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特開2024-117079接眼レンズ光学部品、システム及び設備
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117079
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】接眼レンズ光学部品、システム及び設備
(51)【国際特許分類】
   G02B 25/00 20060101AFI20240821BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20240821BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20240821BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240821BHJP
   H10K 50/858 20230101ALI20240821BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240821BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240821BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20240821BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240821BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G02B25/00
G02B17/08
G02B13/18
G02B5/30
H10K50/858
H10K59/10
H10K50/86
H10K59/95
G02B27/02 Z
C09J201/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019105
(22)【出願日】2024-02-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-13
(31)【優先権主張番号】202310122818.X
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517291003
【氏名又は名称】深▲ゼン▼納徳光学有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】彭華軍
(72)【発明者】
【氏名】曹鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】郭健飛
【テーマコード(参考)】
2H087
2H149
2H199
3K107
4J040
【Fターム(参考)】
2H087KA14
2H087LA12
2H087PA02
2H087PA03
2H087PA04
2H087PA18
2H087PB03
2H087PB04
2H087PB05
2H087QA01
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA05
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA13
2H087QA18
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA33
2H087QA38
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA45
2H087TA01
2H087TA04
2H087UA01
2H149AA14
2H149AA17
2H149AA18
2H149AB01
2H149AB23
2H149BA03
2H149DA04
2H149DA05
2H149DA12
2H149EA02
2H149EA05
2H149EA22
2H149FA01Z
2H149FA05Z
2H149FA12Z
2H149FA61
2H149FC01
2H149FD46
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA42
2H199CA58
2H199CA63
2H199CA65
2H199CA84
2H199CA87
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC37
3K107CC41
3K107EE26
3K107EE29
3K107FF06
3K107FF15
4J040LA10
4J040MA10
4J040MB05
4J040NA18
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本発明は、接眼レンズ光学部品、システム及び設備に関する。該部品は目視観察側からマイクロディスプレイまでの間に光軸方向に順に配列される第1光学群と、第2光学群と、第3光学群とを含み、第1光学群は第1レンズ群と、第1偏光子群と、第1波長板群とを含み、第2光学群は第2レンズ群と半透過型光学面とを含み、第3光学群は第3レンズ群と、第2波長板群と、第2偏光子群とを含む。結像光線はマイクロディスプレイから発されて第1光学群と第2光学群との間で繰り返して反射屈折し、最終的に第1光学群の目視観察側に近接した部位から出射し、人の目まで達して結像する。
【効果】本発明の接眼レンズ光学部品により、従来技術のデメリットを有効的に改善し、広視野角、低歪み、高光学解像度等の性能指標を実現し、接眼レンズ光学部品の製造難度、製造コスト及び製品重量を低減し、システムの光学性能と製品のユーザ体験を大幅に向上した。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目視観察側からマイクロディスプレイまでの間に光軸方向に順に配列される第1光学群、第2光学群及び第3光学群を含む接眼レンズ光学部品であって、
前記第1光学群は、第1レンズと第2レンズよりなる第1レンズ群、第1偏光子群及び第1波長板群からなり、前記第1レンズ、前記第1偏光子群、前記第2レンズ及び前記第1波長板群が順に設置され、前記第2光学群は、順に設置される第2レンズ群と半透過型光学面とからなり、前記第3光学群は、順に設置される第3レンズ群と第2波長板群と第2偏光子群とからなり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群は何れも正のレンズ群であり、
前記接眼レンズ光学部品の光学焦点距離はFであり、前記接眼レンズ光学部品の1つ目の光学面から前記マイクロディスプレイまでの長さはDであり、前記第1光学群と前記第2光学群とが組合せられた光学焦点距離はF12であり、前記第1光学群と前記第2光学群とが組合せられた中心厚さはD1であり、前記第3光学群の光学焦点距離はF3であり、前記第3光学群の中心厚さはD2であり、
前記F、前記F12、前記D1、前記F3、前記D2は以下の関係式を満たす:
1.1≦F12/F≦1.8;
1.13≦F3/F≦1.98;
0.56≦F12/F3≦1.59;
0.47≦D1/D≦0.73;
0.2≦D2/D≦0.53;
0.28≦D1/D2≦1.12;
前記第1偏光子群には、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子aを1枚含有し、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子bNをN枚含有し、Nは自然数であり、
前記第1波長板群には、偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板cKをK枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板dJをJ枚含有し、Kは1以上の正の整数であり、Jは自然数であり、
前記第2波長板群には、偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板eZをZ枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板fYをY枚含有し、Zは1以上の正の整数であり、Yは自然数であり、
前記第2偏光子群には、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子gMをM枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板hXをX枚含有し、Mは1以上の正の整数であり、Xは自然数であることを特徴とする、接眼レンズ光学部品。
【請求項2】
前記第1レンズ群の光学焦点距離はF1であり、前記第2レンズ群の光学焦点距離はF2であり、前記第3レンズ群の光学焦点距離はF3であり、
f1、f2及びf3は以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
-3.05≦f1/f2≦33.21;
0.13≦f3/f2≦0.42;
-11.88≦f1/f3≦79.84。
【請求項3】
前記第2光学群中の人の目から離れた最後の光学面の曲率半径はR6であり、前記第3光学群の人の目に近接した1つ目の光学面の曲率半径はR7であり、前記R6と前記R7は以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
-6.13≦R6/R7≦5.85。
【請求項4】
前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群中の光学レンズの材料はガラス材質又はプラスチック樹脂材質であることを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項5】
前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群中の光学面は光学球面、光学平面及び光学偶数次非球面中の1つ又は複数を含み、前記光学偶数次非球面の面形状の公式は以下の関係式を満たす:
【数1】
なかでも、zは光学面の矢高であり、cは非球面の頂点における曲率であり、kは非球面係数であり、α2、α4、α6・・・は各階の係数であり、rは曲面における点からレンズシステムの光軸までの距離の座標であることを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項6】
前記偏光子aの偏光角はθaであり、θaは基準であり、偏光子b0、b1、b2、b3・・・bNの前記偏光子aに対する偏光角はθb0、θb1、θb2、θb3・・・θbNであり、波長板c1、c2、c3・・・cKの前記偏光子aに対する偏光角はθc1、θc2、θc3・・・θcKであり、波長板d0、d1、d2、d3・・・dJの前記偏光子aに対する偏光角はθd0、θd1、θd2、θd3・・・θdJであり、波長板e1、e2、e3・・・eZの前記偏光子aに対する偏光角はθe1、θe2、θe3・・・θeZであり、波長板f0、f1、f2、f3・・・fYの前記偏光子aに対する偏光角はθf0、θf1、θf2、θf3・・・θfYであり、偏光子g1、g2、g3・・・gMの前記偏光子aに対する偏光角はθg1、θg2、θg3・・・θgMであり、波長板h0、h1、h2、h3・・・hXの前記偏光子aに対する偏光角はθh0、θh1、θh2、θh3・・・θhXであり、なかでも、θbN、θcK、θdJ、θeZ、θfY、θgM及びθhXは以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
