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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117059
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240821BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 305
B41J2/01 303
B41J2/165 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215472
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2023022695
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康平
(72)【発明者】
【氏名】三島 海斗
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊広
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 真行
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056FA10
2C056HA29
2C056HA37
2C056JB03
2C056JC20
2C056JC23
(57)【要約】
【課題】印刷時の媒体が載置されるプラテンと、プラテンを下側から支持するための本体フレームと、本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚とを備えるインクジェットプリンタにおいて、本体フレームの強度を高めつつ、本体フレームを軽量化することが可能なインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】このインクジェットプリンタでは、本体フレーム9は、媒体の幅方向となるY方向に細長い平板状に形成され複数の支持脚10に載置されて固定される被固定部21aと、Y方向に細長い細長形状に形成されるとともにY方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部22aとを備えている。上下方向とY方向とに直交するX方向における被固定部21aの幅は、X方向におけるメインフレーム部22aの幅よりも広くなっており、メインフレーム部22aは、被固定部21aの上面に固定されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、
印刷時の前記媒体が載置されるプラテンと、前記プラテンを下側から支持するための本体フレームと、前記本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚とを備え、
前記本体フレームは、前記媒体の幅方向に細長い平板状に形成され複数の前記支持脚に載置されて固定される被固定部を有する第1フレームと、前記媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに前記媒体の幅方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部を有する第2フレームとを備え、
上下方向と前記媒体の幅方向とに直交する方向を第1方向とすると、
前記第1方向における前記被固定部の幅は、前記第1方向における前記メインフレーム部の幅よりも広くなっており、
前記メインフレーム部は、前記被固定部の上面に固定され、
前記メインフレーム部の上側に前記プラテンが配置されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記第1フレームは、前記被固定部の前記第1方向の両端から上側に向かって立ち上がる平板状の側面部を備えることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
2個の前記支持脚を備え、
前記媒体の幅方向における前記被固定部の長さは、前記媒体の幅方向における前記メインフレーム部の長さよりも長くなっており、
2個の前記支持脚は、前記媒体の幅方向において前記メインフレーム部よりも外側に配置され、
前記第2フレームは、前記メインフレーム部から前記媒体の幅方向の外側に向かって少なくとも前記支持脚の上側まで伸びる補強部を備え、
前記補強部は、前記被固定部の上面に固定されていることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、
印刷時の前記媒体が載置されるプラテンと、前記プラテンを下側から支持するための本体フレームと、前記本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚とを備え、
前記本体フレームは、前記媒体の幅方向に細長い細長形状に形成される第1フレームおよび第2フレームを備え、
上下方向と前記媒体の幅方向とに直交する方向を第1方向とすると、
前記第2フレームは、前記媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに前記媒体の幅方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部と、前記メインフレーム部の下端から前記第1方向の外側に向かって伸びる平板状の底面部とを備え、
前記第1フレームは、前記媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに前記媒体の幅方向の両側および上側が開口する溝形鋼形状に形成される第2メインフレーム部を備え、
前記第2メインフレーム部は、前記媒体の幅方向に細長い平板状に形成され複数の前記支持脚に載置されて固定される被固定部と、前記被固定部の前記第1方向の両端から上側に向かって立ち上がる平板状の側面部とを備え、
前記第1方向における前記第2メインフレーム部の幅は、前記第1方向における前記メインフレーム部の幅よりも広くなっており、
前記底面部は、前記側面部の上端側に固定され、
前記メインフレーム部の上側に前記プラテンが配置されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記第1フレームは、前記側面部の上端から前記第1方向の内側に向かって伸びる平板状の上面部を備え、
前記底面部は、前記上面部に載置された状態で前記上面部に固定されていることを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記媒体の幅方向の両側に形成される前記第2メインフレーム部の開口部を塞ぐ補強部材を備えることを特徴とする請求項4または5記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記第1方向に前記媒体を搬送するための搬送ローラと、前記搬送ローラを回転可能に支持するローラ支持部とを備え、
前記ローラ支持部は、前記メインフレーム部に取り付けられていることを特徴とする請求項1、2、4または5記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記第2フレームに形成または固定されるとともに前記プラテンが固定されるプラテン支持部を備え、
前記プラテンには、印刷時の前記媒体を吸引するための複数の吸引穴が形成され、
前記メインフレーム部の上面と前記プラテンの下面との間には、複数の前記吸引穴が通じる空間が形成され、
前記メインフレーム部には、前記空間から空気を排出するためのファンが取り付けられていることを特徴とする請求項1、2、4または5記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記プラテン支持部は、前記第2フレームと別体で形成され、前記第2フレームに固定されていることを特徴とする請求項8記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記媒体に向かってインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジと、前記媒体の幅方向である主走査方向に前記キャリッジを移動させるキャリッジ駆動機構と、前記インクジェットヘッドの下面に形成される複数のノズルの目詰まりを防止するためのメンテナンスユニットとを備え、
前記媒体の幅方向における前記第1フレームの長さは、前記媒体の幅方向における前記メインフレーム部の長さよりも長くなっており、
前記メンテナンスユニットは、前記媒体の幅方向において前記メインフレーム部の一方側に配置されるとともに、前記第1フレームの上面側に取り付けられていることを特徴とする請求項1、2、4または5記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
