IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マン・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイーの特許一覧

<>
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図1
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図2
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図3
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図4
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図5
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図6
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図7
  • 特開-内燃機関の排気ガス浄化装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117075
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】内燃機関の排気ガス浄化装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20240821BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20240821BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
F01N3/28 301H
F01N3/28 311T
F01N3/20 F ZAB
F01N3/20 M
F01N3/24 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017100
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】10 2023 103 784.6
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
【氏名又は名称原語表記】MAN ENERGY SOLUTIONS SE
【住所又は居所原語表記】Stadtbachstr.1 86153 Augsburg,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・リーパート
(72)【発明者】
【氏名】アクセル・フィードラー
(72)【発明者】
【氏名】アルミン・グラープマイアー
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091BA00
3G091CA12
3G091CA13
3G091CA27
3G091HA11
3G091HA46
3G091HB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】必要なスペースが少なく、軽量な排気ガス浄化システムを提供する。
【解決手段】内燃機関の排気ガス浄化装置10であって、少なくとも1つの第1の排気管11は、各シリンダーバンクのシリンダーに接続され、各シリンダーからの排気ガスが、それぞれの第1の排気管11に導入される。さらに、第1の排気管11と平行に延びる少なくとも1つの第2の排気管14を備え、それぞれの第1の排気管11およびそれぞれの第2の排気管14は、少なくとも1つの接続管15を介して、それぞれの接続管15内に配置された少なくとも1つの触媒コンバータに接続され、それぞれの第1の排気管11から出た未処理の排気ガスが、接続管15およびそれぞれの接続管15内に配置された少なくとも1つの触媒コンバータを介して流れ、浄化された排気ガスとしてそれぞれの第2の排気管14に入り、出て、内燃機関の少なくとも1つのさらなるアセンブリの方向に導かれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気ガス浄化装置(10)であって、
少なくとも1つの第1の排気管(11)を有し、前記少なくとも1つの第1の排気管(11)は、互いに隣り合って配置された前記内燃機関のシリンダーバンクのシリンダーに沿って延在し、それぞれのシリンダーバンクの前記シリンダーに連結され、前記それぞれのシリンダーバンクの各前記シリンダーからの排気ガスがそれぞれの第1の排気管(11)に導入され、
