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  • 特開-飲食物搬送装置及び移送装置 図1
  • 特開-飲食物搬送装置及び移送装置 図2
  • 特開-飲食物搬送装置及び移送装置 図3
  • 特開-飲食物搬送装置及び移送装置 図4
  • 特開-飲食物搬送装置及び移送装置 図5
  • 特開-飲食物搬送装置及び移送装置 図6
  • 特開-飲食物搬送装置及び移送装置 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011708
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】飲食物搬送装置及び移送装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/08 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A47G23/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113939
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】松井 智史
(72)【発明者】
【氏名】北村 鉄治
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 岳
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115CB07
3B115CB11
3B115CB12
(57)【要約】
【課題】本願は、コンベア上の飲食物を一方と他方の何れの方向へも自在に動かすことが可能な機構を備えた飲食物搬送装置及び移送装置を開示する。
【解決手段】本発明は、飲食物搬送装置であって、飲食店で飲食物を搬送するコンベアと、コンベアが形成する搬送路のうちの所定箇所において搬送路の上方に設置される移送装置と、を備え、移送装置は、所定箇所において搬送路の上方から垂下される垂下部材と、垂下部材の下部が搬送路上の飲食物に接触する高さを保った状態で垂下部材を横方向にスライド移動させる駆動機構と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店で飲食物を搬送するコンベアと、
前記コンベアが形成する搬送路のうちの所定箇所において前記搬送路の上方に設置される移送装置と、を備え、
前記移送装置は、
前記所定箇所において前記搬送路の上方から垂下される垂下部材と、
前記垂下部材の下部が前記搬送路上の飲食物に接触する高さを保った状態で前記垂下部材を横方向にスライド移動させる駆動機構と、を有する、
飲食物搬送装置。
【請求項2】
前記所定箇所とは、前記コンベアから他へ飲食物を乗り移らせる箇所である、
請求項1に記載の飲食物搬送装置。
【請求項3】
前記垂下部材とは、板材である、
請求項1に記載の飲食物搬送装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、
前記垂下部材を垂下させた姿勢で保持する保持部と、
前記保持部を前記横方向にスライド移動可能なスライド部と、を有する、
請求項1から3の何れか一項に記載の飲食物搬送装置。
【請求項5】
飲食店で飲食物を搬送するコンベアが形成する搬送路のうちの所定箇所において前記搬送路の上方に設置される移送装置であって、
前記所定箇所において前記搬送路の上方から垂下される垂下部材と、
前記垂下部材の下部が前記搬送路上の飲食物に接触する高さを保った状態で前記垂下部材を横方向にスライド移動させる駆動機構と、を備える、
移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物搬送装置及び移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店においては、搬送装置を使った飲食物の提供が行なわれている(例えば、特許文献1-5を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-180829号公報
【特許文献2】特開2003-304966号公報
【特許文献3】特開平10-017126号公報
