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特開2024-117162キャッシュシステムおよびキャッシュ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117162
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】キャッシュシステムおよびキャッシュ方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/04 20060101AFI20240822BHJP
   G06F 16/172 20190101ALI20240822BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240822BHJP
【FI】
G08G1/04 D
G06F16/172
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023095
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋幸
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB13
5H181BB15
5H181CC04
5H181DD10
5H181FF33
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】多数のナンバープレート読取装置の処理結果のうち、ユーザが使う可能性の高い処理結果を優先的にキャッシュデータベースに蓄積することができるキャッシュシステムを提供する。
【解決手段】キャッシュシステムは、処理結果を処理結果蓄積データベースに保存するナンバープレート読取装置と、複数の前記処理結果の一部を保存するキャッシュデータベースと、前記処理結果に含まれる画像を撮影したときから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、前記一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるようにキャッシュ優先度を算出する優先度算出部と、前記キャッシュ優先度が閾値以上である処理結果を前記キャッシュデータベースに保存する記録処理部と、前記キャッシュ優先度が前記閾値未満である処理結果を前記キャッシュデータベースから削除する削除処理部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する車両を撮影してナンバープレート情報を読み取り、撮影した画像および読み取ったナンバープレート情報を含む処理結果を処理結果蓄積データベースに保存するナンバープレート読取装置と、
複数の前記処理結果の一部を一時的に保存するキャッシュデータベースと、
前記処理結果に含まれる画像を撮影したときから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、前記一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるように重みを付けて前記処理結果のキャッシュ優先度を算出する優先度算出部と、
前記キャッシュデータベースへ未保存の処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が予め定めた閾値以上である処理結果を前記キャッシュデータベースに保存する記録処理部と、
前記キャッシュデータベースへ保存済みの処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が前記閾値未満である処理結果を前記キャッシュデータベースから削除する削除処理部と、
を備えるキャッシュシステム。
【請求項2】
前記優先度算出部は、複数の前記処理結果それぞれのダウンロード回数を参照し、前記ダウンロード回数に応じた重みをさらに付けて、前記キャッシュ優先度を算出する、
請求項1に記載のキャッシュシステム。
【請求項3】
前記優先度算出部は、前記処理結果の異常の有無を示す異常発生情報を参照し、異常がない処理結果よりも、異常がある処理結果の方が大きな値となるように調整した重みをさらに付けて、前記キャッシュ優先度を算出する、
請求項1に記載のキャッシュシステム。
【請求項4】
前記優先度算出部は、複数の前記処理結果から推定される車両の走行経路が、予め定めた特定経路を含むか否かを示す経路情報を参照し、前記特定経路を走行していない車両の処理結果よりも、前記特定経路を走行した車両の処理結果の方が大きな値となるように調整した重みをさらに付けて、前記キャッシュ優先度を算出する、
請求項1に記載のキャッシュシステム。
【請求項5】
前記記録処理部は、前記キャッシュデータベースの使用率が予め設定した上限値以上である場合に、処理結果の保存を停止する、
請求項1に記載のキャッシュシステム。
【請求項6】
前記削除処理部は、前記キャッシュデータベースの使用率が予め設定した上限値以上である場合に、前記キャッシュデータベースへ保存済みの処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が最も低いものを削除する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のキャッシュシステム。
【請求項7】
走行する車両を撮影してナンバープレート情報を読み取り、撮影した画像および読み取ったナンバープレート情報を含む処理結果を処理結果蓄積データベースに保存するナンバープレート読取装置と、
複数の前記処理結果の一部を一時的に保存するキャッシュデータベースと、
を備えるキャッシュシステムを用いたキャッシュ方法であって、
前記処理結果に含まれる画像を撮影したときから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、前記一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるように重みを付けて前記処理結果のキャッシュ優先度を算出するステップと、
前記キャッシュデータベースへ未保存の処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が予め定めた閾値以上である処理結果を前記キャッシュデータベースに保存するステップと、
前記キャッシュデータベースへ保存済みの処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が前記閾値未満である処理結果を前記キャッシュデータベースから削除するステップと、
を有するキャッシュ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャッシュシステムおよびキャッシュ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば有料道路の料金所などには、車両のナンバープレートを撮影した画像からナンバープレート情報を取得するナンバープレート読取装置が設置されている。ナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報は、上位装置に送信され、たとえば各車両の経路を特定し、経路に応じた通行料金を収受するために用いられる。
