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特開2024-117259ゲームシステム、ゲームシステムのゲームプログラム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117259
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムのゲームプログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/825 20140101AFI20240822BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240822BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240822BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240822BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/533
A63F13/69
A63F13/58
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023257
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
(57)【要約】
【課題】育成オブジェクトの育成に多様性を持たせ、ゲーム性を広げる。
【解決手段】育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステム100は、育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段31Aと、選択された継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける対応付け手段31Bと、対応付け手段によって対応付けられた効果を発揮させると共に、選択された継承オブジェクトの継承要素の中から、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する決定手段31Cとを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステムであって、
前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段と、
選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける対応付け手段と、
前記対応付け手段によって対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する決定手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項2】
前記対応付け手段は、前記継承オブジェクトと紐付けられるべき所定の属性を介して、前記継承オブジェクトと前記効果とを対応付ける、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記継承オブジェクトには、それぞれが前記属性と紐付けられている複数の先代継承オブジェクトが紐付けられており、
前記決定手段は、前記複数の先代継承オブジェクトの中から、選択された前記継承オブジェクトの前記属性と同じ属性に紐付けられている前記先代継承オブジェクトを特定し、前記継承オブジェクトの前記継承要素と、特定された前記先代継承オブジェクトに紐付けられている継承要素との中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記決定手段は、特定された前記先代継承オブジェクトの前記属性に紐付けられている効果を発揮させると共に、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記選択受付手段は、複数種類の前記効果のそれぞれと対応付けられるべき複数の前記継承オブジェクトの選択を受け付ける、請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記決定手段は、選択された前記継承オブジェクトと対応付けられた前記効果に基づいて、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する、請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記効果は、前記継承要素の継承確率の変更効果、及び前記継承要素によって特定されるパラメータの変更効果の少なくとも一つである、請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記継承要素は、前記育成オブジェクトが使用するスキル、前記育成オブジェクトに付与されるパラメータ、及び前記育成オブジェクトが実行可能なタスクの少なくとも一つを特定する、請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
コンピュータを備えるとともに、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステムのゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段と、
選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける対応付け手段と、
前記対応付け手段によって対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する決定手段として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項10】
コンピュータを備えるとともに、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステムの制御方法であって、
前記コンピュータに、
前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付けさせ、
選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付けさせ、
対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステムと、ゲームシステムのゲームプログラム及び制御方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲームキャラクタを育成してオリジナルキャラクタを作成するサクセスパートと、他のユーザのチームと対戦するスタジアムパートとを含むゲームを提供するゲームシステムが開示されている。このゲームでは、サクセスパートのセクションが完了すると、キャラクタの育成が完了して、オリジナルキャラクタとしてスタジアムパートでの試合において使用できる。
【0003】
特許文献2には、ゲーム媒体を育成ゲームで育成し、育成したゲーム媒体を本戦ゲームで使用するゲームをプレイするための電子装置が開示されている。この電子装置において、育成ゲーム媒体受付部は、プレイヤが素材ゲーム媒体群から選択した育成ゲーム媒体の選択を受け付ける。そして、継承ゲーム媒体受付部が、プレイヤによる継承ゲーム媒体の選択を受け付ける。また、育成ゲーム実行部は、育成ゲーム媒体及び継承ゲーム媒体が選択された後、育成ゲームを開始する。
【0004】
育成ゲームの開始により、確定型情報パラメータ変更部は、各継承ゲーム媒体及び各先代の育成済みゲーム媒体の発現確定型情報のランクに対応する予め決められた所定値を発現確定型情報毎に合算する。そして、確定型情報パラメータ変更部は、各確定型情報について、合算量を確定型情報に対応する育成パラメータに加算する。また、育成ゲーム実行部は、育成ゲームの進行中の所定のタイミングで所定回数の継承イベントを実行する。この継承イベントでは、抽選型情報パラメータ変更部が、確率に基づく抽選の結果に基づいて、各抽選型情報に対応する育成パラメータを変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-06280号公報
【特許文献2】特開2022-17687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、特許文献1及び2に記載されているような、ゲームオブジェクトである育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームが存在していた。そして、このようなゲームにおいては、育成オブジェクトに紐付けられているゲーム要素として、例えばパラメータ等が上昇することがある。そして、パラメータが上昇することによって、育成オブジェクトが成長して、ゲームをより有利に進めることができる。また、ユーザは、自身が育成した育成オブジェクトに愛着を持つことが多い。このような場合に、ユーザは、愛着を持つ育成オブジェクトのパラメータを、次に育成する育成オブジェクトに継承させることを望む場合がある。しかし、単にパラメータを継承させたとしても、ゲームを有利に進めることができるに留まってしまう。そこで、ゲームを有利に進めるのみではなく、よりゲーム性を広げることができるゲームシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るゲームシステムは、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステムであって、前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段と、選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける対応付け手段と、前記対応付け手段によって対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する決定手段とを備える。
【0008】
また、他の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータを備えるとともに、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステムのゲームプログラムであって、前記コンピュータを、前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段と、選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける対応付け手段と、前記対応付け手段によって対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する決定手段として機能させる。
【0009】
また、他の一態様に係る制御方法は、コンピュータを備えるとともに、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステムの制御方法であって、前記コンピュータに、前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付けさせ、選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付けさせ、対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定させる。
【0010】
これにより、継承オブジェクトに対応付けられる効果に応じて継承結果が変化する。その結果、育成オブジェクトの育成に多様性を持たせ、ゲーム性を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ゲームシステムの全体構成を示す概略図。
図2】育成パートのトップ画面の一例の概略図。
図3】ルート画面の一例の概略図。
図4】ゲームシステムの概略ブロック図。
図5】継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトの概略説明図。
図6】継承オブジェクトの選択画面の一例の概略図。
図7】継承要素決定のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置又は方法の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。なお、以下の説明において、識別情報は、文字、数字、記号、画像、又はこれらの組み合わせによって構成されるデータであり、識別情報と紐付けられた識別対象を一意に特定する。
【実施例0013】
図1は、ゲームシステム100の全体構成を示す概略図である。図1に示すように、ゲームシステム100は、ユーザ端末の一例であるゲーム端末10と、サーバ30とを含む。サーバ30は、複数のサーバユニット52が組み合わされることにより一台の論理的なサーバとして構成されている。ただし、単一のサーバユニット52によりサーバ30が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にサーバ30が構成されてもよい。
【0014】
サーバ30は、ネットワーク50に接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、ローカルエリアネットワークLANが、サーバ30とインターネット51とを接続している。そして、WANとしてのインターネット51とローカルエリアネットワークLANとが、ルータ53を介して接続されている。また、ゲーム端末10も、インターネット51に接続されるように構成されている。サーバ30とゲーム端末10は、ローカルエリアネットワークLANによって、又はインターネット51によって、相互に接続されていてもよい。なお、ネットワーク50は、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0015】
