(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011732
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】容器ホルダ
(51)【国際特許分類】
B60N 3/10 20060101AFI20240118BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60R7/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113977
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松土 賢人
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088LA02
3B088LB00
3D022CA16
(57)【要約】
【課題】各種飲料容器に広く対応し、収容された飲料容器を常に安定的に保持し、常に円滑かつ容易に飲料容器の収容及び取り出しを行い得る容器ホルダを提供する。
【解決手段】容器20を保持する容器ホルダ1であって、上面に開口2bを有し容器を収容する有底の容器収容室2aが形成されたホルダ本体2と、容器収容室に収容された容器を安定的に保持する容器保持機構3とを具備し、容器保持機構はホルダ本体に対して第1支軸11a回りに揺動自在に配置される揺動部材11と、揺動部材に対して第2支軸12a回りに回動自在に配置される回動部材12と、容器収容室の径方向内側に向けて揺動部材を突出させる方向に付勢する付勢部材13とを備え、容器収容室に対して容器が収容又は取り出される過程において、容器の外表面が揺動部材又は回動部材の外面の一部に当接し、揺動部材が第1支軸回りに揺動するか又は回動部材が第2支軸回りに回動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を保持する容器ホルダであって、
上面に開口を有し前記容器を収容する有底の容器収容室が形成されたホルダ本体と、
前記容器収容室に収容された前記容器を安定的に保持する容器保持機構と、
を具備し、
前記容器保持機構は、前記ホルダ本体に対して第1支軸回りに揺動自在に配置される揺動部材と、前記揺動部材に対して第2支軸回りに回動自在に配置される回動部材と、前記容器収容室の径方向内側に向けて前記揺動部材を突出させる方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記容器収容室に対して前記容器が収容又は取り出される過程において、前記容器の外表面が前記揺動部材又は前記回動部材の外面の一部に当接し、
前記揺動部材が前記第1支軸回りに揺動するか、又は前記回動部材が前記第2支軸回りに回動することを特徴とする容器ホルダ。
【請求項2】
前記回動部材を回動自在に軸支し、かつ前記回動部材を前記容器収容室の径方向に移動させる押圧支持部材と、
前記押圧支持部材を前記容器収容室の径方向において内側に向けて付勢する第2付勢部材と、をさらに具備し、
前記回動部材は前記第2支軸回りに転動自在に軸支されるローラであることを特徴とする請求項1に記載の容器ホルダ。
【請求項3】
前記ローラは、前記容器収容室に前記容器が収容されるとき、前記容器の外表面に当接して転動すると共に、前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記押圧支持部材と共に前記容器収容室の径方向において外側に向けて退避する方向に移動することを特徴とする請求項2に記載の容器ホルダ。
【請求項4】
前記揺動部材は、前記容器収容室の前記開口の外周縁部近傍から前記開口の径方向内側に向けて、かつ底面に向けて形成される傾斜面を、さらに有し、
前記傾斜面は、前記容器収納室に前記容器が収容されるとき、前記容器の外表面に当接し、前記容器の底面への移動に応じて前記揺動部材を揺動させることを特徴とする請求項1に記載の容器ホルダ。
【請求項5】
前記回動部材は、円弧形状部分を有し、前記第2支軸回りに回転自在に軸支されるアーム部材であり、
前記容器収容室に収納された前記容器が引き出されるとき、前記アーム部材は、前記容器の移動に伴って前記揺動部材とは別個に前記第2支軸回りに回動することを特徴とする請求項1に記載の容器ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両の車室内に設けられ、飲料容器等を保持した状態で収容する容器ホルダに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両においては、飲料等を充填したカップ又はボトル等の飲料容器等が、乗員等により車室内に持ち込まれた場合に、その飲料容器等を収容し載置するためのカップホルダ又はボトルホルダ等と呼ばれる容器ホルダ(以下、単に容器ホルダと呼称する)が設けられている。
【0003】
従来の容器ホルダにおいては、車両が走行中であっても飲料容器等を安定した状態で保持するための機構を備えて構成したものが、種々提案されており、また一般に実用化されている。
【0004】
例えば、日本国特許第6445452号公報,国際特許公開WO2016/178325号公報等によって開示されている容器ホルダは、容器収容室の中心軸線を中心とする円の接線方向に延びる回転軸線を有するローラを用いた容器保持機構を備えている。
【0005】
この種の容器保持機構に用いられるローラは、容器収容室を囲うように複数配置されている。これら複数のローラは、容器収容室の径方向内側に向けて付勢されることにより、容器収容室の径方向に移動し得るように構成されている。このような構成により、複数のローラは容器収容室に収容された飲料容器等を安定的に保持する。
【0006】
また、例えば、日本国特許公開2021-59186号公報,日本国特許公開2014-198489号公報等によって開示されている容器ホルダは、容器収容室の径方向内側に向けて略円弧形状に突出する形態からなるアーム部材又は揺動部材を用いた容器保持機構を備えている。これらアーム部材又は揺動部材は、付勢部材によって容器収容室の径方向内側に向けて付勢されている。このような構成により、アーム部材又は揺動部材は容器収容室に収容された飲料容器等を安定的に保持する。
【0007】
ところで、近年、一般に普及している飲料容器等は、特にいわゆるペットボトル(PET bottle, plastic bottle)と呼ばれる合成樹脂製のボトル型飲料容器においては、様々なサイズ(容量,直径,高さ等の外形寸法等)や形態(外表面上に凹凸などの各種のデザインが施されたもの等)を有するものが一般に普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国特許第6445452号公報
【特許文献2】国際特許公開WO2016/178325号公報
【特許文献3】日本国特許公開2021-59186号公報
【特許文献4】日本国特許公開2014-198489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記各公報などによって開示されている従来の形態の容器ホルダでは、様々なサイズや形態の飲料容器等に充分に対応しきれていないという問題点がある。
【0010】
例えば、外表面上に凹凸などが施された飲料容器の場合、特に大きなくびれ形状(表面が凹んだ形状)を有する飲料容器等の場合、容器収容室から飲料容器を取り出す際に、ローラやアーム部材又は揺動部材などの容器保持機構の一部が飲料容器の外面の凹凸部分に引っ掛かってしまう可能性がある。
