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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117246
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/24 20060101AFI20240822BHJP
   H02K 5/18 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H02K21/24 M
H02K5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023232
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 渉
【テーマコード(参考)】
5H605
5H621
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605BB05
5H605BB20
5H605CC01
5H605DD12
5H621BB02
5H621BB07
5H621BB10
5H621GA04
5H621GA13
5H621JK11
(57)【要約】
【課題】コイル部の固定強度及び放熱効果の両方を高めることができる回転電機を提供する。
【解決手段】モータ装置60は、ステータ200、ロータ及びモータハウジング70を有している。モータハウジング70は、ステータ200及びロータを収容している。モータハウジング70は、モータ外周壁71を有している。ステータ200は、コイル部211及びコイル支持部280を有している。コイル部211は、周方向CDに複数並べられている。コイル支持部280は、支持プレート281a,281b及び支持ポール291を有している。支持プレート281a,281bは、モータ外周壁71に固定されており、軸方向ADからコイル部211に重ねられた状態でコイル部211を支持している。コイル部211とモータ外周壁71との間には、コイル放熱部295が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
通電可能なコイル部(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、前記回転軸線が延びる軸方向(AD)において前記ステータに並べられたロータ(300a,300b)と、
前記ステータ及び前記ロータを外周側から覆う電機外周壁(71)を有し、前記ステータ及び前記ロータを収容した電機ハウジング(70)と、
前記電機ハウジングに固定され、前記軸方向に直交する方向に板状に延び、前記軸方向から前記コイル部に重ねられた状態で前記コイル部を支持している支持板部(281a,281b)と、
前記電機外周壁と前記コイル部との間に設けられ、前記コイル部の熱を前記電機外周壁に放出する介在放熱部(295)と、
を備えている回転電機。
【請求項2】
前記電機ハウジングは、
前記コイル部の外周側に設けられ、前記電機外周壁から前記コイル部に向けて内周側に突出した壁突出部(73)、を有しており、
前記支持板部は、前記軸方向から前記壁突出部に重ねられた状態で前記壁突出部に固定されている、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記コイル部が前記回転軸線の周方向(CD)に複数並べられることで形成されたコイル部群(215)、を備え、
前記壁突出部は、
前記周方向において隣り合う2つの前記コイル部の境界部(216)に前記回転軸線の径方向(RD)に並ぶ位置に設けられ、前記コイル部群の外周縁(215a)よりも内周側に延び、前記支持板部が固定された突出固定部(74)、を有している請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記突出固定部は、前記周方向に複数並べられており、
前記壁突出部は、
前記コイル部群の前記外周縁よりも外周側に設けられ、前記支持板部が前記軸方向から重ねられ、前記周方向において隣り合う2つの前記突出固定部にかけ渡されたかけ渡し部(75)、を有している請求項3に記載の回転電機。
【請求項5】
前記介在放熱部は、前記壁突出部と前記コイル部との間に設けられ、前記コイル部の熱を前記壁突出部に放出する、請求項2~4のいずれか1つに記載の回転電機。
【請求項6】
前記ステータは、前記コイル部が巻回されたコア(231)を有しており、
前記コアは、前記支持板部に設けられたコア用孔(285a)に入り込むように設けられ、前記コア用孔を介して前記ロータ側に露出している、請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項7】
前記介在放熱部は、
前記回転軸線の径方向(RD)における前記電機外周壁と前記コアとの間において、前記コイル部と前記支持板部との間に設けられた軸介在部(297a,297b)、を有している、請求項6に記載の回転電機。
【請求項8】
前記コイル部は、前記回転軸線の周方向(CD)に複数並べられており、
前記介在放熱部は、
前記電機外周壁と前記コイル部との間に設けられた外周放熱部(296)と、
前記外周放熱部から内周側に向けて延び、前記周方向に隣り合う2つの前記コイル部の間に入り込んだ延出放熱部(298)と、
を有しており、
前記周方向に隣り合う2つの前記コイル部の間には、前記延出放熱部の内周側にコイル隙間(217)が設けられている、請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項9】
前記コイル部から引き出されたコイル引出線(212)と、
前記コイル引出線が通された線通し部(286)を有し、前記支持板部である線通し板部(281a)と、
を備えている請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項10】
前記支持板部である第1支持板部(281a)と、
前記支持板部であり、前記コイル部を介して前記第1支持板部に前記軸方向に並べられた第2支持板部(281b)と、
を備え、
前記第1支持板部及び前記第2支持板部は、前記第1支持板部と前記第2支持板部との間に前記コイル部を挟み込んだ状態で前記コイル部を支持している、請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項11】
前記回転軸線の径方向(RD)において前記コイル部の内周側に設けられ、前記第1支持板部と前記第2支持板部とを連結している連結部材(291)、を備えている請求項10に記載の回転電機。
【請求項12】
飛行体(10)に設けられ、前記飛行体を飛行させるために駆動する回転電機である、請求項1又は2に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アキシャルギャップ式のモータについて記載されている。このモータでは、ロータとステータとが軸方向に並べられている。これらロータ及びステータは、ハウジングに収容されている。ステータは、コイル部と、コイル部をモールドしたモールド樹脂とを有している。モールド樹脂は、径方向においてステータのコイル部とハウジングとの間に入り込んだ状態で、コイル部をハウジングに固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-2914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、モールド樹脂によるコイル部とハウジングとを固定強度が不足することが懸念される。一方で、モールド樹脂の強度を高めようとすると、モールド樹脂の熱伝導性が低下しやすくなり、コイル部の放熱性が低下することが懸念される。
【0005】
本開示の1つの目的は、コイル部の固定強度及び放熱効果の両方を高めることができる回転電機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するため、開示された態様は、
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
通電可能なコイル部(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300a,300b)と、
ステータ及びロータを外周側から覆う電機外周壁(71)を有し、ステータ及びロータを収容した電機ハウジング(70)と、
電機ハウジングに固定され、軸方向に直交する方向に板状に延び、軸方向からコイル部に重ねられた状態でコイル部を支持している支持板部(281a,281b)と、
電機外周壁とコイル部との間に設けられ、コイル部の熱を電機外周壁に放出する介在放熱部(295)と、
を備えている回転電機である。
【0008】
上記態様によれば、介在放熱部が電機外周壁とコイル部との間に設けられている。このため、コイル部から電機外周壁への放熱効果を介在放熱部により高めることができる。しかも、支持板部は、軸方向からコイル部に重ねられた状態でコイル部を支持している。この構成では、例えば回転電機にて軸方向の振動が発生したとしても、コイル部が電機外周壁に対して軸方向に変位することを支持板部により規制できる。このため、介在放熱部の機能について、コイル部を支持する支持機能より、コイル部の熱を電機外周壁に放出する放熱機能を優先しても、電機外周壁に対するコイル部の固定強度を支持板部により確保できる。したがって、電機ハウジングでのコイル部の固定強度及び放熱効果の両方を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態におけるeVTOLの構成を示す図。
図2】推進システムの電気的な構成を示す図。
図3】EPUの概略斜視図。
図4】モータ装置の縦断面図。
図5】ステータ及びモータハウジングの斜視図。
図6】コイルユニット及びモータハウジングの平面図。
図7】第1支持プレートの平面図。
図8】第2支持プレートの平面図。
図9】モータ装置の概略縦断面図。
図10】モータ装置での凸接続部周辺の概略縦断面図。
図11】モータ装置での凸固定部周辺の概略縦断面図。
図12】コイルユニット及び第1支持プレートの分解斜視図。
図13】モータ装置での延出放熱部周辺の平面図。
図14】モータ装置でのモータ外周壁周辺の平面図。
図15】比較例におけるモータ装置でのモータ外周壁周辺の平面図。