少なくとも1つの第2の排気管(14)を有し、それぞれの第1の排気管(11)と平行に少なくとも1つのそれぞれの第2の排気管(14)が延在し、
前記それぞれの第1の排気管(11)および前記それぞれの第2の排気管(14)は、ただし少なくとも1つの第2の排気管(14)において、少なくとも1つの接続管(15)を介して、それぞれの接続管(15)に配置された少なくとも1つの触媒コンバータ(16)に連結され、前記それぞれの第1排気ガス(11)から出た浄化されていない排気ガスが、前記少なくとも1つの接続管(15)および前記それぞれの接続管(15)に配置された前記少なくとも1つの触媒コンバータ(6)を介して流れ、浄化された排気ガスとして、前記それぞれの第2の排気管(14)、ただし少なくとも1つの第2の排気管(14)に入り、前記それぞれの第2の排気管(14)、ただし少なくとも1つの第2の排気管(14)から出て、前記内燃機関の少なくとも1つのさらなるアセンブリの方向に導かれる、排気ガス浄化装置(10)。
【請求項2】
前記それぞれのシリンダーバンクがN1個のシリンダーを備え、前記それぞれのシリンダーバンクのすべてのシリンダーに沿って、単一の第1の排気管(11)および単一の第2の排気管(14)が延在し、前記それぞれのシリンダーバンクの前記第1の排気管(11)および前記第2の排気管(4)は、並列に流れることができるN2個の接続管(15)を介して連結され、N2は、N1に対して可変であることを特徴とする、請求項1に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項3】
前記それぞれの接続管(15)内には、流通可能な少なくとも1つの触媒コンバータ(16)が配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項4】
少なくとも1つのバイパス(17)によって特徴づけられ、前記少なくとも1つのバイパス(17)を介して前記少なくとも1つの接続管(15)をバイパスした排気ガスが前記第1の排気管(11)から、前記内燃機関の前記少なくとも1つのさらなるアセンブリの方向に、直接かつ未処理で導かれることができる、請求項1~3のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項5】
前記バイパス(17)が前記第1の排気管(11)の端部から前記第2の排気管(14)の隣接する端部に延在することを特徴とする、請求項4に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項6】
前記第1の排気管(11)の前記端部、および/または前記第2の排気管(14)の前記隣接する端部には、制御可能な閉鎖装置(18,19)が割り当てられていることを特徴とする、請求項5に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項7】
前記第1の排気管(11)の前記端部に割り当てられた前記閉鎖装置(18)を介して、前記バイパス(17)が完全に遮断される、完全に開放される、および部分的に遮断および開放される、および/または前記第2の排気管(14)に割り当てられた前記閉鎖装置(19)を介して、前記バイパス(17)の上流の前記第2の排気管(14)が完全に遮断される、完全に開放される、および部分的に遮断および開放されることを特徴とする、請求項6に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項8】
前記それぞれの第1の排気管(11)および前記それぞれの接続管(15)の間の遷移領域(22)に自由空間(23)が形成されるように、前記それぞれの接続管(15)に、前記少なくとも1つの触媒コンバータ(16)が配置されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項9】
それぞれの触媒コンバータ(16)には、好ましくは羽根状の案内要素(24)が少なくとも割り当てられていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【請求項10】