【0011】
このように、飲料容器を取り出す際に支障が生じた場合であっても、例えば、取り出し中の飲料容器の位置や引き出し方向をずらす等の一工夫を、使用者が加えることによって取り出すことはできる。しかしながら、このような煩瑣な操作が伴ってしまうと、使用者に不要なストレスを与えてしまうという問題点がある。
【0012】
本発明は、様々なサイズや形態の各種の飲料容器等に広く対応することができ、収容された飲料容器等を常に安定的に保持することができると共に、常にスムースかつ容易に一動作で飲料容器等の収容及び取り出しを行うことができる容器ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の容器ホルダは、容器を保持する容器ホルダであって、上面に開口を有し前記容器を収容する有底の容器収容室が形成されたホルダ本体と、前記容器収容室に収容された前記容器を安定的に保持する容器保持機構とを具備し、前記容器保持機構は、前記ホルダ本体に対して第1支軸回りに揺動自在に配置される揺動部材と、前記揺動部材に対して第2支軸回りに回動自在に配置される回動部材と、前記容器収容室の径方向内側に向けて前記揺動部材を突出させる方向に付勢する付勢部材とを備え、前記容器収容室に対して前記容器が収容又は取り出される過程において、前記容器の外表面が前記揺動部材又は前記回動部材の外面の一部に当接し、前記揺動部材が前記第1支軸回りに揺動するか、又は前記回動部材が前記第2支軸回りに回動する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、様々なサイズや形態の各種の飲料容器等に広く対応することができ、収容された飲料容器等を常に安定的に保持することができると共に、常にスムースかつ容易に一動作で飲料容器等の収容及び取り出しを行うことができる容器ホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態の容器ホルダの概略構成を示す外観斜視図
【
図2】
図1の矢印符号[2]で示す方向から見た概略平面図
【
図4】
図1に示す容器ホルダに含まれる容器保持機構の一つを取り出して示す外観斜視図
【
図6】本発明の第1の実施形態の容器ホルダに第1の形態の飲料容器を収容する際の途中経過の状態を示す図
【
図8】
図7の後、容器ホルダへの飲料容器の収容完了状態を示す図
【
図9】本発明の第1の実施形態の容器ホルダに第2の形態の飲料容器を収容し取り出す際の作用を説明する図であって、容器ホルダの初期状態を示す図
【
図10】
図9の後、容器ホルダへ飲料容器を収容する際の途中経過の状態を示す図
【
図12】本発明の第2の実施形態の容器ホルダの概略構成を示す外観斜視図
【
図14】
図12に示す容器ホルダに含まれる容器保持機構の一つを取り出して示す外観斜視図
【
図16】本発明の第2の実施形態の容器ホルダに第1の形態の飲料容器を収容する際の途中経過の状態を示す図
【
図18】本発明の第2の実施形態の容器ホルダに収容された第3の形態の飲料容器を取り出す際の作用を説明する図であって、容器ホルダに飲料容器が収容された状態を示す図
【
図20】
図19の後、飲料容器と容器保持機構との当接が解除される直前のようすを示す図
【
図21】
図20の後、飲料容器の引き上げが完了し容器ホルダが初期状態に復帰したようすを示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
【0017】
[第1の実施形態]
図1~
図11は、本発明の第1の実施形態を示す図である。このうち、
図1~
図5は本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。また、
図6~
図11は本発明の第1の実施形態の作用を示す図である。
【0018】
まず、本発明の第1の実施形態の容器ホルダの構成を、
図1~
図5を用いて以下に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の容器ホルダの概略構成を示す外観斜視図である。
図2は、
図1の矢印符号[2]で示す方向から見た概略平面図である。
図3は、
図1の[3]-[3]線に沿う概略断面図である。
図4は、
図1に示す容器ホルダに含まれる容器保持機構の一つを取り出して示す外観斜視図である。
図5は、
図3に示す容器保持機構の分解斜視図である。なお、
図1~
図4においては、容器保持機構の無負荷状態を示している。
【0019】
図1等に示すように、本実施形態の容器ホルダ1は、ホルダ本体2と、複数の容器保持機構3等によって構成されている。
【0020】
ホルダ本体2は、例えばボトル型飲料容器(
図3等の符号20参照;以下、飲料容器20という)を収容する容器収容室2aを有して形成されている。この容器収容室2aは、上面に開口2bを有し、底面に床面2cを有する。本実施形態に例示する容器収容室2aは、例えば開口2b及び床面2cを略円形状に形成され、全体として略円柱形状の空間を形成している。しかしながら、容器収容室2aの形態は、この例示の構成例に限られることはない。
【0021】
なお、容器収容室2aは、
図2,
図3等に示すように、上面の開口2bの直径Daよりも、底面の床面2cの直径Dbの方が若干小となるように形成されているのが望ましい(Da>Db)。
【0022】
容器保持機構3は、容器収容室2aに収容された飲料容器20を安定的に保持するための機構ユニットである。容器保持機構3は、容器収容室2aを囲うように複数配設されている。本実施形態の容器ホルダ1においては、例えば
図2等に示すように、3個の容器保持機構3を、容器収容室2aの開口2bの中心軸O回りに略等間隔(例えば角度120度間隔)の各位置に配置している。なお、容器保持機構3の配置数は、本実施形態で例示する個数に限られることはない。しかし、容器保持機構3は、1つの容器ホルダ1について、少なくとも3個以上を配置するのが望ましい。
【0023】
図2において、二点鎖線で示す円Dsは、当該容器ホルダ1における3つの容器保持機構3を用いて容器収容室2a内で安定的に保持することのできる飲料容器の最小直径の概略を示している。
【0024】
また、同
図2の二点鎖線で示す直線Wrは、容器ホルダ1が初期状態(後述する)にあるとき、各容器保持機構3の構成部材のうち容器収容室2a内の最も内側に存在する部位(本例ではローラ12の外周部位)と開口2bの中心軸Oとを結ぶ直線距離を示す。
【0025】
したがって、
図2において示す符号Wrは、直径Dsを有する飲料容器の半径に相当する。なお、
図3において二点鎖線で示す符号20は飲料容器の一形態の例示である。
【0026】
次に、本実施形態の容器ホルダ1に含まれる容器保持機構3の詳細構成を、以下に説明する。容器保持機構3は、
図4,
図5等に示すように、ボディ11と、ローラ12と、ネジリコイルばね13と、ローラ押圧部材14と、ローラ付勢ばね15等によって構成されている。
【0027】
ボディ11は、ホルダ本体2に対して揺動自在に配置される揺動部材である。ボディ11は、全体として略L字形状の平面を有し、扁平な板形状にて形成されるブロック部材である。
【0028】
ボディ11の一腕部の先端部分近傍領域には第1支軸11a(
図5参照)が形成されている。この第1支軸11aは、当該ボディ11をホルダ本体2に対して揺動自在に軸支する軸部である。第1支軸11aの中心軸線Ax1は、開口2bの中心軸Oを中心とする円(