【特許文献4】特開2006-218183号公報
【特許文献5】特開2008-125794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店内において飲食物を機械で搬送する形態として、例えば、厨房から客席へ至るベルトコンベアに飲食物の食器やトレーを載せて搬送する形態がある。このようなベルトコンベアの搬送装置において、店舗内のレイアウトの都合等で搬送路にコーナー部分や分岐部分を設けたい場合、コーナー部分や分岐部分で飲食物をベルトコンベアから他へ乗り移らせるための機構類を設けることになる。このような機構類としては、例えば、ベルトコンベア上の食器を側方へ押す押し出し機構、ベルトコンベアに載置された食器に接触して食器を側方へ案内するベルト機構、その他の機構が挙げられる。
【0005】
しかしながら、これらの機構は、何れもコンベア上の物品を側方へ移動させるものであるため、基本的にコンベアの搬送路の側部に設けられる。このため、一つの機構でコンベア上の物品を一方と他方の何れの方向へも自在に動かすことは容易でない。
【0006】
そこで、本願は、コンベア上の飲食物を一方と他方の何れの方向へも自在に動かすことが可能な機構を備えた飲食物搬送装置及び移送装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、搬送路の上方から垂下させた垂下部材で飲食物を移送することにした。
【0008】
詳細には、本発明は、飲食物搬送装置であって、飲食店で飲食物を搬送するコンベアと、コンベアが形成する搬送路のうちの所定箇所において搬送路の上方に設置される移送装置と、を備え、移送装置は、所定箇所において搬送路の上方から垂下される垂下部材と、垂下部材の下部が搬送路上の飲食物に接触する高さを保った状態で垂下部材を横方向にスライド移動させる駆動機構と、を有する。
【0009】
ここで、コンベアとは、飲食物を載置可能な搬送装置であり、例えば、搬送面が平らなベルトコンベア、クレセントチェーンコンベア、その他の各種搬送装置が挙げられる。また、所定箇所とは、コンベアが形成する搬送路の途中部分又は終端部分であり、例えば、コンベアから他へ飲食物を乗り移らせる箇所である。また、垂下部材とは、上方から垂れ下がる形態の部材であり、当該部材が自在に揺れ動き可能な形態を意味するものではない
【0010】
上記の飲食物搬送装置であれば、コンベアが形成する搬送路に載っている飲食物を、搬送路の上方に設置される移送装置から垂下される垂下部材で動かす形態を採っているため、コンベアが形成する搬送路の適宜の箇所に移送装置を設置可能であり、また、搬送路の飲食物を当該搬送路の進行方向に対し左右両側の何れへも移送することが可能となる。
【0011】
なお、垂下部材とは、板材であってもよい。このような形態の垂下部材であれば、飲食物を押すのみならず、目隠しとして機能させることも可能である。
【0012】
また、駆動機構は、垂下部材を垂下させた姿勢で保持する保持部と、保持部を横方向にスライド移動可能なスライド部と、を有するものであってもよい。これによれば、垂下部材を保持する保持部がスライド部によって横方向にスライドされるので、垂下部材の下部が飲食物に接触しても垂下部材の姿勢が傾かないように保持部で保持された状態のまま、垂下部材のスライドが実現される。この結果、垂下部材で飲食物をより確実に移送させることができる。
【0013】
また、本発明は、移送装置として捉えることも可能である。すなわち、本発明は、移送装置であって、飲食店で飲食物を搬送するコンベアが形成する搬送路のうちの所定箇所において搬送路の上方に設置される移送装置であって、所定箇所において搬送路の上方から垂下される垂下部材と、垂下部材の下部が搬送路上の飲食物に接触する高さを保った状態で垂下部材を横方向にスライド移動させる駆動機構と、を備えるものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記の飲食物搬送装置及び移送装置であれば、コンベア上の飲食物を一方と他方の何れの方向へも自在に動かすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係る移送装置の一例を示した図である。
図2図2は、上部ユニットの内部構造を示した図である。
