(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117308
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023342
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【弁理士】
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA49
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遊技の興趣の高い遊技機を提供する。
【解決手段】始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記ゲームに関連する演出を制御可能な制御手段と、遊技球の入賞により前記始動条件が成立する普通変動入賞装置と、を備え、前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記普通変動入賞装置への入賞が容易な特定遊技状態を発生可能であり、前記制御手段は、前記特別遊技状態において、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態が発生することを示唆又は報知する特定演出を実行可能であり、前記特定遊技状態が発生することを報知する特定演出は、前記ゲームの実行中にも実行可能な共通演出を含むようにする。
【選択図】
図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記ゲームに関連する演出を制御可能な制御手段と、
遊技球の入賞により前記始動条件が成立する普通変動入賞装置と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記普通変動入賞装置への入賞が容易な特定遊技状態を発生可能であり、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態において、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態が発生することを示唆又は報知する特定演出を実行可能であり、
前記特定遊技状態が発生することを報知する特定演出は、前記ゲームの実行中にも実行可能な共通演出を含むことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、識別情報の変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果(例えば、「7」、「7」、「7」で揃う場合)には、特別遊技状態(大当り)を発生させて大当りゲームを行うとともに、大当りゲーム後に大当たり確率が高確率となる確率変動状態(RUSH状態)となり、確率変動中(RUSH状態中)に再び大当たりが発生しやすくなる遊技機がある
(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の遊技機では、遊技の展開によっては遊技者の興趣が低下するという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、遊技者の期待を持続させて遊技の興趣の高い遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記ゲームに関連する演出を制御可能な制御手段と、
遊技球の入賞により前記始動条件が成立する普通変動入賞装置と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記普通変動入賞装置への入賞が容易な特定遊技状態を発生可能であり、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態において、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態が発生することを示唆又は報知する特定演出を実行可能であり、
前記特定遊技状態が発生することを報知する特定演出は、前記表示ゲームの実行中にも実行可能な共通演出を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技の興趣の高い遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】パチンコ機の遊技機を前面側から見た斜視図である。
【
図4】一括表示装置の詳細を示す拡大説明図である。
【
図5】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図6】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図7】メイン処理を説明するフローチャートである。
【
図8】メイン処理を説明するフローチャートである。
【
図9】タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。
【
図10】特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。
【
図11】始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
【
図12】特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。
【
図13】特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。
【
図14】特図普段処理を説明するフローチャートである。
【
図15】特
図1変動開始処理及び特
図2変動開始処理を説明するフローチャートである。
【
図16】演出制御装置のメイン処理を説明するフローチャートである。
【
図17】受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。
【
図18】受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。
【
図19】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図20】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図21】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図22】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図23】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図24】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図25】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図26】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図27】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図28】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図29】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図30】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図31】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図32】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図33】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図34】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図35】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【
図36】RUSHに関連する演出制御の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0008】
以下、本発明の実施例1として、パチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
A.遊技機の前面側の構成
最初に、本例の遊技機1の全体構成について説明する。
図1は本例の遊技機10の正面図であり、
図2は本実施形態の遊技機10の前面側斜視図である。
図1及び
図2に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
【0009】
ガラス枠15の上部には、遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16が設けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
【0010】
また、ガラス枠15の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機1の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(
図6参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源も内蔵されている。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定の報知を行うバイブレーション機能を備えている。なお、演出ボタン25は、通常状態(
図1や
図2に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よりも上側にある状態)に変換可能に構成されていても良い。
【0011】
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23、打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、前面枠12の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
【0012】
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残高を表示する残高表示器(残高表示部)27c、上皿21内の遊技球を下皿23へ流下させるために操作する上皿操作レバー27d、遊技者が所有するスマートフォンなどの携帯端末を置くための携帯端末置き部28等が設けられている。また、演出ボタン25の左方には、音量調整用ボタン27e、十字キー29等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25や十字キー29を操作することによって、表示装置41(
図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
【0013】
B.遊技盤の前面構成
次に、
図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図3に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体80を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。
【0014】
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
さらに、表示装置41の表示画面では、特別遊技状態に関する演出の他に、RUSH状態(特定遊技状態)に移行するか否かに関する演出についての表示も行うようになっている。
例えば、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行うというような各種の演出を表示可能になっている。
ここで、表示装置41は識別情報を変動するゲームを表示可能な表示手段を構成している。
【0015】
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のステージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、
図3に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
【0016】
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(
図5参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、二つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(
図5参照)によって検出される。
【0017】
センターケース40の下方の遊技領域32には、特
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図5参照)によって検出される。
センターケース40の右部には、特
図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図5参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材(図示省略)を備えており、この可動部材は、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図5参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0018】
なお、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動部材は、普電ソレノイド37cによって前後方向に進退(スライド)することで開閉する所謂ベロ型の普通電動役物であるが、普通変動入賞装置37の可動部材は、これに限定されない。普通変動入賞装置37の可動部材は、例えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放するアタッカ形式の普通電動役物であっても良いし、普電ソレノイド37cによって逆「ハ」の字状に開放するチューリップ型の普通電動役物であっても良い。
また、普通変動入賞装置37は、可動部材が閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
【0019】
センターケース40の右方の遊技領域32のうち、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37との間には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)することで、上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、上大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図5参照)によって検出される。
【0020】
上大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(
図5参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(
図5参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態の終了後に高確率状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
【0021】
また、上大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(
図5参照)が設けられている。上大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(上大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(上大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな上大入賞口の開放が行われないようになっている。
【0022】
センターケース40の下方の遊技領域32のうち、始動入賞口36の右方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)することで、下大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって、下大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(
図5参照)によって検出される。
【0023】
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、特
図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
【0024】
一括表示装置50は、例えば
図4(a)に示すように、特
図1変動表示ゲーム用の特
図1表示器(第1特図変動表示部)51(A0~A7)及び特
図2変動表示ゲーム用の特
図2表示器(第2特図変動表示部)52(B0~B7)と、特
図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特
図1保留表示器53(C0,C1)及び特
図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特
図2保留表示器54(C2,C3)とを備える。
【0025】
また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の開閉回数)を表示するラウンド表示部55(D0~D3)と、遊技機10の遊技状態を表示する遊技状態表示部56(C6,C7,D7)とを備えている。この遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56a(C6)、時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56b(C7)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する第3遊技状態表示部56c(D7)が設けられている。
さらに、一括表示装置50は、普図変動表示ゲーム用の普図表示器57(D4~D6)、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器58(C4,C5)を備えている。
【0026】
特
図1表示器51における特図変動表示ゲームは、特
図1変動表示ゲームの実行時間(変動時間)中は、例えば
図4(b)に示すように、変動用図柄番号を交互に変更して、LEDランプA0,A2,A4,A6が点灯する状態(LEDランプA1,A3,A5,A7は消灯状態)とLEDランプA1,A3,A5,A7が点灯する状態(LEDランプA0,A2,A4,A6は消灯状態)とを交互に切り替えることで変動中であることを表示する。切替周期は、例えば60m秒に設定されている。そして、特
図1変動表示ゲームの変動時間が終了して停止表示時間が開始すると、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様(例えばLEDランプA0を点灯状態にしてLEDランプA1~A7を消灯状態にする態様)となり、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えばLEDランプA0~A7のうち少なくとも3つを点灯状態にする態様)となってゲーム結果を表示する。なお、特
図1表示器51は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0027】
特
図2表示器52における特図変動表示ゲームは、特
図2変動表示ゲームの実行時間(変動時間)中は、例えば
図4(c)に示すように、変動用図柄番号を交互に変更して、LEDランプB0,B2,B4,B6が点灯する状態(LEDランプB1,B3,B5,B7は消灯状態)とLEDランプB1,B3,B5,B7が点灯する状態(LEDランプB0,B2,B4,B6は消灯状態)とを交互に切り替えることで変動中であることを表示する。切替周期は、例えば60m秒に設定されている。そして、特
図2変動表示ゲームの変動時間が終了して停止表示時間が開始すると、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様(例えばLEDランプB0を点灯状態にしてLEDランプB1~B7を消灯状態にする態様)となり、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えばLEDランプB0~B7のうち少なくとも3つを点灯状態にする態様)となってゲーム結果を表示する。なお、特
図2表示器52は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0028】
特
図1保留表示器53は、特
図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、例えば
図4(d)に示すように、複数のLED(LEDランプC0,C1)の消灯、点灯、点滅により表示する。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
特
図2保留表示器54は、特
図2表示器52の変動開始条件となる普通変動入賞装置37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、例えば
図4(d)に示すように、複数のLED(LEDランプC2,C3)の消灯、点灯、点滅により表示する。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
【0029】
ラウンド表示部55は、特別遊技状態中でない場合には全てのLED(LEDランプD0~D3)を消灯状態にし、特別遊技状態中には、例えば
図4(e)に示すように、結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部55は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0030】
第1遊技状態表示部56aは、例えば