|θbN|≦10°;
|θcK+θdJ-(J+1)45°|≦10°;
|θcK-θc(K-1)|≦10°;
|(15°/J)-θd1|≦3°;
|θeZ+θfY-(Y+1)45°|≦10°;
|θeZ-θe(Z-1)|≦10°;
|(15°/Y)-θf1|≦3°;
|θgM|≦10°;
|θhX-θh(X-1)|≦10°。
【請求項7】
前記波長板cKと前記波長板dJとが貼り付けられ、前記第1光学群における前記マイクロディスプレイに近接した側の1つ目の光学面と、前記第2光学群における人の目に近接した側の1つ目の光学面とが接着された接着面の間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項8】
目視観察側から前記マイクロディスプレイまでの間に光軸方向に、前記波長板eZと前記波長板fYは前記偏光子gMと前記波長板hXの上流に位置することを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項9】
前記第1偏光子群、前記第2偏光子群、前記第1波長板群及び前記第2波長板群は、何れもプラスチック樹脂材質で製作されることを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項10】
前記第2レンズの人の目に近接した側の光学面は、人の目に凹み、かつ前記マイクロディスプレイに突出する形状を呈することを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項11】
接着と貼付操作で用いられる接着剤又は材質は光学用接着材質であることを特徴とする、請求項1~10の何れか1項に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項12】
請求項1~11の何れか1項に記載の前記接眼レンズ光学部品を含むことを特徴とする、接眼レンズ光学システム。
【請求項13】
それぞれ人の左右の目の位置に対応する2つの前記マイクロディスプレイを含む接眼レンズ光学設備であって、人の目と前記マイクロディスプレイとの中間位置に設けられ、前記マイクロディスプレイに示す画面を高画質、低歪み、広視野角という特徴で人の目に投射する請求項12に記載の光学システムをさらに含むことを特徴とする、接眼レンズ光学設備。
【請求項14】
前記マイクロディスプレイは有機エレクトロルミネセンスデバイス又は透過型液晶ディスプレイであることを特徴とする、請求項13に記載の接眼レンズ光学設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部装着表示設備の光学システムに関し、より具体的には、接眼レンズ光学部品、システム及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
頭部装着型表示装置は幾つかの光学的結像技術により、小型画像ディスプレイ(例えば透過型又は反射型液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスデバイス、DMDデバイス)から発されるビデオ画像の光をユーザの瞳孔に導き、ユーザの目に近接した範囲で仮想の拡大画像を実現して、ユーザに直観的で可視化した画像、ビデオ、文字情報を提供し、屋外活動、模擬運転、トレーニング、プレゼンテーション、教学、教育、医療、飛行等の場面に用いられ得る。
【0003】
光学技術が絶えず進歩し、光学材料が日進月歩で発展するにつれて、種々の光学的結像技術のイテレーションで、偏光制御材料のイテレーション技術がより際立ち、本発明のpancake光学技術を派生しており、頭部装着型表示装置の接眼レンズ光学部品は広視野、軽量化、高精細度等の変更できない指標に対する要求も向上しており、接眼レンズ光学部品も高価格性能比、量産しやすさ、高品質等の特徴をできる限り実現する必要があり、前記光学性能を同時に満たすことはシステムの設計及び収差の最適化に対して大きなチャレンジである。
【0004】
複数のレンズ群をそれぞれ有しており組合せて構成したpancake光学システムにおける通常の接眼レンズ光学部品は、多くの文献で該構造に基づきそれぞれの設計が提出されており、例えば特許文献1(中国実用新案第214311096号明細書)、特許文献2(中国特許出願公開第108957732号明細書)では、それぞれ反射屈折型pancake光学システムから構成された光学システムにより、良い加工性が実現されている。しかしながら、前記光学システムは本発明で述べられている種々の偏光膜と偏光膜、偏光膜と光学システム間の種々の協働関係を応用することができないので、望ましい光学効果を達成できず、生じられた迷光も許容できず、光学システムのコントラスト及びユーザ体験を大幅に低減した。
【0005】
特許文献3(中国特許出願公開第112731666号明細書)では、広視野角、高画質、低歪み等の性能指標が実現された、複数枚のレンズから構成される接眼レンズ光学部品が開示されているが、該接眼レンズ光学部品は複雑なフレネル光学面形状に大きく依存しており、加工性が良くなく、量産の難度が大きい。
【0006】
特許文献4(中国特許出願公開第101609208号明細書)では、広視野角の効果が実現された、複数枚のレンズから構成される接眼レンズ光学部品が開示されているが、その収差の矯正が良くなく、厚さ及び質量がやや大きく、性能指標が良くない。
【0007】
頭部装着型表示装置は体積がコンパクトで、軽量で、頭部装着が容易になり、負荷が軽減される等の方向に進んでいる。同時に、広視野角及び快適な視覚体験も次第に頭部装着型表示装置の優劣を評価する肝心な要素となっている。広視野角は高臨場感の視覚体験効果を決めるものであり、高画質、低歪みは視覚体験の快適性を決めるものである。これらの要求を満たすために、接眼レンズ光学部品は広視野角、高画質、低歪み、小像面湾曲、小体積等の指標をできる限り実現する必要があり、前記光学性能を同時に満たすことはシステムの設計及び収差の最適化に対して大きなチャレンジである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国実用新案第214311096号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第108957732号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第112731666号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第101609208号明細書
【発明の概要】
【0009】
従来の光学システムは画質が高くなく、歪みが存在し、及び視野角はあまり大きくなく、本発明が解決しようとする課題は、従来技術の前記デメリットに対して、接眼レンズ光学部品を提供し、接眼レンズ光学システム及び接眼レンズ光学設備をさらに提供することである。
【0010】
本発明は、その課題を解決するために、以下の技術的手段を用いる。
【0011】
目視観察側からマイクロディスプレイまでの間に光軸方向に順に配列される第1光学群と、第2光学群と、第3光学群とを含む接眼レンズ光学部品である。
【0012】
前記第1光学群は第1レンズ群と第1偏光子群と第1波長板群とを含み、前記第2光学群は第2レンズ群と半透過型光学面とを含み、前記第3光学群は第3レンズ群と第2波長板群と第2偏光子群とを含む。
【0013】
前記接眼レンズ光学部品の光学焦点距離はFであり、前記接眼レンズ光学部品の第1光学面からマイクロディスプレイまでの長さはDであり、第1光学群と第2光学群とが組合せられた光学焦点距離はF12であり、第1光学群と第2光学群とが組合せられた中心厚さはD1であり、第3光学群の光学焦点距離はF3であり、第3光学群の中心厚さはD2である。
【0014】
F、F12、D1、F3、D2は以下の関係式を満たす、接眼レンズ光学部品が構成される。
【0015】
1.1≦F12/F≦1.8;
【0016】
1.13≦F3/F≦1.98;
【0017】
0.56≦F12/F3≦1.59;
【0018】
0.47≦D1/D≦0.73;
【0019】
0.2≦D2/D≦0.53;
【0020】
0.28≦D1/D2≦1.12。
【0021】
前記第1レンズ群の光学焦点距離はF1であり、第2レンズ群の光学焦点距離はF2であり、第3レンズ群の光学焦点距離はF3である。
【0022】
f1、f2及びf3は以下の関係式を満たす、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0023】
-3.05≦f1/f2≦33.21;
【0024】
0.13≦f3/f2≦0.42;
【0025】
-11.88≦f1/f3≦79.84。
【0026】
前記第2光学群中の人の目から離れた最後の光学面の曲率半径はR6であり、第3光学群の人の目に近接した1つ目の光学面の曲率半径はR7であり、R6とR7は以下の関係式を満たす、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0027】
-6.13≦R6/R7≦5.85。
【0028】
前記第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群中の光学レンズの材料はガラス材質又はプラスチック樹脂材質である、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0029】
前記第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群中の光学面は光学球面、光学平面及び光学偶数次非球面中の1つ又は複数を含み、前記偶数次非球面の面形状の公式は以下の関係式を満たす。
【0030】
【数1】
【0031】
なかでも、zは光学面の矢高であり、cは非球面の頂点における曲率であり、kは非球面係数であり、α2、α4、α6・・・は各階の係数であり、rは曲面における点からレンズシステムの光軸までの距離の座標である、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0032】
前記第1偏光子群には、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子aを1枚含有し、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子bNをN枚含有し、Nは自然数である。
【0033】
前記第1波長板群には、偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板cKをK枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板dJをJ枚含有し、Kは1以上の正の整数であり、Jは自然数である。
【0034】
前記第2波長板群には、偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板eZをZ枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板fYをY枚含有し、Zは1以上の正の整数であり、Yは自然数である。
【0035】
前記第2偏光子群には、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子gMをM枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板hXをX枚含有し、Mは1以上の正の整数であり、Xは自然数である。
【0036】
