(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117133
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】配電盤
(51)【国際特許分類】
H02B 1/32 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H02B1/32 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023049
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 翔太
(57)【要約】
【課題】実装部品の設計に対する制限を軽減可能な配電盤を得る。
【解決手段】実施形態に係る配電盤は、例えば、筐体と、ベース部と、第1機構と、表示部と、操作部と、を備える。ベース部は、筐体に収容されるとともに第1方向に延びる。第1機構は、第1軸と、アームと、第2軸と、固定板と、を有する。第1軸は、第1方向と交差する第2方向に延びている。アームは、第1軸に回転可能に取り付けられる。第2軸は、第2方向に延びるとともに、アームに取り付けられる。固定板は、第2軸に取り付けられる。表示部は、固定板に取り付けられる。操作部は、固定板に取り付けられるとともに、表示部よりも下方に位置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容されるとともに第1方向に延びるベース部と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1軸と、前記第1軸に回転可能に取り付けられるアームと、前記第2方向に延びるとともに前記アームに取り付けられる第2軸と、前記第2軸に取り付けられる固定板と、を有する第1機構と、
前記固定板に取り付けられる表示部と、
前記固定板に取り付けられるとともに前記表示部より下方に位置する操作部と、
を備える、
配電盤。
【請求項2】
前記表示部及び前記操作部を囲む壁をさらに備える、
請求項1に記載の配電盤。
【請求項3】
前記ベース部から前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延びるとともに、前記壁を介して前記表示部及び前記操作部が載置する支持部と、
前記第1軸に取り付けられるとともに、前記支持部に沿って前記第3方向に移動可能な第2機構と、
をさらに備える、
請求項2に記載の配電盤。
【請求項4】
前記アームは、伸縮可能である、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の配電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示灯と、スイッチ等の操作部と、を備える監視盤のような配電盤が知られている。表示灯および操作部は、例えば、筐体に収容されるとともに互いに異なる位置に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の配電盤において、例えば、表示灯および操作部は、保守点検時に作業者が作業し易い高さに位置するように設計される。そのため、表示灯および操作部等の実装部品は、予め決められた空間にしか配置することができない。すなわち、配電盤における実装部品の設計は、制限されている。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、実装部品の設計に対する制限を軽減可能な配電盤を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る配電盤は、例えば、筐体と、ベース部と、第1機構と、表示部と、操作部と、を備える。ベース部は、筐体に収容されるとともに第1方向に延びる。第1機構は、第1軸と、アームと、第2軸と、固定板と、を有する。第1軸は、第1方向と交差する第2方向に延びている。アームは、第1軸に回転可能に取り付けられる。第2軸は、第2方向に延びるとともに、アームに取り付けられる。固定板は、第2軸に取り付けられる。表示部は、固定板に取り付けられる。操作部は、固定板に取り付けられるとともに、表示部よりも下方に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態の監視盤の正面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の監視盤の側面図である。
【
図3】
図3は、第2実施形態の監視盤の正面図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態の監視盤の側面図である。
【
図5】
