(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117171
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】マッチングサーバ、マッチングシステム、異常判定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/04 20060101AFI20240822BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20240822BHJP
【FI】
G08G1/04 D
G07B15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023109
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】二改 祐介
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA21
3E127CA12
3E127CA41
3E127FA20
5H181BB18
5H181CC04
5H181DD10
(57)【要約】
【課題】検知装置などの構成を追加することなく、ナンバープレート読取装置の異常を検知することができるマッチングサーバを提供する。
【解決手段】マッチングサーバは、出口ナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報を取得する退出車両情報取得部と、入口ナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報のうち、前記退出車両情報と一致する進入車両情報を取得する進入車両情報取得部と、中間ナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報のうち、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率が最も高い通過車両情報を取得する通過車両情報取得部と、前記一致率に基づいて、前記中間ナンバープレート読取装置の異常の有無を判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置が前記有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報を取得する退出車両情報取得部と、
前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置が前記有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報のうち、前記退出車両情報と一致する進入車両情報を取得する進入車両情報取得部と、
前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置が前記通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報のうち、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率が最も高い通過車両情報を取得する通過車両情報取得部と、
前記一致率に基づいて、前記中間ナンバープレート読取装置の異常の有無を判定する判定部と、
を備えるマッチングサーバ。
【請求項2】
前記通過車両情報取得部は、
前記進入車両情報の読取時刻より後、かつ、前記退出車両情報の読取時刻より前の期間に読み取られた通過車両情報を抽出し、
抽出した通過車両情報のうち、最も一致率が高い通過車両情報を取得する、
請求項1に記載のマッチングサーバ。
【請求項3】
前記通過車両情報取得部は、
前記進入車両情報を読み取った入口ナンバープレート読取装置が設置された入口料金所から前記退出車両情報を読み取った出口ナンバープレート読取装置が設置された出口料金所までの区間に設置された中間ナンバープレート読取装置が読み取った通過車両情報を抽出し、
抽出した通過車両情報のうち最も一致率が高い通過車両情報を取得する、
請求項1に記載のマッチングサーバ。
【請求項4】
前記通過車両情報取得部は、複数の通過車両情報それぞれについて、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率を計算し、一致率が所定の一致判定閾値以上、かつ、最も高い通過車両情報を取得する、
請求項1に記載のマッチングサーバ。
【請求項5】
有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置と、
前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置と、
前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置と、
請求項1から4のいずれか一項に記載されたマッチングサーバと、
を備えるマッチングシステム。
【請求項6】
有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置が前記有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報を取得するステップと、
前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置が前記有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報のうち、前記退出車両情報と一致する進入車両情報を取得するステップと、
前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置が前記通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報のうち、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率が最も高い通過車両情報を取得するステップと、
前記一致率に基づいて、前記中間ナンバープレート読取装置の異常の有無を判定するステップと、
を有する異常判定方法。
【請求項7】
有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置が前記有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報を取得するステップと、
前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置が前記有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報のうち、前記退出車両情報と一致する進入車両情報を取得するステップと、