図16】第2実施形態におけるモータ装置の概略縦断面図。
図17】第3実施形態におけるモータ装置でのモータ外周壁周辺の平面図。
図18】第4実施形態におけるモータ装置の概略縦断面図。
図19】第5実施形態におけるモータ装置での凸固定部周辺の概略縦断面図。
図20】第6実施形態におけるモータ装置での凸接続部周辺の概略縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0011】
<第1実施形態>
図1に示す推進システム30は、eVTOL10に搭載されている。eVTOL10は、電動垂直離着陸機であり、垂直方向に離着陸することが可能である。eVTOLは、electric Vertical Take-Off and Landing aircraftの略称である。eVTOL10は、大気中を飛行する航空機であり、飛行体に相当する。eVTOL10は、電動式の電動航空機でもあり、電動飛行体と称されることがある。eVTOL10は、乗員が乗る有人航空機である。推進システム30は、eVTOL10を飛行させるために駆動するシステムである。
【0012】
eVTOL10は、機体11及びプロペラ20を有している。機体11は、機体本体12及び翼13を有している。機体本体12は、機体11の胴体であり、例えば前後に延びた形状になっている。機体本体12は、乗員が乗るための乗員室を有している。翼13は、機体本体12から延びており、機体本体12に複数設けられている。翼13は固定翼である。複数の翼13には、主翼、尾翼などが含まれている。
【0013】
プロペラ20は、機体11に複数設けられている。eVTOL10は、少なくとも3つのプロペラ20を有するマルチコプタである。例えばプロペラ20は、機体11に少なくとも4つ設けられている。プロペラ20は、機体本体12及び翼13のそれぞれに設けられている。プロペラ20は、プロペラ軸線を中心に回転する。プロペラ軸線は、例えばプロペラ20の中心線である。プロペラ20は、eVTOL10に推力や揚力を生じさせることが可能である。また、プロペラ20は、ロータや回転翼と称されることがある。
【0014】
プロペラ20は、ブレード21及びボス22を有している。ブレード21は、プロペラ軸線の周方向に複数並べられている。ボス22は、複数のブレード21を連結している。ブレード21は、ボス22からプロペラ軸線の径方向に延びている。プロペラ20は、図示しないプロペラシャフトを有している。プロペラシャフトは、プロペラ20の回転軸であり、ボス22からプロペラ軸線に沿って延びている。
【0015】
eVTOL10は、チルトロータ機である。eVTOL10においては、プロペラ20のチルト角を調整可能になっている。なお、eVTOL10は、チルトロータ機でなくてもよい。例えば、eVTOL10は、リフト用のプロペラ20とクルーズ用のプロペラ20とのそれぞれを有していてもよい。
【0016】
eVTOL10は、バッテリ31、分配器32、飛行制御装置40及びEPU50を有している。バッテリ31、分配器32、飛行制御装置40及びEPU50は、推進システム30に含まれている。バッテリ31は、複数のEPU50に通電可能に接続されている。バッテリ31は、EPU50に電力を供給する電力供給部であり、電源部に相当する。バッテリ31は、EPU50に直流電圧を印加する直流電圧源である。バッテリ31は、充放電可能な2次電池を有している。バッテリ31は、飛行制御装置40にも電力を供給する。なお、電源部としては、バッテリ31に加えて又は代えて、燃料電池や発電機などが用いられてもよい。
【0017】
分配器32は、バッテリ31及び複数のEPU50に電気的に接続されている。分配器32は、バッテリ31からの電力を複数のEPU50に分配する。分配器32がEPU50に分配する電力は、EPU50を駆動させるための駆動電力である。
【0018】
飛行制御装置40は、推進システム30を制御する。飛行制御装置40は、eVTOL10を飛行させるための飛行制御を行う。飛行制御装置40は、複数のEPU50に通信可能に接続されている。飛行制御装置40は、複数のEPU50を個別に制御する。飛行制御装置40は、後述する制御回路160を介してEPU50の制御を行う。飛行制御装置40は、制御回路160の制御を行う。
【0019】
EPU50は、プロペラ20を駆動回転させるために駆動する装置であり、駆動装置に相当する。EPUは、Electric Propulsion Unitの略称である。EPU50は、電駆動装置や電駆動システムと称されることがある。EPU50は、複数のプロペラ20のそれぞれに対して個別に設けられている。EPU50は、プロペラ軸線に沿ってプロペラ20に並べられている。複数のEPU50はいずれも、機体11に固定されている。EPU50は、プロペラ20を回転可能に支持している。EPU50は、プロペラ20に接続されている。プロペラ20は、EPU50を介して機体11に固定されている。プロペラ20のチルト角が変更される場合、EPU50の角度も変更される。
【0020】
eVTOL10は、推進装置15を有している。推進装置15は、eVTOL10を推進させるための装置である。eVTOL10は、推進装置15による推進によりリフト等の飛行が可能になる。推進装置15は、プロペラ20及びEPU50を有している。推進装置15では、EPU50の駆動に伴ってプロペラ20が回転する。プロペラ20は回転体に相当する。eVTOL10は、プロペラ20の回転により飛行する。すなわち、eVTOL10は、プロペラ20の回転により移動する。eVTOL10は、移動体に相当する。
【0021】
図1図2に示すように、EPU50は、モータ装置60及びインバータ装置80を有している。モータ装置60はモータ61を有している。モータ装置60が回転電機に相当する。インバータ装置80はインバータ81を有している。モータ61は、インバータ81を介してバッテリ31に通電可能に接続されている。モータ61は、インバータ81を介してバッテリ31から供給される電力に応じて駆動する。
【0022】
モータ61は、複数相の交流モータである。モータ61は、例えば3相交流方式のモータであり、U相、V相、W相を有している。モータ61は、移動体が移動するための移動駆動源であり、電動機として機能する。モータ61としては、例えばブラシレスモータが用いられている。モータ61は、回生時に発電機として機能する。モータ61は、複数相のコイル64を有している。コイル64は、巻線であり、電機子を形成している。コイル64は、U相、V相、W相のそれぞれに設けられている。モータ61では、複数相のコイル64が中性点65にて互いに接続されている。
【0023】
図2において、インバータ81は、モータ61に供給する電力を変換することでモータ61を駆動する。インバータ81は、モータ61に供給される電力を直流から交流に変換する。インバータ81は、電力を変換する電力変換部である。インバータ81は、複数相の電力変換部であり、複数相のそれぞれについて電力変換を行う。インバータ81は、例えば3相インバータであり、U相、V相、W相のそれぞれについて電力変換を行う。インバータ装置80は、電力変換装置と称されることがある。
【0024】
インバータ装置80は、Pライン141、Nライン142を有している。Pライン141及びNライン142は、バッテリ31とインバータ81とを電気的に接続している。Pライン141は、バッテリ31の正極に電気的に接続されている。Nライン142は、バッテリ31の負極に電気的に接続されている。バッテリ31においては、正極が高電位側の電極であり、負極が低電位側の電極である。Pライン141及びNライン142は、電力を供給するための電力ラインである。Pライン141は、高電位側の電力ラインであり、高電位ラインと称されることがある。Nライン142は、低電位側の電力ラインであり、低電位ラインと称されることがある。
【0025】
EPU50は、出力ライン143を有している。出力ライン143は、モータ61に電力を供給するための電力ラインである。出力ライン143は、モータ61とインバータ81とを電気的に接続している。出力ライン143は、モータ装置60とインバータ装置80とにかけ渡された状態になっている。
【0026】
インバータ装置80は、平滑コンデンサ145を有している。平滑コンデンサ145は、バッテリ31から供給される直流電圧を平滑化するコンデンサである。平滑コンデンサ145は、バッテリ31とインバータ81との間において、Pライン141とNライン142とに接続されている。平滑コンデンサ145は、インバータ81に対して並列に接続されている。
【0027】
インバータ81は、電力変換回路であり、例えばDC-AC変換回路である。インバータ81は、複数相分の上下アーム回路85を有している。例えば、インバータ81は、U相、V相、W相のそれぞれについて上下アーム回路85を有している。上下アーム回路85は、上アーム85aと、下アーム85bを有している。上アーム85a及び下アーム85bは、バッテリ31に対して直列に接続されている。上アーム85aはPライン141に接続され、下アーム85bはNライン142に接続されている。
【0028】
出力ライン143は、複数相分のそれぞれについて上下アーム回路85に接続されている。出力ライン143は、上アーム85aと下アーム85bとの間に接続されている。出力ライン143は、複数相のそれぞれにおいて、上下アーム回路85とコイル64とを接続している。出力ライン143は、コイル64において中性点65とは反対側に接続されている。
【0029】
上アーム85a及び下アーム85bは、アームスイッチ86及びダイオード87を有している。アームスイッチ86は、例えばMOSFET等のトランジスタである。MOSFETは、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略称である。アームスイッチ86は、スイッチ素子であり、スイッチングにより電力を変換することが可能である。スイッチ素子は、パワー素子等の半導体素子であればよい。アームスイッチ86は、電力を変換するための変換スイッチである。
【0030】
EPU50は、制御回路160を有している。制御回路160は、インバータ装置80に含まれている。制御回路160は、インバータ81の駆動を制御する。制御回路160は、インバータ81を介してモータ61の駆動を制御する。制御回路160は、モータ制御部と称されることがある。図2では、制御回路160をCDと図示している。