図5は、第3実施形態の監視盤の正面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態の監視盤の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
以下、実施形態に係る監視盤1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0009】
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0010】
<第1実際形態>
図1は、第1実施形態の監視盤1の正面図であり、
図2は、第1実施形態の監視盤1の側面図である。なお、監視盤1は、配電盤の一例である。
図1、2に示すように、監視盤1は、筐体10と、パネル11と、表示部12と、操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、DINレール16と、配線17と、引出機構18と、を備える。なお、パネル11は、ベース部の一例であり、引出機構18は、第1機構の一例である。
【0011】
また、以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、監視盤1の前後方向に沿う方向である。Y方向は、監視盤1の幅方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、監視盤1の高さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、監視盤1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。また、上下方向は、第1方向の一例であり、左右方向は、第2方向の一例である。さらに、前後方向は、第3方向の一例である。
【0012】
筐体10は、例えば、金属製であり、直方体状の箱型に構成されており、パネル11と、表示部12と、操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、DINレール16と、配線17と、引出機構18と、を収容している。
【0013】
筐体10は、上面101と、底面102と、側面103と、背面104と、扉105と、により構成される。すなわち、筐体10は、上面101と、底面102と、側面103と、背面104と、扉105と、を有する。
【0014】
上面101及び底面102は、いずれも上下方向(Z方向)と略直交する方向(XY平面)に延びている。側面103は、左右方向(Y方向)と略直交する方向(XZ平面)に延びている。背面104及び扉105は、前後方向(X方向)と略直交する方向(YZ平面)に延びている。すなわち、側面103、背面104及び扉105は、上面101又は底面102と交差する方向に延びている。
【0015】
上面101は、略上方向(+Z方向)を向く面である。底面102は、上下方向(Z方向)において上面101の反対側に位置する面であり、監視盤1の設置面と接触する面である。
【0016】
側面103は、底面102から突出して上面101と底面102とを接続している。背面104は、略後方向(-X方向)を向く面であり、前後方向(X方向)において扉105の反対側に位置する。扉105は、筐体10における前方向(+X方向)を向く開口部を閉じる。扉105は、例えば、ヒンジ等で側面103に対して開閉可能に取り付けられる。
【0017】
図2に示すように、パネル11は、例えば、金属等で形成された板状の部品である。パネル11は、上下方向(Z方向)に延びるとともに、前後方向(X方向)において後方に位置している。なお、パネル11は、前後方向において背面104から若干離間して位置している。
【0018】
表示部12は、例えば、表示灯や計器等のスイッチを有していない部品である。表示部12は、上下方向(Z方向)において操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、よりも上方に位置している。言い換えると、表示部12は、操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、のうち最も上方に位置している。
【0019】
操作部13は、例えば、スイッチを有している作業者等の操作が必要な部品である。操作部13は、監視盤1の保守点検時において作業者による操作が必要である。そのため、操作部13は、作業者が操作し易いように、上下方向(Z方向)において表示部12よりも下方に位置している。
【0020】
プログラマブルコントローラ14は、プログラムにより定められた順序や条件に従って設備を制御する制御装置である。プログラマブルコントローラ14は、監視盤1の保守点検時において作業者による操作が必要であるとともに、表示部12と操作部13と比べて視認性が必要である。そのため、プログラマブルコントローラ14は、上下方向(Z方向)において操作部13と端子台15との間に位置している。すなわち、プログラマブルコントローラ14は、作業者の目線の高さに配置されている。
