電装置10は、無線端末12aと無線端末12bとを適切に充電することができる。
【0021】
[充電装置]
図3を用いて、第1実施形態に係る充電装置の構成例について説明する。
図3は、第1実施形態に係る充電装置の構成例を示すブロック図である。
【0022】
図3に示すように、充電装置10は、充電部20と、通信部22と、記憶部24と、表示部26と、操作部28と、計測部30と、制御部32と、を含む。
【0023】
充電部20は、充電装置10に接続された電子機器12のバッテリを充電するように構成されている。充電部20は、電子機器12のバッテリを充電するための電力を蓄えているバッテリ(蓄電池)などを含む。
図4は、第1実施形態に係る充電装置と電子機器とを接続する方法を説明するための図である。
図4に示すように、充電装置10と、無線端末12aとは、例えば、接続ケーブル14により接続されている。充電部20は、接続ケーブル14を介して、無線端末12aのバッテリに電力を供給することで、無線端末12aのバッテリを充電する。なお、充電部20は、充電装置10に電子機器12を近接させることで非接触により電子機器12のバッテリを充電する構成でもよく、これらに限定されない。
【0024】
通信部22は、充電装置10と、外部装置との間の通信を実行する通信インターフェースである。通信部22は、例えば、充電装置10と、電子機器12との間の通信を実行する。
【0025】
記憶部24は、各種の情報を記憶している。記憶部24は、制御部32の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部24は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0026】
記憶部24は、電子機器情報24aを記憶している。
図5は、第1実施形態に係る電子機器情報の一例を示す図である。
図5に示すように、電子機器情報24aは、「端末ID」と、「バッテリ残量」と、「更新日時」といった項目を含む。
【0027】
「端末ID」は、電子機器12を一意に識別するための識別情報を示す。「バッテリ残量」は、対応する電子機器12のバッテリの残量に関するバッテリ残量情報を示す。「更新日時」は、対応する電子機器12からバッテリ残量情報を取得した日時に関する日時情報を示す。例えば、端末ID1の電子機器12の2023/1/20 10:30:24時点のバッテリ残量は、満充電の80%であることが示されている。
【0028】
表示部26は、各種の画像を表示する。表示部26は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)などを含むディスプレイである。
【0029】
操作部28は、充電装置10に対する各種の操作を受け付ける。操作部28は、例えば、ユーザから電子機器12への充電開始操作を受け付ける。操作部28は、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどで実現される。
【0030】
計測部30は、充電装置10のバッテリの残電力値を測定する。
【0031】
制御部32は、充電装置10の各部を制御する。制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などの記憶装置とを有する。制御部32は、充電装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部32は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。制御部32は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0032】
制御部32は、充電制御部40と、通信制御部42と、操作制御部44と、残電力値情報取得部46と、電子機器情報取得部48と、充電対象情報取得部50と、充電管理部52と、を備える。
【0033】
充電制御部40は、充電部20の動作を制御する。充電制御部40は、充電部20を制御して、充電部20に接続された電子機器12のバッテリを充電させる。
【0034】
通信制御部42は、通信部22を制御して、充電装置10と外部装置との間の通信を制御する。通信制御部42は、例えば、通信部22を制御して、電子機器12が送信した送信信号を受信させる。通信制御部42は、例えば、通信部22を制御して、電子機器12に対して送信信号を送信させる。
【0035】
操作制御部44は、操作部28が受け付けた各種の操作情報を受け付ける。操作制御部44は、例えば、操作部28が受け付けた電子機器12の充電を開始するための充電開始操作を受け付ける。
【0036】
残電力値情報取得部46は、充電装置10のバッテリの残電力に関する残電力値情報を取得する。残電力値情報取得部46は、例えば、計測部30から充電装置10のバッテリの残電力値情報を取得する。
【0037】
電子機器情報取得部48は、複数の電子機器12から無線通信により電子機器12の識別情報とバッテリ残量情報とを含む電子機器情報を取得する。電子機器情報取得部48は、例えば、通信部22が電子機器12から受信した送信信号に含まれる電子機器情報を取得する。電子機器情報取得部48は、識別情報と、バッテリ残量情報と、識別情報およびバッテリ残量情報の取得日時を対応付けて、電子機器情報24aとして記憶部24に記憶させる。