図4(f)に示すように、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはLED(LEDランプC6)を消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはLEDを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部56bは、例えば
図4(f)に示すように、時短状態である場合はLEDを点灯状態にし、時短状態でない場合はLED(LEDランプC7)を消灯状態にする。
第3遊技状態表示部56cは、例えば
図4(f)に示すように、電源投入時に高確率状態である場合にはLED(LEDランプD7)を点灯状態にし、高確率状態でない場合はLEDを消灯状態にする。
【0031】
普図表示器57における普図変動表示ゲームは、普図変動表示ゲームの変動表示中は、例えば
図4(g)に示すように、変動用図柄番号を交互に変更して、LEDランプD5を点灯状態にする態様とLEDランプD4,D6を点灯状態にする態様とを交互に切り替えることで変動中であることを表示する。切替周期は、例えば60m秒に設定されている。そして、結果が「当り」の場合は、複数のLEDのうちのいずれか(例えばLEDランプD4)を点灯状態にして当りであることを示し、結果が「はずれ」の場合は、複数のLEDのうちのいずれか(例えばLEDランプD5,D6)を点灯状態にしてはずれであることを示す。
普図保留表示器58は、普図表示器57の変動開始条件となる普図始動ゲート34の通過球数のうち未消化の球数(普図始動記憶数=保留数)を、例えば
図4(h)に示すように複数のLED(LEDランプC4,C5)の消灯、点灯、点滅により表示する。
【0032】
C.制御系の構成
次に、本例の遊技機10の制御系について、
図5乃至
図6を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
遊技機10は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置100、払出制御装置200、演出制御装置300、発射制御装置(図示省略)、及び電源装置400を備えている。
【0033】
(遊技制御装置関係)
まず、遊技機10の遊技制御装置100の構成と、この遊技制御装置100に接続される機器について、
図5によって説明する。
図5は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0034】
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM111Cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0035】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0036】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵のRAM111C)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM111Cに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0037】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0038】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0039】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0040】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0041】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0042】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0043】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0044】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0045】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0046】
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38内の大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39内の大入賞口スイッチ39a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、第1特別変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0047】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a及びゲートスイッチ34aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
【0048】
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッチ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置に回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
【0049】
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが用意されている。
【0050】
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でRAM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるようになっている。
【0051】
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ112は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態としなければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
【0052】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0053】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0054】
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0055】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0056】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0057】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0058】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0059】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0060】
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設けられている。第2出力ポート134は、第1特別変動入賞装置38を開成させる第1大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させる第2大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b、第1特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0061】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0062】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38b,39bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリアル通信でデータが送信される。
【0063】
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eには、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0064】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0065】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設けられていない。
【0066】
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0067】
(演出制御装置関係)
次に、
図6を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0068】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
【0069】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0070】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0071】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0072】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
【0073】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0074】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
【0075】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられた十字キー29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
【0076】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0077】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
【0078】
ここで、本実施形態の遊技機10では、演出制御装置300における上述した制御の他に、以下のようなRUSHに関する演出制御を行う構成になっている。
すなわち、演出制御装置300はその他の制御として、表示装置41の表示画面での演出に関して、特別遊技状態(大当り)に関する演出の他に、RUSHを獲得するか否かに関する演出についての表示も行うようになっている。
例えば、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行うというような各種の演出を表示可能になっている。
上記制御の具体例は、後述の
図19以降で詳細に説明する。
ここで、上記RUSHの制御に関する発明概念は、下記のように表される。
識別情報を変動するゲームを表示可能な表示手段と、この表示手段を制御するとともに、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特典を付与するように制御する制御手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にし、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させるとともに、
前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、
特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような制御を行うことを特徴とする遊技機。
ここで、遊技制御装置100、払出制御装置200及び演出制御装置300は全体として制御手段を構成している。また、表示装置41は識別情報を変動するゲームを表示可能な表示手段を構成している。
【0079】
D.遊技の概要
以下の説明において、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。あるいは単に変動表示ゲームと称することもある。
また、飾り特
図1変動表示ゲームと飾り特
図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
【0080】
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(
図5参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
【0081】
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、当該始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、当該第2特別変動入賞装置39の右方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
【0082】
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してRAM111Cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器58に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
【0083】
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0084】
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器57に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器57を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
【0085】
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器57に特別の結果態様となる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材を所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器57にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
【0086】
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Cに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特
図1保留表示器53や特
図2保留表示器54に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0087】
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特
図1表示器51(第1変動表示装置)で特
図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特
図2表示器52(第2変動表示装置)で特
図2変動表示ゲームを行う。そして、第1始動記憶と第2始動記憶との両方が記憶されている場合には、特
図2変動表示ゲームを特
図1変動表示ゲームよりも優先して実行する。
【0088】
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うとともに、普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特
図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う実行制御手段をなす。そして、実行制御手段は、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている状態で、第2始動記憶に基づく特
図2変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特
図1変動表示ゲームよりも優先して実行するように構成されている。
【0089】
特
図1表示器51及び特
図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特
図1表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特
図2表示器52が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
【0090】
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態発生手段をなす。
【0091】
また、特
図1変動表示ゲームや特
図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲームには、特
図1変動表示ゲームに対応する飾り特
図1変動表示ゲームと、特
図2変動表示ゲームに対応する飾り特
図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
【0092】
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特
図1変動表示ゲームと飾り特
図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特
図1表示器51及び特
図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0093】
また、前述したように、本実施形態の遊技機10では、上述した制御の他に、以下のようなRUSHに関する演出制御も行われる。
すなわち、演出制御装置300はその他の制御として、表示装置41の表示画面での演出に関して、特別遊技状態(大当り)に関する演出の他に、RUSHを獲得するか否かに関する演出についての表示も行われる。
そして例えば、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行うというような各種の演出も行われる。
【0094】
E.制御系の動作
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図7及び
図8に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる
図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0095】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図7及び
図8に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0096】
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行う。ステップS7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0097】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0098】
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップS8)、停電が発生している場合(ステップS8;Y)には、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップS8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオンであるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合には、停電が発生していると判定する。後述するステップS34,S54においても同様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0099】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0100】
一方、停電が発生していない場合(ステップS8;N)には、電源投入ディレイタイマを-1更新し(ステップS9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップS10)。タイマの値が0でない場合(ステップS10;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS12)。
【0101】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理(ステップS14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップS15)。ここでは、RAMに異常があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラグを所定のレジスタにセットする。
【0102】
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるか判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるか判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか判定する(ステップS19)。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップS20)、ステップS21へ移行する。
【0103】
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS19;N)には、ステップS6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップS21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態である場合(ステップS21;N)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップS22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステップS22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であることを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップS24)。