【0021】
端子台15は、例えば、電線の接続、分岐及び中継等を行う部品である。端子台15は、例えば、底面102付近に設けられる電線引込口を通過する電線と接続される。そのため、作業者が端子台15に電線を接続し易いように、端子台15は、上下方向(Z方向)において操作部13よりも下方に位置している。言い換えると、端子台15は、表示部12と、操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、のうち最も下方に位置している。
【0022】
なお、
図1に示すように、本実施形態では、端子台15は、左右方向(Y方向)において複数設けられているが、端子台15の個数や配置位置は用途に応じて適宜変更しても良い。
【0023】
DINレール16は、一方向に延びるとともに断面形状が凹型の部材である。
図1に示すように、本実施形態では、DINレール16は、左右方向(Y方向)に延びて操作部13を取り付けている。
【0024】
なお、本実施形態では、プログラマブルコントローラ14および端子台15は、例えば、ボルト等によってパネル11に取り付けられている。
【0025】
図2に示すように、本実施形態では、配線17は、表示部12とプログラマブルコントローラ14、操作部13とプログラマブルコントローラ14を接続している。配線17は、他にもプログラマブルコントローラ14と端子台15を接続可能である。
【0026】
図1、2に示すように、引出機構18は、二つのアーム181と、第1軸182と、二つの保持部183と、第2軸184と、固定板185と、を有する。なお、アーム181の数は、適宜変更されても良い。
【0027】
二つのアーム181は、互いに左右方向(Y方向)に離間して位置する。各アーム181は、上端181aと、下端181bと、を有する。上端181aは、アーム181が上下方向(Z方向)と平行な状態における当該アーム181の上方向(+Z方向)の端部である。下端181bは、アーム181が上下方向と平行な状態における当該アーム181の下方向(-Z方向)の端部である。
【0028】
第1軸182は、左右方向(Y方向)に延びてアーム181の下端181bを貫通するとともに、パネル11に取り付けられている。すなわち、アーム181は、第1軸182によってパネル11に取り付けられている。これにより、アーム181は、第1軸182を回転中心として回転可能である。
【0029】
二つの保持部183は、互いに左右方向(Y方向)に離間して配置されるとともに、固定板185を取り付けている。各保持部183は、アーム181の上端181aに位置する。
【0030】
第2軸184は、左右方向(Y方向)に延びてアーム181の上端181aと、二つの保持部183と、を貫通するとともに、アーム181に取り付けられている。すなわち、保持部183は、第2軸184によってアーム181に取り付けられている。言い換えると、保持部183は、第2軸184に回転可能に取り付けられている。そのため、保持部183は、第2軸184を回転中心として回転可能である。
【0031】
固定板185は、保持部183に取り付けられるとともに、ボルト等によって表示部12と、DINレール16と、を取り付けている。すなわち、操作部13は、DINレール16を介して固定板185に取り付けられている。
【0032】
固定板185の一部には、背面から前方向(+X方向)に凹んだ空間が設けられている。配線17は、固定板185に設けられた空間を通過して表示部12とプログラマブルコントローラ14、操作部13とプログラマブルコントローラ14を接続している。
【0033】
なお、本実施形態では、第2軸184がアーム181と保持部183とを貫通する構成となっているが、例えば、保持部183を設けずに、第2軸184がアーム181と固定板185とを貫通する構成としても良い。すなわち、固定板185は、保持部183を介さずに、第2軸184に取り付けられる構成としても良い。
【0034】
第1軸182は、表示部12と、操作部13と、DINレール16と、保持部183と、第2軸184と、固定板185と、の自重によるアーム181に対するトルクに対し、アーム181と固定板185との相対的な位置を保持可能な抵抗を有する。すなわち、本実施形態の引出機構18は、アーム181を所定の回転角度で保持可能である。これにより、作業者は、アーム181の回転角度を調整可能である。
【0035】
なお、アーム181の回転角度を調整する方法は上記方法に限らない。例えば、引出機構18は、アーム181の回転角度を所定の角度で固定するストッパーを有していても良い。
【0036】