前記それぞれのシリンダーバンクの前記シリンダーと前記それぞれの第1の排気管(11)との連結領域において、流れ誘導要素(25)が配置され、前記流れ誘導要素(25)は、前記それぞれの第1の排気管(11)に入る際に、前記それぞれのシリンダーバンクの前記シリンダーの前記排気ガスの流れを誘導することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来知られている内燃機関は、燃料が燃焼するシリンダーを有する。シリンダーは、互いに隣り合って一列に配置されたシリンダーの少なくとも1つのシリンダーバンクを形成する。Vデザインの内燃機関の場合、複数のシリンダーが隣接して配置されたシリンダーバンクが2つ設けられている。さらに、実際に知られている内燃機関は、排気ガス浄化装置を備えている。排気ガス浄化装置は、シリンダーから出る排気ガスを浄化する装置ある。通常、各排気ガスターボチャージャの少なくとも1つのタービンは、排気ガス浄化装置の下流に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来から知られている内燃機関においては、排気ガス浄化装置は、設置スペースを多く必要とするという問題があった。
【0004】
好ましくは、エンジンの既存の寸法(設置スペース)内に設置することができ、したがって、エンジンの近傍に追加のスペースを必要とせず、必要なスペースが少なく、さらに軽量、つまり軽量構造である排気ガス浄化システムが必要とされている。本発明の目的は、対応する内燃機関の排気ガス浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置によって解決される。
【0006】
本発明に係る排気ガス浄化装置は、少なくとも1つの第1の排気管を備え、少なくとも1つの第1の排気管は、互いに隣り合う内燃機関のシリンダーバンクのシリンダーに沿って延び、各シリンダーバンクのシリンダーに接続され、それぞれのシリンダーバンクの各シリンダーからの排気ガスが、それぞれの第1の排気管に導入される。さらに、本発明による排気ガス浄化装置は、少なくとも1つの第2の排気管を備え、それぞれの第1の排気管と平行に、それぞれの第2の排気管が延びている。それぞれの第1の排気管およびそれぞれの第2の排気管は、少なくとも1つの接続管を介して、それぞれの接続管内に配置された少なくとも1つの触媒コンバータに接続され、それぞれの第1の排気管から出た未処理の排気ガスが、少なくとも1つの接続管およびそれぞれの接続管内に配置された少なくとも1つの触媒コンバータを介して流れ、浄化された排気ガスとしてそれぞれの第2の排気管に入り、第2の排気管から出て、内燃機関の少なくとも1つのさらなるアセンブリの方向に導かれる。
【0007】
互いに隣り合って配置されたシリンダーの各シリンダーバンクに対して、本発明による排気ガス浄化装置は、第1の排気管と第2の排気管を有し、2本の排気管は、互いに隣り合って配置された各シリンダーバンクのシリンダーに沿って延びる。第1の排気管と第2の排気管との間には、それぞれの接続管内に配置された少なくとも1つの触媒コンバータを有する少なくとも1つの接続管が延びている。内燃機関のシリンダーバンクのシリンダーから出る排気ガスは、それぞれのシリンダーバンクに割り当てられた第1の排気管内に集められ、それぞれの第1の排気管から出て、少なくとも1つの接続ラインを介してそれぞれのシリンダーバンクの第2の排気管の方向に流れることができる。それぞれの第2の排気管では、浄化された排気ガスが収集され、それぞれの第2の排気管から出て、内燃機関のさらなるアセンブリ、例えばターボチャージャーのタービンに導かれることができる。
【0008】
好ましくは、それぞれのシリンダーバンクは、N1個のシリンダーを備え、それぞれのシリンダーバンクのすべてのシリンダーに沿って、好ましくは単一の第1の排気管および好ましくは単一の第2の排気管が延在し、各シリンダーバンクの第1の排気管および第2の排気管は、並列に流すことができるN2個の接続管を介して結合されているが、N2はN1に等しい必要はない。本発明の排気ガス浄化装置は、小型軽量の構成であるため、設置スペースが少なく、軽量であるため、エンジンの設置スペースに好適に組み込むことができる。
【0009】
好ましくは、本発明による排気ガス浄化装置は、少なくとも1つのバイパスを備え、排気ガスは、少なくとも1つの接続管をバイパスして、第1の排気管から内燃機関の少なくとも1つのさらなるアセンブリの方向に直接かつ未処理で導かれることができる。
【0010】
排気ガス浄化装置を備える内燃機関のエンジンダイナミクスに影響を与えるために、排気ガスを直接かつ未処理で、バイパスを介して第1の排気管から第2の排気管に導くことができる。特に、少なくとも1つの閉鎖装置はバイパスと相互作用し、排気ガス浄化装置を備える内燃機関のエンジンダイナミクスを調整するために作動させることができる。
