(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117173
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ナンバープレート読取装置、ナンバープレート読取方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/017 20060101AFI20240822BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20240822BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240822BHJP
【FI】
G08G1/017
G08G1/04 C
G06T7/00 650B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023111
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】石谷 匠
(72)【発明者】
【氏名】二改 祐介
(72)【発明者】
【氏名】尾張 伸行
【テーマコード(参考)】
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181EE07
5H181EE10
5L096BA04
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA26
5L096FA62
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】撮影した画像に基づいてキャリアカーに運搬される被積載車両のナンバープレートであるか否かを識別することができるナンバープレート読取装置を提供する。
【解決手段】ナンバープレート読取装置は、光軸が車線方向と所定のパン角をなすように配置されるカメラと、前記カメラが撮影した画像から、前記車線を走行する車両のナンバープレートを検出する検出部と、一つの前記画像から複数のナンバープレートが検出された場合に、複数の前記ナンバープレートの1つである第1ナンバープレートから、前記第1ナンバープレートよりも前記画像の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定する推定部と、推定した前記車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、前記第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線の路側において、光軸が前記車線の延びる方向である車線方向と所定のパン角をなすように配置されるカメラと、
前記カメラが撮影した画像から、前記車線を走行する車両のナンバープレートを検出する検出部と、
一つの前記画像から複数のナンバープレートが検出された場合に、複数の前記ナンバープレートの1つである第1ナンバープレートから、前記第1ナンバープレートよりも前記画像の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定する推定部と、
推定した前記車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、前記第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定する判定部と、
を備えるナンバープレート読取装置。
【請求項2】
前記画像から検出されたナンバープレートのナンバープレート情報を読み取って出力する処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記判定部が被積載車両のナンバープレートであると判定したナンバープレートを除外してナンバープレートの読み取りを行う、または、読み取ったナンバープレート情報のうち前記判定部が被積載車両のナンバープレートであると判定したナンバープレートのナンバープレート情報を除外して出力する、
請求項1に記載のナンバープレート読取装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記画像における前記第1ナンバープレートの中心座標と、前記第2ナンバープレートの中心座標と、前記カメラの前記パン角とに基づいて、世界座標における前記第1ナンバープレートの中心座標と、前記第2ナンバープレートの中心座標との車線方向の差である車線方向成分の大きさを推定する、
請求項1または2に記載のナンバープレート読取装置。
【請求項4】
前記推定部は、世界座標における前記第1ナンバープレートの中心座標および前記第2ナンバープレートの中心座標の垂直方向位置を、普通乗用車のナンバープレートの中心位置の垂直方向位置に基づいて設定する、
請求項3に記載のナンバープレート読取装置。
【請求項5】
車線の路側において、光軸が前記車線の延びる方向である車線方向と所定のパン角をなすように配置されるカメラと、画像処理装置とを備えるナンバープレート読取装置により、前記車線を走行する車両のナンバープレートを読み取るナンバープレート読取方法であって、
前記カメラが撮影した画像から、前記車線を走行する車両のナンバープレートを検出するステップと、
一つの前記画像から複数のナンバープレートが検出された場合に、複数の前記ナンバープレートの1つである第1ナンバープレートから、前記第1ナンバープレートよりも前記画像の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定するステップと、