【0038】
充電対象情報取得部50は、複数の電子機器12のうち充電部20に接続された電子機器12を充電対象機器と判定する。充電対象情報取得部50は、接続ケーブル14(
図4参照)を介して、充電対象機器の識別情報とバッテリ残量情報とを含む充電対象情報を取得する。
【0039】
充電管理部52は、残電力値情報取得部46が取得した残電力値情報と、記憶部24に記憶されている電子機器情報24aと、充電対象情報取得部50が取得した充電対象情報とに基づいて、各電子機器12の充電に関する充電優先度を判定する。充電管理部52は、例えば、バッテリ残量が少ない電子機器12程、充電優先度が高いと判定する。充電管理部52は、残電力値情報取得部46が取得した残電力値情報と、記憶部24に記憶されている電子機器情報24aと、充電対象情報取得部50が取得した充電対象情報とに基づいて、充電対象機器の充電に関する充電優先度を含む充電情報を生成する。充電管理部52は、生成した充電情報をユーザに対して提示する。
【0040】
(電子機器情報取得処理)
図6を用いて、第1実施形態に係る電子機器情報取得処理について説明する。
図6は、第1実施形態に係る電子機器情報取得処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
通信制御部42は、通信部22を制御して、電子機器12が送信した送信信号を受信させる(ステップS10)。そして、ステップS12に進む。
【0042】
電子機器情報取得部48は、電子機器情報を取得する(ステップS12)。具体的には、電子機器情報取得部48は、通信部22が受信した送信信号に含まれる、電子機器12
の電子機器情報を取得する。そして、ステップS14に進む。
【0043】
電子機器情報取得部48は、取得した電子機器情報に取得日時を対応付けて、電子機器情報24aとして記憶部24に記憶させる(ステップS14)。そして、
図6の処理を終了する。
【0044】
(充電管理処理)
図7を用いて、第1実施形態に係る充電管理処理について説明する。
図7は、第1実施形態に係る充電管理処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
充電対象情報取得部50は、複数の電子機器12のうちから充電対象機器を検出する(ステップS20)。具体的には、充電対象情報取得部50は、充電部20に接続された電子機器12を充電対象機器として検出する。そして、ステップS22に進む。
【0046】
充電対象情報取得部50は、充電対象機器から識別情報とバッテリ残量情報とを含む充電対象情報を取得する(ステップS22)。そして、ステップS24に進む。
【0047】
充電管理部52は、記憶部24に記憶されている電子機器情報を更新する(ステップS24)。具体的には、充電管理部52は、充電対象情報と同一の端末IDの電子機器12のバッテリ残量を充電対象情報に含まれるバッテリ残量に更新する。そして、ステップS26に進む。
【0048】
充電対象情報取得部50は、充電対象機器の充電優先度を判定する(ステップS26)。そして、ステップS28に進む。
【0049】
充電管理部52は、充電対象機器の充電優先度を含む充電情報を表示部26に表示させる(ステップS28)。具体的には、充電管理部52は、ユーザに対して充電対象機器への充電を止めるよう促すような充電情報を表示部26に表示させる。充電管理部52は、例えば、「充電対象機器よりも充電優先度の高い電子機器12があります。充電を開始しますか?」といった文字列を表示部26に表示させる。充電管理部52は、例えば、充電対象機器よりもバッテリ残量の少ない電子機器12に関する情報と、充電装置10の残電力値に関する情報とを含む充電情報を表示部26に表示させてもよい。充電管理部52は、例えば、「他にバッテリ残量が少ない電子機器12が3台あります。最もバッテリ残量の少ない電子機器12は、端末ID2の電子機器12であり、バッテリ残量は20%です。本装置には、2台の電子機器12を満充電にする電力が残っています。充電を開始しますか?」といった文字列を表示部26に表示させてもよい。
【0050】
操作制御部44は、操作部28がユーザから充電開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS30)。充電開始操作を受け付けたと判定された場合(ステップS30;Yes)、ステップS32に進む。充電開始操作を受け付けたと判定されない場合(ステップS30;No)、
図7の処理を終了する。すなわち、第1実施形態では、ユーザが充電開始操作を操作部28に入力しない場合、または、充電を中止する操作を操作部28に入力した場合には、充電対象機器を充電することなく
図7の処理が終了する。充電優先度の低い電子機器12への充電を止めることにより、充電優先度の高い電子機器12に対して充電装置10のバッテリに残された電力を有効に利用することができる。
【0051】