【0003】
また、ナンバープレート読取装置が撮影した画像および読み取ったナンバープレート情報を含む処理結果は、通行料金の収受処理が正常で実施できなかった場合などに、確認用のデータとして、データサーバに蓄積される。有料道路の事業者(ユーザ)は、自身の端末装置からネットワーク経由でデータサーバにアクセスし、ダウンロードした処理結果を確認しながら後方処理を行う。後方処理は、たとえば、通行料金の収受処理ができなかった車両に対し、後日、通行料金を算出して請求を行う処理などである。
【0004】
データサーバに多数のデータが蓄積されている場合、ユーザが所望するデータを検索して読み出す処理に時間がかかる。このため、ネットワーク経由でデータを提供するサーバは、高速アクセス可能な記憶領域(キャッシュメモリ)にデータを一時保存することで、ユーザからのデータ要求に素早く応答するキャッシュシステムを有している(たとえば、特許文献1を参照)。特に、アクセス頻度の高いデータを優先的にキャッシュメモリに置くことで、サーバ全体の負荷を下げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-228140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ナンバープレート読取装置の処理結果は、ユーザによる後方処理(後日の通行料金の請求処理など)に用いられることから、読取処理の直後は、ある程度時間が経過するまで(たとえば半日~1日以上経過するまで)はアクセスされる可能性が低いといった特性や、一度アクセスされた(後方処理を完了した)ものについては、再度アクセスされる可能性が低いという特性を有している。このため、従来のキャッシュシステムでは、ユーザがアクセスする可能性の高い処理結果をキャッシュメモリに保存することが難しい。
【0007】
本開示の目的は、多数のナンバープレート読取装置の処理結果のうち、ユーザが使う可能性の高い処理結果を優先的にキャッシュデータベースに蓄積することができるキャッシュシステムおよびキャッシュ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によれば、キャッシュシステムは、走行する車両を撮影してナンバープレート情報を読み取り、撮影した画像および読み取ったナンバープレート情報を含む処理結果を処理結果蓄積データベースに保存するナンバープレート読取装置と、複数の前記処理結果の一部を一時的に保存するキャッシュデータベースと、前記処理結果に含まれる画像を撮影したときから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、前記一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるように重みを付けてキャッシュ優先度を算出する優先度算出部と、前記キャッシュデータベースへ未保存の処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が予め定めた閾値以上である処理結果を前記キャッシュデータベースに保存する記録処理部と、前記キャッシュデータベースへ保存済みの処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が前記閾値未満である処理結果を前記キャッシュデータベースから削除する削除処理部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様によれば、キャッシュ方法は、走行する車両を撮影してナンバープレート情報を読み取り、撮影した画像および読み取ったナンバープレート情報を含む処理結果を処理結果蓄積データベースに保存するナンバープレート読取装置と、複数の前記処理結果の一部を一時的に保存するキャッシュデータベースと、を備えるキャッシュシステムを用いたキャッシュ方法であって、前記処理結果に含まれる画像を撮影したときから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、前記一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるように重みを付けてキャッシュ優先度を算出するステップと、前記キャッシュデータベースへ未保存の処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が予め定めた閾値以上である処理結果を前記キャッシュデータベースに保存するステップと、前記キャッシュデータベースへ保存済みの処理結果のうち、前記キャッシュ優先度が前記閾値未満である処理結果を前記キャッシュデータベースから削除するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
上記態様によれば、多数のナンバープレート読取装置の処理結果のうち、ユーザが使う可能性の高い処理結果を優先的にキャッシュデータベースに蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るキャッシュシステムの全体構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態に係るキャッシュ管理処理の一例を示すシーケンス図である。
図5】一実施形態に係るステータステーブルの一例を示す図である。
図6】一実施形態に係る記録処理の一例を示すフローチャートである。
図7】一実施形態に係る優先度を説明するための第1の図である。
図8】一実施形態に係る優先度を説明するための第2の図である。
図9】一実施形態に係る優先度を説明するための第3の図である。
図10】一実施形態に係る優先度を説明するための第4の図である。
図11】一実施形態に係る削除処理の一例を示すフローチャートである。
図12】一実施形態に係るキャッシュ領域確保処理の一例を示すフローチャートである。
図13】一実施形態に係る検索処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(キャッシュシステムの全体構成)
図1は、一実施形態に係るキャッシュシステムの全体構成を示す図である。
本実施形態に係るキャッシュシステム1は、有料道路の料金所などに設置されたナンバープレート読取装置51の処理結果を蓄積するためのシステムである。キャッシュシステム1のユーザは、たとえば、有料道路を運営する事業者や、違反車両などの追跡を行う取締機関(警察など)である。
【0013】
路側装置5は、ナンバープレート読取装置51と、センサ52とを備える。
【0014】
ナンバープレート読取装置51は、道路(料金所の車線)の特定位置を走行する車両を撮影した画像から、車両のナンバープレート上に表記されたナンバープレート情報(地名、分類番号、記号、一連番号など)を読み取る。
【0015】
料金所に複数の車線がある場合には、1つの車線に対して1台のナンバープレート読取装置51が設置される。各ナンバープレート読取装置51は、自身が設置された車線の特定位置を走行する車両を撮影して、ナンバープレート情報を読み取る。
【0016】
なお、他の実施形態では、複数の車線に対して1台のナンバープレート読取装置51が設置されてもよい。この場合、ナンバープレート読取装置51は、各車線の特定位置を走行する車両を撮影して、ナンバープレート情報を読み取る。
【0017】