図2参照)の接線に略平行である。
【0029】
第1支軸11aには、ネジリコイルばね13が巻回されて配設されている。そのために、ボディ11には、第1支軸11aの近傍にばね配置部11b(
図5参照)が形成されている。
【0030】
ネジリコイルばね13は、当該ボディ11の揺動範囲の一端を規定すると共に、当該ボディ11を所定の揺動方向へ付勢する付勢力を生じさせる第1付勢部材である。そのために、
図3に示すように、ネジリコイルばね13の一腕13aは、ホルダ本体2の所定の固定部2dに係止されている。また、ネジリコイルばね13の他腕13bは、ボディ11の所定の固定部11kに係止されている。このような構成により、ボディ11は、第1支軸11aの中心軸線Ax1回りの揺動がネジリコイルばね13によって所定の範囲に規制される。同時に、ボディ11は、ネジリコイルばね13の付勢力によって、第1支軸11aの中心軸線Ax1回りの所定の方向(容器収容室2aの開口2bの径方向内側に向けた方向)に付勢されている。
【0031】
なお、
図1~
図4に示す状態は、ネジリコイルばね13が初期状態にある無負荷状態を示している。このとき、ボディ11は
図3に示す状態が維持されている。
【0032】
一方、ボディ11の他腕部の先端部分近傍領域にはローラ12が配設されている。ローラ12は、ボディ11に対して回動自在に配置される回動部材である。ローラ12は、全体として平板な略円板形状に形成されている。
【0033】
また、ローラ12は第2支軸12aを有して形成されている。この第2支軸12aは、当該ローラ12をボディ11に対して転動自在に軸支する軸部である。そのために、第2支軸12aは、その中心軸線Ax2がローラ12の中心軸と略一致する位置に配置されている。
【0034】
第2支軸12aの中心軸線Ax2は、第1支軸11aと同様に、開口2bの中心軸Oを中心とする円(
図2参照)の接線に略平行である。つまり、第1支軸11aの中心軸線Ax1と、第2支軸12aの中心軸線Ax2とは略平行である。
【0035】
ここで、第2支軸12aは、詳細は後述するが、ローラ押圧部材14の貫通孔14aにおいて転動自在に軸支されている。
【0036】
また、ボディ11の他腕部には、外表面11mと外表面11nとの間に空間領域11cが形成されている。この空間領域11cは、ローラ12の円板部分が配置されて、当該ローラ12が支障なく転動するために形成された空間である。
【0037】
さらに、ボディ11の他腕部の先端部分近傍領域には、ローラ12の第2支軸12aを所定の方向への移動をガイドする長孔状貫通孔11dが形成されている。この長孔状貫通孔11dは、第2支軸12aの中心軸線Ax2に沿う方向にボディ11を貫通していると共に、第2支軸12aの中心軸線Ax2に直交する所定の方向に延在する長孔状に形成されている。この場合において、長孔状貫通孔11dは、容器収容室2aの(開口2bの)径方向に沿う方向(即ち
図5の矢印Yに沿う方向)に延在している。
【0038】
そして、長孔状貫通孔11dの一部には、ボディ11の外方に向けて開口する貫通路11eが形成されている。この貫通路11eは、ローラ12の第2支軸12aを長孔状貫通孔11dへと導入するための取付用通路である。
【0039】
他方、ボディ11の他腕部の先端部分近傍領域には、長孔状貫通孔11dの延在方向(矢印Y方向)と平行に、かつボディ11の一腕部の延出方向と同方向に延出する延出部11fが形成されている。
【0040】
この延出部11fは、内部空間11gを有する略箱形状に形成されている。延出部11fの内部空間11gは、ボディ11の内部において空間領域11cと連通している。この内部空間11gは、ローラ押圧部材14及びローラ付勢ばね15が収納される空間である。
【0041】
ローラ押圧部材14は、ローラ12の第2支軸12aを転動自在に軸支しつつ、ローラ12を容器収容室2aの(開口2bの)径方向(Y方向)に移動させる押圧支持部材である。このローラ押圧部材14の先端近傍には、貫通孔14aが形成されている。この貫通孔14aには、第2支軸12aが挿通される。これにより、ローラ12は、ローラ押圧部材14に対して転動自在に軸支される。
【0042】
また、ローラ押圧部材14には、ローラ12を支障なく転動させるための空間領域であるローラ回転空間14bが形成されている。このローラ回転空間14bは、ボディ11の空間領域11cと略同様の形態で形成されている。
【0043】
さらに、ローラ押圧部材14には、ローラ付勢ばね15の先端部分を受けるばね受部14cが後端面に形成されている。このばね受部14cには、ローラ付勢ばね15の先端部分が係合する。これにより、ばね受部14cは、ローラ付勢ばね15の一端を固定し、当該ローラ付勢バネ15の位置ずれを規制する。
【0044】
ローラ付勢ばね15は、ローラ押圧部材14を容器収容室2aの(開口2bの)径方向において内側に向けて付勢する第2付勢部材である。ローラ付勢ばね15は、
図5の矢印Yに沿う方向に伸縮するコイルスプリング等の付勢部材が適用される。
【0045】
そのために、ローラ付勢ばね15は、内部空間11gに配置されたとき、先端側がローラ押圧部材14のばね受部14cに巻回されて略固定され、後端側がボディ11のばね受部11hに巻回されて略固定される。
【0046】
また、ボディ11には、一腕部と他腕部との接続部位近傍に、傾斜面11pが形成されている。この傾斜面11pは、
図3に示すように、当該容器保持機構3がホルダ本体2に取り付けられたとき、容器収容室2aの開口2bの外周縁部近傍から開口2bの径方向内側に向けて延び、かつ底面に向けて延びるように形成されている。当該傾斜面11pは、略円弧形状に形成されている。また、傾斜面11pは、一腕部及び他腕部との接続部分において、段差等が存在せず、平滑面で接続されている。
【0047】
このような構成からなる容器保持機構3は、次のようにして組み立てられる。まず、ボディ11の内部空間11gに、ローラ付勢ばね15を挿入する。このとき、ローラ付勢ばね15の後端側はボディ11のばね受部11hに略固定する。
【0048】
次に、ローラ押圧部材14を、ボディ11の内部空間11gに挿入する。このとき、ローラ付勢ばね15の先端側をローラ押圧部材14のばね受部14cに略固定する。
【0049】
続いて、内部空間11g内において、ローラ押圧部材14をローラ付勢ばね15の付勢力に抗して後方(
図5の矢印Y1方向)へ押圧し、その状態を維持しながら、ローラ12の第2支軸12aをボディ11の貫通路11eから長孔状貫通孔11dへと挿入する。
【0050】
次いで、第2支軸12aをローラ押圧部材14の貫通孔14aに嵌入させる。そうして、ローラ押圧部材14への押圧状態を解除すると、ローラ押圧部材14はローラ付勢ばね15の付勢力によって、前方(
図5の矢印Y2方向)へと押し出される。
【0051】
すると、第2支軸12aは、長孔状貫通孔11dに沿って移動し、当該長孔状貫通孔11dの先端側内面に当接する。これにより、ローラ12は、ボディ11内における所定の位置に位置決めされる。このとき、ローラ12には、矢印Y2方向へのローラ付勢ばね15の若干の付勢力が常に付与されている。したがって、ローラ12は、ボディ11に対して
図4等に示す所定の位置が維持される。
【0052】
このような構成により、ローラ押圧部材14及びローラ12は、ローラ付勢ばね15の付勢力により常に所定の方向に向けて付勢されている。この場合の所定の方向とは、ローラ押圧部材14及びローラ12を容器収容室2aの開口2bの径方向内側に向けた矢印Y2方向である。
