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  • 特開-リチウム6回収装置および回収方法 図1
  • 特開-リチウム6回収装置および回収方法 図2
  • 特開-リチウム6回収装置および回収方法 図3
  • 特開-リチウム6回収装置および回収方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117070
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】リチウム6回収装置および回収方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 59/38 20060101AFI20240821BHJP
   B01D 61/44 20060101ALI20240821BHJP
   B01D 61/46 20060101ALI20240821BHJP
   H01M 10/54 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
B01D59/38
B01D61/44 500
B01D61/46
H01M10/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024012636
(22)【出願日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2023022398
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】広沢 洋帆
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 博之
(72)【発明者】
【氏名】山下 祐樹
【テーマコード(参考)】
4D006
5H031
【Fターム(参考)】
4D006GA17
4D006HA42
4D006MA03
4D006MA09
4D006MA13
4D006MC03
4D006MC05
4D006PC80
5H031EE01
5H031RR02
(57)【要約】
【課題】リチウム6含有液からリチウム6を効率的に回収する装置および回収方法を提供する。
【解決手段】
リチウムイオン含有液からリチウムイオンを移動させるリチウム回収装置であって、前記リチウム回収装置は膜面方向に並列に配置された複数の分離膜を有する分離膜ユニットと、一方の端部に正極として接続する第1電極と、他方の端部に負極として接続する第2電極と、前記複数の分離膜の間である段のいずれかに、前記分離膜ユニットの系外からリチウム含有液を供給するリチウム含有液供給部とを有し、前記第1電源および前記第2電極の電圧の印加により、負極側から濃縮されたリチウム6を回収するリチウム回収装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム6含有液からリチウム6を回収するリチウム6回収装置であって、
膜面が相対して並列に配置された複数の分離膜を有する分離膜ユニットと、
前記分離膜ユニットの一方の端部に正極として接続する第1電極と、
他方の端部に負極として接続する第2電極と、
前記複数の分離膜の間である段のいずれかに、リチウム6含有液を供給するリチウム6含有液供給部と、
前記第1電極および前記第2電極の電圧の印加により、負極側から濃縮されたリチウム6を回収する回収部とを備えるリチウム6回収装置。
【請求項2】
前記リチウム6含有液供給部を、前記段のうち中段に備える請求項1に記載のリチウム6回収装置。
【請求項3】
前記段のリチウム6含有液を撹拌する機構を備える請求項1に記載のリチウム6の回収装置。
【請求項4】
リチウム6含有液からリチウム6を回収するリチウム6の回収方法であって、
複数の分離膜を膜面が相対するように並列に配置した分離膜ユニットと、
前記分離膜ユニットの一方の端部に正極として接続する第1電極と、
他方の端部に負極として接続する第2電極とからなるリチウムイオン含有液からリチウムイオンを移動させるリチウム回収装置を用いたリチウムの製造方法であって、
前記複数の分離膜の間である段のいずれかに、前記リチウム6含有液を供給し、
前記第1電極および前記第2電極の電圧の印加により、負極側から濃縮されたリチウム6を回収するリチウム6の回収方法。
【請求項5】
前記段のうち中段に前記リチウム6含有液を供給する請求項4に記載のリチウム6の回収方法。
【請求項6】
前記リチウム6含有液が、前記段の負極から正極へ還流される請求項4に記載のリチウム6の回収方法。
【請求項7】
前記段のリチウム6含有液を撹拌する請求項4に記載のリチウム6の回収方法。
【請求項8】
前記還流が間欠的に行われる請求項6に記載のリチウム6の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム6含有液からリチウム6を回収するリチウム6回収装置およびリチウム6回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池の材料や、核融合炉の燃料の製造において使用されるため、産業上におけるリチウムの重要性が高まっている。例えば、核融合炉においては、核融合の燃料となる三重水素は、リチウムを用いて生産されるため、大量のリチウムが必要とされる。特に核融合に用いるリチウムは、同位体であるリチウム6が必要になるが、希少であるため十分な量を確保することが難しい。