前記媒体に向かってインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジと、前記媒体の幅方向である主走査方向に前記キャリッジを移動させるキャリッジ駆動機構と、前記媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに主走査方向への移動が可能となるように前記キャリッジを保持するキャリッジ保持部材と、前記媒体の幅方向における前記キャリッジ保持部材の両端部のそれぞれが固定されるとともに前記本体フレームに固定される2枚の側板と、前記媒体の幅方向における前記メインフレーム部の両側のそれぞれに配置されるとともに前記本体フレームに固定される2枚の第2側板とを備え、
2枚の前記第2側板は、前記媒体の幅方向において2枚の前記側板の内側に配置され、
前記キャリッジ保持部材は、2枚の前記第2側板に固定されていることを特徴とする請求項1、2、4または5記載のインクジェットプリンタ。
【請求項12】
前記第1方向の一方側を前側とし、前記第1方向の他方側を後ろ側とすると、
前記キャリッジに搭載される前記インクジェットヘッドは、前記キャリッジ保持部材の前側に配置され、
前記第2側板には、前記キャリッジ保持部材が固定される第1固定面および第2固定面が形成され、
前記第1固定面は、上下方向に直交する平面となっており、
前記第2固定面は、前記第1方向に直交する平面となっているとともに、前記第1固定面よりも後ろ側かつ上側に配置され、
前記第1固定面には、前記キャリッジ保持部材の前下端部が固定され、
前記第2固定面には、前記キャリッジ保持部材の後ろ下端部が固定されていることを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリンタ。
【請求項13】
前記第1フレームは、前記被固定部の前記第1方向の両端から上側に向かって立ち上がる平板状の側面部を備え、
前記第2側板は、2個の前記側面部の上端側に固定されていることを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットプリンタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のインクジェットプリンタは、支持台部と、支持台部に支持される案内部および本体部とを備えている。支持台部は、支持脚と、2枚のベースプレートとを備えている。支持脚は、2個の脚部と、2個の脚部を連結する連結プレートとを備えている。脚部は、フット部と支柱とアーム部と天板とを備えている。
【0003】
特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、本体部は、本体ケースと、本体ケースを支持する基台部と、基台部に固定される2個の連結部材とを備えている。基台部は、柱状の外観を有しており、媒体の幅方向となる主走査方向に沿って延在している。特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、脚部の天板に連結部材が固定されることで、支持台部に本体部が固定されている。案内部は、印刷時の媒体が載置されるプラテンを備えている。プラテンは、基台部によって下側から支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-49721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1に記載のインクジェットプリンタのように、印刷時の媒体が載置されるプラテンと、プラテンを下側から支持するための本体フレームと、本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚(脚部)とを備えるインクジェットプリンタを開発している。このインクジェットプリンタでは、複数の支持脚の上端部に固定される本体フレームは、インクジェットプリンタを構成する様々な構成部品を下側から支持する必要があるため、本体フレームの強度が高くなっていることが好ましい。また、このインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタの重量を軽減するために、本体フレームの重量が軽くなっていることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の課題は、印刷時の媒体が載置されるプラテンと、プラテンを下側から支持するための本体フレームと、本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚とを備えるインクジェットプリンタにおいて、本体フレームの強度を高めつつ、本体フレームを軽量化することが可能なインクジェットプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のインクジェットプリンタは、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、印刷時の媒体が載置されるプラテンと、プラテンを下側から支持するための本体フレームと、本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚とを備え、本体フレームは、媒体の幅方向に細長い平板状に形成され複数の支持脚に載置されて固定される被固定部を有する第1フレームと、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに媒体の幅方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部を有する第2フレームとを備え、上下方向と媒体の幅方向とに直交する方向を第1方向とすると、第1方向における被固定部の幅は、第1方向におけるメインフレーム部の幅よりも広くなっており、メインフレーム部は、被固定部の上面に固定され、メインフレーム部の上側にプラテンが配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のインクジェットプリンタでは、本体フレームは、媒体の幅方向に細長い平板状に形成され複数の支持脚に載置されて固定される被固定部を有する第1フレームと、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに媒体の幅方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部を有する第2フレームとを備えている。また、本発明では、第1方向における被固定部の幅は、第1方向におけるメインフレーム部の幅よりも広くなっており、メインフレーム部は、被固定部の上面に固定されている。
【0009】
すなわち、本発明では、第1フレームの被固定部と被固定部の上面に固定される第2フレームのメインフレーム部とによって、媒体の幅方向に細長い四角筒状の構造部分が本体フレームに形成されており、媒体の幅方向に細長い四角筒状の構造部分を本体フレームの主要部とすることが可能になっている。そのため、本発明では、本体フレームの強度を高めつつ、本体フレームを軽量化することが可能になる。
【0010】
本発明において、第1フレームは、被固定部の第1方向の両端から上側に向かって立ち上がる平板状の側面部を備えることが好ましい。このように構成すると、第1フレームが平板状の被固定部のみによって構成されている場合と比較して、第1フレームの強度を高めることが可能になる。したがって、本体フレームの強度をより高めることが可能になる。
【0011】
本発明において、インクジェットプリンタは、2個の支持脚を備え、媒体の幅方向における被固定部の長さは、媒体の幅方向におけるメインフレーム部の長さよりも長くなっており、2個の支持脚は、媒体の幅方向においてメインフレーム部よりも外側に配置され、第2フレームは、メインフレーム部から媒体の幅方向の外側に向かって少なくとも支持脚の上側まで伸びる補強部を備え、補強部は、被固定部の上面に固定されていることが好ましい。このように構成すると、2個の支持脚が媒体の幅方向においてメインフレーム部よりも外側に配置されていても、2個の支持脚に支持される本体フレームの支点となる本体フレームの、支持脚の上側部分の強度を高めることが可能になる。したがって、本体フレームに負荷が作用したときの本体フレームの変形を抑制することが可能になる。
【0012】