【0053】
なお、この状態において、ローラ12の外周面に対して、矢印Y2方向への外力が加わった場合には、ローラ12は、ローラ付勢ばね15の付勢力に抗して長孔状貫通孔11dに沿う方向(矢印Y方向)に進退移動が自在な状態とされている。同時に、この状態において、ローラ12は、第2支軸12aの中心軸線Ax2回りに転動自在な状態である。
【0054】
このようにしてボディ11にローラ12を組み込んだ構成ユニットを、ホルダ本体2へと組み込む。この場合においては、第1支軸11aにネジリコイルばね13を巻回させて、ばね配置部11b内に配置する。そして、ネジリコイルばね13の一腕13aをホルダ本体2の固定部2dに係止する。また、ネジリコイルばね13の他腕13bをボディ11の固定部11kに係止する。これにより、当該容器保持機構3Aのホルダ本体2の所定の位置への装着が完了する。
【0055】
次に、本実施形態の容器ホルダ1の作用を、
図3及び
図6~
図11を用いて以下に説明する。以下に説明する作用は、本実施形態の容器ホルダ1に対して各種の形態の飲料容器を収容し取り出す際の作用である。
【0056】
まず、本実施形態の容器ホルダ1に対して第1の形態の飲料容器20を収容し取り出す際の作用を、
図3及び
図6~
図8を用いて説明する。
【0057】
図3は本実施形態の容器ホルダ1の初期状態を示している。このとき、二点鎖線で示すように飲料容器20を当該容器ホルダ1の容器収容室2a内へと収容する場合の作用を考える。
【0058】
ここで、第1の形態の飲料容器20は、一般的なサイズ(例えば500ミリリットル程度の容量)で、外表面に凹凸を有する形態のボトル型飲料容器の一形態を示している。ここで、飲料容器20の最大直径は、
図3に示すように、符号D1としている。この場合において、飲料容器20の最大直径D1は、例えば、
図3に示すように当該飲料容器20の底面の直径と略同等程度であるものと想定する。
【0059】
一方、容器ホルダ1において、初期状態にあるときの各容器保持機構3のローラ間距離は、
図3に示すように、(Wrx2)で表されるものとする。また、初期状態にあるときの各容器保持機構3のボディ間距離は、
図3に示すように、符号(Wbx2)で表されるものとする。
【0060】
ここで、飲料容器20の最大直径D1は、各容器保持機構3のローラ間距離(Wrx2)より大であり、かつ各容器保持機構3のボディ間距離(Wbx2)と略同等か又は小である場合を想定している。即ち、
(Wbx2)≧D1>(Wrx2)
が成り立つ場合を想定している。
【0061】
まず、
図3に示すように、容器ホルダ1が初期状態にあるとき、飲料容器20をホルダ本体2の開口2bから矢印X1に沿う方向に差し入れるものとする。このとき、飲料容器20と容器ホルダ1の各サイズは、上記の条件式の関係によって、飲料容器20の底面寄りの外表面が複数のローラ12の外周面に当接する。
【0062】
なお、
図3等において示す例では、飲料容器20を、容器ホルダ1の容器収容室2aに向けて矢印X1方向、即ち垂直方向に差し入れる場合を例示しているが、図示の例示に限られることはない。
【0063】
通常の場合、容器ホルダ1の容器収容室2aに飲料容器20を収容する際には、飲料容器20の挿入方向が開口2bの面に対して斜めに差し入れられる場合が多くある。しかし、そのような状況であっても、以下の作用説明で説明し得る。
【0064】
容器ホルダ1に対して飲料容器20を、そのまま矢印X1方向に挿入し続けると、複数のローラ12は、飲料容器20の外表面に押圧されて、第2支軸12aの中心軸線Ax2回りに、
図3の矢印R1方向に転動を開始する。
【0065】
さらに、飲料容器20が矢印X1方向に挿入されると、複数のローラ12は、矢印R1方向の転動を継続させながら、
図3の矢印Y1方向に押圧される。これにより、ローラ12及びローラ押圧部材14は、ローラ付勢ばね15の付勢力に抗して、
図3の矢印Y1方向に移動する。すると、容器ホルダ1及び飲料容器20の状態は
図6に示すようになる。
【0066】
図6は、
図3の後の状態を示す図である。
図6では、ローラ12が飲料容器20の最大直径部分に当接している状態を示している。なお、
図6において符号A1は、ローラ12の初期位置(
図3のローラ位置)を示す仮想線である。
【0067】
図6の状態において、さらに、飲料容器20が矢印X1方向に挿入されると、複数のローラ12は、矢印R1方向に転動しながら、飲料容器20の外表面に沿って移動する。このとき、各ローラ12は、ローラ付勢ばね15の付勢力によって飲料容器20の外表面に向けて押圧されている。したがって、複数のローラ12は、飲料容器20の外表面に常に当接しながら、くびれ部分に沿って移動する。このとき、同時に、各ローラ12は、
図6の矢印Y2方向に移動する。そして、容器ホルダ1及び飲料容器20の状態は
図7に示すようになる。
【0068】
図7は、
図6の後の状態を示す図である。
図7では、ローラ12が飲料容器20の外表面上のくびれ部分に当接している状態を示している。ここで、
図7の符号D2は、飲料容器20の外表面上のくびれ部分の細い部分における直径を示している。なお、
図7において符号A2は、
図6のローラ位置を示す仮想線である。
【0069】
図7の状態において、さらに、飲料容器20が矢印X1方向に挿入されると、複数のローラ12は、矢印R1方向の転動を継続しながら、飲料容器20の外表面に当接しつつ、同外表面に沿って移動すると共に、
図7の矢印Y2方向に移動する。そして、容器ホルダ1及び飲料容器20は、やがて
図8に示す状態になる。
【0070】
図8は、
図7の後、容器ホルダに飲料容器が収容を完了した状態を示す図である。
図8では、ローラ12が飲料容器20の外表面上の所定の部分(くびれ部分の細い部分)に当接し、当該飲料容器20を安定的に保持している状態を示している。なお、
図8において符号A3は、
図7のローラ位置を示す仮想線である。
【0071】
一方、
図8に示す状態において、飲料容器20を取り出す際の作用は次のようになる。即ち、
図8の状態において、飲料容器20を矢印X2方向に引き上げる。すると、ローラ12は、飲料容器20の外表面に当接しながら、第2支軸12aの中心軸線Ax2回りに
図8の矢印R2方向に転動し、同外表面上のくびれ部分に沿って移動する。これに伴い、ローラ12は、
図8の矢印Y1方向に移動する。そして、容器ホルダ1及び飲料容器20の状態は
図7に示す状態に移行する。
【0072】
図7の状態において、さらに、飲料容器20が矢印X2方向に引き上げられると、ローラ12は、矢印R2方向の転動しながら飲料容器20の外表面に沿って移動し、矢印Y1方向に移動する。そして、容器ホルダ1及び飲料容器20は、やがて
図6に示す状態になる。
【0073】
図6の状態において、さらに、飲料容器20が矢印X2方向に引き上げられると、ローラ12は、矢印R2方向の転動を継続しつつ飲料容器20の外表面に沿って移動し、矢印Y2方向に移動する。そして、容器ホルダ1及び飲料容器20は、やがて
図3に示す初期状態に復帰する。
【0074】
このように、飲料容器20の収容時や取り出し時においては、ローラ12が飲料容器20の外表面に常に当接して転動しながら、外表面の凹凸形状に応じて矢印Y1,Y2方向に移動する。そして、収容完了時には、各ローラ12は各ローラ付勢ばね15の付勢力によって飲料容器20の外表面に向けて付勢される。
【0075】