前記偏光子aの偏光角はθaであり、θaは基準であり、偏光子b0、b1、b2、b3・・・bNの偏光子aに対する偏光角はθb0、θb1、θb2、θb3・・・θbNであり、波長板c1、c2、c3・・・cKの偏光子aに対する偏光角はθc1、θc2、θc3・・・θcKであり、波長板d0、d1、d2、d3・・・dJの偏光子aに対する偏光角はθd0、θd1、θd2、θd3・・・θdJであり、波長板e1、e2、e3・・・eZの偏光子aに対する偏光角はθe1、θe2、θe3・・・θeZであり、波長板f0、f1、f2、f3・・・fYの偏光子aに対する偏光角はθf0、θf1、θf2、θf3・・・θfYであり、偏光子g1、g2、g3・・・gMの偏光子aに対する偏光角はθg1、θg2、θg3・・・θgMであり、波長板h0、h1、h2、h3・・・hXの偏光子aに対する偏光角はθh0、θh1、θh2、θh3・・・θhXであり、なかでも、θbN、θcK、θdJ、θeZ、θfY、θgM及びθhXは以下の関係式を満たす、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0037】
|θbN|≦10°;
【0038】
|θcK+θdJ-(J+1)45°|≦10°;
【0039】
|θcK-θc(K-1)|≦10°;
【0040】
|(15°/J)-θd1|≦3°;
【0041】
|θeZ+θfY-(Y+1)45°|≦10°;
【0042】
|θeZ-θe(Z-1)|≦10°;
【0043】
|(15°/Y)-θf1|≦3°;
【0044】
|θgM|≦10°;
【0045】
|θhX-θh(X-1)|≦10°。
【0046】
前記偏光子aと偏光子bNが第1レンズ群中の一つ又は複数の光学面に貼り付けられる、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0047】
前記波長板cKと波長板dJとが貼り付けられ、第1光学群におけるマイクロディスプレイに近接した側の1つ目の光学面と、第2光学群における人の目に近接した側の1つ目の光学面とが接着された接着面の間に位置する、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0048】
前記波長板eZと波長板fYが第3光学群とマイクロディスプレイ中の一つ又は複数の光学面に貼り付けられ、偏光子gMと波長板hXが第3光学群とマイクロディスプレイ中の一つ又は複数の光学面に貼り付けられ、目視観察側からマイクロディスプレイまでの間に光軸方向に、波長板eZと波長板fYは偏光子gMと波長板hXの上流に位置する、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0049】
前記第1偏光子群、前記第2偏光子群、前記第1波長板群及び前記第2波長板群は、何れもプラスチック樹脂材質で製作される、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0050】
前記第1レンズ群は第1レンズと第2レンズ群とからなり、第2レンズの人の目に近接した側の光学面は、人の目に凹み、かつマイクロディスプレイに突出する形状を呈する、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0051】
接着と貼付操作で用いられる接着剤又は材質は光学用接着材質である、本発明に記載の接眼レンズ光学部品。
【0052】
上記のような接眼レンズ光学部品を含む、接眼レンズ光学システム。
【0053】
それぞれ人の左右の目の位置に対応する2つのマイクロディスプレイを含む接眼レンズ光学設備であって、人の目と前記マイクロディスプレイとの中間位置に設けられ、マイクロディスプレイに示す画面を高画質、低歪み、広視野角という特徴で人の目に投射する上記のような光学システムをさらに含む、接眼レンズ光学設備。
【0054】
前記マイクロディスプレイは有機エレクトロルミネセンスデバイス又は透過型液晶ディスプレイである、本発明に記載の接眼レンズ光学設備。
【0055】
本発明の効果は以下の通りである。該接眼レンズ光学システムはpancake折り畳み型光学システムを用い、第1レンズ群と第1偏光子群と第1波長板群、第2レンズ群と半透過型光学面、第3レンズ群と第2波長板群と第2偏光子群の順列組合せにより、各レンズ間の焦点距離の組合せ及び偏光部材の偏光制御に合わせて、本発明の協働関係に基づき、結像光線はマイクロディスプレイから発されて第1光学群と第2光学群との間で繰り返して反射屈折し、最終的に第1光学群の目視観察側に近接した部位から出射し、人の目まで達して結像することにより、従来技術のデメリットを有効的に改善し、優れた迷光効果を有しており、加工性が良く、同時に広視野角、低歪み、高光学解像度等の性能指標をさらに実現し、接眼レンズ光学部品の製造難度、製造コスト及び製品重量を低減し、システムの光学性能と製品のユーザ体験を大幅に向上した。観察者は、本発明の接眼レンズ光学部品により、フルフレームで高精細度、無歪み、均一な画質の大画面を見、高臨場感の視覚体験を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明の実施例又は従来技術中の技術的手段をより明確に説明するために、以下に図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。以下の説明における図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的活動を行うことなく、さらにこれらの図面に応じて他の図面を得ることができる。
【0057】
図1図1は本発明の実施例1の接眼レンズ光学部品の概略構成図である。
図2図2は本発明の実施例1の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTFの概略図である。
図3図3は本発明の実施例1の接眼レンズ光学部品の分散スポットの概略図である。
図4図4a、図4bは本発明の実施例1の接眼レンズ光学部品の像面湾曲の概略図及び歪みの概略図である。
図5図5は本発明の実施例2の接眼レンズ光学部品の概略構成図である。
図6図6は本発明の実施例2の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTFの概略図である。
図7図7は本発明の実施例2の接眼レンズ光学部品の分散スポットの概略図である。
図8図8a、図8bは本発明の実施例2の接眼レンズ光学部品の像面湾曲の概略図及び歪みの概略図である。
図9図9は本発明の実施例3の接眼レンズ光学部品の概略構成図である。
図10図10は本発明の実施例3の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTFの概略図である。
図11図11は本発明の実施例3の接眼レンズ光学部品の分散スポットの概略図である。
図12図12a、図12bは本発明の実施例3の接眼レンズ光学部品の像面湾曲の概略図及び歪みの概略図である。
図13図13は本発明の実施例4の接眼レンズ光学部品の概略構成図である。
図14図14は本発明の実施例4の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTFの概略図である。
図15図15は本発明の実施例4の接眼レンズ光学部品の分散スポットの概略図である。
図16図16a、図16bは本発明の実施例4の接眼レンズ光学部品の像面湾曲の概略図及び歪みの概略図である。
図17図17は本発明の実施例5の接眼レンズ光学部品の概略構成図である。
図18図18は本発明の実施例5の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTFの概略図である。
図19図19は本発明の実施例5の接眼レンズ光学部品の分散スポットの概略図である。
図20図20a、図20bは本発明の実施例5の接眼レンズ光学部品の像面湾曲の概略図及び歪みの概略図である。
図21図21は本発明の実施例6の接眼レンズ光学部品の概略構成図である。
図22図22は本発明の実施例6の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTFの概略図である。
図23図23は本発明の実施例6の接眼レンズ光学部品の分散スポットの概略図である。
図24図24a、図24bは本発明の実施例6の接眼レンズ光学部品の像面湾曲の概略図及び歪みの概略図である。
図25図25は本発明の実施例7の接眼レンズ光学部品の概略構成図である。
図26図26は本発明の実施例7の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTFの概略図である。
図27図27は本発明の実施例7の接眼レンズ光学部品の分散スポットの概略図である。
図28図28a、図28bは本発明の実施例7の接眼レンズ光学部品の像面湾曲の概略図及び歪みの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明の実施例の目的、技術的手段及びメリットがより明らかになるために、以下に本発明の実施例中の技術的手段を参照しながら明確で完全に説明を行う。明らかに、説明される実施例は本発明の全部の実施例ではなく、一部の実施例である。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的活動を行うことなく得られた全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0059】
目視観察側からマイクロディスプレイまでの間に光軸方向に順に配列される第1レンズ群(L1)と、第1偏光子群(P1)と、第1波長板群(P2)とを含む接眼レンズ光学部品であって、第2光学群(A2)は第2レンズ群(L2)と半透過型光学面(P3)とを含み、第3光学群(A3)は第3レンズ群(L3)と、第2波長板群(P4)と、第2偏光子群(P5)とを含む。
【0060】
第1偏光子群(P1)と第2偏光子群(P5)、第1波長板群(P2)と第2波長板群(P4)、第1レンズ群(L1)と第2レンズ群(L2)と第3レンズ群(L3)のそれぞれは、偏光子、波長板及び光学レンズを少なくとも1枚ずつ含有する。
【0061】
第1偏光子群(P1)は、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子を1枚含有する。
【0062】
第1波長板群(P2)と第2波長板群(P4)のそれぞれは少なくとも、偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板を1枚含有する。
【0063】
第2偏光子群(P5)は少なくとも、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子を1枚含有する。
【0064】
人の目に近接した側であってマイクロディスプレイから離れた側に位置する第2波長板群(P4)と、人の目から離れた側であってマイクロディスプレイに近接した側に位置する第2偏光子群(P5)とが第3レンズ群(L3)中のある光学面又はマイクロディスプレイの表面に貼り付けられる。
【0065】
第1光学群(A1)中の第1レンズ群(L1)は、人の目に突出しマイクロディスプレイに凹む光学面である第1光学面1と、第2光学面2と、第3光学面3と、第4光学面4とを含有し、第1波長板群(P2)がマイクロディスプレイに近接した側の第4光学面4に貼り付けられ、第1偏光子群(P1)が第1レンズ群(L1)の人の目に近接した側のある1つ又は複数の光学面に貼り付けられる。
【0066】
第2光学群(A2)中の第2レンズ群(L2)は、第5光学面5と、人の目に凹みマイクロディスプレイに突出する光学面である第6光学面6と、第6光学面6に位置する半透過型反光学面(P3)とを含有する。
【0067】