前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置が前記通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報のうち、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率が最も高い通過車両情報を取得するステップと、
前記一致率に基づいて、前記中間ナンバープレート読取装置の異常の有無を判定するステップと、
をマッチングサーバに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッチングサーバ、マッチングシステム、異常判定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の入口および出口の料金所には、有料道路を走行する車両の車種の特定や管理などに用いるために、ナンバープレート読取装置が設置されている。ナンバープレート読取装置は、車両のナンバープレートを撮影するカメラと、ナンバープレート付近に光を照射する照明と、カメラが撮影した画像からナンバープレートの読取処理(OCR処理など)を行う画像処理装置とを備える。
【0003】
近年では、料金所以外にも、本線や他の有料道路につながるランプなどにナンバープレート読取装置を設置して、各車両がどの経路を走行したかを特定する仕組みが考えられている。
【0004】
また、カメラのレンズや照明などに汚れが付着したなどの理由で、ナンバープレート読取装置の読取精度が低下する可能性がある。
【0005】
一般的に、料金所において、ナンバープレート読取装置のカメラおよび照明は、道路の側方(路側)にナンバープレートの高さに合わせて配置される。料金所のナンバープレート読取装置は、比較的、人の手が届きやすい位置にあるので、定期的に清掃を行って読取精度の低下を抑制することができる。また、料金所に屋根が設けられている場合は、天候(雨や雪など)による汚れの影響を受けにくいので、その分、読取精度の低下が抑制される。
【0006】
一方、本線やランプにおいて、ナンバープレート読取装置のカメラおよび照明は、支柱やガントリなどに取り付けられて、道路の上空からナンバープレートの撮影、および光の照射を行う。本線やランプのナンバープレート読取装置は、人の手が届きにくい位置にあるので、料金所と比較して清掃の頻度が少なくなる。また、本線やランプには屋根がない場合が多く、料金所と比較して天候による汚れの影響を受けやすくなる。したがって、本線やランプのナンバープレート読取装置は、汚れによる読取精度の低下を抑制することが困難な場合がある。
【0007】
レンズや照明の汚れは、ナンバープレート読取装置の電気的特性の変化を起こさないため、一般的な異常検知方法である、装置内部の電圧値や電流値などの変化を利用した物理的な異常検知手法を使うことが困難である。このため、ハードウェア的な異常検知手法とは別に、レンズや照明の汚れを検知するための仕組みを設ける必要がある。
【0008】
たとえば特許文献1には、照明のカバー(前面グローブ)に密着させて設置した第1の受光器と、カバーから間隔をおいて設置した第2の受光器との信号出力を比較して、第1の受光器に対し第2の受光器の信号出力が低下した場合に、照明のカバーの汚れを検知する汚れ検知装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、本線やランプに設置されるナンバープレート読取装置は多数あるので、汚れ検知装置を取り付けると大幅なコストアップとなる。このため、このような検知装置などの構成を追加することなく、ナンバープレート読取装置の異常(読取精度の低下)を検知する技術が求められている。
【0011】
本開示の目的は、検知装置などの構成を追加することなく、ナンバープレート読取装置の異常を検知することができるマッチングサーバ、マッチングシステム、異常判定方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様によれば、マッチングサーバは、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置が前記有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報を取得する退出車両情報取得部と、前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置が前記有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報のうち、前記退出車両情報と一致する進入車両情報を取得する進入車両情報取得部と、前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置が前記通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報のうち、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率が最も高い通過車両情報を取得する通過車両情報取得部と、前記一致率に基づいて、前記中間ナンバープレート読取装置の異常の有無を判定する判定部と、を備える。
【0013】
本開示の一態様によれば、マッチングシステムは、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置と、前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置と、前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置と、上述のマッチングサーバと、を備える。
【0014】
本開示の一態様によれば、異常判定方法は、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置が前記有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報を取得するステップと、前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置が前記有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報のうち、前記退出車両情報と一致する進入車両情報を取得するステップと、前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置が前記通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報のうち、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率が最も高い通過車両情報を取得するステップと、前記一致率に基づいて、前記中間ナンバープレート読取装置の異常の有無を判定するステップと、を有する。