図3図3は、移送装置の動作の様子を示した図である。
図4図4は、実施形態に係る飲食物搬送装置の一例を示した第1の図である。
図5図5は、実施形態に係る飲食物搬送装置の一例を示した第2の図である。
図6図6は、飲食物搬送装置の変形例を示した図である。
図7図7は、客席テーブルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。以下に示す実施形態や変形例は、例えば、寿司や飲料物、そばやうどんといった丼物、から揚げや天ぷらといった各種の飲食物を提供する飲食店に好適である。
【0017】
<移送装置>
図1は、実施形態に係る移送装置の一例を示した図である。移送装置1は、飲食店で飲食物を搬送するコンベア上の飲食物を、当該コンベアから他へ移送するための装置である。移送装置1は、コンベアが形成する搬送路の適宜の箇所において、当該搬送路の上方に設置可能とするべく、次のように構成されている。
【0018】
すなわち、移送装置1は、各種の駆動機構類を内蔵する上部ユニット2と、上部ユニット2を搬送路の上方に設置するための支柱3と、上部ユニット2から垂下される移送プレ
ート4(本願でいう「垂下部材」の一例である)とを備える。支柱3によって搬送路の上方に支持される上部ユニット2が、上部ユニット2から垂下される移送プレート4を横方向にスライド移動させることにより、移送プレート4の下部でコンベア上の飲食物を当該コンベアから他へ移送する。
【0019】
図2は、上部ユニット2の内部構造を示した図である。上部ユニット2の内部には、移送プレート4を垂下するための保持部材5、保持部材5を横方向にスライドさせるボールスクリュー6(本願でいう「スライド部」の一例である)、ボールスクリュー6の一端を支持する軸受7、ボールスクリュー6の他端を支持すると共にボールスクリュー6を回転駆動させるための駆動ユニット8、駆動ユニット8の動力を発生するモーター9が備わっている。
【0020】
保持部材5は、移送プレート4を強固に保持する部材である。よって、保持部材5に保持される移送プレート4は、外力を受けても殆ど揺れ動かない。そして、移送プレート4は、剛性の板材である。このため、例えば、図2の紙面において移送プレート4の右側に飲食物が接触した状態で保持部材5が右方向へスライドすると、保持部材5に保持されている移送プレート4が飲食物を右方向へ押して移動させることになる。
【0021】
ボールスクリュー6は、保持部材5に設けられたナットに螺合するネジ軸である。ボールスクリュー6のネジ軸のネジ溝は、保持部材5のナットに設けられた摺動抵抗低減用のボールが嵌る溝となっている。よって、ボールスクリュー6が回転すると、保持部材5のナットに設けられたボールが転動し、保持部材5がボールスクリュー6の長手方向に沿って直線的に移動する。
【0022】
軸受7は、ボールスクリュー6の端部を支持する軸受けである。軸受7は、ボールスクリュー6を回動可能に支持する役割、及び、移送プレート4の下部が飲食物に接触した際に移送プレート4から保持部材5を介してボールスクリュー6へ伝わる横方向の荷重に耐えてボールスクリュー6を支持する役割を担う。
【0023】
駆動ユニット8は、ボールスクリュー6の端部を支持する軸受けと、ボールスクリュー6をモーター9の動力で軸回りに回転させるための動力伝達機構とを有するユニットである。駆動ユニット8が有する動力伝達機構は、歯車で構成されるものであってもよいし、或いは、歯付ベルトやプーリーで構成されるものであってもよい。ボールスクリュー6の端部を支持する駆動ユニット8の軸受けは、軸受7と同様、ボールスクリュー6を回動可能に支持する役割、及び、移送プレート4の下部が飲食物に接触した際に移送プレート4から保持部材5を介してボールスクリュー6へ伝わる横方向の荷重に耐えてボールスクリュー6を支持する役割を担う。
【0024】
モーター9は、モーター9を制御する制御装置の指令に応じて回転駆動する電動のモーターである。モーター9は、保持部材5がボールスクリュー6の一端側と他端側の何れかに到達したことをトルクで検知する機能を有するものであってもよい。モーター9にこのような機能が無い場合、上部ユニット2には、保持部材5がボールスクリュー6の一端側と他端側の何れかに到達したことを検知してモーター9を自動停止させるためのリミットスイッチが設けられる。
【0025】
