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特開2024-11726透明ガスバリア性フィルム、積層体、および包装材料
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  • 特開-透明ガスバリア性フィルム、積層体、および包装材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011726
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】透明ガスバリア性フィルム、積層体、および包装材料
(51)【国際特許分類】
   B32B 9/00 20060101AFI20240118BHJP
   B32B 9/04 20060101ALI20240118BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20240118BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20240118BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B32B9/00 A
B32B9/04
B32B27/40
B32B27/32 C
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113969
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】星 沙耶佳
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA15
3E086BB05
3E086BB51
4F100AA19C
4F100AA20C
4F100AA28C
4F100AH06D
4F100AK07A
4F100AK07C
4F100AK21D
4F100AK51B
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100BA10D
4F100CB02
4F100DD07C
4F100EH66
4F100EJ65B
4F100GB23
4F100JB09D
4F100JD02D
4F100JD03
4F100JK06
4F100JK15C
4F100JL11
4F100JL12C
4F100JM02B
4F100JM02C
4F100JN01A
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】      (修正有)
【課題】加熱に係る寸法変化の大きな基材でも積層体界面での剥離が発生しない密着性とバリア性を両立するガスバリア性フィルムを提供する。
【解決手段】透明ガスバリア性フィルムは、基材と、アンカーコート層と、無機酸化物層と、ガスバリア性被膜層をこの順に備え、連続TEM像の3次元再構成像から測定される、前記アンカーコート層と前記無機酸化物層との界面(a)と前記無機蒸着層と前記ガスバリア性被膜層の界面(b)の表面粗さRaがそれぞれ5.0nm以上20nm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、アンカーコート層と、無機酸化物層と、ガスバリア性被膜層をこの順に備え、
前記基材は、単一の樹脂で構成された単層フィルムもしくは複数の樹脂を用いた単層又は積層フィルムからなり、
前記アンカーコート層は、ポリオールとイソシアネート化合物とを含んだ反応生成物からなり、
前記ガスバリア性被膜層は、水溶性高分子とテトラアルコキシシラン又はその加水分解生成物とトリアルコキシシラン又はその加水分解生成物からなり、
連続TEM像の3次元再構成像から測定される、前記アンカーコート層と前記無機酸化物層との界面(a)と前記無機蒸着層と前記ガスバリア性被膜層の界面(b)の表面粗さRaがそれぞれ5.0nm以上20nm以下であることを特徴とする透明ガスバリア性フィルム。
【請求項2】
前記アンカーコート層の厚みが200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項3】
前記無機酸化物層の厚みが100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項4】
前記無機酸化物層が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫及びそれらの2以上を含んだ混合物からなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項5】
前記基材がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の透明ガスバリアフィルムとヒートシール性樹脂層
が積層していることを特徴とする透明包装材料。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルムの少なくとも一方の面にアンカーコート層、無機酸化物層、ガスバリア性被膜層を順次形成してなるガスバリア性に優れた透明ガスバリアフィルム、およびそれを用いた透明包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品及び精密電子部品の包装には、ガスバリア性に優れた包装材料を使用することがある。例えば、高ガスバリア性包装材料で食品を包装した場合には、食品が含む蛋白質及び油脂の変質などを抑制し、風味や鮮度を長期に亘って維持することができる。また、高ガスバリア包装材料で医薬品を包装した場合には、有効成分の変質及び散逸などを防止でき、高ガスバリア包装材料で電子部品を包装した場合には、金属の腐食及び絶縁不良等を防止できる。
【0003】
ガスバリア性フィルムのアンカーコート層の表面の粗さを規定した例として、特許文献1に「ポリエステルフィルムの少なくとも片面にアンカーコート剤を塗布し、次いで少なくとも1方向に延伸して形成された塗布層の表面粗さRmsが0.7~6nmであり、且つ、表面凹凸の低周波成分を除いた表面粗さRmsが0.5nm以下であることを特徴とする蒸着フィルム用の基材ポリエステルフィルム。」が提案されている。
【0004】
ガスバリア性フィルムの無機酸化物層が積層される面のプラスチック基材表面の粗さを規定した例として、特許文献2に「200μm×200μm以上の面積について測定された平均面粗さSRaが20nm以下である平滑表面を片面または両面に有する基材フィルムと、該基材フィルムの平滑表面に形成された無機化合物からなるガスバリアー層とからなることを特徴とするガスバリアーフィルム。」が提案されている。
【0005】
ガスバリア性フィルムの無機酸化物層の表面の粗さを規定した例として、特許文献3に「基材のプラスチックフィルムの少なくとも片面に無機酸化物から成る薄膜を形成した薄膜ガスバリア性フィルムにおいて、薄膜表面の粗さRmsが0.4nm以上1.2nm以下であり、かつ形成された薄膜の粒子の粒径が4nm以上10nm未満であることを特徴とする薄膜ガスバリア性フィルム。」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-216827号公報
【特許文献2】特開2001-310412号公報
