(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117343
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】工具ケースおよびケース
(51)【国際特許分類】
B25H 3/02 20060101AFI20240822BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20240822BHJP
A45C 13/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B25H3/02
A45C11/00 P
A45C13/00 A
A45C11/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023388
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀山 徹
【テーマコード(参考)】
3B045
3C012
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045CE08
3B045EA01
3B045KB00
3C012BH04
3C012BH06
(57)【要約】
【課題】従来のケースのボックスと蓋の構造には、使い勝手をさらに向上させるために改良の余地があった。収容物を収容し易く、または収容物を取出し易い使い勝手の良い工具ケースまたはケースが必要とされている。
【解決手段】工具ケース1は、第1開口2dと第2開口2eを備える箱状のボックス2を有する。工具ケース1は、ボックス2に回転可能に設けられて第1開口2dを開閉する第1蓋3を有する。工具ケース1は、第1蓋3と異なる方向に回転可能にボックス2に設けられて第2開口2eを開閉する第2蓋4を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具ケースであって、
第1開口と第2開口を備える箱状のボックスと、
前記ボックスに回転可能に設けられて前記第1開口を開閉する第1蓋と、
前記第1蓋と異なる方向に回転可能に前記ボックスに設けられて前記第2開口を開閉する第2蓋を有する工具ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の工具ケースであって、
前記ボックスは、底面を有し、前記底面に対向するように前記第1開口と前記第2開口が位置しかつ前記第1開口と前記第2開口が相互に連通し、
前記第1蓋と前記第2蓋は、それぞれの先端縁が隣接して前記底面に対向する閉じ位置から、それぞれの前記先端縁が相互に離れる方向に向けて開き位置へ回転する工具ケース。
【請求項3】
請求項2に記載の工具ケースであって、
前記第1蓋と前記第2蓋は、前記開き位置において、前記底面が起立する起立姿勢の前記ボックスを支持し、
前記ボックスには、前記ボックス内の収容スペースを仕切る中蓋が設けられ、
前記中蓋には、前記収容スペース内の工具を前記起立姿勢の前記ボックスにおいて支持する工具支持部が形成されている工具ケース。
【請求項4】
請求項3に記載の工具ケースであって、
前記中蓋の前記底面側には、小物入れが設けられている工具ケース。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の工具ケースであって、
前記ボックスの外面には、充電式バッテリが解除可能に装着されるバッテリ装着部が設けられる工具ケース。
【請求項6】
請求項1に記載の工具ケースであって、
前記第1開口と前記第2開口は、前記ボックスにおいて相互に対向して位置し、
前記第1蓋と前記第2蓋は、前記ボックスにおいて相互に対角する端縁に位置する回転軸を中心に回転する工具ケース。
【請求項7】
請求項1に記載の工具ケースであって、
前記ボックスの外面には、前記第1開口と反対側に配置された他の工具ケースに連結する連結部材が設けられ、
前記ボックスは、前記外面から内部に向けて凹設されかつ前記連結部材が収容される凹部と、前記凹部の裏側で前記ボックスの前記内部に向けて突出しかつ前記第1開口から挿入された中蓋を支持する突出部を有し、
前記中蓋は、前記突出部に支持されて前記ボックスの前記内部を仕切る工具ケース。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載の工具ケースであって、
前記ボックスには、前記ボックスの内部を照射するライトが設けられる工具ケース。
【請求項9】
請求項8に記載の工具ケースであって、
前記ライトは、前記ボックスに回転可能に設けられ、前記ボックスの前記内部を照射する内向き位置と、前記ボックスの外部を照射する外向き位置との間で回転する工具ケース。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載の工具ケースであって、
前記第1蓋および/または前記第2蓋は、光透過性を有する素材で設けられる光透過窓を有する工具ケース。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つに記載の工具ケースであって、
前記ボックスには、前記第1開口に近い開口側領域と前記第1開口から離れた奥側領域に区分けする仕切りが設けられ、
前記仕切りは、ウレタン樹脂製の板部材、もしくは繊維製の網であるケース。
【請求項12】
ケースであって、
開口を備える箱状のボックスと、
前記ボックスの側面に回転可能に設けられて解除位置と係合位置とに移動する係合部と、
前記開口を塞ぎかつ外周に被係合部を備える複数の蓋の少なくとも1つを有し、
前記係合部は、前記解除位置から前記係合位置へ移動して前記複数の蓋のいずれか1つの被係合部と係合し、前記複数の蓋を交換可能に保持するケース。
【請求項13】
請求項12に記載のケースであって、
前記複数の蓋の少なくとも1つには、前記開口に近い開口側領域と前記開口から離れた奥側領域に区分けする仕切りが設けられ、
前記仕切りは、ウレタン樹脂製の板部材、もしくは繊維製の網であるケース。
【請求項14】
工具ケースであって、
第1開口と第2開口を備える箱状のボックスと、
前記ボックスに設けられて前記第1開口を開閉する第1蓋と、