【0031】
図3に示すように、EPU50では、モータ装置60とインバータ装置80とがモータ軸線Cmに沿って軸方向ADに並べられている。モータ装置60は、軸方向ADにおいてプロペラ20とインバータ装置80との間に設けられている。モータ軸線Cmは、モータ61の中心線であり、直線状に延びる仮想線である。モータ軸線Cmが回転軸線に相当する。軸方向ADは、モータ軸線Cmが延びた方向である。
【0032】
モータ軸線Cmについては、軸方向ADと周方向CDと径方向RDとが互いに直交している。周方向CDは、モータ61の回転方向である。径方向RDについては、外側が径方向外側や外周側と称され、内側が径方向内側や内周側と称されることがある。軸方向ADは、アキシャル方向と称されることがある。
【0033】
EPU50は、モータハウジング70及びインバータハウジング90を有している。モータハウジング70は、モータ装置60に含まれている。モータハウジング70は、モータ61を収容している。インバータハウジング90は、インバータ装置80に含まれている。インバータハウジング90は、インバータ81を収容している。モータハウジング70とインバータハウジング90とは、互いに接続されている。
【0034】
図4に示すように、モータハウジング70は、モータ外周壁71、リアフレーム370及びドライブフレーム390を有している。モータ外周壁71及びフレーム370,390は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。モータ外周壁71は、筒状に形成されており、軸方向ADに延びている。フレーム370,390は、板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。リアフレーム370とドライブフレーム390とは、モータ外周壁71を介して軸方向ADに並べられている。フレーム370,390は、ボルト等の固定具によりモータ外周壁71に固定されている。なお、図4には、モータ装置60をモータ軸線Cmに沿って切断した縦断面が図示されている。
【0035】
モータハウジング70は、モータハウジング外周面70a及びモータハウジング内周面70bを有している。モータハウジング外周面70aは、モータハウジング70の外周面であり、モータハウジング70の外面に含まれている。モータハウジング内周面70bは、モータハウジング70の内周面であり、モータハウジング70の内面に含まれている。モータハウジング外周面70a及びモータハウジング内周面70bは、モータ外周壁71により形成されている。
【0036】
リアフレーム370は、モータ外周壁71の内側空間をインバータ装置80側から覆っている。リアフレーム370は、モータ外周壁71を介してプロペラ20とは反対側に設けられている。ドライブフレーム390は、モータ外周壁71の内側空間をインバータ装置80とは反対側から覆っている。ドライブフレーム390は、モータ外周壁71のプロペラ20側に設けられている。
【0037】
モータハウジング70は、モータフィン72を有している。モータフィン72は、モータハウジング70の外面に設けられている。例えば、モータフィン72は、モータハウジング外周面70aに設けられている。モータフィン72は、モータ外周壁71から外周側に向けて突出している。モータフィン72は、周方向CDに直交する方向に延びている。モータフィン72は、周方向CDに複数並べられている。モータフィン72は、モータ装置60の熱を外部に放出する放熱フィンである。
【0038】
モータ61は、ステータ200、第1ロータ300a、第2ロータ300b及びシャフト340を有している。ステータ200は固定子である。ステータ200は、コイル64を有している。ロータ300a,300bは回転子である。ロータ300a,300bは、ステータ200に対して相対的に回転する。ロータ300a,300bは、モータ軸線Cmを中心に回転する。モータ軸線Cmは、ロータ300a,300bの中心線である。ステータ200は、周方向CDに環状に延びている。モータ軸線Cmは、ステータ200の中心線に一致している。
【0039】
モータ装置60は、アキシャルギャップ式の回転電機である。モータ61は、アキシャルギャップ式のモータである。モータ61では、ステータ200とロータ300a,300bとがモータ軸線Cmに沿って軸方向ADに並べられている。モータ装置60は、ダブルロータ式の回転電機である。モータ61は、ダブルロータ式のモータである。第1ロータ300aと第2ロータ300bとは、ステータ200を介して軸方向ADに並べられている。ステータ200は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bという2つのロータの間に設けられている。本実施形態のモータ61は、ダブルアキシャルモータと称されることがある。
【0040】
シャフト340は、ロータ300a,300bを支持している。シャフト340は、ロータ300a,300bと共にモータ軸線Cmを中心に回転する。シャフト340の中心線は、モータ軸線Cmに一致している。シャフト340は、ロータ300a,300bとプロペラ20とを接続している。
【0041】
ロータ300a,300bは、磁石部310及び磁石ホルダ320を有している。磁石部310は、ロータ300a,300bのそれぞれにおいて周方向CDに複数並べられている。磁石部310は、永久磁石を含んで構成されており、界磁を形成している。ロータ300a,300bでは、磁石部310が磁束を発生させる。第1ロータ300aの磁石部310と第2ロータ300bの磁石部310とは、ステータ200を介して軸方向ADに並べられている。磁石ホルダ320は、磁石部310を支持している。磁石ホルダ320は、ロータ300a,300bの外周端及び内周端を形成している。
【0042】
ステータ200は、コイルユニット210を有している。コイルユニット210は、周方向CDに環状に延びている。コイルユニット210は、コイル64を形成している。コイルユニット210は、コイル部211及びステータコア231を有している。コイル部211は、平角線等の電線により形成されており、通電可能である。コイル部211は、ステータコア231に巻回されている。コイル部211は、全体として筒状に形成されており、軸方向ADに延びている。ステータコア231は、鉄心であり、軸方向ADに延びている。コイル部211及びステータコア231は、モータハウジング内周面70bに沿って周方向CDに複数並べられている。コイルユニット210では、複数のコイル部211によりコイル64が形成されている。
【0043】
モータ61は、第1アキシャルギャップ305a及び第2アキシャルギャップ305bを有している。アキシャルギャップ305a,305bは、ステータ200とロータ300a,300bとの隙間である。アキシャルギャップ305a,305bには、磁石部310とステータコア231との隙間が含まれている。アキシャルギャップ305a,305bは、ステータ200とロータ300a,300bとの間において、軸方向ADに直交する方向に延びている。第1アキシャルギャップ305aは、ステータ200と第1ロータ300aとの隙間である。第2アキシャルギャップ305bは、ステータ200と第2ロータ300bとの隙間である。
【0044】
モータ装置60は、リアベアリング350及びドライブベアリング360を有している。ベアリング350,360は、シャフト340を回転可能に支持している。ベアリング350,360は、周方向CDに環状に延びている。リアベアリング350とドライブベアリング360とは、ロータ300a,300bを介して軸方向ADに並べられている。ベアリング350,360は、モータハウジング70に固定されている。リアベアリング350は、リアフレーム370に固定されている。ドライブベアリング360は、ドライブフレーム390に固定されている。
【0045】
モータハウジング70は、ステータ200及びロータ300a,300bを収容している。モータハウジング70では、モータ外周壁71がステータ200及びロータ300a,300bを外周側から覆っている。モータハウジング70は電機ハウジングに相当する。モータ外周壁71は、電機外周壁に相当する。
【0046】
図5図6に示すように、モータ装置60は、コイル部群215を有している。コイル部群215は、コイルユニット210に含まれている。コイル部群215は、複数のコイル部211により形成されている。コイル部群215は、複数のコイル部211が集合した集合体である。コイル部群215は、周方向CDに環状に延びている。コイル部群215は、コイル64を形成している。
【0047】
コイル部群215では、群外周縁215a及び群内周縁215bが周方向CDに環状に延びている。群外周縁215aは、コイル部群215の外周縁であり、周方向CDに円環状に延びている。群外周縁215aは、複数のコイル部211が収容された領域の外周縁である。群外周縁215aには、径方向RDでのコイル部211の最外周面が含まれている。群外周縁215aは、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211のそれぞれが有する径方向外側の端部を繋いだ仮想線に沿って延びている。群内周縁215bは、コイル部群215の内周縁であり、周方向CDに円環状に延びている。群内周縁215bは、複数のコイル部211が収容された領域の内周縁である。群内周縁215bは、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211のそれぞれが有する径方向内側の端部を繋いだ仮想線に沿って延びている。
【0048】
図5図9に示すように、モータ装置60は、コイル支持部280を有している。コイル支持部280は、コイル部211を支持している。コイル支持部280は、モータハウジング70に固定されている。例えば、コイル支持部280は、モータ外周壁71に固定されている。コイル部211は、コイル支持部280を介してモータ外周壁71に固定されている。コイル支持部280は、コイル部211を含んでコイル部群215やコイルユニット210を支持している。
【0049】