【0015】
本開示の一態様によれば、プログラムは、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置が前記有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報を取得するステップと、前記有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置が前記有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報のうち、前記退出車両情報と一致する進入車両情報を取得するステップと、前記有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置が前記通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報のうち、前記退出車両情報または前記進入車両情報との一致率が最も高い通過車両情報を取得するステップと、前記一致率に基づいて、前記中間ナンバープレート読取装置の異常の有無を判定するステップと、をマッチングサーバに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
上記態様によれば、検知装置などの構成を追加することなく、ナンバープレート読取装置の異常を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係るマッチングシステムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】一実施形態に係るマッチングシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の読取精度の一例を示すグラフである。
【
図4】一実施形態に係る読取結果の一致率の一例を示すグラフである。
【
図5】一実施形態に係るマッチングシステムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】一実施形態に係る進入車両情報、通過車両情報、および退出車両情報の一例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係るマッチング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係るマッチング処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(マッチングシステムの全体構成)
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、一実施形態に係るマッチングシステムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、マッチングシステム1は、マッチングサーバ10と、入口ナンバープレート読取装置21と、中間ナンバープレート読取装置22と、出口ナンバープレート読取装置23とを備える。
【0019】
入口ナンバープレート読取装置21は、有料道路の入口料金所の路側に設置され、入口料金所から有料道路に進入する車両のナンバープレートを読み取る。
【0020】
中間ナンバープレート読取装置22は、有料道路の所定の通過検出位置のガントリ上に設置され、通過検出位置を通過する車両のナンバープレートを読み取る。通過検出位置は、本線やランプの任意の場所に設定される。たとえば通過検出位置は、
図1に示すように環状線Aおよび環状線Bの少なくとも一方、あるいは両方に設けられる。また、通過検出位置は、異なる有料道路を接続するランプに設けてもよい。
【0021】
出口ナンバープレート読取装置23は、有料道路の出口料金所の路側に設置され、出口料金所から有料道路を退出する車両のナンバープレートを読み取る。
【0022】
各ナンバープレート読取装置21,22,23がナンバープレートから読み取ったナンバープレート情報は、ナンバープレート上に表記された地名、分類番号、一連番号などの文字情報を含む。マッチングサーバ10は、入口ナンバープレート読取装置21が読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報D1、中間ナンバープレート読取装置22が読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報D2、および出口ナンバープレート読取装置23が読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報D3を取得する。
【0023】
マッチングサーバ10は、各ナンバープレート読取装置21,22,23が時々刻々と読み取ったナンバープレート情報から、同一の情報を有する進入車両情報D1、通過車両情報D2、退出車両情報D3をマッチングさせる。また、本実施形態では、マッチングサーバ10は、ナンバープレート情報のマッチング結果に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22の異常(読取精度の低下)の有無を判定する。
【0024】
また、マッチングシステム1は、画像サーバ30をさらに備える。画像サーバ30には、中間ナンバープレート読取装置22が読み取った通過車両情報D2が蓄積される。マッチングサーバ10は、画像サーバ30を介して、中間ナンバープレート読取装置22から通過車両情報D2を取得する。なお、他の実施形態では、マッチングサーバ10は、画像サーバ30を介さずに、中間ナンバープレート読取装置22から直接、通過車両情報D2を取得してもよい。
【0025】
なお、
図1では入口料金所、通過検出位置、および出口料金所がそれぞれ1つずつ設けられた簡易的な例が示されている。しかしながら、実際には、入口料金所、通過検出位置、および出口料金所は複数存在する。したがって、複数の入口料金所、通過検出位置、および出口料金所のそれぞれに、少なくとも1つのナンバープレート読取装置21,22,23が設置される。マッチングシステム1は、各所で読み取られたナンバープレート情報をマッチングさせて、複数の中間ナンバープレート読取装置22それぞれの異常の有無を判定する。
【0026】
(ナンバープレート読取装置の機能構成)