ステップS30でYesと判定された場合、充電制御部40は、操作部28がユーザから受け付けた充電開始操作に基づいて、充電対象機器への充電を開始する(ステップS32)。そして、ステップS34に進む。
【0052】
充電制御部40は、充電対象機器への充電が終了したか否かを判定する(ステップS34)。例えば、充電制御部40は、充電対象機器のバッテリが満充電となった場合に、充電対象機器への充電が終了したと判定する。充電対象機器への充電が終了したと判定された場合(ステップS34;Yes)、ステップS36に進む。充電対象機器への充電が終了したと判定されない場合(ステップS34;No)、ステップS34の処理を繰り返す。
【0053】
ステップS34でYesと判定された場合、充電管理部52は、記憶部24に記憶されている電子機器情報24aを更新する(ステップS36)。具体的には、充電管理部52は、充電対象情報と同一の端末IDの電子機器12のバッテリ残量を充電後のバッテリ残量に更新する。そして、
図7の処理を終了する。
【0054】
上述のように、第1実施形態は、充電対象機器の充電優先度を含む充電情報をユーザに提示した後、ユーザから充電開始操作を受け付けた場合にのみ、充電対象機器への充電を開始する。これにより、第1実施形態は、複数の電子機器を適切に充電することができる。
【0055】
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態では、充電装置10が表示部26に充電情報を表示させるものとして説明した。充電装置10が表示部26に表示させる情報は、充電情報に限定されない。
【0056】
充電装置10は、例えば、ユーザからの操作に応じて、記憶部24に記憶されている電子機器情報24aを表示部26に表示させてもよい。これにより、ユーザは、各電子機器12のバッテリ残量を把握することができる。そのため、ユーザは、よりバッテリ残量の少ない電子機器12のユーザに対して電子機器12を充電するように促すことができる。その結果、第1実施形態の変形例は、複数の電子機器を適切に充電することができる。
【0057】
[第2実施形態]
(充電管理処理)
図8を用いて、第2実施形態に係る充電管理処理について説明する。
図8は、第2実施形態に係る充電管理処理の流れを示すフローチャートである。第2実施形態に係る充電装置の構成は、
図3に示す充電装置10の構成と同じなので、説明を省略する。
【0058】
ステップS40からステップS46の処理は、それぞれ、
図7に示すステップS20からステップS26の処理と同一なので、説明を省略する。
【0059】
充電管理部52は、充電対象機器の状態が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS48)。例えば、充電管理部52は、充電対象機器の充電優先度が最も高いか否かを判定してもよい。例えば、充電管理部52は、充電対象機器の充電優先度が所定の順位以上であるか否かを判定してもよい。例えば、充電管理部52は、充電対象機器のバッテリ残量が所定以下であるか否かを判定してもよい。所定以上の順位と、所定以下のバッテリ残量とは、充電装置10のバッテリの残電力値に応じて、変更してもよい。例えば、充電装置10のバッテリの残電力値が小さいほど、所定以上の順位を高くしたり、所定以下のバッテリ残量を少なくしたりしてもよい。充電対象機器の状態が所定の条件を満たすと判定された場合(ステップS48;Yes)、ステップS50に進む。充電対象機器の状態が所定の条件を満たすと判定されない場合(ステップS48;No)、ステップS52に進む。
【0060】
ステップS48でYesと判定された場合、充電制御部40は、自動的に充電対象機器への充電を開始する(ステップS50)。すなわち、第2実施形態では、充電対象機器の状態が所定の条件を満たす場合には、ユーザによる充電開始操作によらずに充電対象機器への充電が自動的に開始される。そして、ステップS58に進む。
【0061】
ステップS52からステップS60の処理は、それぞれ、
図7に示すステップS28からステップS36の処理と同一なので、説明を省略する。
【0062】
上述のように、第2実施形態は、充電対象機器の状態が所定の条件を満たす場合には、充電対象機器への充電が自動的に開始される。また、第2実施形態は、対象の状態が所定の条件を満たさない場合には、充電対象機器の充電優先度を含む充電情報をユーザに提示した後、ユーザから充電開始操作を受け付けた場合にのみ、充電対象機器への充電を開始する。これにより、第2実施形態は、複数の電子機器をより適切に充電することができる。
【0063】
[第3実施形態]
(充電管理処理)
図9を用いて、第3実施形態に係る充電管理処理について説明する。
図9は、第3実施形態に係る充電管理処理の流れを示すフローチャートである。第3実施形態に係る充電装置の構成は、
図3に示す充電装置10の構成と同じなので、説明を省略する。
【0064】
ステップS70からステップS80の処理は、それぞれ、
図8に示すステップS40からステップS50の処理と同一なので、説明を省略する。
【0065】
充電管理部52は、充電対象機器を充電しない旨の情報を含む充電情報を表示部26に表示させる(ステップS82)。具体的には、充電管理部52は、例えば、「充電対象機器の状態は所定の条件を満たしていないので、充電しません。」といった文字列を表示部26に表示させる。そして、