また、上記の課題を解決するため、本発明のインクジェットプリンタは、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、印刷時の媒体が載置されるプラテンと、プラテンを下側から支持するための本体フレームと、本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚とを備え、本体フレームは、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成される第1フレームおよび第2フレームを備え、上下方向と媒体の幅方向とに直交する方向を第1方向とすると、第2フレームは、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに媒体の幅方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部と、メインフレーム部の下端から第1方向の外側に向かって伸びる平板状の底面部とを備え、第1フレームは、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに媒体の幅方向の両側および上側が開口する溝形鋼形状に形成される第2メインフレーム部を備え、第2メインフレーム部は、媒体の幅方向に細長い平板状に形成され複数の支持脚に載置されて固定される被固定部と、被固定部の第1方向の両端から上側に向かって立ち上がる平板状の側面部とを備え、第1方向における第2メインフレーム部の幅は、第1方向におけるメインフレーム部の幅よりも広くなっており、底面部は、側面部の上端側に固定され、メインフレーム部の上側にプラテンが配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のインクジェットプリンタでは、本体フレームの一部を構成する第2フレームは、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに媒体の幅方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部と、メインフレーム部の下端から第1方向の外側に向かって伸びる平板状の底面部とを備えている。また、本発明では、本体フレームの一部を構成する第1フレームは、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに媒体の幅方向の両側および上側が開口する溝形鋼形状に形成される第2メインフレーム部を備えている。さらに、本発明では、第1方向における第2メインフレーム部の幅は、第1方向におけるメインフレーム部の幅よりも広くなっており、第2メインフレーム部の側面部の上端側に第2フレームの底面部が固定されている。
【0014】
すなわち、本発明では、第1フレームと第2フレームとによって、媒体の幅方向から見たときの外形が凸形状(略T形状を上下反転させた形状)をなすとともに媒体の幅方向に細長い筒状の構造部分が本体フレームに形成されており、媒体の幅方向に細長いこの筒状の構造部分を本体フレームの主要部とすることが可能になっている。そのため、本発明では、本体フレームの強度を高めつつ、本体フレームを軽量化することが可能になる。
【0015】
本発明において、第1フレームは、側面部の上端から第1方向の内側に向かって伸びる平板状の上面部を備え、底面部は、上面部に載置された状態で上面部に固定されていることが好ましい。このように構成すると、側面部の上端側に固定される底面部の固定状態を安定させることが可能になる。したがって、本体フレームの強度をより高めることが可能になる。また、このように構成すると、上面部に載置された状態の底面部を上面部に固定すれば良いため、底面部の固定作業を容易に行うことが可能になる。
【0016】
本発明において、インクジェットプリンタは、媒体の幅方向の両側に形成される第2メインフレーム部の開口部を塞ぐ補強部材を備えることが好ましい。このように構成すると、媒体の幅方向の両端側における本体フレームの強度を高めることが可能になる。
【0017】
本発明において、インクジェットプリンタは、たとえば、第1方向に媒体を搬送するための搬送ローラと、搬送ローラを回転可能に支持するローラ支持部とを備え、ローラ支持部は、メインフレーム部に取り付けられている。本発明のインクジェットプリンタでは、本体フレームの強度を高めることが可能になっている。そのため、搬送時等の媒体からの反力を受ける搬送ローラを支持するローラ支持部がメインフレーム部に固定されていても、ローラ支持部を介して本体フレームによって搬送ローラを適切に支持することが可能になる。
【0018】
本発明において、インクジェットプリンタは、第2フレームに形成または固定されるとともにプラテンが固定されるプラテン支持部を備え、プラテンには、印刷時の媒体を吸引するための複数の吸引穴が形成され、メインフレーム部の上面とプラテンの下面との間には、複数の吸引穴が通じる空間が形成され、メインフレーム部には、空間から空気を排出するためのファンが取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、メインフレーム部に取り付けれるファンを利用して、溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部の内側に空間からの空気を排出することが可能になる。したがって、比較的簡易な構成で、印刷時の媒体をプラテンに吸引して固定することが可能になる。
【0019】
本発明において、プラテン支持部は、第2フレームと別体で形成され、第2フレームに固定されていることが好ましい。第2フレームは媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるため、第2フレームにプラテン支持部が形成されている場合には、プラテン支持部を形成するときの第2フレームの取り扱いが煩雑になり、プラテン支持部が一体で形成されている第2フレームの製造コストが高くなるおそれがある。これに対して、第2フレームが媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されていても、別体で形成されたプラテン支持部を第2フレームに固定するときの第2フレームの取り扱いは比較的容易であるため、このように構成すると、プラテン支持部が固定された状態の第2フレームの製造コストを低減することが可能になる。
【0020】
本発明において、インクジェットプリンタは、媒体に向かってインクを吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジと、媒体の幅方向である主走査方向にキャリッジを移動させるキャリッジ駆動機構と、インクジェットヘッドの下面に形成される複数のノズルの目詰まりを防止するためのメンテナンスユニットとを備え、媒体の幅方向における第1フレームの長さは、媒体の幅方向におけるメインフレーム部の長さよりも長くなっており、メンテナンスユニットは、媒体の幅方向においてメインフレーム部の一方側に配置されるとともに、第1フレームの上面側に取り付けられていることが好ましい。
【0021】
このように構成すると、メンテナンスユニットの高さが高くなっていても、メインフレーム部の高さを調整することで、プラテンの上面に対してメンテナンスユニットの上面を適切な位置に配置することが可能になる。また、プラテンの上面の位置は、プラテンの上面とインクジェットヘッドの下面との間に所定の隙間が形成される位置に設定されている。したがって、メンテナンスユニットの高さが高くなっていても、インクジェットヘッドの下面に対してメンテナンスユニットの上面を適切な位置に配置することが可能になる。
【0022】
本発明において、インクジェットプリンタは、媒体に向かってインクを吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジと、媒体の幅方向である主走査方向にキャリッジを移動させるキャリッジ駆動機構と、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるとともに主走査方向への移動が可能となるようにキャリッジを保持するキャリッジ保持部材と、媒体の幅方向におけるキャリッジ保持部材の両端部のそれぞれが固定されるとともに本体フレームに固定される2枚の側板と、媒体の幅方向におけるメインフレーム部の両側のそれぞれに配置されるとともに本体フレームに固定される2枚の第2側板とを備え、2枚の第2側板は、媒体の幅方向において2枚の側板の内側に配置され、キャリッジ保持部材は、2枚の第2側板に固定されていることが好ましい。このように構成すると、キャリッジ保持部材が2枚の側板に加えて2枚の第2側板にも固定されているため、媒体の幅方向に細長い細長形状に形成されるキャリッジ保持部材に負荷が作用したときのキャリッジ保持部材の撓み等の変形を効果的に抑制することが可能になる。
【0023】
本発明において、第1方向の一方側を前側とし、第1方向の他方側を後ろ側とすると、たとえば、キャリッジに搭載されるインクジェットヘッドは、キャリッジ保持部材の前側に配置され、第2側板には、キャリッジ保持部材が固定される第1固定面および第2固定面が形成され、第1固定面は、上下方向に直交する平面となっており、第2固定面は、第1方向に直交する平面となっているとともに、第1固定面よりも後ろ側かつ上側に配置され、第1固定面には、キャリッジ保持部材の前下端部が固定され、第2固定面には、キャリッジ保持部材の後ろ下端部が固定されている。
【0024】
本発明において、第1フレームは、被固定部の第1方向の両端から上側に向かって立ち上がる平板状の側面部を備え、第2側板は、2個の側面部の上端側に固定されていることが好ましい。このように構成すると、2個の側面部が第1方向の外側に向かって開くのを第2側板によって防止することが可能になる。したがって、第1フレームの強度を高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明では、印刷時の媒体が載置されるプラテンと、プラテンを下側から支持するための本体フレームと、本体フレームが上端部に固定される複数の支持脚とを備えるインクジェットプリンタにおいて、本体フレームの強度を高めつつ、本体フレームを軽量化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態にかかるインクジェットプリンタの斜視図である。