前記第1蓋と異なる方向に開閉可能に前記ボックスに設けられて前記第2開口を開閉する第2蓋を有する工具ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばねじ締め機等の電動工具または付属品等を収納する工具ケースおよびケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ねじ締め機等の電動工具や、電動工具用のバッテリ、小物等を収納して持ち運びできるケースが提供されている。この種のケースに関する様々な技術が下記の特許文献等に開示されている。例えば特許文献1に開示されるケースは、上方が開口した矩形箱形のボックスと、ボックスの開口を開閉可能にボックスに回転可能に連結された蓋を有する。ケースには、蓋を閉じ位置でボックスに固定するラッチ(ロック錠)が設けられる。
【0003】
例えば特許文献1に開示される従来のケースは、ボックスに開口が1つ設けられ、1つの蓋でボックスの開口を開閉する構造であった。例えばボックスの内部を仕切り等で区分けする構造の需要がある。区分けした各領域には、電動工具、バッテリ、小物等が別々に収容される。これにより収容物をケースに収容する際またはケースから取出す際の使い勝手が向上する。しかしながら従来のボックスと蓋の形状の構造では、別々に収容した各収容物を同じ1つの開口から収容または取出すことになる。そのため使い勝手をさらに向上させるためにボックスと蓋の構造に改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって収容物を収容し易く、または収容物を取出し易い使い勝手の良い工具ケースまたはケースが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの特徴によると工具ケースは、第1開口と第2開口を備える箱状のボックスを有する。工具ケースは、ボックスに回転可能に設けられて第1開口を開閉する第1蓋を有する。工具ケースは、第1蓋と異なる方向に回転可能にボックスに設けられて第2開口を開閉する第2蓋を有する。
【0007】
したがって工具ケースに収容するまたは工具ケースから取り出す収容物に対応して、第1蓋または第2蓋のいずれか一方、あるいは第1蓋と第2蓋の両方を開閉できる。しかも第1蓋と第2蓋の回転方向が異なるため、工具ケースの姿勢に対応して第1蓋または第2蓋のいずれか一方、あるいは第1蓋と第2蓋の両方を開閉することもできる。したがって収容物を工具ケースに収容する際の使い勝手を良好にすることができる。また、収容物を工具ケースから取出す際の使い勝手を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第1実施例に係る工具ケースの斜視図である。
【
図3】
図1中のIII-III線断面矢視図である。
【
図5】第1蓋と第2蓋を開き位置に移動させた工具ケースの斜視図である。
【
図6】第1蓋と第2蓋を開き位置に移動させかつ仕切りを取り出した工具ケースの斜視図である。
【
図7】本開示の第2実施例に係る工具ケースの斜視図である。
【
図8】第1蓋と第2蓋を開いた工具ケースの斜視図である。
【
図10】バッテリと充電器を収容した工具ケースの第1蓋を開いた状態の斜視図である。
【
図11】第2蓋を開いた工具ケースの斜視図である。
【
図12】電動工具を収容した工具ケースの第2蓋を開いた状態の斜視図である。
【
図13】本開示の第3実施例に係るケースの斜視図である。
【
図19】上下のケースと連結したケースの斜視図である。
【
図20】ボックスと係合部を係合させるボックス係合部の斜視図である。
【
図22】本開示の第4実施例に係るケースの斜視図である。
【
図26】本開示の第5実施例に係るケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の他の特徴によるとボックスは、底面を有する。底面に対向するように第1開口と第2開口が位置しかつ第1開口と第2開口が相互に連通する。第1蓋と第2蓋は、それぞれの先端縁が隣接して底面に対向する閉じ位置から、それぞれの先端縁が相互に離れる方向に向けて開き位置へ回転する。
【0010】
したがって第1開口と第2開口が相互に連通することで、例えばサイズの大きい工具等を工具ケースに容易に収容でき、容易に取り出すことができる。しかも第1蓋と第2蓋が閉じ位置から開き位置へ移動する際、第1蓋の先端縁と第2蓋の先端縁は相互に離れる。第1蓋と第2蓋が開き位置から閉じ位置へ移動する際、第1蓋の先端縁と第2蓋の先端縁は相互に近づく。そのため使用者は、第1蓋を一方の手で把持し、第2蓋を他方の手で把持して開閉できる。これにより第1蓋と第2蓋を開閉する操作性を高めることができる。
【0011】
本開示の他の特徴によると第1蓋と第2蓋は、開き位置において、底面が起立する起立姿勢のボックスを支持する。ボックスには、ボックス内の収容スペースを仕切る中蓋が設けられる。中蓋には、収容スペース内の工具を起立姿勢のボックスにおいて支持する工具支持部が形成されている。
【0012】
したがって第1蓋と第2蓋を脚部として利用してボックスを起立姿勢で支持できる。そのため起立姿勢のボックスの安定性を高めることができる。しかも中蓋によって、ボックスが起立姿勢の際に収容スペース内の工具が倒れることを抑制できる。そのためボックスが起立姿勢の状態で、工具を収容スペース内に容易に収容でき、収容スペース内から容易に取出すことができる。
【0013】
本開示の他の特徴によると中蓋の底面側には、小物入れが設けられている。したがって小物を小物入れに収容でき、小物よりも大きな工具等を中蓋の手前側の収容スペースに収容できる。そのため運搬の際等に小物と工具等が混ざることを抑制できる。これによりボックス内が整理された状態を維持して工具ケースを使用できる。
【0014】
本開示の他の特徴によるとボックスの外面には、充電式バッテリが解除可能に装着されるバッテリ装着部が設けられる。したがって充電式バッテリをバッテリ装着部に装着することで、ボックスの収容スペースを充電式バッテリのサイズ分、空けることができる。そのためサイズの大きい工具等をボックス内に容易に収容できる。また、充電式バッテリを工具ケースと共に持ち運びしていることを容易に確認できる。
【0015】
本開示の他の特徴によると第1開口と第2開口は、ボックスにおいて相互に対向して位置する。第1蓋と第2蓋は、ボックスにおいて相互に対角する端縁に位置する回転軸を中心に回転する。したがって第1蓋を上側にし、かつ第2蓋を下側にした姿勢で第1蓋を開閉できる。第2蓋を上側にし、かつ第1蓋を下側にした姿勢で第2蓋を開閉できる。そのためボックス内の第1蓋に近い領域に収容物を収容する際または取出す際には、第1蓋を開いて第1開口から収容物を収容し、または取出す。ボックス内の第2蓋に近い領域に収容物を収容する際または取出す際には、第2蓋を開いて第2開口から収容物を収容し、または取出す。これにより工具ケースの使い勝手を高めることができる。