第1光学群(A1)におけるマイクロディスプレイに近接した側の第4光学面4と、第2光学群(A2)における人の目に近接した側の第5光学面5は、第1波長板群(P2)を貼り付けにより1つの部材に接着する。
【0068】
第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7は人の目に突出しマイクロディスプレイに凹む光学面であり、第3光学群(A3)の人の目から離れた光学面は第8光学面8である。
【0069】
接眼レンズ光学部品の光学焦点距離はFであり、接眼レンズ光学部品の1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さはDであり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離はF12であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さはD1であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離はF3であり、第3光学群(A3)の中心厚さはD2であり、F、F12、D1、F3、D2は以下の関係式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を満たす:
【0070】
1.1≦F12/F≦1.8・・・(1)、
【0071】
1.13≦F3/F≦1.98・・・(2)、
【0072】
0.56≦F12/F3≦1.59・・・(3)、
【0073】
0.47≦D1/D≦0.73・・・(4)、
【0074】
0.2≦D2/D≦0.53・・・(5)、
【0075】
0.28≦D1/D2≦1.12・・・(6);
【0076】
なかでも、F12/Fの取り得る値は1.1、1.12、1.21、1.33、1.44、1.58、1.651、1.735、1.8等であってもよく、F3/Fの取り得る値は1.13、1.22、1.34、1.53、1.66、1.78、1.851、1.935、1.98等であってもよく、F12/F3の取り得る値は0.56、0.86、1.11、1.125、1.213、1.34、1.53、1.59等であってもよく、D1/Dの取り得る値は0.47、0.531、0.581、0.641、0.671、0.681、0.73等であってもよく、D2/Dの取り得る値は0.2、0.231、0.251、0.36、0.371、0.421、0.473、0.513、0.53等であってもよく、D1/D2の取り得る値は0.28、0.31、0.51、0.6、0.71、0.81、0.973、1.12等であってもよい、接眼レンズ光学部品が構成される。
【0077】
第1レンズ群(L1)の光学焦点距離はF1であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離はF2であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離はF3であり、f1、f2及びf3は以下の関係式(7)、(8)、(9)を満たす:
【0078】
-3.05≦f1/f2≦33.21・・・(7)、
【0079】
0.13≦f3/f2≦0.42・・・(8)、
【0080】
-11.88≦f1/f3≦79.84・・・(9);
【0081】
なかでも、f1/f2の取り得る値は-3.05、-2.12、-1.21、-0.3、1.44、11.8、22.6、23.7、33.21等であってもよく、f3/f2の取り得る値は0.13、0.135、0.25、0.245、0.331、0.36、0.413、0.42等であってもよく、f1/f3の取り得る値は-11.88、-10.1、-5.25、-0.245、0.331、10.36、22.43、43.42、79.84等であってもよい。
【0082】
第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径はR6であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径はR7であり、R6とR7は以下の関係式(10)を満たす:
【0083】
-6.13≦R6/R7≦5.85・・・(10)。
【0084】
なかでも、R6/R7の取り得る値は-6.13、-5.12、-3.21、-0.37、1.45、3.8、5.6、5.75、5.85等であってもよい。
【0085】
第1レンズ群(L1)、第2レンズ群(L2)及び第3レンズ群(L3)中の光学レンズの材料はガラス材質又はプラスチック樹脂材質である。
【0086】
第1レンズ群(L1)、第2レンズ群(L2)及び第3レンズ群(L3)中の光学面は光学球面、光学平面及び光学偶数次非球面であり、かつ、前記偶数次非球面の面形状の公式は以下の関係式(11)を満たす:
【0087】
【数2】
・・・(11);
【0088】
なかでも、zは光学面の矢高であり、cは非球面の頂点における曲率であり、kは非球面係数であり、α2、α4、α6・・・は各階の係数であり、rは曲面における点からレンズシステムの光軸までの距離の座標である。
【0089】
第1偏光子群(P1)と第2偏光子群(P5)、第1波長板群(P2)と第2波長板群(P4)はプラスチック樹脂材質である。
【0090】
第1偏光子群(P1)は自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子aを1枚含有し、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子bNをN枚含有し、Nは自然数である。
【0091】
第1波長板群(P2)は偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板cKをK枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板dJをJ枚含有し、Kは1以上の正の整数であり、Jは自然数である。
【0092】
第2波長板群(P4)は偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板eZをZ枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板fYをY枚含有し、Zは1以上の正の整数であり、Yは自然数である。
【0093】
第2偏光子群(P5)は自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子gMをM枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板hXをX枚含有し、Mは1以上の正の整数であり、Xは自然数である。
【0094】
偏光子aの偏光角はθaであり、θaは基準であり、偏光子b0、b1、b2、b3・・・bNの偏光子aに対する偏光角はθb0、θb1、θb2、θb3・・・θbNであり、波長板c1、c2、c3・・・cKの偏光子aに対する偏光角はθc1、θc2、θc3・・・θcKであり、波長板d0、d1、d2、d3・・・dJの偏光子aに対する偏光角はθd0、θd1、θd2、θd3・・・θdJであり、波長板e1、e2、e3・・・eZの偏光子aに対する偏光角はθe1、θe2、θe3・・・θeZであり、波長板f0、f1、f2、f3・・・fYの偏光子aに対する偏光角はθf0、θf1、θf2、θf3・・・θfYであり、偏光子g1、g2、g3・・・gMの偏光子aに対する偏光角はθg1、θg2、θg3・・・θgMであり、波長板h0、h1、h2、h3・・・hXの偏光子aに対する偏光角はθh0、θh1、θh2、θh3・・・θhXであり、なかでも、θbN、θcK、θdJ、θeZ、θfY、θgM及びθhXは以下の関係式を満たす:
【0095】
|θbN|≦10°・・・(12)、
【0096】
|θcK+θdJ-(J+1)45°|≦10°・・・(13.1)、
【0097】
|θcK-θc(K-1)|≦10°・・・(13.2)、
【0098】
|(15°/J)-θd1|≦3°・・・(13.3)、
【0099】
|θeZ+θfY-(Y+1)45°|≦10°・・・(14.1)、
【0100】
|θeZ-θe(Z-1)|≦10°・・・(14.2)、
【0101】
|(15°/Y)-θf1|≦3°・・・(14.3)、
【0102】
|θgM|≦10°・・・(15.1)、
【0103】
|θhX-θh(X-1)|≦10°・・・(15.2);
【0104】
なかでも、θbN、θcK、θdJ、θeZ、θfY、θgM及びθhXにおいて、N、J、Y及びXは、0、1、3、5、8、11等であってもよく、K、Z、Mは、1、3、4、7、12等であってもよく、θb1、θb2・・・θbN及びθg1、θg2、θg3・・・θgMのそれぞれの取り得る値は、-10°、-5.2°、-3.1°、-0.7°、1.4°、2.8°、3.63°、5.65°、10°等であってもよい。
【0105】
偏光子aと偏光子bNが第1レンズ群(L1)中のある1つ又は複数の光学面に貼り付けられる。
【0106】
波長板cKと波長板dJとが貼り付けられ、第1光学群(A1)におけるマイクロディスプレイに近接した側の第4光学面4と、第2光学群(A2)における人の目に近接した側の第5光学面5とが接着された接着面の間に位置する。
【0107】
人の目に近接した側であってマイクロディスプレイから離れた側に位置する波長板eZと波長板fYと、人の目から離れた側であってマイクロディスプレイに近接した側に位置する偏光子gMと波長板hXが、第3光学群(A3)とマイクロディスプレイ中のある1つ又は複数の光学面に貼り付けられる。
【0108】
偏光子群(P1)と(P5)、波長板群(P2)と(P4)はプラスチック樹脂材質である。
【0109】
第1レンズ群(L1)は第1レンズL11と第2レンズL12とからなり、かつ、第2レンズL12の人の目に近接した側の第3光学面3は、人の目に凹みマイクロディスプレイに突出する光学面である。
【0110】
接着と貼付プロセスで用いられる接着剤又は材質は光学用接着材質である。
【0111】
前記光学システムの全長、総質量及び収差(球面収差、コマ、歪み、像面湾曲、非点収差、色収差及び他の高次収差を含む)が十分に補正されることで、前記接眼レンズ光学部品が広視野角、大孔径を実現すると同時に、さらに中心視野及び周縁視野の画質を向上し、中心視野と周縁視野の画質の差異を縮小し、フルフレームにおけるより均一な画質及び低歪みを実現することに寄与する。
【0112】
以下、より具体的な実施例により、前記接眼レンズ光学部品の原理、手段及び結果をさらに説明する。
【0113】
以下の実施例では、絞りEは接眼レンズ光学部品が結像する出射瞳であってもよく、一つのバーチャルの出光孔径であり、人の目の瞳孔が絞り位置にある時に、最適な結像効果を観察できる。小型画像ディスプレイIは接眼レンズ光学部品の像面である。
【実施例0114】
【表1】
【0115】