監視盤1において保守点検が必要な部品は、例えば、表示部12、操作部13及びプログラマブルコントローラ14である。操作部13及びプログラマブルコントローラ14を保守点検する場合、作業者は所定の操作を行う。一方で、表示部12に対する保守点検は、所定の操作を行わず、目視によって行う。
【0037】
本実施形態の監視盤1では、プログラマブルコントローラ14は、一般的な作業者の目線より低い位置に設けられている。そのため、プログラマブルコントローラ14を保守点検する場合、作業者は負担の掛からない姿勢で保守点検が可能である。
【0038】
一方で、表示部12及び操作部13は、一般的な作業者の目線より高い位置に設けられている。そのため、作業者は、表示部12及び操作部13を保守点検が可能な位置に移動させる。
【0039】
作業者は、表示部12及び操作部13が取り付けられている固定板185を下方向(-Z方向)に移動させる。この時、アーム181は、第1軸182を回転中心として反時計回りに回転する。アーム181が回転することにより、固定板185は、下方向に移動するとともに手前側(+X方向)に引き出される。これにより、表示部12及び操作部13は、作業者の目線の高さまで移動する。
【0040】
さらに、固定板185は、第2軸184を回転中心として回転させられることで、表示部12及び操作部13の位置を保守点検が行い易い位置に調整することが可能である。これにより、作業者は表示部12及び操作部13に対して負担の掛からない姿勢での保守点検が可能になる。
【0041】
表示部12及び操作部13の保守点検終了後、作業者は、固定板185を上方向(+Z方向)に押し上げる。固定板185が上方向に押し上げられると、アーム181は、第1軸182を回転中心として時計回りに回転する。そして、表示部12及び操作部13は、保守点検前の収容位置に戻る。
【0042】
以上のような構成によれば、監視盤1では、作業者は、表示部12及び操作部13が作業者の目線よりも高い位置に設けられている場合においても負担の掛からない姿勢で保守点検を行うことが可能になる。すなわち、監視盤1では、保守点検が必要な実装部品(表示部12及び操作部13等)を作業者の目線より高い位置に設けることが可能である。従って、本実施形態の監視盤1は、実装部品の設計に対する制限を軽減可能である。
【0043】
なお、本実施形態では、上下方向(Z方向)において上方から表示部12、操作部13、プログラマブルコントローラ14、端子台15の順で配置しているが、表示部12、操作部13、プログラマブルコントローラ14及び端子台15の配置位置は、適宜変更しても良い。
【0044】
また、本実施形態は、保守点検を行う作業者の目線より高い位置に設けられた表示部12及び操作部13が、引出機構18によって保守点検位置の調整が可能な構成であった。しかし、これに限らず、例えば、保守点検を行う作業者の目線より低い位置に設けられたプログラマブルコントローラ14も、引出機構18によって保守点検位置の調整が可能な構成としても良い。
【0045】
また、本実施形態では、二つのアーム181は、所定の長さであったが、例えば、アーム181の長さを伸縮可能としても良い。このような構成によれば、固定板185に取り付けられた表示部12及び操作部13の位置を自在に調整可能になる。従って、作業者は、より容易に監視盤1の保守点検を行うことができる。
【0046】
以上のように、監視盤1は、筐体10と、パネル11と、表示部12と、操作部13と、引出機構18と、を備える。パネル11は、筐体10に収容されるとともに上下方向(Z方向)に延びる。引出機構18は、アーム181と、第1軸182と、第2軸184と、固定板185と、を有する。第1軸182は、左右方向(Y方向)に延びている。アーム181は、第1軸182に回転可能に取り付けられる。第2軸184は、左右方向に延びるとともに、アーム181に取り付けられる。固定板185は、第2軸184に取り付けられる。表示部12は、固定板185に取り付けられる。操作部13は、固定板185に取り付けられるとともに、表示部12よりも下方に位置する。
【0047】
本実施形態の監視盤1では、表示部12及び操作部13は、作業者の目線より高い位置に設けられている。監視盤1を保守点検する際、作業者は、表示部12及び操作部13が取り付けられている固定板185を引き下ろす。固定板185が引き下ろされると、アーム181は第1軸182を回転中心として回転する。そのため、第2軸184を介してアーム181に取り付けられている固定板185は、下方向(-Z方向)に移動するとともに手前側(+X方向)に引き出される。
【0048】
これにより、固定板185に取り付けられている表示部12及び操作部13は、保守点検を行い易い位置まで移動する。従って、監視盤1では、保守点検が必要な実装部品(表示部12及び操作部13等)を作業者の目線より高い位置に設けることが可能である。すなわち、本実施形態の監視盤1は、実装部品の設計に対する制限を軽減可能である。
【0049】
