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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117154
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】仕切部材
(51)【国際特許分類】
   A47B 65/00 20060101AFI20240822BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47B65/00 602Z
A47F5/00 G
A47B65/00 603A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023082
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】520142376
【氏名又は名称】株式会社JTR
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】石田 大樹
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA32
(57)【要約】
【課題】構造の複雑さを回避することによって、強度や用途の面で優れた仕切部材100を提供する。
【解決手段】平面状態と直交状態とが可能な第1本体10と第2本体20とが一体成形された可撓性を有する樹脂製の仕切部材100であって、第1本体10は、仕切部材100本体の使用時に、第2本体20との境界部40で第1本体10の面方向に対して角度をもって延在する幾つかの凸部11を備え、第2本体20は、境界部40に隣接する幾つかの空洞部21を備え、凸部11が空洞部21の周辺で第2本体20の外面を受けて前記直交状態が保持されるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状態と直交状態とが切替可能な第1本体と第2本体とが一体成形された可撓性を有する樹脂製の仕切部材であって、
前記第1本体は、仕切部材本体の使用時に、前記第2本体との境界部で当該第1本体の面方向に対して角度をもって延在する幾つかの凸部を備え、
前記第2本体は、前記境界部に隣接する幾つかの空洞部を備え、
前記凸部が前記空洞部の周辺で前記第2本体の外面を受けて前記直交状態が保持される仕切部材。
【請求項2】
前記第1本体又は前記第2本体に隣接する第3本体を備える、請求項1記載の仕切部材。
【請求項3】
更に、前記直交状態の保持を補強する補強部が装着可能である、請求項1記載の仕切部材。
【請求項4】
更に、仕切部材本体の使用時の底面に設置部材を備える、請求項1記載の仕切部材。
【請求項5】
前記直交状態とする際に、前記空洞部を通された前記凸部の先端が、前記空洞部に隣接する部位と噛み合うことによって前記第2本体の外面を受ける、
請求項1記載の仕切部材。
【請求項6】
前記直交状態としてから、前記凸部に前記角度を付与して当該凸部の先端で前記第2本体の外面を受ける、
請求項1記載の仕切部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕切部材に関し、特に、書籍自体や何らかの物品が内包された段ボール等の包装体を含む種々の物品間を仕切る仕切部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、形状保持用の別部材を要すること無く、折曲げ加工可能な厚紙等のシートの展開板のみからL字形状を確実に保持可能に製作される商品陳列用仕切板が開示されている。この仕切板は、底板に、折曲げラインの途中領域を越えて仕切板本体に侵入する形状の突片を仕切板本体に切目を設けて形成すると共に、折目を折曲げラインに突片を残して形成し、底板の奥行方向の端部に、L字形状の折曲げ状態で、折曲げ操作により仕切板本体に接面し得る形状の係入片を突設すると共に、仕切板本体に、係入片が係入される係入溝を形成する。仕切板本体には、告知板が前方へ突設される、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-042705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された商品陳列用仕切板は、構造が複雑であるから、組み立ても面倒である。また、構造が複雑であるということは、選定し得る材料が限定的であり、特許文献1では、薄い合成樹脂シートや薄めのダンボールを材料とできることも記載されているが、そこで想定されている材料は、厚紙に準じた厚さでなければならないと考えられる。