推定した前記車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、前記第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定するステップと、
を有するナンバープレート読取方法。
【請求項6】
車線の路側において、光軸が前記車線の延びる方向である車線方向と所定のパン角をなすように配置されるカメラと、画像処理装置とを備えるナンバープレート読取装置により、前記車線を走行する車両のナンバープレートを読み取るナンバープレート読取装置に、
前記カメラが撮影した画像から、前記車線を走行する車両のナンバープレートを検出するステップと、
一つの前記画像から複数のナンバープレートが検出された場合に、複数の前記ナンバープレートの1つである第1ナンバープレートから、前記第1ナンバープレートよりも前記画像の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定するステップと、
推定した前記車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、前記第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナンバープレート読取装置、ナンバープレート読取方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路を走行する車両を特定するための技術として、例えば特許文献1には、車両のナンバープレートを読み取るナンバープレート読取装置が開示されている。
【0003】
有料道路などでは、ガントリ上に設置される、いわゆるガントリ設置型のナンバープレート読取装置が用いられる場合がある。ガントリ設置型のナンバープレート読取装置は、走行車線の上空から斜め下方向に光軸を向けたカメラを有し、カメラが撮影した走行車線の画像に所定の画像処理(例えば、ナンバープレートの検出処理、OCR処理など)を施すことにより、車両のナンバープレート情報を読み取る。ガントリ設置型のナンバープレート読取装置では、撮影した画像に複数の車両のナンバープレートが含まれる場合がある。この場合、ナンバープレート読取装置は、撮影した画像に含まれる複数のナンバープレートそれぞれを検出して、複数の車両のナンバープレート情報を読み取ることが可能である。
【0004】
ナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報は、例えば、車種を判別し、車種に応じた通行料金を課金するために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、有料道路では、車両(被積載車両)を運搬するキャリアカーが走行する場合がある。このとき、実際に走行車線を走行した車両であるキャリアカーのみに通行料金を課金し、キャリアカーの被積載車両には通行料金を課金しないように除外する必要がある。
【0007】
従来のナンバープレート読取装置では、例えば画像内に2つのナンバープレートが含まれる場合に、これらナンバープレートが、前後に連続して縦列走行する2台の車両のナンバープレートであるのか、キャリアカーおよび被積載車両のナンバープレートであるのか識別することは困難である。また、例えば、ナンバープレート読取装置とともにレーザセンサを設置し、センサデータから得られる車両の形状的な特徴などに基づいて、縦列走行する2台の車両のナンバープレートであるのか、キャリアカーおよび被積載車両のナンバープレートであるのか識別することが考えられる。しかしながら、ナンバープレート読取装置の設置個所は有料道路の全区間にわたって多数存在するので、各設置個所それぞれにレーザセンサを追加すると、ナンバープレートの読取処理に要するコストが大幅に増加する。したがって、ナンバープレート読取装置が撮影した画像のみから、被積載車両のナンバープレートであるか否かを識別する技術が望まれている。
【0008】
本開示の目的は、撮影した画像に基づいてキャリアカーに運搬される被積載車両のナンバープレートであるか否かを識別することができるナンバープレート読取装置、ナンバープレート読取方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様によれば、ナンバープレート読取装置は、車線の路側において、光軸が前記車線の延びる方向である車線方向と所定のパン角をなすように配置されるカメラと、前記カメラが撮影した画像から、前記車線を走行する車両のナンバープレートを検出する検出部と、一つの前記画像から複数のナンバープレートが検出された場合に、複数の前記ナンバープレートの1つである第1ナンバープレートから、前記第1ナンバープレートよりも前記画像の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定する推定部と、推定した前記車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、前記第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定する判定部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様によれば、ナンバープレート読取方法は、車線の路側において、光軸が前記車線の延びる方向である車線方向と所定のパン角をなすように