コイル支持部280は、第1支持プレート281a、第2支持プレート281b、支持ポール291を有している。支持プレート281a,281bは、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。例えば、支持プレート281a,281bは、GFRPやAFRPなどにより形成されている。GFRPは、ガラス繊維強化プラスチックである。AFRPは、アラミド繊維強化プラスチックである。
【0050】
支持プレート281a,281bは、板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとは、コイル部211を介して軸方向ADに並べられている。支持プレート281a,281bは、第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとの間にコイル部211を挟み込んだ状態で、コイル部211を支持している。支持プレート281a,281bは、軸方向ADからコイル部211に重ねられた状態でコイル部211を支持している。支持プレート281a,281bは、支持板部に相当する。第1支持プレート281aは第1支持板部に相当し、第2支持プレート281bは第2支持板部に相当する。支持プレート281a,281bは、コイル部211を支持する上で十分な強度を有している。
【0051】
支持ポール291は、軸方向ADに柱状に延びている。支持ポール291は、コイル部211の径方向内側に設けられている。例えば、支持ポール291は、コイル部211から径方向内側に離れた位置にある。径方向RDでは、支持ポール291とモータ外周壁71との間にコイル部211がある。支持ポール291は、周方向CDに複数並べられている。支持ポール291は、樹脂材料等により形成されており、電機絶縁性を有している。
【0052】
第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとは、モータ外周壁71及び支持ポール291のそれぞれにより連結されている。第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとは、コイル部211の外周側においてモータ外周壁71に固定されている。第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとは、コイル部211の内周側において支持ポール291に固定されている。支持プレート281a,281bは、軸方向ADにおいてコイル部211やステータコア231に押し付けられた状態になっていることで、コイル部211を挟み込むようにして支持している。
【0053】
支持ポール291は、第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとを連結している。支持ポール291は、連結部材に相当する。支持ポール291は、第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとの間に設けられている。支持プレート281a,281bには、ポール用孔285d(図7図8参照)が設けられている。ポール用孔285dは、固定用の孔である。支持プレート281a,281bは、ポール用孔285dを用いて支持ポール291に固定されている。ポール用孔285dは、周方向CDに複数並べられている。
【0054】
モータハウジング70は、第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとを連結する部位として、壁内凸部73を有している。図6図9に示すように、壁内凸部73は、モータハウジング内周面70bに設けられた凸部である。壁内凸部73は、モータ外周壁71から内周側に向けて突出している。壁内凸部73は、周方向CDに環状に延びている。壁内凸部73は、リアフレーム370及びドライブフレーム390から軸方向ADに離れた位置に設けられている。壁内凸部73の少なくとも一部は、モータフィン72に径方向RDに並ぶ位置にある。壁内凸部73は、壁突出部に相当する。
【0055】
壁内凸部73は、第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとの間に設けられている。第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとは、壁内凸部73を挟み込んだ状態で壁内凸部73に固定されている。第1支持プレート281aは、壁内凸部73の一端面に重ねられている。第2支持プレート281bは、壁内凸部73の他端面に重ねられている。支持プレート281a,281bには、外周壁用孔285c(図7図8参照)が設けられている。外周壁用孔285cは、固定用の孔である。支持プレート281a,281bは、外周壁用孔285cを用いて壁内凸部73に固定されている。
【0056】
図11に示すように、支持プレート281a,281bは、壁用固定具294により壁内凸部73に固定されている。壁用固定具294は、ボルト等の固定具である。壁内凸部73には、凸固定孔74aが設けられている。凸固定孔74aは、壁内凸部73の端面に設けられている。壁用固定具294は、外周壁用孔285cを介して凸固定孔74aに螺着されるなどして、支持プレート281a,281bを壁内凸部73に固定している。
【0057】
図6に示すように、壁内凸部73は、凸固定部74及び凸接続部75を有している。凸固定部74は、壁内凸部73において凸固定孔74aが形成された部位である。凸固定部74は、周方向CDに複数並べられている。凸固定部74は、コイル部境界216に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。コイル部境界216は、周方向CDにおいて隣り合う2つのコイル部211の境界部である。凸固定部74は、コイル部境界216に向けて群外周縁215aよりも径方向内側に延びている。凸固定部74は、突出固定部に相当する。
【0058】
凸固定孔74aは、群外周縁215aよりも径方向外側に設けられている。なお、凸固定孔74aの少なくとも一部が群外周縁215aよりも径方向内側に設けられていてもよい。
【0059】
凸接続部75は、周方向CDに隣り合う2つの凸固定部74の間に設けられている。凸接続部75は、周方向CDに延びており、周方向CDに隣り合う2つの凸固定部74を接続している。凸接続部75は、周方向CDに隣り合う2つの凸固定部74にかけ渡された状態になっている。凸接続部75は、かけ渡し部に相当する。凸接続部75は、群外周縁215aから径方向外側に離れた位置に設けられている。モータハウジング内周面70bからの凸接続部75の突出寸法は、モータハウジング内周面70bからの凸固定部74の突出寸法よりも小さい。
【0060】
凸固定部74と凸接続部75とは、周方向CDに交互に並べられている。支持プレート281a,281bは、凸固定部74及び凸接続部75のそれぞれの端面に軸方向ADから重ねられている。
【0061】
図5図7図8に示すように、支持プレート281a,281bは、コア用孔285aを有している。コア用孔285aは、ステータコア231をロータ300a,300b側に露出させるための孔である。コア用孔285aは、支持プレート281a,281bを軸方向ADに貫通している。コア用孔285aは、周方向CDに複数並べられている。コア用孔285aは、径方向RDにおいて外周壁用孔285cとポール用孔285dとの間に設けられている。
【0062】
図5図10に示すように、ステータコア231は、コア用孔285aを介してロータ300a,300b側に露出している。ステータコア231は、コア用孔285aに入り込んだ状態になっている。ステータコア231と支持プレート281a,281bとは、軸方向ADに直交する方向においてアキシャルギャップ305a,305bに沿って並べられている。支持プレート281a,281bは、ステータコア231よりもロータ300a,300b側には突出していない。このように、アキシャルギャップ305a,305bの厚さ寸法は、支持プレート281a,281bとロータ300a,300bとの距離に応じた寸法ではなく、ステータコア231とロータ300a,300bとの距離に応じた寸法になっている。
【0063】
図10図12に示すように、ステータ200は、コアモジュール230を有している。コアモジュール230は、ステータコア231を有しており、コイルユニット210に含まれている。コアモジュール230が周方向CDに複数並べられていることで、ステータコア231が周方向CDに複数並べられている。コアモジュール230は、ステータコア231に加えて、ボビン240を有している。ボビン240は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。ボビン240は、全体として筒状に形成されており、軸方向ADに延びている。ボビン240は、ステータコア231の外周面を覆うようにステータコア231の少なくとも一部を収容している。コイル部211は、ボビン240を介してステータコア231に巻回されている。
【0064】
図10図12に示すように、ステータコア231は、コア本体232、コア延出部233を有している。コア本体232は、ステータコア231においてボビン240に収容された部位である。コア延出部233は、ステータコア231においてボビン240から軸方向ADにはみ出た部位である。コア延出部233は、コア本体232から軸方向ADに延びている。コア延出部233は、コア本体232を介して軸方向ADに一対並べられている。
【0065】
ステータコア231では、コア延出部233がコア用孔285aに入り込んでいる。コア延出部233は、延出凸部233a及び延出台233bを有している。延出台233bは、コア本体232に設けられている。延出凸部233aは、延出台233bから軸方向ADに延びている。延出凸部233aは、延出台233bに設けられた凸部である。延出台233bは、延出凸部233aから周方向CDの両側にはみ出した状態になっている。このように延出台233bの一部が延出凸部233aからはみ出していることで、段差面が形成されている。
【0066】
支持プレート281a,281bは、延出凸部233aをコア用孔285aに入り込ませるようにして延出台233bに載せられている。延出凸部233aは、コア用孔285aの内側に嵌合している。延出凸部233aは、軸方向ADに直交する方向に支持プレート281a,281bが位置ずれすることを規制する。支持プレート281a,281bは、延出台233bの段差面により支持された状態になっている。支持プレート281a,281bは、延出台233bに軸方向ADから押し付けられた状態になっている。