図1は実施例1の接眼レンズ光学部品の光路の概略構成図であり、図示するように、目視観察側から小型画像ディスプレイ側まで(左から右へ)、順番に人の目EYE、第1レンズL11、第1偏光子群P1、第2レンズL12、第1波長板群P2、第2レンズ群のレンズL21、半透過型反射面P3、第3レンズ群のレンズL31、第2波長板群P4及び第2偏光子群P5であり、なかでも、第1偏光子群P1において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子b1がレンズL11の人の目から離れた光学面に貼り付けられ、一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子aが偏光子b1に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子b1の偏光角θb1は1.2°であった。第1波長板群P2において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板c1がレンズL12の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板d1がレンズL21の人の目に近接した側の光学面に貼り付けられ、L12の人の目から離れた側の光学面とレンズL21の人の目に近接した側の光学面は、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)を、貼付プロセスにより、第1波長板群(P2)を間に挟んで1つの部材に接着させ、偏光子aを基準として波長板c1の偏光角θc1は15.35°であり、波長板d1の偏光角θd1は78.1°であった。第2波長板群P4において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板e1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板f1が波長板e1に貼り付けられ、偏光子aを基準として波長板e1の偏光角θe1は13.4°であり、波長板f1の偏光角θf1は74.4°であった。第2偏光子群P5において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子g1がマイクロディスプレイ(IMG)に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子g1の偏光角θg1は0.5°であり、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板h1を1枚有し、偏光子aを基準として偏光子h1の偏光角θh1は1.2°であり、L31の人の目から離れた側の光学面とマイクロディスプレイ(IMG)は、貼り付けにより、第2波長板群(P4)と第2偏光子群(P5)を間に挟んで1つの部材に接着させた。同時に、接眼レンズ光学部品の第1レンズL11の材質はH-K9Lであり、第2レンズL12の材質はH-ZF88であり、第2レンズ群のレンズL21の材質はAPL5514であり、第3レンズ群のレンズL31の材質はAPL5514であり、接眼レンズ光学部品の光学焦点距離Fは16.59であり、レンズの総設計質量は12.11gであり、1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さDは18.74であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離F12は19.65であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さD1は12.27であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離F3は26.8であり、第3光学群(A3)の中心厚さD2は5.26であり、第1レンズ群(L1)の光学焦点距離f1は-318.56であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離f2は104.44であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離f3は26.82であり、第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径R6は-60.44であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径R7は12.51であり、即ち、D1/Dは0.65であり、D2/Dは0.28であり、D1/D2は0.43であり、F12/Fは1.18であり、F3/Fは1.62であり、F12/F3は0.73であり、f1/f2は-3.05であり、f3/f2は0.26であり、f1/f3は-11.88であり、R6/R7は-4.83であった。
【0116】
図2図3図4a及び図4bは、それぞれ本発明の実施例1の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTF曲線図、分散スポットの概略図、像面湾曲図、歪み図であり、広視野の確保を前提に、伝達函数のMTFの概略図が10lpに解像度値が0.7よりも大きいことが反映され、以上のデータから該光学システムは高い結像の品質、非常に小さな像面湾曲及び光学歪みを有することが分かった。
【実施例0117】
【表2】
【0118】
図5は実施例2の接眼レンズ光学部品の光路の概略構成図であり、図示するように、目視観察側から小型画像ディスプレイ側まで(左から右へ)、順番に人の目EYE、第1レンズL11、第1偏光子群P1、第2レンズL12、第1波長板群P2、第2レンズ群のレンズL21、半透過型反射面P3、第3レンズ群のレンズL31、第2波長板群P4及び第2偏光子群P5であり、なかでも、第1偏光子群P1において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる2枚の偏光子b1とb2が順番にレンズL11の人の目から離れた光学面に貼り付けられ、b2が人の目から離れてb1に貼り付けられ、一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子aが偏光子b2に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子b1、b2の偏光角θb1、θb2はそれぞれ5.2°と-3.9°であった。第1波長板群P2において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板c1がレンズL12の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する2枚の波長板d1、d2が順番にレンズL21の人の目に近接した側の光学面に貼り付けられ、L12の人の目から離れた側の光学面とレンズL21の人の目に近接した側の光学面は、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)を、貼付プロセスにより、第1波長板群(P2)を間に挟んで1つの部材に接着させ、偏光子aを基準として波長板c1の偏光角θc1は14.75°であり、波長板d1、d2の偏光角θd1、θd2はそれぞれ75.81°と69.81°であった。第2波長板群P4において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板e1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板f1が波長板e1に貼り付けられ、偏光子aを基準として波長板e1の偏光角θe1は14.4°であり、波長板f1の偏光角θf1は76.1°であった。第2偏光子群P5において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子g1がマイクロディスプレイ(IMG)に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子g1の偏光角θg1は1°であり、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板h1、h2を2枚有し、偏光子aを基準として偏光子h1、h2の偏光角θh1、θh2は2.1°と-1.5°であり、L31の人の目から離れた側の光学面とマイクロディスプレイ(IMG)は、貼り付けにより、第2波長板群(P4)と第2偏光子群(P5)を間に挟んで1つの部材に接着させた。同時に、接眼レンズ光学部品の第1レンズL11の材質はH-K9Lであり、第2レンズL12の材質はH-ZF88であり、第2レンズ群のレンズL21の材質はAPL5514であり、第3レンズ群のレンズL31の材質はAPL5514であり、接眼レンズ光学部品の光学焦点距離Fは17.39であり、レンズの総設計質量は13.44gであり、1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さDは17.93であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離F12は19.89であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さD1は12.07であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離F3は30.43であり、第3光学群(A3)の中心厚さD2は4.66であり、第1レンズ群(L1)の光学焦点距離f1は-300.54であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離f2は104.07であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離f3は30.43であり、第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径R6は-60.32であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径R7は19.08であり、即ち、D1/Dは0.67であり、D2/Dは0.26であり、D1/D2は0.39であり、F12/Fは1.14であり、F3/Fは1.75であり、F12/F3は0.65であり、f1/f2は-2.89であり、f3/f2は0.29であり、f1/f3は-9.88であり、R6/R7は-3.16であった。
【0119】
図6図7図8a及び図8bは、それぞれ本発明の実施例2の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTF曲線図、分散スポットの概略図、像面湾曲図、歪み図であり、広視野の確保を前提に、伝達函数のMTFの概略図が10lpに解像度値が0.5よりも大きいことが反映され、以上のデータから、実施例1に対して、異なる偏光部品の組合せを変更させ、幾つかのレンズ群の焦点距離に合わせることで、より良い品質の結像、より小さな像面湾曲及び光学歪みが得られることが分かった。
【実施例0120】
【表3】
【0121】
