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特開2024-117144回転機及びその製造方法、及び、電動弁及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117144
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】回転機及びその製造方法、及び、電動弁及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/167 20060101AFI20240822BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H02K5/167 A
F16K31/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023066
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】見津 輝聖
(72)【発明者】
【氏名】中山 康治
【テーマコード(参考)】
3H062
5H605
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062BB33
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062GG01
3H062GG02
3H062HH04
3H062HH08
5H605AA05
5H605BB05
5H605CC02
5H605CC04
5H605CC05
5H605EB06
5H605EB17
(57)【要約】
【課題】回転機において、従来より異音を抑える技術の開発が求められている。
【解決手段】本実施形態のモータ20Mは、ロータ21を収容するロータケース22と、そのロータケース22の外側に嵌合されるステータ30とを有するものであって、ステータ30の上面に、ステータ30の内側面30Mより内側に突出してロータケース22に側方から当接する複数のガタ止め部38Bが備えられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、
前記ステータ(30)の一端部に設けられて、前記ステータ(30)の内側面(30M)の延長面より内側に突出し、前記ロータケース(22)に側方から当接する熱可塑性樹脂製のガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)を備える回転機(20M)。
【請求項2】
前記ガタ止め部(38B)は、前記ロータケース(22)の軸方向に突出する1又は複数の突部(38B)を有し、前記突部(38B)の側部が前記ロータケース(22)の側面に当接している請求項1に記載の回転機(20M)。
【請求項3】
前記ガタ止め部(39B,45B)は、前記ステータ(30)の前記一端部から起立し、前記ロータケース(22)の外側に隙間を空けて嵌合される嵌合部(39D,45D)と、前記嵌合部(39D,45D)から窄まる形状をなして前記ロータケース(22)に側方から当接する縮径部(39C,45C)と、を有する請求項1に記載の回転機(20M)。
【請求項4】
前記縮径部(39C)は、前記嵌合部(39D)の先端に設けられている請求項3に記載の回転機(20M)。
【請求項5】
前記縮径部(45C)は、前記嵌合部(45D)の軸方向の途中部分に設けられている請求項3に記載の回転機(20M)。
【請求項6】
前記ステータ(30)は、前記一端部の全体を樹脂で覆われ、
前記ガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)は、前記樹脂に一体形成されている請求項1に記載の回転機(20M)。
【請求項7】
前記ガタ止め部(38B,39B)は、前記ステータ(30)に固定される前記ステータ(30)とは別部品で構成されている請求項1に記載の回転機(20M)。
【請求項8】
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、
前記ステータ(30)の一端部に設けられて熱かしめされ、前記ステータ(30)との嵌合隙間によるガタを抑えるように前記ロータケース(22)に当接するガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)を備える回転機(20M)。
【請求項9】
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、
前記ステータ(30)に設けられ、前記ロータケース(22)に嵌合される樹脂製筒部(39)と、
前記樹脂製筒部(39)の内面から突出し、前記ロータケース(22)に当接して押し潰されるガタ止め突部(48)と、を備える回転機(20M)。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1の請求項に記載の回転機(20M)を駆動源として備える電動弁(10)。
【請求項11】
前記ステータ(30)及び前記ロータケース(22)に対し、前記ロータケース(22)の軸方向から対向する回路基板(80)と、
前記ステータ(30)から前記ロータケース(22)の軸方向に突出し、前記回路基板(80)に対して貫通した状態で固定される複数のピン(35)と、