【特許文献3】特許3675904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プラスチック基材フィルム上に気相堆積法によって無機酸化物層を形成してガスバリアフィルムとする場合の問題点の一つとして、無機酸化物層を形成させる面の平滑性の問題が指摘されている。一般に、プラスチック基材フィルム上には微細な凹凸が存在しており、この上に気相堆積法によって無機酸化物層を形成した場合に、微細な凹凸の上に形成されたことに起因する欠陥が無機酸化物層内に発生し、ガスバリア性を低下させてしまう問題が指摘されている。無機酸化物層の積層表面の平滑性を向上させるために、プラスチック基材フィルムと無機酸化物層との間に、アンカーコート層を形成することが行われている。この場合、アンカーコート層の塗工面の平滑性が重要となる。特許文献1~3のように無機酸化物層を積層する面または無機酸化物層自身の表面粗さを平滑にすることでバリア性を向上させる取り組みがなされてきた。しかし積層体において、各層界面の平滑性を向上させることは、一方で各層の接触面積が低下することにより、密着性低下を招き、層間剥離につながるという問題があった。
【0008】
加えて、一般にガスバリア性フィルムの基材としては延伸フィルム、シーラントフィルムとしては無延伸フィルムを用いる。延伸フィルムは加熱による寸法変化が大きいのに対し、無延伸フィルムは加熱による寸法変化が小さい。これら二種類の寸法安定性の異なるフィルムをラミネーションし、レトルト処理などの高温加熱を行うと、二つのフィルム間でせん断方向への応力が発生する。この内部応力により、特にバリア性フィルムのアンカーコート層と無機酸化物層界面または無機酸化物層とガスバリア性被膜層界面において応力集中するため、平滑化し密着性が低下した層間においては、剥離が発生しやすい傾向にあった。
【0009】
そこで本開示は、加熱に係る寸法変化の大きな基材でも積層体界面での剥離が発生しない密着性とバリア性を両立するガスバリア性フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
基材と、アンカーコート層と、無機酸化物層と、ガスバリア性被膜層をこの順に備え、前記基材は、単一の樹脂で構成された単層フィルムもしくは複数の樹脂を用いた単層又は積層フィルムからなり、前記アンカーコート層は、ポリオールとイソシアネート化合物とを含んだ反応生成物からなり、前記ガスバリア性被膜層は、水溶性高分子とテトラアルコキシシラン又はその加水分解生成物とトリアルコキシシラン又はその加水分解生成物からなり、連続TEM像の3次元再構成像から測定される、前記アンカーコート層と前記無機酸化物層との界面(a)と前記無機蒸着層と前記ガスバリア性被膜層の界面(b)の表面粗さRaがそれぞれ5.0nm以上20nm以下であることを特徴とする透明ガスバリア性フィルムである。
【0011】
また、本開示の包装材料は、上記ガスバリア性フィルムと、ガスバリア性被膜層上に形成された熱融着層とを備える積層体である。
さらに、本開示の包装材料は、前記積層体で形成された包装材料である。
【発明の効果】
【0012】
本開示の発明によれば、加熱に係る寸法変化の大きな基材でも積層体界面での剥離が発生しない密着性とバリア性を両立する透明ガスバリア性フィルムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るガスバリア性フィルム1の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示す包装材料20は、ガスバリアフィルム10と、接着剤層5と、ヒートシール性樹脂層6とを含んでいる。
【0015】
透明ガスバリアフィルム10は、基材フィルム1と、アンカーコート層2と、無機酸化
物層3と、ガスバリア性被膜層4とを含んでいる。なお、用語「フィルム」と用語「シート」とは厚さに応じて使い分けることがあるが、ここでは、厚さの大小とは無関係に用語「フィルム」を使用している。
【0016】
場合によってアンカーコート層はAC層、無機酸化物層は蒸着層、ガスバリア性被膜層はOC層と省略して表記する。使用する基材フィルム1とアンカーコート層2の厚みで[AC/蒸着]間と[蒸着/OC]間の界面粗さを調整することができる。
【0017】
本開示において、包装材の酸素透過度OTRが2[cc/(m2・day・atm)]以下のとき良好な酸素バリア性を示す包装材であると定義する。またラミネート強度については1[N/15mm]以上のとき、十分な密着性を持つ包装材であると定義する。
【0018】
[基材フィルム]
基材フィルム1は、単一の樹脂で構成された単層フィルム、複数の樹脂を用いた単層又は積層フィルムのいずれでもよいが、基材中心を基層、塗工面側を表層の2層以上の樹脂層を有することが好ましい。基層は、例えば剛性、伸び、腰、引裂強さ、衝撃強度、突刺し強度、耐ピンホール性等の機械特性、水蒸気バリア性、ガスバリア性、保香性、耐薬品性、耐油性等の化学的特性、融点・ガラス転移点、耐熱温度、耐寒温度、熱収縮率等の熱的特性、透明性や光沢性等の光学特性等を調整する。例えば基層の融点を高く表層の融点を低くすすることで耐熱性と密着性を両立した基材フィルムとなる。基材表層は、表面粗さが10nm以上とすることが好ましい。樹脂基材の表面粗さは、表層に使用する樹脂の種類や添加剤等で調整することができる。表層の厚みは、例えば、0.1~10μmであってよく、さらには0.5~5.0μmであってよい。
【0019】
基材フィルム1を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、炭素数2~10のオレフィンの重合体、プロピレン-エチレン共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族系ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド等の芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等のアクリル系単量体の単独又は共重合体等のアクリル系樹脂;セロファン;ポリカーボネート、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリオレフィン系樹脂フィルム(特に、ポリプロピレンフィルム等)を用いるとリサイクル性に優れたモノマテリアル包材に対応することができる。
【0020】
基材フィルム1は、未延伸フィルムであってもよく、一軸延伸又は二軸延伸等の延伸フィルムであってもよい。水蒸気バリア性に優れる観点からは、OPPフィルムが基材フィルム1として特に好ましい。OPPフィルムは、ホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーから選ばれる少なくとも一種のポリマーがフィルム状に加工されたものであってもよい。ホモポリマーはプロピレン単体のみからなるポリプロピレンである。ランダムコポリマーは、主モノマーであるプロピレンと、プロピレンとは異なる少量のコモノマーがランダムに共重合し、均質な相をなすポリプロピレンである。ブロックコポリマーは、主モノマーであるプロピレンと上記コモノマーがブロック的に共重合したり、ゴム状に重合したりすることによって不均質な相を形成するポリプロピレンである。基材フィルム1がOPPを含む場合、OPPは1層でもよく2層以上でもよい。
【0021】
