(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117130
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】空中発電システム
(51)【国際特許分類】
B64C 31/06 20200101AFI20240822BHJP
B64C 23/08 20060101ALI20240822BHJP
H02K 7/18 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B64C31/06
B64C23/08
H02K7/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023043
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 正克
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607FF26
(57)【要約】
【課題】上空の気象状態を有効に利用して電力を生成することができる空中発電システムの提供。
【解決手段】本開示の空中発電システムは、飛行体と、マグナス式発電装置とを含み、マグナス式発電装置は、飛行体により支持される発電機、複数のロータ、発電機の回転軸と一体に回転可能であると共に複数のロータの各々を当該回転軸と平行に延在する軸心の周りに回転自在に支持する支持部材、および複数のロータの各々を回転駆動する回転駆動装置を含み、それぞれ軸心の周りに回転しながら風を受ける複数のロータに作用するマグナス力により発電機の回転軸を回転させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体と、
前記飛行体により支持される発電機、複数のロータ、前記発電機の回転軸と一体に回転可能であると共に前記複数のロータの各々を前記回転軸と平行に延在する軸心の周りに回転自在に支持する支持部材、および前記複数のロータの各々を回転駆動する回転駆動装置を含み、それぞれ前記軸心の周りに回転しながら風を受ける前記複数のロータに作用するマグナス力により前記発電機の前記回転軸を回転させるマグナス式発電装置と、
を備える空中発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の空中発電システムにおいて、
前記マグナス式発電装置は、前記発電機の前記回転軸を回転可能に解放すると共に前記回転軸を回転不能に固定することができるブレーキを含む空中発電システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空中発電システムにおいて、
前記飛行体は、ケーブルを介して地上に係留されて空中を飛揚する凧である空中発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飛行体を含む空中発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、それぞれプロペラを回転させる複数のモータと、太陽光パネルとを含む凧が知られている(例えば、特許文献1参照)。複数のモータは、凧の上部に取り付けられ、それぞれプロペラを回転させて凧を上昇させる。太陽光パネルは、凧の上部または下部に取り付けられ、複数のモータに電力を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の凧をプロペラの推力により上空まで上昇させた後、各モータを空転させれば、太陽光パネルにより発電された電力を地上に送電することも可能であろう。ただし、特許文献1は、飛行体としての凧を利用した空中発電システムについて何ら具体的に開示していない。
【0005】
そこで、本開示は、上空の気象状態を有効に利用して電力を生成することができる空中発電システムの提供を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の空中発電システムは、飛行体と、前記飛行体により支持される発電機、複数のロータ、前記発電機の回転軸と一体に回転可能であると共に前記複数のロータの各々を前記回転軸と平行に延在する軸心の周りに回転自在に支持する支持部材、および前記複数のロータの各々を回転駆動する回転駆動装置を含み、それぞれ前記軸心の周りに回転しながら風を受ける前記複数のロータに作用するマグナス力により前記発電機の前記回転軸を回転させるマグナス式発電装置とを含むものである。
【0007】
本開示の空中発電システムの飛行体を上空で飛揚させたときに、マグナス式発電装置は、それぞれ軸心の周りに回転しながら風を受ける複数のロータに作用するマグナス力により支持部材および発電機の回転軸を回転させて電力を生成する。これにより、本開示の空中発電システムによれば、上空の気象状態、すなわち上空の強風を有効に利用して電力を生成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の空中発電システムを示す概略構成図である。
【
図2】本開示の空中発電システムの制御ブロック図である。
【
図3】本開示の空中発電システムの動作を説明するための斜視図である。