図9は実施例3の接眼レンズ光学部品の光路の概略構成図であり、図示するように、目視観察側から小型画像ディスプレイ側まで(左から右へ)、順番に人の目EYE、第1レンズL11、第1偏光子群P1、第2レンズL12、第1波長板群P2、第2レンズ群のレンズL21、半透過型反射面P3、第3レンズ群のレンズL31及びレンズL32、第2波長板群P4及び第2偏光子群P5であり、なかでも、第1偏光子群P1において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる2枚の偏光子b1、b2が順番にレンズL11の人の目から離れた光学面に貼り付けられ、一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子aが偏光子b2に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子b1、b2の偏光角θb1、θb2は-1.3°と2.1°であった。第1波長板群P2において、1/4の位相遅延効果を有する3枚の波長板c1、c2、c3が順番にレンズL12の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する3枚の波長板d1、d2、d3が順番にレンズL21の人の目に近接した側の光学面に貼り付けられ、L12の人の目から離れた側の光学面とレンズL21の人の目に近接した側の光学面は、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)を、貼付プロセスにより、第1波長板群(P2)を間に挟んで1つの部材に接着させ、偏光子aを基準として波長板c1、c2、c3の偏光角θc1、θc2、θc3は、それぞれ95.8°、100.8°、99.1°であり、波長板d1、d2、d3の偏光角θd1、θd2、θd3はそれぞれ6.9°、34.5°及び35.1°であった。第2波長板群P4において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板e1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板f1が波長板e1に貼り付けられ、偏光子aを基準として波長板e1の偏光角θe1は100.4°であり、波長板f1の偏光角θf1は6.8°であった。第2偏光子群P5において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子g1がマイクロディスプレイ(IMG)に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子g1の偏光角θg1は1°であり、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板h1を1枚有し、偏光子aを基準として偏光子h1の偏光角θh1は-1.1°であり、L32の人の目から離れた側の光学面とマイクロディスプレイ(IMG)は、貼り付けにより、第2波長板群(P4)と第2偏光子群(P5)を間に挟んで1つの部材に接着させた。同時に、接眼レンズ光学部品の第1レンズL11の材質はH-K9Lであり、第2レンズL12の材質はH-ZF88であり、第2レンズ群のレンズL21の材質はAPL5514であり、第3レンズ群のレンズL31とレンズL32の材質はそれぞれAPL5514、E48Rであり、光学システムの光学焦点距離Fは17.51であり、レンズの総設計質量は12.15gであり、1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さDは19.96であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離F12は20.64であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さD1は12.07であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離F3は33.01であり、第3光学群(A3)の中心厚さD2は6.64であり、第1レンズ群(L1)の光学焦点距離f1は229.7であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離f2は115.62であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離f3は33.01であり、第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径R6は-66.47であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径R7は13.11であり、即ち、D1/Dは0.61であり、D2/Dは0.33であり、D1/D2は0.39であり、F12/Fは1.18であり、F3/Fは1.89であり、F12/F3は0.63であり、f1/f2は1.99であり、f3/f2は0.29であり、f1/f3は6.96であり、R6/R7は-5.07であった。
【0122】
図10図11図12a及び図12bは、それぞれ本発明の実施例3の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTF曲線図、分散スポットの概略図、像面湾曲図、歪み図であり、広視野の確保を前提に、伝達函数のMTFの概略図が10lpに解像度値が0.9よりも大きいことが反映され、以上のデータから該光学システムは実施例1及び実施例2に対して、各レンズ群のレンズ数及び焦点距離を変更させることにより、また、合理的な偏光制御に合わせて、より高い結像の品質、及び非常に小さな像面湾曲及び光学歪みを有することが分かった。
【実施例0123】
【表4】
【0124】
図13は実施例4の接眼レンズ光学部品の光路の概略構成図であり、図示するように、目視観察側から小型画像ディスプレイ側まで(左から右へ)、順番に人の目EYE、第1レンズ群L11、第1偏光子群P1、第2レンズL12、第1波長板群P2、第2レンズ群のレンズL21及びL22、半透過型反射面P3、第3レンズ群のレンズL31、第2波長板群P4及び第2偏光子群P5であり、なかでも、第1偏光子群P1において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子b1がレンズL11の人の目から離れた光学面に貼り付けられ、一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子aが偏光子b1に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子b1の偏光角θb1は-0.5°であった。第1波長板群P2において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板c1がレンズL12の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する2枚の波長板d1、d2が順番にレンズL21の人の目に近接した側の光学面に貼り付けられ、L12の人の目から離れた側の光学面とレンズL21の人の目に近接した側の光学面は、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)を、貼付プロセスにより、波長板群(P2)を間に挟んで1つの部材に接着させ、偏光子aを基準として波長板c1の偏光角θc1は100.8°であり、波長板d1、d2の偏光角θd1、θd2はそれぞれ7.1°、34.5°であった。第2波長板群P4において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板e1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板f1が波長板e1に貼り付けられ、偏光子aを基準として波長板e1の偏光角θe1は100.4°であり、波長板f1の偏光角θf1は7°であった。第2偏光子群P5において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子g1がマイクロディスプレイ(IMG)に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子g1の偏光角θg1は-0.5°であり、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板h1を1枚有し、偏光子aを基準として偏光子h1の偏光角θh1は-1.3°であり、L31の人の目から離れた側の光学面とマイクロディスプレイ(IMG)は、貼り付けにより、第2波長板群(P4)と第2偏光子群(P5)を間に挟んで1つの部材に接着させた。同時に、接眼レンズ光学部品の第1レンズL11の材質はH-K9Lであり、第2レンズL12の材質はH-ZF88であり、第2レンズ群のレンズL21とレンズL22の材質はAPL5514であり、第3レンズ群のレンズL31の材質はAPL5514であり、光学システムの光学焦点距離Fは17.17であり、レンズの総設計質量は13.24gであり、1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さDは18.16であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離F12は18.94であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さD1は13.3であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離F3は33.94であり、第3光学群(A3)の中心厚さD2は3.66であり、第1レンズ群(L1)の光学焦点距離f1は2712.33であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離f2は81.66であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離f3は33.97であり、第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径R6は-68.43であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径R7は11.16であり、即ち、D1/Dは0.73であり、D2/Dは0.20であり、D1/D2は0.28であり、F12/Fは1.10であり、F3/Fは1.98であり、F12/F3は0.56であり、f1/f2は33.21であり、f3/f2は0.42であり、f1/f3は79.84であり、R6/R7は-6.13であった。
【0125】
図14図15図16a及び図16bは、それぞれ本発明の実施例4の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTF曲線図、分散スポットの概略図、像面湾曲図、歪み図であり、広視野の確保を前提に、伝達函数のMTFの概略図が10lpに解像度値が0.92よりも大きいことが反映され、以上のデータから該光学システムは以上の実施例に対して、各レンズ群のレンズ数及び焦点距離を変更させることにより、また、合理的な偏光制御に合わせて、より高い結像の品質、及び非常に小さな像面湾曲及び光学歪みを有するが、総質量では若干劣ることが分かった。
【実施例0126】
【表5】
【0127】