配置されるカメラと、画像処理装置とを備えるナンバープレート読取装置により、前記車線を走行する車両のナンバープレートを読み取るナンバープレート読取方法であって、前記カメラが撮影した画像から、前記車線を走行する車両のナンバープレートを検出するステップと、一つの前記画像から複数のナンバープレートが検出された場合に、複数の前記ナンバープレートの1つである第1ナンバープレートから、前記第1ナンバープレートよりも前記画像の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定するステップと、推定した前記車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、前記第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定するステップと、を有する。
【0011】
本開示の一態様によれば、プログラムは、車線の路側において、光軸が前記車線の延びる方向である車線方向と所定のパン角をなすように配置されるカメラと、画像処理装置とを備えるナンバープレート読取装置により、前記車線を走行する車両のナンバープレートを読み取るナンバープレート読取装置に、前記カメラが撮影した画像から、前記車線を走行する車両のナンバープレートを検出するステップと、一つの前記画像から複数のナンバープレートが検出された場合に、複数の前記ナンバープレートの1つである第1ナンバープレートから、前記第1ナンバープレートよりも前記画像の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定するステップと、推定した前記車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、前記第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
上記態様によれば、撮影した画像に基づいてキャリアカーに運搬される被積載車両のナンバープレートであるか否かを識別し、被積載車両を除外した各車両のナンバープレートを読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の全体構成を示す第1の概略図である。
【
図2】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の全体構成を示す第2の概略図である。
【
図3】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第1の図である。
【
図6】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第2の図である。
【
図7】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第3の図である。
【
図8】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第4の図である。
【
図9】一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第5の図である。
【
図10】従来のナンバープレート読取装置が撮影した画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(ナンバープレート読取装置の全体構成)
図1は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の全体構成を示す第1の概略図である。
図2は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の全体構成を示す第2の概略図である。
ナンバープレート読取装置1は、有料道路の車線Lを走行する車両VのナンバープレートNPに表記されたナンバープレート情報を読み取る。以下の説明において、車線Lが延びる方向(Y方向)を「車線方向」、車線方向と水平に直交する方向(X方向)を「幅方向」、車線Lの路面と垂直に直交する方向(Z方向)を「垂直方向」とも記載する。
図1は、車線Lの幅方向(X方向)の一方側から見た概略図であり、
図2は有料道路を垂直方向(Z方向)の上側から見た概略図である。
【0015】
図1および
図2に示すように、ナンバープレート読取装置1は、カメラ10と、画像処理装置11とを備える。
【0016】
カメラ10は、例えば所定時間ごとに車線Lを撮影し、撮影した画像D1を画像処理装置11に送信する。
【0017】
カメラ10は、
図1に示すように、例えば車線Lの路側において、光軸Daが車線方向の上流側から下流側(車両Vの進行方向前側)を向くように配置される。また、カメラ10は、支柱の上方に取り付けられ、光軸Daが車線Lの上空から路面を向くように下向きに配置される。さらに、カメラ10は、
図2に示すように、光軸Daが車線方向(Y方向)と所定のパン角θをなすように、車線方向に対して斜めに配置される。
【0018】
なお、カメラ10のパン角θが大きくなる(90°に近づく)と、車両VのナンバープレートNPの読み取り精度が低下する。したがって、カメラ10のパン角θは、ナンバープレートNPの読み取り精度が基準精度を満たすように設定される必要がある。例えば、パン角θは、「0°<θ<45°」の範囲のうち、任意の角度に設定される。
【0019】