図9に処理を終了する。すなわち、第3実施形態では、充電対象機器の状態が所定の条件を満たしていない場合には、充電装置のバッテリに充電されることなく、
図9の処理が終了する。
【0066】
ステップS84およびステップS86の処理は、それぞれ、
図8に示すステップS58およびステップS60の処理と同一なので、説明を省略する。
【0067】
上述のように、第3実施形態は、充電対象機器の状態が所定の条件を満たす場合には、充電対象機器への充電が自動的に開始される。また、第3実施形態は、対象の状態が所定の条件を満たさない場合には、充電対象機器への充電を自動時に中止する。これにより、第3実施形態は、複数の電子機器をより適切に充電することができる。
【0068】
[第4実施形態]
(充電装置)
図10を用いて、第4実施形態に係る充電装置の構成例について説明する。
図10は、第4実施形態に係る充電装置の構成例を示すブロック図である。
【0069】
図10に示すように、充電装置10Aは、制御部32Aが通知部54を備える点で、
図3に示す充電装置10と異なる。
【0070】
通知部54は、通信部22を介して、各種の情報を電子機器12に通知する。通知部54は、例えば、通信部22を介して、充電が必要な電子機器12に対して、充電を促す情報を通知する。
【0071】
(通知処理)
図11を用いて、第4実施形態に係る通知処理について説明する。
図11は、第4実施形態に係る通知処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
ステップS90からステップS94の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS10からステップS14の処理と同一なので、説明を省略する。
【0073】
充電管理部52は、バッテリ残量が所定以下の電子機器12があるか否かを判定する(ステップS96)。具体的には、充電管理部52は、充電装置10のバッテリの残電力値と、記憶部24に記憶されている電子機器情報24aとに基づいて、バッテリ残量が所定以下の電子機器があるか否かを判定する。バッテリ残量が所定以下の電子機器12があると判定された場合(ステップS96;Yes)、ステップS98に進む。バッテリ残量が所定以下の電子機器12があると判定されない場合(ステップS96;No)、
図11の処理を終了する。
【0074】
ステップS96でYesと判定された場合、通知部54は、通信部22を介して、バッテリ残量が所定以下の電子機器12に対して、充電すべき旨の情報を通知する(ステップS98)。具体的には、通知部54は、例えば、「バッテリ残量が少なくなっています。充電してください。」といった文字列を電子機器12の表示部に表示させるための情報を電子機器12に対して通知する。通知部54は、例えば、充電装置10のバッテリの残電力値が所定値以下であり、充電できなくなる可能性があることの情報を含めて電子機器12に対して通知してもよい。そして、
図11の処理を終了する。
【0075】
上述のとおり、第4実施形態は、バッテリ残量が所定以下の電子機器12に対して、充電すべき旨の情報を通知する。これにより、バッテリ残量が所定以下の電子機器12を使用しているユーザは、使用している電子機器12に充電が必要であることを把握することができるので、バッテリ残量の少ない電子機器12を適切に充電させることができる。
【0076】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。前述の実施形態によれば、充電装置は、バッテリ残量情報を含む電子機器間の通信信号、例えば、通話による送信信号を、傍受して電子機器のバッテリ残量情報を取得する。すなわち、バッテリ残量情報を取得するためだけの通信は発生しない。これにより、バッテリ残量情報を充電装置に通知するために電子機器のバッテリが消費されることがない。一方で、電子機器間の通信を頻繁に行わない電子機器のバッテリ残量情報を充電装置は取得できない。特に、バッテリ残量が少なくなった電子機器のバッテリ残量情報を漏れなく充電装置が取得できれば、より適切に各電子機器を管理することができると期待される。そこで、第5実施形態では、バッテリ残量が所定の閾値未満に減少した電子機器において、電子機器のバッテリの消費を抑えてバッテリ残量情報を充電装置に提供する手段を提供する。
【0077】
(電子機器)
図12を用いて、第5実施形態に係る電子機器の構成例について説明する。
図12は、第5実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
【0078】
図12に示すように、電子機器12は、入力部60と、音声入力部62と、表示部64と、音声出力部66と、通信部68と、記憶部70と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部72と、制御部74と、を備える。
【0079】