基材フィルム1は、フィラー、アンチブロッキング剤(以下、「AB剤」と称することがある。)、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、スリップ剤、酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記のうちAB剤、滑剤、スリップ剤は、表面粗さ調整の観点から添加することが好ましい。
【0022】
基材フィルム1において、アンカーコート層2が形成される面には、薬品処理、溶剤処理、コロナ処理、低温プラズマ処理、オゾン処理、易接着コート層塗布等の表面処理が施されていてもよい。これにより形成されるアンカーコート層との密着性を向上できる。
【0023】
易接着コート層のコーティング液は、基材フィルム1上に積層するアンカーコート層2 との密着が良いものであれば特に限定ないが、たとえば、アジピン酸をポリエステルの二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタン、そのプレポリマー、アジピン酸をポリエステルの二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂、そのプレポリマー、又は、それらの2以上を含んだ混合物を主成分とし、これらポリマーの主鎖又は末端に、水酸基、カルボキシ基、又はアミノ基を導入したものや、芳香族カルボン酸と脂肪族カルボン酸とポリオールとイソシアネートとを調製したポリエステルウレタンを主成分としたコーティング液などが例示できる。コーティング液には、上述した成分に加え、さらに添加剤を含有していてもよい。
【0024】
この添加剤としては、例えば、帯電防止剤、滑剤、消泡剤、界面活性剤を使用すること
ができる。また、上記コーティング液の基材フィルム1製膜時の塗布方法としては、例えば、グラビアロール法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、エアーナイフ法、マイヤーバーコート法、又はインバースロール法を利用することができる。
【0025】
[アンカーコート層]
アンカーコート層2は、基材フィルム1上に形成される透明な層である。アンカーコート層2は、基材フィルム1と無機酸化物層3との密着性の向上のために形成される層であり、双方に強固な密着力を示す材料を用いれば、特に制限はない。また、アンカーコート層2は、気相堆積法によって無機酸化物層3が形成される際に、平滑な表面性を保持するため、耐熱性を有していることが好ましい。このような例としては、ポリオールとイソシアネート化合物とを含んだ組成物の反応生成物が例示できる。更に詳しくは、この組成物は、例えば、アクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤又はその加水分解生成物とを含んでいる。
【0026】
シランカップリング剤又はその加水分解生成物は、典型的には、ポリオールの水酸基及
び/又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する有機官能基を有している。
そのようなシランカップリング剤としては、例えば、γ-イソシアネートプロピルトリエ
トキシシラン及びγ-イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート
基を有している化合物、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基を有している化合物、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、及びγ-フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有している化合物、γ-グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン及びβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有している化合物、或いは、ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シランなどのビニル基を有しているシランカップリング剤にアルコール等を作用させて水酸基等を付加してなる化合物を使用することができる。これら化合物は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。
【0027】
このシランカップリング剤が含む官能基のうち珪素と結合したアルコキシ基以外の有機
官能基は、ポリオールの水酸基及び/又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し、これにより、アンカーコート層2の凝集力を高める。また、このシランカップリング剤のアルコキシ基又はその加水分解によって生じたシラノール基は、無機酸化物層3が含んでいる金属や無機酸化物表面に存在している水酸基などの極性基と強い相互作用を形成し、これにより、アンカーコート層2と無機酸化物層3との密着性を高める。
【0028】
シランカップリング剤は、典型的には、アルコキシ基とそれ以外の有機官能基とが珪素原子に結合してなる化合物であるが、アルコキシ基がハロゲン基やアセトキシ基などで置換されたものを使用してもよい。すなわち、加水分解によりシラノール基を生じるものであればよい。なお、シランカップリング剤は、金属アルコキシドと共に、加水分解して使用してもよい。
【0029】
アクリルポリオールは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるポリオール、又は、アクリル酸誘導体モノマーとその他のモノマーとを共重合させて得られるものである。アクリルポリオールとしては、例えば、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを重合させてなるアクリルポリオールや、このアクリル酸誘導体モノマーとスチレンなどのその他のモノマーとを共重合させてなるアクリルポリオールを使用することができる。
【0030】
アクリルポリオールは、イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させる。イソシアネート基との反応性及びシランカップリング剤との相溶性を考慮すると、アクリルポリオールとして、水酸基価が例えば20[mgKOH/g]以上かつ350[mgKOH/g]以下の範囲内にあるものを使用してもよい。
【0031】
アクリルポリオールとシランカップリング剤との配合比は、質量比で、例えば、2/1から100/1の範囲内とする。
【0032】
イソシアネート化合物は、アクリルポリオールと反応してウレタン結合を形成して、アンカーコート層2と無機酸化物層3との密着性に寄与すると共に、主に架橋剤又は硬化剤として作用する。このようなイソシアネート化合物は、芳香族又は脂肪族ジイソシアネート或いは3価以上のポリイソシアネートである。このイソシアネート化合物は、低分子化合物及び高分子化合物の何れであってもよい。
【0033】
イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、又はこれらの三量体を使用することができる。或いは、これらイソシアネート化合物の過剰量と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物、又は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリアミドなどの活性水素高分子化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物を使用してもよい。