前記ステータ(30)及び前記回路基板(80)を収容し、前記ロータケース(22)が貫通する貫通孔(60H)を有するカバー(60)と、
前記ロータケース(22)のうち前記回路基板(80)と反対側の端部が芯出された状態で固定されて、前記ロータ(21)と連動する弁体(26A)を支持する弁体支持部材(24)と、
前記弁体支持部材(24)が芯出しされた状態で固定され、前記弁体(26A)を受容する流路(91)を備えるベース部材(90)と、
前記ベース部材(90)及び前記カバー(60)の一方から張り出し、他方に締結される連結片(72)と、を備える請求項10に記載の電動弁(10)。
【請求項12】
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)の製造方法において、
前記ステータ(30)の端面に熱可塑性樹脂製のかしめ突部(38A,39A)が設けられ、
前記ステータ(30)が前記ロータケース(22)に嵌合されてから、前記かしめ突部(38A,39A)が熱かしめされて、前記ステータ(30)と前記ロータケース(22)との嵌合隙間(S)によるガタを抑えるように前記ロータケース(22)に当接するガタ止め部(38B,39B)が形成される回転機(20M)の製造方法。
【請求項13】
請求項11に記載の電動弁(10)を製造する電動弁(10)の製造方法において、
前記ステータ(30)が前記カバー(60)に収容されて前記ロータケース(22)の外側に嵌合される嵌合工程と、
前記ステータ(30)の一端面に設けられる樹脂製のかしめ突部(38A,39A)が前記カバー(60)に差し込まれる熱かしめツール(G1,G2,G4,G5,G6)により熱かしめされて前記ガタ止め部(38B,39B)が形成される熱かしめ工程と、
前記カバー(60)に前記回路基板(80)が収容され、前記複数のピン(35)が前記回路基板(80)に貫通した状態で前記回路基板(80)を前記カバー(60)に固定する基板収容工程と、を含む電動弁(10)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転機及びその製造方法と、その回転機を駆動源として有する電動弁及びその電動弁の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回転機として、ロータケースを備え、そのロータケースの外側にステータが嵌合されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6857273号公報(図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の回転機では、異音が発生することがあり、異音を抑える技術の開発が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本開示の一態様に係る回転機は、ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、前記ステータ(30)の一端部に設けられて、前記ステータ(30)の内側面(30M)の延長面より内側に突出し、前記ロータケース(22)に側方から当接する熱可塑性樹脂製のガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)を備える回転機(20M)である。
【0006】
本開示の一態様に係る回転機は、ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、前記ステータ(30)の一端部に設けられて熱かしめされ、前記ステータ(30)との嵌合隙間によるガタを抑えるように前記ロータケース(22)に当接するガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)を備える回転機(20M)である。
【0007】
本開示の一態様に係る回転機は、ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、前記ステータ(30)に設けられ、前記ロータケース(22)に嵌合される樹脂製筒部(39)と、前記樹脂製筒部(39)の内面から突出し、前記ロータケース(22)に当接して押し潰されるガタ止め突部(48)と、を備える回転機(20M)である。
【0008】
本開示の一態様に係る回転機の製造方法は、ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)の製造方法において、前記ステータ(30)の端面に熱可塑性樹脂製のかしめ突部(38A,39A)が設けられ、前記ステータ(30)が前記ロータケース(22)に嵌合されてから、前記かしめ突部(38A,39A)が熱かしめされて、前記ステータ(30)と前記ロータケース(22)との嵌合隙間(S)によるガタを抑えるように前記ロータケース(22)に当接するガタ止め部(38B,39B)が形成される回転機(20M)の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術によれば、ガタ止め部又はガタ止め突部によりロータケースとステータとのガタつきが抑えられ、従来より異音の発生が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態に係る電動弁の斜視図