画像処理装置11は、カメラ10が撮影した画像D1に基づいて、車線Lを走行する車両Vのナンバープレートからナンバープレート情報D2を読み取る。画像処理装置11の具体的な機能構成については後述する。また、画像処理装置11は、読み取ったナンバープレート情報D2を上位装置3に送信する。
【0020】
上位装置3は、ナンバープレート読取装置1から受信したナンバープレート情報D2に基づいて、車両Vに対する各種処理を行う。例えば、上位装置3は、有料道路の課金処理を行うためのサーバである。上位装置3は、ナンバープレート情報D2から各車両Vの車種を判別し、各車両Vに対して車種に応じた通行料金を課金する処理を実行する。
【0021】
(ナンバープレート読取装置の機能構成)
図3は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ナンバープレート読取装置1の画像処理装置11は、プロセッサ110と、メモリ111と、ストレージ112と、通信インタフェース113とを備える。
【0022】
プロセッサ110は、所定のプログラムに従って動作することにより、検出部1101、推定部1102、判定部1103、処理部1104としての機能を発揮する。
【0023】
検出部1101は、カメラ10が撮影した画像D1から、車線Lを走行する車両VのナンバープレートNPを検出する。
【0024】
推定部1102は、一つの画像D1から複数のナンバープレートNPが検出された場合に、複数のナンバープレートNPの1つである第1ナンバープレートから、第1ナンバープレートよりも画像D1の上側に位置する第2ナンバープレートまでの車線方向成分の大きさを推定する。
【0025】
判定部1103は、推定した車線方向成分の大きさが予め定められた閾値以下である場合に、第2ナンバープレートを被積載車両のナンバープレートであると判定する。
【0026】
処理部1104は、画像D1に含まれるナンバープレートNPのナンバープレート情報D2を読み取って上位装置3に送信する。このとき、処理部1104は、被積載車両のナンバープレートと判定されたナンバープレートを読み取り対象から除外して、ナンバープレートNPの読み取り処理を行う。ナンバープレート情報D2は、例えば、ナンバープレートNPに表記された地名、分類番号、一連番号などである。また、ナンバープレート情報D2は、ナンバープレートNPの色や大きさを含んでもよい。処理部1104は、被積載車両のナンバープレートを読み取り対象から除外する処理の代わりに、読み取り処理を行った後に上位装置3に送信する対象から外すこととしてもよい。
【0027】
なお、プロセッサ110が実行する所定のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0028】
メモリ111は、プロセッサ110の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0029】
ストレージ112は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。ストレージ112には、プロセッサ110の各部が処理中に取得、生成、参照するデータが格納される。
【0030】
通信インタフェース113はカメラ10や上位装置3との間で各種データや制御信号などの送受信を行うためのインタフェースである。
【0031】
(ナンバープレート読取装置の処理フロー)
図4は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の処理の一例を示すフローチャートである。
以下、
図4を参照しながら、ナンバープレート読取装置1の処理の流れについて説明する。
【0032】
ナンバープレート読取装置1のカメラ10は、所定時間毎に車線Lを撮影した画像D1を画像処理装置11に送信する。画像処理装置11の検出部1101は、受信した画像D1に所定の画像処理を行い、ナンバープレートを検出する。ナンバープレートNPを検出する技術は既知であるため説明を省略する。
【0033】
画像処理装置11は、検出部1101が画像D1からナンバープレートNPが検出できなかった場合(ステップS01;NO)、つまり、車線Lを走行する車両Vが存在しない場合は、処理を終了する。
【0034】
また、画像処理装置11は、画像D1からナンバープレートNPを検出した場合(ステップS01;YES)、検出したナンバープレートNPの数nが2以上であるか判定する(ステップS02)。
【0035】
例えば、
図1の例のように、車線Lを単独の車両Vのみが走行していたとする。この場合、検出部1101は、画像D1からナンバープレートNPを1つのみ検出する(n=1)。そうすると、処理部1104は、検出したナンバープレートNPの数nが1(ステップS02;NO)であるので、画像D1には被積載車両のナンバープレートNPは含まれていない判断する。そうすると、処理部1104は、検出されたナンバープレートNPからナンバープレート情報D2を読み取って出力(上位装置3に送信)する(ステップS14)。ナンバープレート情報D2を読み取る技術(OCR技術など)は既知であるため説明を省略する。また、処理部1104は、ナンバープレート情報D2とともに、画像D1を上位装置3に送信してもよい。
【0036】
図5は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第1の図である。
図6は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第1の図である。
また、
図5の例のように車線Lを複数の車両V1,V2が縦列走行している場合、または、