ゲーム端末10は、ユーザが操作するコンピュータ装置である。例えば、ゲーム端末10は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ54と、スマートフォンを含む携帯電話機のようなモバイル端末装置55とを含む。その他にも、据置型の家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、携帯型タブレット端末装置、及び業務用ゲーム機等の各種のコンピュータ装置が、ゲーム端末10に含まれる。ゲーム端末10は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、サーバ30が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。なお、以下においては、ゲーム端末10がモバイル端末装置55である例を主に説明する。
【0016】
一例として、ゲームに使用するプログラム及びデータは、ネットワーク50を介してサーバ30がゲーム端末10に送信する。そして、ゲーム端末10は、受信したプログラム及びデータを記憶する。代替的に、ゲーム端末10は、不図示の情報記憶媒体に記憶されたプログラム又はデータを読み取るように構成されていてもよい。この場合、ゲーム端末10は、情報記憶媒体を介してプログラム又はデータを取得してもよい。
【0017】
ユーザは、ゲーム端末10において様々なゲームをプレイできる。例えば、このゲームでは、ユーザが、ゲームオブジェクトである育成オブジェクトを育成する。一例として、ゲームは、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするシミュレーションゲームの他、対戦型のトレーディングカードゲーム、音楽ゲーム、ボードゲーム、麻雀ゲーム、RPGゲーム、競馬ゲーム、格闘ゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、及び野球並びにサッカー等のスポーツゲーム等である。また、ゲームオブジェクトは、ゲーム端末10において表示される又は使用される対象である。一例として、ゲームオブジェクトは、ゲームを進行させるためのゲーム処理において使用され、キャラクタ、カード、装備、及びアイテム等が含まれる。
【0018】
以下の説明では、ゲーム端末10において、育成対象となるゲームオブジェクトである育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを行う例について主に説明する。また、この例では、育成の素材となるゲームオブジェクトである素材オブジェクトは、人間を模した容姿のアイドルのキャラクタである。そして、育成オブジェクトは、当該素材オブジェクトの複製である。つまり、育成オブジェクトは、同じキャラクタに対して複数存在していてもよい。代替的に、育成オブジェクトは、素材オブジェクトであるキャラクタ自体であってもよい。また、育成オブジェクトは、キャラクタに対応する仮想的なカード等であってもよい。
【0019】
[ゲームの概要]
図2及び図3を参照してゲームの概要を説明する。なお、図2は、育成パートのトップ画面の一例である。また、図3は、ゲーム中に登場するタスクであって、ユーザの選択に応じて育成オブジェクトが実行するタスクが、所定の順番で設定されているタスクルートを表示するルート画面の一例である。
【0020】
ゲームには、育成オブジェクトを育成する育成パートがあり、育成パートは複数のセクションに分けられている。また、各セクションは、複数のターンによって構成されており、各セクションの最後のターンには育成オブジェクトがライブを行うライブパートがある。そして、各セクションに含まれるターンの数は、育成オブジェクトの素材となるキャラクタ又は進行中のシナリオ等によって異なる。
【0021】
代替的に、育成パートは、セクション毎に分けられていなくともよい。この場合、育成パートは、複数のターンによって構成することができる。また、各セクションの最後のターンにライブパートを設けることに代えて、育成パートの最後のターンにライブパートを設けてもよい。さらに、ライブパートは、設けられなくてもよいし、育成パートとは別に設けられてもよい。
【0022】
各ターンでは、ユーザが、育成オブジェクトに所定の行動を行わせることができる。例えば、ユーザが、育成オブジェクトにタスクを行わせると一ターンが経過する。なお、育成オブジェクトは、実行可能なタスクの一例として仕事を実行する行動を行う。また、育成パートでは、各ターン内の適宜のタイミングで育成オブジェクトを対象とするイベントが発生することがある。
【0023】
[オブジェクトの選択]
ユーザは、育成パートを開始する前に、素材オブジェクトの中から育成オブジェクトを選択する。さらに、ユーザは、育成済オブジェクトの中から継承オブジェクトとしてゲームオブジェクトを選択する。この育成済オブジェクトは、ユーザが先にプレイした育成ゲームによって育成が完了しているゲームオブジェクトである。また、継承オブジェクトは、育成オブジェクトに継承させる継承要素が紐付けられているゲームオブジェクトであって、後述する継承の対象として選択されたゲームオブジェクトである。そして、育成ゲームの任意のタイミングで、育成オブジェクトに継承要素が継承される継承イベントが行われる。その結果、例えば、継承された継承要素に対応して、育成オブジェクトのパラメータの増加等、育成オブジェクトに変化を与える継承結果が得られる。例えば、継承イベントは、育成パートの開始直前、育成パートの開始直後、及び育成パートの途中等に発生する。一例として、継承イベントは、所定のターン(例えば、17ターン目及び53ターン目)に発生する。代替的に、ランダムなタイミングで、継承イベントが発生してもよい。
【0024】
また、ユーザは、育成をサポートするゲームオブジェクトであるサポートオブジェクトを一又は複数選択し、イベントデッキを構成する。このサポートオブジェクトは、一例として素材オブジェクトであるキャラクタに対応している。他の例として、サポートオブジェクトは、キャラクタが描かれた仮想的なカードである。そして、構成したイベントデッキに応じて、育成パートではサポートイベントが発生する。代替的に、サポートオブジェクトは、アイテム等の他のゲームオブジェクトであってもよい。
【0025】
また、イベントデッキは、所定の数(例えば六つ)のサポートオブジェクトから構成され、ユーザは所定の数のサポートオブジェクトを選択する。代替的に、サポートオブジェクトの数は、上限のみが設定されていてもよい。この場合、ユーザは上限に達するまでは所望の数のサポートオブジェクトを選択できる。そして、ユーザがイベントデッキを構成すると、育成パートにおいて所定の確率でサポートイベントが発生する。
【0026】
イベントデッキを構成することによって発生するサポートイベントは、サポートオブジェクトに紐付けられたものである。例えば、歌手のキャラクタのサポートオブジェクトには、歌唱力を上昇させるサポートイベントが紐付けられており、歌唱力を上昇させるレッスンにおいて所定の確率でサポートイベントが発生する。
【0027】
また、サポートイベントは、育成オブジェクトの育成に影響を与える。すなわち、サポートイベントが発生すると、育成に有利な又は不利な結果を得ることができる。例えば、育成パートでは、イベントデッキに含まれるサポートオブジェクトに応じて、パラメータの上昇に有利なサポートイベントが発生する。一例として、サポートイベントは、育成オブジェクトがレッスンを行っている途中に、友人がレッスンに協力してパラメータが上昇するイベントである。
【0028】
例えば、有利な結果は、パラメータの上昇量の増加、パラメータの上昇、スキルを獲得するための才能を含む各種の才能(後述)の取得、スキルの獲得、スキルを獲得するために消費する消費要素(例えば、スキルポイント)の消費量の減少、及び実行可能なタスクの増加等である。一方、不利な結果は、例えば、パラメータの上昇量の減少、及びパラメータの低下等である。
【0029】
[育成パートにおける行動]
育成パートにおいて、ユーザは、様々な行動を行わせて育成オブジェクトを育成する。そして、育成パートでは、ユーザの選択に応じて育成オブジェクトが様々な行動を行う演出がなされ、結果として育成オブジェクトに紐付けられている能力値であるパラメータが変動する。このパラメータは、育成オブジェクトのオブジェクト識別情報に紐付けられた変数であり、ゲームの進行に応じて変動する。
【0030】
例えば、図2に示す育成パートのトップ画面には、育成オブジェクトを表すキャラクタ画像R10が表示されている。そして、キャラクタ画像R10の下部に重なるように、ユーザの選択に応じて育成オブジェクトが行う行動を示す行動領域R11が設けられている。この行動領域R11には、ユーザによる行動の選択候補として、レッスン、タスク、スキル獲得、外出、通院、及び休憩が表示されている。
【0031】
例えば、レッスンは、育成オブジェクトのパラメータを上昇させる行動である。さらに、レッスンを行うことによって、スキルを獲得するために消費する消費要素が取得できてもよい。例えば、消費要素は、スキルポイント及びゲーム内通貨等を含む。また、タスクは、育成オブジェクトのパラメータを上昇させたり、ファン数又はチケット売上数を増やしたりする行動である。
【0032】
スキル獲得は、ライブパート、育成オブジェクトの育成、又は各種のイベントの進行を有利に進めるスキルを、ユーザの選択に応じて獲得させる行動である。例えば、スキルによって発揮される効果には、タスクを成功させやすくする効果、育成オブジェクトのパラメータを変動させる効果、及びレッスンによるパラメータの上昇量を増やす効果等がある。一例として、育成オブジェクトは、ゲーム内において「才能」又は「ヒント」等と呼ばれる仲介ゲーム要素によって特定されるスキルを、スキルポイントの消費によって獲得する。例えば、「スキルのヒント」という仲介ゲーム要素を得ている状態では、当該仲介ゲーム要素に対応するスキルを、スキルポイントの消費によって獲得できる。なお、スキルは、複数の段階に分かれているレベル又はレアリティ等を有していてもよい。この場合、スキルの効果によって、育成オブジェクトのパラメータとしてスキルのレベル又はレアリティ等が変動してもよい。
【0033】
外出は、育成オブジェクトのパラメータの一つである「調子」を低い段階から高い段階へと上昇させる行動である。また、通院は、育成オブジェクトのパラメータの一つである「状態」が悪化状態であるときに、その悪化状態を解除する行動である。なお、通院の行動は、育成オブジェクトが悪化状態(例えば、負傷又は病気等)であるときにのみ選択できる。代替的に、育成オブジェクトが悪化状態ではないときにも、通院の行動が選択可能であってもよい。また、休憩は、育成オブジェクトのパラメータの一つである「体力」を回復させる行動である。
【0034】
なお、育成オブジェクトが行う行動は、育成オブジェクトに紐付けられているパラメータの変動、スキル等の獲得若しくは喪失、アイテム等の取得又は使用、及び他のゲームオブジェクトとの関係性(例えば相性)の変化等を生じる選択肢であればよい。他の行動として、育成オブジェクトは、合宿、旅行、ライブ、取材、撮影、出演、コンクール、オーディション、スカウト、及び登校等を行うことができてもよい。
【0035】
[パラメータ]
図2に示すパラメータ領域R12には、パラメータの一例として、歌唱力、ダンス力、ビジュアル(例えば、服装、化粧、又は髪型等によって上昇する値)、表現力、及び精神力が示されている。各パラメータは、パラメータの値と、当該値が所定値に達した場合に得られるレベルとによって示されている。例えば、図2に示される歌唱力は、パラメータの値が「79」であり、パラメータのレベルが「G」である。なお、スキル獲得に用いられるスキルポイントを、パラメータ領域R12に表示しても良い。
【0036】
他の例として、パラメータは、タスクルートのルートレベル、才能のレベル、スキルのレベル、演技力、演奏力、スタミナ、賢さ、及び魅力等を含んでいてもよい。なお、パラメータは、能力の大きさ又は高さの程度を示す情報、能力の有無を示す情報、ゲームオブジェクトの状態を示す情報であってもよい。例えば、能力の大きさ又は高さの程度を示す場合、パラメータの値が増減することによって、パラメータが変動する。また、能力の有無を示す場合、フラグのオン・オフによってパラメータが変動する。
【0037】
また、図2に示す例では、体力のパラメータを示す体力バーR13と、調子のパラメータを示す調子アイコンR14とが示されている。体力は、体力バーR13に表示される着色領域の割合によって示されており、体力バーR13の着色領域の割合が増えるほど体力のパラメータが高いことを意味する。また、調子アイコンR14は、アイコンに表示される文字によって育成オブジェクトの現在の調子を示している。図2の例では、「好調」の文字によって、調子が良いことを示している。この育成オブジェクトの調子は、複数の段階に分かれている。一例として、「絶不調」、「不調」、「普通」、「好調」、及び「絶好調」の順に、調子の程度を示すことができる。
【0038】
[イベント及びチェックポイント]
育成パートにおいては、サポートイベント以外にも、所定の確率でイベントが発生する。このようなイベントの一例として、育成パートにおいては、育成オブジェクトが行動している間に、所定のシナリオに沿った一又は複数のシナリオイベントが発生する。例えば、シナリオイベントでは、ゲームオブジェクト同士の友情を描いたドラマが進行する。また、育成オブジェクトに関連するキャラクタイベントが発生してもよい。なお、一ターンの中で、イベントが発生しないことがあってもよい。
【0039】
また、ライブパートは、育成の程度を確認するチェックポイントとして機能する。このライブパートは、各セクションの最後のターンに発生する。図2の例では、ライブパートで行われる「新学期ライブ」が現在のセクションのチェックポイントであることが、チェックポイント領域R16に表示されている。ライブパートでのライブは、例えば、育成オブジェクト単独、又は育成オブジェクトを含む複数のゲームオブジェクトからなるユニットが歌唱するライブが、演出として表示されるミニゲームである。
【0040】
そして、ライブパートでのライブは、育成中の育成オブジェクトのパラメータ等に応じた成功条件を達成することによって成功する。例えば、成功条件は、歌唱力が所定値を超えていること、又はファン数若しくはチケット売上数が所定数を超えていること等であってもよいし、ライブを開催すること自体であってもよい。ライブにおいて成功条件を達成すると育成を続行できるが、成功条件を達成できないと育成が終了する。
【0041】