また、本実施形態では、アーム181は、伸縮可能である。これにより、作業者は、監視盤1の実装部品の保守点検位置をさらに調整可能である。
【0050】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態の監視盤1Aの正面図であり、
図4は、第2実施形態の監視盤1Aの側面図である。
図3、4に示すように、第2実施形態の監視盤1Aは、下記に説明される構成を除き、前記第1実施形態の監視盤1と同様の構成を備えている。よって、第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。
【0051】
第2実施形態の監視盤1Aでは、表示部12と、操作部13と、がユニット化している。
図3、4に示すように、監視盤1Aは、仕切り板19をさらに備える。なお、仕切り板19は、壁の一例である。
【0052】
仕切り板19は、固定板185に取り付けられて前方向(+X方向)に延びるとともに、表示部12と、操作部13と、DINレール16と、配線17の一部と、固定板185と、を囲んでいる。すなわち、仕切り板19は、表示部12と、操作部13と、DINレール16と、配線17の一部と、固定板185と、を外部から隔離している。これにより、表示部12と、操作部13と、DINレール16と、配線17の一部と、固定板185と、はユニット化される。
【0053】
配線17は、例えば、仕切り板19に開口した孔を通過して、表示部12又は操作部13とプログラマブルコントローラ14とを接続している。すなわち、配線17は、仕切り板19に設けられた孔によって配置ルートが決められる。
【0054】
また、本実施形態では、保持部183は設けられていない。そして、第2軸184は、アーム181の上端181aと、仕切り板19と、を貫通している。すなわち、第2軸184は、アーム181と仕切り板19とを接続している。これにより、仕切り板19が取り付けている表示部12と、操作部13と、固定板185と、は、第2軸184を回転中心として回転可能である。
【0055】
前記第1実施形態では、監視盤1の保守点検を行う場合、固定板185は、保守点検中と保守点検終了後において異なる位置に移動する。固定板185には、保守点検位置に移動完了した際と、保守点検終了時に収納位置に戻る際と、において衝撃が加わる。固定板185に衝撃が加わった場合、固定板185に取り付けられている表示部12及び操作部13は、当該固定板185から外れる虞がある。
【0056】
本実施形態では、表示部12と、操作部13と、は、仕切り板19によってユニット化されている。これにより、固定板185に取り付けられた表示部12及び操作部13の耐衝撃性は向上する。従って、本実施形態の監視盤1Aでは、固定板185に衝撃が加わった際に実装部品(表示部12及び操作部13等)が外れることを抑制できる。
【0057】
また、本実施形態では、配線17は、仕切り板19に設けられた孔を通過して、表示部12又は操作部13とプログラマブルコントローラ14とを接続している。そのため、配線17の余長及び配置ルートは、予め確定される。これにより、例えば、作業者が固定板185を引き出す際に配線17が他の実装部品に引っ掛かることを抑制できる。
【0058】
以上のように、監視盤1Aは、表示部12及び操作部13を囲む仕切り板19を備える。表示部12及び操作部13は、仕切り板19によってユニット化される。これにより、表示部12及び操作部13の耐衝撃性は向上する。従って、例えば、保守点検時において固定板185に衝撃が加わった場合、表示部12及び操作部13が固定板185から外れることを抑制できる。
【0059】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態の監視盤1Bの正面図であり、
図6は、第2実施形態の監視盤1Bの側面図である。
図5、6に示すように、第3実施形態の監視盤1Bは、下記に説明される構成を除き、前記第1実施形態の監視盤1及び前記第2実施形態の監視盤1Aと同様の構成を備えている。よって、第3実施形態によっても、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。
【0060】
第3実施形態の監視盤1Bは、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と比較して前後方向(X方向)における幅が広い。言い換えると、筐体10は、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と比較して奥行きが広い。
【0061】
また、本実施形態では、表示部12及び操作部13だけでなく、プログラマブルコントローラ14及び端子台15も固定板185に取り付けられている。さらに、プログラマブルコントローラ14及び端子台15は、仕切り板19によって隔離されている。そして、第2軸184は、アーム181の上端181aと仕切り板19とを貫通している。そのため、仕切り板19が取り付けているプログラマブルコントローラ14と、端子台15と、は、第2軸184を回転中心として回転可能である。