図2は、一実施形態に係るマッチングシステムの機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、入口ナンバープレート読取装置21は、カメラ200と、レンズ201と、照明202と、IF(インタフェース)基板203と、画像処理装置204とを備える。照明202は、たとえばLED照明であり、車両のナンバープレート付近に光を照射することにより、カメラ200がより鮮明にナンバープレートを撮影できるようにする。画像処理装置204は、カメラ200が撮影した画像に対し所定の画像処理(ナンバープレートの抽出処理、OCR処理など)を施すことにより、ナンバープレート情報を読み取る。また、画像処理装置204は、カメラ200が撮影した画像に基づいて、カメラ200、レンズ201に対し、露光や絞りなどの調節パラメータを指示する信号を出力してもよい。IF基板203は、カメラ200、レンズ201、および照明202と、画像処理装置204との間で画像や信号などの受け渡しを行う。入口ナンバープレート読取装置21の画像処理装置204は、読み取ったナンバープレート情報(進入車両情報D1)をマッチングサーバ10に送信する。
【0027】
中間ナンバープレート読取装置22および出口ナンバープレート読取装置23は、入口ナンバープレート読取装置21と同じ機能構成を有している。中間ナンバープレート読取装置22の画像処理装置204は、読み取ったナンバープレート情報(通過車両情報D2)を画像サーバ30を介してマッチングサーバ10に送信する。出口ナンバープレート読取装置23の画像処理装置204は、読み取ったナンバープレート情報(退出車両情報D3)をマッチングサーバ10に送信する。
【0028】
(マッチングサーバの機能構成)
図2に示すように、マッチングサーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14とを備える。
【0029】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、退出車両情報取得部110、進入車両情報取得部111、通過車両情報取得部112、および判定部113としての機能を発揮する。
【0030】
退出車両情報取得部110は、出口ナンバープレート読取装置23が読み取ったナンバープレート情報である退出車両情報D3を取得する。
【0031】
進入車両情報取得部111は、入口ナンバープレート読取装置21が読み取ったナンバープレート情報である進入車両情報D1を取得してストレージ13に蓄積する。また、進入車両情報取得部111は、ストレージ13に蓄積した進入車両情報D1のうち、退出車両情報取得部110が取得した退出車両情報D3と一致する進入車両情報D1をストレージ13から検索して取得する。
【0032】
通過車両情報取得部112は、中間ナンバープレート読取装置22が読み取ったナンバープレート情報である通過車両情報D2のうち、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率が最も高い通過車両情報D2を画像サーバ30から取得する。なお、他の実施形態では、通過車両情報取得部112は、中間ナンバープレート読取装置22から通過車両情報D2を直接取得してストレージ13に蓄積してもよい。この場合、通過車両情報取得部112は、ストレージ13に蓄積した通過車両情報D2のうち、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率が最も高い通過車両情報D2を検索して取得する。
【0033】
判定部113は、通過車両情報取得部112が取得した通過車両情報D2の、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率に基づいて、この通過車両情報D2を読み取った中間ナンバープレート読取装置22の異常の有無を判定する。
【0034】
なお、プロセッサ11が実行する所定のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0035】
メモリ12は、プロセッサ11の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0036】
ストレージ13は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。ストレージ13には、プロセッサ11の各部が処理中に取得、生成、参照するデータが格納される。
【0037】
通信IF14は各ナンバープレート読取装置21,22,23や画像サーバ30との間で各種データや制御信号などの送受信を行うためのインタフェースである。
【0038】
(ナンバープレート読取装置の読取精度について)
図3は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の読取精度の一例を示すグラフである。
図3には、入口ナンバープレート読取装置21または出口ナンバープレート読取装置23と、中間ナンバープレート読取装置22との読取精度の経過時間に応じた低下度合いの例が示されている。
図3の縦軸は読取精度(%)、横軸は経過時間を表す。
【0039】
グラフG11は、入口ナンバープレート読取装置21または出口ナンバープレート読取装置23の読取精度の低下度合いの例を表すグラフである。グラフG12,G13はいずれも中間ナンバープレート読取装置22の読取精度の低下度合いの例を表すグラフである。
【0040】
上記したように、入口ナンバープレート読取装置21および出口ナンバープレート読取装置23は、料金所の屋根によって雨や雪などによる汚れが抑制される場合がある。また、清掃や消耗品の交換などのメンテナンスが容易である。したがって、
図3のグラフG11のように、入口ナンバープレート読取装置21および出口ナンバープレート読取装置23は、時間が経過しても読取精度が高い状態(100%に近い状態)を維持することができる。
【0041】
中間ナンバープレート読取装置22は、本線やランプなどの屋根のない場所に設置されることが多く、雨や雪などで汚れが付着しやすい。また、中間ナンバープレート読取装置22は、ガントリ上などの高所に設置されていることから、入口ナンバープレート読取装置21などと比較して清掃やメンテナンスの頻度が少なくなる。このため、
図3のグラフG12のように、中間ナンバープレート読取装置22は、経年劣化(たとえば、照明202の経年劣化による照度低下)により、時間とともに読取精度が低下する。また、たとえば中間ナンバープレート読取装置22のレンズ201や照明202に汚れが付着した場合には、
図3のグラフG13のように、汚れが付着した時点から読取精度が大きく低下する。
【0042】
中間ナンバープレート読取装置22単体では、読み取ったナンバープレート情報(読取結果)の正誤を判別することができない。このため、中間ナンバープレート読取装置22の読取結果のみから読取精度が低下しているかどうかを判定することは困難である。一方で、入口ナンバープレート読取装置21および出口ナンバープレート読取装置23は、
図3の例のように、読取精度を比較的高い状態で維持することができる。このため、本実施形態に係るマッチングシステム1では、入口ナンバープレート読取装置21または出口ナンバープレート読取装置23の読取結果を正解データとし、中間ナンバープレート読取装置22の読取結果と突合させて、中間ナンバープレート読取装置22の読取精度が低下しているか否かを判定する。