【0104】
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップS22;N)には、確率設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップS23)。そして、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップS23;Y)には、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップS24)。ここでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグである。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、遊技制御装置100の動作が停止するのでステップS24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライバ138eに出力する(ステップS25)。これにより、性能表示装置153において、
図41(h)に示すような表示が行われる。その後、セキュリティ信号のオンデータを出力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップS26)、ステップS25に戻る。
【0105】
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である場合(ステップS21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップS27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップS27;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップS29)。これにより確率設定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS30)、ステップS31へ移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップS27;Y)には、確率設定値をクリアする処理(ステップS28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップS29,S30の処理を行って、ステップS31へ移行する。
【0106】
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態であり(ステップS21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセットされていない場合(テップS22;N及びステップS23;N)には、ステップS6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップS35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップS35;N)には、ステップS6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状態であるか判定する(ステップS43)。
【0107】
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップS43;N)、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態である場合には、ステップS41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップS43;Y)には、ステップS44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
【0108】
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップS35;Y)には、確率設定確認中フラグをセットする(ステップS36)。これにより確率設定値確認モードに移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップS37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
【0109】
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップS31)。セキュリティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み処理の確率設定変更/確認処理(ステップS122)で出力され、それ以外の場合はタイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップS120)で出力される。したがって、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップS120)によってセキュリティ信号が継続して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップS31においてセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されない。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも50m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセーブする必要がある。
【0110】
そして、割込みを許可し(ステップS32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップS33)。ステップS33では、ステップS6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(
図9)の入力処理(ステップS103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップS33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップS33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップS34)、停電が発生していない場合(ステップS34;N)には、ステップS33に戻り、停電が発生している場合(ステップS34;Y)には、ステップS55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップS34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(
図7及び
図8)のステップS23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
【0111】
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップS33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップS38)を行う。割込みを許可する処理(ステップS32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップS38,S55)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(
図9)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップS122)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップS39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨の報知)を終了する。
【0112】
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップS40)、確率設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップS40;N)、すなわち確率設定確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処理等を行う停電復旧処理(ステップS41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステップS41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS42)、ステップS47へ移行する。本実施形態の場合、ステップS42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特
図1及び特
図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
【0113】
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップS40;Y)には、確率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップS44)。ステップS44では、確率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベース値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率設定変更中フラグは、このステップS44でクリアされる。なお、ステップS44では、スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
【0114】
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS45)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信する(ステップS46)。本実施形態の場合、ステップS46では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報であるサポート回数情報コマンド等も送信する。
【0115】
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS47)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
【0116】
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、転落抽選に当選か否かを決定する乱数(転落抽選乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS48)、割込みを許可する(ステップS49)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0117】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
なお、本実施形態では、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)を設けていないため、普図の当り図柄は1種類しかないが、当り図柄乱数を設けて普図の当り図柄を複数種類の中から選択するようにしても良い。
【0118】
ステップS50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップS51)を行って、性能表示編集処理(ステップS52)を行う。そして、割込みを許可する処理(ステップS53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップS54)、停電が発生していない場合(ステップS54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップS50)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS50)の前に割込みを許可する(ステップS49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0119】
なお、ステップS50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0120】
一方、停電が発生している場合(ステップS54;Y)には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS56)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS57)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS58)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS60)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS61)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0121】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0122】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0123】
〔タイマ割込み処理〕
次に、
図9を用いてタイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、
図9のタイマ割込み処理が開始される。
【0124】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。
【0125】
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し(ステップS104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされている場合(ステップS104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップS122)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合(ステップS104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS105)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0126】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS106)、乱数更新処理1(ステップS107)、乱数更新処理2(ステップS108)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,39への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS109)を行う。
【0127】
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップS110)。異常排出とは、第1特別変動入賞装置38において、第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回ることである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そして、異常排出発生中である場合(ステップS110;Y)には、ステップS116へ移行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
【0128】
一方、異常排出発生中でない場合(ステップS110;N)には、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS112)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS114)を行って、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS115)を行う。
【0129】
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS117)、振動センサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処理(ステップS118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視処理(ステップS119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS120)、性能表示装置153の制御に関する性能表示モニタ制御処理(ステップS121)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0130】
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0131】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS112)の詳細について説明する。次に、特図ゲーム処理に関するフローチャートの説明では、ステップ番号として「ステップA」を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0132】
図10に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0133】
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出の監視や、第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。そして、特定領域38hでの遊技球の検出を監視する特定領域スイッチ監視処理を行う(ステップA3)。
【0134】
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA4)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA5;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA6)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA8)。
【0135】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0136】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0137】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0138】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0139】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
【0140】
その後、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特
図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。そして、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特
図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップA24)を行って、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA5;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA20の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0141】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図11に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
【0142】
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、当該コマンドを演出制御装置300へ送信する演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
【0143】
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
【0144】
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0145】
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0146】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0147】
図12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0148】
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0149】
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特
図1保留数又は特
図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理のステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。
【0150】
次いで、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
【0151】
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0152】