【0067】
図11に示すように、支持プレート281a,281bは、プレート本体282及びプレート凸部284を有している。プレート本体282とプレート凸部284とは一体的に形成されている。プレート本体282は、支持プレート281a,281bが有する一対の板面を形成している。プレート凸部284は、プレート本体282の板面に設けられた凸部である。プレート凸部284は、プレート本体282からコイル部211側に向けて軸方向ADに突出している。プレート凸部284は、コイル部境界216に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。
【0068】
図11図12において、支持プレート281a,281bでは、プレート本体282が延出台233bに重ねられ、且つ、プレート凸部284がボビン240に重ねられた状態になっている。プレート凸部284は、周方向CDに隣り合う2つのステータコア231の間に入り込んでいる。プレート凸部284は、コイル部境界216を周方向CDに跨いだ状態で、周方向CDに隣り合う2つのボビン240に重ねられている。
【0069】
図11に示すように、ステータ200は、プレート接着層299を有している。プレート接着層299は、樹脂材料等により形成されており、支持プレート281a,281bとコアモジュール230とを接着している。プレート接着層299は、プレート凸部284とボビン240との間に設けられている。プレート接着層299は、プレート凸部284とボビン240とを接着している。
【0070】
図10図11図13に示すように、ステータ200は、コイル放熱部295を有している。コイル放熱部295は、コイル部211とモータ外周壁71との間に設けられている。コイル放熱部295は、コイル部211の熱をモータ外周壁71に放出可能である。コイル放熱部295は、モータハウジング内周面70bに沿って周方向CDに環状に延びている。コイル放熱部295は、コイル部群215と壁内凸部73との間に設けられている。コイル放熱部295は、コイル部群215の熱を壁内凸部73に放出可能である。コイル放熱部295は、介在放熱部に相当する。
【0071】
コイル放熱部295は、熱可塑性樹脂等の樹脂材料等により形成されており、熱伝導性を有している。例えば、コイル放熱部295は、シリコン系やシリコン系の樹脂材料により形成された樹脂層と、金属材料により形成されて樹脂層に混入されたフィラーと、を有している。なお、コイル放熱部295は、熱伝導性を有していれば、セラミック材料や金属材料により形成されていてもよく、ジェル状に形成されていてもよい。
【0072】
図10図11に示すように、コイル放熱部295は、外周放熱部296、第1放熱部297a、第2放熱部297bを有している。外周放熱部296は、コイル部211と壁内凸部73との隙間を埋めた状態になっている。外周放熱部296は、径方向RDに直交する方向に層状に延びている。外周放熱部296は、壁内凸部73に沿って周方向CDに環状に延びている。
【0073】
第1放熱部297aと第2放熱部297bとは、外周放熱部296を介して軸方向ADに並べられている。放熱部297a,297bは、コイル放熱部295においてコイル部211と壁内凸部73との隙間から軸方向ADにはみ出した部位である。放熱部297a,297bは、軸方向ADにおいてコイル部211と支持プレート281a,281bとの隙間を埋めた状態になっている。放熱部297a,297bは、プレート本体282とコイル部211との間において、プレート凸部284の径方向外側に設けられている。第1放熱部297aは、第1支持プレート281aとコイル部211との間に設けられている。第2放熱部297bは、第2支持プレート281bとコイル部211との間に設けられている。第1放熱部297a及び第2放熱部297bは、軸介在部に相当する。
【0074】
図13に示すように、コイル放熱部295は、延出放熱部298を有している。延出放熱部298は、外周放熱部296から径方向内側に延びている。延出放熱部298は、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間に入り込んだ状態になっている。延出放熱部298は、周方向CDに直交する方向においてコイル部211の外周面に沿って延びている。延出放熱部298は、コイル部211が有する一対の端面にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。なお、図13では、第1支持プレート281aを取り外した状態でコイル部211やコイル放熱部295の構成を示している。
【0075】
周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間には、延出放熱部298に加えて、コイル隙間217が設けられている。コイル隙間217は、延出放熱部298の内周側に設けられている。コイル隙間217は、延出放熱部298に径方向RDに並べられている。コイル隙間217は、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間の領域において、延出放熱部298が設けられていない領域である。コイル隙間217は、2つのコイル部211の間の空隙である。コイル隙間217は、軸方向ADにおいて第1支持プレート281a及び第2支持プレート281b側の両方に向けて開放されている。コイル隙間217は、径方向内側に向けて開放されている。
【0076】
延出放熱部298とコイル隙間217との境界部は、径方向RDにおいてコイル部211の内周側端部と外周側端部との間にもうけられている。この境界部は、径方向RDにおいてコイル部211の外周側端部よりも内周側端部に近い位置に設けられている。なお、この境界部は、径方向RDにおいてコイル部211の内周側端部よりも外周側端部に近い位置に設けられていてもよく、内周側端部と外周側端部との真ん中の位置に設けられていてもよい。
【0077】
延出放熱部298とコイル隙間217との境界部は、軸方向ADに延びている。なお、この境界部は、モータ軸線Cmに対して径方向RDに傾斜するように軸方向ADに延びていてもよい。例えば、この境界部は、第1支持プレート281aに近い位置ほどモータ外周壁71に近づくように傾斜していてもよい。また、この境界部は、第2支持プレート281bに近い位置ほどモータ外周壁71に近づくように傾斜していてもよい。さらに、この境界部は、軸方向ADの中間部分が径方向RDの内側や外側に向けて膨らむように曲がっていてもよい。
【0078】
図7図8図14に示すように、支持プレート281a,281bは、放熱部用孔285bを有している。放熱部用孔285bは、支持プレート281a,281bを軸方向ADに貫通している。放熱部用孔285bは、周方向CDに複数並べられている。放熱部用孔285bは、径方向RDにおいてステータコア231とモータ外周壁71との間に設けられている。放熱部用孔285bは、コイル放熱部295で塞がれた状態になっている。例えば、第1放熱部297aが放熱部用孔285bを軸方向ADのコイル部211側から塞いでいる。コイル放熱部295は、放熱部用孔285bに入り込んでいてもよく、入り込んでいなくてもよい。
【0079】
図9に示すように、モータ装置60は、バスバユニット260を有している。バスバユニット260は、周方向CDに環状に延びている。バスバユニット260は、ステータ200に径方向RDに並べられている。バスバユニット260は、電力バスバ261及びバスバ保護部270を有している。電力バスバ261及びバスバ保護部270は、周方向CDに環状に延びている。電力バスバ261は、バスバ部材等により形成されている。電力バスバ261は、出力ライン143の少なくとも一部を形成している。バスバ保護部270は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。バスバ保護部270は、電力バスバ261を覆った状態で保護している。
【0080】
バスバユニット260は、ネジ等の固定具によりリアフレーム370に固定されている。バスバユニット260は、リアフレーム370を介してステータ200とは反対側に設けられている。
【0081】
モータ装置60では、コイル部211と電力バスバ261とが電気的に接続されている。コイル部211と電力バスバ261とは、コイル引出線212及びバスバ引出線265を介して通電可能に接続されている。コイル引出線212とバスバ引出線265とは、通電可能に接続されている。
【0082】
バスバ引出線265は、平角線等の電線により形成されており、電力バスバ261から引き出されている。バスバ引出線265は、バスバユニット260に含まれている。バスバ引出線265は、周方向CDに複数並べられている。バスバ引出線265は、出力ライン143の少なくとも一部を形成している。
【0083】
コイル引出線212は、平角線等の電線により形成されており、コイル部211から引き出されている。コイル引出線212は、コイルユニット210に含まれている。コイル引出線212は、周方向CDに複数並べられている。コイル引出線212は、出力ライン143の少なくとも一部を形成している。
【0084】
コイル引出線212は、リアフレーム370のリア配線孔373を通じて電力バスバ261側に引き出されている。リア配線孔373は、リアフレーム370に設けられた孔である。リア配線孔373は、リアフレーム370を軸方向ADに貫通している。リア配線孔373は、リアフレーム370の外周縁に沿って周方向CDに複数並べられている。
【0085】
図10図14に示すように、コイル引出線212は、第1支持プレート281aの引出挿通部286を通じてリアフレーム370側に引き出されている。引出挿通部286は、第1支持プレート281aに設けられている。引出挿通部286は、第1支持プレート281aを軸方向ADに貫通している。引出挿通部286は、第1支持プレート281aの外周端に設けられた凹部である。引出挿通部286は、壁内凸部73に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。コイル引出線212は、引出挿通部286に通されていることで、第1支持プレート281aとモータ外周壁71との間を通った状態になっている。引出挿通部286は、周方向CDに複数並べられている(図7参照)。引出挿通部286は、外周壁用孔285c及びコイル部境界216から周方向CDに離れた位置に設けられている。引出挿通部286が線通し部に相当し、第1支持プレート281aが線通し板部に相当する。