そして、飲料容器20の取り出し時などには、ローラ12が飲料容器20の外表面に沿って転動しながら移動すると共に、ローラ12は飲料容器20の外表面に沿って矢印Y1,Y2方向に移動する。このように、飲料容器20の外表面に当接する容器保持機構3の構成部材は、常に移動自在とされているので、当該容器保持機構3の構成部材が、飲料容器20の外表面に引っ掛かるようなことはない。
【0076】
次に、本実施形態の容器ホルダ1において、上述の第1の形態の飲料容器20とは異なる形態の第2の形態の飲料容器20Aを収容し取り出す際の作用を以下に説明する。
【0077】
図9~
図11は、本実施形態の容器ホルダ1に対して第2の形態の飲料容器20Aを収容し取り出す際の作用を説明する図である。
【0078】
図9は本実施形態の容器ホルダ1の初期状態を示している(
図3に相当する)。このとき、飲料容器20Aを当該容器ホルダ1の容器収容室2a内へと収容する場合の作用を考える。
【0079】
ここで、第2の形態の飲料容器20Aは、第1の形態の飲料容器20に対して大きめのサイズ(例えば1リットル程度の容量)で、外表面に凹凸を有する形態のボトル型飲料容器の一形態を示している。ここで、飲料容器20Aの最大直径は、
図9に示すように、符号D3としている。この場合において、飲料容器20Aの最大直径D3は、例えば、
図9に示すように当該飲料容器20Aの底面の直径と略同等程度であるものと想定する。
【0080】
また、容器ホルダ1において、初期状態にあるときの各容器保持機構3のボディ間距離は、
図9に示すように、符号(Wbx2)で表されるものとする。
【0081】
ここで、飲料容器20Aの最大直径D3は、各容器保持機構3のボディ間距離(Wbx2)より大である場合を想定している。即ち、
D3>(Wbx2)
が成り立つ場合を想定している。
【0082】
まず、
図9に示すように、容器ホルダ1が初期状態にあるとき、飲料容器20Aをホルダ本体2の開口2bから矢印X1に沿う方向に差し入れるものとする。このとき、飲料容器20Aと容器ホルダ1の各サイズは、上記の条件式の関係によって、飲料容器20Aの底面寄りの外表面は複数のボディ11の外周面のうち傾斜面11pに当接する。
【0083】
そのまま、飲料容器20Aを矢印X1方向に挿入し続けると、複数のボディ11は、飲料容器20Aの外表面に押圧されて、ネジリコイルばね13の付勢力に抗して第1支軸11aの中心軸線Ax1回りに、
図9の矢印R3方向に揺動する。このとき、ローラ12はボディ11と共に揺動するが、飲料容器20Aに当接することはない。
【0084】
さらに、飲料容器20Aが矢印X1方向に挿入されると、複数のボディ11は、引き続き矢印R3方向に揺動する。そして、容器ホルダ1及び飲料容器20Aの状態は
図10に示すようになる。
【0085】
図10は、
図9の後の状態を示す図である。
図10では、ボディ11が飲料容器20Aの最大直径部分に当接している状態を示している。なお、
図10において符号A4は、ボディ11及びローラ12の初期位置(
図9の位置)を示す仮想線である。
【0086】
図10の状態において、さらに、飲料容器20Aが矢印X1方向に挿入されると、複数のボディ11は、飲料容器20Aの外表面に沿って移動する。このとき、各ボディ11は、ネジリコイルばね13の付勢力によって飲料容器20Aの外表面に向けて押圧されている。したがって、複数のボディ11は、飲料容器20Aの外表面に常に当接しながら、同外表面に沿って移動する。そして、容器ホルダ1及び飲料容器20Aの状態は
図11に示すようになる。
【0087】
図11は、
図10の後の状態及び収容完了状態を示す図である。
図11では、ボディ11が飲料容器20Aの外表面上のくびれ部分に当接している状態を示している。ここで、
図11の符号D4は、飲料容器20Aの外表面上のくびれ部分の細い部分における直径を示している。なお、
図11において符号A5は、
図10のボディ位置を示している。
【0088】
図11の状態において、さらに、飲料容器20Aが矢印X1方向に挿入されると、複数のボディ11は、飲料容器20Aの外表面に沿って移動する。このとき、ボディ11は、飲料容器20Aの外表面に沿って最大直径部分からくびれ部分へと移動する。したがって、このときには、ボディ11は、矢印R4方向に揺動する。そうして、ボディ11の底面が、
図11の二点鎖線で示す符号Bで示す状態になると、容器ホルダ1に対する飲料容器20Aの収容は完了する。
【0089】
なお、
図10に示す状態において、飲料容器20Aを取り出す際の作用は、上述の収容時とは逆順になるのみで略同様である。したがって、取り出し時の作用の説明は省略する。
【0090】
このように、外表面上に凹凸を有する形態で、かつサイズの大きな飲料容器20Aの場合には、ボディ11の外表面における傾斜面11pが飲料容器20Aの外表面に当接して、飲料容器20Aの外表面の凹凸形状に応じて揺動させる。そして、収容完了時には、各ボディ11は各ネジリコイルばね13の付勢力によって飲料容器20Aの外表面に付勢される。
【0091】
また、飲料容器20Aの外表面は、ボディ11の傾斜面11pを含む外表面に常に当接しているので、飲料容器20Aの外表面が引っ掛かるようなことはない。また、たとえ引っ掛かったとしても、ボディ11が揺動することにより、当該引っ掛かりは通常の収容又は取り出し操作に伴って使用者が意識しなくても適宜解消される。
【0092】
なお、本実施形態の容器ホルダ1において対応可能な飲料容器の最大直径は、例えば、各容器保持機構3において、ボディ11が
図10等の矢印R3方向へ回動したときのボディ間距離によって規定される。また、対応可能な飲料容器の最小直径は、例えば、各容器保持機構3の初期状態におけるアーム部材間距離(Wrx2)とするのが好ましい。
【0093】
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、飲料容器20の収容時や取り出し時には、ローラ12が飲料容器20の外表面に常に当接して転動しながら、外表面の凹凸形状に応じて矢印Y1,Y2方向に移動する。また、収容完了時には、各ローラ12は各ローラ付勢ばね15の付勢力によって飲料容器20の外表面に向けて付勢される。
【0094】
したがって、外表面上に凹凸を有する形態の飲料容器20であっても、容器保持機構3の構成部材が飲料容器20の外表面に引っ掛かって、収容や取り出しの支障になるようなことはない。
【0095】
また、たとえ、容器保持機構3の構成部材が飲料容器20の外表面に引っ掛かったとしても、ローラ12が飲料容器20の外表面に沿って転動しながら移動すると共に、ローラ12は矢印Y1,Y2方向に移動する。この構成により、当該引っ掛かりは、通常の収容又は取り出し操作に伴って、使用者が意識しなくても適宜解消される。
【0096】
したがって、飲料容器の収容又は取り出し時に、使用者に対して不要なストレスを与えるようなことがない。
【0097】
さらに、外表面上に凹凸を有する形態でかつサイズの大きな飲料容器20Aの場合には、ボディ11の外表面(傾斜面11p)が飲料容器20Aの外表面に常に当接し、飲料容器20Aの外表面の凹凸形状に応じてボディ11が揺動する構成としている。そして、収容完了時には、各ボディ11は各ネジリコイルばね13の付勢力によって飲料容器20Aの外表面に付勢される。
【0098】