【0043】
図4は、一実施形態に係る読取結果の一致率の一例を示すグラフである。
図4には、入口ナンバープレート読取装置21または出口ナンバープレート読取装置23の読取結果(正解データ)と、中間ナンバープレート読取装置22の読取結果との一致率の経過時間に応じた低下度合いの例が示されている。
図4の縦軸は一致率(%)、横軸は経過時間を表す。一致率は、たとえば読取結果に含まれる文字数(ナンバープレート上に表記される文字総数)に対する、正解データと中間ナンバープレート読取装置22の読取結果とで一致した文字数の比率(つまり、一致率=一致した文字数/文字総数)である。グラフG22は、
図3のグラフG12に対応するグラフであって、中間ナンバープレート読取装置22の経年劣化による読取精度の低下に応じて、一致率が徐々に低下する様子を表している。また、グラフG23は、
図3のグラフG13に対応するグラフであって、中間ナンバープレート読取装置22に汚れが付着した時点から一致率が大きく低下する様子を表している。本実施形態のマッチングシステム1は、このように、経年劣化による一致率の低下傾向(グラフG22)と比較して、一致率が有意に低下した場合には、汚れにより中間ナンバープレート読取装置22の読取精度が低下したことを検出する。
【0044】
(マッチングシステムの処理フロー)
次に、マッチングシステム1が中間ナンバープレート読取装置22の読取精度の低下の有無を検出する処理の詳細について説明する。
【0045】
図5は、一実施形態に係るマッチングシステムの処理の一例を示すシーケンス図である。
図5には、ある車両が有料道路を走行したときのマッチングシステム1の処理の例が示されている。まず、車両が入口料金所から有料道路に進入すると、入口ナンバープレート読取装置21は、この車両のナンバープレートの撮影、およびナンバープレート情報の読取処理を行う(ステップS01)。これらの処理は既知の技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0046】
また、入口ナンバープレート読取装置21は、読み取ったナンバープレート情報と、読取時刻とを含む進入車両情報D1をマッチングサーバ10に送信する(ステップS02)。また、進入車両情報D1には、入口ナンバープレート読取装置21が設置された入口料金所を特定可能な情報(たとえば料金所ID)が付加される。また、入口ナンバープレート読取装置21は、進入車両情報D1とともに、読取処理に用いた画像をマッチングサーバ10に送信してもよい。
【0047】
マッチングサーバ10の進入車両情報取得部111は、入口ナンバープレート読取装置21から進入車両情報D1を受信すると、ストレージ13に記録して蓄積する(ステップS03)。
【0048】
図6は、一実施形態に係る進入車両情報、通過車両情報、および退出車両情報の一例を示す図である。
図6に示すように、進入車両情報取得部111は、進入車両情報D1に付された料金所IDに基づいて、入口料金所別の進入車両情報テーブルD10に進入車両情報D1を記録してもよい。
【0049】
次に、車両が環状線Aの通過検出位置(
図1)を走行したとする。そうすると、環状線Aの通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置22は、この車両のナンバープレートの撮影、およびナンバープレート情報の読取処理を行う(ステップS04)。
【0050】
また、中間ナンバープレート読取装置22は、読み取ったナンバープレート情報と、読取時刻とを含む通過車両情報D2を画像サーバ30に送信する(ステップS05)。また、通過車両情報D2には、中間ナンバープレート読取装置22が設置された通過検出位置(環状線A)を特定可能な情報(たとえば検知位置ID)が付加される。また、中間ナンバープレート読取装置22は、通過車両情報D2とともに、読取処理に用いた画像を画像サーバ30に送信してもよい。
【0051】
画像サーバ30は、中間ナンバープレート読取装置22から通過車両情報D2を受信すると、ストレージ(不図示)に記録して蓄積する(ステップS06)。また、
図6に示すように、画像サーバ30は、通過車両情報D2に付された検知位置IDに基づいて、通過検出位置別の通過車両情報テーブルD20に通過車両情報D2を記録してもよい。
【0052】
次に、車両が出口料金所から有料道路を退出したとする。そうすると、出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置23は、この車両のナンバープレートの撮影、およびナンバープレート情報の読取処理を行う(ステップS07)。
【0053】
また、出口ナンバープレート読取装置23は、読み取ったナンバープレート情報と、読取時刻とを含む退出車両情報D3をマッチングサーバ10に送信する(ステップS08)。また、退出車両情報D3には、出口ナンバープレート読取装置23が設置された出口料金所を特定可能な情報(料金所ID)が付加される。また、出口ナンバープレート読取装置23は、退出車両情報D3とともに、読取処理に用いた画像をマッチングサーバ10に送信してもよい。
【0054】
マッチングサーバ10の退出車両情報取得部110は、出口ナンバープレート読取装置23から退出車両情報D3を受信すると、ストレージ13に記録して蓄積する(ステップS09)。退出車両情報取得部110は、
図6に示すように、退出車両情報D3に付された料金所IDに基づいて、出口料金所別の退出車両情報テーブルD30に退出車両情報D3を記録してもよい。
【0055】
退出車両情報D3を取得すると、マッチングサーバ10はマッチング処理を実行する(ステップS10)。
【0056】
図7は、一実施形態に係るマッチング処理の一例を示すフローチャートである。
図8は、一実施形態に係るマッチング処理を説明するための図である。
ここでは、
図7~
図8を参照しながらマッチングサーバ10のマッチング処理S10の詳細について説明する。
【0057】
まず、進入車両情報取得部111は、進入車両情報テーブルD10に記録されている複数の進入車両情報D1から、退出車両情報取得部110が取得した退出車両情報D3と一致する進入車両情報D1を検索して取得する(ステップS101)。
【0058】
図8に示すように、退出車両情報取得部110が取得した退出車両情報D3に含まれる読取時刻をT3、ナンバープレート情報をX3とする。進入車両情報取得部111は、複数の入口料金所それぞれの進入車両情報テーブルD10に記録されている進入車両情報D1のうち、退出車両情報D3の読取時刻T3(
図8の例では「11:00」)よりも前に読み取られた進入車両情報D1を検索対象データTD1として抽出する。
【0059】