図2図1に示すプラテン、本体フレーム、支持脚の上端部および第2側板を抜き出して示す斜視図である。
図3図1のE部の構成を説明するための拡大図である。
図4図3のF-F方向からキャリッジ保持部材、媒体搬送機構、プラテン、本体フレームおよび第2側板を示す側面図である。
図5図2のG部の拡大図である。
図6図2のH-H断面の断面図である。
図7図4のJ部の拡大図である。
図8図4のK部の、第2側板を取り外した状態の拡大図である。
図9図1に示すインクジェットヘッド、キャリッジおよびキャリッジ保持部材を抜き出して示す側面図である。
図10図9に示すガイドローラおよびローラ保持部材を抜き出して示す背面斜視図である。
図11図9に示すガイドレールおよびガイドローラを抜き出して示す側面図である。
図12】本発明の他の実施の形態にかかる本体フレームの構成を説明するための斜視図である。
図13図12のN部の拡大図である。
図14図12に示す本体フレームの構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
(インクジェットプリンタの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるインクジェットプリンタ1の斜視図である。図2は、図1に示すプラテン8、本体フレーム9、支持脚10の上端部および側板12を抜き出して示す斜視図である。図3は、図1のE部の構成を説明するための拡大図である。図4は、図3のF-F方向からYバー6、媒体搬送機構7、プラテン8、本体フレーム9および側板12を示す側面図である。
【0029】
本形態のインクジェットプリンタ1(以下、「プリンタ1」とする。)は、たとえば、業務用のインクジェットプリンタであり、インクを吐出して媒体2(図4参照)に印刷を行う。媒体2は、たとえば、印刷用紙、布帛または樹脂製のフィルム等である。プリンタ1は、媒体2に向かってインクを吐出するインクジェットヘッド3(図3参照、以下、「ヘッド3」とする。)と、ヘッド3が搭載されるキャリッジ4と、媒体2の幅方向である主走査方向(図1等のY方向)にキャリッジ4を移動させるキャリッジ駆動機構5と、主走査方向への移動が可能となるようにキャリッジ4を保持するキャリッジ保持部材としてのYバー6とを備えている。
【0030】
また、プリンタ1は、上下方向(鉛直方向、図1等のZ方向)と主走査方向とに直交する副走査方向(図1等のX方向)に媒体2を搬送する媒体搬送機構7と、印刷時の媒体2が載置されるプラテン8と、プラテン8を下側から支持するための本体フレーム9と、本体フレーム9が上端部に固定される複数の支持脚10と、本体フレーム9に固定される側板11、12とを備えている。本形態のプリンタ1は、2個の支持脚10と2枚の側板11と2枚の側板12とを備えている。本形態の側板12は、第2側板である。
【0031】
以下の説明では、主走査方向(Y方向)を「左右方向」とし、副走査方向(X方向)を「前後方向」とする。また、左右方向の一方側である図1等のY1方向側を「右」側とし、右側の反対側である図1等のY2方向側を「左」側とし、前後方向の一方側である図1等のX1方向側を「前」側とし、前側の反対側である図1等のX2方向側を「後ろ」側とする。本形態の左右方向(Y方向)は、媒体2の幅方向である。また、前後方向(X方向)は、媒体2の幅方向である左右方向と上下方向とに直交する方向である第1方向となっている。また、第1方向の一方側(すなわち、副走査方向の一方側、X1方向側)が前側となっており、第1方向の他方側(すなわち、副走査方向の他方側、X2方向側)が後ろ側となっている。
【0032】
ヘッド3は、下側に向かってインクを吐出する。ヘッド3の下面には、インクを吐出する複数のノズルが形成されている。ヘッド3は、ノズルからインクを吐出させる圧電素子(ピエゾ素子)を備えている。キャリッジ4には、たとえば、複数のヘッド3が搭載されている。キャリッジ駆動機構5は、たとえば、2個のプーリと、2個のプーリに架け渡されるとともに一部がキャリッジ4に固定されるベルトと、プーリを回転させるモータとを備えている。キャリッジ4の具体的な構成については後述する。
【0033】
プラテン8は、左右方向に細長い細長形状に形成されている。プラテン8の左右方向の長さは、たとえば、1600mm程度となっている。プラテン8は、ヘッド3の下側に配置されている。プラテン8には、印刷時の媒体2を吸引するための複数の吸引穴8a(図5参照)が形成されている。吸引穴8aは、プラテン8のほぼ全域に亘って多数形成されている。Yバー6は、左右方向に細長い細長形状に形成されている。Yバー6は、プラテン8よりも後ろ側に配置されるとともに、プラテン8よりも上側に配置されている。Yバー6の具体的な構成については後述する。
【0034】
本体フレーム9は、左右方向に細長い細長形状に形成されている。2個の支持脚10は、左右方向に間隔をあけた状態で配置されている。2個の支持脚10は、本体フレーム9の左右方向の両端部を下側から支持している。2個の支持脚10は、本体フレーム9の左右方向の両端より左右方向の内側に配置されている。側板11は、本体フレーム9の左右方向の両端のそれぞれに固定されている。側板12は、本体フレーム9の左右方向の両端部のそれぞれに固定されている。2枚の側板12は、左右方向において2枚の側板11の内側に配置されている。本体フレーム9および側板12の具体的な構成については後述する。
【0035】
媒体搬送機構7は、前後方向に媒体2を搬送するための搬送ローラ(グリッドローラ)16と、搬送ローラ16に対向配置される複数のピンチローラ17と、搬送ローラ16を回転させる回転駆動機構とを備えている。媒体搬送機構7は、たとえば、20個程度のピンチローラ17を備えている。搬送ローラ16およびピンチローラ17は、左右方向を回転の軸方向として回転可能になっている。搬送ローラ16は、プラテン8の後ろ側に配置されている。ピンチローラ17は、搬送ローラ16の上側に配置されており、搬送ローラ16に上側から対向している。回転駆動機構は、モータと、モータの動力を搬送ローラ16に伝達する動力伝達機構とを備えている。
【0036】
媒体2は、上下方向において搬送ローラ16とピンチローラ17とに挟まれた状態で搬送される。また、媒体搬送機構7は、複数のピンチローラ17と搬送ローラ16との間に媒体2の一部が挟まる媒体保持位置と、複数のピンチローラ17が搬送ローラ16から離れる退避位置との間でピンチローラ17を移動させるピンチローラ移動機構18を備えている。ピンチローラ移動機構18の具体的な構成については後述する。
【0037】
また、プリンタ1は、ヘッド3の下面に形成される複数のノズルの目詰まりを防止するためのメンテナンスユニット19を備えている。メンテナンスユニット19では、ヘッド3の複数のノズルに目詰まりが発生しないように、ヘッド3のクリーニングが行われる。たとえば、メンテナンスユニット19では、ヘッド3のノズル内のインクを強制的に吸引するパージング、ヘッド3のノズルからインクを強制的に吐出させるフラッシング、および、所定のワイパー部材によってヘッド3の下面を拭うワイピングが行われる。メンテナンスユニット19は、本体フレーム9の右端部に取り付けられている。
【0038】
(本体フレームおよび本体フレームの周辺部分の構成)
図5は、図2のG部の拡大図である。図6は、図2のH-H断面の断面図である。
【0039】
本体フレーム9は、左右方向に細長い細長形状に形成される第1フレーム21および第2フレーム22を備えている。第1フレーム21および第2フレーム22は、金属材料によって形成されている。また、第1フレーム21および第2フレーム22は、所定形状に形成された薄い平板状の金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。
【0040】
第1フレーム21は、2個の支持脚10に載置されて固定される平板状の被固定部21aを備えている。被固定部21aは、左右方向に細長い平板状に形成されている。具体的には、被固定部21aは、左右方向に細長い長方形の平板状に形成されている。被固定部21aの厚さ方向は上下方向と一致している。また、長方形状に形成される被固定部21aの長辺の方向は左右方向と一致し、被固定部21aの短辺の方向は前後方向と一致している。
【0041】
第1フレーム21は、被固定部21aに加えて、被固定部21aの前後方向の両端から上側に向かって立ち上がる側面部21bと、側面部21bの上端から前後方向の内側に向かって伸びる上面部21cとを備えている。側面部21bおよび上面部21cは、左右方向に細長い長方形の平板状に形成されている。側面部21bの厚さ方向は前後方向と一致し、上面部21cの厚さ方向は上下方向と一致している。
【0042】
本形態の第1フレーム21は、被固定部21aと2個の側面部21bと2個の上面部21cとによって構成されており、左右方向の両側および上側が開口するリップ溝形鋼形状に形成されている(図6参照)。第1フレーム21の断面形状は、上側が開口する略コの字状(略U形状)となっている。被固定部21aは、支持脚10の上面に固定されている。支持脚10には、被固定部21aの左右方向の両端部が固定されている。第1フレーム21の左右方向の長さは、2個の支持脚10の左右方向の間隔よりも長くなっている。第1フレーム21の左右方向の両端面は、2個の支持脚10よりも左右方向の外側に配置されている。