センサ52は、ナンバープレート情報以外の車両に関する情報(センサ情報)を取得するための装置である。
【0018】
センサ52は、たとえば道路の特定位置を走行する車両を検出する車両検知器である。ナンバープレート読取装置51は、車両検知器が車両を検出したタイミングで撮影を行うことで、ナンバープレートが鮮明に写された画像を取得することができるので、ナンバープレートの読取精度を向上させることができる。
【0019】
また、図1に示すように、キャッシュシステム1は、処理結果蓄積データベース(DB)2と、キャッシュデータベース(DB)3と、処理装置4と、端末装置6とを備える。
【0020】
処理結果蓄積DB2は、ナンバープレート読取装置51から処理結果D1を収集して蓄積するデータベースである。たとえば、処理結果D1には、ナンバープレート読取装置51が撮影した画像や読み取ったナンバープレート情報が含まれる。
【0021】
キャッシュDB3は、処理結果蓄積DB2に蓄積される処理結果のうち、一部を一時的に保存する。キャッシュDB3は、処理結果蓄積DB2と比較して、記憶容量が小さいデータベースである。その分、キャッシュDB3は、処理結果蓄積DB2よりも高速に検索処理を行うことができる。一時的とは処理結果蓄積DB2の保存期間よりも短い期間である。
【0022】
処理装置4は、キャッシュDB3への処理結果の記録および削除を行う。本実施形態では、処理装置4はキャッシュDB3に内蔵されるコンピュータである。
【0023】
端末装置6は、インターネットなどのネットワークNを介してキャッシュDB3と通信可能に接続される。端末装置6は、ユーザが指定する検索条件に合致する処理結果D1をキャッシュDB3から取得する。
【0024】
(処理装置の機能構成)
図2は、一実施形態に係る処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、処理装置4は、プロセッサ41と、メモリ42と、ストレージ43と、通信インタフェース44とを備える。
【0025】
メモリ42は、プロセッサ41の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0026】
ストレージ43は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。ストレージ43には、プロセッサ41の各部が処理中に取得、生成、参照するデータが格納される。
【0027】
通信インタフェース44は処理結果蓄積DB2、キャッシュDB3、および端末装置6との間で各種データや制御信号などの送受信を行うためのインタフェースである。
【0028】
プロセッサ41は、所定のプログラムに従って動作することにより、ステータス更新部411、優先度算出部412、記録処理部413、削除処理部414としての機能を発揮する。
【0029】
ステータス更新部411は、処理結果蓄積DB2に記録された処理結果D1のキャッシュステータスなどを更新する。キャッシュステータスは、処理結果D1がキャッシュDB3に保存済みであるか否かを示す情報である。
【0030】
優先度算出部412は、処理結果D1のキャッシュ優先度を算出する。処理結果D1は、キャッシュ優先度が高いほどキャッシュDB3に保存されやすくなる。たとえば、優先度算出部412は、処理結果D1に含まれる画像を撮影したとき(たとえば撮影日時)からの経過時間に応じて優先度が変化するように重み付けをして、キャッシュ優先度を算出する。なお、本実施形態では、「画像を撮影したとき」が「撮影日時(撮影日および撮影時刻)」である例について説明するが、これに限られることはない。他の実施形態では、「画像を撮影したとき」とは、撮影日、撮影時刻、撮影月等、時期を表すものであってもよい。
【0031】
記録処理部413は、キャッシュDB3へ未保存の処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が予め定めた閾値以上である処理結果D1をキャッシュDB3に保存する。
【0032】
削除処理部414は、キャッシュDB3へ保存済みの処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が閾値未満である処理結果D1をキャッシュDB3から削除する。
【0033】
なお、プロセッサ41が実行する所定のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0034】
(端末装置の機能構成)
図3は、一実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末装置6は、プロセッサ61と、メモリ62と、ストレージ63と、入出力インタフェース64と、通信インタフェース65とを備える。
【0035】
メモリ62は、プロセッサ61の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0036】
ストレージ63は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。ストレージ63には、プロセッサ61の各部が処理中に取得、生成、参照するデータが格納される。
【0037】
入出力インタフェース64は、表示装置66、入力装置67などの機器と接続するための接続インタフェースである。表示装置66は、液晶ディスプレイ等のモニタである。入力装置67は、キーボード、マウス等の入力機器である。なお、表示装置66および入力装置67は、タッチパネルのように一体に形成された機器であってもよい。
【0038】
通信インタフェース65はキャッシュDB3との間で各種データや制御信号などの送受信を行うためのインタフェースである。
【0039】
プロセッサ61は、所定のプログラムに従って動作することにより、検索要求部611、処理結果取得部612としての機能を発揮する。
【0040】
検索要求部611は、検索条件に合致する処理結果D1の検索をキャッシュDB3に要求する。検索条件は、入力装置67を介してユーザが入力して指定する。
【0041】
処理結果取得部612は、検索条件に合致する処理結果D1をキャッシュDB3から取得する。取得した処理結果D1は、ユーザが内容を確認できるように表示装置66に表示される。
【0042】
なお、プロセッサ61が実行する所定のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0043】
(処理結果蓄積処理について)
図4は、一実施形態に係るキャッシュ管理処理の一例を示すシーケンス図である。
図4に示すように、キャッシュシステム1は、処理結果蓄積処理P1と、キャッシュ更新処理P2とを行う。
【0044】
処理結果蓄積処理P1について説明する。まず、車両が料金所に到来すると、路側装置5のナンバープレート読取装置51は、車両を撮影し、撮影した画像からナンバープレート情報を読み取って取得する(ステップS01)。ナンバープレート読取装置51がナンバープレート情報を読み取る処理は既知であるため、詳細な説明は省略する。
【0045】
また、路側装置5は、ナンバープレート読取装置51の処理結果D1を処理結果蓄積DB2に送信する(ステップS02)。処理結果D1は、ナンバープレート読取装置51が撮影した画像、読み取ったナンバープレート情報、画像の撮影日時および撮影場所などを含む。また、処理結果D1は、センサ52が取得したセンサ情報をさらに含んでもよい。
【0046】