また、ライブには開催条件があり、図2の例では、条件領域R17に、チケット売上数が250枚に達することという開催条件が示されている。ライブの開催条件を達成するとライブパートを進行することができるが、開催条件を達成できないと育成が終了する。一例として、ライブの開催条件は、所定のファン数又はチケット売上数等を達成することである。そして、ファン数又はチケット売上数は、タスクを行うこと又はイベントが発生することによって増加する。そのため、ユーザは、ライブを開催させるために、育成オブジェクトにタスクを行わせてファン数又はチケット売上数を増加させる必要がある。なお、ファン数等の増加するパラメータがどのように変動するかは適宜に設定されてよい。例えば、パラメータは、タスクが成功すると大きく増加し、タスクが失敗すると小さく増加するかまたは増加しないこととしてもよい。また、ライブの開催条件は設けられていなくてもよい。この場合、セクションの最後にライブパートが設定されていれば、ライブは必ず開催されることとなる。
【0042】
また、ライブの成功率は、育成オブジェクトのパラメータによって増減する。そのため、ユーザは、ライブを成功させるために、育成パートにおいて、育成オブジェクトにレッスンを行わせてパラメータを増加させる必要がある。そして、ライブが成功すると、ゲームの進行に有利な結果が発生する。一例として、有利な結果とは、育成オブジェクトのパラメータの増加、又は育成オブジェクトに継承可能な継承要素の取得である。例えば、取得した継承要素を継承させることによって、次に育成する育成オブジェクトの所定のパラメータの上昇量が増加する。
【0043】
[タスクとタスクルート]
タスクの行動においては、ユーザがタスクを選択し、選択されたタスクを育成オブジェクトが実行する。ユーザが選択可能なタスクは、複数のタスクを含むタスク群を構成してもよい。一例として、タスク群は複数のタスクからなるタスクルートである。このタスクルートは、互いに関連する複数のタスクが所定の順番で設定されている構造である。また、育成オブジェクトがタスクを実行すると、育成オブジェクトが働く様子を表示するような、タスクの内容に応じた演出がなされてもよい。
【0044】
例えば、育成オブジェクトがタスクルートの起点となるタスクを実行すると、当該タスクと関連する次のタスクが実行可能な状態となる。そして、タスクを実行することによって、育成オブジェクトが成長して、育成オブジェクトに紐付けられているパラメータが変動する。タスクルートの複数のタスクは、例えば、目標となる称号(一例としてトップアイドル)を得るための各段階に対応する関係性を有する。または、複数のタスクは、所定のシナリオ(一例として学生がアイドルとしてデビューするまでのドラマ)に沿っているという関係性を有する。一例として、タスクは、ライブ、取材、撮影、出演、コンクール、及びオーディション等である。
【0045】
また、タスクは、単発のタスク、連続した複数のタスク、オーディションのタスク、及び特別タスク等を含んでいてもよい。例えば、タスクルートの起点として最初に選択できる単発のタスクの例として「握手会」がある。そして、育成オブジェクトが「握手会」のタスクを実行すると、「地方握手会」のタスクが解放されて選択可能となる。さらに、育成オブジェクトが「地方握手会」のタスクを実行すると、「全国握手会」のタスクが解放されて選択可能となる。ここで、「地方握手会」及び「全国握手会」は、当初からタスクルートに含まれている。
【0046】
連続した複数のタスクでは、育成オブジェクトが各タスクを実行すると、一ターンを消費して、設定されている所定の体力が減少する。その後、次のタスクが選択可能となるが、所定のターン数の間に実行しない場合、次のタスクは選択不能となる。代替的に、ターン数の制限なく次のタスクが選択可能であってもよいし、所定のターン数が経過すると、次のタスクが選択可能となってもよい。なお、タスクの結果は、連続した複数のタスクを完了したときに表示される。代替的に、各タスクの結果が、それぞれのタスクを完了したときに表示されてもよい。
【0047】
オーディションのタスクは、互いに関連する連続した複数のタスクを含んでいる。ただし、最初のタスクは、育成オブジェクトのパラメータに基づいて、合格と不合格とに分かれるオーディションである。そして、オーディションに合格すると、次のタスクが選択可能となる。その後、所定のターン数の間に実行しない場合、次のタスクは選択不能となる。代替的に、所定のターン数が経過すると、次のタスクが選択可能となってもよい。なお、タスクの結果は、オーディションのタスクを完了したときに表示される。または、各タスクの結果が、それぞれのタスクを完了したときに表示されてもよい。一方、オーディションに不合格の場合には、オーディションのタスクが終了する。ただし、不合格の場合には、最初のタスクであるオーディションを再度選択できてもよい。
【0048】
例えば、オーディションのタスクの例として「ドラマオーディション」がある。「ドラマオーディション」のタスクは、各ターンで所定の確率で発生する。そして、発生したターンで育成オブジェクトが「ドラマオーディション」のタスクを実行すると、育成オブジェクトのパラメータに基づいて、合格又は不合格の結果を得ることができる。育成オブジェクトが「ドラマオーディション」のタスクに合格すると、「初回収録」という次のタスクが解放されて選択可能となる。このように、オーディションは、連続した複数のタスクの起点となる。
【0049】
特別タスクは、タスクルートに含まれないタスクであり、期間限定で発生するか、又は特定の条件を満たした際に発生する。例えば、特別タスクは、学園祭ライブ出演、クリスマスイベント出演、又は賞レース応募等である。また、タスクルートには、各育成オブジェクトに紐付けられている固有タスクルートがある。さらに、タスクルートには、継承オブジェクトから継承要素(例えばタスクの才能)を継承することによって選択可能となる継承タスクルートがある。加えて、タスクルートには、期間限定で発生するか、又は特定の条件を満たした際に発生する特別タスクルートがあってもよい。
【0050】
一例として、ユーザが選択可能なタスクは、育成パートの開始前に発生する継承イベントに応じて継承されるタスクの才能によって確定する。例えば、ユーザが選択可能なタスクは、固有タスクルートと継承タスクルートに含まれるタスクである。ユーザは、いずれかのタスクルートに含まれるタスクを選択できる。一例として、固有タスクルートである「アイドルルート」には、「路上ライブ」、「音楽番組出演」、及び「武道館ライブ」のタスクが含まれている。また、継承タスクルートである「モデルルート」には、「読者モデル撮影」、「専属モデル撮影」、及び「ファッションショー出演」のタスクが含まれている。ユーザは、最初の段階では、タスクルートの起点となる最初のタスクを選択する。なお、タスクルートに含まれるタスクは、育成パートの途中で追加又は削除されてもよい。
【0051】
一例として、図3のルート画面では、ルート領域R41に、タスクルート(「テレビルート」)と、タスクルートに含まれる複数のタスクが表示されている。例えば、「テレビルート」に含まれるタスクは、「テレビレベル1」から「テレビレベル4」までのタスクである。また、ルート名称領域R42には、選択しているタスクが含まれるタスクルートの名前と、そのルートレベルが表示される。タスクルートは、タスクの種類(例えば、テレビ、雑誌、又は演劇等)又は内容(例えば、出演、ライブ、又は撮影等)によって分類された複数のタスクを含む。そして、ルートレベルが上がるにつれて、タスクルートに含まれるタスクの数及び種類の少なくとも一方が増加する。
【0052】
また、図3の例では、タスクルートに分岐が含まれており、育成毎或いは育成オブジェクト毎に実行可能なタスクを異ならせることができる。具体的に、ユーザは、「テレビレベル2」のタスクを実行させた後で、「テレビレベル3」と「テレビレベル4」のタスクのいずれかを選択できる。代替的に、分岐の一方を選択した後に、さらに他方を選択可能であってもよい。この場合であっても、分岐の一方のみを選択したルート、分岐の他方のみを選択したルート、及び分岐の両方を選択したルートとで、ユーザが選択するタスクを異ならせることができる。ただし、タスクルートには分岐が含まれていなくともよい。
【0053】
また、図3に示すルート領域R41に表示されるタスクには、未解放のタスクがある。具体的に、「テレビレベル4」のタスクは、解放条件を満たしていないために、「ロック」の文字が付されている。そのため、ユーザは、「テレビレベル4」のタスクを選択できない。タスクルートに含まれるタスクが、ルート画面において選択不能な態様で表示されることによって、ユーザは育成オブジェクトに最終的に実行させたいタスクを認識できる。代替的に、解放条件を満たしていないタスクは、ルート画面において非表示であってもよい。
【0054】
さらに、ルート領域R41に表示されるタスクには、オファー待ちのタスクがある。具体的に、「テレビレベル3」のタスクは、オファーを待っていて選択不能であるために、そのアイコンには「オファー待ち」の文字が付されている。また、ルート領域R41に表示されるタスクには、所定のターン数の間に実行しない場合に選択不能となるタスクがある。具体的に、「テレビレベル2」のタスクは、Xターンの間に実行しないと選択不能となる。このターン数は、タスクのアイコンに付されたターン数によって示される。
【0055】
そして、ユーザが決定ボタンR33を選択すると、タスクが開始されて一ターンが進行する。これにより、タスクの演出が画面に表示され、タスクの結果として育成オブジェクトのパラメータが増減する。なお、育成オブジェクトに行わせる行動には、ターンを消費しない行動が含まれていてもよい。例えば、スキルを獲得する行動を行わせてもターンは経過せず、育成オブジェクトに他の行動を行わせることができる。
【0056】
[育成パートの終了と継承要素の取得]
育成パートが終了するまでのターンの数は任意であるが、一例としてゲーム内での2年に対応する72ターンである。図2の例では、ライブパートまでの残りのターン数を示すターン数領域R15に、残りのターン数が8ターンであることが表示されている。そして、ユーザは、複数のセクションからなる育成パートにおいて、一つの育成オブジェクトを育成する。そして、複数のターンからなる各セクションの最後のターンにおけるチェックポイントしてのライブパートではライブが行われる。なお、各セクションにおいて、異なる育成オブジェクトを育成できてもよい。この場合、複数のセクションからなる育成パートにおいて、複数の育成オブジェクトを育成できてもよい。
【0057】
終了条件が満たされると育成パートが終了する。一例として、最後のチェックポイントのライブパートが終了すると、育成パートが終了する。そして、育成パートが終了した時点で、実行したタスク等の状態に基づいて、継承オブジェクトとして選択可能となる育成済オブジェクトに継承要素が紐付けられる。終了条件が満たされる他の例として、育成パートは、育成パートの各セクションの最後のライブの成功条件が満たされなかった場合、及びユーザが育成を終了する操作を行った場合等に終了する。これら他の例のいずれの場合も、終了時点の育成済オブジェクトの状態に応じた継承要素が紐付けられてよいが、紐付けられなくてもよい。また、育成済オブジェクトには、育成完了時のパラメータの値及び育成中に獲得したスキル等に応じて、ランク(例えばFランク又はGランク)等の段階が設定されてもよい。
【0058】
具体的に、育成済オブジェクトのパラメータ及び育成履歴に基づいて、紐付けられる継承要素が抽選される。一例として、育成済オブジェクトのパラメータ、タスクの実行履歴、及び獲得スキルに基づいて、継承要素が抽選される。また、育成が終了すると、育成済オブジェクトを継承オブジェクトとして選択できる。そして、育成済オブジェクトが継承オブジェクトとして選択されると、次の育成オブジェクトに継承要素を継承できる。また、育成済オブジェクトは、育成ゲーム以外のゲーム(例えば、ライブゲーム)において使用できる。
【0059】
ここで、紐付けられる継承要素は、育成パートにおける育成に影響するゲーム要素を特定する要素である。また、継承要素は、育成済オブジェクトに紐付けられて、例えば要素識別情報によって識別される。一例として、継承要素として、パラメータの才能、タスクの才能、及びスキルの才能の少なくとも一つが、育成済オブジェクトのオブジェクト識別情報と紐付けて記憶される。
【0060】
パラメータの才能は、育成に有利又は不利な結果を与えるパラメータの種類(例えば歌唱力等)とパラメータの変化量を特定する。パラメータの才能が紐付けられる場合、パラメータ(例えば歌唱力等)の中から少なくとも一つを特定するパラメータの才能が、育成済オブジェクトに紐付けられる。代替的に、パラメータの数値若しくはレベルを特定する継承要素が、育成済オブジェクトに紐付けられてもよい。
【0061】
また、タスクの才能は、タスクルートを介してタスクを特定する。代替的に、タスクが単体で継承要素によって特定されてもよく、複数のタスク又は複数のタスクルートが継承要素によって特定されてもよい。タスクの才能が紐付けられる場合、例えば、育成パートにおいて育成オブジェクトが実行したタスクの中から、いずれか一つのタスクを含むタスクルートを特定するタスクの才能が、継承要素として育成済オブジェクトに紐付けられる。これにより、ユーザは、継承要素によって特定されるタスクルートに含まれるタスクを、育成オブジェクトに実行させることができる。
【0062】
なお、育成パートにおいて実行可能な若しくは実行されたタスク又はタスクルートには、育成終了後に継承の対象とならない固有タスク又は固有タスクルートがあってもよい。この固有タスク又は固有タスクルートが紐づけられた育成オブジェクトを育成する場合には、固有タスク又は固有タスクルートに含まれるタスクを実行できる。しかし、育成パートの終了後に育成済オブジェクトとして保存する際には、固有タスク又は固有タスクルートを特定するタスクの才能が、継承要素に含まれない。
【0063】
さらに、スキルの才能は、育成時に獲得可能なスキルを特定する。例えば、スキルの才能によって特定されるスキルは、育成パートにおいてスキル獲得を実行することによって獲得できる。そして、獲得されたスキルは、使用されることによって、育成に有利又は不利な結果を与える。スキルの才能が紐付けられる場合、紐付けられるスキルの才能は、育成オブジェクトが獲得したスキルに対応するスキルの才能の中から抽選される。例えば、育成終了時には、所定の数(例えば、0から10個)のスキルの才能が育成済オブジェクトに紐付けられる。なお、取得できるスキルの才能の数は、育成履歴に基づいて変化してもよい。例えば、育成パートにおいて達成したファン数又はチケット売上数に応じて取得できるスキルの才能の数が増加してもよい。
【0064】
なお、育成に影響するゲーム要素には、継承要素とならないゲーム要素があってもよい。例えば、育成パートでは、育成オブジェクトに設定されている性格というゲーム要素によって、実行する行動又は登場する選択肢等に変化が生じるが、性格は継承要素とならない。代替的に、性格が継承の対象とされてもよく、例えば活発な性格が大人しい性格の育成オブジェクトに継承されてもよい。
