(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117137
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】水中油型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/87 20060101AFI20240822BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/97 20170101ALI20240822BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61K8/87
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/06
A61K8/86
A61K8/37
A61K8/97
A61K8/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023053
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
(72)【発明者】
【氏名】美淋(佐藤) 桂子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB212
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC582
4C083AC712
4C083AC852
4C083AC902
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD162
4C083AD202
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD571
4C083AD572
4C083BB02
4C083BB13
4C083CC02
4C083CC05
4C083CC14
4C083CC19
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、優れた水分蒸散抑制効果を有し、高温での乳化安定性、経時粘度安定性に優れ、のびが軽くべたつきの少ないα-ゲルを有する水中油型乳化化粧料を提供する事を課題とする。
【解決手段】α-ゲル構造を有する、水中油型乳化化粧料であり、
(A)ポリウレタン-79
(B)1種または2種以上の直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸(C)親水性界面活性剤
(D)液状油
を含有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D)
(A)ポリウレタン-79
(B)1種または2種以上の直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸
(C)親水性界面活性剤
(D)液状油
を含有し、且つα-ゲル構造を有する、水中油型乳化化粧料。
【請求項2】
前記成分(C)親水性界面活性剤が、HLB12以上の非イオン性界面活性剤及び/またはアニオン性界面活性剤である請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
さらに、成分(E)水素添加大豆リン脂質を含有する、請求項1または2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】
さらに、成分(F)水溶性増粘剤を含有する、請求項1または2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項5】
前記成分(A)ポリウレタン-79と成分(D)液状油の質量比が1:20~1:100である請求項1または2に記載の水中油型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた水分蒸散抑制効果を有し、高温での乳化安定性、経時粘度安定性に優れ、のびが軽くべたつきの少ないα-ゲルを有する水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳化化粧料は、スキンケア化粧料や日焼け止め化粧料など幅広く使用される化粧料であり、肌に潤いを与えるとともに、みずみずしい使用感であることが特徴である。
しかしながら、水中油型乳化化粧料は内相に油、外相に水を有するため、油中水型乳化化粧料に比べ、水分蒸散抑制効果が低いという欠点が挙げられる。
そこで、みずみずしい使用感を維持しながら、水分蒸散を抑制する方法としてα-ゲルを有する水中油型乳化化粧料が挙げられる。α-ゲルは水和型の結晶構造であり、ラメラ構造を有する。皮膚の最外層の角層に存在する細胞間脂質も、α-ゲル構造を有していることが知られている。このα-ゲル構造によって外部からの物質の侵入や内部からの水分蒸散を抑制するとともに、それ自身が水分を保持することによって、非常に高い皮膚の水分を保持する機能が得られる。
【0003】
また、水中油型乳化化粧料の場合、乳化粒子の周囲に液晶やα-ゲルの層を形成させると乳化粒子の凝集・合一が物理的に抑制されるため、乳化安定性が著しく向上することが知られている(非特許文献1) 。
しかしながら、高温安定性を十分に確保するには、一定量のα-ゲルが必要であり、α-ゲルを形成させるための界面活性剤や高級アルコールの量を増量させるとのびが重くなり、べたつき感がでるなど、良好な使用感が得られない。
【0004】
これまでも、良好な使用感と、高温安定性を満たすために様々な工夫がなされている。例えば、親水性アニオン界面活性剤と高級アルコールと水と油を含有する水中油型乳化組成物に関する技術(特許文献1)がある。