処理結果蓄積DB2は、路側装置5(ナンバープレート読取装置51)から取得した処理結果D1を記録する(ステップS03)。また、処理結果蓄積DB2は、新たな処理結果D1が追加されたこと(データ更新)を処理装置4に通知する(ステップS04)。
【0047】
たとえば、処理装置4は、処理結果蓄積DB2に蓄積された全ての処理結果D1のステータスを記録したステータステーブルT1(図5)を有している。処理装置4のステータス更新部411は、処理結果蓄積DB2からデータ更新通知を受信すると、新たに追加された処理結果D1のステータスをステータステーブルT1に追加する。
【0048】
図5は、一実施形態に係るステータステーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、ステータステーブルT1は、各処理結果D1のインデックス、撮影日時、キャッシュステータス、検索回数、ダウンロード回数、異常発生情報、経路情報、優先度などの情報を記録するものである。
【0049】
インデックスは、処理結果蓄積DB2が各処理結果D1に付したユニーク番号である。
【0050】
撮影日時は、処理結果D1に含まれる画像の撮影日時である。
【0051】
キャッシュステータスは、処理結果D1がキャッシュDB3に未保存であるか保存済みであるかを示す情報である。ステップS05でステータステーブルT1に追加される処理結果D1のキャッシュステータス(初期値)は「未保存」である。
【0052】
検索回数およびダウンロード回数は、ユーザにより処理結果D1が検索された回数、および検索結果の中から処理結果D1が実際にダウンロードされた回数を示す。
【0053】
異常発生情報は、ナンバープレート情報の読取異常の有無を示す情報である。たとえば
ナンバープレート読取装置51の故障や、ナンバープレートに汚れが付着していたなどの理由により、一部または全てのナンバープレート情報が読み取れない(欠損情報がある)場合がある。この場合、処理結果蓄積DB2は、データ更新通知とともに、読取処理時に異常が発生したことを示す情報を処理装置4に通知する。そうすると、処理装置4のステータス更新部411は、この処理結果D1をステータステーブルT1に追加する際に、異常発生情報欄に「異常あり」を合わせて記録する。ステータス更新部411は、異常発生の通知がない場合、異常発生情報欄を空欄のままにする(または、「異常なし」を記録してもよい)。
【0054】
経路情報は、車両が特定経路を走行したか否かを示す情報である。特定経路は、たとえば、地点Aと地点Bとを接続する複数の経路のうち、遠回りとなる経路などである。特定経路は、予めユーザが設定して処理結果蓄積DB2に記録する。たとえば、処理結果蓄積DB2は、複数の処理結果D1から、ある車両の処理結果D1(同一のナンバープレート情報を有する処理結果D1)を抽出して、この車両の走行経路を推定する。また、処理結果蓄積DB2は、推定した車両の走行経路が特定経路を含む場合に、これら処理結果D1のインデックスとともに、「特定経路走行あり」を示す情報を処理装置4に通知する。車両の走行経路は、この車両に関する複数の処理結果D1が蓄積されてから分かるものであるので、処理結果蓄積DB2は、データ更新通知(図4のステップS04)よりも後に、別途、特定経路に関する通知を行ってもよい。処理装置4のステータス更新部411は、処理結果蓄積DB2からこの通知を受信すると、ステータステーブルT1の経路情報欄に「特定経路走行あり」の情報を追加する。
【0055】
キャッシュシステム1は、ナンバープレート読取装置51がナンバープレートの読み取り処理を行う度に、図4に示す処理結果蓄積処理P1を実行する。
【0056】
(キャッシュ更新処理について)
また、キャッシュシステム1は、たとえば1日に数回の頻度で、図4に示すキャッシュ更新処理P2を実行する。なお、キャッシュシステム1は、たとえば端末装置6を通じてユーザが指示したときにキャッシュ更新処理P2をさらに実行してもよい。
【0057】
キャッシュ更新処理P2において、処理装置4は、キャッシュDB3に処理結果D1のコピーを保存する記録処理S11と、キャッシュDB3に保存済みの処理結果D1を削除する削除処理S12の2つの処理をそれぞれ行う。
【0058】
(記録処理)
図6は、一実施形態に係る記録処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図6を参照しながら、処理装置4が処理結果D1のコピーをキャッシュDB3に記録する記録処理S11の流れについて詳細に説明する。
【0059】
処理装置4の優先度算出部412は、ステータステーブルT1(図5)のキャッシュステータスを参照して、処理結果D1がキャッシュDB3に未保存であるか判断する(ステップS111)。優先度算出部412は、キャッシュステータスが「未保存」ではない場合(ステップS111;NO)、この処理結果D1についての記録処理を終了する。一方、優先度算出部412は、キャッシュステータスが「未保存」の場合(ステップS111;YES)、この処理結果D1のキャッシュ優先度を算出する(ステップS112)。
【0060】
たとえば、ユーザは、処理結果D1を後方処理(後日の通行料金の請求処理など)に用いる。このため、ユーザのアクセス傾向は以下のようになる。
【0061】
(1)ユーザは、後方処理が必要か否かは撮影後すぐには判断できない。したがって、ユーザは、撮影直後は処理結果D1にアクセスせず、撮影してしばらく(半日~1日以上)時間が経過してから処理結果D1にアクセスする可能性が高い。また、ユーザが処理結果D1に一定期間(たとえば、20日)以上アクセスしない場合は、この処理結果D1は後方処理が不要と判断されたなどの理由により、使用されない可能性が高い。すなわち、ユーザがこの処理結果D1にアクセスしない可能性が高い。
【0062】
(2)ユーザは、ある処理結果D1を検索またはダウンロードしたときに、この処理結果D1に基づく後方処理を実施する可能性が高い。そうすると、この後、ユーザがダウンロード済みの処理結果D1を、再び検索またはダウンロードする可能性は低い。
【0063】
(3)異常処理(たとえば、ナンバープレートの読取失敗)が発生した場合、ユーザは、確認のために処理結果D1を確認して後方処理を行う必要がある。したがって、ユーザは、異常処理が発生した処理結果D1にアクセスする可能性が高い。
【0064】
(4)車両が特定経路(たとえば、遠回り経路など)を走行したとき、ユーザは、この車両が不審な行動を行っていないか確認する場合がある。したがって、ユーザは、特定経路走行ありの情報が付された処理結果D1にアクセスする可能性が高い。
【0065】
優先度算出部412は、上記したようなユーザのアクセス傾向を踏まえ、検索回数やダウンロード回数、撮影日時からの経過時間、異常発生情報の有無、特定経路走行の有無に応じた重み付けを行い、各処理結果D1のキャッシュ優先度を算出する。
【0066】
図7は、一実施形態に係る優先度を説明するための第1の図である。