【0016】
本開示の他の特徴によるとボックスの外面には、第1開口と反対側に配置された他の工具ケースに連結する連結部材が設けられる。ボックスは、外面から内部に向けて凹設されかつ連結部材が収容される凹部を有する。ボックスは、凹部の裏側でボックスの内部に向けて突出しかつ第1開口から挿入された中蓋を支持する突出部を有する。中蓋は、突出部に支持されてボックスの内部を仕切る。したがって他の工具ケースと連結可能にするために設けられているボックスの凹部を利用して、中蓋を支持する突出部の強度を高めることができる。そのためボックスの収容スペースを減らすことなく中蓋を安定した姿勢で保持できる。
【0017】
本開示の他の特徴によるとボックスには、ボックスの内部を照射するライトが設けられる。したがって第1蓋が閉じている場合、または第2蓋が閉じている場合においても、ボックスの内部の視認性を良好にすることができる。
【0018】
本開示の他の特徴によるとライトは、ボックスに回転可能に設けられる。ライトは、ボックスの内部を照射する内向き位置と、ボックスの外部を照射する外向き位置との間で回転する。したがってボックスの内部を照射するライトを、外向き位置へ回転させることで工具ケースを持ち運ぶ際等における照明具としても利用できる。そのため工具ケースの使い勝手が向上する。
【0019】
本開示の他の特徴によると第1蓋および/または第2蓋は、光透過性を有する素材で設けられる光透過窓を有する。したがって第1蓋と第2蓋を閉じた状態でも、ボックスの内部に収容された収容物をボックスの外部から容易に確認できる。
【0020】
本開示の他の特徴によるとボックスには、第1開口に近い開口側領域と第1開口から離れた奥側領域に区分けする仕切りが設けられる。仕切りは、ウレタン樹脂製の板部材、もしくは繊維製の網である。
【0021】
したがって仕切りは、可撓性を有する材料で設けられる。仕切りが撓んで変形することで、開口側領域と奥側領域のサイズと容量が変化する。例えば奥側領域に多数の小物等を収容して仕切りで奥側領域を塞ぐ時、仕切りの可撓性が低い場合には仕切りを閉じることができない恐れがある。例えば開口側領域に比較的大きい工具等を収容して蓋で開口側領域を塞ぐ時、仕切りの可撓性が低い場合には蓋を閉じることができない恐れがある。仕切りに可撓性を持たせることで、収容物のサイズや容量が開口側領域または奥側領域のサイズや容量と略同じ場合でも、仕切りおよび蓋を閉じることができる。
【0022】
本開示の他の特徴によるとケースは、開口を備える箱状のボックスを有する。ケースは、ボックスの側面に回転可能に設けられて解除位置と係合位置とに移動する係合部を有する。ケースは、開口を塞ぎかつ外周に被係合部を備える複数の蓋の少なくとも1つを有する。係合部は、解除位置から係合位置へ移動して複数の蓋のいずれか1つの被係合部と係合し、複数の蓋を交換可能に保持する。
【0023】
したがって複数の蓋それぞれに被係合部を設けることで、複数の蓋のいずれか1つをボックスの係合部に係合させてボックスの開口を塞ぐことができる。そのため同じボックスを使い回しながら、ケースの用途に合わせて複数の蓋を容易に交換できる。
【0024】
本開示の他の特徴によると複数の蓋の少なくとも1つには、開口に近い開口側領域と開口から離れた奥側領域に区分けする仕切りが設けられる。仕切りは、ウレタン樹脂製の板部材、もしくは繊維製の網である。
【0025】
したがって蓋に設けられた仕切りによって、ボックス側の奥側領域を塞ぐことができる。また、蓋と仕切りの間の開口側領域は蓋によって塞ぐことができる。仕切りは、可撓性を有する材料で設けられる。仮に仕切りの可撓性が低い場合、例えば複数の蓋のいずれか1つを交換してボックスに取付ける際に、奥側領域または開口側領域に収容される収容物と仕切りが干渉し、仕切りまたは蓋を閉じることができない恐れがある。仕切りに可撓性を持たせることで、収容物のサイズや容量が開口側領域または奥側領域のサイズや容量と略同じ場合でも、仕切りおよび蓋を閉じることができる。
【0026】
本開示の他の特徴によると工具ケースは、第1開口と第2開口を備える箱状のボックスを有する。工具ケースは、ボックスに設けられて第1開口を開閉する第1蓋を有する。工具ケースは、第1蓋と異なる方向に開閉可能にボックスに設けられて第2開口を開閉する第2蓋を有する。
【0027】
したがって相互に異なる方向に開閉する第1蓋と第2蓋のいずれか一方、あるいは両方を開閉して、収容物を工具ケースに収容することができ、または収容物を工具ケースから取り出すことができる。さらに工具ケースの姿勢に対応して第1蓋または第2蓋のいずれか一方、あるいは第1蓋と第2蓋の両方を開閉することもできる。したがって収容物を工具ケースに収容する際の使い勝手を良好にすることができる。また、収容物を工具ケースから取出す際の使い勝手を良好にすることができる。
【0028】
次に本開示の1つの実施例を
図1~6に基づいて説明する。工具ケース1は、例えば充電式インパクトドライバ等の電動工具、先端工具や充電式バッテリや充電器等の付属品、ねじやアンカボルト等の取付具、メジャー等の道具類等を収容できる。
図1に示すように工具ケース1は、第1開口2dと第2開口2eを具備するボックス2を有する。工具ケース1は、第1開口2dを開閉可能にボックス2に連結される第1蓋3と、第2開口2eを開閉可能にボックス2に連結される第2蓋4を有する。以下の説明において、使用者から見た視点で上下前後左右方向を規定する。工具ケース1の各面については、
図1に示す姿勢を持ち運び姿勢として上面をT面、下面をB面、前面をF面、後面をR面として規定する。
【0029】
図3,5に示すようにボックス2は、略矩形で板状のB面(底面)2aと、B面2aのF方向端縁からB面2aと直交して延出するF面2bと、B面2aのR方向端縁からB面2aと直交して延出するR面2cを有する。F面2bとR面2cは、略台形の平板状に設けられる。B面2aとF面2bとR面2cは、左右方向から見て略U字状に設けられる。第1開口2dは、F面2bの左側上端とR面2cの左側上端の間に設けられる。第2開口2eは、F面2bの右側上端とR面2cの右側上端の間に設けられる。第1開口2dと第2開口2eは、ボックス2の左右方向の中央で相互に連通する。
【0030】