図2】電動弁の分解斜視図
図3】電動弁の側断面図
図4】電動弁の側断面図
図5】蓋体及び回路基板を外した状態の電動弁の斜視図
図6】ステータの斜視図
図7】(A)熱かしめ前のモータの断面図、(B)熱かしめ後のモータの断面図
図8】第2実施形態に係るステータの斜視図
図9】(A)熱かしめ前のモータの断面図、(B)熱かしめ後のモータの断面図
図10】第3~第5実施形態に係るモータの平面図
図11】第6実施形態に係るステータの斜視図
図12】(A)組み付け前のモータの断面図、(B)組み付けられた後のモータの断面図
図13】変形例に係るモータの平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1図7を参照して本開示の一実施形態について説明する。本実施形態の電動弁10は、例えば、車両に搭載される空調装置の一部を構成するものであり、図1に示されるように、冷媒が流れる流路91を有するベース部材90と、ベース部材90に取り付けられる電動弁本体20(図3参照)と、電動弁本体20の一部を覆うカバー60とを有する。
【0012】
図3に示すように、電動弁本体20は、本開示の「回転機」としてのモータ20Mを駆動源として備える。モータ20Mは、例えば、ステッピングモータであり、図2に示すように、ステータ30と、それ以外のロータユニット20Rとに分離可能になっていて、図3に示すように、ロータユニット20Rにおいてロータ21がロータケース22に収容されている。
【0013】
ロータケース22は、薄肉円筒状をなし、一端部を蓋体23にて閉塞され、他端部を弁体支持部材24により閉塞されている。以下、ロータケース22の軸方向を「上下方向」といい、蓋体23側を「上側」、弁体支持部材24側を「下側」ということとする。
【0014】
蓋体23は、円板状をなし、例えば、ロータケース22の上端部に全周を溶接又は蝋付けされている。弁体支持部材24は、複数の筒形部品を嵌合してなり、中心部を貫通する中心孔24Aと、それと同心で上面に開放した環状溝24Bとを備える。そして、環状溝24Bにロータケース22の下端部が例えば、嵌合した状態に溶接又は蝋付けされている。また、弁体支持部材24の外面には、シール部材(例えば、Oリング)が装着されている。そして、ベース部材90に形成されている上面開放の弁体取付孔93に弁体支持部材24が挿入されて、弁体支持部材24と弁体取付孔93の螺子部24N同士が螺合されている。なお、ロータケース22の下端部は、環状溝24Bに例えば、圧入、螺合、又は係合される構成であってもよいし、ロータケース22が別部品を介して環状溝24Bに固定される構成であってもよい。また、弁体支持部材24と弁体取付孔93との固定についても、螺合に限らず、例えば、圧入又は係合であってもよいし、別部品で弁体支持部材24が弁体支持孔93に固定される構成であってもよい。
【0015】
ロータ21は、例えば、外周面に図示しない複数のマグネットを有する下端有底の円筒体21Wと、その円筒体21Wの底壁を貫通するシャフト部材25とを備えた構造をなしている。また、シャフト部材25の下端部からは弁体26Aが下方に延びている。そして、弁体支持部材24の中心孔24Aにシャフト部材25が挿入されて、それらに備えたネジ部24M同士が螺合している。これにより、ロータ21が弁体支持部材24に回転可能に支持され、ロータ21の回転に伴って弁体26Aが上下方向に移動する。なお、円筒体21Wは、下端有底に限らず、例えば、上端有底であってもよく、シャフト部材25と共に回転可能であればどのような構造であってもよい。
【0016】
ベース部材90の流路91の途中部分は、弁体取付孔93から下方に延長された連絡部91Bになっている。そして、流路91のうち途中部分より一方側が連絡部91Bの上端部からベース部材90の外面まで延び、流路91のうち途中部分より他方側が連絡部91Bの下端部からベース部材90の外面まで延びている。また、連絡部91Bの上下方向の中間部分には、弁口92が設けられている。そして、弁体26Aが上下方向に移動して弁口92に開度が変更されて、流路91を通過する流体の流量が変更される。なお、弁口92は、図3に示すように、内径が一定な円筒状であってもよし、一部の内径が絞られていてもよい。
【0017】
カバー60は、例えば、樹脂製であって、ケース部61とケース蓋69とを備える。図2に示すように、ケース部61は、例えば、長方形の上面開口を有する箱形をなし、外面の上下方向の中間部分に段差部62を備えた構造をなしている。また、ケース蓋69は、例えば、板状をなし、ケース部61の上面開口を閉塞した状態に固定されている。なお、ケース蓋69は、例えば、超音波溶着を含む振動溶着又はレーザー溶着を含む熱溶着によってケース部61に固定されていてもよいし、圧入、螺合又は係合により固定されていてもよい。
【0018】
図4に示すように、ケース部61の底壁63には、貫通孔60Hが形成され、その貫通孔60Hの開口縁からスリーブ64が垂下している。そして、スリーブ64内に弁体支持部材24の上端部が嵌合し、ロータケース22がケース部61の底壁63からケース部61内の上端寄り位置まで起立している。
【0019】