【0043】
第2フレーム22は、左右方向に細長い細長形状に形成されるとともに左右方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部22aを備えている。メインフレーム部22aは、メインフレーム部22aの前後方向の側面を構成する2個の側面部22bと、2個の側面部22bの上端を繋ぐ上面部22cとによって構成されており、メインフレーム部22aの断面形状は、下側が開口するコの字状(U形状)となっている。側面部22bおよび上面部22cは、左右方向に細長い長方形の平板状に形成されている。側面部22bの厚さ方向は前後方向と一致し、上面部22cの厚さ方向は上下方向と一致している。側面部22bの高さは、側面部21bの高さよりも高くなっている。
【0044】
また、第2フレーム22は、側面部22bの下端から前後方向の外側に向かって伸びる底面部22dと、底面部22dの前後方向の外側端から上側に向かって立ち上がる外側面部22eとを備えている。底面部22dおよび外側面部22eは、左右方向に細長い長方形の平板状に形成されている。底面部22dの厚さ方向は上下方向と一致し、外側面部22eの厚さ方向は前後方向と一致している。また、第2フレーム22は、メインフレーム部22aから左右方向の外側に向かって伸びる補強部22fを備えている。
【0045】
補強部22fは、メインフレーム部22aの右側において前後方向の2箇所に形成されるとともに、メインフレーム部22aの左側において前後方向の2箇所に形成されている。すなわち、第2フレーム22は、4個の補強部22fを備えている。補強部22fは、底面部22dに繋がる底面部22gと、底面部22gの前後方向の外側端に繋がるとともに外側面部22eに繋がる外側面部22hと、底面部22gの前後方向の内側端に繋がるとともに側面部22bの下端部に繋がる内側面部22jとによって構成されており、上側が開口する溝形鋼形状に形成されている(図5参照)。
【0046】
第1フレーム21の左右方向の長さは、第2フレーム22の左右方向の長さよりも長くなっている。すなわち、第1フレーム21の左右方向の長さは、メインフレーム部22aの左右方向の長さよりも長くなっている。また、被固定部21aの左右方向の長さは、メインフレーム部22aの左右方向の長さよりも長くなっている。第1フレーム21の前後方向の幅は、第2フレーム22の前後方向の幅よりも広くなっている。すなわち、被固定部21aの前後方向の幅は、メインフレーム部22aの前後方向の幅よりも広くなっている。
【0047】
第2フレーム22は、被固定部21aの上面に固定されている。具体的には、被固定部21aの上面に接触する底面部22d、22gが複数のネジによって被固定部21aの上面に固定されている。すなわち、メインフレーム部22aが底面部22dを介して被固定部21aの上面に固定されるとともに、補強部22fが被固定部21aの上面に固定されている。第2フレーム22の左右方向の両端面は、第1フレーム21の左右方向の両端面よりも左右方向の内側に配置されている。外側面部22e、22hの高さは、側面部21bの高さよりも低くなっている。
【0048】
メインフレーム部22aの左右方向の長さは、2個の支持脚10の左右方向の間隔よりも短くなっている。2個の支持脚10は、左右方向においてメインフレーム部22aの外側に配置されている。すなわち、メインフレーム部22aは、左右方向において2個の支持脚10の間に配置されている。また、第2フレーム22の左右方向の長さは、2個の支持脚10の左右方向の間隔よりも長くなっている。第2フレーム22の左右方向の両端面は、2個の支持脚10よりも左右方向の外側に配置されている。すなわち、補強部22fは、メインフレーム部22aから左右方向の外側に向かって伸びるとともに、支持脚10の上側よりも左右方向の外側まで伸びている。
【0049】
メインフレーム部22aには、搬送ローラ16を回転可能に支持するローラ支持部25が取り付けられている(図6参照)。すなわち、プリンタ1は、搬送ローラ16を回転可能に支持するローラ支持部25を備えている。ローラ支持部25は、後ろ側に配置される側面部22bの後面に固定されている。メインフレーム部22aには、左右方向において一定の間隔で配列される複数のローラ支持部25が取り付けられている(図2参照)。ローラ支持部25は、搬送ローラ16を回転可能に支持する軸受を備えている。
【0050】
ローラ支持部25には、プラテン8が固定されるプラテン支持部25aが形成されている(図6参照)。すなわち、プリンタ1は、第2フレーム22に固定されるとともにプラテン8が固定されるプラテン支持部25aを備えている。また、第2フレーム22には、プラテン8が固定されるプラテン支持部22kが形成されている。すなわち、プリンタ1は、第2フレーム22に形成されるとともにプラテン8が固定されるプラテン支持部22kを備えている。
【0051】
第2フレーム22には、左右方向において一定の間隔で配列される複数のプラテン支持部22kが形成されている(図2参照)。プラテン支持部22kは、メインフレーム部22aの上面部22cの前端側の一部分が上側に向かって切り起こされることで形成されている。プラテン支持部22k、25aの上端面は、上下方向に直交する平面となっている。プラテン支持部22kの上端面には、プラテン8の前端部が載置されて固定され、プラテン支持部25aの上端面には、プラテン8の後端部が載置されて固定されている(図6参照)。
【0052】
プラテン8の左右方向の幅は、メインフレーム部22aの左右方向の幅とほぼ等しくなっている。プラテン8は、メインフレーム部22aの上側に配置されている。上述のように、プラテン8には、印刷時の媒体2を吸引するための複数の吸引穴8aが形成されている。メインフレーム部22aの上面(すなわち、上面部22cの上面)とプラテン8の下面との間には、複数の吸引穴8aに通じる空間Sが形成されている(図6参照)。空間Sは、密閉性が比較的高い空間となっている。
【0053】
メインフレーム部22aには、空間Sから空気を排出するためのファン23が取り付けられている。具体的には、上面部22cの下面にファン23が取り付けられている。図6に示すように、上面部22cには、空間Sから排出される空気が通過する開口部22pが形成されている。プリンタ1では、ファン23が作動して空間Sから空気が排出されると、複数の吸引穴8aに媒体2が吸引される。空間Sは、媒体2を吸引するための空気室となっている。なお、プラテン8の前端部および後端部の下側には、空間Sの密閉性を高めるためのスポンジ24が配置されている(図6参照)。
【0054】
上述のように、メンテナンスユニット19は、本体フレーム9の右端部に取り付けられている。メンテナンスユニット19は、メインフレーム部22aの右側に配置されている。すなわち、メンテナンスユニット19は、左右方向においてメインフレーム部22aの一方側に配置されている。メンテナンスユニット19は、第1フレーム21の上面側に取り付けられている。具体的には、図3に示すように、メンテナンスユニット19は、2個の上面部21cの上面に固定されている。
【0055】
(Yバーおよび側板の構成)
図7は、図4のJ部の拡大図である。
【0056】
Yバー6は、アルミニウム合金製の押出し材によって構成されている。Yバー6は、上述のように、左右方向に細長い細長形状に形成されている。Yバー6の前面側には、キャリッジ4を左右方向(主走査方向)に案内するためのガイドレール6a、6bが形成されている。ガイドレール6a、6bの具体的な構成については後述する。
【0057】
側板11、12は、所定形状に形成された薄い平板状の金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。上述のように、側板11は、本体フレーム9の左右方向の両端のそれぞれに固定されている。側板11は、本体フレーム9の左右方向の両端において、第1フレーム21の上面側に取り付けられている。具体的には、側板11は、本体フレーム9の左右方向の両端において、2個の上面部21cの上面に固定されている。側板11には、Yバー6の左右方向の両端部のそれぞれが固定されている。
【0058】
上述のように、側板12は、本体フレーム9の左右方向の両端部のそれぞれに固定されている。また、2枚の側板12は、左右方向において2枚の側板11の内側に配置されている。左右方向における2枚の側板12の間隔は、プラテン8およびメインフレーム部22aの左右方向の長さよりも若干、広くなっている。側板12は、プラテン8およびメインフレーム部22aの左右方向の両側のそれぞれに配置されている。すなわち、プラテン8およびメインフレーム部22aは、左右方向において2枚の側板12の間に配置されている。
【0059】
側板12は、本体フレーム9の左右方向の両端部において、第1フレーム21の上面側に取り付けられている。具体的には、側板12は、本体フレーム9の左右方向の両端部において、2個の上面部21cの上面に固定されている。すなわち、側板12は、本体フレーム9の左右方向の両端部において、2個の側面部21bの上端側に固定されている。プリンタ1の右端部では、メンテナンスユニット19は、左右方向において側板11と側板12との間に配置されている。
【0060】