【0003】
リチウム6を精製する方法としては、アマルガム法が知られているが、高効率な精製方法として、特許文献1、2には、海水中において吸着体にリチウム(イオン)を選択的に吸着させ、その後に吸着体からリチウムを脱離させ回収する技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、分離膜の両面に正極と負極を配置させ、電圧を印加して回収液へリチウムを移動させる方法が記載されており、高い選択性でリチウムイオンを特に効率的に回収することができる。実際に上記のようなリチウム回収装置を特定の場所(例えば南米の塩湖等)で大規模に設置して使用することによって、大量のリチウムを得ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-161794号公報
【特許文献2】特表2012-504190号公報
【特許文献3】特開2019-081953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、リチウム6の分離性能が低いので、リチウム6の純度や回収率が十分でなかった。そこで本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、リチウム含有液からリチウム6を効率的に回収する装置およびリチウム6回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、リチウム6回収装置の分離性能を大幅に改善した。本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
(1)リチウム6含有液からリチウム6を回収するリチウム6回収装置であって、
膜面が相対して並列に配置された複数の分離膜を有する分離膜ユニットと、
前記分離膜ユニットの一方の端部に正極として接続する第1電極と、
他方の端部に負極として接続する第2電極と、
前記複数の分離膜の間である段のいずれかに、リチウム6含有液を供給するリチウム6含有液供給部と、
前記第1電極および前記第2電極の電圧の印加により、負極側から濃縮されたリチウム6を回収する回収部とを備えるリチウム6回収装置。
(2)前記リチウム6含有液供給部を、前記段のうち中段に備える上記(1)に記載のリチウム6回収装置。
(3)前記段のリチウム6含有液を撹拌する機構を備える上記(1)に記載のリチウム6の回収装置。
(4)リチウム6含有液からリチウム6を回収するリチウム6の回収方法であって、
複数の分離膜を膜面が相対するように並列に配置した分離膜ユニットと、
前記分離膜ユニットの一方の端部に正極として接続する第1電極と、
他方の端部に負極として接続する第2電極とからなるリチウムイオン含有液からリチウムイオンを移動させるリチウム回収装置を用いたリチウムの製造方法であって、
前記複数の分離膜の間である段のいずれかに、前記リチウム6含有液を供給し、
前記第1電極および前記第2電極の電圧の印加により、負極側から濃縮されたリチウム6を回収するリチウム6の回収方法。
(5)前記段のうち中段に前記リチウム6含有液を供給する上記(4)に記載のリチウム6の回収方法。
(6)前記リチウム6含有液が、前記段の負極から正極へ還流される上記(4)に記載のリチウム6の回収方法。
(7)前記段のリチウム6含有液を撹拌する上記(4)に記載のリチウム6の回収方法。
(8)前記還流が間欠的に行われる上記(6)に記載のリチウム6の回収方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、リチウム6を含有する液体から、高効率にリチウム6を回収可能なリチウム回収装置およびリチウム6の回収方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1はリチウム6回収装置の構成を示す一例である。
図2図2はリチウム6回収装置の構成を示す他の一例である。
図3図3は分離膜の構成を示す一例である。
図4図4はリチウム6回収装置の構成を示す他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.リチウム6回収装置
本発明のリチウム回収装置は、例えば図1に示すような構成を有する。つまり、膜面が相対して並列に配置された複数の分離膜10を有する分離膜ユニットと、分離膜ユニットの一方の端部に正極として接続する第1電極11と、他方の端部に負極として接続する第2電極12とを有している。分離膜10が仕切りとなり、複数の分離膜10の間にはリチウム6含有液が満たされ、段5を形成している。この段5のいずれかにおいて、リチウム6含有液を供給するために処理槽の一部に設けられた供給部6を有しており、リチウム6含有液100が分離膜ユニットの系外から供給される。そして、第1電極11および前記第2電極12の電圧の印加により、負極側から濃縮されたリチウム6を回収するための回収部7を備える。
【0011】