ケース部61の下面には、例えば図2に示されたブラケット70が固定されている。ブラケット70は、ケース部61の下面に重ねられかつスリーブ64が貫通する貫通孔70Hを有する板部71と、その外縁部から垂下する垂下片72とを備える。また、貫通孔70Hの周囲には、複数の取付孔71Hが貫通していている。そして、ケース部61の下面に備えた複数のかしめ突部63Tが複数の取付孔71Hに通されて熱かしめされている。なお、図2図4等では、かしめ突部63Tは、熱かしめされていない状態が示されている。また、図4に示すように、垂下片72の下端部には取付孔72Aが形成されている。そして、その取付孔72Aに通される螺子Nがベース部材90の外側面の螺子孔に締め付けられている(図2参照)。
【0020】
なお、ブラケット70は、ケース部61に熱かしめされて固定されていたが、例えば、熱かしめされずにケース部61の下面に重ねられているだけであってもよい。また、ケース部61とベース部材90とは、どのように固定されていてもよく、例えば、ブラケット70を有さず、互いに係合する係合部を備えて固定されていてもよい。
【0021】
図5に示すようにケース部61のうち平面形状である長方形の一短辺に相当する一外側面の中央部からはコネクタ部65が張り出している。コネクタ部65は、フード65Fの内部に複数のコネクタピン65Pを備えた構造をなしている。複数のコネクタピン65PはL字形をなし、それらのコネクタピン65PのL字の一方の辺は、一列横並びに配置されてフード65Fの奥面から突出し、他方の辺は、ケース部61内で上方に向かって延びている。なお、複数のコネクタピン65Pは、一方の辺と他方の辺とが別部品で構成されていてもよい。
【0022】
ケース部61内のうちコネクタ部65の裏側下方となる位置とその反対側の両角部には、複数の台座突部66が形成されている。そして、コネクタ部65の裏側の台座突部66から前述した複数のコネクタピン65Pが上方に延びている。また、四隅の台座突部66の上面からは、複数の支柱66Aが起立し、それら支柱66Aの上面の中央部からは、それぞれかしめ突部66Bが突出している。
【0023】
ケース部61の底壁63からも複数の支柱63Aが起立している。それら複数の支柱63Aは、ケース部61のうち平面形状である長方形の長手方向で、各台座突部66に隣接していて、台座突部66の上面と略同一の高さまで延び、上面の中央にかしめ突部63Bを備えている。
【0024】
図6に示すように、ステータ30は、円筒状のステータ本体33を備える。ステータ本体33は、例えば、1対のコイル31(図3参照)を同軸上に並べて樹脂で被覆した構造をなしている。ステータ本体33の外側面の上縁部からは、複数(例えば、4つ)の取付片36が側方に張り出している。複数の取付片36は、ステータ本体33を被覆する樹脂に一体形成され、上下に貫通する取付孔36Hを備えている。
【0025】
ステータ30の外側面における周方向の一部には、上方から見て取付片36と重ならない位置にピン保持部34が設けられている。ピン保持部34は、ステータ本体33から側方に突出して上方に曲げられている。そして、ピン保持部34の上面から複数(例えば、4本)のバスバー35が上方に突出している。また、それらバスバー35の先端部は、ピン状になっている。
【0026】
図5に示すように、ステータ30は、ロータケース22の外側に嵌合され、ケース部61に収容されている。また、ステータ30のピン保持部34は、ケース部61のうちコネクタ部65から離れた側に配置されている。そして、複数の取付片36の取付孔36Hに複数の支柱63Aのかしめ突部63Bが通されて熱かしめされている。なお、図5では、かしめ突部63Bが熱かしめされていない状態が示されている。
【0027】
図6に示すように、ステータ30の内側面30Mの上部には、収容溝37Mが形成され、その一端はステータ30の上面に開口し、その開口縁から溝形の支持壁37が突出している。そして、図2に示された磁気センサ40が収容溝37Mに受容されている。磁気センサ40は、例えばホール素子であって、本体部41から複数(例えば、3本)の接続ピン42が延びた構造をなしている。そして、図3に示すように、本体部41が収容溝37M内で位置決めされ、複数の接続ピン42が、前述した複数のバスバー35と略同一の高さとなる位置までステータ本体33の上面より上方に延びている。
【0028】
図5に示すように、ステータ本体33の上面内縁部には、複数のガタ止め部38Bが備えられている。複数のガタ止め部38Bは、図6に示すように、ステータ本体33の上面から突出する複数のガタ止用かしめ突部38Aを熱かしめして形成されるものである。具体的には、複数のガタ止用かしめ突部38Aは、例えば、ステータ本体33を被覆する樹脂に一体形成され、ステータ本体33の上面の内縁部を周方向で4等分する複数位置のうち3箇所に配置され、残り1箇所に上述の支持壁37が配置されている。また、例えば、ステータ本体33の上面と内側面30Mとの交差部分に面取り面30Nが備えられ、複数のガタ止用かしめ突部38Aは、ステータ本体33の上面から起立する円柱状をなし、面取り面30Nに近接し、内側面30Mの延長面より内側には張り出さないように形成されている。そして、複数のガタ止用かしめ突部38Aは、図7(A)に示すように、熱かしめされるとガタ止め部38B(図7(B)参照)となり、ステータ30の内側面30Mの延長面より内側側に張り出し、ステータ30とロータケース22との間をガタを抑える。ガタ止め部38Bの詳細に関しては、電動弁10の製造方法と合わせて後述する。