側板12には、Yバー6の左右方向の両端部のそれぞれが固定されている。すなわち、Yバー6は、2枚の側板12に固定されている。側板12には、Yバー6が固定される固定面12a、12bが形成されている(図5図7参照)。固定面12aは、上下方向に直交する平面となっている。固定面12bは、前後方向に直交する平面となっている。固定面12bは、固定面12aよりも後ろ側かつ上側に配置されている。本形態の固定面12aは第1固定面であり、固定面12bは第2固定面である。
【0061】
側板12の後端部には、Yバー6の左右方向の両端部が載っている。固定面12aには、Yバー6の前下端部が載っている、固定面12aには、Yバー6の前下端部が固定されている。具体的には、Yバー6の前下端部がネジによって固定面12aに固定されている。固定面12bには、Yバー6の後ろ下端部が前側から接触している。固定面12bには、Yバー6の後ろ下端部が固定されている。具体的には、Yバー6の後ろ下端部がネジによって固定面12bに固定されている。
【0062】
(ピンチローラ移動機構)
図8は、図4のK部の、側板12を取り外した状態の拡大図である。
【0063】
ピンチローラ移動機構18は、ピンチローラ17を回転可能に保持するピンチローラ保持部28と、ピンチローラ保持部28が固定される回動軸29と、回動軸29を回動させる駆動機構とを備えている。ピンチローラ17は、ピンチローラ保持部28の前端部に回転可能に保持されている。回動軸29には、ピンチローラ保持部28の後端部が固定されている。回動軸29には、複数のピンチローラ保持部28が固定されている。回動軸29は、左右方向を回動の軸方向として回動可能になっている。回動軸29の両端部は、2枚の側板12に回動可能に支持されている。
【0064】
駆動機構は、モータ等の駆動源と、駆動源の動力を回動軸29に伝達する動力伝達機構とを備えている。駆動機構は、回動軸29を回動させて、複数のピンチローラ17と搬送ローラ16との間に媒体2の一部が挟まる媒体保持位置(図8に示す位置)と、複数のピンチローラ17が搬送ローラ16から離れる退避位置との間でピンチローラ17を移動させる。プリンタ1に媒体2がセットされるときには、ピンチローラ17が退避位置に移動し、プリンタ1に媒体2がセットされると、ピンチローラ17が媒体保持位置に移動する。
【0065】
なお、ピンチローラ保持部28は、回動軸29に対して手動で左右方向に移動可能になっている。ピンチローラ保持部28は、クランプ機構30に取り付けられている(図8参照)。クランプ機構30は、ピンチローラ保持部28が回動軸29に固定されるクランプ状態と、ピンチローラ保持部28が回動軸29に対して左右方向に移動可能となるアンクランプ状態とに切り替え可能になっている。クランプ機構30は、左右方向への移動が可能となるようにYバー6の下端部に保持されている。
【0066】
(キャリッジ、ガイドレールの構成)
図9は、図1に示すヘッド3、キャリッジ4およびYバー6を抜き出して示す側面図である。図10は、図9に示すガイドローラ33~36およびローラ保持部材37を抜き出して示す背面斜視図である。図11は、図9に示すガイドレール6a、6bおよびガイドローラ33~36を抜き出して示す側面図である。
【0067】
キャリッジ4は、ヘッド3が取り付けられるキャリッジ本体32と、キャリッジ4を左右方向(主走査方向)に案内するための複数のガイドローラ33~36とを備えている。キャリッジ本体32は、Yバー6の前側に配置されている。すなわち、キャリッジ本体32に取り付けられてキャリッジ4に搭載されるヘッド3は、Yバー6の前側に配置されている。キャリッジ本体32は、複数のガイドローラ33~36を回転可能に保持するローラ保持部材37を備えている。すなわち、複数のガイドローラ33~36は、キャリッジ本体32に回転可能に取り付けられている。ローラ保持部材37は、樹脂材料で形成されている。ローラ保持部材37は、キャリッジ本体32の後端部を構成している。
【0068】
ガイドローラ33~36は、軸受(ベアリング)である。たとえば、ガイドローラ33~36は、ボールベアリングまたはローラベアリングである。本形態では、図10に示すように、キャリッジ4は、ローラ保持部材37の右端側に取り付けられる4個のガイドローラ33~36と、ローラ保持部材37の左端側に取り付けられる4個のガイドローラ33~36とを備えている。すなわち、本形態では、キャリッジ4は、2個のガイドローラ33と2個のガイドローラ34と2個のガイドローラ35と2個のガイドローラ36との合計8個のガイドローラ33~36を備えている。
【0069】
また、本形態では、キャリッジ4は、ローラ保持部材37の右端側に取り付けられる4個のガイドローラ33~36からなるガイドローラ群38と、ローラ保持部材37の左端側に取り付けられる4個のガイドローラ33~36からなるガイドローラ群39とを備えている(図10参照)。すなわち、ガイドローラ群38、39は、キャリッジ本体32の左右方向の両端側のそれぞれに取り付けられている。また、ガイドローラ群38、39は、キャリッジ本体32の後端部に取り付けられている。
【0070】
ガイドローラ33、34は、ローラ保持部材37の上端側(すなわち、キャリッジ本体32の上端側)に取り付けられている。2個のガイドローラ33は、2個のガイドローラ34よりも左右方向の内側に配置されている。ガイドローラ33は、ローラ保持部材37に対して上下方向を回転の軸方向とする回転が可能となっている。ガイドローラ34は、ローラ保持部材37に対して斜め後ろ下方向を回転の軸方向とする回転が可能となっている。ローラ保持部材37には、ガイドローラ33の回転中心となる固定軸と、ガイドローラ34の回転中心となる固定軸とが固定されている。
【0071】
ガイドローラ35、36は、ローラ保持部材37の下端側(すなわち、キャリッジ本体32の下端側)に取り付けられている。2個のガイドローラ35は、2個のガイドローラ36よりも左右方向の内側に配置されている。ガイドローラ35は、ローラ保持部材37に対して上下方向を回転の軸方向とする回転が可能となっている。ガイドローラ36は、ローラ保持部材37に対して斜め後ろ上方向を回転の軸方向とする回転が可能となっている。ローラ保持部材37には、ガイドローラ35の回転中心となる固定軸と、ガイドローラ36の回転中心となる固定軸とが固定されている。
【0072】
本形態のガイドローラ33は第1ガイドローラであり、ガイドローラ34は第2ガイドローラであり、ガイドローラ35は第3ガイドローラであり、ガイドローラ34は第4ガイドローラである。すなわち、ガイドローラ群38、39は、第1ガイドローラと第2ガイドローラと第3ガイドローラと第4ガイドローラとを備えている。
【0073】
ガイドローラ33の外径D1(図11参照)は、ガイドローラ34~36の外径D2~D4(図11参照)と異なっている。すなわち、8個のガイドローラ33~36のうちの2個のガイドローラ33の外径D1は、ガイドローラ33を除いた残りの6個のガイドローラ34~36の外径D2~D4と異なっている。具体的には、ガイドローラ33の外径D1は、残りのガイドローラ34~36の外径D2~D4よりも大きくなっている。
【0074】
また、ガイドローラ34の外径D2とガイドローラ35の外径D3とガイドローラ36の外径D4とは等しくなっている。すなわち、キャリッジ4は、外径の異なる2種類のガイドローラ33~36を備えている。たとえば、ガイドローラ33の外径D1は13mmとなっており、ガイドローラ34~36の外径D2~D4は12mmとなっている。すなわち、ガイドローラ33の外径D1は、ガイドローラ34~36の外径D2~D4よりも1mm大きくなっている。
【0075】
上述のように、Yバー6の前面側には、ガイドレール6a、6bが形成されている。図11に示すように、ガイドレール6aには、ガイドローラ33が前側から接触する接触面6cと、ガイドローラ34が斜め後ろ上側から接触する接触面6dとが形成されている。すなわち、ガイドレール6aには、ガイドローラ33、34が接触する接触面6c、6dが形成されている。ガイドレール6bには、ガイドローラ35が前側から接触する接触面6eと、ガイドローラ36が斜め後ろ下側から接触する接触面6fとが形成されている。すなわち、ガイドレール6bには、ガイドローラ35、36が接触する接触面6e、6fが形成されている。
【0076】
接触面6c、6eは、前後方向に直交する平面である。接触面6c、6eは、左右方向に細長い長方形状の平面である。接触面6dは、斜め後ろ上方向に直交する平面である。接触面6fは、斜め後ろ下方向に直交する平面である。接触面6d、6fは、左右方向に細長い長方形状の平面である。ただし、接触面6d、6fは、曲率半径の大きい曲面であっても良い。本形態の接触面6cは第1接触面であり、接触面6dは第2接触面であり、接触面6eは第3接触面であり、接触面6fは第4接触面である。また、本形態のガイドレール6aは第1ガイドレールであり、ガイドレール6bは第2ガイドレールである。
【0077】
なお、ガイドローラ36は、図示を省略するネジリコイルバネ等のバネ部材によって接触面6fに向かって付勢されている。そのため、本形態では、ガイドレール6a、6b、ガイドローラ33~36およびローラ保持部材37等の部品寸法がばらついても、ガイドローラ33~36の全てを接触面6c~6eのそれぞれに接触させることが可能になっている。