【
図4】本開示の空中発電システムの動作を説明するための模式図である。
【
図5】本開示の空中発電システムの動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示の空中発電システム1を示す概略構成図である。同図に示す空中発電システム1は、飛行体2と、地上設備10とを含む。本実施形態において、飛行体2は、薄膜・軽量の太陽光発電装置であるペロブスカイト太陽電池SCにより形成された凧であり、複数の電気ケーブルを含む複合ケーブル3を介して地上設備10により係留される。複合ケーブル3に含まれる複数の電気ケーブルは、飛行体2の近傍で分離され、凧のテザーとして機能する。ペロブスカイト太陽電池SCは、太陽光のエネルギーを吸収して電力(直流電力)を生成するものであり、複合ケーブル3に含まれる直流送電ケーブルに接続されている。本実施形態において、飛行体2(ペロブスカイト太陽電池SC)は、略長方形状の平面形状を有し、当該飛行体2の中央部には、長方形状の開口2oが形成されている。開口2oの縁部には、フレーム2fが固定されており、当該フレーム2fによりマグナス式発電装置20が支持されている。
【0011】
マグナス式発電装置20は、発電機21と、発電機21の回転軸22の周囲に等間隔に配列される複数(本実施形態では、3つ)のロータ23と、複数のロータ23を支持すると共に発電機21の回転軸22と一体かつ同軸に回転可能である支持部材24と、回転駆動装置としての複数のロータモータ25と、ブレーキ27とを含む。発電機21は、例えば三相交流発電機であり、回転軸22が飛行体2の幅方向(長手方向)に延在するようにフレーム2fに固定される。また、回転軸22の先端(遊端)は、軸受2bを介してフレーム2fにより回転自在に支持される。更に、発電機21は、複合ケーブル3に含まれる交流送電ケーブルに接続される。
【0012】
複数のロータ23は、それぞれ円筒状あるいは円柱状に形成されており、対応するロータモータ25と共に支持部材24により支持される。支持部材24は、回転軸22に同軸に固定され、当該回転軸22と一体に回転可能である。また、支持部材24は、複数のロータ23を回転軸22と平行に延在する軸心の周りに回転自在になり、かつ回転軸22の周りで等間隔(本実施形態では、例えば120°間隔)に延在するように支持する。各ロータモータ25は、対応するロータ23を軸心の周りで回転駆動する。ただし、複数のロータ23ごとにロータモータ25を設ける代わりに、マグナス式発電装置20に複数のロータ23を同方向に回転駆動する単一の回転駆動装置が設けられてもよい。ブレーキ27は、例えば電磁ブレーキであり、非通電状態で発電機21の回転軸22を回転可能に解放すると共に、通電状態で当該回転軸22を発電機21の筐体(フレーム2f)に対して回転不能に固定することができる。
【0013】
更に、飛行体2は、バッテリ4と、制御装置5とを支持している。バッテリ4は、ペロブスカイト太陽電池SCからの電力により充電される。また、マグナス式発電装置20の複数のロータモータ25およびブレーキ27と、制御装置5とは、ペロブスカイト太陽電池SCおよびバッテリ4の何れかからの電力により駆動される。制御装置5は、何れも図示しないマイクロコンピュータ、GPS、風速センサ、通信モジュール等を含むものである。制御装置5は、GPSにより取得される飛行体2の現在位置(高度)、風速センサにより検出される風速等に基づいて、マグナス式発電装置20の複数のロータモータ25およびブレーキ27を制御する。更に、制御装置5は、複合ケーブル3に含まれる通信ケーブルに接続されている。
【0014】
地上設備10は、
図1および
図2に示すように、ウィンチ11と、AC/DCコンバータ12と、蓄電装置14と、地上側制御装置15とを含む。ウィンチ11は、飛行体2に接続された複合ケーブル3を繰り出すと共に、巻き上げるものである。AC/DCコンバータ12は、ウィンチ11に巻回された複合ケーブル3の交流送電ケーブルに接続されており、飛行体2により支持されたマグナス式発電装置20の発電機21により生成された交流電力を直流電力に変換する。
【0015】
蓄電装置14は、AC/DCコンバータ12から出力される電力を蓄える。なお、AC/DCコンバータ12と蓄電装置14との間には、必要に応じて、DC/DCコンバータが設置されてもよい。また、蓄電装置14は、複合ケーブル3の直流送電ケーブルに接続されており、飛行体2を形成するペロブスカイト太陽電池SCにより生成された電力を蓄えることができる。地上側制御装置15は、図示しないコンピュータ等を含むものであり、複合ケーブル3の通信ケーブルを介して飛行体2の制御装置5と情報をやり取りし、ウィンチ11およびAC/DCコンバータ12を制御すると共に、飛行体2の制御装置5に指令信号を送信する。
【0016】
続いて、
図3から
図5を参照しながら、空中発電システム1の動作について説明する。
【0017】
空中発電システム1に電力を生成させる際には、飛行体2を比較的強い風が定常的に吹いている予め定められた目標高度(例えば、500-1000m以上)まで上昇させ、