しかしながら、α-ゲルを外相に含むO/W乳化化粧料は粘度の経時安定性が低く、時間が経つにつれて粘度が上昇し、製品が次第に硬くなることが知られており、のびが重くなるなどのテクスチャーの変化や、容器から出しにくくなるといった使用性の問題が発生する。これらを解決する方法として、1種または2種以上の炭素数16以上の高級脂肪族アルコール及び/または高級脂肪酸25~50%質量とポリオキシエチレンステロールエーテル40~70質量%、ポリオキシエチレンジアルキルエステル及び/またはエーテルを5~20質量%を含み、水を加えることによって生成するα-ゲル組成物に関する技術(特許文献2)があるが、製剤中の油に対する活性剤量が多いためのびが重く良好な使用感とは言い難い。
【0005】
ポリウレタン-79を使用した技術としては、溶解性が良好なポリウレタン-79とビスエチルヘキシルビスオレイルピロメリタミドと油性成分を配合することで、安定性が良好で、べたつかず、肌なじみが良好な使用感を有する油性化粧料が開示されている(特許文献3)が、油のゲル化剤としての一般的な使用用途であり、油性化粧料での限定的な技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3829048公報
【特許文献2】特許6426635公報
【特許文献3】特許7082152公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】鈴木敏幸、粧技誌、第44巻、第2号、第103~117頁、2010年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来技術を鑑みてなされたものであり、優れた水分蒸散抑制効果を有し、高温での乳化安定性、経時粘度安定性に優れ、のびが軽くべたつきの少ないα-ゲルを有する水中油型乳化化粧料を提供する事を課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意研究を行った結果、直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸と親水性界面活性剤が水中において形成するα-ゲル構造を有する組成物とポリウレタン-79を共存させることで、他の油性ゲル化剤とは異なり、α-ゲル構造による水分蒸散抑制効果や高温での乳化安定性を維持したまま、α-ゲル特有の欠点であるべたつきやのびの軽さを改善し、経時粘度上昇を抑制する効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(D)
(A)ポリウレタン-79
(B)1種または2種以上の直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸
(C)親水性界面活性剤
(D)液状油
を含有し、α-ゲルを有する水中油型乳化化粧料を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、優れた水分蒸散抑制効果を有し、高温での乳化安定性、経時粘度安定性に優れ、のびが軽くべたつきの少ないα-ゲルを有する水中油型乳化化粧料を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は実施例1のクロスニコル下での顕微鏡写真である。ラメラ構造が形成されていることを示すマルテーゼクロスを確認した。
【
図2】
図2は比較例2のクロスニコル下での顕微鏡写真である。ラメラ構造が形成されていることを示すマルテーゼクロスが確認できなかった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「%」で表示する場合は質量%を意味する。本明細書においては、~を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
【0014】
本発明に用いる成分(A)ポリウレタン-79は、直鎖の脂肪族ジイソシアネートである1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)と直鎖の増量性2価のアルコールである1,4-ブタン2価のアルコールがウレタン結合によりポリウレタンとなったハードセグメントのブロックと、水添ジリノレイルアルコールと水素添加したポリブタン2価のアルコールのソフトセグメントのブロックを持つ共重合体の、両末端をステアリルアルコールでブロックしたポリウレタンである。ポリウレタンブロックの極性によってポリマー・ポリマーとポリマー・オイルの間の水素結合を介した会合により、オイル中で物理的なネットワークを形成する。この3次元ネットワーク構造に油剤を取り込むことでゲル化を起こすと考えられる。ポリウレタン-79は、末端に高級アルコール残基を有することで、各種油剤への溶解性を向上させたものである。好適には前記本発明に用いる(A)ポリウレタン-79は、液状油剤に溶解させゲル状の組成物とすることで、容易に均一に溶解することができる。
【0015】
本発明の成分(A)ポリウレタン-79は、市販品であるOILKEMIA 5S CC(LUBRIZOL社製)を用いることができる。その組成は、(A)ポリウレタン-79を30%含有し、液状油剤としてトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを70%含有する組成物である。なお、日本国内の化粧品に配合した場合、配合成分として表示する場合は、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを70%、水添ポリオレフィン(C6-20)を25%、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーを5%として表示することが一般的である。