図7は、処理結果D1の撮影日時からの経過時間に応じたキャッシュ優先度の推移F1を例示したものである。図7に示すように、優先度算出部412は、上記したアクセス傾向(1)を考慮して、撮影日時からの経過時間に応じた重みを付けてキャッシュ優先度を算出する。具体的には、優先度算出部412は、撮影日時から時間t1までの一定期間(たとえば、10日間)は経過時間に応じてキャッシュ優先度が上昇し、一定期間を過ぎた後は経過時間に応じてキャッシュ優先度が低下するように重みが付けられた優先度関数(または重みテーブル)を予め定めておく。優先度算出部412は、処理結果D1の撮影日時からの経過時間と、優先度関数とに基づいて、処理結果D1のキャッシュ優先度を算出する。また、このとき、優先度算出部412は、撮影日時からある程度の時間(たとえば、半日~1日程度)が経過してからキャッシュ優先度が閾値を超えるように、優先度関数を調整してもよい。
【0067】
図8は、一実施形態に係る優先度を説明するための第2の図である。
図8は、処理結果D1のダウンロード回数に応じたキャッシュ優先度の推移F2,F3を例示したものである。図8に示すように、優先度算出部412は、上記したアクセス傾向(2)を考慮して、撮影日時からの経過時間に加えて、ダウンロード回数に応じた重みをさらに付けてキャッシュ優先度を算出する。具体的には、優先度算出部412は、ダウンロード回数が少ないほど大きい重みを付加してキャッシュ優先度を算出する。たとえば、F2はダウンロード回数が0回である処理結果D1aのキャッシュ優先度の推移を、F3は撮影直後に1回ダウンロードされた処理結果D1bのキャッシュ優先度の推移を例示したものである。ユーザは、撮影直後に1回ダウンロードした処理結果D1bについて、すぐに再アクセスする可能性が低いと考えられる。このため、この処理結果D1bのキャッシュ優先度は、処理結果D1aのキャッシュ優先度よりも低く、また、閾値を超えるタイミングも遅くなるように、重みで調整される。
【0068】
図9は、一実施形態に係る優先度を説明するための第3の図である。
また、優先度算出部412は、上記したアクセス傾向(3)または(4)を考慮して、撮影日時からの経過時間に加えて、処理結果D1の異常発生情報または経路情報に応じた重みをさらに付加してもよい。具体的には、優先度算出部412は、異常発生情報が「異常なし(空欄)」の処理結果D1よりも、「異常あり」の処理結果D1の重みを大きくして、キャッシュ優先度を算出する。また、優先度算出部412は、経路情報が「特定経路走行なし(空欄)」の処理結果D1よりも、「特定経路走行あり」の処理結果D1の重みを大きくして、キャッシュ優先度を算出する。
【0069】
図9は、経路情報に応じて重み付けを行った場合のキャッシュ優先度の推移F4,F5を例示したものである。F4は走行経路が「特定経路走行なし」である処理結果D1cのキャッシュ優先度の推移を、F5は走行経路が「特定経路走行あり」である処理結果D1dのキャッシュ優先度の推移を例示したものである。「特定経路走行あり」の処理結果D1dは、ユーザによる確認対象となる可能性が高い。したがって、「特定経路走行あり」の処理結果D1dは、「特定経路走行なし」の処理結果D1cよりも全期間においてキャッシュ優先度が高くなるように重みで調整される。また、このとき、優先度算出部412は、「特定経路走行あり」が検出されたときにユーザが直ちに処理結果D1dを確認可能とするため、撮影直後からキャッシュ優先度が閾値を超えるように重みを調整してもよい。優先度算出部412は、異常発生情報についても同様の重みの調整を行う。
【0070】
図10は、一実施形態に係る優先度を説明するための第4の図である。
なお、優先度算出部412は、ダウンロード回数に加えて、検索回数が少ないほど大きい重みを付けてキャッシュ優先度を算出してもよい。図10には、検索およびダウンロードされていない処理結果D1eのキャッシュ優先度の推移F6と、検索およびダウンロードされた処理結果D1fのキャッシュ優先度の推移F7とが例示されている。図10の例では、処理結果D1fは、経過時間t11のときに1回検索され、経過時間t12のときに1回ダウンロードされている。したがって、処理結果D1fのキャッシュ優先度は、経過時間t11で低下し、その後、経過時間に対する重み付けで上昇するものの、経過時間t12で再び低下する。また、処理結果D1fのキャッシュ優先度は、処理結果D1eのキャッシュ優先度よりも早く閾値未満まで低下する。すなわち、処理結果D1fは、処理結果D1eよりもキャッシュDB3から削除されるタイミングが早くなる。
【0071】
このように、優先度算出部412は、処理結果D1の撮影時間からの経過時間、およびステータスに応じてキャッシュ優先度を可変としている。
【0072】
次に、図6に示すように、処理装置4の記録処理部413は、処理結果D1のキャッシュ優先度が閾値以上であるか判定する(ステップS113)。
【0073】
記録処理部413は、キャッシュ優先度が閾値未満である場合(ステップS113;NO)、この処理結果D1についての記録処理を終了する。また、記録処理部413は、キャッシュ優先度が閾値以上である場合(ステップS113;YES)、処理結果蓄積DB2からこの処理結果D1のコピーを取得してキャッシュDB3に保存する(ステップS114)。また、記録処理部413は、ステータステーブルT1のこの処理結果D1のキャッシュステータスを「保存済み」に更新する(ステップS115)。
【0074】
処理装置4は、ステータステーブルT1に記録された全ての処理結果D1について、図6に示す一連の記録処理S11を実施する。処理装置4は、一定の頻度で記録処理S11を実施することにより、キャッシュDB3にキャッシュ優先度が高い(すなわち、ユーザがアクセスする可能性が高い)処理結果D1をキャッシュDB3に追加していく。
【0075】
(削除処理)
図11は、一実施形態に係る削除処理の一例を示すフローチャートである。
次に、図11を参照しながら、処理装置4がキャッシュDB3に保存済みの処理結果D1を削除する削除処理S12の流れについて詳細に説明する。
【0076】
処理装置4の優先度算出部412は、ステータステーブルT1(図5)のキャッシュステータスを参照して、処理結果D1がキャッシュDB3に保存済みであるか判断する(ステップS121)。優先度算出部412は、キャッシュステータスが「保存済み」ではない場合(ステップS121;NO)、この処理結果D1についての削除処理を終了する。一方、優先度算出部412は、キャッシュステータスが「保存済み」の場合(ステップS121;YES)、この処理結果D1のキャッシュ優先度を算出する(ステップS122)。この処理は、図6のステップS112と同じである。
【0077】
次に、処理装置4の削除処理部414は、処理結果D1のキャッシュ優先度が閾値未満であるか判定する(ステップS123)。
【0078】
削除処理部414は、キャッシュ優先度が閾値以上である場合(ステップS123;NO)、この処理結果D1についての削除処理を終了する。また、削除処理部414は、キャッシュ優先度が閾値未満である場合(ステップS123;YES)、キャッシュDB3からこの処理結果D1を削除する(ステップS124)。また、削除処理部414は、ステータステーブルT1のこの処理結果D1のキャッシュステータスを「未保存(削除済み)」に更新する(ステップS125)。
【0079】
処理装置4は、ステータステーブルT1に記録された全ての処理結果D1について、図11に示す一連の削除処理S12を実施する。処理装置4は、一定の頻度で削除処理S12を実施することにより、キャッシュ優先度が低い(すなわち、ユーザがアクセスする可能性が低い)処理結果D1をキャッシュDB3から取り除いていく。
【0080】
(キャッシュ領域確保処理)
図12は、一実施形態に係るキャッシュ領域確保処理の一例を示すフローチャートである。