図3は、移送装置1の動作の様子を示した図である。移送装置1は、上記のような装置構成となっているため、図3に示したような動作を実現可能である。すなわち、移送装置1は、モーター9を作動させることにより移送プレート4を上部ユニット2の下側で横方向に動かし、図3において(A)から(B)を経由して(C)の順、或いは、図3において(C)から(B)を経由して(A)の順に移送プレート4をスライド移動させることが
可能である。
【0026】
移送装置1は、移送プレート4を垂下する上部ユニット2を、支柱3で搬送路の上方に設置する形態を採っているため、飲食店内で飲食物を搬送するコンベアの様々な箇所に適用可能である。以下、移送装置1を飲食物の搬送に用いた適用例を、飲食物搬送装置の実施形態として説明する。
【0027】
<飲食物搬送装置>
図4は、実施形態に係る飲食物搬送装置の一例を示した第1の図である。また、図5は、実施形態に係る飲食物搬送装置の一例を示した第2の図である。飲食物搬送装置10は、図4及び図5に示すように、例えば、第1のベルトコンベアによって形成される搬送路11、第2のベルトコンベアによって形成される搬送路12、搬送路11の両側を囲む側部13、搬送路12の両側を囲む側部14、及び上述した移送装置1を備える。移送装置1は、側部13に固定されている。
【0028】
図4及び図5に示す例では、搬送路11の途中(本願でいう「所定箇所」の一例である)から分岐経路を形成するように搬送路12が設けられている。このような形態の搬送路11及び搬送路12では、搬送路11上の飲食物15を搬送路12へ乗り移らせるためには、飲食物15を押す機構が必要である。このような箇所に飲食物15を押す機構を設ける場合、例えば、側部13の内部に飲食物15を押し出す機構を設けておくことが考えられるが、その場合、飲食物15を搬送路11の進行方向に対し左右両側に延在する何れの搬送路12へも自在に押し出すことは難しい。この点、移送装置1であれば、搬送路11の任意の箇所へ設置容易であると共に、飲食物15を搬送路11の進行方向に対し左右両側の何れへも押し出し可能である。
【0029】
すなわち、搬送路11の進行方向に向かって進む飲食物15を、搬送路11から右方向に向かって延在する搬送路12へ乗り移らせたい場合、図4(A)に示されるように、移送プレート4を搬送路11の進行方向に対し左側へ配置しておく。そして、飲食物15が上部ユニット2の真下に到達すると、図4(B)に示されるように、搬送路11のベルトコンベアを停止させる。そして、モーター9を作動させ、図4(C)に示されるように、移送プレート4で飲食物15を搬送路11の右側へ押す。移送プレート4によって搬送路11から押し出された飲食物15は、搬送路12に乗り移る。これにより、搬送路11を形成するベルトコンベアに載っていた飲食物15が当該ベルトコンベアから他へ乗り移った状態となる。
【0030】
また、搬送路11の進行方向に向かって進む飲食物15を、搬送路11から左方向に向かって延在する搬送路12へ乗り移らせたい場合、図5(A)に示されるように、移送プレート4を搬送路11の進行方向に対し右側へ配置しておく。そして、飲食物15が上部ユニット2の真下に到達すると、図5(B)に示されるように、搬送路11のベルトコンベアを停止させる。そして、モーター9を作動させ、図5(C)に示されるように、移送プレート4で飲食物15を搬送路11の左側へ押す。移送プレート4によって搬送路11から押し出された飲食物15は、搬送路12に乗り移る。これにより、搬送路11を形成するベルトコンベアに載っていた飲食物15が当該ベルトコンベアから他へ乗り移った状態となる。
【0031】
移送装置1では、移送プレート4を垂下する上部ユニット2を支柱3で搬送路11の上方に設置した形態を採っているため、移送装置1を搬送路11の適宜の箇所へ設置することが可能であり、且つ、搬送路11の飲食物15を搬送路11の進行方向に対し左右両側の何れへも移送可能である。
【0032】
以上、移送装置1をベルトコンベアが形成する搬送路11の途中に設置する形態を説明したが、移送装置1は、このような箇所への適用に限定されるものではない。移送装置1は、例えば、ベルトコンベアが形成する搬送路の終端に設置する形態であってもよい。また、移送装置1は、例えば、ベルトコンベアが形成する搬送路の進行方向に対し左右何れか一方へのみ飲食物15を移送する形態であってもよい。