【0029】
なお、図6に示すように、ステータ本体33及びピン保持部34の上下の両面には、それらを樹脂部をモールド成形する際に、それらの内容物であるバスバー35やコイル31(図2,3参照)等の位置ずれを防止する治具孔33Hが開口している(図6では、上面に開口している治具孔33Hのみが示されている)。
【0030】
図3に示すように、カバー60のケース部61内の上部には、回路基板80が収容されている。図2に示すように、回路基板80は、長方形をなし、複数の取付孔80Hと複数の接続孔81Hとを備える。複数の取付孔80Hは、回路基板80の四隅に配置され、それらに前述の複数の支柱66Aのかしめ突部66Bが通されて熱かしめされている。また、前述の複数のバスバー35と接続ピン42とコネクタピン65Pの各上端部が、複数の接続孔81Hに通されている。なお、複数のバスバー35、接続ピン42及びコネクタピン65Pは、例えば、回路基板80に半田付けされていてもよいし、半田レスのプレスフィット端子で圧入されているだけであってもよい。
【0031】
本実施形態の電動弁10の構成に関する説明は、以上である。この電動弁10は、例えば、以下の製造方法で製造される。
【0032】
電動弁10を製造する準備として、ベース部材90とカバー60とモータ20Mとが分離した状態で用意され、また、モータ20Mは、ステータ30とロータユニット20Rとに分離した状態で用意され、さらに、カバー60は、ケース部61とケース蓋69とに分離した状態で用意される。そして、ロータユニット20Rがベース部材90に組み付けられる。このとき、ロータユニット20Rは、ベース部材90の弁体取付孔93に芯出しされた状態で、例えば、ネジ部24N(図2参照)の螺合部分への接着剤によりベース部材90に固定される。なお、接着剤なしで螺合のみでロータユニット20Rをベース部材90に固定してもよい。
【0033】
次いで、ケース部61がロータユニット20Rに組み付けられ、ブラケット70によりケース部61とベース部材90とが固定される。そして、ケース部61内にステータ30が収容される。具体的には、ステータ30は、ケース部61に上方から収容されていく過程で、ステータ30の内側にロータケース22が嵌合され、その後、ステータ30の複数の取付孔36Hをケース部61の複数のかしめ突部63Bが貫通する。そして、ステータ30の収容溝37Mに磁気センサ40が組み付けられる。
【0034】
次いで、複数のかしめ突部63Bが熱かしめされ、ステータ30がケース部61に固定される。これにより、互いに別部品であったステータ30とロータケース22とケース部61とベース部材90とが相互に位置を規制し合った状態になる。ここで、ステータ30とロータケース22とケース部61とベース部材90との全ての組み付け部分の位置ズレの許容誤差が小さいと組み付けが困難になる。これに対し、本実施形態では、ロータケース22とステータ30との間の嵌合精度は、両者間に嵌合隙間Sが生じる程度になっている。また、ロータケース22の上部における蓋体23との接続部分は溶接又は蝋付けのばらつきにより、ロータケース22より側方に僅かに張り出すことがあり、この点も考慮して、上記嵌合隙間Sが設けられている。さらには、ブラケット70は、ベース部材90とケース部61との位置ズレによる内部応力によって変形し得る強度をなしている。
【0035】
これらにより、複数のかしめ突部63Bによってステータ30がケース部61に固定されただけでは、ステータ30とロータケース22との間の嵌合隙間Sの範囲で、ステータ30とケース部61とを含んだ複合体と、ロータケース22との間に振動等によってガタつきが生じ得る。そのガタつきを抑えるために、ケース部61にステータ30が固定されてから、ステータ30の複数のガタ止用かしめ突部38Aがロータケース22に当接するように熱かしめされる。
【0036】
具体的には、図7(A)に示すように、複数のガタ止用かしめ突部38Aに対し、加熱された熱かしめツールGが上方から押し付けられる。これにより、複数のガタ止用かしめ突部38Aは、図5及び図7(B)に示すように押し潰されてガタ止め部38Bとなる。そして、各ガタ止め部38Bの一部がステータ30の内側面30Mの延長面より内側に突出してロータケース22の側面に当接する。これにより、ロータケース22は、ステータ30の内側面30Mうち磁気センサ40が配置されている部分に押し付けられた状態になって嵌合隙間Sの範囲でのガタつきが抑えられる。
【0037】
また、複数のガタ止用かしめ突部38Aも、ステータ30をケース部61に固定するための複数のかしめ突部63Bも、共に熱かしめツールGを上方から降下させることによって熱かしめされるので、それらの熱かしめを効率良く行うことができる。
【0038】
次いで、ケース部61に回路基板80が収容されてかしめ突部66Bの熱かしめにより回路基板80がケース部61に固定され、半田付けにより複数のバスバー35と接続ピン42とコネクタピン65Pの上端部とが、回路基板80の接続孔81Hを貫通した状態で回路基板80に固定される。そして、最後にケース蓋69がケース部61の上面開口を閉塞した状態に固定される。以上により、電動弁10が完成する。
【0039】