図17は実施例5の接眼レンズ光学部品の光路の概略構成図であり、図示するように、目視観察側から小型画像ディスプレイ側まで(左から右へ)、順番に人の目EYE、第1レンズ群L11、第1偏光子群P1、第2レンズL12、第1波長板群P2、第2レンズ群のレンズL21、半透過型反射面P3、第3レンズ群のレンズL31、第2波長板群P4及び第2偏光子群P5であり、なかでも、第1偏光子群P1において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子b1がレンズL11の人の目から離れた光学面に貼り付けられ、一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子aが偏光子b1に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子b1の偏光角θb1は-0.5°であった。第1波長板群P2において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板c1がレンズL12の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する2枚の波長板d1、d2が順番にレンズL21の人の目に近接した側の光学面に貼り付けられ、L12の人の目から離れた側の光学面とレンズL21の人の目に近接した側の光学面は、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)を、貼付プロセスにより、波長板群(P2)を間に挟んで1つの部材に接着させ、偏光子aを基準として波長板c1の偏光角θc1は100.8°であり、波長板d1、d2の偏光角θd1、θd2はそれぞれ7.1°、34.5°であった。第2波長板群P4において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板e1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板f1が波長板e1に貼り付けられ、偏光子aを基準として波長板e1の偏光角θe1は100.4°であり、波長板f1の偏光角θf1は7°であった。第2偏光子群P5において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子g1がマイクロディスプレイ(IMG)に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子g1の偏光角θg1は-0.5°であり、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板h1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子h1の偏光角θh1は-1.3°であった。同時に、接眼レンズ光学部品の第1レンズL11の材質はK26Rであり、第2レンズL12の材質はOKP1であり、第2レンズ群のレンズL21の材質はAPL5514であり、第3レンズ群のレンズL31の材質はH-LAK12であり、光学システムの光学焦点距離Fは14.01であり、レンズの総設計質量は15.75gであり、1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さDは20.83であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離F12は25.27であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さD1は9.84であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離F3は15.9であり、第3光学群(A3)の中心厚さD2は10.99であり、第1レンズ群(L1)の光学焦点距離f1は219.51であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離f2は118.45であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離f3は15.9であり、第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径R6は15.52であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径R7は12.79であり、即ち、D1/Dは0.47であり、D2/Dは0.53であり、D1/D2は1.12であり、F12/Fは1.80であり、F3/Fは1.13であり、F12/F3は1.59であり、f1/f2は1.85であり、f3/f2は0.13であり、f1/f3は13.81であり、R6/R7は1.21であった。
【0128】
図18図19図20a及び図20bは、それぞれ本発明の実施例5の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTF曲線図、分散スポットの概略図、像面湾曲図、歪み図であり、広視野の確保を前提に、伝達函数のMTFの概略図が10lpに解像度値が0.92よりも大きいことが反映され、以上のデータから該光学システムは実施例4に対して、各レンズ群のレンズ材料及び焦点距離を変更させることにより、また、合理的な偏光制御に合わせて、良い結像の品質と非常に小さな像面湾曲と光学歪みとを有するが、総質量では若干劣ることが分かった。
【実施例0129】
【表6】
【0130】
図21は実施例6の接眼レンズ光学部品の光路の概略構成図であり、図示するように、目視観察側から小型画像ディスプレイ側まで(左から右へ)、順番に人の目EYE、第1レンズ群L11、第1偏光子群P1、第2レンズL12、第1波長板群P2、第2レンズ群のレンズL21、半透過型反射面P3、第3レンズ群のレンズL31、第2波長板群P4及び第2偏光子群P5であり、なかでも、第1偏光子群P1において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子b1がレンズL11の人の目から離れた光学面に貼り付けられ、一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子aが偏光子b1に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子b1の偏光角θb1は-0.5°であった。第1波長板群P2において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板c1がレンズL12の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する2枚の波長板d1、d2が順番にレンズL21の人の目に近接した側の光学面に貼り付けられ、L12の人の目から離れた側の光学面とレンズL21の人の目に近接した側の光学面は、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)を、貼付プロセスにより、波長板群(P2)を間に挟んで1つの部材に接着させ、偏光子aを基準として波長板c1の偏光角θc1は100.8°であり、波長板d1、d2の偏光角θd1、θd2はそれぞれ7.1°、34.5°であった。第2波長板群P4において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板e1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板f1が波長板e1に貼り付けられ、偏光子aを基準として波長板e1の偏光角θe1は100.4°であり、波長板f1の偏光角θf1は7°であった。第2偏光子群P5において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子g1がマイクロディスプレイ(IMG)に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子g1の偏光角θg1は-0.5°であり、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板h1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子h1の偏光角θh1は-1.3°であった。同時に、接眼レンズ光学部品の第1レンズL11の材質はK26Rであり、第2レンズL12の材質はOKP1であり、第2レンズ群のレンズL21の材質はTOPASであり、第3レンズ群のレンズL31の材質はAPL5514であり、光学システムの光学焦点距離Fは18.08であり、レンズの総設計質量は8.42gであり、1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さDは24.38であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離F12は29.96であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さD1は12.03であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離F3は23.52であり、第3光学群(A3)の中心厚さD2は12.35であり、第1レンズ群(L1)の光学焦点距離f1は164.03であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離f2は144.15であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離f3は23.52であり、第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径R6は14.16であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径R7は8.54であり、即ち、D1/Dは0.49であり、D2/Dは0.51であり、D1/D2は1.03であり、F12/Fは1.66であり、F3/Fは1.30であり、F12/F3は1.27であり、f1/f2は1.14であり、f3/f2は0.16であり、f1/f3は6.97であり、R6/R7は1.66であった。
【0131】
図22図23図24a及び図24bは、それぞれ本発明の実施例6の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTF曲線図、分散スポットの概略図、像面湾曲図、歪み図であり、広視野の確保を前提に、伝達函数のMTFの概略図が10lpに解像度値が0.9よりも大きいことが反映され、以上のデータから該光学システムは以上の実施例に対して、各レンズ群のレンズ材料及び焦点距離を変更させることにより、また、合理的な偏光制御に合わせて、良い結像の品質と非常に小さな像面湾曲と光学歪みとを有するが、総質量では若干優れていることが分かった。
【実施例0132】
【表7】
【0133】
図25は実施例7の接眼レンズ光学部品の光路の概略構成図であり、図示するように、目視観察側から小型画像ディスプレイ側まで(左から右へ)、順番に人の目EYE、第1レンズ群L11、第1偏光子群P1、第2レンズL12、第1波長板群P2、第2レンズ群のレンズL21、半透過型反射面P3、第3レンズ群のレンズL31、第2波長板群P4及び第2偏光子群P5であり、なかでも、第1偏光子群P1において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子b1がレンズL11の人の目から離れた光学面に貼り付けられ、一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子aが偏光子b1に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子b1の偏光角θb1は-0.5°であった。第1波長板群P2において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板c1がレンズL12の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する2枚の波長板d1、d2が順番にレンズL21の人の目に近接した側の光学面に貼り付けられ、L12の人の目から離れた側の光学面とレンズL21の人の目に近接した側の光学面は、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)を、貼付プロセスにより、波長板群(P2)を間に挟んで1つの部材に接着させ、偏光子aを基準として波長板c1の偏光角θc1は100.8°であり、波長板d1、d2の偏光角θd1、θd2はそれぞれ7.1°、34.5°であった。第2波長板群P4において、1/4の位相遅延効果を有する1枚の波長板e1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、同時に偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板f1が波長板e1に貼り付けられ、偏光子aを基準として波長板e1の偏光角θe1は100.4°であり、波長板f1の偏光角θf1は7°であった。