【0011】
好ましくは、少なくとも1つの触媒コンバータは、それぞれの第1の排気管とそれぞれの接続管との間の移行領域に自由空間が形成され、その中に少なくとも1つの触媒コンバータが延在するように、それぞれの接続管内に配置される。これは、第1の排気管内の未処理排気ガスの有利な流量制御に好ましい。
【0012】
好ましくは、少なくとも1つの好ましい羽根状の案内要素がそれぞれの触媒コンバータ内に配置される。これは、それぞれの触媒コンバータを通じて排気ガスのグローを改善するのにも役立つ。
【0013】
好ましくは、各シリンダーバンクのシリンダーの各第1の排気管との結合領域に流れ案内要素が配置され、各第1の排気管に入る各シリンダーバンクのシリンダーの排気ガスの流れを案内する。これは、第1の排気管内の未処理排気ガスの有利な流量制御に好ましい。
【0014】
本発明の好ましいさらなる展開は、従属請求項および以下の説明から得られる。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】内燃機関の排気ガス浄化装置の例示的な実施形態の斜視図である。
図2図1の排気ガス浄化装置の第1の断面図の抜粋である。
図3図1の排気ガス浄化装置の第2の断面図である。
図4】抜粋による、図1の排気ガス浄化装置の第1の状態における第3の断面図である。
図5】第2の状態における図4の断面図である。
図6】第3の状態における図4の断面図である。
図7図1の排気ガス浄化装置の第3の断面図の抜粋である。
図8図7の代替図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、内燃機関の排気ガス浄化装置10の斜視図を示し、排気ガス浄化装置10は、2つのシリンダーバンクを有する内燃機関用に設計され、各シリンダーバンクはそれぞれ10個のシリンダーを備える。図1に示す排気ガス浄化装置10のシリンダーバンク当たりのシリンダー数は、単に例示的なものである。内燃機関のシリンダーとシリンダーバンクは図1には示されていない。図1は、本発明による排気ガス浄化装置10を単に示している。
【0017】
本発明による排気ガス浄化装置10は、少なくとも1つの第1の排気管、図示の例示的な実施形態では2つの第1の排気管11を有する。
【0018】
図示の例示的な実施形態におけるそれぞれの第1の排気管11は、複数の管セグメント11aから組み立てられており、第1の排気管11の直接隣接する2つの管セグメント11aのそれぞれの間に、長さ補償部品、ここでは例示的にベローズ状の補償装置12が配置されている。補償装置12は、例えば、熱によって引き起こされる管セグメント11aおよび14aの長さの変化を補償するために機能する。各第1の排気管11は、互いに隣り合う各シリンダーバンクのシリンダーに沿って延びており、各第1の排気管11は、各シリンダーバンクのシリンダーに接続されて、各シリンダーバンクの各シリンダーから、排気ガスを各第1の排気管11に導入することができる。
【0019】
したがって、図示の例示的な実施形態では、第1の排気管11の管セグメント11aが各シリンダーバンクの各シリンダーと相互作用し、それぞれの管セグメント11aが各シリンダーの排気ガスのために流入開口部13を形成し、これを介して各シリンダーの排気ガスが各第1の排気管11に入ることができる。
【0020】
さらに、排気ガス浄化装置10は、少なくとも1本の第2の排気管14を有する。例示的な実施形態では、第2の排気管14は2本存在し、各シリンダーバンクにそれぞれ第2の排気管14が割り当てられる。
【0021】
それぞれの第2の排気管14は、複数の管セグメント14aから構成され、第2の排気管14の直接隣接する管セグメント14aは、やはり補償装置12を介して互いに接続されている。各シリンダーバンクの各第2の排気管14は、各シリンダーバンクの各第1の排気管11と平行に延びている。
【0022】
本発明による排気ガス浄化装置10の各第1の排気管11および各第2の排気管12は、少なくとも1つの接続管15を介して、それぞれの接続管15内に配置された少なくとも1つの触媒コンバータ16に連結または接続されている。
【0023】
したがって、各第1の排気管11は、図示の実施形態では、並列に流通可能なN2本の接続管15を介して各排気管14に接続され、図1では例示的に、第1の排気管11と第2の排気管14とを接続する並列流通可能なN2本の接続管が各シリンダーバンク10のシリンダー数N1に対応している。図2から明らかなように、各接続管15には、2つの触媒コンバータ16が配置され、それぞれの接続管15を流れる排気ガスが2つの触媒コンバータ16を直列に流れる。