【0016】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(A)ポリウレタン-79の配合量は特に制限はないが、化粧料中に純分として0.1~2.0%、好ましくは、0.15~1.5%、更に好ましくは0.2~1.0%であることが望ましい。この範囲であると、α-ゲル構造が形成され、良好な水分蒸散抑制効果、高温での乳化安定性、経時粘度安定性が優れる点において好ましい。
【0017】
本発明において、成分(B)直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸は、後述する成分(C)親水性界面活性剤と、水中においてα-ゲルを形成する成分である。
本発明の成分(B)直鎖飽和高級アルコールは、化粧料一般に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール、フィトステロール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。成分(B)直鎖飽和高級アルコールの炭素数は12~22であることが望ましい。好ましい例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0018】
本発明の成分(B)直鎖飽和高級脂肪酸は、化粧料一般に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。成分(B)直鎖飽和高級脂肪酸の炭素数は12~22であることが望ましい。好ましい例としては、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0019】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(B)1種または2種以上の直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸の配合量は特に制限はないが、化粧料中に総量として1~12%、好ましくは、3~10%、更に好ましくは5~8%であることが望ましい。この範囲であると、α-ゲル構造が形成され、べたつきの少なさの点において好ましい。さらに高温での乳化安定性、経時粘度安定性が優れる点において好ましい。
成分(B)は、直鎖飽和高級アルコールまたは直鎖飽和高級脂肪酸のどちらか1方から1種又は2種以上用いても、両方から1種以上を用いるのであってもよい。
【0020】
本発明において、成分(C)親水性界面活性剤は、前述の成分(B)直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸と、水中においてα-ゲルを形成する成分である。
本発明の成分(C)親水性界面活性剤は、組成物を水中油型に乳化できるものであれば、公知の親水性界面活性剤から任意に選択できる。この時HLB12以上の非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤が望ましい。HLB12以上の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類(例えば、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油等)、ポリオキシエチレンステロールエーテル類(例えば、POE(20モル)フィトステロール、POE(30モル)フィトステロール、POE(20モル)コレステリルエーテル等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル類としては、例えば、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル等が挙げられる。
またアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12~24の脂肪酸を由来とする脂肪酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩;N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム等の脂肪酸アミドスルホン酸又はその塩;ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸又はその塩;N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸アルギニン、N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム等の長鎖N-アシルグルタミン酸又はその塩;モノセチルリン酸カリウム等のアルキルリン酸又はその塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩などのアニオン界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤やHLB12以上の非イオン性界面活性剤が好ましい。必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0021】
HLBは、通常、界面活性剤の分野で使用される親水性-疎水性のバランスを表す数値であり、通常用いる計算式、例えば川上式等が使用できる。
本発明では下記数1の川上式を採用する。