【0065】
また、育成が完了した場合に取得される継承要素には、ランク又はレベル等の段階が設定される。そして、段階が大きいほど継承イベントを有利に進行する作用が生じる。一例として、当該作用は、育成オブジェクトに継承される確率が高まる作用、継承時にパラメータの増加量が増える作用、及び継承される才能に応じて得られる仲介ゲーム要素のランク又はレベル等が高くなる作用等である。一例として、高いレベルの仲介ゲーム要素は、スキルを獲得するために消費される消費要素(例えば、スキルポイント)の量が、低いレベルの仲介ゲーム要素よりも少ない。
【0066】
また、継承要素(例えば才能)は、継承要素に設定された段階と共に育成済オブジェクトに紐付けられる。例えば、継承要素を識別する要素識別情報と、育成済オブジェクトのオブジェクト識別情報とが紐付けられて記憶される。一例として、継承要素の段階は、第一段階(例えば星一つ)、第二段階(例えば星二つ)、及び第三段階(例えば星三つ)に分かれている。なお、段階に応じて取得できる確率が異なってよく、一例として、継承要素が取得されない割合が20%であり、第一段階の継承要素が取得される割合が30%であり、第二段階の継承要素が取得される割合が40%であり、第三段階の継承要素が取得される割合が10%である。代替的に、所定の段階(例えば、育成パートにおいて継承又は到達した最も高い段階)の継承要素が育成済オブジェクトに紐付けられてもよい。
【0067】
また、育成済オブジェクトのパラメータの値が高い程又はスキルのレベル等が高い程、高い段階の継承要素を取得できる割合が高くなる作用が生じてもよい。例えば、パラメータの才能を取得する場合、育成パートにおいて所定の値のパラメータに到達していれば、より低い値のパラメータのみに到達していた場合と比較して、高い段階のパラメータの才能を取得できる割合が高くなってもよい。
【0068】
また、育成パートにおいて実行した行動の回数が多い程、高い段階の継承要素を取得できる割合が高くなる作用が生じてもよい。例えば、タスクの才能を取得する場合、育成パートにおいてより多くのタスクを実行していれば、より少ないタスクを実行していた場合と比較して、高い段階のタスクの才能を取得できる割合が高くなってもよい。
【0069】
さらに、スキルについては、上位スキルと、上位スキルよりもランクが低い下位スキルとが存在していてもよい。そして、継承要素としての上位スキルの才能は、育成オブジェクトが下位スキルの才能を有している場合にのみ取得できてもよい。例えば、大きな会場でのライブにおいて能力を高く発揮できる上位スキルは、小さな会場でのライブにおいて能力を高く発揮できる下位スキルの才能を有している場合にのみ取得できる。
【0070】
[その他]
図2に戻り、トップ画面の称号領域R18には、育成オブジェクトの称号として、デビュー前のアイドルであることが示されている。一例として、この称号は、パラメータ(例えばファン数)の増加に応じて変化する。また、トップ画面には、自動進行モードを選択するための自動進行ボタンR19が設けられている。そして、ユーザが、自動進行ボタンR19を選択操作する度に、自動進行モードと手動進行モードとが切り替えられる。この自動進行モードでは、少なくとも一つの行動が自動的に選択される。そして、自動進行モードでは、行動の結果(例えば、増減後のパラメータ)のみが表示され、演出の表示はスキップされる。これにより、ユーザは、短時間で育成オブジェクトを育成できる。
【0071】
[ゲームシステム]
図4に示すゲームシステム100は、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供する。このゲームシステム100は、ゲーム端末10とサーバ30とを備えている。
【0072】
[ゲーム端末]
ゲーム端末10は、端末制御手段の一例としての端末制御部11、端末記憶手段の一例としての端末記憶部12、端末通信手段の一例としての端末通信部13、操作手段の一例としての端末操作部14、表示手段の一例としての端末表示部15、及び音声出力手段の一例としての音声出力部16を有する。一例として、端末制御部11は、コンピュータとして構成されており、不図示のプロセッサを有している。このプロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)である。また、プロセッサは、端末記憶部12に記憶された制御プログラム及びゲームプログラムに基づいて、ゲーム端末10の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0073】
代替的に、端末制御部11は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶された制御プログラムに従って制御を行うこともできる。また、端末記憶部12は、コンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体である。具体的に、端末記憶部12は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。
【0074】
また、端末記憶部12は、ゲームプログラムの一例である端末プログラムPG1と、オブジェクトデータ12Aと、端末データ12Bとを記憶している。オブジェクトデータ12Aは、ゲーム中に登場するゲームオブジェクト(例えば育成オブジェクト等)に関するデータである。例えば、オブジェクトデータ12Aは、オブジェクトのオブジェクト識別情報と紐付けられた、キャラクタの画像、パラメータの値、タスクルートの状態、スキルの状態、及びオブジェクトの状態を示す情報等を含んでいる。また、端末データ12Bは、ゲーム画像及びゲーム音楽等のゲームを進行させるゲーム処理に必要なデータである。
【0075】
端末プログラムPG1は、コンピュータとしての端末制御部11を、オブジェクト受付手段の一例であるオブジェクト受付部11A、及び進行手段の一例であるゲーム進行部11Cとして機能させる。すなわち、端末制御部11は、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、各部を有している。そして、ゲーム進行部11Cは、端末プログラムPG1を実行して、育成ゲームを進行させる。代替的に、端末プログラムPG1は、端末記憶部12以外に、コンピュータ読み取り可能な他の非一時的記憶媒体に記憶させることもできる。
【0076】
端末操作部14は、ユーザがゲーム操作を入力する入力装置である。また、端末表示部15は、ゲーム画像を表示させる装置であり、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。音声出力部16は、ゲーム音楽等を出力する出力装置であり、例えば、スピーカ又はヘッドホン等である。なお、図4においては、端末操作部14と端末表示部15とが別個に示されている。ただし、端末操作部14と端末表示部15とは、タッチパネルとして一体的に構成されてもよい。また、端末操作部14は、端末表示部15と一体ではないタッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、ボタン、キー、レバー、又はスティック等を含んでいてもよい。また、端末操作部14は、ユーザが発する音声又はユーザの動作を検出して、検出結果に応じた操作を行う装置であってもよい。
【0077】
[オブジェクト受付手段]
オブジェクト受付手段の一例であるオブジェクト受付部11Aは、ゲーム端末10において、育成オブジェクト、継承オブジェクト、及びサポートオブジェクトの選択を受け付ける。例えば、ユーザは、端末表示部15に表示されている複数のサポートオブジェクトの中から六つのサポートオブジェクトを選択する。そして、オブジェクト受付部11Aは、サポートオブジェクトの選択を受け付けて、各サポートオブジェクトのオブジェクト識別情報をサーバ30へ送信する。一例として、サポートオブジェクトは、キャラクタの画像を含む仮想カードである。
【0078】
[進行手段]
進行手段の一例であるゲーム進行部11Cは、ゲームオブジェクトの育成をシミュレーションする。また、ゲーム進行部11Cは、自動進行モードにおいては、育成オブジェクトが実行する行動を自動的に選択して進行させる。そして、ゲーム進行部11Cは、手動進行モードにおいては、育成オブジェクトが実行する行動を、ユーザの操作に応じて進行する。さらに、ゲーム進行部11Cは、自動進行モードにおいて、行動を進行してパラメータを変動させるとともに、選択されたサポートオブジェクトに対応するような行動を自動的に決定する。これにより、ゲームオブジェクトの育成に要する時間及び手間を削減できる。
【0079】
例えば、ユーザが手動進行モードを選択すると、ゲーム進行部11Cは、ユーザが選択した行動を受け付ける。一例として、ユーザがレッスンの行動を選択すると、ゲーム進行部11Cはレッスンを進行して、育成オブジェクトに紐付けられているパラメータを増減させる。また、ゲーム進行部11Cは、選択されたレッスンに応じた演出の動画又は画像を端末表示部15に表示させる。さらに、ユーザがタスクの行動を選択すると、ゲーム進行部11Cはタスクを進行して、育成オブジェクトに紐付けられているパラメータを増減させる。また、ゲーム進行部11Cは、選択されたタスクに応じた演出の動画又は画像を端末表示部15に表示させる。
【0080】
一方、ユーザが自動進行モードを選択すると、ゲーム進行部11Cは、ユーザが手動で選択可能な行動の中から、育成オブジェクトが実行する行動の少なくとも一つを自動的に選択する。そして、ゲーム進行部11Cは。選択した行動を自動進行して、育成オブジェクトに紐付けられているパラメータを増減させる。このとき、ゲーム進行部11Cは。行動の選択と自動進行とを、育成パートの全てのターンが終わるまで繰り返してもよい。または、ゲーム進行部11Cは、チェックポイントに到達するまでの所定のターン数に渡って、行動の選択と自動進行とを繰り返してもよい。
【0081】
[サーバ]
サーバ30は、サーバ制御部31と、サーバ記憶部32と、サーバ通信部33とを備えている。サーバ制御部31はコンピュータとして構成されており、不図示のプロセッサを有している。このプロセッサは、例えばCPU又はMPUであり、サーバ記憶部32に記憶されたプログラムに基づいて、サーバ30の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。代替的に、サーバ制御部31は、CD、DVD、CFカード、及びUSBメモリ等の可搬記録媒体、又は外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。また、サーバ制御部31には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む不図示の操作部が、有線接続又は無線接続されている。さらに、サーバ制御部31には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示させる不図示の表示部が、有線接続又は無線接続されている。
【0082】
サーバ記憶部32は、コンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体である。具体的に、サーバ記憶部32は、RAM、ROM、HDD、及びSSD等の記憶装置を含む。また、サーバ記憶部32は、サーバデータ32Aを記憶している。このサーバデータ32Aは、ゲームの進行に必要な画像データ又は音楽データ等のデータ、及び端末プログラムPG1の更新データ等を含む。さらに、サーバデータ32Aは、ユーザのユーザ識別情報に紐付けられているユーザ情報の一例として、育成オブジェクト、育成済オブジェクト、及び先代継承オブジェクト(後述)の情報等を含んでいる。また、サーバ通信部33は、通信モジュール又は通信インタフェース等である。そして、サーバ通信部33は、ネットワーク50を介してゲーム端末10とサーバ30とのデータの送受信を可能とする。
【0083】
また、サーバ記憶部32は、ゲームプログラムの一例であるサーバプログラムPG2を記憶している。そして、サーバプログラムPG2は、コンピュータとしてのサーバ制御部31を、選択受付手段の一例である選択受付部31A、対応付け手段の一例としての対応付け部31B、及び決定手段の一例である決定部31Cとして機能させる。すなわち、サーバ制御部31は、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、各部を有している。代替的に、サーバプログラムPG2は、サーバ記憶部32以外に、コンピュータ読み取り可能な他の非一時的記憶媒体に記憶させることもできる。
【0084】
なお、サーバ制御部31は、ゲームの進行の一部の処理を実行する。例えば、サーバ制御部31は、ゲーム中に新たなキャラクタに対応するゲームオブジェクトを得るために行われる抽選等の処理を実行する。また、サーバ制御部31は、サーバデータ32Aに含まれるゲームオブジェクトの情報を管理する。例えば、育成終了条件を満たした場合に、サーバ制御部31は、育成済オブジェクトを、サーバデータ32Aに含めてサーバ記憶部32に記憶させる。それにより、ユーザは、育成済オブジェクトを継承オブジェクトとして選択できるようになる。
【0085】
[選択受付手段]
選択受付部31Aは、育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける。例えば、選択受付部31Aは、ユーザによって選択された継承オブジェクトの選択を受け付ける。また、選択受付部31Aは、継承オブジェクトの選択手段として機能するサーバ制御部31が自動的に選択した継承オブジェクトの選択を受け付けてもよい。そして、継承オブジェクトは、ユーザによる選択に応じて所定の属性に紐付けられる。この属性は、選択が受け付けられた継承オブジェクトに紐付けられるべき要素である。例えば、属性は、継承オブジェクトに紐付けられる役割を特定し、属性識別情報によって識別される。一例として、役割は、育成オブジェクトと継承オブジェクトとの関係性を示す。具体的に、役割には、先輩後輩関係を示す「尊敬」、ライバル関係を示す「ライバル」、及び一緒にタスクを実行する関係を示す「戦友」等が含まれる。さらに、属性は、血縁関係、血統関係、上下関係、友人関係、及び家族関係等を示してもよい。
【0086】