【0033】
図6は、飲食物搬送装置10の変形例を示した図である。図6に示す変形例では、ベルトコンベアによって形成される搬送路16の終端部(本願でいう「所定箇所」の一例である)に移送装置1が設置されている。そして、搬送路16の終端部から右側の側方に向かって延設されるベルトコンベアにより搬送路17が形成されている。搬送路16の両側は側部18に囲まれている。また、搬送路17の両側は側部19に囲まれている。そして、移送装置1は、側部18に固定されている。
【0034】
このような変形例においては、図6(A)に示されるように、移送プレート4を搬送路16の進行方向に対し左側へ配置しておく。そして、飲食物15が上部ユニット2の真下に到達すると、図6(B)に示されるように、搬送路16のベルトコンベアを停止させる。そして、モーター9を作動させ、図6(C)に示されるように、移送プレート4で飲食物15を搬送路16の右側へ押す。移送プレート4によって搬送路16から押し出された飲食物15は、搬送路17に乗り移る。これにより、搬送路16を形成するベルトコンベアに載っていた飲食物15が当該ベルトコンベアから他へ乗り移った状態となる。
【0035】
以上、移送装置1の適用例としての飲食物搬送装置10について説明したが、移送装置1は、このような適用形態に限定されるものではない。移送装置1が適用される飲食物搬送装置は、ベルトコンベアの代わりにクレセントチェーンを用いた搬送装置であってもよい。また、移送装置1が適用される飲食物搬送装置は、客が注文した注文飲食物を厨房から客席へ搬送するものであってもよいし、非注文飲食物を循環搬送するものであってもよい。また、移送装置1が適用される飲食物搬送装置は、客席へは搬送されずに厨房内で搬送される形態であってもよい。また、移送装置1が適用される飲食物搬送装置は、寿司皿のような比較的小さい食器の飲食物を搬送する形態であってもよいし、飲食物の皿を多数載せたトレーを搬送する形態であってもよい。
【0036】
また、移送装置1は、板状の移送プレート4を垂下する形態であるため、例えば、客席に居る客から飲食物を隠す目隠しとしての役割を担うことも可能である。図7は、客席テーブルの一例を示した図である。移送装置1は、例えば、客が飲食を行う客席テーブル20沿いに搬送路11を延設した飲食物搬送装置10において、各客席テーブル20に設置された搬送路12への分岐部分に設置することができる。このような箇所に移送装置1を設置すれば、注文品の飲食物15が届く客席テーブル20から見て搬送路11の向こう側に居る他の客席テーブル20からは、図7(A)及び図7(B)に示すように、当該注文品の飲食物15が移送プレート4で常に覆い隠された状態となるため、他の客が注文品の飲食物15を誤って取ることを防止できる。このように、客席沿いに形成される搬送路において、各客席に設けられた飲食物取り出し用の取り出し口に移送装置1を用いれば、搬送路によって搬送された飲食物自動取り出し機能と、搬送路を通る飲食物を客席から覆い隠す目隠しとしての機能の両方を移送装置1で実現することが可能となる。
【0037】
その他、移送装置1や飲食物搬送装置10は適宜変形可能である。移送装置1は、例えば、ボールスクリュー6の代わりにスライドレールを用いたものであってもよいし、板状の移送プレート4の代わりに格子状或いは棒状のものを用いたものであってもよい。また、移送プレート4は、下端に飲食物を引っかける爪があってもよい。このような爪が移送プレート4の下端に設けられていれば、移送プレート4が飲食物に接触した際に当該移送プレート4が僅かに撓み、爪が飲食物を僅かに持ち上げる形態となる。よって、飲食物が
搬送路から僅かに持ち上がり、飲食物を搬送路からスムーズに移送させることができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・移送装置
2・・上部ユニット
3・・支柱
4・・移送プレート
5・・保持部材
6・・ボールスクリュー
7・・軸受
8・・駆動ユニット
9・・モーター
10・・飲食物搬送装置
11,12・・搬送路
13,14・・側部
15・・飲食物
16,17・・搬送路
18,19・・側部
20・・客席テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7