【0005】
そうであれば、その商品陳列用仕切板が予定している強度というのは相対的に低く、したがって、例えばその用途等も限定的にならざるを得ないと思われる。
【0006】
そこで、本発明は、構造の複雑さを回避することによって、強度や用途の面で優れた仕切部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の仕切部材は、
平面状態と直交状態とが切替可能な第1本体と第2本体とが一体成形された可撓性を有する樹脂製の仕切部材であって、
前記第1本体は、仕切部材本体の使用時に、前記第2本体との境界部で当該第1本体の面方向に対して角度をもって延在する幾つかの凸部を備え、
前記第2本体は、前記境界部に隣接する幾つかの空洞部を備え、
前記凸部が前記空洞部の周辺で前記第2本体の外面を受けて前記直交状態が保持される。
【0008】
前記第1本体又は前記第2本体に隣接する第3本体を備えることもできる。
【0009】
更に、前記直交状態の保持を補強する補強部が装着可能であるとよい。
【0010】
更に、仕切部材本体の使用時の底面に設置部材を備えることもできる。
【0011】
前記直交状態とする際に、前記空洞部を通された前記凸部の先端が、前記空洞部に隣接する部位と噛み合うことによって前記第2本体の外面を受けることもできる。
【0012】
前記直交状態としてから、前記凸部に前記角度を付与して当該凸部の先端で前記第2本体の外面を受けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1の仕切部材100の未使用状態等の表面斜視図である。
図2図1の仕切部材100の裏面斜視図である。
図3図1等に示す仕切部材100の使用状態の正面図である。
図4図1等に示す仕切部材100の使用状態の平面図である。
図5】図等に示す仕切部材100の使用状態の背面図である。
図6図1等に示す仕切部材100の使用状態の底面図である。
図7図1等に示す仕切部材100の使用状態の左側面図である。
図8図1等に示す仕切部材100の使用状態の右側面図である。
図9図3に示す仕切部材100の使用状態の左上斜視図である。
図10図5に示す仕切部材100の使用状態の左上斜視図である。
図11】本発明の実施形態2の仕切部材100の未使用状態等の表面斜視図である。
図12図11に示す状態から使用状態の形態に変更途中の仕切部材100の裏面斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
10 第1本体
11 凸部
12 噛合部
13 切欠部
14 Lアングル収容部
15 突起部
16 スロープ部
17 取付部
18a 凸部
18b 嵌合部
19a 輪部
19b 貫通穴
20 第2本体
21 空洞部
22 噛合部
23 切欠部
24 Lアングル収容部
25 突起部
26 スロープ部
27 取付部
30 第3本体
39a 凸部
39b 孔部
39c 嵌合部
40 境界部
50 境界部
100 仕切部材
【発明の実施の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の仕切部材100について説明する。なお、本明細書における上・下・左・右・表・裏などの方向性を示す表記は、仕切部材100の典型的に想定される使用時を基準とした相対的なものである点に留意されたい。
【0016】
<実施形態1>
図1及び図2は、本発明の実施形態1の仕切部材100の未使用状態等の表面斜視図及び裏面斜視図である。図1及び図2には、仕切部材100の搬送時を含む未使用時に採られ得る平面状態の仕切部材100を、部分拡大図とともに示している。
【0017】
仕切部材100は、可撓性を有する樹脂としている。具体的な材料としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、塩化ビニール樹脂、バイオマス樹脂を用いることができる。
【0018】
本明細書では、一例として、プライムポリマー社のポリプロピレン樹脂「J707G」を用い、その場合に採用し得るものとして、括弧内に例示する寸法を例示する。なお、この樹脂は、曲げ強度(引張弾性率)が1300Mpa、23℃時の耐衝撃(シャルビー衝撃強さ)が8.0KJ/mである。
【0019】
図3図8は、図1図2に示す仕切部材100の使用状態の六面図である。図3には正面図、図4には平面図、図5には背面図、図6には底面図、図7には左側面図、図8には右側面図、をそれぞれ示し、図8には部分拡大断面図も付記している。