また、進入車両情報取得部111は、抽出した検索対象データTD1のうち、たとえば読取時刻が新しいものから順に、退出車両情報D3のナンバープレート情報X3と一致するナンバープレート情報を有する進入車両情報D1を検索して取得する。取得した進入車両情報D1の読取時刻をT1、ナンバープレート情報をX1とする。
【0060】
なお、進入車両情報取得部111は、ストレージ13に予め記録されている料金所データを参照して、退出車両情報D3を読み取った出口料金所よりも上流側に位置する入口料金所の進入車両情報テーブルD10のみから、検索対象データTD1を抽出してもよい。このように検索対象データを絞り込むことによって、検索処理を高速化することができる。
【0061】
次に、通過車両情報取得部112は、ステップS101で取得した進入車両情報D1の読取時刻T1(
図8の例では「10:10」)より後、かつ、退出車両情報D3の読取時刻T3(
図8の例では「11:00」)より前の期間に読み取られた通過車両情報D2を検索対象データTD2として抽出する(ステップS102)。
【0062】
このとき、通過車両情報取得部112は、ストレージ13に予め記録されている料金所データを参照して、進入車両情報D1を読み取った入口料金所よりも下流側、かつ、退出車両情報D3を読み取った出口料金所よりも上流側に位置する通過検出位置の通過車両情報テーブルD20のみから、検索対象データTD2を抽出してもよい。このように検索対象データを絞り込むことによって、検索処理を高速化することができる。
【0063】
また、通過車両情報取得部112は、検索対象データTD2として抽出した通過車両情報D2のナンバープレート情報それぞれについて、退出車両情報D3のナンバープレート情報X3との一致率(%)を計算する(ステップS103)。なお、通過車両情報取得部112は、進入車両情報D1のナンバープレート情報X1との一致率を計算してもよい。
【0064】
次に、通過車両情報取得部112は、一致率が所定の一致判定閾値(たとえば、70%)以上、かつ、最も高い通過車両情報D2を、退出車両情報D3(または進入車両情報D1)と一致するデータとして取得する(ステップS104)。
【0065】
なお、通過車両情報取得部112は、入口料金所から出口料金所までの区間に複数の通過検出位置(中間ナンバープレート読取装置22)がある場合に、通過検出位置ごとに通過車両情報D2を取得するようにしてもよい。また、通過車両情報取得部112は、ある通過検出位置の検索対象データTD2に一致率が一致判定閾値以上の通過車両情報D2が存在しない場合、車両がこの通過検出位置を通過していないと判断する。通過車両情報取得部112は、通過していないと判断した通過検出位置の検索対象データTD2から通過車両情報D2を取得しない。これにより、通過車両情報取得部112は、複数の通過検出位置のうち、車両が通過した通過検出位置で読み取られた通過車両情報D2のみを取得することができる。
【0066】
また、図示は略すが、通過車両情報取得部112は、入口料金所から出口料金所までの区間に通過検出位置が存在しない場合、一致する通過車両情報D2が存在しないとしてマッチング処理S10を終了してもよい。
【0067】
マッチング処理S10により、1台の車両に紐付けられる進入車両情報D1、通過車両情報D2、および退出車両情報D3をそれぞれ取得することができる。このマッチング結果はストレージ13に記録され、たとえばこの車両の走行経路を特定するために用いられてもよい。また、本実施形態では、このマッチング結果を利用して、中間ナンバープレート読取装置22の読取精度の低下の有無を判定する。この判定処理については、
図5に示すシーケンスを参照しながら説明する。
【0068】
マッチングサーバ10の判定部113は、中間ナンバープレート読取装置22の一定期間における一致率を計算する(ステップS11)。たとえば、判定部113は、ストレージ13に記録されたマッチング結果から、環状線A(
図1)の中間ナンバープレート読取装置22の現在から過去の一定期間(たとえば1か月間)におけるマッチング結果を抽出し、一致率の平均値を計算する。
【0069】
次に、判定部113は、一定期間の一致率が所定の異常判定閾値(たとえば、70%)を下回った場合に(ステップS12;YES)、環状線Aの中間ナンバープレート読取装置22に異常がある、すなわち、汚れにより読取精度が低下していると判断する。なお、異常判定閾値は、
図4に例示する一致率の低下傾向や、環境条件(通過検出位置の天候や日照条件の傾向、屋根など雨や雪などを遮る構造物の有無、同じ地名や分類番号を有する車両の通行が多い場所である、など)に基づいて、任意に変更してもよい。
【0070】
また、一致率が異常判定閾値を下回った場合(ステップS12;YES)、判定部113は、環状線Aの中間ナンバープレート読取装置22の異常(読取精度の低下)を画像サーバ30に通知する(ステップS13)。異常通知を受信すると、画像サーバ30は、異常の発生元である環状線Aの中間ナンバープレート読取装置22に異常通知を行う(ステップS15)。
【0071】
なお、判定部113は、画像サーバ30に加えて、不図示の上位サーバ(たとえば、有料道路の事業者やメンテナンス業者の管理サーバなど)に対して異常通知を行ってもよい。これにより、たとえばメンテナンス業者が、環状線Aの中間ナンバープレート読取装置22の清掃やメンテナンスを速やかに行うことが可能となる。これにより、中間ナンバープレート読取装置22の読取精度の低下によって、マッチングシステム1の運用(たとえば、車両の走行経路の特定)に支障が生じることを抑制することができる。あるいは、たとえマッチングシステム1の運用に支障が生じたとしても、短期間で復旧させることができる。
【0072】
また、判定部113は、一定期間の一致率が所定の異常判定閾値以上である場合に(ステップS12;NO)、環状線Aの中間ナンバープレート読取装置22は異常なしであると判断し、この中間ナンバープレート読取装置22についての判定処理を終了する(ステップS14)。
【0073】
なお、有料道路に複数の中間ナンバープレート読取装置22が設置されている場合、判定部113は、中間ナンバープレート読取装置それぞれについて、同じようにステップS11~S14の処理を実行する。
【0074】
また、
図5には、判定部113が一定期間の一致率を計算し、一致率が異常判定閾値を下回る場合に、中間ナンバープレート読取装置22が異常であると判定する例について記載したが、これに限られることはない。他の実施形態では、判定部113は、一定期間の誤一致率を計算し、誤一致率が異常判定閾値(たとえば、30%)以上となった場合に、中間ナンバープレート読取装置22が異常であると判定してもよい。