図6の例のように車両V1が被積載車両V2を積載して走行している場合について考える。この場合、検出部1101は、画像D1から2つのナンバープレートNPを検出する(n=2)。そうすると、検出したナンバープレートの数nが2以上(ステップS02;YES)であるので、画像処理装置11は、画像D1に含まれる複数のナンバープレートNPのうち、被積載車両のナンバープレートを識別する一連の処理(ステップS03~S10)を行う。
【0037】
まず、画像処理装置11は、処理実施回数iを「1」にセットする(ステップS03)。
【0038】
次に、画像処理装置11の推定部1102は、画像D1から検出した複数のナンバープレートNPそれぞれに、中心座標に基づいてラベルNP(1),NP(2),…,NP(n)を付与する(ステップS04)。
【0039】
図7は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第3の図である。
図7には、カメラ10が撮影した画像D1における画像座標の例が示されている。
図7に示すように、画像D1の画像座標は画像D1の左上を原点とする。画像D1において、矢印Dzで表される方向は、路面と垂直に直交する垂直方向(
図1に示す世界座標のZ方向)に相当する。以下、画像D1における垂直方向Dzとも記載する。また、垂直方向Dzからパン角θ分マイナス側(左側)に傾けた線分Dyは、車線方向(
図1に示す世界座標のY方向)に相当する。以下、画像D1における車線方向Dyとも記載する。
【0040】
図8は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第4の図である。
図9は、一実施形態に係るナンバープレート読取装置の機能を説明するための第5の図である。
図8および
図9は、
図5および
図6に例示した画像D1それぞれをナンバープレートNPの画像座標のみに着目して簡略化したものである。ナンバープレートNPの中心座標は、画像座標の位置(u,v)で表される。本実施形態では、
図5および
図6の例のように、推定部1102は、中心座標(u,v)の値が大きい(すなわち、画像D1の下側に位置する)ナンバープレートNPから順に、NP(1),NP(2)のラベルを付す。
【0041】
また、推定部1102は、複数のナンバープレートNP(1),NP(2),…NP(n)のうち、第1ナンバープレートNP(i)と、第2ナンバープレートNP(i+1)を選択する(ステップS05)。例えば、処理実施回数iが「1」である場合、推定部1102は、画像D1の下から1番目のナンバープレートNP(1)を第1ナンバープレートとし、下から2番目のナンバープレートNP(2)を第2ナンバープレートとする。
【0042】
次に、推定部1102は、第1ナンバープレートNP(i)の中心座標(ui,vi)から、第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標(ui+1,vi+1)へのベクトル(t1,t2)=(ui+1-ui,vi+1-vi)を計算する(ステップS06)。
【0043】
また、推定部1102は、ベクトル(t
1,t
2)の車線方向成分(t
1_1,t
2_1)を以下の式(1)より計算する(ステップS07)。
図7に示す垂直方向Dzと車線方向Dyとの間の角度θ(カメラ10のパン角θ)から式(1)のa,bが求まり、車線方向成分(t
1_1,t
2_1)が求まる。
【0044】
【0045】
次に、推定部1102は、第1ナンバープレートNP(i)の中心座標から第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標までの車線方向成分の大きさを計算して推定する(ステップS08)。具体的には、推定部1102は、まず、画像座標の第1ナンバープレートNP(i)の中心座標である第1位置(ui,vi)と、第1ナンバープレートNP(i)の中心座標を車線方向成分の分だけ第2ナンバープレートNP(i+1)の位置までずらした位置である第2位置(ui+t1_1,vi+t1_2)とを、既知の透視投影変換の逆変換を用いて、世界座標(Xw1,Yw1,Zw1)と、(Xw2,Yw2,Zw2)に変換する。第1位置および第2位置は、それぞれ世界座標における第1ナンバープレートNP(i)の中心座標と、第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標に相当する。なお、世界座標のZw1,Zw2は、例えば普通乗用車のナンバープレートの中心の平均的な垂直方向位置(路面からの位置)である710mmに設定される。また、第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標の車線方向(Y方向)における位置Yw2から、第1ナンバープレートNP(i)の中心座標の車線方向(Y方向)における位置Yw1を引いた値が、これら2つのナンバープレートの中心座標の車線方向成分の大きさである。
【0046】
図10は、従来のナンバープレート読取装置が撮影した画像の一例を示す図である。
図10には、従来のナンバープレート読取装置9の一例が示されている。従来のナンバープレート読取装置9は、ガントリ上において、車線Lの幅方向(X方向)中央から車線Lの路面を見下ろすように設置されたカメラ90を有する。カメラ90は、光軸が車線Lの上空から路面を向くように、また、光軸の延びる方向が車線方向(Y方向)と一致するように配置される。また、