【0024】
図示の例示的な実施形態とは対照的に、接続管の数N2が各シリンダーバンクのシリンダーの数N1と等しくないことも可能である。したがって、例えば、各シリンダーバンクのシリンダーの数N1と、このシリンダーバンクの排気管11、14を接続する接続管の数N2との比N1:N2を2:1、3:1、さらには4:1と規定することができる。さらに、各シリンダーバンクのシリンダーの数N1と、このシリンダーバンクの排気管11、14を接続する接続管の数N2との比N1:N2を、1:2、1:3または1:4とすることもできる。
【0025】
したがって、燃料の燃焼中に内燃機関のシリンダー内で発生する排気ガスは、流入開口部13を介して各シリンダーバンクの各第1の排気管11に流入し、各第1の排気管11内に広がることができる。それぞれの第1の排気管11から出た排気ガスは、接続管15および接続管15内に配置された触媒コンバータ16を介して流れることができ、その過程で浄化される。浄化された排気ガスは、それぞれのシリンダーバンクのそれぞれの第2の排気管14に入り、それぞれの第2の排気管14を介して、内燃機関の少なくとも1つの他のアセンブリ、例えば排気ガスターボチャージャのタービンに導くことができる。
【0026】
各シリンダーバンクの第1の排気管11と第2の排気管14は、少なくとも1つのバイパス17を介して互いに接続されており、バイパス17を介して、排気ガスは、接続管15および接続管15に配置された触媒コンバータ16をバイパスし、第1の排気管11から内燃機関10の少なくとも1つの他のアセンブリの方向に直接かつ未処理で導かれることができる。図示の例示的な実施形態では、このようなバイパス17は、各シリンダーバンクの排気管11、14の間に形成されており、このバイパス17は、第1の排気管11の端部から第2の排気管14の隣接する端部まで延びている。バイパス17とは離れた排気管11、14の反対側の端部では、それぞれのシリンダーバンクの排気管11、14は閉じられているが、代わりにバイパス17を備えることもできる。
【0027】
例示的な実施形態では、バイパス17が分岐する第1の排気管11の端には、制御可能な閉鎖装置18が割り当てられる。バイパス17が第2の排気管につながる領域の第2の排気管14の隣接端には、すなわちバイパスの上流、または第2の排気管14へのバイパスの開口点にさらに制御可能な閉鎖装置19が割り当てられる。
【0028】
ここで、2つの閉鎖装置18、19はそれぞれ、軸18a、19aを中心に旋回または回転できるフラップとして例示的に構成されており、それぞれの閉鎖装置18、19は、それぞれのアクチュエータ20、21によって移動させることができる。閉鎖装置は、例えばスライド閉鎖などの別の原理に従って具体化することもできる。
【0029】
図4では、閉鎖装置18がバイパス17を遮断し、第1の排気管11から出る排気ガスがバイパス17に入ることができないようにしている。第1の排気管11から出る図4のすべての排気ガスは、閉鎖装置19を開いた状態で第1の排気管11から放出されるために、接続管15を介して第2の排気管14の領域に流入しなければならない。図5では、第1の排気管11に設けられた閉鎖装置18が開き、バイパス17の上流側の第2の排気管14に設けられた閉鎖装置19が閉じられ、図5の状態では、第1の排気管11から出た全ての排気ガスは、接続管15内に配置された触媒コンバータ16をバイパスして、第2の排気管の方向に直接流れる。図6では、両方の閉鎖装置18、19が開いている。シリンダーから第1の排気管11に入る排気ガスは、したがって、接続管15および接続管15内に配置された触媒コンバータ16の両方を介して流れることができ、またバイパス17を介して接続管15をパスして流れることができる。
【0030】
すでに説明したように、閉鎖装置18、19の位置は、アクチュエータ20、21の影響を受ける。これは、図示されていない内燃機関の制御ユニットに応じて行われ、好ましくは内燃機関の動作点に応じて、特に電力需要、負荷変化、排気ガス浄化装置を備える内燃機関の所望のエンジンダイナミクスなどに応じて行われる。
【0031】
それぞれの閉鎖装置18、19によって、それぞれの排気管11、14を完全に遮断したり、完全に開放したり、部分的に遮断したり開放したりすることができる。
【0032】