入力部60は、電子機器12に対する各種の操作を受け付ける。入力部60は、例えば、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどの各種の入力装置で実現される。
【0080】
音声入力部62は、電子機器12を使用しているユーザの音声を検出する。音声入力部62は、検出した音声を音声信号に変換する。音声入力部62は、マイクロフォンで実現される。
【0081】
表示部64は、各種の情報を表示する。表示部64は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのディスプレイで実現される。
【0082】
音声出力部66は、各種の音声を出力するスピーカである。音声出力部66は、例えば、通信相手の音声を出力する。
【0083】
通信部68は、電子機器12と、外部装置との間の通信を行う通信インターフェースである。通信部68は、例えば、電子機器12と、充電装置10との間の通信を実行する。通信部68は、例えば、電子機器12と、他の電子機器12との間の通信を実行する。通信部68は、他の電子機器12間で行われている音声通信の通信信号を傍受する。通信信号は、例えば、音声信号やデータ信号である。通信部68は、例えば、遠距離無線通信、無線LAN、Wi-Fi(登録商標)などにより実現される。
【0084】
記憶部70は、各種の情報を記憶する。記憶部70は、例えば、バッテリ残量の閾値を示す情報を記憶している。記憶部70は、例えば、他の電子機器12の位置情報を記憶している。記憶部70は、制御部74の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部70は、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置、HDD等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0085】
GNSS受信部72は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部72は、定期的に受信したGNSS信号を制御部74の位置情報取得部80へ出力する。
【0086】
制御部74は、電子機器12の各部を制御する。制御部74は、例えば、CPUやMPUなどの情報処理装置と、RAM又はROMなどの記憶装置とを有する。制御部74は、本発明に係る電子機器12の動作を制御するプログラムを実行する。制御部74は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部74は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0087】
制御部74は、位置情報取得部80と、他機情報取得部82と、バッテリ残量情報取得部84と、送信先決定部86と、通信制御部88と、を備える。
【0088】
位置情報取得部80は、自機である電子機器12の現在の位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部80は、GNSS受信部72が受信したGNSS信号に基づいて、電子機器12の現在の位置情報を取得する。
【0089】
他機情報取得部82は、他機である他の電子機器12の各種の情報を取得する。他機情報取得部82は、通信部68が傍受した他の電子機器12が送信した音声信号などに含まれる他の電子機器12の識別子、位置情報、およびバッテリ残量を示すバッテリ残量情報などを取得する。他機情報取得部82は、他の電子機器12の識別子と、他の電子機器12の位置情報とを対応付けて記憶部70に記憶させる。
【0090】
バッテリ残量情報取得部84は、電子機器12の現在のバッテリ残量を示すバッテリ残量情報を取得する。バッテリ残量情報取得部84は、取得したバッテリ残量情報に基づいて、電子機器12のバッテリ残量があらかじめ設定した閾値未満であるか否かを判定する。
【0091】
送信先決定部86は、自機のバッテリ残量情報の送信先となる他の電子機器12を決定する。送信先決定部86は、他の電子機器12が複数ある場合には、位置情報取得部80で取得した自機の位置情報と、記憶部70に記憶された複数の他の電子機器12の位置情報とに基づいて、自機との距離が最小となる他の電子機器12を送信先として決定する。
【0092】
通信制御部88は、通信部68を制御して、外部装置との間の通信を実行する。通信制御部88は、例えば、他の電子機器12との間で音声通話を行う場合に、他の電子機器12に対して、自機の識別子と、位置情報取得部80が検出した位置情報と、バッテリ残量情報取得部84が取得したバッテリ残量情報とを含めた通信信号を通常送信出力で通信部68に送信させる。通信制御部88は、例えば、自機のバッテリ残量が閾値未満である場合には、送信先決定部86が決定した他の電子機器12に対して、自機の識別子と、バッテリ残量情報取得部84が取得したバッテリ残量情報とを含む情報転送依頼信号(通知信号)を他の電子機器12に伝送できる必要最小限の送信出力で通信部68に送信させる。
【0093】
(充電システムの処理)
図13を用いて、第5実施形態に係る充電システムの処理の流れについて説明する。