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
【0153】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0154】
図13に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
【0155】
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
【0156】
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
【0157】
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
【0158】
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
【0159】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図14に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特
図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特
図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
【0160】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;Y)は、ステップA310~A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行する。
【0161】
また、ステップA301にて、特
図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特
図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特
図2変動開始処理(ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特
図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;N)は、特
図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特
図1変動開始処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
【0162】
このように、特
図2保留数のチェックを特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図2保留数が「0」でない場合には特
図2変動開始処理(ステップA304)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
【0163】
〔特
図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図15(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図1)を示す特
図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
【0164】
次に、特
図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
【0165】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特
図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特
図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特
図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA333)。次いで、特
図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA334)、特
図1変動開始処理を終了する。
【0166】
〔特
図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、
図15(a)に示した特
図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0167】
図15(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図2)を示す特
図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
【0168】
次に、特
図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
【0169】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特
図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特
図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特
図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA353)。次いで、特
図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA354)、特
図2変動開始処理を終了する。
【0170】
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図変動表示ゲーム実行制御手段は、第1始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示ゲームを実行し、第2始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲームを実行することとなる。
【0171】
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、
図16に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。演出制御に関するフローチャートの説明では、ステップ番号として「ステップC」を用いて説明する。
【0172】
〔メイン処理〕
図16に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
【0173】
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25や十字キー29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25や十字キー29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25や十字キー29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
【0174】
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
【0175】
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
【0176】
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、報知部72やポイント報知部73、累積値報知部74などによる演出を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
【0177】
〔受信コマンドチェック処理〕
図17には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
【0178】
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
【0179】
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
【0180】
〔受信コマンド解析処理〕
図18には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
【0181】
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0182】
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0183】
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0184】
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0185】
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0186】
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0187】
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、特図変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
【0188】
F.RUSHを含む変動表示ゲーム演出の具体例
次に、本実施形態の遊技機10では、演出制御装置300は表示装置41に対して識別情報を変動表示する演出を行い、例えば変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うが、表示装置41の表示画面では、特別遊技状態に関する演出の他に、RUSHを獲得するか否かに関する演出についての表示も行うようになっているので、その部分の具体的な演出について説明する。
詳細は
図19以降に示す演出表示画面を用いて詳細を説明するが、概略的には、例えば、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行うというような各種の演出を表示可能になっている。
本実施形態の遊技機10では、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームを区別しない)について、特図変動表示ゲームの演出が行われるが、ここでの特図変動表示ゲームとは、表示装置41における変動表示ゲーム、すなわち、飾り特図変動表示ゲームを指すものである。
そして、上記の演出に加えて本実施形態の遊技機10では、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にRUSHを獲得可能か否かに関するチャレンジ演出を行い、仮に、チャレンジ演出に失敗しても特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるというインパクトのある演出を行うことが可能になっているものである。
【0189】
まず、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動開始時から演出が変化していく様子を示して大当りが発生し、大当りゲームが行われる演出を説明していく。
図19及び
図20は特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動開始時から演出が変化していき、リーチを経て、特別遊技状態である大当りが発生するまでの演出の流れを示す図である。
(A)変動開始時の演出
図19における画面A1乃至画面A6は特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動開始時から演出が変化していく様子を示す図であり、
図19に示す画面A1乃至画面A6は表示装置41における画面に表示される演出を示し、当該演出は画面という概念で表している。
なお、以降の各図に示す演出動作の説明では、多くの画面が登場するので、煩雑さを避けて演出動作の説明を理解しやすくするために、各演出モード毎に英文字(例えば、A、B、C・・・)を用いてこれらに数字を付して演出画面の流れを表すようにしている。
図19において、
図19の画面Aは特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動開始時(第1タイミング)、その時点の識別情報を示している。この場合、表示装置41の画面A1には、ロボットを模したキャラクタ611(キャラクタ部分(第1構成要素)に相当)が表示されるとともに、数字部分(第2構成要素)としての「2」、「3」、「4」の図柄が各キャラクタ部分に組み合せて表示されているところ、左側のロボットを模したキャラクタ611及び数字部分(第2構成要素)としての「2」の図柄が共に回転を開始した演出の状態が示されている。なお、以降の説明では煩雑になるので、ロボットを模したキャラクタへの符合付けは適宜略す。
【0190】
また、
図19に示す画面A1には、符合を付して表示装置41、第1飾りゲーム表示部81、第1始動記憶数表示部85a、第2始動記憶数表示部85b、第2飾りゲーム表示部82、待機中記憶表示部83、実行中記憶表示部84が示されている。これらの機能は遊技機10の構成の部分で説明した通りである。
なお、煩雑になるので、
図19以降の各図における各画面では、上記の第1飾りゲーム表示部81、第1始動記憶数表示部85a、第2始動記憶数表示部85b、第2飾りゲーム表示部82、待機中記憶表示部83、実行中記憶表示部84の図示を省いている。
ここで、
図19の画面A1では第1始動記憶数表示部85aには第1始動記憶数(特
図1留数)が無いので第1始動記憶数(特
図1保留数)=0が表示されるとともに、第2始動記憶数表示部85bにも第2始動記憶数(特
図2保留数)が無いので「0」が表示されている。
一方、第2飾りゲーム表示部82は現在の数字部分(第2構成要素)の状態が表示され、ここでは特図変動表示ゲームにおける識別情報が変動開始したので、黒い矢印が表示されている。
以下、同様に識別情報の変動が開始した後は、そのときの遊技状態に応じて上記の各表示部の数字表記や点灯等を含む表示演出が行われていく。
【0191】
次いで、
図19の画面A2に移行し、左図柄及び中図柄は数字部分のみとなって回転するとともに、右図柄のロボットには特別のキャラクタが追加されて回転している演出が行われる。次いで、
図19の画面A3に移行し、左図柄、中図柄及び右図柄の全てが数字部分のみとなって回転し、キャラクタがすべて消える演出が行われる。
次いで、
図19の画面A4に移行し、左図柄、中図柄及び右図柄の全ての数字部が高速変動し、ここでは3列の黒い矢印で全ての数字部が高速変動する演出の様子が示されている。
次いで、
図19の画面A5に移行し、左図柄は数字1、中図柄は数字2、右図柄は数字3で停止し、結局、今回の特図変動表示ゲームの結果が「外れ」であることが示され、今回の特図変動表示ゲームはゲーム終了となる。以後は、再度通常遊技常状態から特図変動表示ゲームがスタートすることになる。
【0192】
一方、ゲーム終了ではなく、
図19の画面A4から分岐して画面A6に移行してリーチが発生するケースもあるので、リーチ発生の場合の演出について説明する。
リーチが発生するケースでは、
図19の画面A4から分岐して画面A6に移行し、「2↓2」というように、左図柄は数字2で仮停止、中図柄は変動中、右図柄は数字2で仮停止という状態になり、「2」の図柄でリーチ発生という演出になる。
そして、変動中の中図柄が「2」で停止すると、
図20の画面A7に移行し、「2、2、2」の通常図柄での大当りが発生する。
そうすると、
図20の画面A8に移行し、「チャレンジBONUS」の文字が表示されて、遊技者に大当り中の大当りラウンド中にRUSH大当りというボーナスが付与されるか否かを決定するチャレンジが行われるという演出形態を報知する。
ここで、「チャレンジBONUS」の文字が表示される画面の右上隅には、遊技球の右打ちを指示する右打ち表示を小さく表示している。
なお、画面A8以降の大当り中の画面には遊技球の右打ちを指示する右打ち表示を小さく表示するのが原則であり、そのようにしているが画面が-小さく煩雑になる場合には、右打ち表示を省略することがある。
右打ちを指示する報知を見た遊技者は操作部24を回動操作し、球の発射勢を調節して遊技盤30の右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、当該第2特別変動入賞装置39の右方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになる。
この場合、右打ちをすると、遊技盤30の右側遊技領域に配置されているアタッカー構造の第1特別変動入賞装置38や第2特別変動入賞装置39に対して多くの遊技球を入賞させることができ、大量の出球を得ることができるようになる。
【0193】
「チャレンジBONUS」を開始すると、まず画面A9でキャラクタの桃子が鬼に対してどのように対峙していくかの選択を行うラウンド演出(チャレンジ演出)選択の演出が表示される。ここではキャラクタの桃子が登場すればRUSH獲得(大当り終了後に特定遊技状態へと移行する)となる「1撃モード」と、キャラクタの桃子が大量の鬼と対決し全て撃退することができればRUSH獲得となる「鬼殲滅モード」とが選択可能な演出が表示される。
画面A9を見て遊技者が「鬼殲滅モード」を選択するように演出ボタン25を押すと、「鬼殲滅モード」の開始となる
図20の画面A10へ進む。画面A10に進むと、「鬼殲滅モード」のラウンド開始の動画が表示され、その動画では大量にザコ鬼がいる奥からカメラを引いてくる様子が写し出される。
そして、ザコ鬼の台詞として「ひゃっはっはっはっ」という声が聞こえる演出になっている。また、同時に、鬼退治を行う桃子の台詞として「かかってきなさい!」と桃子が叫ぶ演出が行われる。次いで、画面A11に進み、桃子の背中を映す背中カットになったところで「鬼殲滅でRUSH獲得」という説明が文字表示されるゲーム説明の演出が行われ、遊技者は「鬼殲滅でRUSH獲得」というゲーム内容を知ることができる。これにより、遊技者は桃子が鬼退治に成功すると、RUSHを獲得できることが分かり、期待感を持って遊技に集中することができるようになる。この後、画面A12に移行する。先の画面A11にて「鬼殲滅でRUSH獲得」という演出が出たことから遊技者は気合を入れて遊技に臨みむことになり、画面A12では画面内に「鬼殲滅でRUSH獲得」という説明が文字表示される演出が現れるとともに、その文字表示の前面側に「右打ち」という特別に大きな文字表示が重なるように現れて、遊技者はRUSH獲得を祈りながら球を右打ちすることになる。
【0194】
次いで、画面A18に移り、その画面A18では「鬼退治に出発だー!!」という桃子の台詞が音声で流れ、遊技者はこれから鬼退治ゲームが始まることを知ることになる。
次いで、画面A19に移り、大量の鬼yが表示されて、「残り1000体」という文字が画面A19に表示される。また、このとき鬼たちに桃子mが向かうシーンを挟み、演出ボタン25を模した操作促進画像によって遊技者に演出ボタン25を押すように要請する表示が示される。遊技者はこれから1000体の鬼yを退治する必要があること知ることになり、画面A19を見ながら演出ボタン25を懸命に押す(いわゆるボタン連打を行う)ことになる。
次いで、画面A20に移行し、遊技者のボタン連打に連動して鬼yの数字を減算する演出が行われる。画面A20の操作促進画像においては、ボタンの画像が表示されるとともに、タイムバーも合わせて表示されている。タイムバーは演出ボタン25の操作を有効とする残り時間を図示するための画像であり、このタイムバーを遊技者が見ることで、鬼殲滅のために残された時間を直視することができる。
画面A20では、ここでの残数は鬼退治の期待度を示すことになる。そのため、遊技者のボタン連打に連動して鬼yの数字を1つずつ減らす演出が行われる。また、このとき鬼yの残り数字に合わせて画面A20においては、鬼yたちの周辺のエフェクト色が変化していく演出も行われる。
なお、ここでは表示装置41の前面に配設されキャラクタの桃子mが印刷された導光板は使用しない演出であるとともに、遊技者が演出ボタン25を連打しない場合には、鬼yの減算は行われない。また、桃子mのカットインも画面A20には出さない演出であるとともに、演出ボタン25の連打有効時間は画面A20内にバーで表示される演出が行われる。さらに、演出ボタン25を1回押す場合の1押下平均で10体の鬼yを撃破するようなランダム感のある演出で鬼Y退治の減算が行われていく演出になっている。
【0195】
次いで、画面A21の連撃の場面に移り、遊技者の演出ボタン25の連打に合わせて一気に画面A21の奥まで桃子mが突進し、桃子mの鬼yに対する憎しみを文字発生で盛り上げる演出が行われる。具体的には、桃子mが「くらえー!!」という言葉を発して鬼yを撃退する。このとき、桃子mの顔が画面内でアップされる。
次いで、画面A22に移り、ボタン出現演出が発生し、画面内にPUSHという大きなボタンが表示されて、遊技者に対して強く押すことを要求する。ここでのボタンは強い期待度を持った演出(強タイプボタン演出)となる。この演出に応答して遊技者が演出ボタン25を強く押すと、画面A23に移り、ボス鬼yに対して桃子mが「覚悟!!」という言葉を発することが行われ、この様子は「覚悟!!」とい文字表示で遊技者へ演出ボタン25の押下意欲を促進する演出を行うことになる。
【0196】
遊技者が演出ボタン25を強く押してボス鬼yが撃退されると、
図22の画面A24に移り、鬼yが0体になり、画面A24には「0体」という文字が大きく表示される。これは鬼yの撃退に成功したことを意味する演出になる。
次いで、画面A25に進み、「RUSH獲得」の表示を行うとともに、この「RUSH獲得」の文字の縮小版のRUSH獲得報知表示を画面A25の左上に貼り付け、この貼り付け状態は大当りが終了するまで継続される。なお、画面A25以降も縮小版のRUSH獲得報知表示がされているものの、図示は省いている。また、画面A25は特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちの1つである。
ここで、本願発明の請求項の記載においては「特定演出」とは大当り終了後に特定遊技状態となることを報知する演出と定義しているので、復活演出に限らず正当なRUSH獲得も当てはまることになる。
次いで、画面A26に進み、最後の鬼yを撃破したシーンを表示する。続いて画面A27に移行し、桃子mが「次の戦いに出発だー!!」という言葉を発する状態を画面A27に文字で表現するとともに、これに応じて次の画面A28で桃子mがキメポーズを取る。