【0078】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、本体フレーム9は、左右方向に細長い平板状に形成され2個の支持脚10に載置されて固定される被固定部21aと、左右方向に細長い細長形状に形成されるとともに左右方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部22aとを備えている。また、本形態では、被固定部21aの前後方向の幅は、メインフレーム部22aの前後方向の幅よりも広くなっており、メインフレーム部22aは、被固定部21aの上面に固定されている。
【0079】
すなわち、本形態では、本体フレーム9に、被固定部21aの上面に固定されるメインフレーム部22aと被固定部21aとによって、左右方向に細長い四角筒状(角パイプ状)の構造部分が形成されており、左右方向に細長い四角筒状の構造部分が本体フレーム9の主要部となっている。そのため、本形態では、本体フレーム9の強度を高めつつ、本体フレーム9を軽量化することが可能になる。
【0080】
本形態では、第1フレーム21は、被固定部21aの前後方向の両端から上側に向かって立ち上がる平板状の側面部21bを備えている。そのため、本形態では、第1フレーム21が平板状の被固定部21aのみによって構成されている場合と比較して、第1フレーム21の強度を高めることが可能になる。特に本形態では、側面部21bの上端に上面部21cが繋がっており、第1フレーム21がリップ溝形鋼形状に形成されているため、第1フレーム21の強度をより高めることが可能になる。したがって、本形態では、本体フレーム9の強度をより高めることが可能になる。
【0081】
本形態では、第2フレーム22は、メインフレーム部22aから左右方向の外側に向かって伸びる補強部22fを備えている。また、本形態では、被固定部21aの上面に固定される補強部22fは、支持脚10の上側よりも左右方向の外側まで伸びている。そのため、本形態では、メインフレーム部22aの左右方向の外側で被固定部21aが2個の支持脚10に固定されていても、2個の支持脚10に支持される本体フレーム9の支点となる本体フレーム9の、支持脚10の上側部分の強度を高めることが可能になる。したがって、本形態では、本体フレーム9に負荷が作用したときの本体フレーム9の変形を抑制することが可能になる。
【0082】
本形態では、搬送ローラ16を回転可能に支持するローラ支持部25がメインフレーム部22aに取り付けられている。本形態では、本体フレーム9の強度を高めることが可能になっているため、搬送時等の媒体2からの反力を受ける搬送ローラ16を支持するローラ支持部25がメインフレーム部22aに固定されていても、ローラ支持部25を介して本体フレーム9によって搬送ローラ16を適切に支持することが可能になる。
【0083】
本形態では、プラテン8に、印刷時の媒体2を吸引するための複数の吸引穴8aが形成されている。また、本形態では、メインフレーム部22aの上面とプラテン8の下面との間に、複数の吸引穴8aが通じる空間Sが形成されており、メインフレーム部22aには、空間Sから空気を排出するためのファン23が取り付けられている。そのため、本形態では、メインフレーム部22aに取り付けれるファン23を利用して、溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部22aの内側に空間Sからの空気を排出することが可能になる。したがって、本形態では、比較的簡易な構成で、印刷時の媒体2をプラテン8に吸引して固定することが可能になる。
【0084】
本形態では、メンテナンスユニット19は、メインフレーム部22aの右側に配置されるとともに、第1フレーム21の上面側に取り付けられている。そのため、本形態では、メンテナンスユニット19の高さが高くなっていても、メインフレーム部22aの高さを調整することで、メインフレーム部22aの上側に配置されるプラテン8の上面に対してメンテナンスユニット19の上面を適切な位置に配置することが可能になる。また、プラテン8の上面の位置は、プラテン8の上面とヘッド3の下面との間に所定の隙間が形成される位置に設定されている。したがって、本形態では、メンテナンスユニット19の高さが高くなっていても、ヘッド3の下面に対してメンテナンスユニット19の上面を適切な位置に配置することが可能になる。
【0085】
本形態では、Yバー6は、2枚の側板11に固定されているのに加えて、2枚の側板12にも固定されている。そのため、本形態では、左右方向に細長い細長形状に形成されるYバー6に負荷が作用したときのYバー6の撓み等の変形を効果的に抑制することが可能になる。また、本形態では、側板12は、本体フレーム9の左右方向の両端部において、2個の上面部21cの上面に固定されているため、2個の側面部21bが前後方向の外側に向かって開くのを側板12によって防止することが可能になる。したがって、本形態では、第1フレーム12の強度を高めることが可能になる。
【0086】
(本体フレームの変更例)
図12は、本発明の他の実施の形態にかかる本体フレーム9の構成を説明するための斜視図である。図13は、図12のN部の拡大図である。図14は、図12に示す本体フレーム9の構成を説明するための断面図である。図12図14では、上述した形態と同様の構成については同一の符号を付している。なお、図14では、図2のH-H断面に相当する断面の断面図が図示されている。
【0087】
本体フレーム9の構成は、上述した形態の本体フレーム9の構成に限定されない(図12図14参照)。図12図14に示す本体フレーム9では、第2フレーム22の形状が上述した形態の第2フレーム22の形状と異なっている。また、この変更例では、補強部材45が第1フレーム21の左右方向の両端部に固定され、所定の部品を固定するための部品固定部材46が第2フレーム22の左右方向の両端部に固定されている。すなわち、この変更例では、プリンタ1は、補強部材45と部品固定部材46とを備えている。以下、図12図14に示す本体フレーム9の変更例の構成を、上述した形態の本体フレーム9との相違点を中心にして説明する。なお、図13では、補強部材45および部品固定部材46の図示を省略している。
【0088】
上述した形態と同様に、本体フレーム9は、左右方向に細長い細長形状に形成される第1フレーム21および第2フレーム22を備えている。第1フレーム21は、上述した形態と同様に形成されている。すなわち、第1フレーム21は、被固定部21aと2個の側面部21bと2個の上面部21cとによって構成されており、左右方向の両側および上側が開口するリップ溝形鋼形状に形成されている。
【0089】
この変更例では、被固定部21aと2個の側面部21bとによって第2メインフレーム部21eが構成されている。第2メインフレーム部21eは、左右方向に細長い細長形状に形成されるとともに左右方向の両側および上側が開口する溝形鋼形状に形成されている。補強部材45は、リップ溝形鋼形状をなす第1フレーム21の、左右方向の両側に形成される開口部を塞ぐように、第1フレーム21の左右方向の両端部に固定されている。すなわち、補強部材45は、溝形鋼形状をなす第2メインフレーム部21eの、左右方向の両側に形成される開口部を塞いでいる。
【0090】
第2フレーム22は、上述した形態と同様に、2個の側面部22bと上面部22cとによって構成されるメインフレーム部22aを備えている。メインフレーム部22aは、左右方向に細長い細長形状に形成されるとともに左右方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されている。また、第2フレーム22は、側面部22bの下端から前後方向の外側に向かって伸びる底面部22dを備えている。すなわち、第2フレーム22は、メインフレーム部22aの下端から前後方向の外側に向かって伸びる2個の底面部22dを備えている。
【0091】
この変更例では、後ろ側に配置される底面部22dの前後方向の幅が前側に配置される底面部22dの前後方向の幅よりも広くなっている。また、この変更例では、第2フレーム22に、外側面部22eおよび補強部22fは形成されていない。部品固定部材46は、第2フレーム22の左右方向の両端部において(すなわち、メインフレーム部22aの左右方向の両端部において)、前後方向に間隔をあけた状態で配置される2個の側面部22bを繋ぐように2個の側面部22bに固定されている。
【0092】
上述した形態と同様に、第1フレーム21の左右方向の長さは、メインフレーム部22aの左右方向の長さよりも長くなっている。すなわち、第2メインフレーム部21eの左右方向の長さは、メインフレーム部22aの左右方向の長さよりも長くなっている。また、第1フレーム21の前後方向の幅(すなわち、第2メインフレーム部21eの前後方向の幅)は、メインフレーム部22aの前後方向の幅よりも広くなっている。一方、この変更例では、第1フレーム21の前後方向の幅は、第2フレーム22の前後方向の幅と等しくなっている。
【0093】