【0034】
アクリルポリオールに対するイソシアネート化合物の配合比が小さいと、硬化不良を生じることがある。また、この配合比が大きいと、ブロッキング等を生じることがある。この配合比は、例えば、アクリルポリオールに由来する水酸基に対してイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基のモル比が50倍以下となるように、典型的には、それらイソシアネート基と水酸基とが当量となるように設定する。
【0035】
アンカーコート層2は、例えば、上述したアクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤とを含有したコーティング液を基材フィルム1上に塗布し、塗膜を乾燥硬化させることにより得られる。このコーティング液は、例えば、シランカップリング剤とアクリルポリオールとを混合し、この混合物に溶媒を加え、さらに、イソシアネート化合物と混合することにより得られる。或いは、シランカップリング剤とアクリルポリオールと溶媒とを混合してシランカップリング剤とアクリルポリオールとを反応させ、この混合液に溶媒を加え、さらに、この混合液とイソシアネート化合物とを混合することにより得られる。
【0036】
このコーティング液の溶媒としては、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチルなどのエステル、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールなどのアルコール、メチルエチルケトンなどのケトン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、又はそれらの混合物を使用することができる。シランカップリング剤を加水分解するために塩酸水溶液などの水溶液を使用する場合、共溶媒としてイソプロピルアルコールなどのアルコールと極性溶媒である酢酸エチルとの混合液を使用してもよい。
【0037】
このコーティング液は、添加剤をさらに含有することができる。この添加剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩などの硬化促進剤、フェノール系、硫黄系及びホスファイト系の酸化防止剤、レベリング剤、レオロジー調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤、又はそれらの混合物を使用することができる。
【0038】
このコーティング液の基材フィルム1への塗布には、一般的な方法を利用することができる。例えば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、又はグラビアオフセット法を利用することができる。コーティング液を塗布乾燥させる際には、塗工方式、乾燥方式をコーティング液に応じて適宜選択すればよい。基材表層の界面粗さを維持するために、コーティング液の粘度は100[mPa・s]以下20[mPa・s]以上で塗工するのが好ましい。上記より粘度が高いと均一な膜が形成できず、粘度が低いと[AC/蒸着]間の表面粗さが低下する。粘度の調整方法としては、固形分、溶媒、塗工方式、乾燥方式をコーティング液に応じて適宜選択すればよい。
【0039】
アンカーコート層2が薄い場合、アンカーコート層2を厚さが均一な連続膜として形成することは難しく、平滑な表面が得られないため、十分なバリア性や密着性が得られないことがある。アンカーコート層2が厚い場合は、平滑性の高い表面が得られるが無機酸化物層との密着性が不十分になる可能性がある。また、柔軟性が低く、透明ガスバリア性フィルム10を撓ませた場合や引っ張った場合に亀裂を生じる可能性があり、実用性に欠ける。アンカーコート層2の厚さは、[AC/蒸着]間の界面粗さが5nm以上かつ20nm以下に出来れば制限はないが、1μm以下が好ましく、200nm以下がさらに好ましい。200nm以上であると、[AC/蒸着]間の界面粗さを5nm以上にすることが困難になり密着力が低下する。密着力が低下すると、無機酸化物層に亀裂が入りやすくなりバリア性が低下しやすくなる。
【0040】
[無機酸化物層]
無機酸化物層3は、アンカーコート層2上に気相堆積法によって形成されたガスバリア性を有する透明な層である。無機酸化物層3を構成する材料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫、又はこれらの混合物を使用することができる。
【0041】
無機酸化物層3の形成には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又はプラズマ化学気相堆積法を利用することができる。真空蒸着法を利用する場合、蒸発材料の加熱には、例えば、電子線加熱、抵抗加熱、又は誘導加熱を利用することができる。電子線加熱を利用した場合、蒸発材料の選択の自由度が大きい。蒸着にプラズマアシスト法又はイオンビームアシスト法を利用すると、より密着性の高い緻密な無機酸化物層3を形成することができる。また、蒸着の際に酸素などのガスを吹き込む反応蒸着を利用すると、透明性に優れた無機酸化物層3を形成することができる。
【0042】
無機酸化物層3が薄い場合、無機酸化物層3を厚さが均一な連続膜として形成することは難しく、また、十分なガスバリア性が得られない。厚い無機酸化物層3は柔軟性が低く、透明ガスバリア性フィルム10を撓ませた場合や引っ張った場合に亀裂を生じる可能性がある。また、気相堆積法は、経済的観点で厚膜の形成には適していない。無機酸化物層3の厚さは、5nm以上かつ100nm以下が好ましく、50nm以下がさらに好ましい5nm以下だと、均一に膜を形成するのが難しく、バリア性が低下する。100nm以上であると、亀裂を生じバリア性が低下しやすくなる可能性があり、透明性も低下する。
【0043】
無機酸化物層3を形成後における、前記アンカーコート層2と無機酸化物層3との界面[AC/蒸着]の粗さは、連続STEM像から算出することができる。FE-TEM(日本電子製、JEM-2800)を用いて加速電圧200kVの条件で連続傾斜STEM像を撮影し、得られた連続傾斜STEM像シリーズについて位置補正(342nm(X)×528nm(Y)×853nm(Z))を行う。位置補正後のSTEM像を3D-TEM再構成ソフトIMOD4.9.9.を用いてFiltered Backprojection法により三次元像を再構成し、画像解析ソフトAvizo(Thermo Fisher Scientific製)とImageJにより表面粗さ(Ra)を算出することができる。[AC/蒸着]の粗さは5nm以上かつ20nm以下であることが好ましい。バリア性の観点では、Raは20nm以下であることが好ましく、密着性が悪い包装材では結果的にバリア性も劣化することから5nm以上であることが好ましい。以上の結果より、表面粗さRaは5.0nm以上かつ20nm以下の範囲にすることで、バリア性と密着性を両立できる。
【0044】
[ガスバリア性被膜層]