また、継承要素は、継承されることによって、育成オブジェクトに所定の継承結果を生じさせる。一例としての継承要素は、育成オブジェクトが使用するスキル、育成オブジェクトに付与されるパラメータ、及び育成オブジェクトが実行可能なタスクの少なくとも一つを特定する。例えば、継承要素は、タスクルートを介して実行可能なタスクを特定するタスクの才能、スキルのヒントを介して獲得可能なスキルを特定するスキルの才能、及びパラメータを特定するパラメータの才能である。
【0087】
これにより、育成をシミュレーションするゲームを有利に進行させるための多様な継承要素を、育成オブジェクトに継承させることができる。代替的に、継承要素は、実行可能なタスク、獲得可能なスキル、及び育成オブジェクトに付与されるパラメータの値を直接特定してもよい。例えば、スキルポイントの消費によって獲得されるスキルを特定する仲介ゲーム要素を特定することに代えて、育成オブジェクトが継承時に直接獲得するスキルを継承要素が特定してもよい。
【0088】
また、継承要素としてのパラメータの才能には、特定されるパラメータを変動させる変動量(例えば、継承時に増加する増加量の範囲)を示す情報が紐づけられている。すなわち、パラメータの才能は、パラメータの種類及び変更量の少なくとも一方を特定する。そして、パラメータの才能が継承されると、特定されるパラメータが、紐付けられている変動量で変動する。一例として、歌唱力の才能が継承されると、歌唱力の値が変動する。さらに、継承要素は、ダンス力の才能、ビジュアルの才能、表現力の才能、精神力の才能、歌の才能、ダンスの才能、服選びの才能、メイクアップの才能、表現の才能、強気の才能、及び弱気の才能等の、他のパラメータと関連する才能を含んでいてもよい。また、継承された一つのパラメータの才能によって、複数種類のパラメータの値が変動してもよい。
【0089】
また、継承要素としてのスキルの才能が継承されることによって、スキルポイントの消費を条件として、スキルの才能に応じた仲介ゲーム要素によって特定されるスキルを獲得できるようになる。さらに、継承要素としてのタスクの才能が継承されることによって、タスクの才能によって特定されるタスクルートが選択可能となる。または、タスクの才能によって特定されるタスク、又は当該タスクを含むタスクルートが実行可能となる。さらに、継承要素は、キャラクタの性格又は外観(例えば、髪型、化粧又は服装等)を特定してもよい。例えば、継承要素が外観を特定する場合、継承によって、特定された外観が育成オブジェクトに反映される。
【0090】
また、選択受付部31Aは、育成オブジェクトの選択と、複数種類の効果のそれぞれと対応付けられるべき複数の継承オブジェクトの選択とを受け付ける。ここで、効果とは、継承結果に影響を与えるゲーム処理であり、例えば継承要素の継承条件に変化を与えるか、又は決定された継承要素による継承結果に変化を与える。これにより、複数の継承オブジェクトの選択を受け付けることによって、継承結果の変化が多様化する。そのため、育成に多様性を持たせることができる。例えば、複数種類の効果は、継承イベントの発生時に発揮される。具体的に、選択受付部31Aは、複数種類の属性のそれぞれと紐付けられるべき複数の継承オブジェクトの選択を受け付ける。そして、各継承オブジェクトは、属性を介して効果と対応付けられ、継承イベントの発生時に複数種類の効果が発揮される。
【0091】
一例として、ユーザは、端末表示部15に表示された複数の育成済オブジェクトの中から、所望の三つの育成済オブジェクトを継承オブジェクトとして選択する。そして、継承オブジェクトの選択前に、ユーザは、所望の一つの育成オブジェクトを選択する。例えば、ユーザは、ゲーム端末10の端末表示部15に表示された複数の育成候補となるゲームオブジェクトの中から育成オブジェクトを選択する。そして、ゲーム端末10のオブジェクト受付部11Aは、ユーザが選択した育成オブジェクトを受け付けて、サーバ30へ育成オブジェクトのオブジェクト識別情報を送信する。そして、選択受付部31Aは、育成オブジェクトの選択として、オブジェクト識別情報を受け付ける。
【0092】
その後、ユーザが継承オブジェクトを選択すると、ゲーム端末10のオブジェクト受付部11Aは、ユーザが選択した継承オブジェクトを受け付けて、サーバ30へ継承オブジェクトのオブジェクト識別情報を送信する。そして、選択受付部31Aは、継承オブジェクトの選択として、オブジェクト識別情報を受け付ける。さらに、選択受付部31Aは、当該情報を、育成オブジェクトのオブジェクト識別情報と紐付けて、サーバ記憶部32に記憶させる。なお、選択可能な継承オブジェクトの数は三つには限定されず、一つ、二つ、又は四つ以上であってもよい。
【0093】
ここで、ユーザが選択する継承オブジェクトには、それぞれに役割を特定する属性が対応付けられる。そして、設定されている役割に応じて、継承結果が変化する。そのために、複数の役割の枠が設けられており、例えば、図5に示すように、尊敬枠、ライバル枠及び戦友枠が設けられている。さらに、各役割の枠に対応付けられる継承オブジェクトには、当該継承オブジェクトを育成した際の育成パートの開始前にユーザによって選択された継承オブジェクトである先代継承オブジェクトが紐付けられている。すなわち、継承オブジェクトには、それぞれが属性と紐付けられている複数の先代継承オブジェクトが紐付けられている。
【0094】
例えば、図5の左側の尊敬枠の継承オブジェクトには、属性と紐付けられている複数の先代継承オブジェクトとして、尊敬枠、ライバル枠及び戦友枠の先代継承オブジェクトが紐付けられている。同様に、図5の中央のライバル枠の継承オブジェクトには、ライバル枠、尊敬枠及び戦友枠の先代継承オブジェクトが紐付けられている。また、図5の右側の戦友枠の継承オブジェクトには、戦友枠、尊敬枠及びライバル枠の先代継承オブジェクトが紐付けられている。これらの先代継承オブジェクトは、継承オブジェクトを育成オブジェクトとして育成した際の育成パートの開始前に、ユーザが継承オブジェクトとして選択したものである。
【0095】
[継承オブジェクトの選択]
図6を参照して、育成パートの開始前の継承オブジェクトの選択について説明する。図6に示す継承オブジェクトの選択画面では、選択された育成オブジェクトを表すキャラクタ画像R50が表示されている。そして、キャラクタ画像R50の下部に重なるように、選択された継承オブジェクトによる継承結果の一部を示す結果領域R51が設けられている。この結果領域R51には、歌唱力、ダンス力、ビジュアル、表現力、及び精神力が示されている。そして、継承結果の一部として、例えばビジュアル及び表現力に対するパラメータの確定された上昇割合を示す成長率の「5%」が表示されている。一例として、成長率は、継承オブジェクトの継承要素とその役割に応じて算出される。そのため、継承オブジェクト又はその役割を変更することによって、継承結果の一部としての成長率が増減する。
【0096】
また、図6に示す結果領域R51の下方には、継承オブジェクトの設定領域R52が設けられている。この設定領域R52には、尊敬枠、ライバル枠及び戦友枠が設けられている。そして、ユーザが、各枠を選択操作(例えばタッチ操作)すると、各枠に設定可能な育成済オブジェクトの一覧画面が表示される。この一覧画面において、ユーザが、継承オブジェクトを選択すると選択画面へ戻り、選択された継承オブジェクトが各枠に表示される。なお、一覧画面には、継承オブジェクトとして選択可能な育成済オブジェクトが表示される。さらに、ユーザは、他のユーザの育成済オブジェクトを、継承オブジェクトとして借りて選択してもよい。また、ユーザが継承オブジェクトの選択を解除した場合には、育成済オブジェクトの中から改めて継承オブジェクトが選択される。
【0097】
なお、図6においては、図示の便宜上、同じキャラクタに対応するGランクの継承オブジェクトが全ての枠に選択されている。しかし、同じキャラクタに対応する継承オブジェクト(例えば、同じキャラクタ識別情報が紐付いた継承オブジェクト)が、複数の枠において選択できなくともよい。また、育成オブジェクトと同じキャラクタに対応する継承オブジェクトが選択できなくともよい。
【0098】
さらに、設定領域R52には、各枠に選択されている継承オブジェクトと、育成オブジェクトとの相性が表示されている。例えば、尊敬枠の継承オブジェクトと、育成オブジェクトとの相性は普通であるため、丸の記号が付されている。また、ライバル枠の継承オブジェクトと、育成オブジェクトとの相性は良いため、二重丸の記号が付されている。さらに、戦友枠の継承オブジェクトと、育成オブジェクトとの相性は悪いため、バツの記号が付されている。なお、同じキャラクタに対応する継承オブジェクトが、複数の枠において選択される場合、当該継承オブジェクトと育成オブジェクトとの相性は、異なってもよくまた同じであってもよい。すなわち、相性は、継承要素とその役割に応じて決定される。そのため、継承オブジェクト又はその役割を変更することによって、相性が変化することがある。代替的に、継承オブジェクトと育成オブジェクトとの相性に加えて又は代えて、異なる枠の継承オブジェクト同士の相性が表示されてもよい。例えば、尊敬枠に選択された継承オブジェクトとライバル枠に選択された継承オブジェクトとの相性が表示されてもよい。
【0099】
また、設定領域R52には、各枠に選択されている継承オブジェクトと同じ属性に紐付けられている先代継承オブジェクトが自動的に選択されている。具体的には、継承オブジェクトが選択された場合、図5に破線によって囲んで示すように、選択された継承オブジェクトに紐付けられている先代継承オブジェクトの中から、当該継承オブジェクトが設定されている枠と同じ枠に紐付けられている先代継承オブジェクトが自動的に選択される。例えば、尊敬枠に継承オブジェクトが選択された場合、選択受付部31Aは、選択された継承オブジェクトに紐付けられており且つ尊敬枠に紐付けられている先代継承オブジェクトを自動的に選択する。
【0100】
同様に、ライバル枠に継承オブジェクトが選択された場合、選択受付部31Aは、選択された継承オブジェクトに紐付けられており且つライバル枠に紐付けられている先代継承オブジェクトを自動的に選択する。また、戦友枠に継承オブジェクトが選択された場合、選択受付部31Aは、選択された継承オブジェクトに紐付けられており且つ戦友枠に紐付けられている先代継承オブジェクトを自動的に選択する。代替的に、各枠の先代継承オブジェクトは、ユーザが選択して選択受付部31Aが受け付けてもよい。
【0101】
なお、選択された複数の継承オブジェクトのそれぞれに紐付けられている先代継承オブジェクトが全て選択されなくともよい。例えば、いずれか一つの継承オブジェクトのみに紐付けられている先代継承オブジェクトが選択されてもよく、先代継承オブジェクトが一つも選択されなくてもよい。また、各先代継承オブジェクトに紐付けられている先代継承オブジェクトがさらに選択されてもよい。この場合、育成オブジェクトを基準として、継承オブジェクトを第一世代とすると、第二世代である先代継承オブジェクトと、第三世代以降の任意の数の先代継承オブジェクトがさらに選択される。
【0102】
また、属性の数は、二つ以下又は四つ以上であってもよく、継承オブジェクトの数と異なっていてもよい。例えば、継承オブジェクトが三つ選択される場合に、属性の数が二つであってもよい。すなわち、少なくとも一つの共通する属性が、複数の継承オブジェクトに紐付けられてもよい。さらに、一つの継承オブジェクトに対して、複数の属性が紐付けられてもよい。
【0103】
なお、図6においては、図示の便宜上、同じキャラクタに対応するFランクの先代継承オブジェクトが全ての枠に選択されている。しかし、同じキャラクタに対応する先代継承オブジェクト(例えば、同じキャラクタ識別情報が紐付いた先代継承オブジェクト)が、複数の枠において選択できなくともよい。また、育成オブジェクト又は継承オブジェクトと同じキャラクタに対応する先代継承オブジェクトが選択できなくともよい。ただし、複数の枠において、同じキャラクタに対応する先代継承オブジェクトが選択されてもよい。また、育成オブジェクト又は継承オブジェクトと同じキャラクタに対応する先代継承オブジェクトが選択されてもよい。
【0104】
また、設定領域R52の下方には、おすすめボタンR53と、リセットボタンR54が設けられている。ユーザが、おすすめボタンR53を選択操作すると、選択受付部31Aは、自動的に各枠の継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトを選択する。また、ユーザが、リセットボタンR54を選択操作すると、選択されていた継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトの選択が解除され、初期状態に戻る。
【0105】
また、おすすめボタンR53及びリセットボタンR54の下方には、才能一覧ボタンR55と、次へ進むボタンR56と、戻るボタンR57とが設けられている。ユーザが、才能一覧ボタンR55を選択操作すると、継承可能な継承要素(例えば、パラメータの才能等)の一覧が表示される。当該一覧には、選択されている継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトによる継承結果の例示として、継承可能な継承要素が含まれている。
【0106】
また、ユーザが、次へ進むボタンR56を選択操作すると、選択されている育成オブジェクトに対して、各役割に紐付けられた継承オブジェクトが少なくとも一時的に紐付けられる。例えば、育成オブジェクトのオブジェクト識別情報に、属性識別情報(例えば役割識別情報)が紐付けられた継承オブジェクトのオブジェクト識別情報が紐付けられて、サーバ記憶部32に記憶される。そして、サポートオブジェクトを選択する画面へと遷移する。さらに、ユーザが、戻るボタンR57を選択操作すると、育成オブジェクトを選択する画面へと遷移する。
【0107】
また、キャラクタ画像R50の上方には、継承スキル一覧ボタンR58が設けられている。そして、ユーザが、継承スキル一覧ボタンR58を選択操作すると、継承可能なスキルの才能の一覧が表示される。当該一覧には、選択されている継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトによる継承結果の例示として、継承可能なスキルの才能が含まれている。代替的に、継承スキル一覧ボタンR58を選択操作すると、継承されるスキルの才能に応じて得られる仲介ゲーム要素の一覧が表示されてもよい。
【0108】