したがって、第2の形態のような飲料容器20Aであっても、容器保持機構3の構成部材が飲料容器20Aの外表面に引っ掛かって、収容や取り出しの支障になるようなことはない。また、たとえ、容器保持機構3の構成部材が飲料容器20Aの外表面に引っ掛かったとしても、ボディ11自体が揺動することにより、当該引っ掛かりは通常の収容又は取り出し操作に伴って、使用者が意識しなくても適宜解消される。したがって、飲料容器の収容又は取り出し時に、使用者に対して不要なストレスを与えるようなことがない。
【0099】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の容器ホルダについて、以下に説明する。
図12~
図21は、本発明の第2の実施形態を示す図である。このうち、
図12~
図15は本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。また、
図16~
図21は本発明の第2の実施形態の作用を示す図である。
【0100】
本実施形態の容器ホルダ1Aの構成は、基本的には上述の第1の実施形態の容器ホルダと略同様である。したがって、以下の説明においては、上述の第1の実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明は省略し、異なる部分について主に説明する。
【0101】
まず、本発明の第2の実施形態の容器ホルダ1Aの構成を、
図12~
図15を用いて以下に説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態の容器ホルダの概略構成を示す外観斜視図である。
図13は、
図12の[13]-[13]線に沿う概略断面図である。
図14は、
図12に示す容器ホルダに含まれる容器保持機構の一つを取り出して示す外観斜視図である。
図15は、
図14に示す容器保持機構の分解斜視図である。なお、
図12~
図14においては、容器保持機構の無負荷状態を示している。
【0102】
図12等に示すように、本実施形態の容器ホルダ1Aは、ホルダ本体2と、複数の容器保持機構3A等によって構成されている。
【0103】
このうち、ホルダ本体2は、上述の第1の実施形態のホルダ本体2と略同様の構成からなる。したがって、ホルダ本体2の構成についての説明は省略する。
【0104】
容器保持機構3Aは、容器収容室2aに収容された飲料容器を安定的に保持するための機構ユニットである。容器保持機構3Aは、容器収容室2aを囲うように複数配設されている点において、上述の第1の実施形態と同様である。本実施形態の容器ホルダ1Aにおいては、上述の第1の実施形態と同様に、3個の容器保持機構3Aを、容器収容室2aの開口2bの中心軸O回りに略等間隔(例えば角度120度間隔)の各位置に配置した構成を例示する。容器保持機構3Aの配置数は、本実施形態で例示する個数に限られることはないのは、上述の第1の実施形態と同様である。そして、本実施形態においても、容器保持機構3Aは、1つの容器ホルダ1Aについて、少なくとも3個以上を配置するのが望ましい点についても、上述の第1の実施形態と同様である。
【0105】
次に、本実施形態の容器ホルダ1Aに含まれる容器保持機構3Aの詳細構成を、以下に説明する。容器保持機構3Aは、
図14,
図15等に示すように、ボディ11Aと、アーム部材12Aと、ネジリコイルばね13等によって構成されている。
【0106】
ボディ11Aは、ホルダ本体2に対して揺動自在に配置される揺動部材である。ボディ11Aは、扁平な板形状にて形成されるブロック部材である。
【0107】
ボディ11Aの一端部近傍領域には第1支軸11a(
図15参照)が形成されている。この第1支軸11aは、上述の第1の実施形態と同様に、当該ボディ11Aをホルダ本体2に対して揺動自在に軸支する軸部である。第1支軸11aの中心軸線Ax1は、開口2bの中心軸Oを中心とする円の接線に略平行である(
図2参照)。
【0108】
第1支軸11aには、ネジリコイルばね13が巻回されて配設されている。このネジリコイルばね13自体の構成は、上述の第1の実施形態と同様である。また、ボディ11Aとネジリコイルばね13の配置及び作用についても、上述の第1の実施形態と同様である。
【0109】
即ち、
図13等に示すように、ボディ11のばね配置部11b(
図15参照)に配置されるネジリコイルばね13は、一腕13aがホルダ本体2の所定の固定部2dに係止されている。また、ネジリコイルばね13の他腕13bがボディ11Aの所定の固定部11kに係止されている。このような構成により、ボディ11Aは、第1支軸11aの中心軸線Ax1回りの揺動がネジリコイルばね13によって所定の範囲に規制される。同時に、ボディ11Aは、ネジリコイルばね13の付勢力によって、第1支軸11aの中心軸線Ax1回りの所定の方向(容器収容室2aの開口2bの径方向内側に向けた方向)に付勢されている。
【0110】
なお、
図12~
図14に示す状態は、ネジリコイルばね13が初期状態にある無負荷状態を示している。このとき、ボディ11Aは
図13に示す状態が維持されている。
【0111】
一方、ボディ11Aの他端部近傍領域には第2支軸11Adと、ガイド壁11Acが形成されている(
図15参照)。
【0112】
第2支軸11Adは、ボディ11Aに対してアーム部材12A(詳細後述)を回動自在に軸支する軸部である。第2支軸11Adの中心軸線Ax2は、第1支軸11aと略平行である(
図15参照)。
【0113】
ガイド壁11Acは、アーム部材12Aがボディ11Aに対して回動する際に、アーム部材12Aの回動方向をガイドすると共に、アーム部材12Aの回動範囲を規制する機能を有する構成部である。
【0114】
アーム部材12Aは、第2支軸11Adによってボディ11Aに対して回動自在に配置される回動部材である。このアーム部材12Aは、ベース部12Aaと、アーム部12Abとによって形成されている。
【0115】
ベース部12Aaは、一端近傍領域に貫通孔12Acを有する。この貫通孔12Acには、ボディ11Aの第2支軸11Adが回動自在に係合する。そのために、貫通孔12Acは、ベース部12Aaの一端に向けて一部が開口している。この構成により、アーム部材12Aは、ボディ11Aに組み付けられたとき、第2支軸11Ad回りに回動する。この場合において、アーム部材12Aの回動範囲は、後述する機構により所定の範囲に規定されている。
【0116】
ベース部12Aaの他端には、アーム部12Abが延設している。このアーム部12Abは、円弧形状部分12Adと、回転規制部分12Aeとを有する。
【0117】
円弧形状部分12Adは、一端がベース部12Aaの他端に連設されている。円弧形状部分12Adは、全体として弾性を有し円弧状に形成される板状部材からなる。円弧形状部分12Adの他端からは回転規制部分12Aeが連設している。この回転規制部分12Aeは、アーム部材12Aがボディ11Aに対して回動する際にガイド壁11Acの外面の一部である規制平面11Aeに当接することにより、アーム部材12Aの回動範囲を規制される。なお、アーム部12Abの外表面は、平滑面によって形成されている。
【0118】
また、ベース部12Aaはガイド溝部12Afを有する。ガイド溝部12Afは、アーム部材12Aがボディ11Aに対して回動する際にガイド壁11Acを通過させることで、アーム部材12Aの回動をガイドする。
【0119】
このような構成からなる容器保持機構3Aは、次のようにして組み立てられる。まず、ボディ11の第2支軸11Adをアーム部材12Aの貫通孔12Acに嵌入させる。これにより、アーム部材12Aはボディ11に対し回動自在となる。
【0120】