図1,5に示すようにB面2aの4つの角部には、B方向に突出する複数の脚部2iが設けられる。複数の脚部2iによって工具ケース1を持ち運び姿勢で載置できる。B面2aとF面2bの連結部には、R方向およびT方向に向けて矩形箱形に切欠かれた凹部2gが設けられる。B面2aとR面2cの連結部には、F方向およびT方向に向けて矩形箱形に切欠かれた凹部2gが設けられる。凹部2gのT方向端面には、充電式バッテリ101を取外し可能に装着できるバッテリ装着部2hが設けられる。各凹部2gには、2つの充電式バッテリ101を左右横並びで装着できる。工具ケース1には、計4つの充電式バッテリ101を装着できる。
【0031】
図3,5に示すようにR面2cには、ライト8が設けられる。ライト8は、照射面8aと、照射面8aの反対側に設けられるスイッチ8bと、回転軸8cを有する。照射面8aから略面直方向に光が照射される。スイッチ8bは、押し操作することでライト8のオンオフを切替えできる。回転軸8cは、T-B方向(
図3において上下方向)に延出する。ライト8は、回転軸8cを中心にして内向き位置L1と外向き位置L2の間で回転可能である。ライト8が内向き位置L1の時、照射面8aはボックス2の内方を向き、スイッチ8bはボックス2の外面側に位置する。ライト8が外向き位置L2の時、照射面8aはボックス2の外方を向き、スイッチ8bはボックス2の内面側に位置する。スイッチ8bは、押す際にライト8が不用意に回転しないように、回転軸8cの延出方向に沿ってT-B方向に回転する。
【0032】
図1,2,5に示すようにボックス2の左側下部には、F-R方向(
図1において前後方向)に延出する回転軸3cが設けられる。第1蓋3は、回転軸3cを中心にして閉じ位置P1と開き位置P2の間で回転可能である。閉じ位置P1の第1蓋3は、ボックス2の第1開口2dを塞ぐ。第1蓋3は、閉じ位置P1から開き位置P2に向けて左方へ回転する。ボックス2の右側下部には、F-R方向に延出する回転軸4cが設けられる。第2蓋4は、回転軸4cを中心にして閉じ位置P1と開き位置P2の間で回転可能である。閉じ位置P1の第2蓋4は、ボックス2の第2開口2eを塞ぐ。第2蓋4は、閉じ位置P1から開き位置P2に向けて右方へ回転する。すなわち第1蓋3と第2蓋4は、閉じ位置P1から開き位置P2に向かう回転方向が相互に左右逆方向である。
【0033】
図1,2,5に示すように第1蓋3は、回転軸3cに連結される矩形平板状の左面3aと、左面3aの先端から左面3aと直交して延出する略矩形板状のT面3bを有する。T面3bの先端縁3dは、閉じ位置P1のT面3bの右端に位置する。T面3bには、連結部材3eと凹部3fと凹部3gが設けられる。連結部材3eは、先端縁3dの近傍において左右方向にスライド可能に設けられる。凹部3fは、T面3bの左部のF側端部とR側端部に矩形状で設けられる。凹部3fには、他の工具ケースの脚部を載せることができる。凹部3gは、先端縁3d側を開口側とするU字状の溝として設けられる。凹部3gには、後述するハンドル7を収容することができる。
【0034】
図1,2,5に示すように第2蓋4は、回転軸4cに連結される矩形平板状の右面4aと、右面4aの先端から右面4aと直交して延出する略矩形板状のT面4bを有する。T面4bの先端縁4dは、閉じ位置P1のT面4bの左端に位置する。T面4bには、被連結部4eと凹部4fと凹部4gが設けられる。被連結部4eは、先端縁4dの近傍に設けられる。凹部4fは、T面4bの右部のF側端部とR側端部に矩形状で設けられる。凹部4fには、他の工具ケースの脚部を載せることができる。凹部4gは、先端縁4d側を開口側とするU字状の溝として設けられる。凹部4gには、後述するハンドル7を収容することができる。
【0035】
図1,2,5に示すように第2蓋4には、U字状のハンドル7が回転可能に設けられる。ハンドル7は、中央に設けられる把持部7aと、両端に設けられる支軸部7bを有する。支軸部7bは、T面4bのF側端部とR側端部にそれぞれ連結される。支軸部7bは、左右方向において工具ケース1の中央に位置する。ハンドル7は、支軸部7bを中心にして左右に回転可能である。ハンドル7は、回転して凹部4gまたは凹部3gに収容可能である。使用者は、工具ケース1が
図1に示す持ち運び姿勢の時、ハンドル7を上方へ回転させて把持部7aを把持することができる。これにより工具ケース1を持ち運び姿勢で持ち運ぶことができる。
【0036】
図1,4に示すように第2蓋4には、光透過窓9が設けられる。光透過窓9は、例えばポリカーボネート等の光透過性を有する材料で設けられる。光透過窓9は、ハンドル7の2つの支軸部7bの間に矩形板状で設けられる。使用者は、第2蓋4が閉じ位置P1の状態で、ボックス2の外方から光透過窓9を介してボックス2の内部を視認できる。ライト8(
図3参照)を点灯させることで、光透過窓9から見たボックス2の内部の視認性をさらに高めることができる。
【0037】
図4~6に示すようにボックス2の内部には、中蓋(仕切り)5を取外し可能に挿入できる。中蓋5は、ボックス2や第1蓋3や第2蓋4よりも可撓性の高い材料、例えばウレタン樹脂を材料にして板状に設けられる。中蓋5は、ボックス2の収容スペースSを第1開口2d、第2開口2e側の開口側領域と、B面2a側の奥側領域に区分けする。ボックス2の開口側領域には、工具100、充電式バッテリ101、充電式バッテリ101を充電可能な充電器102等を収容できる。中蓋5には、工具100を保持可能な凹凸形状の工具支持部5aが設けられる。工具100を工具支持部5aに挿入することで、
図4に示す持ち運び姿勢の場合と、
図5に示すB面2aが起立した起立姿勢のいずれの場合においても、工具100の姿勢を倒れないように維持できる。
【0038】
図6に示すようにボックス2のB面2aの内面側には、小物入れ6が設けられる。小物入れ6は、凹凸形状を有して形成される。小物入れ6は、中蓋5よりもB面2a側の奥側領域に設けられる。小物入れ6には、例えば工具に装着される先端工具等の付属品、ねじやアンカボルト等の取付具、メジャー等の道具類等の小物を収容できる。
【0039】
図5,6に示すように開き位置P2の第1蓋3と第2蓋4は、工具ケース1が起立姿勢の際に工具ケース1を支持する脚部を兼ねる。左面3aと右面4aとT面3b,4bは、いずれも工具ケース1が起立姿勢の場合に上下方向に起立する。しかも左面3aとT面3b、右面4aとT面4bは、それぞれ直交する。そのため第1蓋3と第2蓋4が起立姿勢の工具ケース1を安定して支持できる。第1蓋3の連結部材3eは、第1蓋3と第2蓋4の両方が閉じ位置P1の時、第2蓋4の被連結部4eに向けてスライドする。これにより第1蓋3と第2蓋4は、先端縁3dと先端縁4dを相互に対向させた閉じ位置P1の姿勢で相互に係合して保持される(