次いで、画面A29に進み、RUSH獲得演出を行った後の残りのラウンドは「チャレンジBONUS」から「絶鬼BONUS」へと名称を変更し、祝福ラウンド演出をエンディングの開始(10ラウンドの終了)まで行う。RUSHを獲得できたことに際して所定の楽曲(例えば、当該遊技機のタイトルに関連する楽曲の歌ありバージョン)を含む動画を映して盛り上げる演出が行われる。
【0197】
一方、前述した画面A23でボス鬼yに対して桃子mが「覚悟!!」という言葉を発する演出の結果で、鬼yの撃退に失敗した場合には、
図23の画面A30に分岐する。
画面A30に分岐すると、画面30内にはボス鬼yが立っている様子と23体の鬼yが残存している様子が表示されて鬼yの撃退に失敗した有様が表示される失敗演出が行われる。
次いで、画面A31に移り、鬼yの撃退に失敗したので、残りのラウンドはチャレンジ演出後のラウンド演出として撃退失敗時の専用ムービー(失敗ムービー)を再生する演出が行われる。また、ここでは撃退失敗に際して所定の楽曲(例えば、RUSH獲得時に流れる楽曲の歌なしバージョン)を含む動画を映して残念な失敗を悲しむ演出が行われる。
画面A31を経ると、続いて画面A32に進んだ後に画面A34を介して画面A37の復活エンディングの演出(特定演出に相当)を行う場合、画面A31からいきなり分岐して画面A37の復活エンディングの演出(特定演出に相当)を行う場合の2つのルートがある。画面A31から画面A32に進むルートは特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちの1つである。
また、画面A31を経て画面A32に進んだ後に画面A34を介して画面A37の復活エンディングの演出に進むルートは特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちのその他の1つである。
次いで、画面A32に進み、チャレンジ演出で鬼退治に失敗したことにより、低確率画面(通常遊技状態画面)に戻ることとなるエンディングの演出を行う。エンディングの演出では、前述した撃退失敗時の専用ムービー(失敗ムービー)を継続表示しつつ、画面を暗くアンダーに落とす演出が行われる。次いで、画面A33に進み、パチンコへの「のめり込み防止」と「プリペイドカードの取り忘れ注意」を表示する演出を行う。ここでは、「のめり込み防止」と「プリペイドカードの取り忘れ注意」を表示する演出は2秒間表示することが厳守される。
ここで、画面A33では図の右側に配置されている白い四角が注意喚起の表示を示している。なお、これは注意喚起の表示をしている他の画面においても同様である。
次いで、画面A34に進み、失敗時エンディングの演出を行う。具体的には、ここでは背景復帰前演出となり、通常遊技状態の背景に切り替わる前演出として桃子mのアイキャッチ画像が画面全面に表示される。アイキャッチ画像はいきなり切り替わるのではなく、前後の画面A33、A35の背景にフェードイン、フェードアウトするようにかぶせて表示される。
次いで、画面A35に移り、失敗時エンディングの演出の終盤で、低確率画面(通常遊技状態画面)に復帰させる。これは大当りの確率が低い状態の時の画面に復帰させるもので、このまま遊技者が球を打っても大当りになる確率は低く、このままでは大当り発生は殆どない状態である。また、画面A35における背景は通常の低確率画面(電源投入時の低確率画面)の背景とは異なり、大当り終了後に低確率となった場合の所定期間(例えば、30回変動)だけ表示されるナイトスパモードの背景に移行させる演出を行う。この画面A35を例えば2秒間表示する。なお、画面A35ではナイトスパの背景、保留アイコン、保留数表示、飾り小図柄などの図示は省略している。
次いで、大当り(特別遊技状態)が終了して画面A36に進み、遊技機10の画面A36で客待ち又は次の特図変動表示ゲームの開始と同時に大きく左打ち表示を表示する。これを見て、遊技者は球の左打ちを行うことになり、大当りは完全に終了し、通常の低確率に戻って遊技が行われることになる。
【0198】
一方、前述した画面A34から
図24の画面A37へ分岐する場合があり、この場合には
図24の画面A37へ分岐してエンディング復活演出が行われる。このエンディング復活演出では、画面A37で画面A35の失敗時エンディングと同様にナイトスパモードの背景に図柄を表示し、これに加えて遊技球の「右打ち」を画面の右上に表示する演出を行う。この画面A37を例えば4秒間表示する。
ここでの演出(エンディング復活演出)は、復活演出時の方が低確率画面の表示時間が長いように設定されていることを明示するものである。普通であれば、図柄が変動開始しているはずの時間を過ぎても図柄が変動開始しないので、その違和感でも普通と違うこと(RUSH獲得したこと)を遊技者に気付かせることもできるからである
次いで、画面A38に進む。なお、このとき画面A37とは異なり、画面A37bのように、画面内に図柄の表示が無い演出にするようにしてもよい。画面A37bを経ると画面A38に進む。画面A38に進むと、斬撃発生の演出が行われる。斬撃発生では、2つの刀剣が重なってツバぜりあいが行われるという衝撃の画像演出となる。これを見て遊技者は、衝撃の画像演出から、今後何か特別なことが起きるのではという期待感が膨らむ。次いで、画面A39に移行し、「RUSH獲得」という表示が突然に現れ、RUSH状態へと移行できることを遊技者に報知する演出が行われる。このとき、所定の楽曲(例えば、当該遊技機のタイトルに関連する楽曲の歌ありバージョン)を含む動画を映して盛り上げる演出が行われる。
また、このときRUSH獲得表示の縮小版のRUSH獲得報知表示を画面A39の左上に貼り付ける演出も同時に行われる。この貼り付け表示は、大当りが終了するまで継続される。
【0199】
次いで、画面A40へ進み、「RUSH獲得」という文字が出現して遊技者に知らせるとともに、キャラクタの桃子mがキメポーズを取り、場を盛り上げるとともに、さらに桃子mが「次の戦いに出発だー!!」叫んで威勢のいいところを見せる演出が行われる。
ここで、大当りエンディング中において画面A37のように失敗時エンディングと同様に低確率画面であるナイトスパモードの背景を表示した後に画面A38の斬撃発生の演出を行い、その後、画面A39、A40により「RUSH獲得」の報知が行われるという流れからなるエンディング復活演出は所定の演出である場合に相当する。
なお、本実施例では特殊演出=通常画面の表示内容が普段と違うというように定義されるので、ここでは特殊演出でなく、所定の演出である場合としている。
次いで、
図29の画面C1へ進み、画面に「右打ち」の表示を出すとともに、画面C2にて大当り後のRUSH中における演出タイプの選択を行った後、エンディング期間が終了すると、以後は、絶鬼RUSHというRUSH状態(高確率状態又は時短状態、特定遊技状態)に移行する。
なお、「大当り中に行われるチャレンジ演出において鬼との戦いに敗れると、一連のラウンド遊技が終了した後のエンディングは失敗時エンディング演出になる。このエンディングが終了して通常遊技の画面に戻ったと見せかけた後に、実はチャレンジ成功でRUSHを獲得できたことを遊技者に復活的に報知する演出がエンディング復活演出である。
チャレンジ演出は、画面に停止表示された大当り図柄からは大当り後に特定遊技状態(高確率状態又は時短状態、RUSH状態)となるかならないかが分からないようになっており(例外の図柄あり(例えば:「777」図柄当り))、チャレンジ演出というゲームを行った結果によって大当り後に特定遊技状態となるかどうかをはっきりさせる演出の流れになっている(復活演出があるので例外はある)。
なお、当該遊技機10では、チャレンジ演出のマンネリ化を防止するため、大当りの1ラウンド目にチャレンジ演出の演出タイプ(一撃モード、鬼殲滅モード)を遊技者に選択させている(画面A9)。
【0200】
ここで、以上の第1実施例の画面A7から画面A40までの演出制御の流れに着目すると、通常図柄「222」で特別遊技状態としての大当りが発生したときチャレンジBONUSが出て桃子mが鬼yを退治するという戦いの演出(チャレンジ演出)を行い、鬼yとの戦いで桃子mが鬼撃退に失敗した場合には、画面A31などを経て画面A34に移行し、失敗時エンディングの演出を行って画面A35に移り、失敗時エンディングの演出の継続中で、低確率画面A36に復帰させ、通常遊技状態になるが、画面A34の失敗時エンディング中に画面A37又はA37bの見せかけの低確率画面が表示された後、画面A38の斬撃発生の演出を経て「RUSH獲得」の表示が現れてRUSH獲得したことを遊技者に報知する演出が行われる。
すなわち、大当り中に行われるチャレンジ演出において鬼との戦いに敗れると、一連のラウンド遊技が終了した後のエンディングは失敗時エンディング演出になる。このエンディングが終了して通常遊技の画面に戻ったと見せかけた後に、実はチャレンジ成功でRUSHを獲得できたことを遊技者に復活的に報知する演出がエンディング復活演出であり、このチャレンジ演出では画面に停止表示された大当り図柄からは大当り後に特定遊技状態(高確率状態又は時短状態、RUSH状態)となるかならないかが分からないようになっている。ただし、例外の図柄があり、例えば「777」で大当りになったときは大当り後に特定遊技状態(高確率状態又は時短状態、RUSH状態)になることが分かるようになっている。
【0201】
上記演出の発明の概念は、下記のように表される。
識別情報を変動するゲームや遊技に関する情報を表示可能な表示手段と、
この表示手段を制御するとともに、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特典を付与するように制御する制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記制御手段は、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にし、前記チャレンジ演出に失敗するとRUSHを獲得不能にし、特殊演出として、前記チャレンジ演出に失敗し、特別遊技状態のエンディング演出の中で特別遊技状態が終了して通常ステージに移行したように見せる演出を行った後に所定の演出(例えば、斬撃発生の演出)を行って、RUSH獲得を遊技者に告知するような特定演出を行うことが可能であり、
特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような制御を行うことを特徴とする遊技機。
ここで、遊技制御装置100、払出制御装置200及び演出制御装置300は全体として制御手段を構成している。また、表示装置41は識別情報を変動するゲームを表示可能な表示手段を構成している。
また、別の観点から、上記演出の発明の概念を組み立てると下記のように表される。
変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行うというような各種の演出を表示可能である遊技機。
【0202】
また、前述したように、ラウンド遊技中である画面A31を経て、エンディング演出期間となって画面A32に進んだ後に画面A34を介して画面A37~画面A40→画面C1へと続くエンディング復活の演出(特定演出に相当)を行う場合と、ラウンド遊技中である画面A31からいきなり分岐して画面A38→画面A39→画面A40→画面A27→画面A28→画面A29→画面C1の演出を行うラウンド復活の演出(特定演出に相当)を行う場合の2つのルートがあり、画面A31から画面A39に進むラウンド復活の演出に進むルートは特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちの1つであるとともに、画面31を経て画面A32に進んだ後に画面A34を介して画面A37のエンディング復活の演出に進むルートは特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちのその他の1つであると説明している。
上記の複数のタイミングを含む演出の発明の概念は、下記のように表される。
始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態(大当り)を発生可能な遊技機において、
前記ゲームに関連する演出を制御可能な制御手段と、
遊技球の入賞により前記始動条件が成立する普通変動入賞装置と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記普通変動入賞装置への入賞が容易な特定遊技状態を発生可能であり、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態において、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態(RUSH)が発生することを示唆又は報知する特定演出を実行可能であり、
前記特定演出(RUSH獲得の報知演出)を実行するタイミングには複数のタイミングがあることを特徴とする遊技機。
ここで、普通変動入賞装置37は普通変動入賞装置に相当する。遊技制御装置100及び演出制御装置300は制御手段を構成する。
なお、上記の発明の概念において、特定演出とは「RUSH獲得の報知演出」(例えばA25の画面)のことを指している。ここでは失敗と見せて復活する2パターンを挙げているが、普通にチャレンジ演出に成功して「RUSH獲得」と表示されるものも含むので、実際上は3パターン以上ある。
「これは、「鬼殲滅モード」と「一撃モード」であっても、獲得報知するタイミングは異なるためであり、そのために上記のように3パターン以上ある。
【0203】
<「「1撃モード」の演出>
次に、前述した「チャレンジBONUS」における画面A9のラウンド演出(チャンジ演出)選択の演出でキャラクタの桃子が登場すれば成功となる「1撃モード」を選択した場合の演出について説明する。
「1撃モード」が選択されると、
図25の「1発告知」に関する演出に入る。
「1発告知」として遊技者に成功を告知する方法としては、例えば表示装置41の前面に配設されキャラクタの桃子mが印刷された導光板が虹色に発光する演出(登場演出)を行うことによって行う。登場演出の後は祝福ラウンド演出に切り替える。
「1発告知」の演出では、まず、
図25の画面B1に進み、ムービーの再生の演出を行う。ここでのムービーの再生では、最後まで桃子の登場演出が行われないまま終わるパターンの演出失敗ムービーを使用して演出を行う。このとき、ゲーム説明を画面B1に合わせて表示し、そのゲーム説明では「桃子登場でRUSH獲得」との文字を入れるとともに、楽曲(例えば、当該遊技機のタイトルに関連する楽曲であり、「鬼殲滅モード」で流れる楽曲とは異なる楽曲の歌なしバージョン)を含む動画を再生した演出が行われる。
ここでの画面B1での演出を経ると、以降に説明するように、複数の分岐枝のどれかに分岐して演出が続いて行く。
まず、画面B2の失敗時エンディングに分岐する場合から説明する。
桃子が登場することなくチャレンジ演出が終了し、その後一連のラウンド遊技が終了した場合は、エンディング期間の演出は失敗時エンディングとなる。
失敗時エンディングに分岐する場合には、画面B1から画面B2に分岐して演出を進めて行くことになる。画面B2に移ると、失敗ムービーを継続表示しつつ画面B2を暗くアンダーに落とすとともに、次の画面B3でパチンコへの「のめり込み防止」と「プリペイドカードの取り忘れ注意」を表示する演出を行う。この演出は2秒間表示することが厳守される。次いで、画面B4に進み、失敗時エンディングの演出を行う。ここでは背景復帰前演出となり、通常遊技状態の背景に切り替わる前演出として桃子mのアイキャッチ画像が画面全面に表示される。アイキャッチ画像はいきなり切り替わるのではなく、前後の画面B3、B5の背景にフェードイン、フェードアウトするようにかぶせて表示される。
【0204】
次いで、画面B5に進み、失敗時エンディングの演出の終盤で、低確率画面に復帰したことを報知するとともに、ここでの背景は普段の通常遊技画面(電源投入時の通常遊技画面)の背景とは異なり、大当り終了後に通常遊技状態となった場合の所定期間(例えば、30回変動)だけ表示されるナイトスパモードの背景に移行させる演出を行う。次いで、画面B6に移行し、遊技球の「左打ち」を表示して遊技者へ報知する演出を行う。画面B6の後は「通常ゲーム」へ戻ることになる。
これは大当りの可能性が低い状態の時の画面に復帰させることから、遊技球の「左打ち」を指示して、通常の特図変動表示の遊技ゲームに戻る(通常遊技に復帰)ことになる。
【0205】
一方、画面B4で分岐して画面B7に進む場合について説明する。この場合には、画面B7にて背景にナイトスパモードの背景と同一背景とした演出を行う。
次いで、画面B8に移り、斬撃発生の演出が行われる。斬撃発生では、2つの刀剣が重なってツバぜりあいが行われるという衝撃の画像演出となる。これを見て遊技者は、衝撃の画像演出から、今後何か特別なことが起きるのではという期待感が膨らむ。次いで、画面B9に移行し、「RUSH獲得」という表示が突然に現れ、RUSHを獲得したことを遊技者に報知する演出が行われる。このとき、所定の楽曲(例えば、当該遊技機のタイトルに関連する楽曲であり、「1撃モード」で流れる楽曲の歌ありバージョン)を含む動画を映して盛り上げる演出が行われる。なお、このときの画面B7からエンディング期間の終了までの演出の時間値は鬼殲滅モードのときの画面A37からエンディング期間の終了までの演出の時間値とを合わせている。
画面B9の後は、
図29の画面C1へ進み、画面に「右打ち」の表示を出すとともに、画面C2にて大当り後のRUSH中における演出タイプの選択を行った後、エンディング期間が終了すると、以後は、絶鬼RUSHというRUSH状態(高確率状態又は時短状態、特定遊技状態)に移行する。
一方、前述した画面B1から分岐して2ラウンドから8ラウンドまでのチャレンジ演出中に桃子が登場して成功となる演出に分岐する場合には、
図26の画面B1から画面B10に分岐して演出を進める。
「1撃モード」において、桃子が登場するタイミングは、1ラウンドから9ラウンドにおける各ラウンドの大入賞口への1個目の遊技球の入賞時とされる。つまり、合計9回のチャンスが遊技者に与えられたゲームとなっている。何れのタイミングでも桃子が登場しなかった場合にはチャレンジ失敗となり前述した失敗時エンディングに移行するが、9回のうち何れかのタイミングで桃子が登場したらチャレンジ成功となりRUSH獲得演出に移行する。
大当り終了後に特定遊技状態とならない場合にはチャレンジ失敗の演出とするため何れのタイミングでも桃子が登場しないよう予め設定し、大当り終了後に特定遊技状態となる場合には何ラウンド目に登場させるかを予め設定しておく。例外的にエンディング復活演出を行う場合には、全てのラウンドで登場しないように設定する。
チャレンジ演出の成功演出としての桃子の登場は1回だけとされ、登場してRUSH獲得演出を行った後の残りのラウンドは「チャレンジBONUS」から「絶鬼BONUS」へと名称を変更し、祝福ラウンド演出をエンディングの開始(10ラウンドの終了)まで行う。
アタッカー(AT)入賞のタイミングで画面B10に進み、表示装置41の前面に配設されキャラクタの桃子mが印刷された導光板が虹色に発光する演出が行われる。次いで、画面B11へ進み、祝福の桃子フラッシュの演出が行われる。次いで、画面B12へ移り、RUSH獲得表示の演出となり、「RUSH獲得」の文字が大きく画面に表示されてRUSHを獲得できたことを報知する。なお、画面B13に示すように、画面は「絶鬼BONUS」の画面表示となり、RUSH獲得表示の文字は縮小版のRUSH獲得報知表示として画面B13の左上に貼り付けられて「絶鬼BONUS」以降も引き続きその縮小表示が継続されることになる。また、画面B12は特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちの1つである。
画面B13の以後は「ラウンド演出継続」となる。「ラウンド演出継続」では、エンディングの開始まで「絶鬼BONUS」の画面表示となって祝福ラウンド演出が行われることになる。このとき、所定の楽曲(例えば、当該遊技機のタイトルに関連する楽曲であり、「1撃モード」で流れる楽曲の歌ありバージョン)を含む動画を映して盛り上げる演出が行われる。今回説明する桃子の登場演出は、2ラウンドから8ラウンドの何れかのタイミングで行われる演出であるため、登場演出の終了後から10ラウンド終了するまでの残りのラウンド遊技が祝福ラウンド演出とされる。
【0206】
次に、前述した画面B1から分岐して9ラウンドでのチャレンジ演出中に桃子が登場して成功となる演出に分岐する場合について説明する。画面B1から
図27の画面B14に分岐する場合には、アタッカー入賞のタイミングで画面B14に進み、表示装置41の前面に配設されキャラクタの桃子mが印刷された導光板が虹色に発光する演出が行われる。次いで、画面B15へ進み、祝福の桃子フラッシュショートバージョンの演出が行われる。当該遊技機における大当りは10ラウンドの遊技となっており、9ラウンド目に成功となる演出を実行した場合には、10ラウンドの終了までにRUSH獲得の報知演出が終了できるようにするためショートバージョンの演出を行うこととしている。
次いで、画面B16へ移り、RUSH獲得表示のショートバージョンの演出となり、「RUSH獲得」の文字が大きく画面に表示されてRUSHを獲得できたことを報知する。なお、RUSH獲得表示の文字は縮小版のRUSH獲得報知表示として画面B16の左上に貼り付けられて「絶鬼BONUS」以降も引き続きその縮小表示が継続されることになる。以後はRUSH獲得の報知演出を短くするため、画面B13のような演出は行わずに画面B17に示すようにエンディングの開始まで「RUSH獲得」の表示を継続する。このとき、画面は「絶鬼BONUS」の画面に変わらないが所定の楽曲(例えば、当該遊技機のタイトルに関連する楽曲であり、「1撃モード」で流れる楽曲の歌ありバージョン)を流して盛り上げる演出が行われる。また、画面B16は特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちの1つである。
画面B17以後は「ラウンド演出継続」の状態になる。これは、9ラウンドのタイミングで行われる演出なので、10ラウンド終了するまで、僅かであるが、ラウンド遊技が残っているからである。
【0207】
次に、1ラウンド目で桃子が登場して成功となる場合について説明する。前述した画面A9で「1撃モード」を選択し、1ラウンド目を開始した直後のアタッカー入賞タイミングでは
図28の画面B18のように表示装置41の前面に配設されキャラクタの桃子mが印刷された導光板が虹色に発光する演出が行われる。1ラウンド目で成功となるパターンが選ばれた場合は、遊技者が遊技球を発射していれば直ちにアタッカーへと入賞するので、失敗ムービーの再生をほぼ見ることなく桃子が登場する演出となる。次いで、画面B19へ進み、祝福の桃子フラッシュの演出が行われる。次いで、画面B20へ移り、RUSH獲得表示の演出となり、「RUSH獲得」の文字が大きく画面に表示されてRUSHを獲得できたことを報知する。なお、画面B20に示すように、RUSH獲得表示の文字は縮小版のRUSH獲得報知表示として画面B20の左上に貼り付けられて「絶鬼BONUS」以降も引き続きその縮小表示が継続されることになる。また、画面B20は特定演出を実行するタイミングには複数のタイミングがあるうちの1つである。