図3に示すように上空で飛揚させる。飛行体2が上昇する間、地上側制御装置15は、飛行体2の制御装置5から送信される高度が目標高度に達するまで、複合ケーブル3を繰り出すようにウィンチ11を制御する。飛行体2が目標高度に達すると、当該飛行体2の制御装置5は、発電機21の回転軸22を回転可能に解放するようにブレーキ27への給電を停止させると共に、複数のロータ23を予め定められた同一方向に回転させるように各ロータモータ25を制御する。
【0018】
すなわち、飛行体2が上空で飛揚する間、複数のロータ23は、
図4に示すように、それぞれ軸心の周りに互いに同一の方向に回転しながら、飛行体2に対して吹き付ける風(
図4における破線参照)を受ける。そして、一様流中で回転する各ロータ23の表面に接する空気が粘性によって引き摺られることで循環が発生し、風の向き(空気の流れ)と直交する方向におけるロータ23の一側の風速が他側の風速よりも高くなるので、複数のロータ23の各々にマグナス力fmが作用する。これにより、
図4に示すように、回転軸22が支持部材24と一体に回転することで発電機21が電力を生成する。また、飛行体2が上空で飛揚する間、ペロブスカイト太陽電池SCは、太陽光のエネルギーを吸収して電力を生成する。
【0019】
飛行体2が上空で飛揚する間、マグナス式発電装置20の発電機21により生成された電力(交流電力)は、複合ケーブル3の交流送電ケーブルを介して地上のAC/DCコンバータ12に送電され、当該AC/DCコンバータ12により直流電力に変換されて蓄電装置14に蓄電される。また、ペロブスカイト太陽電池SCにより生成された電力は、各ロータモータ25等に供給されると共に、バッテリ4の充電に供される。更に、ペロブスカイト太陽電池SCにより生成された電力の一部は、複合ケーブル3の直流送電ケーブルを介して地上の蓄電装置14に送電され、当該蓄電装置14に蓄電される。
【0020】
ここで、飛行体2が飛揚する空域における風速が想定よりも低い場合、マグナス式発電装置20の発電量を十分に確保し得なくなることから、より風速の高い空域へと飛行体2を上昇させることが好ましい。また、飛行体2が飛揚する空域における風速が高すぎる場合、飛行体2やマグナス式発電装置20等を損傷させてしまうおそれもあり、より風速の低い空域へと飛行体2を下降させることが好ましい。更に、飛行体2が飛揚する空域への鳥の飛来が予測されたり、飛行体2が飛揚する空域で航空機の航行が予定されていたりした場合も、飛行体2と鳥等との衝突を回避するために、当該飛行体2の高度を変更することが好ましい。
【0021】
このため、飛行体2の制御装置5は、風速センサにより検出される風速が予め定められた常用範囲外になったり、地上側制御装置15から鳥の飛来等に応じた高度変更指令を受信したりしたときに、発電機21の回転軸22を回転不能に固定するようにブレーキ27を制御すると共に、複数のロータ23を予め定められた同一方向に回転させるように各ロータモータ25を制御する。ブレーキ27により回転軸22が回転不能に固定されたときに、飛行体2により支持された発電機21には、
図5に示すように、複数のロータ23に作用するマグナス力fmの合力Fmが、マグナス式発電装置20に吹き付けられる風(空気、
図4における破線参照)の向きに直交する方向に作用する。従って、ブレーキ27により回転軸22が回転不能に固定されたときには、複数のロータ23の回転方向を切り替えることで、飛行体2を上方または下方に移動させる推力としてマグナス力fm(合力Fm)を利用することが可能になる。
【0022】
本実施形態のマグナス式発電装置20では、
図5に示すように、ブレーキ27により回転軸22が回転不能に固定された状態で各ロータ23を例えば図中反時計方向に回転させることで、回転軸22および支持部材24を介して発電機21に作用するマグナス力fmの合力Fmを上方に向けて飛行体2を上昇させることができる。また、ブレーキ27により回転軸22が回転不能に固定された状態で各ロータ23を例えば図中時計方向に回転させることで、回転軸22および支持部材24を介して発電機21に作用するマグナス力fmの合力Fmを下方に向けて飛行体2を下降させることが可能になる。この結果、上空の風速等に応じて飛行体2の高度を調整することができるので、マグナス式発電装置20による発電量を良好に確保すると共に、飛行体2やマグナス式発電装置20等の耐久性を良好に確保することが可能になる。なお、飛行体2が上昇または下降する間、地上側制御装置15は、飛行体2の制御装置5から送信される高度等に基づいて、複合ケーブル3を繰り出すか、あるいは巻き上げるようにウィンチ11を制御する。
【0023】
上述のように、空中発電システム1では、飛行体2のマグナス式発電装置20により、上空の気象状態、すなわち上空の定常的な強風を有効に利用して電力を生成することが可能になる。
【0024】
また、マグナス式発電装置20は、発電機21の回転軸22を回転可能に解放すると共に回転軸22を回転不能に固定することができるブレーキ27を含む。これにより、上空の風速等に応じて飛行体2の高度を調整することができるので、マグナス式発電装置20による発電量を良好に確保することが可能になる。ただし、地上設備10を利用して飛行体2の高度を調整可能な場合には、マグナス式発電装置20からブレーキ27が省略されてもよい。
【0025】