【0086】
コイル引出線212は、壁内凸部73に固定されている。例えば、コイル引出線212は、壁内凸部73の内部を通って引出挿通部286からリアフレーム370側に引き出されている。壁内凸部73には、コイル引出線212を通すための孔や溝が設けられている。なお、コイル引出線212は、コイル放熱部295により壁内凸部73に固定されていてもよい。この場合は、コイル引出線212を通すための孔や溝が壁内凸部73に設けられていなくてもよい。
【0087】
支持プレート281a、281bは、モータ外周壁71に内周側から接触することで、径方向RDに位置ずれしないようになっている。支持プレート281aの外周端面は、モータハウジング内周面70bに重なるように設けられている。例えば、図7図14に示すように、第1支持プレート281aでは、外周凸部287の先端部がモータハウジング内周面70bに接触することで、第1支持プレート281aが径方向RDに位置ずれすることが規制される。外周凸部287は、第1支持プレート281aにおいて周方向CDに隣り合う2つの引出挿通部286の間の部位である。
【0088】
図9に示すように、コイルユニット210は、中性引出線213を有している。中性引出線213は、平角線等の電線により形成されており、コイル部211から引き出されている。中性引出線213は、コイル部211から径方向内側に引き出されている。中性引出線213は、コイル64と中性点65とを接続する経路の少なくとも一部を形成している。中性引出線213は、支持プレート281a、281bに固定されている。例えば、中性引出線213は、第2支持プレート281bに固定されている。
【0089】
図14に示すように、コイル部211は、径方向RDにおいてモータ外周壁71よりも壁内凸部73に近い位置にある。径方向RDでは、コイル部211と壁内凸部73との距離D1は、コイル部211とモータハウジング内周面70bとの距離D2よりも小さい。距離D1は、径方向RDでの壁内凸部73と群外周縁215aとの距離でもある。モータ装置60では、コイル部211の熱が壁内凸部73を介してモータ外周壁71に伝わる。コイル部211とモータ外周壁71との間では、コイル部211からモータ外周壁71に伝わる熱に対する熱抵抗が壁内凸部73により低減される。このため、コイル部211をモータハウジング内周面70bに近づけなくても、コイル部211からモータ外周壁71に熱が伝わりやすくなる。なお、図14では、壁用固定具294の図示を省略している。
【0090】
例えば本実施形態とは異なり、モータハウジング70が壁内凸部73を有していない比較例を想定する。この比較例では、図15に示すように、コイル部211とモータ外周壁71との間に壁内凸部73が設けられていない。このため、比較例でのコイル部211とモータハウジング内周面70bとの距離D2xが本実施形態の距離D2と同じでも、コイル部211の熱が壁内凸部73を介さずにモータ外周壁71に伝わるため、コイル部211の放熱効果が低下することが懸念される。
【0091】
次に、モータ装置60の製造方法について説明する。モータ装置60の製造する工程には、ステータ200を製造する工程が含まれている。作業者は、準備工程として、モータハウジング70やコイルユニット210、支持プレート281a、281b、支持ポール291、壁用固定具294などを準備する。作業者は、コイルユニット210をモータハウジング70の内部に設置し、支持プレート281a、281bや支持ポール291、壁用固定具294などを用いてコイルユニット210をモータハウジング70に固定する。
【0092】
その後、作業者は、コイル放熱部295を形成する工程を行う。この構成では、作業者は、コイル放熱部295を形成するための溶融樹脂を放熱部用孔285bから支持プレート281a、281bの間に流し込む。この溶融樹脂が固化することで、コイル放熱部295が生成される。
【0093】
ここまで説明した本実施形態によれば、コイル放熱部295がモータ外周壁71とコイル部211との間に設けられている。このため、コイル部211からモータ外周壁71への放熱効果をコイル放熱部295により高めることができる。しかも、支持プレート281a,281bは、軸方向ADからコイル部211に重ねられた状態でコイル部211を支持している。この構成では、例えばモータ装置60にて軸方向ADの振動が発生したとしても、コイル部211がモータ外周壁71に対して軸方向ADに変位することを支持プレート281a,281bにより規制できる。このため、コイル放熱部295の機能について、コイル部211を支持する支持機能より、コイル部211の熱をモータ外周壁71に放出する放熱機能を優先しても、モータ外周壁71に対するコイル部211の固定強度を確保できる。したがって、モータハウジング70でのコイル部211の固定強度及び放熱効果の両方を高めることができる。
【0094】
本実施形態では、支持プレート281a,281bが電気絶縁性を有している。このため、支持プレート281a,281bがコイル部211と磁石部310との間に設けられた構成において、コイル部211での磁束変動の影響により支持プレート281a,281bに渦電流が生じる、ということを抑制できる。
【0095】
本実施形態によれば、壁内凸部73がモータ外周壁71からコイル部211に向けて内周側に突出している。この構成では、コイル部211の熱が壁内凸部73を介してモータ外周壁71に伝わるため、モータ外周壁71とコイル部211とを互いに近づけなくても、コイル部211からモータ外周壁71への放熱効果を壁内凸部73により高めることができる。しかも、支持プレート281a,281bは、軸方向ADから壁内凸部73に重ねられた状態で壁内凸部73に固定されている。この構成では、コイル部211の放熱効果を向上可能な壁内凸部73を利用して、支持プレート281a,281bをモータ外周壁71に固定できる。このため、支持プレート281a,281bをモータ外周壁71に固定するための専用部位を設ける必要がない。したがって、コイル部211の放熱効果向上とモータハウジング70の小型化との両方を壁内凸部73により実現できる。
【0096】
本実施形態によれば、凸固定部74は、コイル部境界216に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。この構成では、径方向RDにおいてコイル部境界216とモータ外周壁71との間のデッドスペースを、凸固定部74を配置する領域として利用できる。すなわち、このデッドスペースを、支持プレート281a,281bを壁内凸部73に機械的に固定するためのスペースとして利用できる。しかも、凸固定部74は、モータ外周壁71から群外周縁215aを越えて内周側に向けて延びている。このため、凸固定部74を、支持プレート281a,281bを凸固定部74に固定するために適した大きさや形状にしやすい。また、凸固定部74は、コイル部境界216に向けて径方向内側に延びていることで、コイル部211の外周面に沿って延びた状態になっている。このため、コイル部211から放出された熱が凸固定部74に伝わりやすい。したがって、コイル部211からモータ外周壁71への放熱効果を凸固定部74により高めることができる。
【0097】
本実施形態によれば、壁内凸部73では、周方向CDに隣り合う2つの凸固定部74に凸接続部75がかけ渡された状態になっている。この構成では、凸固定部74及び凸接続部75の両方により支持プレート281a,281bを支持できる。このため、モータ外周壁71による支持プレート281a,281bの支持強度を凸固定部74及び凸接続部75により高めることができる。
【0098】
本実施形態によれば、コイル放熱部295は、壁内凸部73とコイル部211との間に設けられ、コイル部211の熱を壁内凸部73に放出する。このため、コイル部211の熱が壁内凸部73に放出される放出効果をコイル放熱部295により高めることができる。
【0099】
本実施形態によれば、ステータコア231は、支持プレート281a,281bのコア用孔285aに入り込むように設けられ、コア用孔285aを介してロータ300a,300b側に露出している。この構成では、軸方向ADにおいてステータコア231とロータ300a,300bとの間に支持プレート281a,281bが存在しない構成を実現できる。すなわち、アキシャルギャップ305a,305bに支持プレート281a,281bが存在するということを回避できる。また、ステータコア231がコア用孔285aからロータ300a,300bに露出していることで、ステータコア231と磁石部310との磁気的なエアギャップが広がることを防止できる。
【0100】
本実施形態によれば、第1放熱部297a及び第2放熱部297bは、径方向RDにおけるモータ外周壁71とステータコア231との間において、コイル部211と支持プレート281a,281bとの間に設けられている。この構成では、コイル部211から軸方向ADに放出された熱が、放熱部297a,297bを介してモータ外周壁71に伝わりやすい。このため、コイル部211からモータ外周壁71への放熱効果を放熱部297a,297bにより高めることができる。また、ステータコア231の熱が放熱部297a,297bを介してモータ外周壁71に伝わりやすい。このため、ステータコア231からモータ外周壁71への放熱効果を放熱部297a、297bにより高めることができる。
【0101】
本実施形態では、支持プレート281a,281bがコイルユニット210に対してプレート接着層299により接着されている。この構成では、支持プレート281a,281bがコイルユニット210に対して相対的に変位することをプレート接着層299により規制できる。このため、アキシャルギャップ式のモータ装置60において、軸方向ADに延びる磁束により振動が発生したとしても、その振動に対する支持プレート281a,281bの信頼性をプレート接着層299により高めることができる。
【0102】