キャッシュ優先度の高い処理結果D1が多い場合に、キャッシュDB3は空き容量が不足する可能性がある。このため、処理装置4は、キャッシュDB3の使用率を定期的に監視し、空き容量が不足する場合には図12に示すキャッシュ領域確保処理を実行する。
【0081】
処理装置4の記録処理部413は、キャッシュDB3の使用率(%)が予め定めた上限値以上であるか判定する(ステップS201)。上限値は、キャッシュDB3の容量や処理結果D1の平均的なデータサイズなどに応じて、ユーザが任意に設定可能である。
【0082】
記録処理部413は、使用率が上限値未満である場合(ステップS201;NO)、キャッシュ領域確保処理を終了する。一方、記録処理部413は、使用率が上限値以上である場合(ステップS201;YES)、処理結果D1の記録処理S11を停止する(ステップS202)。
【0083】
さらに、処理装置4の削除処理部414は、キャッシュDB3に保存済みの処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が最も低いものを1つ削除する(ステップS203)。このとき、削除処理部414は、キャッシュ優先度が閾値未満であるか否かに関わらず、キャッシュ優先度が最も低いものを削除する。
【0084】
また、処理装置4は、処理結果D1の削除により、キャッシュDB3の使用率が上限値未満になったか判定する(ステップS204)。使用率が上限値以上のままである場合(ステップS204;NO)、処理装置4の削除処理部414は、ステップS203を再度実行する。一方、使用率が上限値未満となった場合(ステップS204;YES)、処理装置4の記録処理部413は、記録処理S11を再開して(ステップS205)、キャッシュ領域確保処理を終了する。
【0085】
このようにすることで、処理装置4は、キャッシュDB3の空き容量不足を迅速に解消して、キャッシュ優先度の高い処理結果D1がキャッシュDBに保存できなくなることを抑制する。
【0086】
(検索処理)
図13は、一実施形態に係る検索処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、図13を参照しながら、本実施形態に係るキャッシュシステム1における検索処理の流れについて説明する。
【0087】
たとえば、ある処理結果D1を検索する例について説明する。ユーザは、端末装置6の入力装置67を通じて、処理結果D1の検索条件を入力して、「検索」ボタンを押下する。そうすると、端末装置6の検索要求部611は、ユーザが入力した検索条件を取得して(ステップS301)、キャッシュDB3に検索要求を送信する(ステップS302)。
【0088】
キャッシュDB3は、端末装置6から検索条件とともに検索要求を受け付けると、自身が保存する処理結果D1のうち、検索条件に合致する処理結果D1を検索する(ステップS303)。また、検索した処理結果D1を、キャッシュ内検索結果として端末装置6に送信する(ステップS304)。
【0089】
端末装置6の処理結果取得部612は、キャッシュDB3から受信したキャッシュ内検索結果を表示装置66に表示する(ステップS305)。ユーザは、キャッシュ内検索結果に所望する処理結果D1が含まれるか確認する。
【0090】
また、キャッシュDB3は、処理結果の検索(ステップS303)と並行して、処理結果蓄積DB2に対し、検索条件とともに検索要求を送信する(ステップS306)。
【0091】
処理結果蓄積DB2は、キャッシュDB3から検索条件とともに検索要求を受け付けると、自身が保存する処理結果D1のうち、検索条件に合致する処理結果D1を検索する(ステップS307)。また、検索した処理結果D1を、DB内検索結果としてキャッシュDB3に送信する(ステップS308)。このとき、処理結果蓄積DB2は、キャッシュステータスが「未保存」の処理結果D1のみを検索対象としてもよい。
【0092】
キャッシュDB3は、処理結果蓄積DB2から受信したDB内検索結果を一時保存する(ステップS309)。
【0093】
また、ユーザは、キャッシュ内検索結果に所望する処理結果D1が含まれていない場合、「さらに検索」ボタンを押下する。そうすると、端末装置6の検索要求部611は、キャッシュDB3に再検索要求を送信する(ステップS310)。
【0094】
キャッシュDB3は、端末装置6から再検索要求を受信すると、処理結果蓄積DB2から受信したDB内検索結果を端末装置6に送信する(ステップS311)。
【0095】
端末装置6の処理結果取得部612は、キャッシュDB3から受信したDB内検索結果を表示装置66に表示する(ステップS312)。ユーザは、DB内検索結果に所望する処理結果D1が含まれるか確認する。
【0096】
キャッシュ内検索結果またはDB内検索結果に所望する処理結果D1が含まれている場合、ユーザはこの処理結果D1を選択して「ダウンロード」ボタンを押下する。そうすると、端末装置6の処理結果取得部612は、選択した処理結果D1を端末装置6のストレージ63に記憶する(ステップS313)。また、端末装置6がダウンロードした処理結果D1の情報は、キャッシュDB3(処理装置4)に通知される。
【0097】
また、処理装置4のステータス更新部411は、キャッシュ内検索結果およびDB内検索結果に含まれる処理結果D1の検索回数を+1して、ステータステーブルT1を更新する。さらに、ステータス更新部411は、端末装置6がダウンロードした処理結果D1のダウンロード回数を+1して、ステータステーブルT1を更新する。
【0098】
なお、キャッシュ内検索結果またはDB内検索結果に所望する処理結果D1が含まれていない場合、ユーザは、検索条件を変えて、再度「検索」ボタンを押下する。そうすると、キャッシュシステム1は、ステップS301~S312の処理を再実行する。
【0099】
このように、キャッシュDB3は、まず自身が保存する処理結果D1を検索してユーザに提供することにより、ユーザに高速でキャッシュ内検索結果を提供することができる。また、キャッシュDB3には、ユーザがアクセスする可能性が高い(キャッシュ優先度が高い)処理結果D1が保存されているため、キャッシュ内検索結果にユーザが所望する処理結果D1が含まれている可能性を高めることができる。ユーザは、キャッシュ内検索結果に所望する処理結果D1が含まれている場合は、検索処理を終了して、この処理結果D1を迅速にダウンロードすることができる。
【0100】
また、キャッシュDB3は、自身が保存する処理結果D1を検索する処理と並行して、自動的に処理結果蓄積DB2に処理結果D1の検索を要求する。処理結果蓄積DB2の検索処理は、キャッシュDB3よりも時間がかかる。しかしながら、このように、ユーザがキャッシュ内検索結果を確認している間に、処理結果蓄積DB2における検索処理を進めておくことができるので、ユーザが「さらに検索」ボタンを押下してから、ユーザにDB内検索結果を提供するまでの時間を短縮することができる。つまり、キャッシュシステム1は、ユーザに対し、所望する処理結果D1を高速で提供することができる。