リチウム6含有液供給部6は、いずれかの段5にリチウム6含有液を供給できれば良く、図1のように処理槽9の一部を開口したものの他、別途リチウム6含有液を蓄えるための部品と、当該部品と処理槽との連結部とからなるものであってもよく、当該部品に蓄えられたリチウム6含有液100が、連結部を通して、処理槽9に供給される。当該部品は1つあるいは複数設けられても良く、また、固定式や移動式でも良い。なお、後述する理由から中段に設けることが好ましく、図1や2では分離膜ユニットの中段に位置する場合を一例として示している。
【0012】
回収部7は、リチウム6含有液供給部6よりも第2電極側の段において、濃縮されたリチウム6を回収するために処理槽の一部に設けられた開口部である。この回収部7から、リチウム6回収液200を回収する。回収部7は任意に設定できるが、第2電極に近い段ほどリチウム6が濃縮されるため、濃縮が進んだ段に回収部7を設けることが好ましい。なお、図1や2では最もリチウム6の濃縮が進んだ段に回収部を設けた一例を示している。
【0013】
排出部8は、リチウム6含有液供給部6よりも第1電極側の段において、濃縮されたリチウム7を排出するために処理槽の一部に設けられた開口部である。この排出部8から、リチウム7排出液300が排出される。排出部8は任意に設定できるが、第1電極に近い段ほどリチウム7が濃縮されるため、濃縮が進んだ段に排出部8を設けることが好ましい。なお、図1や2では最もリチウム7の濃縮が進んだ段に排出部8を設けた一例を示している。排出部8から排出したリチウム7は、冷却材などに利用することもできる。
【0014】
分離膜10はリチウム6とリチウム7を分離できる膜であり、平膜が好ましく用いられる。この分離膜10は処理槽中に複数枚設けられ、リチウム6含有液を仕切るように配置される。そして、膜面が相対するように並列に配置された複数の分離膜を有する分離膜ユニットを形成する。なお、図1では分離膜10を5枚用いた場合を示しているが、処理するリチウム含有液の組成によって枚数を変更することができる。処理槽9とは分離膜を配置でき、かつリチウム6含有液を貯めることができる容器のことであり、素材としては金属や高分子などを用いることができる。
【0015】
また、リチウム6含有液100はいずれかの段に、リチウム含有液供給部6を通って供給されるが、第1電極11および第2電極12の電圧の印加によってリチウム6が第2電極12側へ移動していき、第2電極12に近い段ほどリチウム6濃度を高くすることができる。逆に、リチウム7は第1電極11側へ移動していき、第1電極11に近い段ほどリチウム7濃度を高くすることができる。
【0016】
リチウム6含有液は、分離膜ユニットの中段に供給されることで、リチウム6とリチウム7の分離段数が同等になり、分離効率が良いため好ましい。分離膜ユニットの中段とは、リチウム6回収装置における分離膜の配列方向の中間部であり、第1電極側から数えて、全段数の40%~60%に相当する段(小数点第一位は繰り上げる)を意味する。例えば9段の場合、第1電極側から数えて4段目から6段目までが中段である。20段の場合、8段目から12段目が中段である。段5は、2枚の分離膜10の間、および、分離膜10と処理槽8の壁面との間に位置し、例えば図1であれば、段5は、6段存在する。
【0017】
さらに、分離膜ユニットに供給されたリチウム含有液は、負極側から正極側へ還流されることが好ましい。具体的には、正極側に隣接する段へリチウム含有液を還流することで、第1電極側ほどリチウム7濃度が高まっていき、最も第1電極に近い段でリチウム7を回収するとよい。また、第2電極側ほどリチウム6濃度が高まっていくため、最も第2電極に近い段でリチウム6を回収するとよい。
【0018】
還流にあたっては、各段のリチウム含有液の組成に応じて還流量を調整することができる。還流量を多くするほど平衡に達する時間は長くなるが、各段の濃度差を大きくすることができるため、リチウム6の回収率や純度を高めることができる。
【0019】
還流の方法としては、隣接する段を配管でつなげ、ポンプなどリチウム含有液を移動させる駆動力を持った動力源を用いて還流させることができる。なお、図1図2では、還流元の段や還流先の段がそれぞれ1つの場合を示しているが、1つの還流元の段から、複数の還流先の段に分岐して還流されてもよい。
2.分離膜
分離膜はリチウム6選択透過性を有するものであれば良いが、特に窒化リチウム(LiN)、Li10GeP12、(La,Li)TiO(ここで、x=2/3-a、y=3a-2b、z=3-b、0<a≦1/6、0≦b≦0.06、y>0)、Li置換型NASICON(Na Super Ionic Conductor)型結晶であるLi1+x+yAl(Ti,Ge)2-xSi3-y12(ここで、0≦x≦0.6、0≦y≦0.6)などの高いイオン伝導率をもつ超リチウムイオン伝導体(イオン伝導体)で構成された分離膜本体10Aと、分離膜本体の表面および裏面に形成されたリチウム吸着層10Bで構成されていることが、リチウム吸着性に優れ、リチウム6の回収率が優れるため好ましい(図3)。リチウム吸着層としては特に限定されないが、中でもグラフェンから構成されることでリチウム吸着性を特に高めることができ、回収率に優れる。
【0020】
リチウム6やリチウム7の移動速度と、還流速度のバランスが異なる場合には、還流を一時的に止める間欠還流としてもよい。間欠還流とは、断続的に行う還流のことである。
【0021】
段5には、図4のように撹拌機13を取り付けることができる。撹拌機がなければ、還流中、還流後の各段におけるリチウム6含有液の濃度が均一になり難いが、撹拌機を用いることで濃度を均一にすることができる、さらには分離膜10の濃度分極によるリチウム6やリチウム7の移動速度低下を抑制できる。