ガスバリア性被膜層4は、無機酸化物層3上に形成された透明な層である。ガスバリア性被膜層4は、透明樹脂と無機酸化物などの無機物とを含んだ混合物からなる。ガスバリア性被膜層4は、省略することも可能であるが、ガスバリア性被膜層4を設けることで、より高いガスバリア性を有する透明包装材料20を得ることができる。
【0045】
ガスバリア性被膜層4は、例えば、無機酸化物層3上に、水溶性高分子と金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水とを含有したコーティング液を塗布し、この塗膜を加熱して乾燥させることにより得られる。或いは、ガスバリア性被膜層4は、例えば、無機酸化物層3上に、水溶性高分子とテトラアルコキシシラン又はその加水分解生成物とトリアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有したコーティング液を塗布し、この塗膜を加熱して乾燥させることにより得られる。或いは、ガスバリア性被膜層4は、例えば、無機酸化物層3上に、水溶性高分子と金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と塩化錫とを水とを含有したコーティング液を塗布し、この塗膜を加熱して乾燥させることにより得られる。なお、このコーティング液の溶媒としては、例えば、水又は水とアルコールとの混合液を使用することができる。
【0046】
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、又はそれらの混合物を使用することができる。特に、PVAを使用した場合、最もガスバリア性に優れたガスバリア性被膜層4を形成することができる。なお、ここでいうPVAは、典型的には、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られるものである。このPVAとしては、アセチル基が数10%残存している部分けん化PVAからアセチル基が数%しか残存していない完全けん化PVAまで様々なけん化PVAを使用することができる。PVAの分子量に制限はなく、例えば、重合度が300乃至数千の範囲内にあるものを使用することができる。なお、一般に、けん化度が高く且つ重合度が高い高分子量のPVAは、優れた耐水性を達成する。
【0047】
金属アルコキシドは、一般式M(OR)nで表される化合物である。ここで、Mは、チタン、アルミニウム、及びジルコニウムなどの金属又は珪素を示し、Rは、CH3基及びC2H5基などのアルキル基を示している。また、nは、元素Mの価数を示している。
【0048】
金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC2H5)4] 又はトリイソプロポキシアルミニウム[Al(OCH(CH3)2)3]を使用することができる。テトラエトキシシラン及びトリイソプロポキシアルミニウムの加水分解生成物は、水を含んだ溶液中で比較的安定に存在することができる。
【0049】
金属アルコキシドとしてアルコキシシランを使用する場合、このアルコキシシランとし
ては、例えば、一般式Si(OR1)4又はR2Si(OR3)3で表される化合物或いはそれらの混合物を使用することができる。ここで、R1及びR3は、CH3基、C3H 5基、及びC2H4OCH3基などの加水分解性基を示し、R2は、有機官能基を示している。
【0050】
なお、金属アルコキシドを加水分解及び縮合させることにより得られる金属酸化物膜は硬いため、外力や縮合時の体積縮小によるひずみに起因してクラックが生じ易い。それゆえ、クラックなどを生じることなく、この金属酸化物膜を均一な厚さに形成することは、非常に困難である。
【0051】
これに対し、高分子と金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水とを含有したコーティング液を用いて形成した膜は、金属酸化物膜と比較して柔軟性が高いため、クラックを発生し難い。但し、この膜は、微視的には金属酸化物が均一に分散しておらず、高いガスバリア性が得られないことがある。
【0052】
この高分子として水溶性高分子を使用した場合には、高分子の水酸基と金属アルコキシ
ドの加水分解物の水酸基との強い水素結合を利用して、縮合の際に金属酸化物を高分子中
に均一に分散させることができる。それゆえ、金属酸化物膜に近いガスバリア性を達成で
きる。したがって、このようなガスバリア性被膜層4を無機酸化物層3上に形成すると、それらを単独で使用した場合と比較して、遥かに高いガスバリア性を達成できる。
【0053】
上述した金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水酸基を有する水溶性樹脂と水とを含有したコーティング液を用いて得られるガスバリア性被膜層4は、水素結合を形成しているため、苛酷な環境で使用した場合に、水の浸入により膨潤して、最終的に
溶解を生じることがある。そのため、このガスバリア性被膜層4は、無機酸化物層3とガスバリア性被膜層4を積層することにより高いガスバリア性を達成できたとしても、多湿環境などの苛酷な条件下では、密着性やガスバリア性が容易に劣化する可能性がある。
【0054】
金属アルコキシドとして、例えば、一般式R2Si(OR3)3で示されるアルコキシシランを使用すると、水が浸入した場合でも膨潤し難い,すなわち、耐水性に優れた,ガスバリア性被膜層4を得ることができる。特に、有機官能基R2が、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、及びイソシアネート基などの非水溶性官能基である場合、より高い耐水性を達成できる。
【0055】
有機官能基R2は、イソシアネート基が重合してなるイソシアヌレート基であってもよい。一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランであって有機官能基R2としてイソシアヌレート基を有する化合物は、3-イソシアネートアルキルアルコキシシランが重合してヌレート体になったものであり、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートである。1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、イソシアヌレート部に化学的反応性を有していないが、ヌレート部の極性に起因してあたかも化学的反応性を有しているかの如く振舞うことが知られている。1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、一般的には、イソシアネートアルキルアルコキシシランと同様に接着剤などに -トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートと一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと水酸基を有する水溶性高分子と水とを含有したコーティング液を使用することにより、水素結合に起因した膨潤を生じ難く、耐水性に優れたガスバリア性被膜層4が得られる。
【0056】
また、3-イソシアネートアルキルアルコキシシランは、反応性が高く、水溶液中での
安定性が低い。他方、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシ
アヌレートは、ヌレート部は水溶性ではないが、その極性に起因して水系液中に分散し易