このとき、アーム部材12Aが回動する際に、ガイド壁11Acがガイド溝部12Afを通過自在となるようにアーム部材12Aは配置される。同時に、アーム部材12Aが回動する際に、回転規制部分12Aeがガイド壁11Acの規制平面11Aeに当接するようにアーム部材12Aは配置される。
【0121】
こうしてボディ11Aにアーム部材12Aを取り付けた構成ユニットを、ホルダ本体2へと組み込む。この場合においては、上述の第1の実施形態と同様である。つまり、第1支軸11aにネジリコイルばね13を巻回させて、ばね配置部11b内に配置する。そして、ネジリコイルばね13の一腕13aをホルダ本体2の固定部2dに係止する。また、ネジリコイルばね13の他腕13bをボディ11の固定部11kに係止する。これにより、当該容器保持機構3Aのホルダ本体2の所定の位置への装着が完了する。
【0122】
次に、本実施形態の容器ホルダ1Aの作用を、
図13及び
図16~
図21を用いて以下に説明する。以下に説明する作用は、本実施形態の容器ホルダ1Aに対して各種の形態の飲料容器を収容し取り出す際の作用である。
【0123】
まず、本実施形態の容器ホルダ1Aに対して第1の形態の飲料容器20を収容し取り出す際の作用を、
図13及び
図16,
図17を用いて説明する。
【0124】
ここで、第1の形態の飲料容器20は、上述の第1の実施形態で示した第1の形態の飲料容器20と略同様のものとする(例えば最大直径D1)。
【0125】
図13は本実施形態の容器ホルダ1Aの初期状態を示している。このとき、二点鎖線で示すように飲料容器20を当該容器ホルダ1Aの容器収容室2a内へと収容する場合の作用を考える。
【0126】
容器ホルダ1Aにおいて、初期状態にあるときの各容器保持機構3Aのアーム部材間距離は、
図13に示すように、符号(Wrx2)とする。
【0127】
ここで、飲料容器20の最大直径D1は、各容器保持機構3Aのアーム部材間距離(Wrx2)より大である場合を想定している。即ち、
D1>(Wrx2)
が成り立つ場合を想定している。
【0128】
なお、本実施形態の容器ホルダ1Aが初期状態にあるとき、各容器保持機構3Aのアーム部材12Aは、重力を受けて第2支軸11Adの中心軸線Ax2回りに、
図13において反時計方向に回動する力量が付与されている。そして、
図13に示す初期状態にあるとき、アーム部材12Aは、回転規制部分12Aeがボディ11Aの規制平面11Aeに当接することにより、アーム部材12Aの同方向への回動が規制されている。これにより、各容器保持機構3Aは、
図13に示す状態が維持されている。
【0129】
まず、
図13に示すように、容器ホルダ1Aが初期状態にあるとき、飲料容器20をホルダ本体2の開口2bから矢印X1に沿う方向に差し入れるものとする。このとき、飲料容器20と容器ホルダ1Aの各サイズは、上記の条件式の関係によって、飲料容器20の底面寄りの外表面が複数のアーム部材12Aのアーム部12Abの外周面に当接する。
【0130】
そのまま、飲料容器20を矢印X1方向に挿入し続けると、複数のアーム部材12Aのアーム部12Abは、飲料容器20の外表面に向けて押圧される。飲料容器20による押圧力は、アーム部材12Aに対して
図13の矢印R5方向に回動させる力量として働く。しかし、このときアーム部材12Aは回転規制部分12Aeが規制平面11Aeに当接している。したがって、飲料容器20による押圧力は、アーム部材12A(回転規制部分12Ae)を通してボディ11A(ガイド壁11Ac)に伝達される。すると、ボディ11Aは、第1支軸11aの中心軸線Ax1回りに、
図13の矢印R5方向に揺動する。このとき、アーム部材12Aもボディ11Aの揺動に伴って一体的に揺動する。そして、飲料容器20の矢印X1方向への挿入が進むと、容器ホルダ1A及び飲料容器20の状態は
図16に示すようになる。
【0131】
図16は、
図13の後の状態を示す図である。
図16では、アーム部材12Aのアーム部12Abが飲料容器20の最大直径部分に当接している状態を示している。なお、
図16において符号C1は、アーム部材12Aの初期位置(
図13のアーム部材位置)を示す仮想線である。
【0132】
図16の状態において、さらに、飲料容器20が矢印X1方向に挿入されると、複数のアーム部材12Aのアーム部12Abは、飲料容器20の外表面に沿って移動する。そして、容器ホルダ1A及び飲料容器20の状態は
図17に示すようになる。
【0133】
図17は、
図16の後、容器ホルダに飲料容器が収容を完了した状態を示す図である。
図17では、アーム部材12Aのアーム部12Abが飲料容器20の外表面上のくびれ部分に当接し、当該飲料容器20を安定的に保持している状態を示している。ここで、
図17の符号Pは、アーム部12Abの外面と飲料容器20のくびれ部分の外表面との当接点を示している。また、
図17の符号D2は、飲料容器20のくびれ部分の細い部分における直径を示している。なお、
図17において符号C2は、
図16のアーム部材位置を示す仮想線である。
【0134】
図16の状態から
図17の状態に移行するとき、各ボディ11A及びアーム部材12Aは、ネジリコイルばね13の付勢力によって飲料容器20の外表面に向けて押圧されている。したがって、複数のアーム部材12Aのアーム部12Abは、飲料容器20の外表面に常に当接しながら、くびれ部分に沿って移動する。このとき、各ボディ11A及びアーム部材12Aは、
図17の矢印R6方向に揺動する。そして、
図17の状態において、飲料容器20は安定的に保持される。
【0135】
一方、
図17に示す状態において、飲料容器20を取り出す際の作用は、次に示すようになる。
【0136】
図18~
図21は、本実施形態の容器ホルダ1Aに対して収容された第1の形態の飲料容器20を取り出す際の作用を説明する図である。
【0137】
図18は本実施形態の容器ホルダ1Aに飲料容器20が収容された後、安定的に保持されている状態(
図17の状態)から、飲料容器20を所定量だけ引き出した状態を示している。以下、
図17に示す状態から、飲料容器20を当該容器ホルダ1Aの容器収容室2a外へと取り出す場合の作用を説明する。
【0138】
図17に示す状態において、飲料容器20を取り出すために、飲料容器20が矢印X2方向に引き上げられた場合を考える
図17に示す状態においては、上述したように、ボディ11Aに対してネジリコイルばね13に蓄勢された付勢力が作用している。これを受けてボディ11Aは、第1支軸11aの中心軸線Ax1回りに
図17において反時計方向に付勢されている。
【0139】
またこのとき、ボディ11Aの規制平面11Aeと、アーム部材12Aの回転規制部分12Aeとが当接している。これにより、ネジリコイルばね13の付勢力は、規制平面11Aeを通して回転規制部分12Aeへと伝達されている。したがって、このとき、アーム部材12Aは、第2支軸11Adの中心軸線Ax2回りに
図17において反時計方向に付勢されている。
【0140】
つまり、このとき、ボディ11Aとアーム部材12Aは、一体的に
図17において反時計方向に付勢されている。これにより、
図17に示す状態においては、アーム部材12Aのアーム部12Abの外面は、飲料容器20の外表面の所定の位置(
図17の当接点P)において、常に当接した状態で押圧されている。
【0141】
このような状態にある飲料容器20が
図17の矢印X2方向に引き上げられると、本実施形態の容器ホルダ1Aにおいては、まず、アーム部材12Aのみが第2支軸11Adの中心軸線Ax2回りに