図10には、従来のナンバープレート読取装置9が積載車両V(1)と被積載車両V(2)を撮影した画像D9の例が示されている。従来のナンバープレート読取装置9では、カメラの車線方向(Y方向)に対するパン角θは0°である。したがって、画像D9の垂直方向Dzおよび車線方向Dyは同じ方向であり、区別することができない。つまり、従来の画像処理装置91は、従来のナンバープレート読取装置9が撮影した画像D9に基づいて、積載車両V(1)の第1ナンバープレートNP(1)から被積載車両V(2)の第2ナンバープレートNP(2)までの車線方向成分の大きさを得ることができない。一方で、本実施形態に係るナンバープレート読取装置1において、カメラ10は車線方向(Y方向)に対してパン角θをもって傾けられていることにより、画像D1から車線方向Dyの成分と垂直方向Dzの成分と分けて、車線方向成分の大きさを求めることが可能となる。
【0047】
次に、画像処理装置11の判定部1103は、車線方向成分の大きさYw2-Yw1が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS09)。所定の閾値は、普通乗用車の平均的な車高(例えば、1500mm)に設定される。
【0048】
積載車両のナンバープレートと被積載車両のナンバープレートの車線幅方向(X方向)の位置がずれていた場合(例えば、一方の車両のナンバープレートが車両の幅方向中央に取り付けられ、他方の車両のナンバープレートが幅方向中央から左または右側にずらして取り付けられている場合)がある。そうすると、画像D1における中心座標間のベクトルUt1,t2)と、車線方向成分のベクトル(t1_1,t2_1)とが略一致して、これら2つのナンバープレート間の車線方向成分の大きさYw2-Yw1が大きくなる可能性がある。つまり、2つの車両のナンバープレートの幅方向の取り付け位置が大きく異なると、実際には2つの車両のナンバープレートの車線方向位置が概ね同じであっても、画像D1から得られる見かけ上の車線方向成分の大きさが大きくなってしまう可能性がある。また、積載車両が2台の被積載車両(普通乗用車)を垂直方向に上下となるように搭載していた場合、2台の被積載車両のナンバープレート間の距離は、普通乗用車の車高分の大きさとなる。この場合も、これら2台の被積載車両の実際のナンバープレートの車線方向位置が概ね同じであっても、画像D1から得られる見かけ上の車線方向成分の大きさが大きくなってしまう(世界座標のX方向やZ方向の成分が世界座標のY方向の成分に含まれてしまう)可能性がある。これを踏まえ、本実施形態では、これら車両が積載車両と被積載車両の関係である(または、2台とも被積載車両である)と判定できるように、閾値を比較的大きく、具体的には、普通乗用車の車高(例えば、1500mm)に合わせて設定している。
【0049】
図6および
図9の例のように、2台の車両が積載車両V(1)と被積載車両V(2)の関係にあるとき、これら2台の車両の第1ナンバープレートNP(1)および第2ナンバープレートNP(2)間の車線方向成分の大きさY
w2-Y
w1は閾値以下となる(ステップS09;YES)。このため、判定部1103は、第2ナンバープレートNP(2)は被積載車両のナンバープレートであると判定する(ステップS10)。
【0050】
一方、
図5および
図8の例のように、2台の車両V(1),V(2)が縦列走行している場合、これら2台の車両のナンバープレートNP(1),NP(2)間の車線方向成分の大きさY
w2-Y
w1は閾値よりも大きくなる(ステップS09;NO)。この場合、判定部1103は、これら第2ナンバープレートNP(2)は、いずれも被積載車両のものではないと判定する(ステップS10をスキップする)。
【0051】
また、画像処理装置11は、処理実施回数iが画像D1から検出したナンバープレートの数nから1を減じた値である(i=n-1)場合(ステップS11;YES)、画像D1から検出された全てのナンバープレートNPについて被積載車両のものであるか否かの識別が完了したと判断する。この場合、画像処理装置11の処理部1104は、被積載車両のナンバープレートと判定されたもの以外のナンバープレートNPの読み取り処理を行い、読み取ったナンバープレート情報D2を上位装置3に送信(出力)する(ステップS12)。例えば、
図5および
図8に示す画像D1では、検出された2つのナンバープレートNP(1),NP(2)はいずれも被積載車両のものではないと判定される。したがって、処理部1104は、ナンバープレートNP(1),NP(2)それぞれからナンバープレート情報D2を読み取って、上位装置3に送信する。一方、
図6および
図9に示す画像D1では、検出された2つのナンバープレートNP(1),NP(2)のうち、ナンバープレートNP(2)は被積載車両のものであると判定される。したがって、処理部1104は、ナンバープレートNP(2)を除外し、ナンバープレートNP(1)のみからナンバープレート情報D2を読み取って、上位装置3に送信する。また、処理部1104は、ナンバープレート情報D2とともに、画像D1を上位装置3に送信してもよい。
【0052】
なお、他の実施形態では、画像処理装置11の処理部1104は、ステップS12において、画像D1の全てのナンバープレートNPの読み取り処理を行い、読み取ったナンバープレート情報D2のうち、被積載車両のものを除外して上位装置3に送信するようにしてもよい。
図6および
図9の例では、処理部1104は、2つのナンバープレートNP(1),NP(2)それぞれのナンバープレート情報D2を読み取ったあと、被積載車両のナンバープレートNP(2)のナンバープレート情報D2を除外し、ナンバープレートNP(1)のナンバープレート情報D2のみを上位装置3に送信する。