数1の式において、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量である。
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。
【0022】
【0023】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(C)親水性界面活性剤の配合量は特に制限はないが、化粧料中に純分として0.2~3%、好ましくは、0.4~2%、更に好ましくは0.6~1.5%であることが望ましい。この範囲であると、α-ゲル構造が形成され、高温での乳化安定性、経時粘度安定性が優れる点において好ましい。
【0024】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(D)は20℃で液状の油剤であり、水への溶解度が0.01%未満の液状油を意味する。化粧料一般に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、流動パラフィン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、水添ポリイソブテン等の炭化水素油、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、2-エチルヘキサン酸セチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オクトクリレン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル油、メドウフォーム油、ホホバ種子油、コメヌカ油、オリブ油等の植物油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油が挙げられる。これらを1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(D)液状油の配合量は特に制限はないが、化粧料中に純分として3~40%、好ましくは、5~15%、更に好ましくは10~20%であることが望ましい。この範囲であると、のびの軽さ、べたつきの少なさの点において好ましい。さらに水分蒸散抑制効果が優れる点において好ましい。
【0026】
本発明の成分(E)水素添加大豆リン脂質は、大豆由来のリン脂質に、常法により水素添加したものを用いることができる。市販品としては、かかる水素添加大豆リン脂質としては、各社より提供されている市販の製品を用いることができる。日油株式会社製 COATSOME NC-61、日清オイリオ株式会社製 ベイシスLP-20H等が挙げられる。
【0027】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(E)の水素添加大豆リン脂質は特に制限はないが、化粧料中に純分として0.01~0.7%、好ましくは、0.05~0.5%、更に好ましくは0.1~0.3%であることが望ましい。この範囲であると、のびの軽さ、べたつきの少なさの点において好ましい。さらに高温での乳化安定性が優れる点において好ましい。
【0028】
本発明の成分(F)水溶性増粘剤は、化粧料一般に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、天然の水溶性増粘剤、半合成タイプの水溶性増粘剤、合成タイプの水溶性増粘剤のいずれも用いることができる。
天然の水溶性増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、グアガム、カラギーナン、カンテン等が挙げられる。
半合成タイプの水溶性増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系高分子が挙げられる。
合成タイプの水溶性増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレングルコール・デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体等のウレタン系高分子が挙げられる。これらを1種または2種以上を用いることができる。
【0029】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(F)水溶性増粘剤の配合量は特に制限はないが、化粧料中に純分として0.01~0.5%、好ましくは、0.05~0.4%、更に好ましくは0.1~0.3%であることが望ましい。この範囲であると、のびの軽さ、べたつきの少なさの点において好ましい。さらに高温での乳化安定性、経時粘度安定性が優れる点において好ましい。
【0030】
本発明における水中油型乳化化粧料は、上記した(A)~(D)の各成分を必須成分として含むものである。そして、(A)成分は(D)成分をゲル化することができる。(D)成分に対する(A)成分の比率が高くなると固いゲルを形成し、低くなると柔らかいゲルを形成する。(A)ポリウレタン-79と成分(D)液状油の質量比が1:20~1:100の範囲が好ましい。この比率の範囲であると、水分蒸散抑制効果、経時粘度安定性に優れる。
【0031】
本発明の水中油型乳化化粧料はα-ゲルを有する。
α-ゲルの有無については、以下に挙げた方法で確認を行うのが一般的であり、いずれの方法を用いてもよい。
(1) 偏光顕微鏡を使用してクロスニコル(直交ニコル)下でのマルテーゼクロスの存在により、ラメラ構造が形成されていることを確認する。
(2) 示差走査熱量測定(DSC)により、原料単体の融解ピークがなく、原料単体以外の融解ピークの変化を確認する。