く、液の粘度を安定に保つことができる。そして、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、3-イソシアネートアルキルアルコキシシラ
ンと同等の耐水性を実現する。加えて、ヌレート部は耐水性に寄与するだけでなく、その
極性に起因して、ガスバリア性被膜層4にガスバリアの孔が生じるのを抑制する。
【0057】
1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、3-イソシアネートアルキルアルコキシシランの熱縮合により製造することができる。1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、未反応の3-イソシアネートアルキルアルコキシシランを含有していてもよい。
【0058】
1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートとして、
例えば、1,3,5-トリス(3-トリメトキシシシリルプロピル)イソシアヌレートなどの1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを使用してもよい。1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートは、比較的安価に入手可能である。1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートは、比較的安価に入手可能であるのに加え、加水分解速度が速い。
【0059】
金属アルコキシドが一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランであって有機官能基R2がビニル基又はメタクリロキシ基である場合、その製造過程で紫外線及び電子線などの電離放射線の照射が必要であるため、設備及び製造コストが高くなる傾向にある。有機官能基R2がウレイド基であるアルコキシシランは、特有の臭気がある。有機
官能基R2がイソシアネート基であるアルコキシシランは、ポットライフが短く、他のア
ルコキシシランと比較してハンドリング性の観点で劣る。以上のような見地から、有機官
能基R2がイソシアヌレート基であるアルコキシシランは、他のアルコキシシランと比較して優れている。
【0060】
金属アルコキシドとして一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとの混合物を使用する場合、これらアルコキシシランの比は、例えば、R2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量とSi(OR1)4のSiO2換算質量との和に対するR2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量の割合が1%以上50%以下の範囲内となるように設定してもよい。この割合を小さくすると、耐水性が低くなる。また、この割合を大きくすると、有機官能基R2がガスバリアの孔となり、ガスバリア性が低下する。
【0061】
一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとの混合比は、先の割合が5乃至30%の範囲内となるように設定してもよい。この場合、高温多湿環境中で長期保存するのに十分な耐水性及びハイバリア性を達成できる。
【0062】
Si(OR1)4のSiO2換算質量をM1とし、R2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量をM2とし、水溶性高分子の質量をM3とした場合、比M1/(M2/M3)は、例えば、100/100から100/30の範囲内に設定してもよい。この場合、長期保存や煮沸処理に十分なバリア性が得られるのに加え、柔軟性に優れたガスバリア性被膜層4が得られる。それゆえ、柔軟性に優れた包装材料10を得るうえで有利である。
【0063】
一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランのうち、テトラエトキシシランは、加水分解生成物が水系溶媒中で比較的安定に存在し得る。したがって、これを使用した場合、製造条件の制御が比較的容易である。
【0064】
金属アルコキシドとしてテトラエトキシシシランを使用し、水溶性高分子としてPVAを使用する場合、テトラエトキシシランのSiO2換算質量と水溶性高分子の質量との比は、例えば、100/10から100/100の範囲内とする。この比を大きくすると、ガスバリア性被膜層4が硬くなり、ひび割れを生じ易くなる。また、この比を小さくすると、耐水性が低下する。
【0065】
ガスバリア性被膜層4を形成するためのコーティング液には、ガスバリア性被膜層4のインキ又は接着剤に対する濡れ性向上、ガスバリア性被膜層4とインキ層又は接着剤層との密着性向上、ガスバリア性被膜層4の収縮によるクラック発生の防止などを考慮して、添加剤を添加してもよい。この添加剤としては、例えば、イソシアネート化合物、コロイダルシリカ、スメクタイトなどの粘土鉱物、安定化剤、着色剤、レオロジー調整剤、及びそれらの混合物を使用することができる。
【0066】
ガスバリア性被膜層4が薄い場合、ガスバリア性被膜層4を厚さが均一な連続膜として
形成することは難しく、また、十分なガスバリア性が得られない。厚いガスバリア性被膜層4は亀裂を生じ易い。ガスバリア性被膜層4の厚さは、例えば0.01μm以上かつ10μm以下の範囲内とする。
【0067】
ガスバリア性被膜層4を形成するためのコーティング液は、例えば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、又はグラビアオフセット法により塗布することができる。このコーティング液を塗布してなる塗膜は、例えば、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、高周波照射法、赤外線照射法、紫外線照射法、又はそれらの組み合わせにより乾燥させることができる。
【0068】
ガスバリア性被膜層4を形成後における、無機酸化物層3とガスバリア性被膜4の界面[蒸着/OC]の粗さは[AC/蒸着]の粗さと同様に測定可能で、連続STEM像から算出することができる。FE-TEM(日本電子製、JEM-2800)を用いて加速電圧200kVの条件で連続傾斜STEM像を撮影し、得られた連続傾斜STEM像シリーズについて位置補正(342nm(X)×528nm(Y)×853nm(Z))を行う。位置補正後のSTEM像を3D-TEM再構成ソフトIMOD4.9.9.を用いてFiltered Backprojection法により三次元像を再構成し、画像解析ソフトAvizo(Thermo Fisher Scientific製)とImageJにより表面粗さ(Ra)を算出することができる。[蒸着/OC]の粗さは5nm以上かつ20nm以下であることが好ましい。バリア性の観点では、Raは20nm以下であることが好ましく、密着性が悪い包装材では結果的にバリア性も劣化することから5nm以上であることが好ましい。以上の結果より、表面粗さRaは5.0nm以上かつ20nm以下の範囲にすることで、バリア性と密着性を両立できる。
【0069】
接着剤層5は、ガスバリア性被膜層4を被覆した透明な層である。接着剤層5の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリブタジエン、ワックス、カゼイン、又はそれらの混合物を主成分として含有した、無溶剤型、溶剤型、水性型、又は熱溶融型接着剤を使用することができる。