【0020】
図9は、図3図8に示す仕切部材100の使用状態の左上斜視図であり、部分拡大図も付記している。図10は、図3図8に示す仕切部材100の使用状態の左下斜視図である。
【0021】
図1図10に示すように、仕切部材100は、第1本体10と、第2本体20と、第3本体30と、に大別される。第1本体10と第2本体20との間には、それらを相互に連結する境界部40が形成されている。第2本体20と第3本体30との間には、それらを相互に連結する境界部50が形成されている。仕切部材100は、第1本体10と第2本体20と第3本体30とが、射出又は真空注型等によって一体成形されている。
【0022】
仕切部材100は、その使用時に、図1図2に示す平面状態から、第1本体10と第2本体20とを境界部40で回動させ、図3図10に示す直交状態に切り替えて使用する。以下、本明細書では、主として、第1本体10を底面とした使用形態を前提にして説明するが、第2本体20を底面とした使用も可能である。
【0023】
第1本体10は、仕切部材100の大きさや強度等によっても異なるが、一例を挙げると、仕切部材100の使用時の奥行(長辺)が150mm~200mm(例えば180mm)、仕切部材100の使用時の幅(短辺)が75mm~85mm(例えば80mm)、後述するリブ高さを含む厚さ1.5mm~2.5mm(例えば2.0mm)の外形サイズとすることができる。
【0024】
もっとも、仕切部材100は、その用途や使用態様等に応じて寸法を変更してもよい。或いは、例えば大型のものを用いることに代えて、奥行方向に複数並べて使用してもよいし(その場合には、後述するように第3本体30を切断すればよい。)、仕切部材100を相互に奥行方向に連結可能な構成としてもよい(その場合には、例えば第1本体10及び/又は第2本体20における、仕切部材100の使用時の手前側及び奥側の両辺に凹凸機構を設けるなどすればよい。)。
【0025】
図1等に示すように、第1本体10は、境界部40の延在位置で例えば4つの凸部11を備えている。本実施形態では、各凸部11は、第1本体10の面方向に対し、直交方向に延在している(図1でいうと図面左上に向けて突出している)。各凸部11及び以下説明する噛合部12は、第1本体10と第2本体20との直交状態を、後述する空洞部21及び噛合部22とともに保持するためのものである。
【0026】
凸部11の数や大きさは、仕切部材100の大きさや強度等によって決定すればよいが、一例を挙げると、仕切部材100の使用時の高さを10mm~20mm(例えば1.6mm)、仕切部材100の使用時の奥行(幅)を8mm~15mm(例えば12mm)、厚さを1.2mm~1.8mm(例えば1.5mm)とすることができる。
【0027】
図1の部分拡大図等に示すように、各凸部11の先端には、噛合部12が形成されている。各噛合部12は、各凸部11本体に対して第1本体10側を段差構造とすることによって実現している。具体的には、各噛合部12の厚みは、各凸部11本体の厚みの例えば2/3程度の厚さ(例えば1.5mm)とすることができる。
【0028】
仕切部材100の使用時には、第1本体10の噛合部12と第2本体20の噛合部22とが対向する態様で面接触により噛み合って、第1本体10と第2本体20との直交状態の保持が実現される(図8の部分拡大断面図及び図9の拡大図参照)。
【0029】
図1の部分拡大図等に示すように、第1本体10は、凸部11の基端部の両脇に切欠部13が形成されている。切欠部13は、凸部11にばね性を持たせる機能を有する。そのばね性は、例えば、凸部11の幅、凸部11の先端部に位置する噛合部12の高さや厚さなどを適宜設定することによっても得られるので、切欠部13を形成することは必須ではない。
【0030】
図2の部分拡大図等に示すように、第1本体10は、その裏面に形成された例えば2つのLアングル収容部14を備えている。各Lアングル収容部14は、第1本体10と第2本体20との直交状態の保持を補強する際に用いる、LアングルL1,L2(図6)を受けるものである。第1本体10のLアングル収容部14は、境界部40を通じて、第2本体20のLアングル収容部24と一体的に形成されている。
【0031】
Lアングル収容部14,24の各端部には、それぞれ、LアングルL1,L2を受ける円柱状の受け部15,25が形成されている。LアングルL1,L2は、その両端に例えば丸孔が形成されており、それらの丸孔に受け部15,25を嵌め込むことによって装着できるようにしている。