それぞれの第1の排気管11と、それぞれの接続管15内に配置された第1の触媒コンバータ16の、排気ガスの流れ方向において上流のそれぞれの接続管15のとの間の移行領域22(特に図7を参照)に自由空間23が形成されるように、それぞれの接続管15内の触媒コンバータ16が配置される。この自由空間23には触媒コンバータ16は配置されない。したがって、触媒コンバータ16がそれぞれの第1の排気管11内の排気ガスの流れおよび分布を損なわないことが保証される。
【0033】
図8には、この自由空間23内に配置された案内要素24が示されており、これは羽根状に構成され、排気ガスの流れ方向に見て、第1の触媒コンバータ16の上流での排気ガスの流れ制御を改善するのに役立つ。排気ガスの流れ方向で見て、接続管15内に配置された最後の触媒コンバータの上流に、このような案内要素24を設置することもできる。このような案内要素24は、直列に接続された2つの触媒コンバータの間に配置することもできる。説明したように、案内要素24は、好ましくは、案内羽根である。
【0034】
図示の例示的な実施形態では、それぞれの第1の排気管11のセグメント11aの領域に各第1の排気管11に排気ガスを導入するための流入開口部が配置、または形成されるように、排気管の軸方向に見て、触媒コンバータ16が収容される接続管15が配置される。したがって、垂直方向または半径方向に見ると、触媒コンバータ16を有する各接続管15は、各管セグメント11aの各流入開口部13の真上に配置される。それぞれのシリンダーバンクのそれぞれのシリンダーから出て、それぞれのシリンダーバンクのそれぞれの第1の排気管11へ入る排気ガス流の特に有利な流入を確実にするために、流れ誘導要素25が、排気ガス用の各流入開口部13が形成される場所、つまり各第1の排気管11との各シリンダーの各結合領域内に形成される。
【0035】
流れ誘導要素25は、それぞれのシリンダーバンクのそれぞれの第1の排気管11に入る際に、それぞれのシリンダーバンクのそれぞれのシリンダーの排気ガスの流れを導く。それぞれの流れ誘導要素25は、輪郭が湾曲しており、垂直方向から見て、それぞれの接続管15内に配置された触媒コンバータ16を少なくとも部分的に覆う。それぞれのシリンダーから出て、それぞれの流入開口部13を介してそれぞれの第1の排気管11に入る排気ガスは、最初に、湾曲した流れ誘導要素25の結果として下方に流れ、排気管11の軸方向に沿って、各排気管11のそれぞれの管セグメント11a内に広がり、第1の排気管11の他の管セグメント11aにも流入する。それぞれの第1の排気管11内での排気ガスの流れの偏向と分配の後でのみ、排気ガスは、それぞれの接続管15の方向のそれぞれの触媒コンバータ16を介してそれぞれの第2の排気管15の方向に上向きに流れることになる。
【0036】
さらに、接続管は、代替的または相補的に、それぞれのシリンダーの流入開口部13aからオフセットして実施することもでき、流入開口部13aからの接続管11のオフセットにより、流入する排気ガスの強制分配が行われる。
【0037】
したがって、本発明では、それぞれの第1の排気管11およびそれぞれの第2の排気管14は、互いに隣り合って配置されたシリンダーのシリンダーバンクの領域に設置され、少なくとも1つの接続管15を介してそれぞれの接続管15内に配置される触媒コンバータ16に連結される。排気管11、14は、第1の端部が閉じられているが、反対側の端部にはバイパス17が存在し、排気管11、14の第2の端部に割り当てられた閉鎖装置18、19の切り替え位置に応じて、バイパス17に流れたり、流れなかったりする。排気管11、14の第1の端部にも、作動可能な閉鎖装置18、19を含むバイパス17を追加的に装備することができる。本発明に係る排ガス浄化装置10は、設置スペースが少なく、コンパクトかつ軽量な構成となる。作動可能な閉鎖装置18、19によって、バイパス17を通る流れは、排気ガス浄化装置を構成する内燃機関のエンジンダイナミクスに影響を与えるように調整することができる。したがって、負荷要求および/または負荷変化に応じて、所望のエンジンダイナミクスを確保することができ、その結果として燃料節約の可能性を実現することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 排ガス浄化装置
11 第1の排気管
11a 管セグメント
12 補償装置
13 流入開口部
14 第2の排気管
14a 管セグメント
15 接続管
16 触媒コンバータ
17 バイパス
18 閉鎖装置
18a 軸
19 閉鎖装置
19a 軸
20 アクチュエータ
21 アクチュエータ
22 遷移領域
23 自由空間
24 案内要素
25 流れ誘導要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】