図13は、第5実施形態に係る充電システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0094】
図13には、充電装置10と、第1電子機器12-1と、第2電子機器12-2と、第3電子機器12-3との処理を示している。具体的には、
図13は、第1電子機器12-1と、第2電子機器12-2とが音声通話を行っている際に、第3電子機器12-3がバッテリ残量情報を送信する処理を示している。第1電子機器12-1と、第2電子機器12-2と、第3電子機器12-3の構成は、
図12示す電子機器12と同じである。
【0095】
第1電子機器12-1は、第2電子機器12-2との通信において、第2電子機器12-2に送信する通信信号(音声信号またはデータ信号)に、第1電子機器12-1の識別子と、第1電子機器12-1の現在のバッテリ残量情報と、第1電子機器12-1の現在の位置情報とを含めて送信する(ステップS100)。
【0096】
充電装置10は、第1電子機器12-1が第2電子機器12-2に送信した通信信号を傍受して、第1電子機器12-1の識別子と、第1電子機器12-1のバッテリ残量情報とを取得して、記憶部24の電子機器情報24aに記憶する(ステップS102)。
【0097】
第3電子機器12-3は、第1電子機器12-1が第2電子機器12-2に送信した通信信号を傍受して、第1電子機器12-1の識別子と、第1電子機器12-1の位置情報を取得して、記憶部70に記憶する(ステップS104)。
【0098】
第2電子機器12-2は、第1電子機器12-1との通信において、第1電子機器12-1に送信する通信信号に、第2電子機器12-2の識別子と、第2電子機器12-2の現在のバッテリ残量情報と、第2電子機器12-2の現在の位置情報とを含めて送信する(ステップS106)。
【0099】
充電装置10は、第2電子機器12-2が第1電子機器12-1に送信した通信信号を傍受して、第2電子機器12-2の識別子と、第2電子機器12-2のバッテリ残量情報を取得して、記憶部24の電子機器情報24aに記憶する(ステップS108)。
【0100】
第3電子機器12-3は、第2電子機器12-2が第1電子機器12-1に送信した通信信号を傍受して、第2電子機器12-2の識別子と、第2電子機器12-2の位置情報を取得して、記憶部70に記憶する(ステップS110)。
【0101】
第3電子機器12-3は、第3電子機器12-3のバッテリ残量が閾値未満であると判定する(ステップS112)。例えば、他の電子機器に通常の送信出力値で5分以上の送信ができなくなると予測されるバッテリ残量値を閾値に設定する。
【0102】
第3電子機器12-3は、自機の位置情報と、取得した第1電子機器12-1と、第2電子機器12-2の位置情報とから、第3電子機器12-3から第2電子機器12-2までの距離が第3電子機器12-3から第1電子機器12-1までの距離よりも短いと判定する(ステップS114)。第3電子機器12-3は、バッテリ残量情報の送信先を、自機との距離が近い第2電子機器12-2に決定する(ステップS116)。第3電子機器12-3は、第2電子機器12-2までの距離に基づいて、バッテリ残量情報を通信部68で送信する際の送信出力値を決定する(ステップS118)。送信出力値は、例えば、第3電子機器12-3から送信された通信信号が第2電子機器12-2で問題なく受信できる必要最小限の値に決定される。例えば、送信出力値と、電子機器間で問題なく情報を受信できる距離との関係は、事前に計測されて記憶部70に記憶されている。第3電子機器12-3は、第3電子機器12-3の識別子と、第3電子機器12-3のバッテリ残量情報とを含む情報転送依頼信号を、第2電子機器12-2を宛先に指定した情報転送依頼信号として送信する(ステップS120)。
【0103】
情報転送依頼信号を受信した第2電子機器12-2は、次回の第1電子機器12-1との通信において、第1電子機器12-1に送信する通信信号に、第2電子機器12-2の識別子と、第2電子機器12-2の現在のバッテリ残量情報と、第2電子機器12-2の現在の位置情報とに加えて、ステップS120で受信した第3電子機器の識別子と、第3電子機器12-3のバッテリ残量情報とを含めて送信する(ステップS122)。
【0104】
充電装置10は、第2電子機器12-2が第1電子機器12-1に送信した通信信号を傍受して、第2電子機器12-2のバッテリ残量情報と、第3電子機器12-3のバッテリ残量情報とを取得して、記憶部24の電子機器情報24aに記憶する(ステップS124)。これにより、第3電子機器12-3は、バッテリ残量が閾値未満になった場合に、自機のバッテリの消費量を抑えて第3電子機器12-3のバッテリ残量情報を充電装置10に送信することができる。そして、充電装置10は、通信を頻繁に行わない第3電子機器12-3のバッテリ残量がひっ迫していることを把握することができる。
【0105】
第3電子機器12-3は、第2電子機器12-2が第1電子機器12-1に送信した通信信号を傍受して、第3電子機器12-3の識別子と、第3電子機器12-3のバッテリ残量情報が含まれていた場合に、充電装置10に第3電子機器12-3のバッテリ残量情報が送信されたと判定する(ステップS126)。そして、