【0101】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係るキャッシュシステム1は、ナンバープレート読取装置51から処理結果D1を収集して蓄積する処理結果蓄積DB2と、複数の処理結果D1の一部を一時的に保存するキャッシュDB3と、処理結果D1に含まれる画像を撮影してから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるように重みを付けてキャッシュ優先度を算出する優先度算出部412と、キャッシュDB3へ未保存の処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が閾値以上である処理結果D1をキャッシュDB3に保存する記録処理部413と、キャッシュDB3へ保存済みの処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が閾値未満である処理結果D1をキャッシュDB3から削除する削除処理部414と、を備える。
【0102】
上記したように、ユーザは、ナンバープレート読取装置51の処理結果D1を後方処理で使用する。このとき、処理結果D1に含まれる画像の撮影直後に後方処理が必要であるかは不明であることが多い。したがって、処理結果D1は、撮影直後はアクセスされないものの、撮影後しばらくしてからアクセスされる可能性があるという特性や、撮影してから長時間経過したものはアクセスされる可能性が低いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、撮影から一定期間は徐々にキャッシュ優先度が高くなるように、一定期間後は徐々にキャッシュ優先度が低くなるように調整する。これにより、キャッシュシステム1は、ユーザがアクセスする可能性の高い処理結果D1を優先的にキャッシュDB3に蓄積することができる。
【0103】
また、キャッシュシステム1は、複数の処理結果D1それぞれのダウンロード回数をステータステーブルT1に記録するステータス更新部411をさらに備える。優先度算出部412は、ダウンロード回数に応じた重みをさらに付けて、キャッシュ優先度を算出する。
【0104】
ユーザは、処理結果D1をダウンロードしたときに後方処理で使用する可能性が高い。つまり、処理結果D1は、1回ダウンロードされた後は、再びアクセスされる(後方処理に使用する)可能性は低いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、ダウンロード回数に応じた重みを付けてキャッシュ優先度を調整する。これにより、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3にユーザが使う可能性が高い処理結果D1のみをより蓄積しやすくすることができる。
【0105】
また、ステータステーブルT1は、処理結果D1の異常の有無を示す異常発生情報をさらに含む。優先度算出部412は、ステータステーブルT1の異常発生情報に基づいて、異常がない処理結果D1よりも、異常がある処理結果D1の方が大きな値となるように調整した重みをさらに付けて、キャッシュ優先度を算出する。
【0106】
ユーザは、読取処理に異常があったときに、処理結果D1を後方処理で使用する可能性が高い。つまり、読取異常が発生した処理結果D1は、ユーザによりアクセスされる可能性が高いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、異常発生情報に応じた重みを付けてキャッシュ優先度を調整する。これにより、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3にユーザが使う可能性が高い処理結果D1のみをより蓄積しやすくすることができる。
【0107】
また、ステータステーブルT1は、複数の処理結果D1から推定される車両の走行経路が、予め定めた特定経路を含むか否かを示す経路情報をさらに含む。優先度算出部412は、ステータステーブルT1の経路情報に基づいて、特定経路を走行していない車両の処理結果D1よりも、特定経路を走行した車両の方が大きな値となるように調整した重みをさらに付けて、キャッシュ優先度を算出する。
【0108】
ユーザは、車両が特定経路(たとえば、遠回り経路)を走行したときに、処理結果D1を後方処理で使用する可能性が高い。つまり、走行経路が特殊であることを示す処理結果D1は、ユーザによりアクセスされる可能性が高いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、走行経路に応じた重みを付けてキャッシュ優先度を調整する。これにより、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3にユーザが使う可能性が高い処理結果D1のみをより蓄積しやすくすることができる。
【0109】
また、記録処理部413は、キャッシュDB3の使用率が予め設定した上限値以上である場合に、処理結果D1の保存(記録処理S11)を停止する。
【0110】
このようにすることで、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3の空き容量が少ない場合に、キャッシュDB3のキャッシュ優先度の高い処理結果D1が、キャッシュ優先度の低い処理結果D1に上書きされるなどのトラブルを抑制することができる。
【0111】
また、削除処理部414は、キャッシュDB3の使用率が予め設定した上限値以上である場合に、キャッシュDB3へ保存済みの処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が最も低いものを削除する。
【0112】
このようにすることで、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3の空き容量が少ない場合に、キャッシュDB3に保存済みの処理結果D1よりもキャッシュ優先度の高い処理結果D1を、キャッシュDB3に保存できなくなるトラブルを抑制することができる。
【0113】
以上のとおり、本開示に係る実施形態を説明したが、上記した実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0114】
たとえば、上記した実施形態において、処理装置4がキャッシュDB3に内蔵される例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態は、処理装置4は処理結果蓄積DB2に内蔵されてもよいし、処理結果蓄積DB2およびキャッシュDB3とは別のハードウェアとして構成されてもよい。
【0115】
<付記>
上述の実施形態に記載のキャッシュシステムおよびキャッシュ方法は、例えば以下のように把握される。
【0116】
(1)第1の態様によれば、キャッシュシステム1は、走行する車両を撮影してナンバープレート情報を読み取り、撮影した画像および読み取ったナンバープレート情報を含む処理結果D1を処理結果蓄積データベース2に保存するナンバープレート読取装置51と、複数の処理結果D1の一部を一時的に保存するキャッシュデータベース3と、処理結果D1に含まれる画像を撮影したときから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるように重みを付けてキャッシュ優先度を算出する優先度算出部412と、キャッシュデータベース3へ未保存の処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が予め定めた閾値以上である処理結果D1をキャッシュデータベース3に保存する記録処理部413と、キャッシュデータベース3へ保存済みの処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が閾値未満である処理結果D1をキャッシュデータベース3から削除する削除処理部414と、を備える。