図1参照)。第1蓋3または第2蓋4を開き位置P2へ回転させる際には、連結部材3eを被連結部4eから遠ざかるようにスライドして第1蓋3と第2蓋4の係合を解除する。
【0040】
上述するように工具ケース1は、
図1,5に示すように第1開口2dと第2開口2eを備える箱状のボックス2を有する。工具ケース1は、ボックス2に回転可能に設けられて第1開口2dを開閉する第1蓋3を有する。工具ケース1は、第1蓋3と異なる方向に回転可能にボックス2に設けられて第2開口2eを開閉する第2蓋4を有する。
【0041】
したがって工具ケース1に収容するまたは工具ケース1から取り出す収容物に対応して、第1蓋3または第2蓋4のいずれか一方、あるいは第1蓋3と第2蓋4の両方を開閉できる。しかも第1蓋3と第2蓋4の回転方向が異なるため、工具ケース1の姿勢に対応して第1蓋3または第2蓋4のいずれか一方、あるいは第1蓋3と第2蓋4の両方を開閉することもできる。したがって収容物を工具ケース1に収容する際の使い勝手を良好にすることができる。また、収容物を工具ケース1から取出す際の使い勝手を良好にすることができる。
【0042】
図2,5に示すようにボックス2は、B面(底面)2aを有する。B面2aに対向するように第1開口2dと第2開口2eが位置しかつ第1開口2dと第2開口2eが相互に連通する。第1蓋3と第2蓋4は、それぞれの先端縁3d,4dが隣接してB面2aに対向する閉じ位置P1から、それぞれの先端縁3d,4dが相互に離れる方向に向けて開き位置P2へ回転する。
【0043】
したがって第1開口2dと第2開口2eが相互に連通することで、例えばサイズの大きい工具等を工具ケース1に容易に収容でき、容易に取り出すことができる。しかも第1蓋3と第2蓋4が閉じ位置P1から開き位置P2へ移動する際、第1蓋3の先端縁3dと第2蓋4の先端縁4dは相互に離れる。第1蓋3と第2蓋4が開き位置P2から閉じ位置P1へ移動する際、第1蓋3の先端縁3dと第2蓋4の先端縁4dは相互に近づく。そのため使用者は、第1蓋3を一方の手で把持し、第2蓋4を他方の手で把持して開閉できる。これにより第1蓋3と第2蓋4を開閉する操作性を高めることができる。
【0044】
図5に示すように第1蓋3と第2蓋4は、開き位置P2において、B面2aが起立する起立姿勢のボックス2を支持する。ボックス2には、ボックス2内の収容スペースSを仕切る中蓋5が設けられる。中蓋5には、収容スペースS内の工具を起立姿勢のボックス2において支持する工具支持部5aが形成されている。
【0045】
したがって第1蓋3と第2蓋4を脚部として利用してボックス2を起立姿勢で支持できる。そのため起立姿勢のボックス2の安定性を高めることができる。しかも中蓋5によって、ボックス2が起立姿勢の際に収容スペースS内の工具が倒れることを抑制できる。そのためボックス2が起立姿勢の状態で、工具を収容スペースS内に容易に収容でき、収容スペースS内から容易に取出すことができる。
【0046】
図6に示すように中蓋5のB面2a側には、小物入れ6が設けられている。したがって小物を小物入れ6に収容でき、小物よりも大きな工具等を中蓋5の手前側の収容スペースSに収容できる。そのため運搬の際等に小物と工具等が混ざることを抑制できる。これによりボックス2内が整理された状態を維持して工具ケース1を使用できる。
【0047】
図1,2に示すようにボックス2の外面には、充電式バッテリ101が解除可能に装着されるバッテリ装着部2hが設けられる。したがって充電式バッテリ101をバッテリ装着部2hに装着することで、ボックス2の収容スペースSを充電式バッテリ101のサイズ分、空けることができる。そのためサイズの大きい工具等をボックス2内に容易に収容できる。また、充電式バッテリ101を工具ケース1と共に持ち運びしていることを容易に確認できる。
【0048】
図3,5に示すようにボックス2には、ボックス2の内部を照射するライト8が設けられる。したがって第1蓋3が閉じている場合、または第2蓋4が閉じている場合においても、ボックス2の内部の視認性を良好にすることができる。
【0049】
図3,5に示すようにライト8は、ボックス2に回転可能に設けられる。ライト8は、ボックス2の内部を照射する内向き位置L1と、ボックス2の外部を照射する外向き位置L2との間で回転する。したがってボックス2の内部を照射するライト8を、外向き位置L2へ回転させることで工具ケース1を持ち運ぶ際等における照明具としても利用できる。そのため工具ケース1の使い勝手が向上する。
【0050】
図1,4に示すように第2蓋4は、光透過性を有する素材で設けられる光透過窓9を有する。したがって第1蓋3と第2蓋4を閉じた状態でも、ボックス2の内部に収容された収容物をボックス2の外部から容易に確認できる。
【0051】
図5,6に示すようにボックス2には、第1開口2dに近い開口側領域と第1開口2dから離れた奥側領域に区分けする中蓋(仕切り)5が設けられる。中蓋5は、ウレタン樹脂製の板部材である。
【0052】
したがって中蓋5は、可撓性を有する材料で設けられる。中蓋5が撓んで変形することで、開口側領域と奥側領域のサイズと容量が変化する。例えば奥側領域に多数の小物等を収容して中蓋5で奥側領域を塞ぐ時、中蓋5の可撓性が低い場合には中蓋5を閉じることができない恐れがある。例えば開口側領域に比較的大きい工具等を収容して第1蓋3と第2蓋4で開口側領域を塞ぐ時、中蓋5の可撓性が低い場合には第1蓋3と第2蓋4を閉じることができない恐れがある。中蓋5に可撓性を持たせることで、収容物のサイズや容量が開口側領域または奥側領域のサイズや容量と略同じ場合でも、中蓋5および第1蓋3と第2蓋4を閉じることができる。
【0053】
図5に示すように工具ケース1は、第1開口2dと第2開口2eを備える箱状のボックス2を有する。工具ケース1は、ボックス2に設けられて第1開口2dを開閉する第1蓋3を有する。工具ケース1は、第1蓋3と異なる方向に開閉可能にボックス2に設けられて第2開口2eを開閉する第2蓋4を有する。
【0054】
したがって相互に異なる方向に開閉する第1蓋3と第2蓋4のいずれか一方、あるいは両方を開閉して、収容物を工具ケース1に収容することができ、または収容物を工具ケース1から取り出すことができる。さらに工具ケース1の姿勢に対応して第1蓋3または第2蓋4のいずれか一方、あるいは第1蓋3と第2蓋4の両方を開閉することもできる。したがって収容物を工具ケース1に収容する際の使い勝手を良好にすることができる。また、収容物を工具ケース1から取出す際の使い勝手を良好にすることができる。
【0055】
次に本開示の第2実施例を
図7~12に基づいて説明する。以下の説明では、第2実施例の工具ケース20について、