(3) 小角X線散乱(SAXS)により、αゲル特有の層間距離の繰り返しピーク(1:1/2:1/3)が存在する事を確認する。
(4) 広角X線回折(WAXD)においてBragg角=21~22°付近に一本の鋭い回折ピークが存在する事を確認する。
(5) 透過電子顕微鏡(TEM)を用いた凍結割断レプリカ法で、ラメラ構造が存在する事を観察する。
本願では、(1)と(4)を組み合わせて実施した。
【0032】
本発明の組成物には、上記成分のほかに、必要に応じ一般的に化粧料などに用いられる成分を配合することも可能である。
例えば、成分(C)以外の界面活性剤、中和剤、成分(B)以外の固形油、ペースト油、パール剤、体質顔料、着色顔料、保湿剤、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、抗炎症剤、生薬抽出物やビタミン類等の添加物を適時配合することができる。これら成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
【0033】
本発明の水中油型乳化化粧料の形態は特に限定されず、乳液、クリーム、エッセンス(美容液)、パック等の基礎化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等、メーキャップ化粧品、日焼け止め化粧品従来化粧品に用いるものであればいずれの形態でも広く適用可能である。
【実施例0034】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0035】
<α-ゲルの確認>
本願では、顕微鏡を用いてクロスニコル下でマルテーゼクロスの有無を観察し、広角X線回折(WAXD)においてBragg角=21~22°付近に一本の鋭い回折ピークが存在する事を確認することで、α-ゲルの確認をおこなった。
[評価基準]
マルテーゼクロスが観察され、広角X線回析により特徴的なピークが確認できる「α-ゲルの確認ができた」:〇
マルテーゼクロスが観察されず、広角X線回析により特徴的なピークが確認できなかった「α-ゲルの確認ができなかった」:×
【0036】
実施例1及び比較例2の顕微鏡によるクロスニコル下での観察写真を、それぞれ
図1及び
図2に示す。
実施例1では、
図1に示すように、ラメラ構造が形成されていることを示すマルテーゼクロスが確認されたが、比較例2では、
図2に示すように、マルテーゼクロスを確認することはできなかった。
【0037】
<水分蒸散抑制率(%)>
各実施例および各比較例で得られた乳化化粧料を、直径18mmのメンブランフィルター(メルク株式会社、MillisealtmMembrane Seal、FWMS01800)に0.02g塗布し、水を10g加えた20mLの透明ガラス製スクリュー菅瓶(株式会社マルエム、スクリュー管、No.5、0101-07)の上にのせ、シール面で接着した。30℃のインキュベーターに8時間静置し、水の減少量を測定した。
保存前の質量を(m1)、8時間後の質量を(m2)とし、化粧料を塗布しないメンブランフィルターの場合の水分蒸散量W(g)、実施例又は比較例の化粧料をメンブランフィルターに塗布した場合の水分蒸散量S(g)とし、下記式により、水分蒸散抑制率(%)を求めた。数値が高いほど、保湿性に優れることを示す。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
<乳化安定性評価>
各実施例および各比較例で得られた乳化化粧料を、透明PET容器(30ml)に30g充填し、60℃に設定したインキュベーター内に2週間静置した。
[評価基準]
分離が見られなかった。 :○
分離が見られた。 :×
【0042】
<粘度安定性評価>
各実施例および各比較例で得られた乳化化粧料を、透明ガラス製スクリュー菅瓶(アズワン株式会社、規格瓶(広口)、50ml、No.5、5-130-04)に50ml充填し、5℃、40℃のインキュベーターに1か月間保存し、経時での粘度を20℃のインキュベーターに3時間以上保持した後、B型粘度計(東機産業株式会社、VISCOMETER TVB-10)、ローターNo.M4、回転数3rpm、測定時間60秒で粘度(mPa・s)を測定した。計算式は下記数5を用いる。
数5において、
V0は、初日のサンプルの粘度(mPa・s)、
V1は、5℃または40℃に1か月保管したサンプルのうち粘度変化が大きい方の粘度(mPa・s)
を表す。
【0043】
【数5】
[評価基準]
粘度上昇率20%未満:〇
粘度上昇率20%以上:×
粘度上昇率20%未満であれば、使用者がテクスチャーの変化がわかり難く、容器から出しにくくなるといった使用性の問題が発生しない粘度範囲である。
【0044】
<官能評価>
使用性については官能特性評価試験を用いて評価した。評価試料を肌に塗布する際の使いやすさや感触( のびの軽さ、べたつきの無さ) について、1 0 名の専門判定員が以下の評価基準に従って評価点をつけ、その平均点に従って、4.0 以上を◎ 、3.0 以上4.0 未満を○ 、2.0 以上3.0 未満を△ 、2.0 未満を× とした。
[評価基準]
<のびの軽さ>
5 : 非常に軽い。
4 : 軽い。
3 : どちらともいえない。
2 : 重い。
1 : 非常に重い。
< べたつきの無さ>
5 : 非常に良好。
4 : やや良好。
3 : どちらともいえない。
2 : やや不良。
1 : 非常に不良。
【0045】
実施例1~6、比較例1~5(水中油型保湿クリーム)
表1に示す水中油型保湿クリームを、以下の製造方法により製造する。各試料について上記評価方法にて評価し、その結果も併せて表1に示した。
[製造方法]