図13の処理を終了する。
【0106】
(電子機器の第1の処理)
図14を用いて、第5実施形態に係る電子機器の第1の処理の流れについて説明する。
図14は、第5実施形態に係る電子機器の第1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0107】
図14は、バッテリ残量が閾値未満となった電子機器12が実行する処理を示す。例えば、頻繁に他の電子機器12と音声通話を行っていないために、充電装置10がバッテリ残量情報を取得できていない電子機器12が、バッテリ残量が少なくなったことを充電装置10に通知するために実行される処理である。
【0108】
位置情報取得部80は、GNSS受信部72が受信したGNSS信号に基づいて、電子機器12の現在位置を検出する(ステップS200)。そして、ステップS202に進む。
【0109】
他機情報取得部82は、通信部68が傍受した複数の他の電子機器12が送信した通信信号に含まれる、複数の他の電子機器12の位置情報を取得する(ステップS202)。具体的には、他機情報取得部82は、複数の他の電子機器12の識別子と位置情報とを取得する。他機情報取得部82は、複数の他の電子機器12のそれぞれの識別子と位置情報とを対応付けて、記憶部70に記憶させる。そして、ステップS204に進む。
【0110】
バッテリ残量情報取得部84は、電子機器12の現在のバッテリ残量を検出する(ステップS204)。そして、ステップS206に進む。
【0111】
バッテリ残量情報取得部84は、電子機器12の現在のバッテリ残量が、あらかじめ設定した閾値未満であるか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、バッテリ残量情報取得部84は、バッテリ残量情報取得部84が検出したバッテリ残量と、記憶部70にあらかじめ記憶されているバッテリ残量の閾値に基づいて、電子機器12の現在のバッテリ残量が、あらかじめ設定した閾値未満であるか否かを判定する。現在のバッテリ残量が、あらかじめ設定した閾値未満であると判定された場合(ステップS206;Yes)、ステップS208に進む。現在のバッテリ残量が、あらかじめ設定した閾値未満であると判定されない場合(ステップS206;No)、
図14の処理を終了する。
【0112】
送信先決定部86は、位置情報取得部80が検出した電子機器12の現在位置と、他機情報取得部82が取得した他の電子機器12の位置情報とに基づいて、電子機器12から最も近い位置にいる他の電子機器12を特定する(ステップS208)。そして、ステップS210に進む。
【0113】
送信先決定部86は、電子機器12から最も近い位置にいる他の電子機器12を、自機のバッテリ残量情報の送信先に決定する(ステップS210)。そして、ステップS212に進む。
【0114】
送信先決定部86は、ステップS208で特定された送信先の電子機器12までの距離に基づいて、電子機器12のバッテリ残量情報の送信方法を決定する(ステップS212)。送信先決定部86は、例えば、送信先の電子機器12までの距離に基づいて、通信部68の送信出力値を決定する。そして、ステップS214に進む。
【0115】
通信制御部88は、電子機器12の識別子とバッテリ残量情報を、送信先の電子機器を宛先に指定した情報転送依頼信号として送信する(ステップS214)。そして、
図14の処理を終了する。
【0116】
(電子機器の第2の処理)
図15を用いて、第5実施形態に係る電子機器の第2の処理の流れについて説明する。
図15は、第5実施形態に係る電子機器の第2の処理の流れを示すフローチャートである。
【0117】
図15は、例えば、音声通話を行っている電子機器12が、音声通話相手以外の他の電子機器12から自機に宛てた他の電子機器12の識別子とバッテリ残量情報を含む情報転送依頼信号を受信した場合に実行する処理を示す。
【0118】
位置情報取得部80は、GNSS受信部72が受信したGNSS信号に基づいて、電子機器12の現在位置を検出する(ステップS220)。そして、ステップS222に進む。
【0119】
バッテリ残量情報取得部84は、電子機器12の現在のバッテリ残量を検出する(ステップS222)。そして、ステップS228に進む。
【0120】
通信制御部88は、他の電子機器12から自機を宛先にした他の電子機器12の識別子とバッテリ残量情報とを含む情報転送依頼信号を通信部68が備えるいずれかの通信方式で受信したか否かを判定する(ステップS228)。他の電子機器12から情報転送依頼信号を受信したと判定された場合(ステップS228;Yes)、ステップS230に進む。他の電子機器12から情報転送依頼信号を受信したと判定されない場合(ステップS228;No)、ステップS232に進む。
【0121】
ステップS230でYesと判定された場合、通信制御部88は、自機の識別子と、自機の現在の位置情報と、自機のバッテリ残量情報とに加えて、他の電子機器12から受信した自機宛ての情報転送依頼信号に含まれる他の電子機器12の識別子とバッテリ残量情報とを含む通信信号を通信先の他の電子機器12に送信する(ステップS230)。ステップS230で送信される通信信号は、例えば、通信先の電子機器12との音声通話である。充電装置10は、ステップS230で送信された通信信号を傍受することで、情報転送依頼信号を送信した電子機器12の識別子とバッテリ残量情報を取得できる。そして、ステップS234に進む。