このように、本実施形態の電動弁10では、その駆動源であるモータ20Mのステータ30に複数のガタ止め部38Bを備えて、ロータケース22とステータ30とのガタつきが抑えられ、異音の発生が抑えられる。また、複数のガタ止め部38Bを備えたことで、ロータ21と磁気センサ40との間の距離が安定し、磁気センサ40による検出精度が向上するという効果も奏する。さらには、複数のガタ止め部38Bは、複数の方向からロータケース22に当接するので、ステータ30とロータケース22との間のガタが二次元的に抑えられる。しかも、複数のガタ止め部38Bは、ステータ30の樹脂部分に一体形成されているので、複数のガタ止め部38Bを設けるための製造コストが抑えられる。
【0040】
[第2実施形態]
本実施形態は、図8及び図9に示されており、ステータ30に設けられるガタ止用かしめ突部39Aの形状が前記第1実施形態のガタ止用かしめ突部38Aとは異なり(図6図8参照)、ガタ止用かしめ突部39Aを熱かしめしてなるガタ止め部39Bも前記第1実施形態のガタ止め部38Bとは異なる(図7(B)、図9(B)参照)。以下、本実施形態のうち第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
【0041】
図8に示すように、ガタ止用かしめ突部39Aは、ステータ30の樹脂部分に一体形成され、ステータ30の内縁部から上方に起立する円筒体の周方向の一部を除去して側面開口39Kを備えた形状になっている。また、ガタ止用かしめ突部39Aの側面開口39Kの両側の開口縁からは、1対の三角リブ39Rが半径方向の外側に張り出してステータ本体33の上面に接続されている。そして、1対の三角リブ39Rの間に支持壁37が配置されている。また、ガタ止用かしめ突部39Aの内側面39Mは、ステータ30の内側面30Mと面一になって連続している。
【0042】
ステータ30が前記実施形態で説明したケース部61内に固定されると、図9(A)に示すように、ガタ止用かしめ突部39Aは、ロータケース22により上方に僅かに突出した状態になる。そして、熱かしめツールG2によってガタ止用かしめ突部39Aの上端部が熱かしめされる。その熱かしめツールG2は、例えば、平面形状が円形をなし、外縁部には、下方に向かうに従って拡径するテーパー部G3が備えられている。そして、そのテーパー部G3がガタ止用かしめ突部39Aの上部に上方から押し付けられることで、ガタ止用かしめ突部39Aの上部が窄むように熱かしめされてロータケース22に側方から当接する縮径部39Cが形成される。これにより、ガタ止用かしめ突部39Aが、縮径部39Cと、ロータケース22には当接せずにロータケース22の外側に嵌合される嵌合部39Dとを備えたガタ止め部39Bになる。
【0043】
[第3実施形態]
本実施形態は、図10(A)に示されており、ガタ止め部45Bは、ステータ30の上面から起立してロータケース22の外側に隙間を空けて嵌合される嵌合部45Dと、その嵌合部45Dの軸方向の途中位置が縮径されてロータケース22に側方から当接する縮径部45Cとを備えている。このガタ止め部45Bは、前記第2実施形態のガタ止用かしめ突部39Aから1対の三角リブ39Rを除去した構造のガタ止用かしめ突部をステータ30に設けておき、そのガタ止用かしめ突部の軸方向の途中位置を熱かしめツールG4にて側方から締め付けるように熱カシメすることで形成される。
【0044】
[第4実施形態]
本実施形態は、図10(B)に示されており、ガタ止め部46Bは、前記第1実施形態のガタ止め部38Bと同様に、ステータ30の上面内縁部の複数位置に配置されている。そして、各ガタ止め部46Bは、ステータ30の上面から突出する突部に上面開放のテーパー孔46Tを有した形状をなしている。また、ステータ30の側面は、テーパー孔46Tに対応して上方に向かうに従って外側に拡径していて、その一部がロータケース22に当接している。このガタ止め部45Bは、前記第1実施形態のガタ止用かしめ突部38Aに押し付ける熱かしめツールG5を、テーパー状に尖った形状にすることで、ガタ止用かしめ突部38Aから形成することができる。
【0045】
[第5実施形態]
本実施形態は、図10(C)に示されており、ガタ止め部47Bは、第2実施形態のガタ止め部39Bの嵌合部39Dと同様にロータケース22の外側に隙間を空けて嵌合される嵌合部47Dと、その嵌合部47Dの内側面の複数位置から内側に突出する複数の内面突部47Eとを備えた構造をなしている。このガタ止め部47Bは、前記第2実施形態のガタ止用かしめ突部39Aから1対の三角リブ39Rを除去した構造のガタ止用かしめ突部をステータ30に設けておくと共に、熱かしめツールG6に、下方に向かって先細りになるテーパー部を備えた複数のシャフト部を備えておく。そして、ガタ止用かしめ突部の外側面の複数位置の近傍に複数のシャフト部を降下させていき、それらのテーパー部によりガタ止用かしめ突部を側方から押圧することで、内面突部47Eが形成されてガタ止用かしめ突部がガタ止め部47Bになる。
【0046】
[第6実施形態]
本実施形態は、図11及び図12に示されており、第1~第5実施形態では、ロータケース22とステータ30とのガタつきを、熱かしめにより形成されたガタ止め部38B、39B等により抑えているのに対し、本実施形態では、ロータケース22とステータ30とのガタつきを、ガタ止め突部48をロータケース22で押し潰すことで抑えている。以下、本実施形態のうち第2実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