【0075】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係るマッチングサーバ10は、出口ナンバープレート読取装置23が読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報D3を取得する退出車両情報取得部110と、入口ナンバープレート読取装置21が読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報D1のうち、退出車両情報D3と一致する進入車両情報D1を取得する進入車両情報取得部111と、中間ナンバープレート読取装置22が読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報D2のうち、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率が最も高い通過車両情報D2を取得する通過車両情報取得部112と、一致率に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22の異常(読取精度の低下)の有無を判定する判定部113と、を備える。
【0076】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、中間ナンバープレート読取装置22に検知装置などの構成を追加することなく、各ナンバープレート読取装置21,22,23の読取結果に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22のハードウェア的な異常検知手法では検出が困難な、汚れによる異常(読取精度の低下)の有無を判定することができる。
【0077】
また、マッチングサーバ10の通過車両情報取得部112は、進入車両情報D1の読取時刻T1より後、かつ、退出車両情報D3の読取時刻T3より前の期間に読み取られた通過車両情報D2を抽出し、抽出した通過車両情報D2のうち、最も一致率が高い通過車両情報D2を取得する。
【0078】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、進入車両情報D1および退出車両情報D3の読取時刻から、検索対象となる通過車両情報D2の候補を絞り込むことができる。これにより、マッチングサーバ10は、通過車両情報D2の検索処理を高速化することができる。
【0079】
また、通過車両情報取得部112は、進入車両情報D1を読み取った入口ナンバープレート読取装置21が設置された入口料金所から退出車両情報D3を読み取った出口ナンバープレート読取装置23が設置された出口料金所までの区間に設置された中間ナンバープレート読取装置22が読み取った通過車両情報D2を抽出し、抽出した通過車両情報D2のうち最も一致率が高い通過車両情報D2を取得する。
【0080】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、進入車両情報D1および退出車両情報D3が読み取られた場所から、検索対象となる通過車両情報D2の候補を絞り込むことができる。これにより、マッチングサーバ10は、通過車両情報D2の検索処理を高速化することができる。
【0081】
また、通過車両情報取得部112は、複数の通過車両情報D2それぞれについて、進入車両情報D1または退出車両情報D3との一致率を計算し、一致率が所定の一致判定閾値以上、かつ、最も高い通過車両情報D2を取得する。
【0082】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、一致判定閾値を超える通過車両情報D2がない場合に、車両がこれら通過車両情報D2を読み取った中間ナンバープレート読取装置22の設置位置(通過検出位置)を通過しなかったと判断することができるので、誤った通過車両情報D2とマッチングしてしまうことを抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態に係るマッチングシステム1は、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置23と、有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置21と、有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置22と、上述のマッチングサーバ10と、を備える。
【0084】
このようにすることで、マッチングシステム1は、中間ナンバープレート読取装置22に検知装置などの構成を追加することなく、各ナンバープレート読取装置21,22,23の読取結果に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22のハードウェア的な異常検知手法では検出が困難な、汚れによる異常(読取精度の低下)の有無を判定することができる。
【0085】
以上のとおり、本開示に係る実施形態を説明したが、上記した実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0086】
<付記>
上述の実施形態に記載のマッチングサーバ、マッチングシステム、異常判定方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0087】
(1)第1の態様によれば、マッチングサーバ10は、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置23が有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報D3を取得する退出車両情報取得部110と、有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置21が有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報D1のうち、退出車両情報D3と一致する進入車両情報D1を取得する進入車両情報取得部111と、有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置22が通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報D2のうち、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率が最も高い通過車両情報D2を取得する通過車両情報取得部112と、一致率に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22の異常の有無を判定する判定部113と、を備える。
【0088】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、中間ナンバープレート読取装置22に検知装置などの構成を追加することなく、各ナンバープレート読取装置21,22,23の読取結果に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22のハードウェア的な異常検知手法では検出が困難な、汚れによる異常(読取精度の低下)の有無を判定することができる。