【0117】
上記したように、ユーザは、ナンバープレート読取装置51の処理結果D1を後方処理で使用する。このとき、処理結果D1に含まれる画像の撮影直後に後方処理が必要であるかは不明であることが多い。したがって、処理結果D1は、撮影直後はアクセスされないものの、撮影後しばらくしてからアクセスされる可能性があるという特性や、撮影してから長時間経過したものはアクセスされる可能性が低いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、撮影から一定期間は徐々にキャッシュ優先度が高くなるように、一定期間後は徐々にキャッシュ優先度が低くなるように調整する。これにより、キャッシュシステム1は、ユーザがアクセスする可能性の高い処理結果D1を優先的にキャッシュDB3に蓄積することができる。
【0118】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係るキャッシュシステム1において、優先度算出部412は、複数の処理結果D1それぞれのダウンロード回数を参照し、ダウンロード回数に応じた重みをさらに付けてキャッシュ優先度を算出する。
【0119】
ユーザは、処理結果D1をダウンロードしたときに後方処理で使用する可能性が高い。つまり、処理結果D1は、1回ダウンロードされた後は、再びアクセスされる(後方処理に使用する)可能性は低いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、ダウンロード回数に応じた重みを付けてキャッシュ優先度を調整する。これにより、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3にユーザが使う可能性が高い処理結果D1のみをより蓄積しやすくすることができる。
【0120】
(3)第3の態様によれば、第1または第2の態様に係るキャッシュシステム1において、優先度算出部412は、処理結果D1の異常の有無を示す異常発生情報を参照し、異常がない処理結果D1よりも、異常がある処理結果D1の方が大きな値となるように調整した重みをさらに付けて、キャッシュ優先度を算出する。
【0121】
ユーザは、読取処理に異常があったときに、処理結果D1を後方処理で使用する可能性が高い。つまり、読取異常が発生した処理結果D1は、ユーザによりアクセスされる可能性が高いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、異常発生情報に応じた重みを付けてキャッシュ優先度を調整する。これにより、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3にユーザが使う可能性が高い処理結果D1のみをより蓄積しやすくすることができる。
【0122】
(4)第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様に係るキャッシュシステム1において、優先度算出部412は、複数の処理結果D1から推定される車両の走行経路が、予め定めた特定経路を含むか否かを示す経路情報を参照し、特定経路を走行していない車両の処理結果D1よりも、特定経路を走行した車両の処理結果D1の方が大きな値となるように調整した重みをさらに付けて、キャッシュ優先度を算出する。
【0123】
ユーザは、車両が特定経路(たとえば、遠回り経路)を走行したときに、処理結果D1を後方処理で使用する可能性が高い。つまり、走行経路が特殊であることを示す処理結果D1は、ユーザによりアクセスされる可能性が高いという特性を有している。このような処理結果D1の特性を踏まえ、キャッシュシステム1は、走行経路に応じた重みを付けてキャッシュ優先度を調整する。これにより、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3にユーザが使う可能性が高い処理結果D1のみをより蓄積しやすくすることができる。
【0124】
(5)第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様に係るキャッシュシステム1において、記録処理部413は、キャッシュデータベース3の使用率が予め設定した上限値以上である場合に、処理結果D1の保存を停止する。
【0125】
このようにすることで、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3の空き容量が少ない場合に、キャッシュDB3のキャッシュ優先度の高い処理結果D1が、キャッシュ優先度の低い処理結果D1に上書きされるなどのトラブルを抑制することができる。
【0126】
(6)第6の態様によれば、第1から第7のいずれか一の態様に係るキャッシュシステム1において、削除処理部414は、キャッシュデータベース3の使用率が予め設定した上限値以上である場合に、キャッシュデータベース3へ保存済みの処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が最も低いものを削除する。
【0127】
このようにすることで、キャッシュシステム1は、キャッシュDB3の空き容量が少ない場合に、キャッシュDB3に保存済みの処理結果D1よりもキャッシュ優先度の高い処理結果D1を、キャッシュDB3に保存できなくなるトラブルを抑制することができる。
【0128】
(7)第7の態様によれば、キャッシュ方法は、走行する車両を撮影してナンバープレート情報を読み取り、撮影した画像および読み取ったナンバープレート情報を含む処理結果D1を処理結果蓄積データベース2に保存するナンバープレート読取装置51と、複数の処理結果D1の一部を一時的に保存するキャッシュデータベース3と、を備えるキャッシュシステム1を用いたキャッシュ方法であって、処理結果D1に含まれる画像を撮影したときから一定期間は経過時間に応じて優先度が高くなるように、かつ、一定期間を過ぎた後は経過時間に応じて優先度が低くなるように重みを付けてキャッシュ優先度を算出するステップと、キャッシュデータベース3へ未保存の処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が予め定めた閾値以上である処理結果D1をキャッシュデータベース3に保存するステップと、キャッシュデータベース3へ保存済みの処理結果D1のうち、キャッシュ優先度が閾値未満である処理結果D1をキャッシュデータベース3から削除するステップと、を有する。
【符号の説明】
【0129】
1 キャッシュシステム
2 処理結果蓄積データベース(DB)
3 キャッシュデータベース(DB)
4 処理装置
41 プロセッサ
411 ステータス更新部
412 優先度算出部
413 記録処理部
414 削除処理部
42 メモリ
43 ストレージ
44 通信インタフェース
5 路側装置
51 ナンバープレート読取装置
52 センサ
6 端末装置
61 プロセッサ
611 検索要求部
612 処理結果取得部
62 メモリ
63 ストレージ
64 入出力インタフェース
65 通信インタフェース
66 表示装置
67 入力装置
T1 ステータステーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13