【0070】
この接着剤をガスバリア性被膜層4上へ塗布するには、例えば、ダイレクトグラビアコート法、リバースグラビアコート法、キスコート法、ダイコート法、ロールコート法、ディップコート法、ナイフコート法、スプレーコート法、又はフォンテンコート法を利用することができる。接着剤は、例えば、乾燥状態で塗布量が0.1[g/m2]以上かつ8[g/m2]以下の範囲内となるように塗布する。
【0071】
ヒートシール性樹脂層6は、接着剤層5を介して透明ガスバリアフィルム10に貼り合わされた透明な層である。ヒートシール性樹脂層6は、アンカーコート2と無機酸化物層3とガスバリア性被膜層4と接着剤層5とを間に挟んで基材フィルム1と向き合っている。
【0072】
ヒートシール性樹脂層6は、ヒートシール性を有している透明な樹脂層である。ヒート
シール性樹脂層6の材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ニトロセルロース、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、これらの金属架橋物、又はポリ乳酸樹脂などの生分解性樹脂を使用することができる。あるいは、上述した樹脂の単体又は2種以上からなるブレンド物でもかまわない。
【0073】
ヒートシール性樹脂層6の厚さは、例えば、透明包装材料20の用途に応じて設定する。通常、ヒートシール性樹脂層6の厚さは、10μm以上かつ200μm以下の範囲内とする。
【0074】
ヒートシール性樹脂層6と透明ガスバリアフィルム10との貼り合わせには、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又は押出しラミネート法を利用することができる。例えば、押出しラミネート法を利用した場合には、接着剤層5は省略することができる。
【0075】
透明ガスバリアフィルム10とヒートシール性樹脂層6との間には、接着剤層5以外の層を介在させてもよい。例えば、それらの間に、印刷層及び/又は他の基材フィルムなどを介在させてもよい。
【0076】
本実施形態の透明ガスバリア性フィルムについて、実施例および比較例を用いてさらに説明する。本発明は、実施例および比較例の具体的内容により、何ら限定されない。
【0077】
(実施例1)
<基材準備>
樹脂基材として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムAを用いた。この二軸延伸ポリプロピレンフィルムAは、表層1層/基層3層/裏層1層がこの順に積層された合計5層の共押出フィルムである。表層1層と裏層1層をコポリマー、基層3層をホモポリマーとして二軸延伸ポリプロピレンフィルムAを製造した。第一面(表層側の表面)のみにコロナ処理を行った。

<アンカーコート層の成膜>
希釈溶媒(酢酸エチル)中、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン1質量部に対し、アクリルポリオール5質量部を混合し、攪拌した。ついで、イソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート(TDI)を、アクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた。得られた混合溶液を2質量%の濃度に上記希釈溶媒で希釈することによりアンカーコート液を得た。アクリルポリオールとしては、三菱レイヨン(株)製、GS-5756を使用した。
上記基材フィルムAに上記アンカーコート液を、乾燥後の厚さが100nmになるようにバーコーターを用いて塗工し、120℃で1分間乾燥させることによってアンカーコート層を形成した。

<無機酸化物層の成膜>
上記アンカーコート層上に、減圧下の酸素雰囲気中で高周波励起イオンプレーティングによる反応性蒸着により厚さ25nmの酸化ケイ素蒸着層を形成した。

<ガスバリア性被膜層の成膜>
テトラエトキシシラン(商品名:KBE04、固形分:100%、信越化学工業株式会社製、(以下TEOS)とメタノール(関東化学)と0.1N塩酸(関東化学株式会社製)とを、質量比が45/15/40となるように混合し、加水分解した溶液(TEOSの加水分解溶液)と、ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール60-98、株式会社クラレ製、以下「PVA」ともいう)の5質量%水溶液とを混合し、コーティング液を得た。コーティング液は、固形分を100とした場合に、TEOS(SiO2換算値)とPVAの質量比率が40/60になるように調製した。
上記無機酸化物層上にバーコーターを用いてコーティング液を塗布し、50℃のオーブンで1分間乾燥させて、膜厚300nmの被覆層を形成した。以上のようにしてバリアフィルムF1を得た。
【0078】
実施例2~4および比較例1~3は、基材の変更もしくはアンカーコート層または無機酸化物層の厚みを変更したものである。アンカーコート層の成膜、無機酸化物層の成膜、ガスバリア性被膜の成膜の手順は実施例1と同様である。以下の説明において、上述の実施例1と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0079】
(実施例2)
実施例2は、アンカーコート層を150nmにした点で実施例1と異なる。それ以外の工程は実施例1と同様にしてバリアフィルムF2を得た。
【0080】
(実施例3)
実施例3は、無機酸化物層を50nmにした点で実施例1と異なる。反応性蒸着のライン速度を実施例1より低速にし、蒸着層の厚さ50nmに形成した。それ以外の工程は実施例1と同様にしてバリアフィルムF3を得た。
【0081】
(実施例4)
実施例4は、使用した基材フィルムとアンカーコート層の厚みの点で実施例1と異なる。基材として、厚み18μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムBを用いた。この二軸延伸ポリプロピレンフィルムBは、表層1層/基層1層/裏層1層がこの順に積層された合計3層の共押出フィルムである。表層1層をEVOH、基層1層をホモポリマー、裏層1層をコポリマーとして二軸延伸ポリプロピレンフィルムBを製造した。基材A、Bは表層の組成を変更することで表面性が変更されるが、基材全体の熱収縮等は変化しない。またアンカーコート層の厚みを50nmとした。それ以外の工程は実施例1と同様にしてバリアフィルムF4を得た。
【0082】
(比較例1)
比較例1は、使用した基材フィルムとアンカーコート層の厚みの点で実施例1と異なる。基材として、厚み18μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムCを用いた。この二軸延伸ポリプロピレンフィルムCは、表層1層/基層1層/裏層1層がこの順に積層された合計3層の共押出フィルムである。表層1層と裏層1層をブロックPPのコポリマー、基層1層をホモポリマーとして二軸延伸ポリプロピレンフィルムBを製造した。基材A、B、Cは表層の組成を変更することで表面性が変更されるが、基材全体の熱収縮等は変化しない。またアンカーコート層の厚みを10nmとした。それ以外の工程は実施例1と同様にしてバリアフィルムF5を得た。
【0083】