(1):成分1~17を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(2):成分18~26を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(3):(2)に(1)を加え、乳化する。
(4):(3)をホモミキサーで処理する。
(5):(4)に一部の水で溶解した27を加え、中和する。
(6):(5)を30~35℃に冷却し、水中油型保湿クリームを得た。
【0046】
【0047】
実施例1~8はポリウレタン-79を配合し、直鎖飽和高級アルコール/直鎖飽和高級脂肪酸と親水性界面活性剤が水中でα-ゲルを形成している組成物で、水分蒸散抑制効果、乳化安定性、経時粘度安定性に優れ、のび、べたつきの評価も良好であった。比較例1はポリウレタン-79を配合していない組成物であり、α-ゲルを形成しているため水分蒸散抑制効果、乳化安定性は良好であるが、経時で粘度上昇が起き、のび、べたつきの評価で劣っていた。比較例2、3はポリウレタン-79を代表的な油性ゲル化剤に置き換えたものであるが、α-ゲルが観察されず、それぞれのゲル化剤によるα-ゲルの阻害が確認された。そのため、水分蒸散抑制効果に劣り、のび、べたつきの評価で劣っていた。比較例2では60℃2週間で分離も見られた。比較例4では同じポリウレタンコポリマーである(PEG-240/デシルテトラデセス―20/HDI)コポリマーに置き換えたものである。(PEG-240/デシルテトラデセス―20/HDI)コポリマーは、水溶性のポリウレタンであるため、油剤で加熱しても溶解性が悪く均一な組成物にならず評価ができなかった。そこで、水相の1,3-ブチレングリコールに加熱溶解して水相に添加して組成物を得て評価を行った。α-ゲルを形成しているため水分蒸散抑制効果、乳化安定性は良好であるが、経時で粘度上昇が起き、使用性ではべたつきの評価で劣っていた。比較例5は直鎖飽和高級アルコールを分岐のある液状高級アルコールへ、比較例6は直鎖飽和高級脂肪酸を不飽和の液状高級脂肪酸に置き換えたものであり、いずれもα-ゲルを形成しておらず、水分蒸散抑制効果に劣っていた。比較例6では60℃2週間で分離も見られた。比較例7は直鎖飽和高級アルコール及び/または直鎖飽和高級脂肪酸を炭化水素ワックスに置き換えたものであるが、α-ゲルを形成しないため、水分蒸散抑制効果に劣り、60℃2週間で分離も見られた。またのびの評価でも劣っていた。
【0048】
処方例1:保湿クリーム
成分 (質量%)
1:ポリウレタン-79・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル *1
1%
2:セチルアルコール 3%
3:ベヘニルアルコール 2%
4:スクワラン 8%
5:ホホバ種子油 8%
6:トリエチルヘキサノイン 5%
7:PEG-20フィトステロール *5 0.5%
8:水素添加大豆リン脂質 *8 0.2%
9:トコフェロール 0.1%
10:精製水 適量
11:1,3―ブチレングリコール 8%
12:セチルリン酸K *7 1%
13:グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
14:ニコチン酸アミド 5%
15:ヒアルロン酸ナトリウム 0.05%
16:ポリクオタニウム-51 *10 0.2%
17:カルボマー 0.12%
18:キサンタンガム 0.2%
19:フェノキシエタノール 0.5%
20:水酸化K 0.05%
合計 100%
*10 LIPIDURE-PMB(日油社製)
(製造方法)
(1):成分1~9を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(2):成分10~19を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(3):(2)に(1)を加え、乳化する。
(4):(3)をホモミキサーで処理する。
(5):(4)に一部の水で溶解した20を加え、中和する。
(7):(6)を30~35℃に冷却し、水中油型保湿クリームを得た。
【0049】
処方例1は、α-ゲルを形成していた。水分蒸散抑制効果にも優れており、のび、べたつきといった使用性も良好であった。
60℃2週間で分離も見られず、経時での粘度上昇もなかった。
【0050】
処方例2:アイクリーム
成分 (質量%)
1:ポリウレタン-79・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル *1
1.5%
2:セチルアルコール 3%
3.ベヘニルアルコール 2%
3:ステアリン酸 1%
4:スクワラン 10%
5:ホホバ種子油 8%
6:リンゴ酸ジイソステアリル 5%
7:トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 2%
8:ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) *11 3%
9:PEG-20フィトステロール *5 1%
10:PEG-100水添ヒマシ油 *6 1%
11:トコフェロール 0.1%
12:精製水 適量
13:1,3―ブチレングリコール 8%
14:濃グリセリン 8%
15:グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
16:レチノイン酸トコフェリル 0.01%
17:ヒアルロン酸ナトリウム 0.05%
18:ポリクオタニウム-51 *10 0.2%
19:アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.12%
20:キサンタンガム 0.2%
21:フェノキシエタノール 0.5%
22:L-アルギニン 0.1%