代替的に、選択受付部31Aは、継承オブジェクトと紐付けられるべき属性の選択をさらに受け付けてもよい。一例として、図6に示す継承オブジェクトの選択画面には、役割の選択ボタンが設けられていてもよい。ユーザは、選択ボタンを選択操作して表示される複数の役割(例えば、「尊敬」、「ライバル」、及び「戦友」)の中から、自らが選択した継承オブジェクトに紐付ける任意の役割を選択する。そして、選択受付部31Aは、ゲーム端末10から選択された役割の役割識別情報を受け付ける。さらに、選択受付部31Aは、当該情報を、育成オブジェクトのオブジェクト識別情報と紐付けて、サーバ記憶部32に記憶させる。さらに他の例として、選択受付部31Aは、継承オブジェクトと対応付ける効果の選択を受け付けてもよい。一例として、ユーザは、効果の選択ボタンを選択操作して表示される複数の効果の中から、自らが選択した継承オブジェクトに対応付ける効果を選択する。
【0109】
さらに、選択受付部31Aは、先代継承オブジェクトと紐付けられるべき属性の選択をさらに受け付けてもよい。一例として、継承オブジェクトを選択した場合には、継承オブジェクトと同じ属性の先代継承オブジェクトが自動的に選択されるが、ユーザが当該先代継承オブジェクトを他の属性の先代継承オブジェクトへ変更できてもよい。または、ユーザが、先代継承オブジェクトの属性を、他の属性に変更できてもよい。さらに他の例として、選択受付部31Aは、先代継承オブジェクトと対応付ける効果の選択を受け付けてもよい。
【0110】
[対応付け手段]
図4に戻り、選択受付部31Aの対応付け部31Bは、選択された継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける。例えば、対応付け部31Bは、継承オブジェクトの選択と同時に、属性(例えば役割)を介して継承オブジェクトと効果とを対応付ける。すなわち、所定の効果が紐付けられた属性に対して、ユーザが継承オブジェクトを選択することにより、継承オブジェクトの選択と、継承オブジェクトと効果との対応付けとが行われる。これにより、育成オブジェクトと継承オブジェクトとは、効果によって対応付けられる。また、継承オブジェクトと先代継承オブジェクトとは、属性によって紐付けられている。
【0111】
代替的に、対応付け部31Bは、継承オブジェクトの選択とは異なるタイミングで、属性を介して継承オブジェクトと効果とを対応付けてもよい。一例として、ユーザは、継承オブジェクトを選択した後に、選択した継承オブジェクトに紐付ける属性又は選択した継承オブジェクトに対応付ける効果を選択する。そして、ユーザが属性又は効果を選択することにより、継承オブジェクトと効果との対応付けが行われる。なお、属性又は効果の選択は、継承オブジェクトの選択前に行われてもよい。また、属性に紐付けたい効果をユーザが選択し、当該属性に紐付ける継承オブジェクトをユーザが選択してもよい。さらに、対応付け部31Bは、属性が紐付けられている継承オブジェクトを育成オブジェクトに紐付けることによって、属性によって特定される効果を継承オブジェクトに対応付けてもよい。この場合、ユーザは、継承オブジェクトを選択した後に、選択した継承オブジェクトに紐付ける育成オブジェクトを選択してもよい。
【0112】
ここで所定の効果とは、継承結果に影響を与えるゲーム処理であり、例えば継承要素の継承条件に変化を与えるか、又は決定された継承要素による継承結果に変化を与えるゲーム処理である。代替的に効果は、継承された継承要素に変化を与えるゲーム処理であってもよい。例えば、効果は、属性と紐付けてサーバ記憶部32が記憶しており、効果識別情報によって識別される。
【0113】
具体的に、効果は、継承要素の継承確率の変更効果、及び継承要素によって特定されるパラメータの変更効果の少なくとも一つである。例えば、継承確率の変更効果が発揮されると、継承される継承要素の継承確率が増減する。さらに、継承確率の変更効果が発揮される結果、所定の継承要素のみが継承されるように、他の継承要素の継承確率がゼロとなってもよい。また、継承要素によって特定されるパラメータの変更効果が発揮されると、継承される継承要素によって特定されるパラメータの変化量が増減する。さらに、効果は、継承要素のレベルの変更効果を含んでいてもよく、当該効果が発揮されると、継承される継承要素(例えば才能)のレベルが増減する。これにより、育成をシミュレーションするゲームを有利に進行させるための多様な効果を発揮させることができる。また、効果は、継承される継承要素(例えば才能)に応じて得られる仲介ゲーム要素のランク又はレベル等の増減効果を含んでいてもよい。
【0114】
例えば、継承要素の継承確率の変更効果は、育成オブジェクトがスキルの才能を継承する確率を増減させる効果である。また、継承要素によって特定されるパラメータの変更効果は、継承したタスクの才能によって特定されるタスクルートのパラメータであるルートレベルを増減させる効果である。さらに、継承要素によって特定されるパラメータの変更効果は、継承イベントの発生時のパラメータの変動量を増減させる効果である。
【0115】
一例として、継承要素の継承確率の変更効果は、戦友枠に対応する役割識別情報に紐付けて記憶されている。例えば、継承確率の変更効果が発揮されると、戦友枠に設定されている継承オブジェクトから継承される継承要素(例えばスキルの才能)の継承確率は、他の枠に対応付けられる場合と比較して増加する。すなわち、継承可能なスキルの才能の数が増えるか、又はスキルの才能を継承できない確率が減少して継承できる確率が増加するように、変化した継承条件が継承に適用される。または、継承確率の変更効果が発揮されると、高いレベルのスキルの才能を継承できる確率が増加する。代替的に、継承確率の変更効果が発揮されると、継承要素の継承確率が減少してもよい。
【0116】
また他の例として、継承要素によって特定されるパラメータの変更効果は、尊敬枠に対応する役割識別情報に紐付けて記憶されている。例えば、パラメータの変更効果が発揮されると、尊敬枠に設定されている継承オブジェクトから継承される継承要素(例えばタスクの才能)によって特定されるタスクルートのルートレベルは、他の枠に対応付けられる場合と比較して高くなる。すなわち、タスクルートのルートレベルが高くなる。代替的に、パラメータの変更効果が発揮されると、ルートレベルが低くなってもよい。
【0117】
さらに他の例として、継承要素によって特定されるパラメータの変更効果は、ライバル枠に対応する役割識別情報に紐付けて記憶されている。例えば、パラメータの変更効果が発揮されると、ライバル枠に設定されている継承オブジェクトから継承される継承要素(例えばパラメータの才能)によって特定されるパラメータの変動量は、他の枠に対応付けられる場合と比較して増加する。すなわち、継承時に育成オブジェクトがより高いパラメータを継承できるか、又は継承時に育成オブジェクトのパラメータが増加する際の増加量が大きくなる。代替的に、パラメータの変更効果が発揮されると、パラメータが減少してもよい。
【0118】
なお、継承オブジェクトから継承される継承要素は、効果による変化の対象となる継承要素には限定されない。例えば、尊敬枠に設定されている継承オブジェクトから継承されるタスクの才能によって特定されるタスクルートのルートレベルは、他の枠に設定される場合と比較して高くなる。しかし、尊敬枠に設定されている継承オブジェクトからは、スキルの才能及びパラメータの才能も継承される。代替的に、継承オブジェクトから継承される継承要素は、効果によって強調される継承要素に限定されてもよい。例えば、尊敬枠に設定されている継承オブジェクトからは、タスクの才能のみが継承されてもよい。
【0119】
対応付け部31Bは、継承オブジェクトと紐付けられるべき所定の属性を介して、継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける。例えば、対応付け部31Bは、決定部31Cが発揮させる効果を特定できるように、育成オブジェクトに継承オブジェクトを少なくとも一時的に紐付ける。この場合、属性が紐付けられている継承オブジェクトを育成オブジェクトに紐付けることによって、属性によって特定される効果が、継承オブジェクトに対応付けられる。なお、継承オブジェクトは、継承イベントのときにのみ一時的に紐付けされてもよく、育成ゲームの間に渡って紐付けられてもよい。
【0120】
代替的に、対応付け部31Bは、効果を特定する情報(例えば効果識別情報)を育成オブジェクトに少なくとも一時的に紐付けることによって、属性を介さずに継承オブジェクトと所定の効果とを対応付けてもよい。例えば、効果を特定する情報は、継承イベントのときにのみ一時的に紐付けされてもよく、育成ゲームの間に渡って紐付けられてもよい。この場合、対応付け部31Bは、ユーザが選択した効果又は抽選によって選択された効果を、継承オブジェクトと紐付けてもよい。なお、選択受付部31Aが対応付け部31Bとして機能してもよく、この場合には継承オブジェクト等の選択の受付と、所定の効果との対応付けとが同時又は連続的に実行される。さらに、対応付け部31Bが選択受付部31Aとは別に設けられていてもよい。
【0121】
また、継承オブジェクトと対応付けられる効果の内容は、継承イベントが発生するタイミングに応じて異なっていてもよい。例えば、各属性には、継承イベントが発生するタイミングに応じて異なる効果が紐付けられている。一例として、育成パートの途中で発生する継承イベントに対しては、属性に紐付けられている効果が存在せず、効果が発揮されない。具体的に、育成パートの開始前に発生する継承イベントでは、継承要素によって特定されるパラメータの変更効果が、ライバル枠に紐付けられている。一方、育成パートの途中で発生する継承イベントに対しては、継承要素によって特定されるパラメータの変更効果が、ライバル枠に紐付けられていない。
【0122】
他の例として、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対しては、育成パートの途中で発生する継承イベントで発揮される効果とは異なる効果が属性に紐付けられていてもよい。例えば、育成パートの途中で発生する継承イベントに対しては、継承要素の継承確率の変更効果、及び継承要素によって特定されるパラメータの変更効果のいずれか一つの効果が属性に紐付けられている。一方、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対しては、当該一つの効果とは異なる(例えば、変更するパラメータの種類又は変更の程度が異なる)効果が属性に紐付けられていてもよい。
【0123】
具体的に、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対しては、ルートレベルの変更効果が、尊敬枠に紐付けられている。一方、育成パートの途中で発生する継承イベントに対しては、継承要素の継承確率の変更効果が、尊敬枠に紐付けられている。また、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対しては、継承要素の継承確率の変更効果として、継承可能なスキルの才能の数が増える効果が、戦友枠に紐付けられている。一方、育成パートの途中で発生する継承イベントに対しては、継承要素の継承確率の変更効果として、スキルの才能を継承できる確率が増加する効果が、戦友枠に紐付けられている。
【0124】
また、継承オブジェクトの属性に紐付けられている効果は、先代継承オブジェクトの属性に紐付けられている効果と異なっていてもよい。例えば、継承オブジェクトの属性に紐付けられている効果は、先代継承オブジェクトの属性に紐付けられている効果よりも強く設定されている。一例として、継承オブジェクトに対応付けられる尊敬枠には、タスクルートのルートレベルが1.5倍に増加する効果が紐付けられている。そして、先代継承オブジェクトに対応付けられる尊敬枠には、タスクルートのルートレベルが1.25倍に増加する効果が紐付けられている。他の例として、継承オブジェクトの属性には効果が紐付けられており、先代継承オブジェクトの属性には効果が紐付けられていなくともよい。
【0125】
[決定手段]
決定部31Cは、対応付け部31Bによって対応付けられた効果を発揮させる。例えば、決定部31Cは、継承オブジェクトに属性を介して対応付けられている効果の効果識別情報を検索する。一例として、各効果は、属性識別情報に基づいて検索できるように、サーバ記憶部32のテーブルに記憶されている。そして、決定部31Cは、当該テーブルを参照して、オブジェクト識別情報によって識別される継承オブジェクトに紐付いている属性の属性識別情報を介して、検索された効果を発揮させる。代替的に、決定部31Cは、属性識別情報を介して検索された効果の中からランダムで決定された効果を発揮させてもよい。
【0126】
これによって、継承オブジェクトに紐付けられている属性に応じて、継承結果が変化する。例えば、ユーザが、継承オブジェクトに与えられている役割を、尊敬枠から戦友枠又はライバル枠に変えると、発揮される効果が変わるため継承結果が変化する。なお、決定部31Cは、効果を発揮させてから継承要素を決定してもよく、継承要素を決定してから効果を発揮させてもよい。一例として、決定部31Cは、継承確率の増加効果を発揮させてから、継承するスキルの才能を抽選して決定する。また他の例として、決定部31Cは、継承するタスクの才能を抽選して決定してから、ルートレベルの増加効果を発揮させる。
【0127】
さらに、決定部31Cは、選択された継承オブジェクトの継承要素の中から、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。一例として、決定部31Cは、継承オブジェクトに紐付いている継承要素の中から、抽選によって継承要素を決定する。代替的に、決定部31Cは、継承オブジェクトの継承要素の中から、予め継承する要素として設定されている継承要素を検索して決定してもよい。さらに、決定部31Cは、継承要素の識別情報を、育成オブジェクトのオブジェクト識別情報と紐付けて、サーバ記憶部32に記憶させる。また、決定部31Cは、これらの情報をゲーム端末10に送信する。
【0128】
具体的に、決定部31Cは、継承要素として、パラメータの才能、タスクの才能、及びスキルの才能を、それぞれ所定の数だけ抽選して決定する。例えば、パラメータの才能が決定されると、継承結果として、パラメータの才能に対応するパラメータが、育成オブジェクトに所定量付与される。また、決定されたパラメータの才能のレベルが高い程(一例として星の数が多い程)、付与されるパラメータの量が多くなる確率が高くなる。当該付与されるパラメータの量は、固定値であってもよく、ランダムに決定される値であってもよい。例えば、値がランダムに決定される場合、高いレベルの才能では、より高い値を含む範囲からパラメータの値が抽選される。一方、低いレベルの才能では、より低い値を含む範囲からパラメータの値が抽選される。