【0032】
もっとも、LアングルL1,L2は、仕切部材100の用途や使用態様等に応じて用いるか否かを決定すればよく、それを用いることは必須ではない。したがって、Lアングル収容部14,24を形成することも必須ではない。例えば、何らかの物品が内包された段ボール等の包装体を仕切る場合には、LアングルL1,L2は必ずしも使用しなくてもよい。
【0033】
LアングルL1,L2を使用することが好適な場合としては、例えば、安定した起立状態となりにくい物品を仕切る場合が挙げられる。LアングルL1,L2を使用していれば、当該物品が第2本体20に寄りかっても、その応力によって噛合部12,22の噛み合いが維持できなくなって第1本体10と第2本体20との直交状態が保持できなくなるということが防止できる。当該物品の具体例としては頁数の少ない書籍などが考えられ、したがって、仕切部材100をブックエンドとして使用する場合にはLアングルL1,L2を使用するとよい。
【0034】
なお、Lアングル収容部14,24に対するLアングルL1,L2の装着は、上記の装着例の態様に限定されず、例えば、LアングルL1,L2に突起部を形成するとともに、Lアングル収容部14,24に丸孔を形成して、当該突起部を当該丸孔に圧入等して装着を実現してもよいし、例えば、図3図8に示すような使用状態のままの形態とすることが多いのであれば、LアングルL1,L2とLアングル収容部14,24とを接着剤を用いて固着することによって装着を実現してもよい。
【0035】
図2図5図6図8等に示すように、第1本体10、第2本体20及び第3本体30の裏面には、その大半にリブ面を形成している。これにより、第1本体10等に反りが生じにくくなり、また、第1本体10等の曲げ強度も確保することができ、さらには、材料の使用量を減らすことで、仕切部材100の軽量化及び低廉化を図っている。
【0036】
図1図4等に示すように、第1本体10は、第2本体20及び第3本体30と隣接する辺以外の辺の縁部に、スロープ部16が形成されている。スロープ部16は、第1本体10上に物品が載置される場合を考慮して、その載置時又はその前後に物品底面に局所的に負荷がかからないように面取りしたような形状としたものである。スロープ部16は、第1本体10の厚さにもよるが、底面から半分程度の高さから、底面に対して30°程度の角度をもった傾斜面となるようにすればよい。
【0037】
図2図6等に示すように、第1本体10は、その裏面に例えば3つの取付部17が設けられている。各取付部17は、磁石、粘着剤、ラバー等の設置部材が選択的に取り付けられる部位である。仕切部材100を例えばスチール棚にて使用する場合には、取付部17に磁石を取り付けると好適である。仕切部材100を例えば木棚にて使用する場合には、取付部17に所定の摩擦力を有する粘着剤やラバー等を取り付けると好適である。
【0038】
なお、各取付部17には、同じ種別の設置部材を取り付けなければならないわけではなく、例えばスチール棚と木棚との双方に好適に用いることができるように、例えば磁石とラバーとの双方を取り付けてもよい。もっとも、設置部材を使用することは必須ではなく、したがって取付部17を設けることも必須ではない。
【0039】
図3図10等に示すように、第2本体20は、仕切部材100の使用時に境界部40で第1本体10に対して直交状態となる部位である。第2本体20は、仕切部材100の大きさや強度等によっても異なるが、一例を挙げると、短辺(仕切部材100の使用時の高さ)が120mm~180mm(例えば150mm)、長辺(仕切部材100の使用時の幅)が75mm~85mm(例えば80mm)、リブ高さを含む厚さ1.5mm~2.5mm(例えば2.0mm)の外形サイズとすることができる。
【0040】
図1等に示すように、第2本体20は、境界部40に隣接して幾つかの空洞部21が形成されている。空洞部21及び以下説明する噛合部22は、第1本体10と第2本体20との直交状態を、凸部11とともに保持するためのものである。
【0041】
空洞部21の数や大きさは、凸部11に応じてすなわち仕切部材100の大きさや強度等によって決定すればよいが、一例を挙げると、仕切部材100の使用時の高さを10mm~20mm(例えば15mm)、仕切部材100の使用時の奥行(幅)を8mm~15mm(例えば12mm)、厚さを1.2mm~1.8mm(例えば1.5mm)とすることができる。
【0042】