更に、飛行体2が上空で飛揚する間、当該飛行体2を形成するペロブスカイト太陽電池SCは、上空で安定に照射される太陽光を有効に利用して太陽光のエネルギーを吸収して電力を生成する。従って、空中発電システム1では、ペロブスカイト太陽電池SCからの電力をマグナス式発電装置20の各ロータモータ25等に電力を供給したり、地上に送電したり、ペロブスカイト太陽電池SCにより生成された電力によりバッテリ4を充電したりすることが可能になる。そして、飛行体2の太陽光発電装置として、ペロブスカイト太陽電池SCを採用することにより、太陽光発電装置を軽量化して飛行体2の重量や体格の増加を抑制することが可能になる。
【0026】
ただし、飛行体2の太陽光発電装置は、ペロブスカイト太陽電池SCに限られるものではなく、当該ペロブスカイト太陽電池SC以外の薄膜・軽量な太陽光発電装置であってもよい。また、飛行体2は、必ずしもペロブスカイト太陽電池SC自体により形成される必要はなく、薄膜・軽量なペロブスカイト太陽電池等の太陽光発電装置がシート状の本体により支持されてもよい。更に、飛行体2から太陽光発電装置が省略されてもよい。この場合、マグナス式発電装置20の各ロータモータ25等には、複合ケーブル3を介して地上から電力が供給されてもよく、飛行体2からバッテリ4が省略されてもよい。
【0027】
また、飛行体2は、複合ケーブル3を介して地上に係留されて空中を飛揚する凧である。これにより、飛行体2を飛揚させるためのエネルギーを削減して、空中発電システム1の効率をより向上させることが可能になる。ただし、飛行体2は、気球や飛行船といった凧以外の飛行体であってもよいことは、いうまでもない。
【0028】
以上説明したように、本開示の空中発電システム(1)は、飛行体(2)と、前記飛行体(2)により支持される発電機(21)、複数のロータ(23)、前記発電機(21)の回転軸(22)と一体に回転可能であると共に前記複数のロータ(23)の各々を前記回転軸(22)と平行に延在する軸心の周りに回転自在に支持する支持部材(24)、および前記複数のロータ(23)の各々を回転駆動する回転駆動装置(25)を含み、それぞれ前記軸心の周りに回転しながら風を受ける前記複数のロータ(23)に作用するマグナス力(fm)により前記発電機(21)の前記回転軸(22)を回転させるマグナス式発電装置(20)とを含むものである。
【0029】
本開示の空中発電システムの飛行体を上空で飛揚させたときに、マグナス式発電装置は、それぞれ軸心の周りに回転しながら風を受ける複数のロータに作用するマグナス力により支持部材および発電機の回転軸を回転させて電力を生成する。これにより、本開示の空中発電システムによれば、上空の気象状態、すなわち上空の強風を有効に利用して電力を生成することが可能になる。
【0030】
また、前記マグナス式発電装置(20)は、前記発電機(21)の前記回転軸(22)を回転可能に解放すると共に前記回転軸(22)を回転不能に固定することができるブレーキ(27)を含むものであってもよい。
【0031】
ブレーキにより発電機の回転軸が回転不能に固定されたときに、飛行体により支持された発電機には、複数のロータに作用するマグナス力の合力が、マグナス式発電装置に吹き付けられる風(空気)の向きに直交する方向に作用する。従って、ブレーキにより発電機の回転軸が回転不能に固定されたときには、複数のロータの回転方向を切り替えることで、飛行体を上方または下方に移動させる推力としてマグナス力を利用することが可能になる。これにより、上空の風速等に応じて飛行体の高度を調整することができるので、マグナス式発電装置による発電量を良好に確保することが可能になる。
【0032】
更に、前記飛行体(2)は、太陽光発電装置(SC)を含むものであってもよい。
【0033】
これにより、太陽光発電装置からマグナス式発電装置の回転駆動装置に電力を供給したり、太陽光発電装置により生成された電力を地上に送電したりすることが可能になる。
【0034】
また、前記太陽光発電装置(SC)は、ペロブスカイト太陽電池であってもよい。
【0035】
これにより、太陽光発電装置を軽量化して飛行体の重量や体格の増加を抑制することが可能になる。
【0036】
更に、前記飛行体(2)は、ケーブル(3)を介して地上に係留されて空中を飛揚する凧であってもよい。
【0037】
これにより、飛行体を飛揚させるためのエネルギーを削減して、空中発電システムの効率をより向上させることが可能になる。ただし、飛行体は、気球や飛行船といった凧以外の飛行体であってもよい。
【0038】
本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本開示の発明は、空中発電システムの製造産業等において利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 空中発電システム、2 飛行体、20 マグナス式発電装置、21 発電機、22 回転軸、23 ロータ、24 支持部材、25 ロータモータ(回転駆動装置)、27 ブレーキ、3 複合ケーブル、4 バッテリ、5 制御装置、10 地上設備、11 ウィンチ、12 AC/DCコンバータ、14 蓄電装置、15 地上側制御装置、SC ペロブスカイト太陽電池。