【0047】
図11に示すように、ステータ30は、第2実施形態のガタ止用かしめ突部39Aと同形状の筒部39を備え、その筒部39の内側面に複数のガタ止め突部48が備えられている。具体的には、複数のガタ止め突部48は、筒部39の内側面39Mを周方向で三等分する3箇所に配置されて、筒部39の上下方向の全体に亘って延びる突条形状をなしている。また、複数のガタ止め突部48は、図12(A)に示すように、内側への突出量がステータ30とロータケース22との間の嵌合隙間Sより大きくなっている。これにより、図12(B)に示すように、筒部39がロータケース22の外側に嵌合されると、複数のガタ止め突部48がロータケース22の側面に押し潰されてステータ30とロータケース22との間のガタが抑えられ、異音の発生が抑えられる。なお、第2実施形態のガタ止用かしめ突部39Aはロータケース22の上端部より上方に突出しているのに対し、本実施形態の筒部39の上端部はロータケース22の上端部より下方に位置している。
【0048】
なお、筒部39は、ステータ30の上端面から突出したものに限らず、例えば、ステータ30の内側面を覆う樹脂の被膜によって構成されていてもよい。また、筒部39は、図11に示すように、周方向の一部が切り欠かれていてもよいし、例えば、円筒状でも角筒状であってもよい。ガタ止め突部48は、筒部39の内側面の軸方向全域に限らず、一部にのみ(例えば、基端部のみ、途中位置のみ又は先端部のみ)形成されていてもよいし、ステータ本体33の内側面30Mにも形成されていてもよい。また、ガタ止め突部48は、軸方向で突出量が異なっていてもよく、例えば、筒部39の基端部に比べて先端部の方が突出量が大きくなっていてもよい。さらに、ガタ止め突部48は、ステータ30の軸方向に延びる突条が好ましいが、例えば、半球状の突部や、角錐状の突部であってもよく、またガタ止め突部48の数は、1つでも複数でもよい。また、ガタ止め突部48は、ステータ30ではなく、ロータケース22に形成されていてもよく、樹脂製に限らず、金属製であってもよい。
【0049】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、本開示の「回転機」としてのモータ20Mを駆動源として有する電動弁10を例に本開示の技術を説明したが、本開示の技術は、回路基板80及びベース部材90の何れかを備えない電動弁や、電動弁以外のものに使用されるモータに適用してもよい。また、電動弁10は、流量を制御するものに限らず、例えば、開閉するだけのものであってもよい。さらに、モータ20Mは、ステッピングモータであったが、それ以外のモータであってもよい。さらには、回転機としての発電機に本開示の技術を適用してもよい。
【0050】
(2)上記実施形態では、蓋体23がロータケース22の上端部に溶接又は蝋付けされ、この接続部分の張出量も考慮にいれて嵌合隙間Sが設けられている例を説明したが、例えば、蓋体23がロータケース22に、圧入、螺合又は係合されてロータケース22より側方に張り出すことがない場合に本開示の技術を適用してもよい。また、例えば、蓋体23を有しない場合や、ロータケース22が上端有底の筒体で蓋体23が一体になっている場合に本開示の技術を適用してもよい。
【0051】
(3)前記第1実施形態では、ガタ止め部38Bは、複数であったが1つでもよい。
【0052】
(4)第1~第5の実施形態のガタ止め部38B,39B,45B,46B,47Bは、ガタ止用かしめ突部38A,39A等に対する熱かしめによって形成されていたが、熱かしめではなく、図13に示すように、例えば、ステータ30とは別の部品をステータ30にネジ止めしてガタ止め部38B,39B等を形成してもよい。また、ステータ30の上面に設けた孔に別部品を圧入固定や係合等によって固定してガタ止め部を形成してもよい。さらには、別の部品をネジ止め又は圧入して熱かしめによってガタ止め部38B,39B等を形成してもよい。
【0053】
(5)前記第1実施形態のケース部61は、直方体状であったが、これ限定されるものではなく、円筒形状や球状やその他の異形状であってもよい。また、ステータ30は、ケース部61に熱かしめにより固定されていたが、振動溶着やネジ等によって固定されていてもよい。
【0054】
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、これら特徴群は、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0055】
[特徴1]
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、前記ステータ(30)の一端部に設けられて、前記ステータ(30)の内側面(30M)の延長面より内側に突出し、前記ロータケース(22)に側方から当接する熱可塑性樹脂製のガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)を備える回転機(20M)。
【0056】
[特徴2]
前記ガタ止め部(38B)は、前記ロータケース(22)の軸方向に突出する1又は複数の突部(38B)を有し、前記突部(38B)の側部が前記ロータケース(22)の側面に当接している請求項1に記載の回転機(20M)。