【0122】
ステップS230でNoと判定された場合、通信制御部88は、自機の識別子と、自機の現在の位置情報と、自機のバッテリ残量情報とを含む通信信号を通信先の他の電子機器12に送信する(ステップS232)。ステップS232で送信される通信信号は、例えば、通信先の電子機器12との音声通話である。そして、ステップS234に進む。
【0123】
制御部74は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS234)。制御部74は、例えば、通信先との音声通話が終了した場合、または電源をオフにする操作を受け付けた場合に処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS234;Yes)、
図15の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS;No)、ステップS220に進み処理を繰り返す。
【0124】
上述のとおり、第5実施形態は、音声通話を実行している電子機器以外の電子機器のバッテリ残量が閾値未満となった場合に、充電装置は、その電子機器のバッテリ残量情報を取得することができる。これにより、第5実施形態は、充電システムに含まれる電子機器のバッテリ残量を適切に管理することができる。
【0125】
[第5実施形態の変形例]
(電子機器)
図16を用いて、第5実施形態の変形例に係る電子機器の構成例について説明する。
図16は、第5実施形態の変形例に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
【0126】
図16に示すように、電子機器12Aは、第1通信部68aと、第2通信部68bと、を備える点で、
図12に示す電子機器12と異なる。
【0127】
第1通信部68aは、遠距離無線通信を行う通信部である。遠距離無線通信は、例えば、デジタル業務無線による通信、携帯電話網等による通信が例示されるが、これらに限定されない
【0128】
第2通信部68bは、近距離無線通信を行う通信部である。近距離無線通信は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)による通信が例示されるが、これらに限定されない。
【0129】
制御部74Aの送信先決定部86Aは、第1通信部68aおよび第2通信部68bのうち、どちらの通信部を用いて、バッテリ残量情報を送信するかを選択する。送信先決定部86Aは、例えば、他の電子機器までの距離が第2通信部68bの通信範囲内である場合には、バッテリ残量情報を送信する通信部として第2通信部68bを選択する。
【0130】
図14のステップS212において、送信先決定部86Aは、バッテリ残量情報を送信する際の第1通信部68aおよび第2通信部68bの消費電力値を比較して、第1通信部68aおよび第2通信部68bのうちのいずれかを選択してもよい。具体的には、第1通信部68aおよび第2通信部68bについて、送信出力値に対する、送信先の電子機器12が問題なく情報を受信できる距離と、送信のための消費電力値との関係が事前に計測されて記憶部70に記憶されており、送信先決定部86Aは、送信先の電子機器12までの距離に基づいて、最も消費電力値の少ない通信方法と送信出力値を決定する。
【0131】
上述のとおり、第5実施形態の変形例では、第1通信部および第2通信部の送信出力値を比較することで、バッテリ残量情報を送信する際の消費電力が少ない方法で他の電子機器にバッテリ残量情報を送信することができる。これにより、第5実施形態の変形例は、バッテリ残量がより少ない状態であっても、他の電子機器に適切にバッテリ残量情報を送信することができる。
【0132】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0133】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0134】
本開示は、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の「気候変動に具体的な対策を」の実現に貢献し、GHG排出量の削減に寄与する事項を含む。
【符号の説明】
【0135】
1 充電システム
10 充電装置
12,12A 電子機器
12a,12b 無線端末
20 充電部
22,68 通信部
24a 電子機器情報
26,64 表示部
28 操作部
30 計測部
32,74,74A 制御部
40 充電制御部
42 通信制御部
44 操作制御部
46 残電力値情報取得部
48 電子機器情報取得部
50 充電対象情報取得部
52 充電管理部
54 通知部
60 入力部
62 音声入力部
66 音声出力部
68a 第1通信部
68b 第2通信部
80 位置情報取得部
82 他機情報取得部
84 バッテリ残量情報取得部
86,86A 送信先決定部
88 通信制御部