図1に示す第1実施例の工具ケース1と異なる部分のみ詳細に説明する。
図8に示すように工具ケース20は、第1開口21eと第2開口21fを具備するボックス21を有する。第1開口21eと第2開口21fは、相互に対向する面に設けられる。工具ケース1は、第1開口21eを開閉可能にボックス21に連結される第1蓋23と、第2開口21fを開閉可能にボックス21に連結される第2蓋25を有する。以下の説明において、使用者から見た視点で上下前後左右方向を規定する。工具ケース1の各面については、
図7に示す第1蓋23が上方に位置する姿勢を基準にして上面をT面、下面をB面、前面をF面、後面をR面として規定する。
【0056】
図8に示すようにボックス21は、矩形平板状のF面21aとR面21bと左面21cと右面21dの4つの側面を有する矩形箱形に設けられる。第1開口21eは、ボックス21のT面側において矩形状に開口する。第2開口21fは、ボックス21のB面側において矩形状に開口する。ボックス21は、上下方向に見て矩形枠状に設けられる。
【0057】
図8,9,11に示すようにF面21aとR面21bと左面21cと右面21dには、ボックス21の内方に向けて凹形状の凹部21gが設けられる。F面21aには、第1開口21eに隣接して左右に1つずつ、計2つの凹部21gが設けられる。R面21bには、第2開口21fに隣接して左部と右部に1つずつ、計2つの凹部21gが設けられる。左面21cと右面21dには、第1開口21eと第2開口21fに隣接して1つずつ、計2つの凹部21gが設けられる。各凹部21gには、ボックス21に回転可能に支持されるラッチ(連結部材)22が設けられる。各凹部21gの内面側は、ボックス21の内部に向けて矩形箱形に突出した突出部21hとして設けられる。
【0058】
図8に示すようにボックス21の内部には、複数の突出部21hに支持される仕切り21iが設けられる。仕切り21iは、ボックス21の前後方向の中央において略水平に延出する。仕切り21iは、後述する中蓋27を支持する。
【0059】
図7,8に示すように第1蓋23は、第1開口21eを塞ぐ矩形板状に設けられる。第1蓋23は、回転軸23aを中心に回転可能である。回転軸23aは、R面21bの第1開口21e側端部において左右方向に延出する。第1蓋23は、第1開口21eを塞ぐ閉じ位置から第1開口21eを開く開き位置に向けてB面側からT面側(
図7において下方から上方)へ回転する。第1蓋23のF面側には、ラッチ22と連結可能に突出した被連結部23bが設けられる。第1蓋23の4つの角部には、矩形状の凹部23fが設けられる。凹部23fには、他の工具ケースの脚部を載せることができる。
【0060】
図7に示すように第1蓋23の外面には、U字状のハンドル24が回転可能に設けられる。ハンドル24は、中央に設けられる把持部24aと、両端に設けられる支軸部24bを有する。ハンドル24は、支軸部24bを中心にして、第1蓋23に対して起立した使用位置と、第1蓋23の外面に倣った収納位置の間で回転可能である。第1蓋23の外面には、ハンドル24を収容可能なU字状の溝形状の凹部23cが設けられる。凹部23cは、把持部24aが収容される周囲において凹部23cよりも幅の広い凹部23dに連通される。使用者は、凹部23dに指を入れることで収納位置のハンドル24の把持部24aを把持することができる。
【0061】
図8,11に示すように第2蓋25は、第2開口21fを塞ぐ矩形板状に設けられる。第2蓋25は、回転軸25aを中心に回転可能である。回転軸25aは、F面21aの第2開口21f側端部において左右方向に延出する。第2蓋25は、第2開口21fを塞ぐ閉じ位置から第2開口21fを開く開き位置に向けてT面側からB面側(
図8において方から下方)へ回転する。すなわち第1蓋23と第2蓋25は、閉じ位置から開き位置に向かう回転方向が相互に上下逆方向である。第2蓋25のR面側には、ラッチ22と連結可能に突出した被連結部25bが設けられる。第2蓋25の4つの角部には、凹部23fには、他の工具ケースの脚部を載せることが可能な矩形状の凹部25fが設けられる。
【0062】
図8に示すように第2蓋25の外面には、U字状のハンドル26が回転可能に設けられる。ハンドル26は、中央に設けられる把持部26aと、両端に設けられる支軸部26bを有する。ハンドル26は、支軸部26bを中心にして、第2蓋25に対して起立した使用位置と、第2蓋25の外面に倣った収納位置の間で回転可能である。第2蓋25の外面には、第1蓋23と同様にU字状の溝形状の凹部25cと、凹部25cよりも幅が広くかつ凹部25cと連通する凹部25dが設けられる。
【0063】
図9~12に示すようにボックス2の内部には、中蓋27を取外し可能に挿入できる。中蓋27は、ボックス21や第1蓋23や第2蓋25よりも可撓性の高い材料、例えばウレタン樹脂を材料にして板状に設けられる。中蓋27は、ボックス21の収容スペースSを第1開口21e側の開口側領域S1と、第2開口21f側の奥側領域S2(
図8参照)に区分けする。中蓋27は、仕切り21iの第1開口21e側に位置する第1中蓋27aと、仕切り21iの第2開口21f側に位置する第2中蓋27bを含む。中蓋27の4つの角部には、突出部21hとの干渉を避けるために矩形に切欠かれた切欠き部27dが設けられる。
【0064】
図9,10に示すように工具ケース20は、T面側を上方にした姿勢で使用することができる。T面側を上方にした姿勢では、第1蓋23を開閉して収容物をボックス21の開口側領域S1に収容または開口側領域S1から取出すことができる。第1中蓋27aには、工具等を保持可能な凹凸形状の工具支持部27cが設けられる。ボックス21の開口側領域S1には、充電式バッテリ101や、充電式バッテリ101を充電可能な充電器102等を収容できる。第1蓋23の内面には、凹凸形状を備えた内側トレイ23eが取付けられる。内側トレイ23eは、第1中蓋27aと協働して充電式バッテリ101や充電器102等を位置決めし、ボックス21の内部での移動を抑制する。内側トレイ23eは、中蓋27と同様に可撓性の高い材料、例えばウレタン樹脂を材料にして設けられる。
【0065】
図11,12に示すよう工具ケース20は、B面側を上方にした姿勢で使用することもできる。B面側を上方にした姿勢では、第2蓋25を開閉して収容物をボックス21の奥側領域S2に収容または奥側領域S2から取出すことができる。ボックス21の奥側領域S2には、工具100等を収容できる。第2蓋25の内面には、凹凸形状を備えた内側トレイ25eが取付けられる。内側トレイ25eは、工具100等を位置決めし、ボックス21の内部での移動を抑制する。内側トレイ25eは、中蓋27と同様に可撓性の高い材料、例えばウレタン樹脂を材料にして設けられる。