本実施形態によれば、延出放熱部298は、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間に入り込むように外周放熱部296から内周側に向けて延びている。この構成では、コイル部211の熱が延出放熱部298を介して外周放熱部296からモータ外周壁71に放出される。このため、外周放熱部296から径方向内側に離れた位置にコイル部211の熱がこもる、ということを延出放熱部298により抑制できる。
【0103】
しかも、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間には、延出放熱部298の内周側にコイル隙間217が設けられている。この構成では、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間の全体に延出放熱部298が設けられた構成に比べて、コイル隙間217がある分だけモータ装置60の軽量化を図ることができる。また、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間の全体に延出放熱部298が設けられた構成では、径方向RDにおいてコイル部211の内周側端部に近い位置ほど、延出放熱部298による放熱効果が向上しにくいと考えられる。このため、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間において、延出放熱部298の内周側にコイル隙間217が設けられていても、延出放熱部298による放熱効果が低減しにくい。したがって、モータ装置60において、放熱効果の低減抑制及び軽量化の両方をコイル隙間217により実現できる。
【0104】
本実施形態によれば、支持プレート281a,281bには、コイル引出線212が通された引出挿通部286が設けられている。この構成では、コイル引出線212を通す分だけモータ外周壁71を径方向外側に広げる必要がない。このため、モータ外周壁71が径方向RDに大型化することなく、コイル引出線212を支持プレート281a,281bを通じて軸方向ADに引き出すことができる。
【0105】
本実施形態によれば、第1支持プレート281a及び第2支持プレート281bは、支持プレート281a,281bの間にコイル部211を挟み込んだ状態でコイル部211を支持している。この構成では、第1支持プレート281a及び第2支持プレート281bという一対のプレートによりコイル部211を強固に支持できる。しかも、第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとがコイル部211を挟み込んでいるため、支持プレート281a,281bをボルト等の固定具によりコイルユニット210に螺着する必要がない。このため、コイルユニット210に固定具を螺着するためにコイルユニット210の形状や大きさに制約が生じる、ということを回避できる。
【0106】
本実施形態によれば、支持ポール291が第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとを連結している。この構成では、第1支持プレート281aと第2支持プレート281bとがコイル部211を挟み込んだ構成を、支持ポール291により容易に実現できる。また、この構成では、ステータ200全体の剛性を支持ポール291により高めることができる。
【0107】
本実施形態によれば、モータ装置60は、eVTOL10を飛行させるために駆動する。この構成では、モータ装置60の駆動によりeVTOL10が飛行している状態で、コイル部211の固定強度や放熱効果が低下するということを抑制できる。このように、コイル部211の固定強度や放熱効果を高めることでeVTOL10の安全性を高めることができる。
【0108】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、モータ装置60の熱がモータフィン72から放出される。これに対して、第2実施形態では、モータ装置60の熱が冷媒に放出される。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第2本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0109】
図16に示すように、モータ装置60は、冷媒流路400を有している。冷媒流路400は、モータハウジング70に設けられている。例えば、冷媒流路400は、モータ外周壁71に内蔵されている。冷媒流路400は、モータ外周壁71に沿って周方向CDに延びている。冷媒流路400は、冷却水等の冷媒が流れる流路である。モータ装置60では、コイル部211の熱がモータ外周壁71に伝わると、その熱が冷媒流路400の冷媒に放出される。このように、コイル部211が冷媒流路400の冷媒により冷却される。
【0110】
EPU50は、冷媒の熱を外部に放出する放熱システムを有している。放熱システムでは、例えば冷媒の熱がモータ外周壁71から外部に放出されてもよい。この場合は、モータ外周壁71が放熱システムを構成している。また、放熱システムでは、冷媒の熱を外部に放出する放熱装置がモータ装置60から独立して設けられていてもよい。この場合は、冷媒流路400が放熱装置に接続されており、冷媒が冷媒流路400から放熱装置に流れ込むことで冷媒の放熱が行われる。
【0111】
<第3実施形態>
第3実施形態では、コイル引出線212が引出線保護部により保護されている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第3本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0112】
図17に示すように、モータ装置60は、引出線保護部としてグロメット410を有している。グロメット410は、コイル引出線212を保護している。グロメット410は、コイル引出線212が第1支持プレート281aを通過する位置に設けられている。グロメット410は、コイル引出線212の外周側からコイル引出線212を覆うように設けられている。グロメット410は、コイル引出線212と第1支持プレート281a、モータ外周壁71及び壁内凸部73との間に設けられている。グロメット410は、第1支持プレート281aよりもリアフレーム370側に向けてコイル引出線212に沿って延びている。グロメット410は、第1支持プレート281a及び壁内凸部73よりもコイル部211側に向けてコイル引出線212に沿って延びている。グロメット410は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。
【0113】
グロメット410は、モータ外周壁71や壁内凸部73、支持プレート281a,281bとコイル引出線212との隙間を埋めている。このため、コイル引出線212がモータ外周壁71や壁内凸部73、支持プレート281a,281bなどに対して相対的に振動する、ということをグロメット410により抑制できる。このため、モータ装置60にて発生した振動に対するコイル引出線212の信頼性をグロメット410により高めることができる。
【0114】
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、中性引出線213が支持プレート281a,281bの少なくとも一方に固定されている。これに対して、第4実施形態では、中性引出線213が支持ポール291に固定されている。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第4本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0115】
図18に示すように、中性引出線213は、支持プレート281a,281bから離れた位置に設けられている。中性引出線213は、支持プレート281a,281bを介さずに支持ポール291に向けて径方向内側に延びている。中性引出線213は、固定バンド等の固定具により支持ポール291に固定されている。このため、モータ装置60において振動が発生したとしても、その振動に対する中性引出線213の信頼性を支持ポール291により高めることができる。
【0116】
なお、中性引出線213は、コイル支持部280の少なくとも一部に固定されていればよい。また、中性引出線213は、コイル支持部280ではなく、モータ外周壁71や壁内凸部73などに固定されていてもよい。
【0117】
<第5実施形態>
第5実施形態では、壁用固定具294にカラー部材が設けられている。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第5本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0118】
図19に示すように、モータ装置60がカラー部材420を有している。カラー部材420は、壁用固定具294と共に外周壁用孔285cに入り込むように設けられている。壁用固定具294は、カラー部材420を介して支持プレート281a,281bを壁内凸部73に固定している。カラー部材420は、座面付きのカラー部材である。このように、壁用固定具294に対してカラー部材420が設けられていることで、壁用固定具294から支持プレート281a,281bに過剰な荷重が加わることをカラー部材420により抑制できる。このため、支持プレート281a,281bが壁内凸部73に固定された部分の強度をカラー部材420により高めることができる。
【0119】
<第6実施形態>
上記第1実施形態では、コイル放熱部295が第1放熱部297a及び第2放熱部297bを有している。これに対して、第6実施形態では、コイル放熱部295が第1放熱部297a及び第2放熱部297bを有していない。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第6本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0120】
図20に示すように、ステータ200は、第1スペーサ430a及び第2スペーサ430bを有している。スペーサ430a、430bは、上記第1実施形態での放熱部297a,297bに代えて、ステータコア231の径方向外側においてコイル部211と支持プレート281a,281bとの間に設けられている。スペーサ430a、430bは、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。スペーサ430a、430bは、コイル放熱部295よりも柔軟性が低く、強度が高い。スペーサ430a、430bは、コイル部211と支持プレート281a,281bとの間に挟まった状態で、支持プレート281a,281bを支持している。スペーサ430a、430bは、コイル放熱部295よりも熱伝導性が低い。