第2フレーム22は、第1フレーム21の上側に配置されている。また、第2フレーム22は、第1フレーム21に固定されている。具体的には、第2フレーム22の底面部22dが第1フレーム21の上面部21cに載置された状態で上面部21cに固定されている。すなわち、底面部22dは、側面部21bの上端側に固定されている。前側に配置される底面部22dの前側部分の下面は、前側に配置される上面部21cの上面に接触し、後ろ側に配置される底面部22dの後ろ側部分の下面は、後ろ側に配置される上面部21cの上面に接触している。
【0094】
第1フレーム21の前側面(すなわち、前側に配置される側面部21bの前面)と第2フレーム22の前端面(すなわち、前側に配置される底面部22dの前端面)とは前後方向において同じ位置に配置されている。第1フレーム21の後側面(すなわち、後ろ側に配置される側面部21bの後面)と第2フレーム22の後端面(すなわち、後ろ側に配置される底面部22dの後端面)とは前後方向において同じ位置に配置されている。
【0095】
底面部22dは、複数のネジによって上面部21cに固定されている。この変更例では、底面部22dにネジが挿通される貫通穴が形成され、上面部21cにネジが係合するネジ穴が形成されている。ネジは、底面部22dの上側から底面部22dおよび上面部21cに取り付けられる。なお、上述した形態では、ネジの先端部が本体フレーム9の下側で本体フレーム9の外部に露出しないように、被固定部21aにネジが挿通される貫通穴が形成され、底面部22d、22gにネジが係合するネジ穴が形成されている。ネジは、被固定部21aの下側から被固定部21aおよび底面部22d、22gに取り付けられる。
【0096】
上述した形態と同様に、メインフレーム部22aには、搬送ローラ16を回転可能に支持するローラ支持部25が取り付けられている。ローラ支持部25には、プラテン支持部25aが形成されている。この変更例では、上述した形態のプラテン支持部22kに相当するプラテン支持部としてのプラテン支持部材47が第2フレーム22と別体で形成されている。プラテン支持部材47は、第2フレーム22に固定されている。
【0097】
プラテン支持部材47は、所定形状の金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。プラテン支持部材47は、左右方向に細長い長尺状に形成される支持部材基部47aと、プラテン8が載置されて固定される複数のプラテン固定部47bとを備えている。左右方向から見たときの支持部材基部47aの形状は、略L形状となっている。支持部材基部47aは、上面部22cの上面に固定されている。プラテン固定部47bは、支持部材基部47aの上端から前側に向かって伸びている。プラテン固定部47bの上面は、上下方向に直交する平面となっている。複数のプラテン固定部47bは、左右方向において所定の間隔をあけた状態で配列されている。
【0098】
上述した形態と同様に、この変更例では、メインフレーム部22aの上面とプラテン8の下面との間には空間Sが形成されている。メインフレーム部22aには、空間Sから空気を排出するためのファン23が取り付けられている。上面部22cには、空間Sから排出される空気が通過する開口部22pが形成されている。メンテナンスユニット19は、メインフレーム部22aの右側に配置されている。メンテナンスユニット19は、2個の上面部21cの上面に固定されている。
【0099】
この変更例では、第2フレーム22は、左右方向に細長い細長形状に形成されるとともに左右方向の両側および下側が開口する溝形鋼形状に形成されるメインフレーム部22aと、メインフレーム部22aの下端から前後方向の外側に向かって伸びる底面部22dとを備えている。また、第1フレーム21は、左右方向に細長い細長形状に形成されるとともに左右方向の両側および上側が開口する溝形鋼形状に形成される第2メインフレーム部21eを備えている。さらに、第2メインフレーム部21eの側面部21bの上端側に第2フレーム22の底面部22dが固定されている。
【0100】
すなわち、この変更例では、第1フレーム21と第2フレーム22とによって、左右方向から見たときの外形が凸形状をなすとともに左右方向に細長い筒状の構造部分が本体フレーム9に形成されており、左右方向に細長いこの筒状の構造部分が本体フレーム9の主要部となっている。そのため、この変更例においても、本体フレーム9の強度を高めつつ、本体フレーム9を軽量化することが可能になる。
【0101】
この変更例では、底面部22dは、第1フレーム21の上面部21cに載置された状態で上面部21cに固定されている。そのため、側面部21bの上端側に固定される底面部22dの固定状態を安定させることが可能になる。したがって、本体フレーム9の強度をより高めることが可能になる。また、上面部21cに載置された状態の底面部22dを上面部21cに固定すれば良いため、底面部22dの固定作業が容易になる。
【0102】
この変更例では、補強部材45が、第1フレーム21の、左右方向の両側に形成される開口部を塞ぐように、第1フレーム21の左右方向の両端部に固定されている。そのため、第2フレーム22に補強部22fが形成されていなくても、左右方向の両端側における本体フレーム9の強度を高めることが可能になる。
【0103】
この変更例では、プラテン支持部材47が、第2フレーム22と別体で形成されて第2フレーム22に固定されている。第2フレーム22は左右方向に細長い細長形状に形成されるため(たとえば、第2フレーム22の左右方向の長さは1600mm程度となっているため)、第2フレーム22にプラテン支持部22kが形成されている場合には、プラテン支持部22kを形成するときの第2フレーム22の取り扱いが煩雑になり、プラテン支持部22kが一体で形成されている第2フレーム22の製造コストが高くなるおそれがある。これに対して、第2フレーム22が左右方向に細長い細長形状に形成されていても、別体で形成されたプラテン支持部材47を第2フレーム22に固定するときの第2フレーム22の取り扱いは比較的容易であるため、この変更例では、プラテン支持部材47が固定された状態の第2フレーム22の製造コストを低減することが可能になる。
【0104】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0105】
上述した形態では、補強部22fは、メインフレーム部22aから、支持脚10の上側よりも左右方向の外側まで伸びているが、補強部22fは、メインフレーム部22aから支持脚10の上側まで伸びていても良い。また、上述した形態において、本体フレーム9の、支持脚10の上側部分の強度を確保することができるのであれば、第2フレーム22は、補強部22fを備えていなくても良い。この場合には、たとえば、2個の支持脚10の左右方向の間隔がメインフレーム部22aの左右方向の長さよりも狭くなっていて、2個の支持脚10がメインフレーム部22aの左右方向の両端部の下側に配置されていても良い。
【0106】
上述した形態において、プラテン支持部25aに相当するプラテン支持部が第2フレーム22に一体で形成されていても良い。また、上述した形態において、メインフレーム部22aの上面部22cの上面にファン23が取り付けられていても良い。すなわち、ファン23は、空間Sの中に配置されていても良い。さらに、上述した形態において、メインフレーム部22aの上面とプラテン8の下面との間に空間Sが形成されていなくても良い。
【0107】
上述した形態において、Yバー6は、側板12の固定面12aのみに固定されていても良い。また、上述した形態において、第1フレーム21の強度を確保することができるのであれば、第1フレーム21は、被固定部21aのみによって構成されていても良い。さらに、上述した形態において、第2フレーム22は、メインフレーム部22aのみによって構成されていても良い。また、上述した形態において、Yバー6は、2枚の側板11のみに固定されていても良いし、2枚の側板12のみに固定されていても良い。
【0108】
図12図14に示す変更例において、第1フレーム21に上面部21cが形成されていなくても良い。この場合には、たとえば、第2フレーム22は、底面部22dの前後方向の外側端から下側に伸びる平板状の外側面部を備えており、この外側面部が第1フレーム21の側面部21bの上端部に固定されている。また、図12図14に示す変更例において、第1フレーム21に補強部材45が固定されていなくても良いし、第2フレーム22に部品固定部材46が固定されていなくても良い。
【符号の説明】
【0109】
1 プリンタ(インクジェットプリンタ)
2 媒体
3 ヘッド(インクジェットヘッド)
4 キャリッジ
5 キャリッジ駆動機構
6 Yバー(キャリッジ保持部材)
8 プラテン
8a 吸引穴
9 本体フレーム
10 支持脚
11 側板
12 側板(第2側板)
12a 固定面(第1固定面)
12b 固定面(第2固定面)
16 搬送ローラ
19 メンテナンスユニット
21 第1フレーム
21a 被固定部
21b 側面部
21c 上面部
21e 第2メインフレーム部
22 第2フレーム
22a メインフレーム部
22d 底面部
22f 補強部
22k プラテン支持部
23 ファン
25 ローラ支持部
25a プラテン支持部
45 補強部材
47 プラテン支持部材(プラテン支持部)
S 空間
X 第1方向
X1 前側
X2 後ろ側
Y 媒体の幅方向、主走査方向
Z 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14