【0057】
[特徴3]
前記ガタ止め部(39B,45B)は、前記ステータ(30)の前記一端部から起立し、前記ロータケース(22)の外側に隙間を空けて嵌合される嵌合部(39D,45D)と、前記嵌合部(39D,45D)から窄まる形状をなして前記ロータケース(22)に側方から当接する縮径部(39C,45C)と、を有する請求項1に記載の回転機(20M)。
【0058】
[特徴4]
前記縮径部(39C)は、前記嵌合部(39D)の先端に設けられている請求項3に記載の回転機(20M)。
【0059】
[特徴5]
前記縮径部(45C)は、前記嵌合部(45D)の軸方向の途中部分に設けられている請求項3に記載の回転機(20M)。
【0060】
[特徴6]
前記ステータ(30)は、前記一端部の全体を樹脂で覆われ、前記ガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)は、前記樹脂に一体形成されている請求項1に記載の回転機(20M)。
【0061】
[特徴7]
前記ガタ止め部(38B,39B)は、前記ステータ(30)に固定される前記ステータ(30)とは別部品で構成されている請求項1に記載の回転機(20M)。
【0062】
[特徴8]
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、前記ステータ(30)の一端部に設けられて熱かしめされ、前記ステータ(30)との嵌合隙間によるガタを抑えるように前記ロータケース(22)に当接するガタ止め部(38B,39B,45B,46B,47B)を備える回転機(20M)。
【0063】
[特徴9]
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)において、前記ステータ(30)に設けられ、前記ロータケース(22)に嵌合される樹脂製筒部(39)と、前記樹脂製筒部(39)の内面から突出し、前記ロータケース(22)に当接して押し潰されるガタ止め突部(48)と、を備える回転機(20M)。
【0064】
[特徴10]
請求項1から9の何れか1の請求項に記載の回転機(20M)を駆動源として備える電動弁(10)。
【0065】
[特徴11]
前記ステータ(30)及び前記ロータケース(22)に対し、前記ロータケース(22)の軸方向から対向する回路基板(80)と、前記ステータ(30)から前記ロータケース(22)の軸方向に突出し、前記回路基板(80)に対して貫通した状態で固定される複数のピン(35)と、前記ステータ(30)及び前記回路基板(80)を収容し、前記ロータケース(22)が貫通する貫通孔(60H)を有するカバー(60)と、前記ロータケース(22)のうち前記回路基板(80)と反対側の端部が芯出された状態で固定されて、前記ロータ(21)と連動する弁体(26A)を支持する弁体支持部材(24)と、前記弁体支持部材(24)が芯出しされた状態で固定され、前記弁体(26A)を受容する流路(91)を備えるベース部材(90)と、前記ベース部材(90)及び前記カバー(60)の一方から張り出し、他方に締結される連結片(72)と、を備える請求項10に記載の電動弁(10)。
【0066】
[特徴12]
ロータ(21)を収容するロータケース(22)と、前記ロータケース(22)の外側に嵌合されるステータ(30)とを有する回転機(20M)の製造方法において、前記ステータ(30)の端面に熱可塑性樹脂製のかしめ突部(38A,39A)が設けられ、前記ステータ(30)が前記ロータケース(22)に嵌合されてから、前記かしめ突部(38A,39A)が熱かしめされて、前記ステータ(30)と前記ロータケース(22)との嵌合隙間(S)によるガタを抑えるように前記ロータケース(22)に当接するガタ止め部(38B,39B)が形成される回転機(20M)の製造方法。
【0067】
[特徴13]
請求項11に記載の電動弁(10)を製造する電動弁(10)の製造方法において、前記ステータ(30)が前記カバー(60)に収容されて前記ロータケース(22)の外側に嵌合される嵌合工程と、前記ステータ(30)の一端面に設けられる樹脂製のかしめ突部(38A,39A)が前記カバー(60)に差し込まれる熱かしめツール(G1,G2,G4,G5,G6)により熱かしめされて前記ガタ止め部(38B,39B)が形成される熱かしめ工程と、前記カバー(60)に前記回路基板(80)が収容され、前記複数のピン(35)が前記回路基板(80)に貫通した状態で前記回路基板(80)を前記カバー(60)に固定する基板収容工程と、を含む電動弁(10)の製造方法。
【0068】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0069】
10 電動弁
20 電動弁本体
20M モータ(回転機)
21 ロータ
22 ロータケース
24 弁体支持部材
26A 弁体
30 ステータ
30M 内側面
35 バスバー
38A,39A ガタ止用かしめ突部
38B,39B,45B,46B,47B ガタ止め部
39 筒部(樹脂製筒部)
39C,45C 縮径部
39D,45D 嵌合部
48 ガタ止め突部
60 カバー
60H 貫通孔
72 垂下片(連結片)
80 回路基板
90 ベース部材
91 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13