合計 100%
*11 Plandool-H(日本精化社製)
(製造方法)
(1):成分1~11を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(2):成分12~21を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(3):(2)に(1)を加え、乳化する。
(4):(3)をホモミキサーで処理する。
(5):(4)に一部の水で溶解した22を加え、中和する。
(6):(5)を30~35℃に冷却し、水中油型アイクリームを得た。
【0051】
処方例2は、α-ゲルを形成していた。水分蒸散抑制効果にも優れており、のび、べたつきといった使用性も良好であった。60℃2週間で分離も見られず、経時での粘度上昇もなかった。
【0052】
処方例3:ボディミルク
成分 (質量%)
1:ポリウレタン-79・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル *1
0.5%
2:ベヘニルアルコール 3%
3:流動パラフィン 5%
4:2-エチルヘキサン酸セチル 2%
5:メチルポリシロキサン 2%
6:PEG-20フィトステロール *5 0.8%
7:精製水 適量
8:1,3―ブチレングリコール 5%
9:濃グリセリン 3%
10:カルボマー 0.12%
11:フェノキシエタノール 0.5%
12:水酸化K 0.03%
13:香料 0.5%
合計 100%
(製造方法)
(1):成分1~6を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(2):成分7~11を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(3):(2)に(1)を加え、乳化する。
(4):(3)をホモミキサーで処理する。
(5):(4)に一部の水で溶解した12を加え、中和する。
(6):(5)を冷却し、60℃で13を加える。
(7):(6)を30~35℃に冷却し、水中油型ボディクリームを得た。
【0053】
処方例3は、α-ゲルを形成していた。水分蒸散抑制効果にも優れており、のび、べたつきといった使用性も良好であった。60℃2週間で分離も見られず、経時での粘度上昇もなかった。
【0054】
処方例4:日焼け止めクリーム
成分 (質量%)
1:ポリウレタン-79・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル *1
1%
2:セチルアルコール 3%
3:ベヘニルアルコール 2%
4:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 8%
5:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2%
6:オクトクリレン 2%
7:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 3%
8:PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン *9
0.5%
9:シリカ *12 1%
10:微粒子酸化亜鉛/ハイドロゲンジメチコン *13 5%
11:精製水 適量
12:ポリアクリル酸アミド *14 1%
13:1,3―ブチレングリコール 8%
14:グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
15:ニコチン酸アミド 3%
16:アルブチン 2%
17:ヒアルロン酸ナトリウム 0.05%
18:フェノキシエタノール 0.5%
19:エタノール 10%
合計 100%
*12 ゴッドボールSF-16C(鈴木油脂興業社製)
*13 MZY-203S(テイカ社製)
*14 SEPIGEL305 純分40%(SEPPIC社製)
(製造方法)
(1):成分1~10を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(2):成分11~18を70~90℃で加熱溶解し、均一に混合する。
(3):(1)に(2)を加えて乳化する。
(4):(3)をホモミキサーで処理する。
(5):(4)を冷却し、60℃で19を加える。
(6):(7)を30~35℃に冷却し、日焼け止めクリームを得た。
【0055】
処方例4は、α-ゲルを形成していた。水分蒸散抑制効果にも優れており、のび、べたつきといった使用性も良好であった。60℃2週間で分離も見られず、経時での粘度上昇もなかった。また、SPFアナライザーUV-2000Sによる計測値 SPF45と高い紫外線防御効果を持ち、耐水性も残存率70%と良好であった。
(SPF測定方法)
基板HELIOPLATE HD6(Helio Screen社製)に対し、処方例4の日焼け止めクリームを1.3mg/cm2になるように均一に塗布し、室温にて30分乾燥させた。SPFアナライザーUV-2000S(Labsphere社製)を用いて、塗布面の9箇所を測定し、SPFの平均値を算出した。
(耐水性評価方法)
基板HELIOPLATE HD6(Helio Screen社製)に処方例4の日焼け止めクリームを1.3mg/cm2になるように均一に塗布し、室温にて30分乾燥させた。SPFアナライザーUV-2000S(Labsphere社製)を用いて、塗布面の9箇所を測定し、SPFの平均値を算出した。次いで、流水に40分さらし、十分に乾燥させた後、SPF値を再度測定し耐水性を評価した。耐水性試験後のSPF値が耐水性試験前のSPF値に対して何パーセントに該当するかを算出し、その値を残存率(%)とした。