【0022】
撹拌機13は、撹拌斑が生じないよう段5の大きさや形状に合わせて、撹拌翼の形状や大きさ、回転方向、シャフト長さを変更できる。
【0023】
撹拌翼の形状としてはパドル翼や後退翼、タービン翼、プロペラ、糸巻翼を用いることができるが特に限定されない。撹拌翼の大きさは段の大きさに応じて設定することができる。
【0024】
また撹拌翼の回転速度は、実際のリチウム6やリチウム7の分離性を確認しながら決定するが、リチウム6含有液は一般的に低粘度であるため、目視で十分に撹拌が行わると判断できる速度に設定することができる。また、撹拌は連続的に行ってもよいし間欠的に行ってもよい。
3.分析方法
リチウム6やリチウム7の純度は、例えばマルチコレクターを有する高周波誘導結合プラズマ質量分析法(MC-ICP-MSと略することができる)を用いて測定できる。リチウム6含有液やリチウム6回収液、リチウム7回収液をサンプリングし、該装置に供給して分析できる。
【0025】
また、分離係数はリチウム6回収装置を運転した際に、隣接する段のリチウム6およびリチウム7をMC-ICP-MSを用いて定量化し、運転時間における各リチウムの変化量から算出できる。
【実施例0026】
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0027】
(1)リチウム6回収率
リチウム回収装置に供給したリチウム6に対し、分離して回収したリチウム6の割合である。100%であれば、供給したリチウム6を全て回収できていることになる。
【0028】
(2)還流比
還流比とは、分離膜を透過したリチウム6量の内、隣接する段に移動するリチウム6量に対する元の段に還流させる比率であり、数値が大きくなるほど還流量が多いことになる。つまり、元の段に還流させるリチウム6量/隣接する段へ移動するリチウム6量で表すことができる。
【0029】
(実施例1)
図1に記載のリチウム回収装置(分離膜数5、段数6)に、中段からリチウム含有液(リチウム6とリチウム7の比率 8:92)を供給し、分離膜のリチウム6/リチウム7分離係数(分離膜を透過するリチウム6とリチウム7の速度比)が1.08の膜を用いた場合の各段におけるリチウム6とリチウム7の物質収支を計算した。
【0030】
各段におけるリチウム6およびリチウム7の状態は、各段が完全混合状態に至るまでの過程である不完全混合状態(完全混合状態に対して90%の混合状態)とし、物質収支が平衡になった時点でのリチウム6回収液について、存在しているリチウムのリチウム6純度(回収したリチウム量に対するリチウム6重量)を算出した。結果を表1に示す。また、回収するリチウム6重量と、リチウム回収装置に供給したリチウム6とから算出した回収率についても、表1に示す。
【0031】
(実施例2)
図4に記載の攪拌機を有するリチウム回収装置(分離膜数5、段数6、供給部等の位置が図1と同じ)を用い、各段におけるリチウム6およびリチウム7の状態は、撹拌機を用いて完全混同状態(リチウム含有液が完全に均一になり、濃度差がなくなった状態を意味する)にとした以外は全て実施例1と同様にして計算した。その結果、リチウム6回収率とリチウム6純度は表1のとおりであった。
【0032】
(実施例3)
図2と同じ構成のリチウム回収装置に、中段からリチウム含有液(リチウム6とリチウム7の比率 8:92)を供給し、実施例1と同じ分離膜を用いた場合の各段におけるリチウム6とリチウム7の物質収支を計算した。具体的には、各段におけるリチウム6とリチウム7について、分離膜を介した隣接する段への移動と、還流によって供給されるリチウム6とリチウム7の物質収支が平衡になるよう計算した。そして、連続または間欠還流により平衡になった場合のリチウム6回収液について、存在しているリチウムのリチウム6純度を算出した。還流比は5とした。その結果、リチウム6回収率とリチウム6純度は表1のとおりであった。
【0033】
(実施例4)
還流比を10に変更した以外は全て実施例3と同様にして計算した。その結果、リチウム6回収率とリチウム6純度は表1のとおりであった。
【0034】
(比較例1)
分離膜ユニットの分離膜を1枚とし、分離膜のリチウム6/リチウム7分離係数を1.08として、リチウム6回収液に存在しているリチウムのリチウム6純度を算出した。続いて、このリチウム6回収液をリチウム含有液として同様の計算を行い、5回の分離を行った場合について、リチウム6回収液に存在しているリチウムのリチウム6純度を算出した。その結果、リチウム6回収率とリチウム6純度は表1のとおりであった。
【0035】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のリチウム6回収装置は、リチウム含有液からリチウム6を分離、精製することに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0037】
1 リチウム回収装置
2 還流
3 リチウム6
4 リチウム7
5 段
6 供給部
7 回収部
8 排出部
9 処理槽
10分離膜
10A 分離膜本体
10B リチウム吸着層
11 第1電極(正極)
12 第2電極(負極)
13 撹拌機
100 リチウム6含有液
200 リチウム6回収液
300 リチウム7回収液
図1
図2
図3
図4