【0053】
一方、画像処理装置11は、i=n-1ではない場合(ステップS11;NO)、すなわち、被積載車両のものであるか識別されていないナンバープレートNP(i)が存在している場合、処理実施回数iに1を加算して(ステップS13)、被積載車両のナンバープレートを識別する一連の処理(ステップS03~S10)を再度行う。
【0054】
画像処理装置11は、カメラ10が画像D1を撮影する度に、
図4の一連の処理を実行する。
【0055】
(作用、効果)
本実施形態に係るナンバープレート読取装置1は、車線Lの路側において、光軸Daが車線方向(Y方向)と所定のパン角θをなすように配置されるカメラ10と、カメラ10が撮影した画像D1から、車線Lを走行する車両VのナンバープレートNPを検出する検出部1101と、一つの画像D1から複数のナンバープレートNPが検出された場合に、複数のナンバープレートNPの1つである第1ナンバープレートNP(i)から、前記第1ナンバープレートNP(i)よりも画像D1の上側に位置する第2ナンバープレートNP(i+1)までの車線方向成分の大きさYw2-Yw1を推定する推定部1102と、推定した車線方向成分の大きさYw2-Yw1が予め定められた閾値以下である場合に、第2ナンバープレートNP(i+1)を被積載車両のナンバープレートであると判定する判定部1103と、を備える。
【0056】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、撮影した画像D1に複数のナンバープレートが映っている場合に、これらナンバープレートが被積載車両のものであるか否かを識別することができる。
【0057】
また、ナンバープレート読取装置1は、画像D1から検出されたナンバープレートNPのナンバープレート情報D2を読み取って出力する処理部1104をさらに備える。処理部1104は、判定部1103が被積載車両のナンバープレートであると判定したナンバープレートを除外してナンバープレートの読み取りを行う、または、読み取ったナンバープレート情報D2のうち、判定部1103が被積載車両のナンバープレートであると判定したナンバープレートのナンバープレート情報D2を除外して出力する。
【0058】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、車線Lを走行する車両のうち、被積載車両を除外した車両のナンバープレート情報D2のみを出力することができる。例えば、ナンバープレート読取装置1は、車線Lを走行した車両のみに通行料金の課金処理を行う上位装置3に対し、課金処理に必要なナンバープレート情報のみを提供することができる。これにより、例えば上位装置3において、車線Lを走行していない被積載車両に誤って通行料金を課金してしまうこと抑制することができる。
【0059】
また、推定部1102は、画像D1における第1ナンバープレートNP(i)の中心座標と、第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標と、カメラ10のパン角θとに基づいて、世界座標における第1ナンバープレートNP(i)の中心座標と、第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標との車線方向の差である車線方向成分の大きさYw2-Yw1を推定する。
【0060】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、カメラ10のパン角から、2つのナンバープレートが車線方向でどのくらい離れているかを精度よく推定することができる。
【0061】
また、推定部1102は、世界座標における第1ナンバープレート(i)の中心座標および第2ナンバープレート(i+1)の中心座標の垂直方向位置を、普通乗用車のナンバープレートの中心位置の垂直方向位置に基づいて設定する。
【0062】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、第1ナンバープレート(i)および第2ナンバープレート(i+1)の世界座標における位置を、垂直方向位置を基準として精度よく推定することができる。
【0063】
以上のとおり、本開示に係る実施形態を説明したが、上記した実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0064】
<付記>
上述の実施形態に記載のナンバープレート読取装置、ナンバープレート読取方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0065】
(1)第1の態様によれば、ナンバープレート読取装置1は、車線Lの路側において、光軸Daが車線Lの延びる方向である車線方向と所定のパン角θをなすように配置されるカメラ10と、カメラ10が撮影した画像D1から、車線Lを走行する車両VのナンバープレートNPを検出する検出部1101と、一つの画像D1から複数のナンバープレートNPが検出された場合に、複数のナンバープレートNPの1つである第1ナンバープレートNP(i)から、第1ナンバープレートNP(i)よりも画像D1の上側に位置する第2ナンバープレートNP(i+1)までの車線方向成分の大きさYw2-Yw1を推定する推定部1102と、推定した車線方向成分の大きさYw2-Yw1が予め定められた閾値以下である場合に、第2ナンバープレートNP(i+1)を被積載車両のナンバープレートであると判定する判定部1103と、を備える。