次いで、画面B21へ移り、フェードで「絶鬼BONUS」へ移行する演出が行われる。また、このとき所定の楽曲(例えば、当該遊技機のタイトルに関連する楽曲であり、「1撃モード」で流れる楽曲の歌ありバージョン)を含む動画を映して盛り上げる演出が行われる。以後は、全てのラウンドが終了するまで「絶鬼BONUS」としてゲームが継続して行われる。
【0208】
ここで、以上の第1実施例の画面B1から画面B21までの演出制御の流れに着目すると、前述したファンファーレ演出期間(ラウンド開始前演出期間)における画面A9のラウンド演出(チャレンジ演出)選択の演出でキャラクタの桃子が登場すれば成功となる「1撃モード」が選択されると、
図25の「1発告知」の演出に入り、「1発告知」の演出では、まず、
図25の画面B1に進み、ムービーの再生の演出が行われ、ここでのムービーの再生では、演出失敗ムービーを使用して演出が行われる。そして、ここでの画面B1での演出を経ると、複数の分岐枝のどれかに分岐して演出が続いて行くが、画面B2の失敗エンディングに分岐する場合には、画面B4に進んで、失敗時エンディングの演出が行われて背景復帰演出となり、その結果、画面B5に進んで、失敗時エンディングの演出として低確率画面に復帰したことを報知するとともに、ここでの背景にナイトスパモードの演出が行われる。
次いで、画面B6に移行し、遊技球の「左打ち」を表示して遊技者へ報知する演出が行われて、結局、通常の特図変動表示の遊技ゲームに戻る(通常遊技に復帰)ことになる。すなわち、このケースでは、通常遊技に復帰することから、遊技者はRUSHへの期待が外れに終わり、落胆することになる。
このとき、画面B5では、失敗時エンディングの演出として低確率画面に復帰したことの報知に加えてここでの背景にナイトスパの背景を加えた演出が行われる。
遊技者にしてみれば、画面B5のナイトスパモードの背景に遭遇した場合には失敗時エンディングの印象が強く残り、RUSHに到達しないという残念な思いに至ることになる。
そのため、遊技者は今回は遊技に負けた印象を持つと思われ、例えば次回に同じ機種の遊技機で遊技をした場合に、背景にナイトスパモードの背景が現れると、RUSHへの期待感が低くなることが考えられる。
【0209】
そこで、第1実施例では、画面B4に進んで失敗時エンディングの演出が行われた後に次に進む画面でどのような演出が現れるかが大きな関心事項になるはずであることに着目し、画面B4から分岐して画面B7に進むルートを設けた演出にしている。
この場合には、画面B4から分岐して画面B7に進み、画面B7にて背景にナイトスパモードの背景を採用した演出を行う。
この際の遊技者の心理状態にしてみると、失敗時エンディングの演出として画面B5に進んだ場合に、ナイトスパモードの背景を加えた演出が行われたことを覚えていれば、今回の遊技ゲームで画面B7に進んで背景にナイトスパモードの背景を採用した演出が行われたら、ナイトスパモードの背景演出は、RUSHへの期待感が低くなる印象を持つことが当然であろう。
このとき、演出制御では画面B7から画面B8に進むこととなり、画面B8では斬撃発生の演出が行われるという衝撃の画像演出となり、続く画面B9にて「RUSH獲得」という表示が突然に現れ、RUSHを獲得したことを遊技者に報知する演出が行われた後、以後は、絶鬼BONUSのエンディングに移行する。
上記演出の発明の概念は、下記のように表される。
変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、チャレンジ演出失敗時エンディングの演出を行い、チャレンジ演出失敗時エンディングの演出の中で所定の背景画像を表示させ、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行う第1の演出ルートと、
チャレンジ演出に失敗すると、チャレンジ演出失敗時エンディングの演出を行い、当該チャレンジ演出失敗時エンディングの演出の中で前記第1のルートの場合とは異なる所定の背景画像を表示させてRUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行う第2の演出ルートとを備えた制御を行うというような各種の演出を表示可能である遊技機。
ここで、表示装置41は識別情報を変動するゲームを表示可能な表示手段を構成している。
【0210】
次に、「絶鬼BONUS」のエンディング演出について説明する。
「絶鬼BONUS」のエンディングに進むのは前述した「鬼殲滅モード」で鬼の殲滅に成功した場合や、「1撃モード」で桃子が登場した場合、及びそれぞれの復活演出を経て「RUSH獲得」という演出が表示されて、RUSHを獲得できた場合であり、全てのラウンド遊技が終了したら、以後は、ここで説明する「絶鬼BONUS」のエンディングの演出に移行する。
「絶鬼BONUS」のエンディング演出に進むと、
図29に移り、画面C1から続く画面によりRUSH中(特定遊技状態中)のモード選択の演出を行う。画面C1では、キャラクタ太郎tが出現し、「桃子さあ!、一緒に行こう!」という台詞を音声出力し、「鬼達と対決して勝利すれば大当り(又は小当り)となるバトルタイプ」である「絶鬼RUSH」か「パトライト(登録商標)の画像が発光するとともに「キュイン!」と音が鳴ることで大当り(又は小当り)となる一発告知タイプ」となる「桃キュインRUSH」のどちらを選択するかを選ぶ演出の前触れを述べる。
この画面C1ではエンディング開始で桃子のひと演技を挟み、エンディングが唐突に始まる感を払拭する。
ここで、画面C1乃至画面C8の全ての画面においては、画面右上の小さい「右打ち指示表示」の図示を省略している。
次いで、画面C2に進み、「バトル」と「桃キュイン」のどちらのRUSHを選択するかを決めるボタンが現れる。これはRUSHタイプのモードを「バトル」と「桃キュイン」のどちらにするかを選ぶための演出である。そして、画面C2では太郎が「桃子、どっちで勝負する?」という台詞を音声出力し桃子に問かける演出が行われる。ここでの有効尺は5秒である。ここでの選択は、例えば「バトル」と「桃キュイン」の各側が1秒間隔で点滅を繰り返すようにしておけば、どちらかの側が点滅したときそのタイミングで遊技者が演出ボタン25を押せば、所望のRUSHモードを選択できる。次いで、遊技者が演出ボタン25を押して「バトル」を選択すると、画面C3に進み、「バトル」側の部分が点滅し、RUSHモードが「バトル」に決定されたことが報知される。このとき、太郎が「桃子、張り切っていこう!」と話しかける音声演出が行われる。
【0211】
次いで、画面C4に進み、全画面に切り替わり、バトルモード用の1枚絵を表示する。ここでは桃子の大きな画像が1枚絵として表示される。また、この画面C4ではパチンコへの「のめり込み防止」と「プリペイドカードの取り注意」を注意喚起する表示を行う。この表示は2秒間継続表示することが厳守される。
次いで、画面C5に進み、メーカーロゴが表示される。次いで、画面C6に進んで、絶鬼RUSH用のワンアクションがRUSHタイトルとして表示される。次いで、画面C7に進み、「絶鬼RUSH」という表示が大きな文字で表示され、RUSHタイトルが遊技者に報知される。これにより、遊技者は「絶鬼RUSH」に突入した感覚に十分に浸ることができる。
次いで、画面C8に進み、「右打ち」の指示を大きく表示する。これにより、遊技者は球の右打ちを継続し、遊技盤30の右側遊技領域に配置されている普通変動入賞装置37に対して多くの遊技球を入賞させることができ、RUSH中(特定遊技状態中)において効率良く特
図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)を実行することができるようになる。
次いで、画面C9に進み、「絶鬼RUSH」という名のRUSH状態(特定遊技状態)が開始され、先ほど選択された「バトル」に対応する演出が開始されることになる。
【0212】
次いで、
図30に移り、前述した画面C2にてRUSH中のモードとして「桃キュイン」のどちらにするかを選ぶための演出の結果、「桃キュイン」が選択された場合には、次いで、画面C10に進み、「桃キュイン」RUSH側の部分が点滅し、RUSHモードが「桃キュイン」に決定されたことが報知される。このとき、桃子が登場し、「ドキドキするね!」と話しかける演出が行われる。
次いで、画面C11に進み、全画面に切り替わり、桃キュインモード用の1枚絵を表示する。ここでは桃子の大きな画像が1枚絵として表示される。また、桃子が「レッツ!ゴー」と叫ぶ音声演出も行われる。このとき、画面C11ではパチンコへの「のめり込み防止」と「プリペイドカードの取り忘れ注意」を注意喚起する表示を行う。
次いで、画面C12に進み、メーカーロゴが表示される。次いで、画面C13に進んで、桃キュインRUSH用のワンアクションが表示される。次いで、画面C14に進み、「桃キュインRUSH」という表示が大きな文字で表示され、RUSHタイトルが遊技者に報知される。これにより、遊技者は「桃キュインRUSH」に突入した感覚に十分に浸ることができる。
次いで、画面C15に進み、「右打ち」の指示を大きく表示する。これにより、遊技者は球の右打ちを開始し、遊技盤30の右側遊技領域に配置されている普通変動入賞装置37に対して多くの遊技球を入賞させることができ、RUSH中(特定遊技状態中)において効率良く特
図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)を実行することができるようになる。
次いで、画面C16に進み、「桃キュインRUSH」という名のRUSH状態(特定遊技状態)が開始され、先ほど選択された「桃キュイン」に対応する演出が開始されることになる。
【0213】
「特
図2変動表示ゲームに特有の大当り演出」
次に、特
図2変動表示ゲームに特有のRUSH演出について説明する。
その背景を説明すると、本実施の形態では始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の制御が行われて大当りなどの遊技が行われるが、前述した演出例は特
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)における大当りやRUSH大当りの具体例を示すものである。
一方、これとは別に、普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特
図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の制御が行われて大当りやRUSH大当りなどの遊技が行われるものがある。この場合、本実施の形態では、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている状態では、第2始動記憶に基づく特
図2変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特
図1変動表示ゲームよりも優先して実行するように構成されている。
そこで、上記の観点から、
図31を参照して特
図2変動表示ゲームに特有の大当り中演出について説明するものである。
図31は特
図2が大当りの1種である「神BONUS」となった後の演出を示す図である。
特
図2において大当り後に再びRUSH状態へ移行し次回の大当りも確定する「神BONUS」が発生すると、
図31の画面D1に進み、桃子を含む演出画像を映しながら、最終ラウンド(例えば10ラウンド)までラウンドを消化していく。次いで、画面D2に進み、「神BONUS」のリザルトを表示する。リザルトとは、今回の「神BONUS」の大当りを含む連続した大当り(連チャン)による獲得出球数と合計であり、ここでは例えば「3450」という数字が表示され、遊技者が「3450」個の球を獲得したことが表示される。また、画面D2では「次回絶鬼RUSH」との文字が表示されて次回の遊技ゲームでもRUSH状態が続くことが報知される。次いで、画面D3に進み、普電入賞まで「神BONUS」のリザルト表示を継続する。普電入賞とは、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図表示器57に特別の結果態様となる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させて普通変動入賞装置37の可動部材を所定時間(例えば、1.7秒間)開放し、このとき普通変動入賞装置37に球が入賞することを言う。画面D3を経ると、「次回絶鬼RUSH」の文字を消去し、以降は特
図2変動表示ゲームが大当り(小当りを含んでもよい)するまで画面D3と同様の表示を継続する。
【0214】
一方、特
図2において大当り後に再びRUSH状態へ移行するが次回の大当りが確定はしていない「絶鬼BONUS」が発生すると、
図31の画面D4に進み、桃子を含む演出画像を映しながら、最終ラウンド(例えば10ラウンド)までラウンドを消化していく。次いで、画面D5に進み、「絶鬼BONUS」のエンディングで「絶鬼RUSH」のモードが選択されていた場合には、「絶鬼RUSH」のタイトルを表示し、画面D6で「絶鬼RUSH」の演出でRUSH中(特定遊技状態中)の遊技ゲームを継続していく。
一方、「絶鬼BONUS」のエンディングで「桃キュインRUSH」のモードが選択されていた場合には、画面D7に分岐し、「桃キュインRUSH」のタイトルを表示し、画面D8で「桃キュインRUSH」の演出でRUSH中(特定遊技状態中)の遊技ゲームを継続していく。
【0215】
次に、出球の上乗せ演出について説明する。
特
図2において大当り後に再びRUSH状態へ移行するが次回の大当りが確定していない「絶鬼BONUS」のラウンド遊技中において、大当り後にRUSH状態へ移行し次回の大当りも確定する「神BONUS」へと昇格する昇格演出を行う場合がある。
昇格演出が行われる場合、「絶鬼BONUS」として
図31の画面D4の演出が行われて3ラウンド目が開始するタイミングで
図32の画面E13が突然発生する。
そして、画面E13では、その演出開始時に2つの刀剣が現れて接触し、画面を斬る演出が行われる。
次いで、画面E14へ進み、演出ボタン25を「押して!」(PUSH)という表示がボタンのイラストと同時に現れる。「押して!」という表示の出現は0.6秒+ボタン有効時間2.5秒の演出で行われる。
【0216】
次いで、画面E15に移り、鬼を模した上下役物装置が可動する。上下役物装置の可動では、上下役物装置の可動時は表示装置41の前面に設けられた鬼導光板を点灯させて演出を華やかにする。次いで、画面E16に進み、桃子導光板を虹色に発光させる演出を行う。次いで、画面E17に進み、役物装置の割れる(役物割れ)演出を行う。ここでは、鬼を模した上下役物装置が桃子の虹の光で割れていく演出が行われる。次いで、画面E18へ進み、出球の上乗せ演出として出球カウントアップ演出を行う。出球カウントアップ演出では、画面右下に表示されていた獲得予定数を示す分母の数字が画面中央に拡大表示され、数字の各桁が縦に高速回転しながら1ずつカウントアップされるような演出が行われる。例えば、出球数が3000から4500へ1秒程度の時間でカウントアップしてカントアップ完了となるような速度でカウントアップされる。したがって、小刻みに時間をかけてのカウントアップは行われない。
次いで、画面E19へ進み、鬼を模した上下役物装置を復帰させるとともに、出球数の上乗せ数字を停止させて上乗せ演出を終了する。画面E19では上乗せによって数字が「4500」になっている例を示している。
【0217】
次いで、画面E20に移り、「神BONUS」のラウンド演出画面に復帰する。このとき、画面の右下に表示される獲得予定数を示す分母をこのタイミングで出球数の上乗せ後の数字に変更する。ここでは分母は3000から4500へと変更されることになる。
また、分子は連チャンと見なされる連続した大当りの間に遊技者が獲得した出球数を示し、ラウンド遊技が消化されていくことによって増加していく。ここでは出球数として「2098」が表示されている。
また、画面の右上の数字はトータルの獲得出球数を示し、前述した分子と共に増加していく。トータルの獲得出球数であることから、連チャンが途切れても数値は保持される。
画面E13から画面E20の一連の演出を行うことによって、大当り後にRUSH状態へ移行し次回の大当りも確定する「神BONUS」へと昇格したことが遊技者に報知され、次回の大当りも確定することによってその次回分の大当りで獲得できる出球数「1500個」が獲得予定数を示す分母に上乗せされることになる。
このようにして出球の上乗せ演出を終了し、大当り後にRUSH状態へ移行し次回の大当りも確定する「神BONUS」へと昇格して、残りのラウンド遊技を継続する。今回の大当りでは上乗せ前の3000個まで獲得できる遊技が行われる。
また、昇格演出が発生するのは3ラウンド目に限定されるものではなく任意のラウンドで行われるものでよい。大当りの開始時に予め何ラウンド目で昇格演出を行うかを抽選によって決定するようにしてもよい。
【0218】
次に、上述した第1実施例の効果について説明する。
先に説明した通り、第1実施例の画面A7から画面A40までの演出制御の流れに着目すると、通常図柄「222」で特別遊技状態としての大当りが発生したときチャレンジBONUSが出て桃子mが鬼yを退治するという戦いの演出(チャレンジ演出)を行い、鬼撃退に失敗した場合には、画面A31などを経て画面A34に移行し、失敗時エンディングの演出を行って画面A35に移り、失敗時エンディングの演出の継続中で、低確率画面に復帰させ、通常遊技状態になるが、画面A34の失敗時エンディングの演出を行って画面A37に移った後、突然画面A38の斬撃発生の演出が発生して「RUSH獲得」の表示が現れて、その後画面A40にてRUSH獲得に成功したことを遊技者に報知するというエンディング復活演出が行われる。したがって、ここでの特殊演出は画面A38から画面A40までの演出となる。
上記演出の発明の概念は、下記のように表される。
変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、
前記通常ステージに移行した際に、所定の演出が発生した場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行うというような各種の演出を表示可能である遊技機。
また、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合の発明の概念は、下記のように表される。
変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、
該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行い、一方、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態の終了後に通常ステージに移行して特別遊技状態を終了させる演出を行い、
前記通常ステージに移行した際に、通常ステージに表示してある表示内容が特殊演出である場合に、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような演出を行うというような各種の演出を表示可能である遊技機。
【0219】
上記のように第1実施例では、通常図柄「222」で特別遊技状態としての大当りが発生したときチャレンジBONUSが出て桃子mが鬼yを退治するという戦いの演出(チャレンジ演出)が行われ、鬼撃退に失敗した場合には、画面A31などを経て画面A34に移行し、失敗時エンディングの演出を行って画面A35に移り、失敗時エンディングの演出を継続して、低確率画面に復帰させ、通常遊技状態になるので、遊技者は落胆してしまうことになる。
このことは、遊技者は今回大当りに当選して喜び、この大当り中の戦いの演出(チャレンジ演出)でRUSHを獲得できることに大いに期待したものの、RUSH(特定遊技状態)での鬼yとの戦いで桃子mが鬼撃退に失敗した場合には結局通常遊技状態に戻ってしまうので、遊技者は落胆してしまうことを意味している。
【0220】
これに対して本発明の第1実施例では、RUSH(特定遊技状態)での鬼yとの戦いで桃子mが鬼撃退に失敗して通常遊技状態に戻ってしまったように見えた場合でも、遊技者にRUSH獲得への復活のチャンスを与えることができる演出になっている。すなわち、失敗時エンディングの演出で低確率画面に復帰させるので、遊技者は大当りも終了し、もはやまた再び通常遊技状態から次の大当り発生を狙うしかないと、残念と思ったところ、突然画面A38の斬撃発生の演出が発生して「RUSH獲得」の表示が現れてRUSH獲得に成功したことを遊技者に報知する演出が行われる。
以上より、本発明の第1実施例では、従来の遊技機においては遊技の展開によっては遊技者の興趣が低下するという問題があったことに対して、遊技者にRUSH獲得への復活のチャンスが与えられので、遊技者の期待を持続させて遊技の興趣の高い遊技機を提供することができるという効果が得られることになる。
【0221】
因みに従来の遊技機では、大当り中にRUSHを獲得するか否かを演出する機種の場合、その演出失敗後はRUSH突入の期待度が低下しており、それをケアするために大当りのエンディングでRUSH獲得を告知する遊技機はあるものの、それらの機種は見た目上、遊技ゲームの段階で通常画面へ戻ると、RUSH突入を否定するものであり、最後まで遊技者の期待感を持続できるものは無かった。
これは、通常遊技の画面へ一旦戻ると、RUSH突入を否定するのが分かりやすいのと通常遊技画面へ戻ること=RUSH復活演出は無しというロジックになっていたためと思われるからである。
これに対して本発明の第1実施例では、RUSH獲得か否かの期待感を最後(大当りエンディング時間の最終)まで持続することが可能であり、遊技ゲームの通常ステージが表示されるまでRUSH獲得か否かの期待感を持続させることができ、遊技の興趣の高い遊技機を提供することができるという優れた効果が得られる。
ここで、第1実施例の画面A7から画面A40までの演出制御のプロセスに着目した場合の発明の概念を上位概念で示すと、以下のように示される。
識別情報を変動するゲームや遊技に関する情報を表示可能な表示手段と、
この表示手段を制御するとともに、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特典を付与するように制御する制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記制御手段は、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にし、チャレンジ演出に失敗すると、特別遊技状態のエンディング演出を行い、該エンディング演出の中で特別遊技状態が終了して通常ステージに移行したように見せる演出を行い、前記通常ステージに移行したように見せる演出の中で特殊演出を行い、所定の演出(斬撃発生の演出)が現れると、RUSH獲得を遊技者に告知するような所定の演出を行い、
特別遊技状態の終了後にRUSHという特定遊技状態に移行させるような制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0222】