【0066】
上述するように第1開口21eと第2開口21fは、
図8に示すようにボックス21において相互に対向して位置する。第1蓋23と第2蓋25は、ボックス21において相互に対角する端縁に位置する回転軸23a,25aを中心に回転する。したがって第1蓋23を上側にし、かつ第2蓋25を下側にした姿勢で第1蓋23を開閉できる。第2蓋25を上側にし、かつ第1蓋23を下側にした姿勢で第2蓋25を開閉できる。そのためボックス21内の第1蓋23に近い領域に収容物を収容する際または取出す際には、第1蓋23を開いて第1開口21eから収容物を収容し、または取出す。ボックス21内の第2蓋25に近い領域に収容物を収容する際または取出す際には、第2蓋25を開いて第2開口21fから収容物を収容し、または取出す。これにより工具ケース20の使い勝手を高めることができる。
【0067】
図8,9に示すようにボックス21の外面には、第1開口21eと反対側に配置された他の工具ケース20に連結するラッチ(連結部材)22が設けられる。ボックス21は、外面から内部に向けて凹設されかつラッチ22が収容される凹部21gを有する。ボックス21は、凹部21gの裏側でボックス21の内部に向けて突出しかつ第1開口21eから挿入された中蓋27を支持する突出部21hを有する。中蓋27は、突出部21hに支持されてボックス21の内部を仕切る。したがって他の工具ケース20と連結可能に設けられているボックス21の凹部21gを利用して、中蓋27を支持する突出部21hの強度を高めることができる。そのためボックス21の収容スペースを減らすことなく中蓋27を安定した姿勢で保持できる。
【0068】
次に本開示の第3実施例を
図13~21に基づいて説明する。
図13に示すようにケース30は、矩形箱形のボックス31と、ボックス31の上部に取外し可能に装着される蓋34を有する。以下の説明において、蓋34側を上側、ボックス31側を下側とし、前後左右方向については使用者から見た視点で規定する。
【0069】
図14に示すようにボックス31は、矩形板状の底面31aと、底面31aに対して起立する前面31b、後面31c、左面31d、右面31eの4つの側面を有する。ボックス31は、底面31aと対向する上面側に矩形状の開口31fを有する。左面31dと右面31eの上端には、後述する係合部32を装着可能な貫通孔31gが複数個設けられる。前面31b、左面31d、右面31eの下部には、他のケースが備えたラッチと係合可能にボックス31の外方に向けて突出した凸部31hが設けられる。
【0070】
図13に示すように前面31bの外面には、U字状のハンドル33が回転可能に設けられる。ハンドル33は、中央に設けられる把持部33aと、両端に設けられる支軸部33bを有する。ハンドル33は、支軸部33bを中心にして、前方に延出した使用位置と、前面の外面に倣った収納位置の間で回転可能である。使用者は、使用位置のハンドル33の把持部33aを把持することで、前面31bを上側にしてケース30を持ち運びできる。
【0071】
図18に示すように底面31aの外面には、脚部31iが設けられる。脚部31iは、底面31aの4つの角部に設けられる。各脚部31iは、他のケースの蓋の上面に設けられた凹部と係合する。これによりボックス31は、他のケースと前後方向または左右方向に位置ずれしないように載置される。
【0072】
図14に示すように蓋34は、ボックス31に係合するボックス係合部35と、ボックス係合部35に回転可能に支持される小物入れ(仕切り)37と、小物入れ37に回転可能に支持される小蓋38を含む。ボックス係合部35は、ボックス31の開口31fと略同じサイズの矩形枠状に設けられる。ボックス係合部35の枠部(外周)35aには、ボックス31に装着された係合部32と係合可能な被係合部35dが設けられる。ボックス係合部35の左面と右面には、ボックス係合部35の内方に向けて凹形状の凹部35cが設けられる。被係合部35dは、凹部35cにおいて上下方向に貫通する貫通孔として設けられる。被係合部35dには、外側端縁からボックス係合部35の内方に向けて水平に延出する突出部35eが設けられる。被係合部35dは、突出部35eを有することで略U字状の貫通孔に設けられる。
【0073】
図14,15に示すようにボックス係合部35の後面には、左右方向に延出するヒンジ軸36が設けられる。小物入れ37は、ヒンジ軸36を中心にしてボックス係合部35の上部の開口35bを開閉可能に上下方向に回転する。ボックス係合部35の前面には、回転可能に支持される2つのラッチ35fが設けられる。ラッチ35fは、後述する小物入れ37の凸部37eに対して外方から内方に向けて回転して係合する。これにより小物入れ37は、ボックス係合部35の開口35bを閉じた状態でボックス係合部35に保持される。
【0074】
図14に示すように小物入れ37は、上下方向に起立する複数のリブ37aを有する。小物入れ37の収容スペースは、複数のリブ37aによって区分けされる。複数のリブ37aを含む小物入れ37は、ボックス31やボックス係合部35や小蓋38よりも可撓性の高い材料、例えばウレタン樹脂を材料にして板状に設けられる。小物入れ37の上面後部には、他のケースの脚部を載置可能な凹部37cが設けられる。凹部37cの下方には、後述する小蓋38の回転軸部38cが挿入される回転支持凹部37dが設けられる。小物入れ37の前面には、ボックス係合部35のラッチ35fと係合可能に前方へ突出する凸部37eが設けられる。小物入れ37の前面には、後述する小蓋38のラッチ38dと係合可能に上下方向に貫通する係合孔37fが設けられる。
【0075】
図14に示すように小蓋38の上面前部には、他のケースの脚部を載置可能な凹部38aが設けられる。小蓋38の上面中央には、ケース30よりも小さいサイズの他のケースを載置可能な凹部38bが設けられる(
図19参照)。小蓋38の後部には、左右方向に円柱状に突出した回転軸部38cが設けられる。回転軸部38cを小物入れ37の回転支持凹部37dに挿入することで、小蓋38は、回転軸部38cを中心にして上下方向に回転可能である。これにより小蓋38は、小物入れ37の上部の開口37bを開閉可能である。小蓋38の前部には、回転可能に支持されるラッチ38dが設けられる。ラッチ35fは、小物入れ37の係合孔37fに対して上方から下方に向けて回転して係合する。これにより小蓋38は、小物入れ37の開口37bを閉じた状態で小物入れ37に保持される。