【0062】
なお、本実施形態では、固定板185は、パネル11に当接するとともに、当該パネル11から着脱可能に設けられている。
【0063】
図5、6に示すように、監視盤1Bは、複数の支持部20と、複数のスライド機構21と、をさらに備える。なお、スライド機構21は、第2機構の一例である。
【0064】
複数の支持部20は、パネル11から前方向(+X方向)に向かって突出するとともに、上下方向(Z方向)と略直交する方向(XY平面)に延びている。
【0065】
上下方向において各支持部20は、操作部13とプログラマブルコントローラ14との間と、プログラマブルコントローラ14と端子台15との間と、に位置する。これにより、支持部20は、ユニット化した表示部12及び操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、を区切っている。
【0066】
本実施形態では、仕切り板19は、各支持部20に載置している。言い換えると、ユニット化した表示部12及び操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、は、仕切り板19を介して支持部20に載置している。
【0067】
各スライド機構21は、左右方向(Y方向)における各支持部20の端に設けられる。スライド機構21は、例えば、ローラーのような転動体を有しており、支持部20の端において前後方向(X方向)に移動可能である。
【0068】
各スライド機構21は、第1軸182に貫通されるとともに、当該第1軸182に取り付けられている。これにより、ユニット化した表示部12及び操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、は、スライド機構21を介して支持部20上を前後方向に移動可能である。
【0069】
従来の監視盤において筐体の奥行きが広い場合、作業者が実装部品に近づくための通路を設けていた。
【0070】
一方で、本実施形態では、実装部品である一体化した表示部12及び操作部13と、プログラマブルコントローラ14と、端子台15と、は、スライド機構21を介して支持部20上を前後方向(X方向)に移動可能である。
【0071】
そのため、本実施形態の監視盤1Bの保守点検を行う場合、作業者は、実装部品を手前側(前方向)にスライドさせて保守点検が行い易い位置に移動させる。さらに、作業者の目線より高い位置に設けられている表示部12及び操作部13に対しては、スライドさせた後に固定板185を引き出す。そして、保守点検終了後は実装部品を保守点検前の収容位置にスライドさせる。
【0072】
以上のような構成によれば、作業者は、筐体10の奥行きが広い場合においても負担の掛からない姿勢で保守点検を行うことが可能になる。これにより、本実施形態の監視盤1Bでは、作業者が保守点検時に通る通路を設けるためのコストを削減可能である。
【0073】
また、本実施形態では、本来通路を設けるためのスペースを、配線17を配置するためのスペースや他の実装部品を配置するためのスペース等、別の用途で使用することが可能になる。
【0074】
また、本実施形態では、スライド機構21によって実装部品を筐体10外部に露出させることも可能である。これにより、例えば、監視盤1Bの保守点検を複数の作業者で行うことができる。
【0075】
以上のように、監視盤1Bは、支持部20と、スライド機構21と、をさらに備える。支持部20は、パネル11から前後方向(X方向)に延びるとともに、仕切り板19を介して表示部12及び操作部13が載置している。スライド機構21は、第1軸182に取り付けられるとともに、支持部20に沿って前後方向に移動可能である。
【0076】
筐体の奥行きが広い監視盤には、通路が設けられている。保守点検の際、作業者は、通路を通って実装部品に近づく。一方、本実施形態の監視盤1Bでは、実装部品(表示部12及び操作部13等)は、スライド機構21によって支持部20上を前後方向(X方向)に移動可能である。そのため、作業者は、実装部品を手前側(+X方向)に引き出して保守点検を行うことができる。これにより、本実施形態の監視盤1Bでは、作業者が保守点検時に通る通路を設けるためのコストを削減可能である。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1、1A、1B 監視盤(配電盤)
10 筐体
11 パネル(ベース部)
12 表示部
13 操作部
18 引出機構(第1機構)
181 アーム
182 第1軸
184 第2軸
185 固定板
19 仕切り板(壁)
20 支持部
21 スライド機構(第2機構)