図18の矢印R7方向(
図18において反時計方向)に回動しようとする。
【0142】
図17に示す状態においては、アーム部材12Aが飲料容器20のくびれ部分に当接している。飲料容器20が引き上げられる方向に移動するとき、飲料容器20の外表面は、直径が狭いくびれ部分(直径D2)から最大直径D1となる部分に向けて次第に広くなるように形成されている。したがって、飲料容器20が引き上げられる方向に移動するとき、アーム部材12Aは、飲料容器20のくびれ部分に取り残される形態のまま、飲料容器20が引き上げられることになる。したがって、これにより、アーム部材12Aのみが第2支軸11Adの中心軸線Ax2回りに
図18の矢印R7方向に回動しようとすることになる。なお、この間、アーム部材12Aの外面と飲料容器20の外表面との当接状態は維持されている。
【0143】
こうして、アーム部材12Aが中心軸線Ax2回りに矢印R7方向へと回動しようとするとき、上述したように、アーム部材12Aの外面と飲料容器20の外表面との当接状態は維持されている。ここで、飲料容器20が引き上げられると、当接点Pは、飲料容器20の外表面に沿って移動する。飲料容器20の外表面は、外方に向けて直径が広がる方向に形成されている。この場合において、当接点Pに着目すると、当該当接点Pは、
図18の矢印Y3方向へ移動する。
【0144】
このことは、当接点Pにおいて、飲料容器20の外表面が、アーム部材12Aの外面を、
図18の矢印Y3方向へ押し出しているものと考えられる。ここで、飲料容器20の外表面によるY3方向の押出力は、アーム部材12Aを通して第2支軸11Adを
図18の矢印Y4方向へ移動させる力として作用する。これによりボディ11Aは、ネジリコイルばね13の付勢力に抗して、第1支軸11aの中心軸線Ax1回りに
図18の矢印R8方向(
図18において時計方向)に回動する。そして、やがて
図19に示す状態に移行する。
【0145】
図19の状態は、
図18の後の状態を示す図である。
図19では、飲料容器20の矢印X2方向への引き上げが進行するのに伴い、アーム部材12Aが矢印R7方向にさらに回動し、アーム部材12Aが飲料容器20の外表面の最大直径部分に当接している状態を示している。なお、
図19において符号C3は、
図18のアーム部材位置を示す仮想線である。
【0146】
図19の状態においては、アーム部材12Aの外面と飲料容器20の外表面との当接点Pが、飲料容器20の最大直径部分近傍に位置した状態である。この時点より以降は、飲料容器20が矢印X2方向に引き上げられる過程において、当接点Pにおける
図18の矢印Y3方向への力は発生しない。この時点以降では、飲料容器20の外表面の形状は、最大直径D1から徐々に狭まる方向(
図19の矢印Y5方向)に移行するからである。したがって、これにより、この時点において、ボディ11Aの矢印R8方向(
図18参照)の回動は停止する。
【0147】
そして、飲料容器20の矢印X2方向への引き上げが継続すると、当接点Pは
図19の矢印Y5方向への移動に移行する。すると、ボディ11Aは、ネジリコイルばね13の付勢力を受けて第1支軸11aの中心軸線Ax1回りに
図19において反時計方向へ徐々に回動する。
【0148】
そうして、さらに、飲料容器20が矢印X2方向に引き上げられると、ボディ11Aは
図20に示す初期状態(なお、
図13の状態も同様に参照)に復帰する。この時点においてアーム部材12Aは、未だ飲料容器20の外表面に当接して、当該アーム部材12Aを矢印R7方向へ回動している状態にある。
【0149】
図20の状態は、
図19の後、飲料容器20が引き上げられて飲料容器20と容器保持機構3Aとの当接が解除される直前のようすを示す図である。
図20では、アーム部材12Aのアーム部12Abが飲料容器20の最大直径D1部分を通過した後、当接状態を維持したまま、飲料容器20の矢印X2方向の移動に伴ってアーム部材12Aが矢印R7方向にさらに回動した様子を示している。なお、
図20において符号C4は、
図19のアーム部材位置を示す仮想線である。
【0150】
図20の状態において、さらに、飲料容器20が矢印X2方向に引き上げられると、アーム部材12Aと飲料容器20の外表面との当接状態が解除される。これにより、アーム部材12Aは、自重により
図20,
図21の矢印R8方向に回動する。そして、容器ホルダ1A及び飲料容器20は、
図21に示す初期状態(
図13に示す状態と同じ)に復帰する。
【0151】
図21は、
図20の後、飲料容器20の引き上げが完了して、容器ホルダ1Aが初期状態に復帰したようすを示す図である。なお、
図21において符号C5は、
図20のアーム部材位置を示す仮想線である。
【0152】
また、本実施形態においては、上述の第1の形態の飲料容器20とは異なる形態の飲料容器、例えば第2の形態の飲料容器20A等のような直径の異なる飲料容器であっても、略同様の作用となる。
【0153】
なお、本実施形態の容器ホルダ1Aにおいて対応可能な飲料容器の最大直径は、例えば、各容器保持機構3Aにおいて、ボディ11A及びアーム部材12Aが一体に矢印R5方向(
図13参照)へ回動したときのアーム部材間距離によって規定される。また、対応可能な飲料容器の最小直径は、例えば、各容器保持機構3Aの初期状態におけるアーム部材間距離(Wrx2)とするのが好ましい。
【0154】
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と略同様の効果を得ることができる、また、本実施形態によれば、飲料容器20の引き上げ時に、たとえ、容器保持機構3Aの構成部材が飲料容器20の外表面に引っ掛かったとしても、アーム部材12Aが回動することにより、当該引っ掛かりは通常の取り出し操作に伴って、使用者が意識しなくても適宜解消される。したがって、飲料容器の収容又は取り出し時に、使用者に対して不要なストレスを与えるようなことがない。
【0155】
以上述べたように、本発明の構成によれば、様々なサイズや形態の各種の飲料容器等に対応しながら、収容された飲料容器等を常に安定的に保持することができる。また、飲料容器等を出し入れする際に容器保持機構等の一部が飲料容器等の外表面に引っ掛かることがない。たとえ、容器保持機構等の一部が飲料容器等の外表面に引っ掛かったとしても、通常の出し入れ操作を行うのみで、当該引っ掛かりは解消される。したがって、常にスムースにかつ容易に一動作で飲料容器等の収容及び取り出しを行うことができる。
【0156】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。
【符号の説明】
【0157】
1,1A…容器ホルダ
2…ホルダ本体
2a…容器収容室
2b…開口
2c…床面
2d…固定部
3,3A…容器保持機構
11,11A…ボディ
11a…第1支軸
11b…ばね配置部
11c…空間領域
11d…長孔状貫通孔
11e…貫通路
11f…延出部
11g…内部空間
11h…ばね受部
11k…固定部
11p…傾斜面
11Ac…ガイド壁
11Ae…規制平面
12…ローラ
12a,11Ad…第2支軸
12A…アーム部材
12Aa…ベース部
12Ab…アーム部
12Ac…貫通孔
12Ad…円弧形状部分
12Ae…回転規制部分
12Af…ガイド溝部
13…第1付勢部材
13a…一腕
13b…他腕
14…ローラ押圧部材
14a…貫通孔
14b…ローラ回転空間
14c…ばね受部
15…ローラ付勢バネ
20,20A…飲料容器
Ax1,Ax2…中心軸線