【0129】
また、タスクの才能が決定されると、継承結果として、タスクの才能に対応するタスクルートのルートレベルが高くなる。そして、タスクルートのルートレベルが高くなることによって、育成パートにおいて実行可能なタスクの数の増加、及び実行可能なタスクの発生確率の変化等が生じる。また、決定されたタスクの才能のレベルが高い程、タスクルートのルートレベルが高くなる。さらに、継承結果として、タスクルートの数、タスクの数、及び特別タスクの数等が増加してもよい。また、同じタスクの才能を複数継承した場合、又は育成オブジェクトに紐付けられているタスクの才能と同じタスクの才能を継承した場合に、継承結果として、タスクの才能に対応するタスクルートのルートレベルが高くなってもよい。
【0130】
また、スキルの才能が決定されると、継承結果として、スキルの才能が育成オブジェクトに付与される。また、継承要素の候補であるスキルの才能のレベルが高い程、スキルの才能が付与される確率(すなわち継承確率)は高くなる。さらに、継承されるスキルの才能のレベルは、抽選によって決定されてもよい。この場合、継承要素の候補のレベルが高い程、高いレベルのスキルの才能が継承される確率が高くなる。また、決定されたスキルの才能のレベルが高い程、育成パートにおいてスキルを継承するために消費するスキルポイントの量が少なくなる。さらに、スキルの才能に対応する仲介ゲーム要素によって獲得可能となるスキルには、固有スキルが含まれていてもよい。固有スキルは、スキルポイントの消費によって獲得されてもよく、スキルポイントを消費せずに継承によって獲得されてもよい。
【0131】
また、決定部31Cは、継承オブジェクトに紐付けられている複数の先代継承オブジェクトの一部を特定する。具体的に、決定部31Cは、複数の先代継承オブジェクトの中から、選択された継承オブジェクトの属性と同じ属性に紐付けられている先代継承オブジェクトを特定する。そして、決定部31Cは、継承オブジェクトの継承要素と、特定された先代継承オブジェクトに紐付けられている継承要素との中から、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。これにより、継承オブジェクトの継承要素に加えて、継承オブジェクトの属性と同じ属性に紐付けられている先代継承オブジェクトの継承要素の中からも継承要素が決定される。そのため、ユーザが同じ継承オブジェクトを選択しても、紐付けるべき属性に応じて継承結果を変化させて、育成に多様性を持たせることができる。
【0132】
例えば、図5の尊敬枠の継承オブジェクトの場合、尊敬枠、ライバル枠、及び戦友枠の複数の先代継承オブジェクトが紐付けられている。この場合、決定部31Cは、複数の先代継承オブジェクトの中から、選択された継承オブジェクトの属性と同じ尊敬枠に紐付けられている先代継承オブジェクトを特定する。そして、決定部31Cは、継承オブジェクトの継承要素と、特定された先代継承オブジェクトの継承要素との中から、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。さらに、決定部31Cは、決定した継承要素の識別情報を、育成オブジェクトのオブジェクト識別情報と紐付けて、サーバ記憶部32に記憶させる。また、決定部31Cは、ライバル枠及び戦友枠の継承オブジェクトと先代継承オブジェクトとについても、同様に継承要素を決定する。
【0133】
このように、選択された継承オブジェクトの属性と同じ属性に紐付けられている先代継承オブジェクトの継承要素が継承の対象となる。つまり、異なる属性に紐付けられている先代継承オブジェクトの継承要素は、継承の対象から除外される。代替的に、決定部31Cは、選択された継承オブジェクトの属性と異なる属性に紐付けられている先代継承オブジェクトを特定してもよく、又は当該先代継承オブジェクトをユーザが指定してもよい。例えば、尊敬枠の継承オブジェクトの継承要素と、当該継承オブジェクトに紐付けられているライバル枠の先代継承オブジェクトとの継承要素が、継承の対象となってもよい。さらに、尊敬枠の継承オブジェクトの継承要素と、当該継承オブジェクトに紐付けられているライバル枠及び戦友枠の先代継承オブジェクトの継承要素とが、継承の対象となってもよい。
【0134】
なお、決定部31Cが発揮させる効果とは別に、継承オブジェクトの継承要素の継承結果と、先代継承オブジェクトの継承要素の継承結果とが属性に応じて異なっていてもよい。一例として、継承オブジェクトの継承要素の継承確率は、先代継承オブジェクトの継承要素の継承確率よりも高く設定されていてもよい。これにより、決定部31Cは、ユーザ自身が選択した継承オブジェクトの継承要素の中から継承要素を決定しやすくなる。そのため、ユーザが望む継承結果がより得られ易くなる。
【0135】
さらに、先代継承オブジェクトが継承の対象とならなくともよい。例えば、ゲーム開始直後であって、育成済オブジェクトが存在しない場合、一部の属性の継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトが、継承の対象として選択されなくともよい。ただし、ゲーム開始直後であっても、予め用意されているゲームオブジェクトが、継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトとして選択可能である。代替的に、ゲーム開始直後は、他のユーザが育成した育成済オブジェクトを、継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトとして借りて選択できてもよい。なお、育成ゲームを終了させて育成済オブジェクトが既に存在する場合にも、他のユーザが育成した育成済オブジェクトを、継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトとして借りて選択できてもよい。
【0136】
また、決定部31Cは、特定された先代継承オブジェクトの属性に紐付けられている効果を発揮させると共に、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定してもよい。例えば、決定部31Cは、テーブルを参照して、先代継承オブジェクトの属性に紐付けられて記憶されている効果識別情報を検索する。そして、決定部31Cは、検索された効果を発揮させる。さらに、決定部31Cは、継承オブジェクトの継承要素と、特定された先代継承オブジェクトに紐付けられている継承要素との中から、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。
【0137】
これにより、継承オブジェクトの属性と同じ属性に紐付けられている先代継承オブジェクトに対応する効果を発揮させることができる。そのため、継承オブジェクトに紐付けられている属性に応じて、発揮される効果を異ならせることができる。特に、継承オブジェクトの属性に紐付けられている効果と、先代継承オブジェクトに対応する効果を関連させることによって、紐付けられるべき属性に応じた効果を強調できる。例えば、それぞれの属性に紐付けられている効果が、タスクルートのルートレベルを増加させる効果であれば、継承イベントの実行によってより高いルートレベルを付与できる。なお、効果を関連させる態様としては、両効果が同じ態様、両効果で共通する継承要素の継承確率を変更する態様、及び両効果で共通するパラメータを変更する態様等がある。
【0138】
なお、先代継承オブジェクトの属性に応じて、当該先代継承オブジェクトが紐付けられている継承オブジェクトの所定の継承要素の継承確率が変化してもよい。例えば、尊敬枠の先代継承オブジェクトには、尊敬枠の継承オブジェクトのタスクの才能の継承確率を増減させる効果が紐付けられていてもよい。また、ライバル枠の先代継承オブジェクトには、ライバル枠の継承オブジェクトのパラメータの才能の継承確率を増減させる効果が紐付けられていてもよい。さらに、戦友枠の先代継承オブジェクトには、戦友枠の継承オブジェクトのスキルの才能の継承確率を増減させる効果が紐付けられていてもよい。
【0139】
また、決定部31Cは、選択された継承オブジェクトと対応付けられた効果に基づいて、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。これにより、発揮される効果(例えば、継承確率の変更効果等)に基づいて、より有利になるように継承要素を決定することができる。一例として、決定部31Cは、継承オブジェクトと対応付けられた継承要素の継承確率の増減効果に基づいて、継承要素を決定する。これにより、決定部31Cは、継承確率を増減させた状態で、継承要素を決定できる。
【0140】
また、決定部31Cは、複数の継承オブジェクトと対応付けられている複数の効果の中から少なくとも一つの効果を発揮させるタイミングとは異なるタイミングで、複数の効果の中から当該少なくとも一つの効果とは異なる他の効果を発揮させると共に、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定してもよい。例えば、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対しては、ライバル枠にパラメータの増加効果が紐付けられている。そして、決定部31Cは、育成パートの開始前に発生する継承イベントでは、パラメータの増加効果を発揮させて、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。
【0141】
一方、育成パートの開始前とは異なるタイミングである、育成パートの途中に発生する継承イベントに対しては、ライバル枠に効果が紐付けられておらず、スキルの才能の継承確率の増加効果が尊敬枠及び戦友枠に紐付けられている。そして、決定部31Cは、育成パートの途中に発生する継承イベントでは、パラメータの増加効果とは異なる他の効果として、スキルの才能の継承確率の増加効果を発揮させる。そして、決定部31Cは、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。
【0142】
また、継承要素の継承に適用される継承規則は、継承イベントが発生するタイミングに応じて異なっていてもよい。一例として、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対して適用される継承規則は、パラメータの才能とタスクの才能とが抽選され且つ継承されるという内容である。そして、育成パートの途中で発生する継承イベントに対して適用される継承規則は、パラメータの才能とスキルの才能とが抽選され且つ継承されるという内容である。この場合、育成パートの序盤では、実行可能なタスクの数が多い程、育成を有利に進めることができる。そのため、育成パートの開始前に、タスクの才能が継承されるように継承規則が設定されることにより、育成を有利に進めることができる。例えば、決定部31Cは、継承イベントが発生するタイミングに応じて、サーバ記憶部32に記憶されている継承規則を読み出して適用する。
【0143】
また、決定部31Cは、継承オブジェクトの属性と紐付けられている継承規則に従って、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定してもよい。これにより、同じオブジェクト識別情報によって特定される継承オブジェクトが選択された場合であっても、当該継承オブジェクトに紐付けられている属性に応じて、決定部31Cが適用する継承規則が異なる。一例として、戦友枠に紐付けられている継承規則は、他の枠よりも多くの数のスキルの才能が抽選され且つ継承されるという内容である。そして、尊敬枠に紐付けられている継承規則は、他の枠よりも多くの数のタスクの才能が抽選され且つ継承されるという内容である。代替的に、決定部31Cは、継承オブジェクトに対応付けられる効果と紐付けられている継承規則に従って、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定してもよい。
【0144】
また他の例として、ライバル枠に紐付けられている継承規則は、他の枠よりも多くの数のパラメータの才能が抽選され且つ継承されるという内容である。例えば、決定部31Cが属性と紐付けられている継承規則に従って継承要素を決定することによって、属性に応じた継承結果を強調することができる。具体的には、高いレベルのスキルの才能の継承確率が増加する効果が属性に紐付いている場合に、より多くの数のスキルの才能を継承する継承規則が当該属性に紐付いていれば、高いレベルのスキルの才能をより多く継承できる。これにより、継承結果を強調することができる。
【0145】
また、属性と紐付けられている継承規則は、継承イベントが発生するタイミングに応じて異なっていてもよい。例えば、各属性には、継承イベントが発生するタイミングに応じて異なる継承規則が紐付けられている。一例として、育成パートの途中で発生する継承イベントに対して任意の属性に紐付けられている継承規則は、最低五つの継承要素が抽選され且つ継承されるという内容である。一方、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対して当該属性に紐付けられている継承規則は、必ず一つの継承要素が抽選され且つ継承されるという内容である。
【0146】
他の例として、育成パートの途中で発生する継承イベントに対して任意の属性に紐付けられている継承規則は、継承要素が抽選され且つ継承されるという内容である。そして、育成パートの開始前に発生する継承イベントに対して当該属性に紐付けられている継承規則は、継承要素が継承されないという内容である。
【0147】
また、継承オブジェクトの属性と紐付けられている継承規則が、先代継承オブジェクトの属性に紐付けられている継承規則と異なっていてもよい。例えば、継承オブジェクトの属性に紐付けられている継承規則は、先代継承オブジェクトの属性に紐付けられている効果よりも有利な内容で設定されている。一例として、継承オブジェクトの属性に紐付けられている継承規則に従って継承される継承要素の数は、先代継承オブジェクトの属性に紐付けられている継承規則に従って継承される継承要素の数よりも多い。
【0148】
さらに、決定部31Cは、選択された継承オブジェクトの属性と紐付けられている継承要素の中から、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定してもよい。すなわち、継承オブジェクトの継承要素の中から、属性と紐付けられていない継承要素は、継承の対象から除外される。一例として、尊敬枠には、継承オブジェクトのパラメータの才能とタスクの才能とが紐付けられて、サーバ記憶部32に記憶されている。そして、決定部31Cは、紐付けられているパラメータの才能とタスクの才能を読み出して、その中から継承要素を決定する。一方、尊敬枠の継承オブジェクトのスキルの才能は、継承の対象から除外される。