【0089】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係るマッチングサーバ10において、通過車両情報取得部112は、進入車両情報D1の読取時刻T1より後、かつ、退出車両情報D3の読取時刻T3より前の期間に読み取られた通過車両情報D2を抽出し、抽出した通過車両情報D2のうち、最も一致率が高い通過車両情報D2を取得する。
【0090】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、進入車両情報D1および退出車両情報D3の読取時刻から、検索対象となる通過車両情報D2の候補を絞り込むことができる。これにより、マッチングサーバ10は、通過車両情報D2の検索処理を高速化することができる。
【0091】
(3)第3の態様によれば、第1または第2の態様に係るマッチングサーバ10において、通過車両情報取得部112は、進入車両情報D1を読み取った入口ナンバープレート読取装置21が設置された入口料金所から退出車両情報D3を読み取った出口ナンバープレート読取装置23が設置された出口料金所までの区間に設置された中間ナンバープレート読取装置22が読み取った通過車両情報D2を抽出し、抽出した通過車両情報D2のうち最も一致率が高い通過車両情報D2を取得する。
【0092】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、進入車両情報D1および退出車両情報D3が読み取られた場所から、検索対象となる通過車両情報D2の候補を絞り込むことができる。これにより、マッチングサーバ10は、通過車両情報D2の検索処理を高速化することができる。
【0093】
(4)第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様に係るマッチングサーバ10において、通過車両情報取得部112は、複数の通過車両情報D2それぞれについて、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率を計算し、一致率が所定の一致判定閾値以上、かつ、最も高い通過車両情報D2を取得する。
【0094】
このようにすることで、マッチングサーバ10は、一致判定閾値を超える通過車両情報D2がない場合に、車両がこれら通過車両情報D2を読み取った中間ナンバープレート読取装置22の設置位置(通過検出位置)を通過しなかったと判断することができるので、誤った通過車両情報D2とマッチングしてしまうことを抑制することができる。
【0095】
(5)第5の態様によれば、マッチングシステム1は、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置23と、有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置21と、有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置22と、第1から第4のいずれか一の態様に係るマッチングサーバ10と、を備える。
【0096】
このようにすることで、マッチングシステム1は、中間ナンバープレート読取装置22に検知装置などの構成を追加することなく、各ナンバープレート読取装置21,22,23の読取結果に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22のハードウェア的な異常検知手法では検出が困難な、汚れによる異常(読取精度の低下)の有無を判定することができる。
【0097】
(6)第6の態様によれば、マッチング方法は、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置23が有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報D3を取得するステップと、有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置21が有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報D1のうち、退出車両情報D3と一致する進入車両情報D1を取得するステップと、有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置22が通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報D2のうち、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率が最も高い通過車両情報D2を取得するステップと、一致率に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22の異常の有無を判定するステップと、を有する。
【0098】
(7)第7の態様によれば、プログラムは、有料道路の出口料金所に設置された出口ナンバープレート読取装置23が有料道路を退出する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む退出車両情報D3を取得するステップと、有料道路の入口料金所に設置された入口ナンバープレート読取装置21が有料道路に進入する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む進入車両情報D1のうち、退出車両情報D3と一致する進入車両情報D1を取得するステップと、有料道路の所定の通過検出位置に設置された中間ナンバープレート読取装置22が通過検出位置を通過する車両から読み取ったナンバープレート情報を含む通過車両情報D2のうち、退出車両情報D3または進入車両情報D1との一致率が最も高い通過車両情報D2を取得するステップと、一致率に基づいて、中間ナンバープレート読取装置22の異常の有無を判定するステップと、をマッチングサーバ10に実行させる。
【符号の説明】
【0099】
1 マッチングシステム
10 マッチングサーバ
11 プロセッサ
110 退出車両情報取得部
111 進入車両情報取得部
112 通過車両情報取得部
113 判定部
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信IF
21 入口ナンバープレート読取装置
22 中間ナンバープレート読取装置
23 出口ナンバープレート読取装置
200 カメラ
201 レンズ
202 照明
203 IF基板
204 画像処理装置
30 画像サーバ
D1 進入車両情報
D2 通過車両情報
D3 退出車両情報