第2偏光子群P5において、一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる1枚の偏光子g1がマイクロディスプレイ(IMG)に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子g1の偏光角θg1は-0.5°であり、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する1枚の波長板h1がレンズL31の人の目から離れた側の光学面に貼り付けられ、偏光子aを基準として偏光子h1の偏光角θh1は-1.3°であった。同時に、接眼レンズ光学部品の第1レンズL11の材質はK26Rであり、第2レンズL12の材質はOKP1であり、第2レンズ群のレンズL21の材質はK26Rであり、第3レンズ群のレンズL31の材質はK26Rであり、光学システムの光学焦点距離Fは18.45であり、レンズの総設計質量は5.88gであり、1つ目の光学面からマイクロディスプレイまでの長さDは24.31であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた光学焦点距離F12は29.79であり、第1光学群(A1)と第2光学群(A2)とが組合せられた中心厚さD1は12.21であり、第3光学群(A3)の光学焦点距離F3は24.55であり、第3光学群(A3)の中心厚さD2は12.1であり、第1レンズ群(L1)の光学焦点距離f1は154.95であり、第2レンズ群(L2)の光学焦点距離f2は143.59であり、第3レンズ群(L3)の光学焦点距離f3は24.55であり、第2光学群(A2)中の第6光学面6の曲率半径R6は76.82であり、第3光学群(A3)の人の目に近接した第7光学面7の曲率半径R7は13.132であり、即ち、D1/Dは0.5であり、D2/Dは0.50であり、D1/D2は0.99であり、F12/Fは1.61であり、F3/Fは1.33であり、F12/F3は1.21であり、f1/f2は1.08であり、f3/f2は0.17であり、f1/f3は6.31であり、R6/R7は5.85であった。
【0134】
図26図27図28a及び図28bは、それぞれ本発明の実施例7の接眼レンズ光学部品の光学的伝達函数のMTF曲線図、分散スポットの概略図、像面湾曲図、歪み図であり、広視野の確保を前提に、伝達函数のMTFの概略図が10lpに解像度値が0.94よりも大きいことが反映され、以上のデータから該光学システムは以上の実施例に対して、各レンズ群のレンズ材料及び焦点距離を変更させることにより、また、合理的な偏光制御に合わせて、良い結像の品質と非常に小さな像面湾曲と光学歪みとを有するが、総質量では若干優れていることが分かった。
【0135】
前記実施例1~7の諸データは全て発明の概要に記録されるパラメータの要求を満たし、結果は以下の表8に示す通りであった。
【0136】
【表8】
【0137】
なお、当業者であれば、前記説明に応じて改善又は変形することができる。これらの改善及び変換の全ては、本発明に添付される特許請求の範囲の保護範囲に属すべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16a
図16b
図17
図18
図19
図20a
図20b
図21
図22
図23
図24a
図24b
図25
図26
図27
図28a
図28b
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目視観察側からマイクロディスプレイまでの間に光軸方向に順に配列される第1光学群、第2光学群及び第3光学群を含む接眼レンズ光学部品であって、
前記第1光学群は、第1レンズと第2レンズよりなる第1レンズ群、第1偏光子群及び第1波長板群からなり、前記第1レンズ、前記第1偏光子群、前記第2レンズ及び前記第1波長板群が順に設置され、前記第2光学群は、順に設置される第2レンズ群と半透過型光学面とからなり、前記第3光学群は、順に設置される第3レンズ群と第2波長板群と第2偏光子群とからなり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群は何れも正のレンズ群であり、
前記接眼レンズ光学部品の光学焦点距離はFであり、前記接眼レンズ光学部品の1つ目の光学面から前記マイクロディスプレイまでの長さはDであり、前記第1光学群と前記第2光学群とが組合せられた光学焦点距離はF12であり、前記第1光学群と前記第2光学群とが組合せられた中心厚さはD1であり、前記第3光学群の光学焦点距離はF3であり、前記第3光学群の中心厚さはD2であり、
前記F、前記F12、前記D1、前記F3、前記D2は以下の関係式を満たす:
1.1≦F12/F≦1.8;
1.13≦F3/F≦1.98;
0.56≦F12/F3≦1.59;
0.47≦D1/D≦0.73;
0.2≦D2/D≦0.53;
0.28≦D1/D2≦1.12;
前記第1偏光子群には、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を反射し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子aを1枚含有し、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子bNをN枚含有し、Nは自然数であり、
前記第1波長板群には、偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板cKをK枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板dJをJ枚含有し、Kは1以上の正の整数であり、Jは自然数であり、
前記第2波長板群には、偏光光に対して1/4の位相遅延効果を有する波長板eZをZ枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板fYをY枚含有し、Zは1以上の正の整数であり、Yは自然数であり、
前記第2偏光子群には、自然光のP光及びS光中の一方の偏光状態光を吸収し、他方の偏光状態光を透過させる偏光子gMをM枚含有し、偏光光に対して1/2の位相遅延効果を有する波長板hXをX枚含有し、Mは1以上の正の整数であり、Xは自然数であることを特徴とする、接眼レンズ光学部品。
【請求項2】
前記第1レンズ群の光学焦点距離はF1であり、前記第2レンズ群の光学焦点距離はF2であり、前記第3レンズ群の光学焦点距離はF3であり、
f1、f2及びf3は以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
-3.05≦f1/f2≦33.21;
0.13≦f3/f2≦0.42;
-11.88≦f1/f3≦79.84。
【請求項3】
前記第2光学群中の人の目から離れた最後の光学面の曲率半径はR6であり、前記第3光学群の人の目に近接した1つ目の光学面の曲率半径はR7であり、前記R6と前記R7は以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
-6.13≦R6/R7≦5.85。
【請求項4】
前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群中の光学レンズの材料はガラス材質又はプラスチック樹脂材質であることを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項5】
前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群中の光学面は光学球面、光学平面及び光学偶数次非球面中の1つ又は複数を含み、前記光学偶数次非球面の面形状の公式は以下の関係式を満たす:
【数1】
なかでも、zは光学面の矢高であり、cは非球面の頂点における曲率であり、kは非球面係数であり、α2、α4、α6・・・は各階の係数であり、rは曲面における点からレンズシステムの光軸までの距離の座標であることを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項6】
前記偏光子aの偏光角はθaであり、θaは基準であり、偏光子b0、b1、b2、b3・・・bNの前記偏光子aに対する偏光角はθb0、θb1、θb2、θb3・・・θbNであり、波長板c1、c2、c3・・・cKの前記偏光子aに対する偏光角はθc1、θc2、θc3・・・θcKであり、波長板d0、d1、d2、d3・・・dJの前記偏光子aに対する偏光角はθd0、θd1、θd2、θd3・・・θdJであり、波長板e1、e2、e3・・・eZの前記偏光子aに対する偏光角はθe1、θe2、θe3・・・θeZであり、波長板f0、f1、f2、f3・・・fYの前記偏光子aに対する偏光角はθf0、θf1、θf2、θf3・・・θfYであり、偏光子g1、g2、g3・・・gMの前記偏光子aに対する偏光角はθg1、θg2、θg3・・・θgMであり、波長板h0、h1、h2、h3・・・hXの前記偏光子aに対する偏光角はθh0、θh1、θh2、θh3・・・θhXであり、なかでも、θbN、θcK、θdJ、θeZ、θfY、θgM及びθhXは以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
|θbN|≦10°;
|θcK+θdJ-(J+1)45°|≦10°;
|θcK-θc(K-1)|≦10°;
|(15°/J)-θd1|≦3°;
|θeZ+θfY-(Y+1)45°|≦10°;
|θeZ-θe(Z-1)|≦10°;
|(15°/Y)-θf1|≦3°;
|θgM|≦10°;
|θhX-θh(X-1)|≦10°。
【請求項7】
前記波長板cKと前記波長板dJとが貼り付けられ、前記第1光学群における前記マイクロディスプレイに近接した側の1つ目の光学面と、前記第2光学群における人の目に近接した側の1つ目の光学面とが接着された接着面の間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項8】
目視観察側から前記マイクロディスプレイまでの間に光軸方向に、前記波長板eZと前記波長板fYは前記偏光子gMと前記波長板hXの上流に位置することを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項9】
前記第1偏光子群、前記第2偏光子群、前記第1波長板群及び前記第2波長板群は、何れもプラスチック樹脂材質で製作されることを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項10】
前記第2レンズの人の目に近接した側の光学面は、人の目に凹み、かつ前記マイクロディスプレイに突出する形状を呈することを特徴とする、請求項1に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項11】
接着と貼付で用いられる接着剤又は材質は光学用接着材質であることを特徴とする、請求項に記載の接眼レンズ光学部品。
【請求項12】
請求項1~11の何れか1項に記載の前記接眼レンズ光学部品を含むことを特徴とする、接眼レンズ光学システム。
【請求項13】
それぞれ人の左右の目の位置に対応する2つの前記マイクロディスプレイを含む接眼レンズ光学設備であって、人の目と前記マイクロディスプレイとの中間位置に設けられ、前記マイクロディスプレイに示す画面を高画質、低歪み、広視野角という特徴で人の目に投射する請求項12に記載の光学システムをさらに含むことを特徴とする、接眼レンズ光学設備。
【請求項14】
前記マイクロディスプレイは有機エレクトロルミネセンスデバイス又は透過型液晶ディスプレイであることを特徴とする、請求項13に記載の接眼レンズ光学設備。