また、上記の(所定の演出)に限定するのではなく、もう少し、概念を広げてラウンド遊技中に限らずエンディングにおいてもRUSHを獲得可能とするような発明の概念は以下のように示される。
識別情報を変動するゲームや遊技に関する情報を表示可能な表示手段と、
この表示手段を制御するとともに、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特典を付与するように制御する制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記制御手段は、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行うとともに、特別遊技状態中のみならず、特別遊技状態のエンディングにおいてもRUSHを獲得可能にするような演出を行うことを特徴とする遊技機。
ここで、前記発明の概念の構成要素をもう少し限定した発明の概念は以下のように示される。
すなわち、前記特別遊技状態のエンディングにおいてもRUSHを獲得可能にするような演出は、該特別遊技状態のエンディング演出中に、通常遊技状態の画面(通常画面)を一時的に表示し、その後、所定の復活演出を行い、RUSH突入の報知演出を行うことを特徴とする遊技機。
このような構成にすると、遊技者に対してRUSHに入らず通常遊技状態に戻ってしまたと見せかける演出の効果を醸し出すことができ、遊技者のワクワク感や期待感を一層高めることができる。
【0223】
また、第1実施例においては、演出の中で、画面B5と画面B7では、ナイトスパモードの背景画像を表示して、通常遊技画面に見せかけている。
このような演出であると、ナイトスパモードの背景画像は通常遊技に戻った悲壮感が漂い、味わいのある遊技ゲーム感を出せて面白い効果がある。
一方、これに限らず、例えば飾り大図柄を含んだ通常と同じ画面(例えば、画面A35のような画面)を一時的に表示するような構成にしてもよい。
このようにすると、飾り大図柄を含んだ通常と同じ画面になるので、遊技者にしてもみれば、より一層通常ステージに戻ったという感覚で遊技進行を進めることになり、RUSH突入の報知演出を見たときの喜びが大きいという効果が得られる。
次に、図面を用いて前述したように示した
図24における画面A37と画面A37bの内容をより具体的に構成した演出例及びその変形例について例を示して細かい演出部部分まで詳しく説明する。
図33の画面F1は実施例1の画面A37に相当する通常遊技画面をより具体的に構成した演出例として細かい演出部分まで詳しく表したものである。
図24に示す演出画面は、通常図柄「222」で特別遊技状態としての大当りが発生したときチャレンジBONUSが出て桃子mが鬼yを退治するという戦いの演出(チャレンジ演出)を行い、鬼yとの戦いで桃子mが鬼撃退に失敗した場合には、画面A31などを経て画面A34に移行し、失敗時エンディングの演出を行って画面A35に移り、失敗時エンディングの演出の継続中で、低確率画面A36に復帰させ、通常遊技状態になるが、画面A34の失敗時エンディング中に画面A37又はA37bの見せかけの通常遊技画面が表示された後、画面A38の斬撃発生の演出を経て、画面A39の「RUSH獲得」の表示が現れた後、画面A40に進んでRUSH獲得したことを遊技者に報知する演出が行われるようになっている。
【0224】
上記のように、失敗時エンディング中に画面A37又はA37bの見せかけの通常遊技画面が表示された後、画面A38の斬撃発生の演出を経て、画面A39の「RUSH獲得」の表示が現れた後、画面A40に進んでRUSH獲得したことを遊技者に報知する演出が行われるようになっているという部分の発明の概念は以下のように示される。
始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記ゲームに関連する演出を制御可能な制御手段と、
遊技球の入賞により前記始動条件が成立する普通変動入賞装置と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記普通変動入賞装置への入賞が容易な特定遊技状態を発生可能であり、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態において、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態が発生することを示唆又は報知する特定演出を実行可能であり、
前記特定演出を、通常遊技状態で表示される少なくとも一部の画像を表示した後に実行可能であることを特徴とする遊技機。
この場合、特定遊技状態が発生することを示唆又は報知する特定演出とは、通常遊技状態で表示される少なくとも一部の画像を表示した後に実行可能であるものであるが、実施例の例で言えば、上述したように、失敗時エンディング中に画面A37又はA37bの見せかけの通常遊技画面が表示された後、画面A38の斬撃発生の演出を経て、画面A39の「RUSH獲得」の表示が現れた後、画面A40に進んでRUSH獲得したことを遊技者に報知する演出が該当している。
そして、通常遊技状態で表示される少なくとも一部の画像を表示とは、画面A37又はA37bの見せかけの通常遊技画面の表示が該当している。
このような発明概念によれば、遊技者に対してRUSHに入らず通常遊技状態に戻ってしまたと見せかける演出の効果を醸し出すことができ、遊技者のワクワク感や期待感を一層高めることができる。
【0225】
次に、実施例1は他の発明の概念も含むので、他の発明の概念についても説明する。
上記のように、失敗時エンディング中に画面A37又はA37bの見せかけの通常遊技画面が表示された後、画面A38の斬撃発生の演出を経て、画面A39の「RUSH獲得」の表示が現れた後、画面A40に進んでRUSH獲得したことを遊技者に報知する演出が行われるようになっているという部分の発明の概念は以下のように示される。
始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記ゲームに関連する演出を制御可能な制御手段と、
遊技球の入賞により前記始動条件が成立する普通変動入賞装置と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記普通変動入賞装置への入賞が容易な特定遊技状態を発生可能であり、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態において、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態が発生することを示唆又は報知する特定演出を実行可能であり、
前記特定遊技状態が発生することを報知する特定演出は、変動表示ゲームの実行中にも実行可能な共通演出を含むものであることを特徴とする遊技機。
この場合、特定遊技状態が発生することを報知する特定演出とは、変動表示ゲームの実行中にも実行可能な共通演出を含むものであるが、実施例の例で言えば、上述したように、失敗時エンディング中に画面A37又はA37bの見せかけの通常遊技画面が表示された後、画面A38の斬撃発生の演出を経て、画面A39の「RUSH獲得」の表示が現れた後、画面A40に進んでRUSH獲得したことを遊技者に報知する演出が
該当している。
そして、特定演出には、共通演出として画面A38の斬撃発生の演出(昇格するという規則性がある演出)が含まれるものである。
ここで、実施例の例であれば、上述したように桃子mが鬼撃退に失敗した場合に、画面A31などを経て画面A34に移行し、画面A34の失敗時エンディング中に画面A37又はA37bの見せかけの通常遊技画面が表示された後に、画面A38の斬撃発生の演出を経て、画面A39の「RUSH獲得」の表示が現れた後、画面A40に進んでRUSH獲得したことを遊技者に報知する演出が行われることになる。そして、画面A38の斬撃発生の演出が共通演出に該当しているものとなっている。
このように、画面A38のような斬撃発生の演出(共通演出)が現れるので、遊技者にとっては、これはおかしいRUSHの布石かも知れないと期待感が強く膨らむことになり、遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができるといいう効果がある。
【0226】
この実施例では上述したように、「画面A38のような斬撃発生の演出(共通演出)があるといいことがある」、すなわち「斬撃発生の演出があるといいことがある」ということが遊技者に認識されるように、上記特定演出で使うのと同じ画像(画面A38のような斬撃発生の演出画像)を以下のような演出を使用してもよい。
なお、以下の変形態様では、「斬撃発生の演出があるといいことがある」ということが遊技者に認識されるように、変動表示ゲーム中にも実行し、かつ上記特定演出で使うのと同じ画像((画面A38のような斬撃発生の演出画像)を使うようにする。
(1)例えば、ノーマルリーチでリーチが終了してはずれたと見せかけて、斬撃発生の演出が行われるとスペシャルリーチ(SPリーチ)に発展するような演出を行うようにしてもよい。
これによると、ノーマルリーチでリーチが終了してはずれたと見えるので、遊技者は落胆してがっかりするが、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われので、遊技者は強い期待感を持つことになる。何故なら、以前の遊技ゲームで「斬撃発生の演出があるといいことがある」ということが遊技者に認識されている(これには本日中の遊技や過去の同一機種での遊技も含まれる)ので、斬撃発生の演出後にスペシャルリーチ(SPリーチ)に発展すると、遊技者は格段に強い期待感を持ち、大当りへの期待が高まり、遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
【0227】
(2)また、例えば確変図柄(遊技者に有利な図柄)ではない通常図柄が揃った後、斬撃発生の演出が行われると確変図柄へと昇格するというような演出を行うようにしてもよい。
これによると、確変図柄(遊技者に有利な図柄)ではない通常図柄が揃ったら、大当りではあるものの、遊技者は期待外れような気分になるが、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われので、遊技者は(1)の変形態様の場合と同様に「斬撃発生の演出があるといいことがある」ということが遊技者に認識されているので、斬撃発生の演出後に通常図柄から確変図柄へと昇格する演出を見て、遊技者は連続大当りへの期待感を持ち、格段に遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
(3)変形態様の例として、変動表示ゲーム中にリーチが発生するかもというそぶりを見せて実際にはリーチ発生に至らない演出、具体的には、先に左図柄が停止し、次いで、右図柄がスローで左図柄と同じ図柄でスクロールに移り、当該図柄で停止すると見せかけて実際には左図柄と同じ図柄で停止せず、リーチがかからなかった演出の場合に、その直後に、斬撃発生の演出が行われてリーチに発展するような演出を行うようにしてもよい。
これによると、リーチが発生するかもというそぶりを見せて実際にはリーチ発生に至らない演出になるので、遊技者は期待外れような気分になるが、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われてリーチに発展するので、遊技者は「斬撃発生の演出があるといいことがある」ということが遊技者に認識されているので、斬撃発生の演出後にリーチに発展する演出を見て、遊技者は大当りへの期待感を持ち、格段に遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
【0228】
(4)変形態様の例として、上記(3)の変形態様でリーチがかからなかった演出の場合に、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われてリーチに発展するが、当該リーチ結果が大当りにならず外れ遊技となった場合に、その外れ遊技の直後に、突然に斬撃発生の演出が行われて大当りに発展するような演出を行うようにしてもよい。
これによると、リーチが発生するかもというそぶりを見せつつもリーチ発生に至らない演出であっても斬撃発生の演出があるとリーチに発展し遊技者は安心するものの当該リーチ結果が大当りにならず外れ遊技となるので、かなりがっかりするが、外れ遊技の直後に突然に斬撃発生の演出が行われて大当りに発展するので、遊技者は「斬撃発生の演出があるといいことがある」という認識を複数回(ここでは2回)持つことになり、遊技者にしてみれば、まさにどんでん返しの遊技結果になり、とてつもなく遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を格段に高めることができる。
(5)変形態様の例として、大当り終了時点で特
図1保留アイコンの表示が4つある場合、大当り終了から通常遊技が始まり変動表示ゲームが開始されたとき、最初は特
図1保留アイコンの表示1に対する保留に基づく変動表示ゲームから開始されるが、遊技者にしてみると、特
図1保留に基づく変動表示ゲームでリーチが発生し、大当りになると、いわゆる保留内大当りとなり、とても縁起がいいと感じるものである。
そこで、特
図1保留アイコンの表示が4つある場合に、どの保留の基づく変動表示ゲームであっても、リーチが発生しさえすれば、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われて大当りに発展するような演出にしてもよい。
そのようにすると、遊技者は「斬撃発生の演出があるといいことがある」ということが遊技者に認識されているので、遊技者は特
図1保留に基づく変動表示ゲームでリーチが発生すると、その後に斬撃発生を期待する期待感を持ち、多いに遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
なお、上記は特
図1保留アイコンの表示が4つある場合の演出例であるが、大当り終了時点で特
図2保留アイコンの表示も4つある場合には、大当り終了後の変動表示ゲームが開始されたときには、優先的に先に特
図2保留アイコンの表示に対する保留に基づく変動表示ゲームから開始され、それを消化した後に、特
図1保留アイコンの表示に対する保留に基づく変動表示ゲームから遊技ゲームが消化されていくので、特
図2保留アイコンの表示に対する保留に基づく変動表示ゲームについても、上記と同様にリーチが発生しさえすれば、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われて大当りに発展するような演出にしてもよい。
そのようにすると、遊技者は斬撃発生に対する期待感を持ち格段に遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
【0229】
(6)次に、上記(5)の更なる変形態様として、大当り終了時点で特
図1保留アイコンの表示が4つある場合、大当り連チャンの観点から遊技者は4つのどれかの保留内大当りに期待感が高まるものであるが、とりわけ最後の4番目の特
図1保留(いわゆるラスト保留)に基づく変動表示ゲームについては、遊技機10の演出に効果的な仕掛けが仕組まれていないか、遊技者ははらはらドキドキして期待感が高まる傾向にあるものである。
そこで、最後の4番目の特
図1保留(ラスト保留)に基づく変動表示ゲームについてリーチが発生した場合には、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われて大当りに発展するような演出にしてもよい。
そのようにすると、遊技者は「斬撃発生の演出があるといいことがある」ということが遊技者に認識されているので、とりわけ最後の4番目の特
図1保留(ラスト保留)に基づく変動表示ゲームでリーチが発生し、しかもその後に斬撃発生の演出が行われると、大当り連チャンへの期待感が爆発的に高まり興奮の極致に達して遊技ゲームに対する多幸感を得て遊技の興趣を高めることができるとともに、遊技店にしてみても格段に客付きが良くなるという効果が得られる。
なお、上記は特
図1保留アイコンの表示が4つある場合の演出例であるが、大当り終了時点で特
図2保留アイコンの表示も4つある場合には、大当り終了後の変動表示ゲームが開始されたときには、優先的に先に特
図2保留アイコンの表示に対する保留に基づく変動表示ゲームから開始され、それを消化した後に、特
図1保留アイコンの表示に対する保留に基づく変動表示ゲームから遊技ゲームが消化されていくので、特
図2保留アイコンの表示に対する保留に基づく変動表示ゲームについても、上記と同様に最後の4番目の特
図2保留(ラスト保留)に基づく変動表示ゲームについてリーチが発生した場合には、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われて大当りに発展するような演出にしてもよい。
そのようにすると、遊技者は斬撃発生に対する期待感を持ち格段に遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
【0230】
(7)次に、大当り終了後にいわゆる時短(チャンスタイム)に突入する場合には、普通変動入賞装置37の開放確率が高くなって遊技者にとって有利な状態が発生して特
図2保留が溜まるので、遊技者は変動表示ゲーム中に球を殆ど減らすことなく遊技を継続することができる。そして、この変動入賞装置37の開放確率が高確率状態なる状態は大当り終了後から、例えば100回転程度に設定されることが多い。
この場合、優先的に先に特
図2保留アイコンの表示に対する保留に基づく変動表示ゲームから開始され、最後の100回転目が近づくと、例えば、「残り3回転・・2回転・・1回転と表示して遊技者に知らせる演出も行われるようになっていいる場合には、例えば残り1回転のラストの変動表示ゲームが開始されると、その直後に突然に斬撃発生の演出が行われて大当りに発展するような演出にしてもよい。
そのようにすると、遊技者は時短(チャンスタイム)に突入した場合にあっても、斬撃発生に対する期待感を持ち格段に遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。また、大当り連チャンへの期待感も高めることができる。
【0231】
ここで、
図33の演出画面を説明の都合上、画面F1として説明していく。画面F1はナイトスパモードにおけるナイトスパ背景の演出例を示すものである。
スパとは、心と体を健康にするための施設という意味合いであり、特にナイトスパは夜間のスパというニュアンスであり、ナイトスパ背景は夜間のスパにおける風景というイメージになる。
画面F1において、501は飾り大図柄を示しており、飾り大図柄501は「2」の数字を漢数字で横並びで3列に表した数字と3個のロボットを模したキャラクタとを組みは合わせた図柄として構成されている。飾り大図柄501は識別情報に相当し、識別情報は第1構成要素(キャラクタ)と第2構成要素(数字)を含む構成であり、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動が遊技ゲームに相当している。
図33に示す画面F1内にはステージ名称表示部502が配置されており、ここでは「ナイトスパモード」がステージ名称表示部502に示されている。また、画面F1には特
図1保留アイコン503が特
図1保留台座と共にセットとして示されている他、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507、エア設定表示部508が配置されているとともに、「右打ち表示」の画像が表示されている。
【0232】
ここで、
図33に示す画面F1は表示装置(演出表示手段、表示手段)が液晶表示装置で構成されることから、上記の特
図1保留アイコン503(及び特
図1保留アイコン503の特
図1保留台座と共にセットとして示されている部分を含む)、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507、エア設定表示部508などは全て液晶表示装置の画面上の画像として作成されており、例えばLEDで構成されるものではない。
特
図1保留アイコン503は特
図1の保留を表示するもので、液晶表示装置によって液晶の画面上に形成されていることから特
図1保留台座の丸い表示部が点灯すれば、表示されて丸の数だけ保留があることを表すようになっている。また、特
図1保留台座の丸い表示部の消灯で保留無しを表すようになっている、
そして、特
図1保留アイコン503の丸は全体で4個配置されており、最大で4個の特
図1保留があることを示すことが可能になっている。
特
図1数字保留部504は特
図1の保留数を数字で表すもので、特
図1保留台座(丸みを帯びた細長い長方形)の上に表示されている丸の数だけ保留があることを表すようになっている。
そして、特
図1保留アイコン503の丸は全体で4個配置されており、現在4個の特
図1保留があることを示している。
特
図1数字保留部504は特
図1の保留数を数字で表すもので、この画面F1の例では「4」が表示されており、これにより、特
図1の保留数が4個であることを示している。また、特
図2数字保留部505は同様に特
図2の保留数を数字で表すもので、この画面F1の例では「0」が表示されており、これにより、特
図2の保留数が0個であることを示している。
飾り小図柄表示部506は飾り小図柄を表示するもので、この例では漢数字の「2」が縦に3列で表示されている。遊技カスタムメニューアイコン507は遊技機10の状態を初期設定から変更できるもので、例えば特定の演出を自分(遊技者)好みに変えられる設定を行えるものである。
【0233】
エア設定表示部508は遊技機10の上部に設けられた送風口から遊技者に向かって風が噴出される演出が発生したときの大当りの期待度を示すものである。画面F1の例では、「超激アツ」との表示が出ており、送風演出が発生したときに実行している変動表示ゲームが大当りとなる期待度が非常に高くなるものである。この期待度設定は遊技カスタムメニューから行うことができ、「超激アツ」の他に、送風演出の期待度を下げて演出の発生頻度を上げた「激アツ」や、送風演出を実行しないようにする「OFF」を遊技者は選択できる。
さらに画面F1の右上には変動回数表示部509が配置されており、変動回数表示部509は変動表示ゲームの実行回数を表示するようになっている。
このように、画面F1ではナイトスパの背景を映しながら、飾り大図柄501、飾り小図柄表示部506、特
図1保留アイコン503、特
図2数字保留部505の他に通常遊技画面で表示される各種オブジェクトを表示するので、遊技者は本物の通常遊技画面との区別がつかず、通常遊技に戻ってしまったと落胆することになる。しかし、直後に画面A38の斬撃発生の演出から始まる「RUSH獲得の演出」によってRUSHを獲得できたことを知ることになるので、このギャップの大きさから普段よりも大きな喜びを感じ、遊技の興趣をより高めることができる。
【0234】
「変形例」
次に、上記の本発明の第1実施例における変形例について説明する。
(1)演出の中で、画面F1では、通常遊技画面と全く同じ画面を表示して、通常遊技画面に見せかけている。