【0121】
なお、スペーサ430a、430bは、コイル放熱部295に比べて柔軟性が低くなくてもよく、強度が高くなくてもよい。また、スペーサ430a、430bは、コイル放熱部295に比べて熱伝導性が低くなくてもよい。
【0122】
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0123】
上記各実施形態において、支持ポール291等の連結部材は、第1支持プレート281a等の第1支持板部と第2支持プレート281b等の第2支持板部とをどのように連結していてもよい。例えば、連結部材は、周方向CDに板状に延びる部材であってもよい。また、連結部材は、周方向CDに複数並べられていなくてもよい。
【0124】
上記各実施形態において、支持プレート281a,281b等の支持板部は、コイル部211を支持していればどのように設けられていてもよい。例えば、支持板部は、周方向CDに複数並べられていてもよい。また、第1支持板部及び第2支持板部の少なくとも一方が設けられていればよい。また、支持板部は、コイル部211よりも径方向内側に延びていなくてもよい。
【0125】
上記各実施形態において、支持板部は、モータ外周壁71等の電機外周壁に対してどのように固定されていてもよい。例えば、支持板部は、壁内凸部73等の壁突出部の内周面に固定されていてもよい。また、支持板部は、壁内凸部73を介さずに電機外周壁に直接的に固定されていてもよい。
【0126】
上記各実施形態において、壁突出部は、電機外周壁から突出していればどのように設けられていてもよい。例えば、壁突出部は、軸方向ADや周方向CDに複数並べられていてもよい。また、軸方向ADにおいて、壁突出部の長さ寸法は第1支持板部と第2支持板部との間隔より小さくてもよい。この構成では、軸方向ADにおいて、壁突出部と第1支持板部及び第2支持板部との間にスペーサ部材が設けられていることが好ましい。さらに、壁突出部は、凸固定部74等の突出固定部及び凸接続部75等のかけ渡し部のうち、少なくとも突出固定部を有していればよい。
【0127】
上記各実施形態において、コイル放熱部295等の介在放熱部は、コイル部211と電機外周壁との間にどのように設けられていてもよい。例えば、介在放熱部は、軸方向ADや周方向CDに複数並べられていてもよい。
【0128】
上記各実施形態において、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間では、延出放熱部298がどのように設けられていてもよい。例えば、延出放熱部298は、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間の全体を埋めるように設けられていてもよい。また、延出放熱部298は、2つのコイル部211の少なくとも一部に設けられていれば、2つのコイル部211の間のどの位置に設けられていてもよい。さらに、延出放熱部298は、設けられていなくてもよい。すなわち、コイル放熱部295は、周方向CDに隣り合う2つのコイル部211の間に入り込んでいなくてもよい。
【0129】
上記各実施形態において、コア用孔は、支持板部を貫通していれば、孔でなくてもよい。例えば、支持板部を貫通するように設けられた切り欠きでもよい。
【0130】
上記各実施形態において、モータ装置60が搭載される飛行体は、電動式であれば、垂直離着陸機でなくてもよい。例えば、飛行体は、電動航空機として、滑走を伴う離着陸が可能な飛行体でもよい。さらに、飛行体は、回転翼機又は固定翼機でもよい。飛行体は、人が乗らない無人飛行体でもよい。
【0131】
上記各実施形態において、モータ装置60が搭載される移動体は、回転体の回転により移動可能であれば、飛行体でなくてもよい。例えば、移動体は、車両、船舶、建設機械、農業機械であってもよい。例えば、移動体が車両や建設機械などである場合、回転体は移動用の車輪などであり、出力軸部は車軸などである。移動体が船舶である場合、回転体は推進用のスクリュープロペラなどであり、出力軸部はプロペラ軸などである。また、モータ装置60は、定置式の各種設備に設けられていてもよい。
【0132】
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
【0133】
(技術的思想1)
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
通電可能なコイル部(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、前記回転軸線が延びる軸方向(AD)において前記ステータに並べられたロータ(300a,300b)と、
前記ステータ及び前記ロータを外周側から覆う電機外周壁(71)を有し、前記ステータ及び前記ロータを収容した電機ハウジング(70)と、
前記電機ハウジングに固定され、前記軸方向に直交する方向に板状に延び、前記軸方向から前記コイル部に重ねられた状態で前記コイル部を支持している支持板部(281a,281b)と、
前記電機外周壁と前記コイル部との間に設けられ、前記コイル部の熱を前記電機外周壁に放出する介在放熱部(295)と、
を備えている回転電機。
【0134】
(技術的思想2)
前記電機ハウジングは、
前記コイル部の外周側に設けられ、前記電機外周壁から前記コイル部に向けて内周側に突出した壁突出部(73)、を有しており、
前記支持板部は、前記軸方向から前記壁突出部に重ねられた状態で前記壁突出部に固定されている、技術的思想1に記載の回転電機。
【0135】
(技術的思想3)
前記コイル部が前記回転軸線の周方向(CD)に複数並べられることで形成されたコイル部群(215)、を備え、
前記壁突出部は、
前記周方向において隣り合う2つの前記コイル部の境界部(216)に前記回転軸線の径方向(RD)に並ぶ位置に設けられ、前記コイル部群の外周縁(215a)よりも内周側に延び、前記支持板部が固定された突出固定部(74)、を有している技術的思想2に記載の回転電機。
【0136】
(技術的思想4)
前記突出固定部は、前記周方向に複数並べられており、
前記壁突出部は、
前記コイル部群の前記外周縁よりも外周側に設けられ、前記支持板部が前記軸方向から重ねられ、前記周方向において隣り合う2つの前記突出固定部にかけ渡されたかけ渡し部(75)、を有している技術的思想3に記載の回転電機。
【0137】
(技術的思想5)
前記介在放熱部は、前記壁突出部と前記コイル部との間に設けられ、前記コイル部の熱を前記壁突出部に放出する、技術的思想2~4のいずれか1つに記載の回転電機。
【0138】
(技術的思想6)
前記ステータは、前記コイル部が巻回されたコア(231)を有しており、
前記コアは、前記支持板部に設けられたコア用孔(285a)に入り込むように設けられ、前記コア用孔を介して前記ロータ側に露出している、技術的思想1~5のいずれか1つに記載の回転電機。
【0139】
(技術的思想7)
前記介在放熱部は、
前記回転軸線の径方向(RD)における前記電機外周壁と前記コアとの間において、前記コイル部と前記支持板部との間に設けられた軸介在部(297a,297b)、を有している、技術的思想6に記載の回転電機。
【0140】
(技術的思想8)
前記コイル部は、前記回転軸線の周方向(CD)に複数並べられており、
前記介在放熱部は、
前記電機外周壁と前記コイル部との間に設けられた外周放熱部(296)と、
前記外周放熱部から内周側に向けて延び、前記周方向に隣り合う2つの前記コイル部の間に入り込んだ延出放熱部(298)と、
を有しており、
前記周方向に隣り合う2つの前記コイル部の間には、前記延出放熱部の内周側にコイル隙間(217)が設けられている、技術的思想1~7のいずれか1つに記載の回転電機。
【0141】
(技術的思想9)
前記コイル部から引き出されたコイル引出線(212)と、
前記コイル引出線が通された線通し部(286)を有し、前記支持板部である線通し板部(281a)と、
を備えている技術的思想1~8のいずれか1つに記載の回転電機。
【0142】
(技術的思想10)
前記支持板部である第1支持板部(281a)と、
前記支持板部であり、前記コイル部を介して前記第1支持板部に前記軸方向に並べられた第2支持板部(281b)と、
を備え、
前記第1支持板部及び前記第2支持板部は、前記第1支持板部と前記第2支持板部との間に前記コイル部を挟み込んだ状態で前記コイル部を支持している、技術的思想1~9のいずれか1つに記載の回転電機。
【0143】
(技術的思想11)
前記回転軸線の径方向(RD)において前記コイル部の内周側に設けられ、前記第1支持板部と前記第2支持板部とを連結している連結部材(291)、を備えている技術的思想10に記載の回転電機。
【0144】
(技術的思想12)
飛行体(10)に設けられ、前記飛行体を飛行させるために駆動する回転電機である、技術的思想1~11のいずれか1つに記載の回転電機。
【符号の説明】
【0145】
10…飛行体としてのeVTOL、60…回転電機としてのモータ装置、70…電機ハウジングとしてのモータハウジング、71…電機外周壁としてのモータ外周壁、73…壁突出部としての壁内凸部、74…突出固定部としての凸固定部、75…かけ渡し部としての凸接続部、200…ステータ、211…コイル部、212…コイル引出線、215…コイル部群、215a…外周縁としての群外周縁、216…境界部としてのコイル部境界、217…コイル隙間、231…コア、281a…支持板部、第1支持板部及び線通し板部としての第1支持プレート、281b…支持板部及び第2支持板部としての第2支持プレート、285a…コア用孔、286…線通し部としての引出挿通部、291…連結部材としての支持ポール、295…介在放熱部としてのコイル放熱部、296…外周放熱部、298…延出放熱部、297a…軸介在部としての第1放熱部、297b…軸介在部としての第2放熱部、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。
図1
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