図1の部分拡大図等に示すように、各空洞部21の使用時に上側となる位置に、各々噛合部22が形成されている。各噛合部22は、第2本体20の裏面側を段差構造としており、各凸部11の本体の厚みと同じ厚みの基端部と、当該厚みの例えば1/3程度の厚さ(例えば0.5mm)の先端部とを含む。
【0043】
仕切部材100の使用時には、空洞部21を通された凸部11の噛合部12と空洞部21の上側に位置する噛合部22とが噛み合うことによって、第1本体10の凸部11は第2本体20の外面(裏面)を受け、第1本体10と第2本体20との直交状態が保持される(図8の部分拡大断面図及び図9の拡大図参照)。
【0044】
図1の部分拡大図等に示すように、第2本体20は、噛合部22の両脇に切欠部23が形成されている。切欠部23は、噛合部22にばね性を持たせる機能を有する。そのばね性は、例えば、噛合部22の高さや厚さを適宜設定することによっても得られるので、切欠部23を形成することは必須ではない。
【0045】
図2の部分拡大図等に示すように、第2本体20は、その裏面に既述のLアングル収容部14と一体的なLアングル収容部24が形成され、既述の受け部15と一対の受け部25も形成されている。念のため付言すると、Lアングル収容部24及び受け部25が選択的に形成されるものであり、必須のものでないことは、Lアングル収容部14及び及び受け部15の場合と同じである。
【0046】
図1図3等に示すように、第2本体20は、第1本体10と隣接する辺以外の辺の縁部に、スロープ部26が形成されている。スロープ部26は、第1本体10上であって第2本体20自体の近傍に物品が載置される場合を考慮して、その載置前後に第2本体20との接触によって物品の対向面が損傷することを防止するために面取りしたような形状としたものである。スロープ部26は、例えばスロープ部16と同条件で形成すればよい。
【0047】
なお、第2本体20は、両上角部も面取りしたような六角形状をしているが、これにより、スロープ部26を形成した場合と同じく物品の対向面が損傷することを防止でき、加えて、材料の使用量を減らせるので仕切部材100の軽量化及び低廉化を図ることもできる。
【0048】
図2図5等に示すように、第2本体20は、それが仕切部材100の使用時の底面となる場合にも対応し得るように、裏面に取付部27が設けられている。すなわち、取付部27は、取付部17と同様の目的で設けられているが、取付部17の場合と同様に取付部27を設けることも必須ではない。
【0049】
図3図10等に示すように、第3本体30は、仕切部材100の使用時に境界部50で第1本体10に対して直交状態となる部位である。なお、第3本体30は、第1本体10に隣接する部位とするのではなくて、第2本体20に隣接する部位としてもよく、この場合、境界部50は、第2本体20と第3本体30との間に位置することになる。第3本体30は、例えば図9図10に示すように、第1本体10に対する第2本体20の回動方向とは反対向きに回動させられるように構成している。
【0050】
第3本体30は、その典型的な使用をする場合に、仕切部材100の奥行位置を規定するものである。すなわち、仕切部材100は、第3本体30の裏面が、スチール棚などの棚板前面に接するようにして使用することができる。また、第3本体30は、境界部50で回動させずに使用して、例えば仕切対象の物品の名称ラベルを貼付して目印とすることも可能である。
【0051】
図11は、第1本体10と第3本体30との境界部50付近の説明図である。第1本体10は、例えば2つの嵌合部18bを有する第1部位18aが裏面側に形成され、中央部に貫通穴19bを有する第2部位19aが表面側に形成されている。第3本体30は、仕切部材100の使用時に第1本体10と第3本体30との直交状態の保持するために、第1本体10の嵌合部18bが嵌合される孔部39bが裏面側に形成され、第1本体10の貫通穴19bに嵌合される嵌合部39cが裏面側に形成された、第3部位39aを備えている。
【0052】
嵌合部18b及び貫通穴19bの数や大きさは、仕切部材100の大きさや強度等によって決定すればよいが、一例を挙げると、嵌合部18bについては、突出長(短辺長)を例えば1mm、突出幅(長辺長)を例えば2.5mm、厚さを例えば0.6mmとすることができ、貫通穴19bについては、長辺長を例えば6mm、短辺長を例えば1mm、深さを例えば1mmとすることができる。
【0053】