このような演出であると、ナイトスパモードの背景画像は通常遊技に戻った悲壮感が漂い、味わいのある遊技ゲーム感を出せて面白い効果がある。
(2)RUSHに入らず通常遊技状態に戻ってしまったと見せかけるための通常遊技画面について、第1実施例においては通常の通常遊技画面と違いが無いが、この変形例として例えば、飾り大図柄を非表示にして違いを出すようにしてもよい。
ここで、
図34乃至
図36は前述した画面A37bの詳細な演出例及びその変形例を示したものである。
まず、
図34の画面F2は第1実施例の画面A37bの詳細な演出例を示す図であり、特に飾り大図柄なしの演出例である。
画面F2においては、飾り大図柄501の表示が無く比較的に殺風景な風情を持った背景が特長である。そして、
図36に示す画面F2内にはステージ名称表示部502、特
図1保留アイコン503、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507、エア設定表示部508、変動回数表示部509が配置されているものの、飾り大図柄501の表示が無くかなりすっきりするとともに、その代わりに、ナイトスパの施設内の様子があちこち見えるような風景が表示されている。
【0235】
ここでは、浴槽511、複数の観葉植物512が見えるとともに、窓越しに月513の全体が見える風景になっている。
このような画面F2の演出にした場合、飾り大図柄の無い殺風景な風情の画面を含んだ通常画面になるので、遊技者にしてもみれば、より一層通常ステージに戻ったという感覚で遊技進行を進めることになり、RUSH突入の報知演出を見たときの喜びが大きいという効果が得られる。
また、特に演出面での効果としては、このようにすると、エンディング演出が終了して通常遊技状態に戻るべく通常遊技画面が表示されたはずが普段とは何か違う、と遊技者が違和感を持った直後に画面A38の斬撃発生の演出が行われて「RUSH獲得」の報知が行われることになる。この画面A38の斬撃発生の演出が行われる直前の違和感によって、遊技者は一瞬早く「RUSH獲得」に成功したことを確信できるので優越感や安心感を感じ得ることになり遊技の興趣を高めることができる。
(3)次に、変形例として、第1実施例の画面A37bを
図34の画面F3に示すように、飾り大図柄501は表示されるものの、保留アイコンが無い演出例にしてもよい。
この画面F3の例では画面中央に飾り大図柄501は表示されているが、特に特
図1保留アイコン503の表示が無い演出になっている。前述した画面F1と比べて、特
図1保留アイコン503の表示が無いだけであり、その他は画面F1と同様である。
すなわち、画面F3においても、ステージ名称表示部502、特
図1保留アイコン503、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507、エア設定表示部508、変動回数示部509は配置されている。
このようにすると、特
図1保留アイコンの表示が無いという違和感があり、特に遊技者にしてみれば、通常遊技画面のようだが通常遊技画面ではない間違い探しのような演出になり、遊技者も必死になって間違い探しを始めて熱くなるので、遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
【0236】
(4)次に、変形例として、第1実施例の画面A37bを
図35の画面F4に示すように、飾り大図柄501は表示されるものの、特
図1保留アイコン503が無い演出例にしてもよい。
この画面F4の例では画面中央に飾り大図柄501は表示されているが、特に特
図1保留アイコン503の表示が無い演出になっているとともに、画面F1と比べて、画面F1では特
図1保留アイコン503があった位置に、画面F4では特
図1保留アイコン503が無く、その代わりに、当該その位置に特
図2保留アイコン514が配置されている構成になっている。
図35に示す画面F4内にはステージ名称表示部502、特
図2保留アイコン514、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507、エア設定表示部508、変動回数表示部509は配置されているのである。
このようにすると、特
図1保留アイコン503の表示が無いという違和感があるとともに、通常であれば特
図1保留アイコン503が配置される場所にちゃっかり特
図2保留アイコン514が配置されているので、遊技者が注意力を働かせて、かなり注意深くみると、ようやく気付くという結果になるので、遊技者にしてみれば、通常遊技画面のようだが通常遊技画面ではない間違い探しのような演出になり、遊技者も必死になって間違い探しを始めて熱くなり、熱心にかつ集中してようやく間違いが分かり、これはおかしいRUSHの布石から知れないと期待感が膨らむので、遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
【0237】
(5)次に、変形例として、第1実施例の画面A37bを
図35の画面F5に示すように、飾り大図柄501は表示されるものの、特
図1保留アイコンが無い演出例にしてもよい。
この画面F5の例では画面中央に飾り大図柄501は表示されているが、特に特
図1保留アイコン503の表示が無い演出になっているとともに、さらに画面F4と比べて、画面F4では元来特
図1保留アイコン503があった位置に、画面F5では特
図1保留アイコン503が無く、画面F4ではその代わりに(当該その位置に)特
図2保留アイコン514あったものが画面F5では特
図2保留アイコン514さえも配置が無いという大きな違和感が生じる構成になっている。
ただし、
図35に示す画面F5内にはステージ名称表示部502、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507、エア設定表示部508、変動回数表示部509は配置されているのである。
このようにすると、特
図1保留アイコンの表示が無いという違和感があるとともに、通常であれば特
図1保留アイコン503が配置される場所にちゃっかりでもなんでもなく、このケースでは特
図2保留アイコン514さえも配置が無いという大きな変更になっている。
そのため、遊技者がよほど注意力を働かせて、徹底的に画面F5を観察しないと、間違いが分からず、それこそ必死になって注意深くみると、ようやく気付くという結果になる。したがって、遊技者にしてみれば、通常遊技画面のようだが通常遊技画面ではない間違い探しのような演出になり、遊技者も必死になって間違い探しを始めて熱くなり、熱心にかつ集中して、それこそ、かつ以前の画面F1から画面F4までの全ての画面を思い出して、画面F5と比較検討して努力してようやく間違いが分かることになり、これはおかしいRUSHの布石かも知れないと期待感が強く膨らむので、遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
【0238】
(6)次に、変形例として、第1実施例の画面A37bを
図36の画面F6に示すように、飾り大図柄の表示が無いとともに、さらに特
図1保留アイコンが無く、加えて特
図2保留アイコンさえも無いという演出例にしてもよい。
この画面F6の例では画面中央に飾り大図柄の表示が無いが、ただし、画面F6内にはステージ名称表示部502、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507、エア設定表示部508、変動回数表示部509が配置されているだけである。したがって、飾り大図柄の表示が無くかなりすっきりするとともに、その代わりに、ナイトスパの施設内の様子があちこち見えるような風景が表示されている。
ここでは、浴槽511、複数の観葉植物512が見えるとともに、窓越しに月513の全体が見える風景になっている。
特に画面F6の中央部分には、特
図1保留が4個、特
図2保留が2個あるにもかかわらず、特
図1保留アイコンや特
図2保留アイコンの表示も全く無い演出になっている。
したがって、画面F4と比べて、画面F4の元来特
図1保留アイコン503があった位置に、画面F6では特
図1保留アイコン503が無く、変わりに、当該その位置に特
図2保留アイコン514さえも配置が無いという大きな違和感が生じる構成になっている。
このように、画面F6内にはステージ名称表示部502、特
図1数字保留部504、特
図2数字保留部505、飾り小図柄表示部506、遊技カスタムメニューアイコン507
エア設定表示部508、変動回数表示部509が配置されているだけであり、そのため、飾り大図柄の表示が無くかなりすっきりするとともに、その代わりに、ナイトスパの施設内の様子があちこち見えるような風景が表示されている。
このような画面F6の演出にした場合、飾り大図柄の表示が無いばかりか、さらに特
図1保留アイコンや特
図2保留アイコンの表示も無いという極めて殺風景な風情の画面を含んだ通常画面になるので、遊技者にしてもみれば、特
図1保留アイコン及び特
図2保留アイコンの表示も無いという違和感があり、遊技者目線では通常遊技画面のようだが通常遊技画面ではない間違い探しのような演出になり、遊技者も必死になって間違い探しを始めて熱くなるので、遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる
【0239】
(7)その他の変形例として、例えば飾り大図柄を非表示にすることに限らず、例えば飾り小図柄や保留アイコン、数字保留表示等、通常遊技画面に表示されるオブジェクトの何れかを非表示にしたり、任意に組み合わせて非表示にするようにしてもよい。非表示とするオブジェクトを状況に応じて決定したり、ランダムに決定してもよい。
ただし、通常遊技状態に戻ってしまったと見せかけるための通常遊技画面では、遊技球の右打ち表示は非表示にしないようにする。この見せかけの通常画面を表示している間はまだ特別遊技状態中であり右打ちを行う期間だからである。右打ち表示を非表示にすると遊技者が左打ち期間になったと誤認する虞があり、左打ちに戻すことによって損害を被る場合も考えられる。この演出の目的は遊技者に違和感を感じさせることが目的であり、嘘をつくのが目的ではない。
このようにすると、通常遊技画面のようだが通常遊技画面ではない間違い探しのような演出を行うことができ、遊技ゲームを面白くして遊技の興趣を高めることができる。
(8)ここで、特別遊技状態のエンディング演出において、正規の通常画面の表示を開始するタイミングと、見せかけの通常画面の表示を開始するタイミングとは同じに設定してあるが、これは各タイミングを同じにした方が遊技者に見せかけとばれないからである。
なお、遊技の進行状況によっては、タイミングを多少異ならせてもよい。
例えば、見せかけの通常画面の表示を開始するタイミングを多少遅くしてもよい、このようにすると、遊技者が表示タイミングに違和感を感じて、RUSH獲得復活の期待感を持たせることもできる。
【0240】
(9)見せかけの通常画面を表示した際に、違和感を感じさせる演出パターンの変形例としては、以下のパターンがある。
まず、特
図2の保留がある場合には、以下の通りの変形例がある。
A.飾り大図柄は表示し、特
図1保留アイコンの代わりに特
図2保留アイコンを表示するようにしてもよい。
このようにすると、通常遊技状態では特
図1が主変動表示ゲームとなるので、本来は特
図1の保留アイコンが表示されるはずだが、特
図2保留アイコンが表示されることによる違和感が出て、RUSHに対して遊技者に何らかの期待感を持たせる演出にできるという効果がある。
B.飾り大図柄は表示し、保留アイコンを表示しないようにしてもよい。ただし、数字保留表示は正しく表示するようにする。
このようにすると、特
図2の保留があれば、特
図2の保留アイコンが表示されるはずだが、特
図2について数字保留表示だけが表示されることの違和感が出て、RUSHに対して遊技者に何らかの期待感を持たせる演出にできるという効果がある。
【0241】
C.飾り大図柄を表示せず、保留アイコンは表示しない。ただし、数字保留表示は正しく表示するようにする。
このようにすると、特
図2の保留があれば、特
図2の保留アイコンが表示されるはずだが、特
図2について数字保留表示だけが表示されることの違和感が出て、RUSHに対して遊技者に何らかの期待感を持たせる演出にできるという効果がある。
(10)次に、見せかけの通常画面を表示した際に、違和感を感じさせる演出パターンの変形例としては、以下のパターンがある。
まず、特
図2の保留がない場合には、以下の通りの変形例がある。
D.特
図2の保留がない場合には、飾り大図柄は表示せず、保留アイコンも表示しない。ただし、数字保留表示は正しく表示するようにする。
このようにすると、通常は飾り大図柄が表示されるはずだが、飾り大図柄が表示されないという違和感が出て、RUSHに対して遊技者に何らかの期待感を持たせる演出にできるという効果がある。
【0242】
「第2実施例」
次に、本発明の第2実施例について説明する。
前述した第1実施例の遊技機10では、大当りラウンド中に停電が発生した場合、大当りラウンド中の「特定演出」は行わない構成になっている。したがって、大当りラウンド中に停電が発生した場合であって、その後電源が復旧したときには、電源が復旧した時点以降大当り期間が終了するまで「停電復旧画面」を表示し、大当り期間が終了した時点でRUSH中の画面に切り替わる。
これに対して本発明の第2実施例として、大当りラウンド中に停電が発生した場合であって、その後電源が復旧したときには、電源が復旧した時点以降大当り期間が終了するまで「停電復旧画面」を表示し、大当り期間が終了した時点でRUSH中の画面に切り替わるが、大当りのエンディングコマンドを受信したことにより、エンディング演出の時点から正常な画面に復旧して「特定演出」を実行するような構成にしてもよい。
これはエンディングコマンドの種類でどの内容のエンディング演出を行うのかを判別可能なためである。
上記のような第2実施例の発明概念は、下記のように表される。
識別情報を変動するゲームを表示可能な表示手段と、この表示手段を制御するとともに、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特典を付与するように制御する制御手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるとともに、該特別遊技状態中に停電が発生した場合には、その後電源が復旧したときに、電源が復旧した時点以降大当り期間が終了するまで「停電復旧画面」を表示し、大当り期間が終了した時点でRUSH中の画面に切り替えるとともに、大当りのエンディングコマンドを受信した場合には該エンディングコマンドに基づく演出の時点から正常な画面に復旧して「特定演出」を実行するように制御することを特徴とする遊技機。
ここで、遊技制御装置100、払出制御装置200及び演出制御装置300は全体として制御手段を構成している。また、表示装置41は識別情報を変動するゲームを表示可能な表示手段を構成している。
このような第2実施例によれば、以下の効果がある。
すなわち、第1実施例では停電が発生したとき、その後電源が復旧したときには、電源が復旧した時点以降大当り期間が終了するまで「停電復旧画面」を表示し、大当り期間が終了した時点でRUSH中の画面に切り替わるため、それまで遊技機ゲームの開始を待つ必要があるが、遊技者を待たせるこのなっているが、これに対して本発明の第2実施例では、停電から電源の復旧後に、大当りのエンディングコマンドを受信したことにより、エンディング演出の時点から正常な画面に復旧して「特定演出」を実行することができるので、遊技者を待たせる必要がなく、遊技ゲームがスムーズになるという効果が得られる。
したがって、遊技者がイライラすることが減少し、遊技の集中することができる。
【0243】
「第3実施例」
次に、本発明の第3実施例について説明する。
本発明の第3実施例として、大当り中では最後までRUSH獲得失敗の演出を行い、大当り終了後の1回転目の変動表示ゲームで「RUSH獲得」の演出を行う構成にしてもよい。
上記構成の第3実施例についての発明の概念は以下のように示される。
識別情報を変動するゲームや遊技に関する情報を表示可能な表示手段と、
この表示手段を制御するとともに、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特典を付与するように制御する制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記制御手段は、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような演出を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような演出を行うとともに、特別遊技状態中のみならず、特別遊技状態中では、大当りエンディング中においても特別遊技状態の最後までRUSH獲得失敗の演出を行い、大当り終了後の1回転目の変動表示ゲームで特定演出を行い、RUSHを獲得していたことを報知可能にするように制御することを特徴とする遊技機。
上記構成の第3実施例における具体的な演出制御の例は、以下の通りである。
A.通常背景で変動表示ゲームの図柄変動を開始し、図柄変動の途中で「RUSH獲得の演出」が被せられるようにする。「RUSH獲得の演出」は図柄変動の演出とは同期せず、互いに独立した演出を行い、図柄変動が終了した時にRUSH時背景に切り替わる。
また、RUSHの復活演出を行う場合の大当り終了後1回目の図柄変動表示ゲームは、演出を実行できるだけの長めの変動時間となるように構成する(当り・はずれ共に長めの変動にする)。なお、ここでは大当りしたときの本特図の種類で、復活演出を行うかどうかが決まっている。
【0244】
B.このときの通常背景の表示については「左打ちに戻してください」の表示は行なわず、右上の「右打ち」表示を継続する。このようにすると。実はこの右打ち表示が続いていることで遊技者が既にRUSH獲得を暗示的に知ることが可能になることが分かる。
このようにすると、「右打ち」表示を継続する演出に対して遊技者が素直に期待感を持ってくるので、遊技の興趣がより高められる。
C.大当り終了時に全く保留がなく、例えば特
図1保留、特
図2保留ともに「0」のような場合には、特
図1又は特
図2の何れも変動開始できない場合になるので、特
図1及び特
図2の何れも変動していない状態で一定時間経過後(ここでは、変動した場合と同じタイミング)に「RUSH獲得の演出」が行われるとともに、この演出後RUSH時の背景に変えて「RUSH獲得の演出」を行う前の状態となるように構成する。
このようにすると、大当り終了時に全く保留がない場合であっても、一定時間経過後に「RUSH獲得の演出」が行われので、遊技者の期待感を一層高めることができる。
なお、この場合には、表示装置41の画面がRUSH時の表示に切り替わるので、背景画像とともに、飾り大図柄、保留アイコン、モード名表示等が変化することになる。
ただし、RUSH中は保留アイコン(及び台座)は非表示としてもよい。なお、数字保留表示は継続して表示するようにしておく。
D.特
図1又は特
図2の何れも大当り後すぐに変動開始せず、上記一定時間が経過する前に変動開始した場合には、大当り終了から一定時間となる時点から上記(A)と同様に「RUSH獲得の演出」を実行する。
ここでは、変動の演出とRUSH獲得の演出の関係は、上記(A)とは、ずれた状態となる。
また、一定時間が経過して「RUSH獲得の演出」を開始した後に変動を開始した場合も同様にずれた状態で演出が行われる。
【0245】
「第4実施例」
大当り終了時に全く保留がなく、例えば特
図1保留、特
図2保留ともに「0」のような場合には、特
図1又は特
図2の何れも変動開始できない場合になるので、特
図1及び特
図2の何れも変動しない状態で待機し、特
図1又は特
図2の何れかが始動入賞するまで通常背景での図柄停止表示を行う。
次いで、特
図1又は特
図2の何れかが始動入賞したら始動入賞した特図の変動を開始し、所定時間経過後に「RUSH獲得」の演出を実行するような制御を行ってもよい。
このようにすると、大当り終了時に全く保留がない場合であっても、特
図1又は特
図2の何れかが始動入賞したら始動入賞した特図の変動を開始して、一定時間経過後に「RUSH獲得の演出」が行われので、落胆していた遊技者に驚きを与え興趣を一層高めることができる
上記構成の第4実施例についての発明の概念は以下のように示される。
識別情報を変動するゲームや遊技に関する情報を表示可能な表示手段と
第1始動入賞領域への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特
図1変動表示ゲームの実行制御を行うとともに、第2始動入賞領域への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特
図2変動表示ゲームの制御を行うとともに、前記表示手段の表示内容を制御するとともに、前記変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特典を付与するように制御する制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記制御手段は、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となったときに特別遊技状態を発生させるような制御を行うとともに、該特別遊技状態中にチャレンジ演出を行い、前記チャレンジ演出に成功するとRUSHを獲得可能にするような制御を行うとともに、特別遊技状態の終了時に、第1始動記憶及び第2始動記憶が全く無い場合には、特
図1及び特
図2の何れも変動しない状態で待機し、第1始動記憶又は第2始動記憶の何れかが発生するまで通常背景での図柄停止表示を行い、その後、特
図1又は特
図2の何れかの始動記憶が発生すると始動入賞した特図の変動を開始し、所定時間経過後に「RUSH獲得」の特定演出を実行するような制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0246】
次に、本願記載の発明の適用範囲について説明する。
(1)遊技機は、遊技球を使用して遊技を行うものである場合でも、実施例のような例に限らず、封入球式遊技機にも適用できる。
(2)また、遊技球を用いた遊技機に限るものではなく、メダル(あるいはコイン)を用いて遊技を行う、いわゆるパチスロ機(回胴式スロットマシン遊技機)などに対しても適用することができる。また、メダル(あるいはコイン)を使用しないメダルレスパチスロ機にも適用することができる。
(3)飾り特図の表示装置などの表示装置は液晶を用いた表示装置に限らず、例えば有機EL、ブラウン管、ドットLED、7セグメントLED、電子ペーパのように曲がる素材を用いた装置など表示内容を変化させて演出できる部材であれば何でもよい。
【0247】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、上述の各変形例、各実施形態の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。