(比較例2)
比較例2は、基材としてポリエチレンテレフタレートフィルムD(商品名「P60」、東レ株式会社製、厚さ12μm)を用いた点で実施例1と異なる。それ以外の工程は実施例1と同様にしてバリアフィルムF6を得た。
【0084】
(比較例3)
比較例3は、アンカーコート層を300nmにした点で実施例1と異なる。それ以外の工程は実施例1と同様にしてバリアフィルムF7を得た。
【0085】
以上の工程で得られた実施例1~4および比較例1~3のガスバリアフィルムについて以下の項目を評価した。
【0086】
<バリア性>
得られたバリアフィルムF1~7にヒートシール性樹脂層を、ヒートシール性樹脂層がガスバリア性被膜層と向き合うように、ドライラミネーション法により貼り合わせた。ヒートシール性樹脂層としては、厚さが60μmのCPP(東レフィルム加工製、ポリプロピレンフィルム、トレファンZK93KM)を使用し、接着剤としては、二液硬化型接着剤(三井化学ポリウレタン社製、ケラックA620(主剤)/タケネートA65(硬化剤))を使用した。接着剤は、グラビアコート法により、乾燥後の塗布量が4.0[g/m2]となるようにガスバリア性被膜層上に塗布した。その後50℃の恒温室で5日間養生し、積層体LF1~7作製した。積層体LF1~7は製袋し、内容物として水道水200mlを充填して、120℃の熱水中で30分間の加熱殺菌処理(レトルト処理)を実施した。レトルト処理後のLF1~7の包袋を開封し、酸素透過度測定装置(商品名:OXTRAN-2/20、MOCON社製)を用いて、30℃、70%RHの雰囲気下、酸素透過度[cc/(m2・day・atm)](OTR)を測定した。

<ラミネート強度>
レトルト処理後の積層体LF1~7ついて、15mm幅短冊状に試験片を切り出し、バリアフィルムとCPPフィルム間のラミネート強度を、万能試験機テンシロンRTC-1250にて、剥離速度300[m/min]でT型および180°で剥離して測定した。

<デラミネーション>
レトルト処理後の積層体LF1~7が、基材浮き(デラミネーション)が発生しているかどうかを目視で判定。未発生のものを〇、発生したものを×と評価した。

<界面粗さ>
観察用試料はFIB(日立製、FB2200)を用いて加速電圧10~40kVの条件で作製した。上記試料をFE-TEM(日本電子製、JEM-2800)を用いて加速電圧200kVの条件で連続傾斜STEM像を撮影した。得られた連続傾斜STEM像シリーズについて位置補正(342nm(X)×528nm(Y)×853nm(Z))を行い、3D-TEM再構成ソフトIMOD4.9.9.を用いてFiltered Backprojection法により三次元像を再構成した。得られた三次元像について画像解析ソフトAvizo(Thermo Fisher Scientific製)とImageJによりアンカーコート層と無機酸化物層の界面[AC/蒸着]および無機酸化物層とガスバリア性被膜層の界面[蒸着/OC]を抽出し、表面粗さ(Ra)を算出した。
【0087】
実施例1~4および比較例1~3の評価結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
表1に示すように、アンカーコート層(AC層)の厚みと基材の種類によって表面粗さRaは調整することができる。アンカーコート層と無機酸化物層の界面[AC/蒸着]の表面粗さRaおよび無機酸化物層とガスバリア性被膜層の界面[蒸着/OC]の表面粗さRaは±0.5nmの範囲に収まっている。表面粗さRaは、無機酸化物層およびガスバリア性被膜層の成膜による変化よりも前の工程であるアンカーコート層の成膜や基材自身の持つ粗さの影響が大きいことが分かる。アンカーコート層の厚みについては厚いほど表面粗さRaは小さくなる傾向がみられた。
【0090】
表1に示すように、レトルト処理後のラミネート強度が1[N/15mm]以上を満たしたのは実施例1~4および比較例1である。比較例3においてはラミネート強度が低いだけでなくデラミネーションがみられた。レトルト処理後も酸素透過度OTRが2[cc/(m2・day・atm)]以下を保持したのは比較例1以外である。表1に示していないが、レトルト処理前の酸素透過度OTRはいずれも2[cc/(m2・day・atm)]以下と良好な酸素バリア性を示した。したがって、比較例1,2,3は初期のバリア性からの劣化がみられた。以上の結果より、酸素バリア性、密着性を両立できた包装材は実施例1~4であった。
比較例1のようにRaの大きい包装材は密着性が高い結果となったが、粗い表面へ蒸着層を設けたことで密度の低い蒸着層であったと考えられる。レトルト処理により積層体のデラミネーションや密着性低下に至る大変形は見られなかったが、その内部応力は脆い蒸着層の破壊により吸収され、バリア性低下に至ったと考えられる。一方、比較例2,3のようにRaの小さい包装材は蒸着層の膜密度としては良好であったと考えられるが、蒸着層界面での密着性に欠け、界面方向での剥離が発生したために膜厚方向へのガスバリア性が低下し、積層体全体で見たときのバリア性能の低下につながったと考えられる。密着性の観点ではRaは比較例2,3以上すなわち5nm以上であることが好ましい。バリア性の観点では、Raは比較例1以下すなわち20nm以下であることが好ましく、密着性が悪い包装材では結果的にバリア性も劣化することから比較例2,3以上すなわち5nm以上であることが好ましい。以上の結果より、表面粗さRaは5.0nm以上かつ20nm以下の範囲にすることで、実施例1~4に示すようにレトルト処理後も十分なバリア性と密着性を保持した包装材を作製することができる。
【0091】
本開示は以下の発明1~7が含まれる。
(発明1)
基材と、アンカーコート層と、無機酸化物層と、ガスバリア性被膜層をこの順に備え、前記基材は、単一の樹脂で構成された単層フィルムもしくは複数の樹脂を用いた単層又は積層フィルムからなり、前記アンカーコート層は、ポリオールとイソシアネート化合物とを含んだ反応生成物からなり、前記ガスバリア性被膜層は、水溶性高分子とテトラアルコキシシラン又はその加水分解生成物とトリアルコキシシラン又はその加水分解生成物からなり、連続TEM像の3次元再構成像から測定される、前記アンカーコート層と前記無機酸化物層との界面(a)と前記無機蒸着層と前記ガスバリア性被膜層の界面(b)の表面粗さRaがそれぞれ5.0nm以上20nm以下であることを特徴とする透明ガスバリア性フィルム。
(発明2)
前記アンカーコート層の厚みが200nm以下であることを特徴とする発明1に記載の
透明ガスバリアフィルム。
(発明3)
前記無機酸化物層の厚みが100nm以下であることを特徴とする発明1に記載の透明ガスバリアフィルム。
(発明4)
前記無機酸化物層が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫及びそれらの2以上を含んだ混合物からなる群より選択される材料からなることを特徴とする発明1に記載の透明ガスバリアフィルム。
(発明5)
前記基材がポリオレフィンであることを特徴とする発明1に記載の透明ガスバリアフィルム。
(発明6)
発明1~5の何れかに記載の透明ガスバリアフィルムとヒートシール性樹脂層が積層していることを特徴とする透明包装材料。
【符号の説明】
【0092】
1 基材フィルム
2 アンカーコート層
3 無機酸化物層
4 ガスバリア性被膜層
5 接着剤層
6 ヒートシール性樹脂層
10 ガスバリアフィルム
20 包装材料
図1