【0066】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、撮影した画像D1に複数のナンバープレートが映っている場合に、これらナンバープレートが被積載車両のものであるか否かを識別することができる。
【0067】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係るナンバープレート読取装置1は、画像D1から検出されたナンバープレートNPのナンバープレート情報D2を読み取って出力する処理部1104をさらに備え、処理部1104は、判定部1103が被積載車両のナンバープレートであると判定したナンバープレートを除外してナンバープレートの読み取りを行う、または、読み取ったナンバープレート情報D2のうち、判定部1103が被積載車両のナンバープレートであると判定したナンバープレートのナンバープレート情報D2を除外して出力する。
【0068】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、車線Lを走行する車両のうち、被積載車両を除外した車両のナンバープレート情報D2のみを出力することができる。例えば、ナンバープレート読取装置1は、車線Lを走行した車両のみに通行料金の課金処理を行う上位装置3に対し、課金処理に必要なナンバープレート情報のみを提供することができる。これにより、例えば上位装置3において、車線Lを走行していない被積載車両に誤って通行料金を課金してしまうこと抑制することができる。
【0069】
(3)第3の態様によれば、第1または第2の態様に係るナンバープレート読取装置において、推定部1102は、画像D1における第1ナンバープレートNP(i)の中心座標と、第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標と、カメラ10のパン角θとに基づいて、世界座標における第1ナンバープレートNP(i)の中心座標と、第2ナンバープレートNP(i+1)の中心座標との車線方向(Y方向)の差である車線方向成分の大きさYw2-Yw1を推定する。
【0070】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、カメラ10のパン角から、2つのナンバープレートが車線方向でどのくらい離れているかを精度よく推定することができる。
【0071】
(4)第4の態様によれば、第3の態様に係るナンバープレート読取装置1において推定部1102は、世界座標における第1ナンバープレートNP(i)の中心座標(Xw1,Yw1,Zw1)および前記第2ナンバープレートの中心座標(Xw2,Yw2,Zw2)の垂直方向位置Zw1,Zw2を、普通乗用車のナンバープレートの中心位置の垂直方向位置に基づいて設定する。
【0072】
このようにすることで、ナンバープレート読取装置1は、第1ナンバープレート(i)および第2ナンバープレート(i+1)の世界座標における位置を、垂直方向位置を基準として精度よく推定することができる。
【0073】
(5)第5の態様によれば、ナンバープレート読取方法は、車線Lの路側において、光軸Daが車線Lの延びる方向である車線方向(Y方向)と所定のパン角θをなすように配置されるカメラ10と、画像処理装置11とを備えるナンバープレート読取装置1により、車線Lを走行する車両VのナンバープレートNPを読み取るナンバープレート読取方法であって、カメラ10が撮影した画像D1から、車線Lを走行する車両VのナンバープレートNPを検出するステップと、一つの画像D1から複数のナンバープレートNPが検出された場合に、複数のナンバープレートNPの1つである第1ナンバープレートNP(i)から、第1ナンバープレートNP(i)よりも画像D1の上側に位置する第2ナンバープレートNP(i+1)までの車線方向成分の大きさYw2-Yw1を推定するステップと、推定した車線方向成分の大きさYw2-Yw1が予め定められた閾値以下である場合に、第2ナンバープレートNP(i+1)を被積載車両のナンバープレートであると判定するステップと、を有する。
【0074】
(6)第6の態様によれば、プログラムは、車線Lの路側において、光軸Daが車線Lの延びる方向である車線方向(Y方向)と所定のパン角θをなすように配置されるカメラ10と、画像処理装置11とを備えるナンバープレート読取装置に、カメラ10が撮影した画像D1から、車線Lを走行する車両VのナンバープレートNPを検出するステップと、一つの画像D1から複数のナンバープレートNPが検出された場合に、複数のナンバープレートNPの1つである第1ナンバープレートNP(i)から、第1ナンバープレートNP(i)よりも画像D1の上側に位置する第2ナンバープレートNP(i+1)までの車線方向成分の大きさYw2-Yw1を推定するステップと、推定した車線方向成分の大きさYw2-Yw1が予め定められた閾値以下である場合に、第2ナンバープレートNP(i+1)を被積載車両のナンバープレートであると判定するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0075】
1 ナンバープレート読取装置
10 カメラ
11 画像処理装置
110 プロセッサ
1101 検出部
1102 推定部
1103 判定部
1104 処理部
111 メモリ
112 ストレージ
113 通信インタフェース
3 上位装置
9 ナンバープレート読取装置
90 カメラ
91 画像処理装置
D1 画像
D2 ナンバープレート情報
L 車線
NP ナンバープレート
V 車両
θ パン角