【0149】
同様に、決定部31Cは、ライバル枠に紐付けられている継承オブジェクトのパラメータの才能の中から継承要素を決定する。一方、ライバル枠の継承オブジェクトのスキルの才能とタスクの才能は、継承の対象から除外される。また、決定部31Cは、戦友枠に紐付けられている継承オブジェクトのパラメータの才能とスキルの才能の中から継承要素を決定する。一方、戦友枠の継承オブジェクトのタスクの才能は、継承の対象から除外される。このように、各属性の特徴的な継承要素だけを属性ごとに継承の対象とすることによって、属性の特徴を強調できる。
【0150】
[継承要素決定のフロー]
図7を参照して、継承要素決定のフローの一例について説明する。まず、育成パートを開始するに際して、ユーザは、ゲーム端末10の端末表示部15に表示された複数の育成候補となるゲームオブジェクトの中から育成オブジェクトを選択する。そして、サーバ30の選択受付部31Aは、ゲーム端末10から送信された育成オブジェクトの選択を受け付ける(S101)。
【0151】
さらに、ユーザは、継承オブジェクトの設定領域R52(図6)の各枠に設定可能な育成済オブジェクトの一覧画面から継承オブジェクトを選択する。そして、選択受付部31Aは、複数種類の役割のそれぞれに対する複数の継承オブジェクトの選択を、ゲーム端末10から受信して受け付ける。また、対応付け部31Bが、継承オブジェクトと紐付けられるべき役割を介して、継承オブジェクトと効果とを対応付ける(S102)。そして、ユーザが、育成ゲームの開始を選択すると、ゲーム端末10のゲーム進行部11Cが継承イベントを発生させる。
【0152】
継承イベントが発生すると、決定部31Cは、選択された継承オブジェクトの継承要素と、当該継承オブジェクトに紐付けられた同じ役割の先代継承オブジェクトの継承要素との中から、育成オブジェクトに継承させる継承要素を決定する。具体的に、尊敬枠の継承オブジェクトである場合(S103でYES)、決定部31Cは、尊敬枠の先代継承オブジェクトを特定する(S104)。そして、決定部31Cは、尊敬枠の継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトのそれぞれに紐付いた継承要素の中から抽選で継承要素(例えばタスクの才能)を決定する(S105)。
【0153】
並行して、決定部31Cは、尊敬枠に紐付けられている効果を検索して、当該効果を発揮させる。例えば、決定部31Cは、決定したタスクの才能に対応するタスクルートのルートレベルの増加効果を発揮させる(S105)。また、ライバル枠の継承オブジェクトである場合(S106でYES)、決定部31Cは、ライバル枠の先代継承オブジェクトを特定する(S107)。そして、決定部31Cは、ライバル枠に紐付けられている効果を検索して、当該効果を発揮させる。例えば、決定部31Cは、スキルの才能の継承確率の増加効果を発揮させる(S108)。
【0154】
さらに、決定部31Cは、ライバル枠の継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトのそれぞれに紐付いた継承要素の中から抽選で継承要素(例えばスキルの才能)を決定する(S108)。また、戦友枠の継承オブジェクトである場合(S109でYES)、決定部31Cは、戦友枠の先代継承オブジェクトを特定する(S110)。そして、決定部31Cは、戦友枠の継承オブジェクト及び先代継承オブジェクトのそれぞれに紐付いた継承要素の中から抽選で継承要素(例えばパラメータの才能)を決定する(S111)。
【0155】
並行して、決定部31Cは、戦友枠に紐付けられている効果を検索して、当該効果を発揮させる。例えば、決定部31Cは、決定したパラメータの才能に対応するパラメータを所定量増加させる効果を発揮させる(S111)。このようにして、決定部31Cは、選択された継承オブジェクトに紐付いた属性に基づいて、属性に紐付けられている効果を発揮させる。その後、決定部31Cは、決定した継承要素の識別情報を、育成オブジェクトのオブジェクト識別情報と紐付けて(S112)、サーバ記憶部32に記憶させる。また、決定部31Cは、これらの情報をゲーム端末10に送信する。
【0156】
なお、決定部31Cによる処理の順番は、上述した例には限定されない。例えば、尊敬枠、ライバル枠、及び戦友枠に紐付けられている継承オブジェクトを対象とする処理の順番は、互いに前後してもよい。さらに、尊敬枠、ライバル枠、及び戦友枠に紐付けられている継承オブジェクトを対象とする処理は、並行して行われてもよい。また、育成パートの途中に発生する継承イベントにおいても、S103からS112の工程が実行される。
【0157】
以上説明したゲームシステム100によれば、継承オブジェクトに対応付けられる効果に応じて継承結果が変化する。その結果、育成オブジェクトの育成に多様性を持たせ、ゲーム性を広げることができる。例えば、継承オブジェクトに紐付けられている属性に応じて、発揮される効果を異ならせることができる。その結果、継承オブジェクトに紐付けられる属性が変わることによって、継承結果を変化させて育成に多様性を持たせることができる。
【0158】
以上、実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、実施形態及び各変形形態、並びに実施形態又は各変形形態に含まれる技術的手段は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0159】
例えば、各機能部はサーバ30とゲーム端末10のいずれに設けることもできる。一例として、選択受付部31A、対応付け部31B、及び決定部31Cの少なくとも一つが、ゲーム端末10に設けられていてもよい。また、ゲーム進行部11Cがサーバ30に設けられていてもよい。これらの場合、サーバ制御部31と端末制御部11とが協働してコンピュータとして機能してもよい。
【0160】
ただし、各機能部をサーバ30に設けることによって、安全性を高めることができる。一方、各機能部の一部をゲーム端末10に設けることによって、サーバ30の負荷を削減できる。また、複数の機能部は、完全に分けて設ける形であってもよいし、一部機能を分けて機能部として機能させる態様であってもよい。例えば、ゲーム端末10において継承の処理を行って、継承の結果をサーバ30がチェックしてもよい。
【0161】
なお、上述の育成ゲームにおける育成パートの開始又は終了のタイミングは、適宜に設定できる。すなわち、上述の実施形態では、育成パートは、最初のセクションの開始時点から開始されるが、育成オブジェクト及び継承オブジェクトを選択することも育成パートに含めてもよい。この場合、育成オブジェクト及び継承オブジェクトが確定された後で最初に実行される継承イベントは、育成パートに含まれる。また、上述の実施形態では、最後のセクションの終了により育成パートが終了するが、最後のセクションの終了後に実行される継承要素の紐付けの演出を育成パートに含めてもよい。
【0162】
以下、上述した実施形態及び各変形形態から導き出される各種の態様を付記する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を記載する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で記載するものではない。
【0163】
(付記1)
育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステム100であって、
前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段31Aと、
選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける対応付け手段31Bと、
前記対応付け手段によって対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する決定手段31Cとを備える、ゲームシステム。
【0164】
(付記2)
前記対応付け手段31Bは、前記継承オブジェクトと紐付けられるべき所定の属性を介して、前記継承オブジェクトと前記効果とを対応付ける、付記1に記載のゲームシステム。
【0165】
(付記3)
前記継承オブジェクトには、それぞれが前記属性と紐付けられている複数の先代継承オブジェクトが紐付けられており、
前記決定手段31Cは、前記複数の先代継承オブジェクトの中から、選択された前記継承オブジェクトの前記属性と同じ属性に紐付けられている前記先代継承オブジェクトを特定し、前記継承オブジェクトの前記継承要素と、特定された前記先代継承オブジェクトに紐付けられている継承要素との中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する、付記2に記載のゲームシステム。
【0166】
(付記4)
前記決定手段31Cは、特定された前記先代継承オブジェクトの前記属性に紐付けられている効果を発揮させると共に、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する、付記3に記載のゲームシステム。
【0167】
(付記5)
前記選択受付手段31Aは、複数種類の前記効果のそれぞれと対応付けられるべき複数の前記継承オブジェクトの選択を受け付ける、付記1から4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0168】
(付記6)
前記決定手段31Cは、選択された前記継承オブジェクトと対応付けられた前記効果に基づいて、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する、付記1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0169】
(付記7)
前記効果は、前記継承要素の継承確率の変更効果、及び前記継承要素によって特定されるパラメータの変更効果の少なくとも一つである、付記1から6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0170】
(付記8)
前記継承要素は、前記育成オブジェクトが使用するスキル、前記育成オブジェクトに付与されるパラメータ、及び前記育成オブジェクトが実行可能なタスクの少なくとも一つを特定する、付記1から7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0171】
(付記9)
コンピュータ31を備えるとともに、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステム100のゲームプログラムPG2であって、
前記コンピュータを、
前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段31Aと、
選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付ける対応付け手段31Bと、
前記対応付け手段によって対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定する決定手段31Cとして機能させる、ゲームプログラム。
【0172】
(付記10)
コンピュータ31を備えるとともに、育成オブジェクトの育成をシミュレーションするゲームを提供するゲームシステム100の制御方法であって、
前記コンピュータに、
前記育成オブジェクトに継承させることができる継承要素が紐付けられている継承オブジェクトの選択を受け付けさせ、
選択された前記継承オブジェクトと所定の効果とを対応付けさせ、
対応付けられた前記効果を発揮させると共に、選択された前記継承オブジェクトの前記継承要素の中から、前記育成オブジェクトに継承させる前記継承要素を決定させる、制御方法。
【0173】
付記1に記載のゲームシステム100、付記9に記載のゲームプログラムPG2、及び付記10に記載の制御方法によれば、継承オブジェクトに対応付けられる効果に応じて継承結果が変化する。その結果、育成オブジェクトの育成に多様性を持たせ、ゲーム性を広げることができる。また、付記2に記載のゲームシステム100によれば、継承オブジェクトに紐付けられている属性に応じて、発揮される効果を異ならせることができる。その結果、継承オブジェクトに紐付けられる属性が変わることによって、継承結果を変化させて育成に多様性を持たせることができる。
【0174】
また、付記3に記載のゲームシステム100によれば、継承オブジェクトの継承要素に加えて、継承オブジェクトの属性と同じ属性に紐付けられている先代継承オブジェクトの継承要素の中からも継承要素が決定される。そのため、ユーザが同じ継承オブジェクトを選択しても、紐付けるべき属性に応じて継承結果を変化させて、育成に多様性を持たせることができる。また、付記4に記載のゲームシステム100によれば、継承オブジェクトの属性と同じ属性に紐付けられている先代継承オブジェクトに対応する効果を発揮させることができる。そのため、継承オブジェクトに紐付けられている属性に応じて、発揮される効果を異ならせることができる。
【0175】
また、付記5に記載のゲームシステム100によれば、複数の継承オブジェクトの選択を受け付けることによって、継承結果の変化が多様化する。そのため、育成に多様性を持たせることができる。また、付記6に記載のゲームシステム100によれば、発揮される効果(例えば、継承確率の変更効果等)に基づいて、より有利になるように継承要素を決定することができる。また、付記7に記載のゲームシステム100によれば、育成をシミュレーションするゲームを有利に進行させるための多様な効果を発揮させることができる。また、付記8に記載のゲームシステム100によれば、育成をシミュレーションするゲームを有利に進行させるための多様な継承要素を、育成オブジェクトに継承させることができる。
【符号の説明】
【0176】
31 :サーバ制御部(コンピュータ)
31A :選択受付部(選択受付手段)
31B :対応付け部(対応付け手段)
31C :決定部(決定手段)
100 :ゲームシステム
PG2 :サーバプログラム(ゲームプログラム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7