孔部39b及び嵌合部39cの数や大きさも、仕切部材100の大きさや強度等によって決定すればよいが、一例を挙げると、孔部39bについては、突出長(短辺長)を例えば0.9mm(図示している凸部を除くと0.6mm)、突出幅(長辺長)を例えば2.8mm、深さを例えば0.7mmとすることができ、嵌合部39cについては、長辺長を例えば5.7mm、短辺長を例えば0.5mm、厚さを例えば0.6mmとすることができる。
【0054】
なお、第1本体10と第2本体20との境界部40側を、図11の部分拡大図に示すような構造で直交状態を維持できるようにすることも可能であるし、第1本体10と第3本体30との境界部50側を、図9の部分拡大図に示すような構造で直交状態を維持できるようにすることも可能である。
【0055】
境界部40は、第1本体10と第2本体20との境界に位置する部位である。境界部40は、その延在方向に対する直交断面が、第1本体10及び第2本体20の表面側からも裏面側からもV字状乃至U字状とされている。このため、第1本体10と第2本体20とを、境界部40で回動させることが可能となる。境界部50についても同様である。
【0056】
なお、第3本体30の使用が不要である場合には、ハサミを用いるなどして境界部50を切断してもよく、それを容易に実現できる程度に境界部50を肉薄(例えば0.5mm)とすることも一法である。
【0057】
<実施形態2>
図12は、本発明の実施形態2の仕切部材100の使用状態の形態に変更途中の仕切部材100の裏面斜視図である。図12において、図1等に示す部分と同様の部分には同一符号を付している。
【0058】
実施形態2の仕切部材100は、第1本体10と第2本体20との直交状態を保持するための凸部11等及び空洞部21等による構成を、実施形態1のものと変更している点が本質的な相違点である。
【0059】
なお、実施形態2の仕切部材100は、例えば、仕切部材100の使用時に第2本体20の上角部となる部分を面取りしたような形状とするのではなく略円弧状としたり、第2本体20におけるリブ形成面の構成態様を別のもの(実施形態1では籠目模様、実施形態2では格子模様)としたりしている点で、実施形態1のものとは僅かな相違があるが、これらの相違は本質的なものではなく、単に変形例を示す意図である点に留意されたい。
【0060】
図12に示す図1等との本質的ではない相違点については、実施形態1の仕切部材100において採用することができるし、反対に、図1等に示す図12との本質的ではない相違点については、実施形態2の仕切部材100において採用することもできる。
【0061】
実施形態2の仕切部材100は、まず、凸部11の形状が大きく相違する。図12に示す凸部11は、各々が第1本体10の面方向に対して起立するようなヒンジ構造の片部対とされている。ヒンジ構造は、例えば、片部対とその軸部との境界を肉薄とすることで実現すればよい。
【0062】
凸部11は、第1本体10と第2本体20とを境界部40で回動させてから、第1本体10の面方向に対して片部対を、仕切部材100の使用時に上側となる方向に回動させる。片部対の先端部位12は、第2本体20の外面に形成された一対の溝部22によって受けられる。なお、一対の溝部22は、図12に示すように平行となる態様で形成することが必須ではなく、例えば逆ハ字状に形成することもできる。
【0063】
以上、本明細書では、実施形態1,2の仕切部材100を例示して説明したが、本発明の仕切部材は、これらに限定されるものではなく、本発明の精神から逸脱しない限りにおいて、様々な変形をしたものも含まれる。
【0064】
具体的な変形例としては、例えば、第3本体30の形状及び大きさを例えば第2本体20のものと同じにして、境界部40,50を第1本体10の対辺に相互に平行となるように位置させ、仕切部材100の使用時に底面となる第1本体10の両長辺側で、第2本体20及び第3本体30を各々起立させて、概形がU字状となる仕切部材100とすることもできる。
【0065】
以上、本発明の仕切部材100は、明細書で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神から逸脱しない限りにおいて、様々な変形をしたものも含まれる。したがって、例えば、凸部11等及び空洞部21等によって実現される、第1本体10と第2本体20との直交状態を保持するための構成を境界部50側で採用したり、嵌合部18b等及び孔部39b等によって実現される、第1本体10と第3本体30との直交状態を保持するための構成を境界部40側で採用したりするといった変更も可能である(相互に上記各構成を入れ替える場合を含む。)。

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図12