【0076】
図16,17に示すように小物入れ37は、ボックス31と蓋34が協働して形成するスペースを上下方向に区分けする。具体的には、小物入れ37の開口37b側に位置する上方の開口側領域S1と、小物入れ37の下方に位置する奥側領域S2に区分けできる。開口側領域S1には、先端工具等の付属品、ねじやアンカボルト等の取付具、メジャー等の道具類等の小物を収容できる。小物は、リブ37aで区分けされた各領域に種類別に収容することもできる。奥側領域S2には、工具、充電式バッテリ、充電器等を収容できる。ラッチ35fを閉じかつラッチ38dを開くことで、小物入れ37を閉じ位置で保持した状態で小蓋38のみを開くことができる。これにより収容物を開口側領域S1に収容または開口側領域S1から取出すことができる。ラッチ38dを閉じかつラッチ35fを開くことで、小蓋38が閉じ位置で保持された状態で小物入れ37のみをボックス係合部35に対して開くことができる。これにより開口側領域S1は閉じた状態で、収容物を奥側領域S2に収容または奥側領域S2から取出すことができる。
【0077】
図20,21に示すように係合部32は、略矩形の枠状に設けられる。係合部32は、三角柱状の上部32aと、矩形平板状の下部32bを有する。上部32aの両端と下部32bの両端は、それぞれ上下方向に連結される。上部32aの両端には、ボックス係合部35の枠部35aを上下方向に挟み込む蓋挟持部32c,32dが設けられる。上部32aの下方には、略水平に延出するボックス当接部32eが設けられる。ボックス当接部32eは、ボックス31の側面に装着されてボックス31の側面の下面に当接する。上部32aと下部32bの上下方向の間には、下部32bに片持ち梁状態で支持される片持ち梁部32fが設けられる。片持ち梁部32fの先端には、ボックス係合部35の枠部35aの上面と係合する爪32gが設けられる。上部32aの外側面は、使用者が指で押し操作可能な押し操作部32hとして設けられる。
【0078】
図20に示すように係合部32をボックス31の貫通孔31g(
図14参照)とボックス係合部35の被係合部35dに挿入する。蓋挟持部32c,32dは、被係合部35dの近傍に位置するボックス係合部35の枠部35aを上下に挟み込む。この状態で係合部32は、ボックス31とボックス係合部35に仮係止された解除位置で保持される。さらに係合部32の押し操作部32hを外方から内方へ白抜き矢印で示すように押す。係合部32は、ボックス31に対して回転し、ボックス当接部32eが下方から上方へ移動し、上部32aとボックス当接部32eはボックス31の側面とボックス係合部35の枠部35aを上下に挟み込む。さらに片持ち梁部32fがボックス係合部35の突出部35eによって内方へ押される。これにより爪32g(
図21参照)がボックス係合部35の枠部35aの上面と係合する。かくして係合部32は係合位置へ移動し、ボックス31とボックス係合部35が上下方向に連結されて保持される。
【0079】
上述するようにケース30は、
図14に示すように開口31fを備える箱状のボックス31を有する。ケース30は、ボックス31の左面(側面)31dと右面(側面)31eに回転可能に設けられて解除位置と係合位置とに移動する係合部32を有する。ケース30は、開口31fを塞ぎかつ枠部(外周)35aに被係合部35dを備える複数の蓋の少なくとも1つの蓋34を有する。係合部32は、解除位置から係合位置へ移動して蓋34の被係合部35dと係合し、蓋34を交換可能に保持する。
【0080】
したがって蓋34に被係合部35dを設けることで、蓋34をボックス31の係合部32に係合させてボックス31の開口31fを塞ぐことができる。そのため同じボックス31を使い回しながら、ケース30の用途に合わせて複数の蓋を容易に交換できる。
【0081】
図16,17に示すように複数の蓋の少なくとも1つの蓋34には、開口31fに近い開口側領域S1と開口31fから離れた奥側領域S2に区分けする小物入れ(仕切り)37が設けられる。小物入れ37は、ウレタン樹脂製の板部材である。
【0082】
したがって蓋34に設けられた小物入れ37によって、ボックス31側の奥側領域S2を塞ぐことができる。また、蓋34と小物入れ37の間の開口側領域S1は蓋34によって塞ぐことができる。小物入れ37は、可撓性を有する材料で設けられる。仮に小物入れ37の可撓性が低い場合、例えば蓋34を交換してボックス31に取付ける際に、奥側領域S2または開口側領域S1に収容される収容物と小物入れ37が干渉し、小物入れ37または蓋34を閉じることができない恐れがある。小物入れ37に可撓性を持たせることで、収容物のサイズや容量が開口31f側領域または奥側領域S2のサイズや容量と略同じ場合でも、小物入れ37および蓋34を閉じることができる。
【0083】
次に本開示の第4実施例を
図22~25に基づいて説明する。第4実施例のケース40は、
図13に示すケース30の蓋34に代えて、蓋41を有する。以下の説明においては、ケース30と異なる箇所のみを詳細に説明する。
図22,23に示すようにケース40は、ボックス係合部42と、ボックス係合部42に回転可能に設けられる第1小蓋43と第2小蓋44を有する。第2小蓋44の上面には、U字状のハンドル45が回転可能に設けられる。
【0084】
図23に示すようにボックス係合部42は、矩形枠形状の枠部(外周)42aを有する。左右方向において枠部42aの中央には、前後方向に延出して枠部42aの前部と後部を連通する梁部42bが設けられる。ボックス係合部42の左部には、枠部42aと梁部42bによって形成される矩形状の第1開口42cが設けられる。ボックス係合部42の右部には、枠部42aと梁部42bによって形成される矩形状の第2開口42dが設けられる。
【0085】
図23に示すように枠部42aの左部と右部には、上下方向に貫通する孔形状の被係合部42eが設けられる。被係合部42eには、外側端縁からボックス係合部42の内方に向けて水平に延出する突出部42fが設けられる。被係合部42eには、ボックス31に装着された係合部32を係合させることができる。被係合部42eに係合部32を係合させることで、ボックス31とボックス係合部42が上下方向に連結されて保持される。
【0086】
図23に示すように枠部42aの左部には、第1小蓋43を回転可能に支持する第1小蓋支持部42gが設けられる。枠部42aの右部には、第2小蓋44を回転可能に支持する第2小蓋支持部42hが設けられる。梁部42bには、後述する第1小蓋43のラッチ43dと係合可能に上下方向に貫通する係合孔42iが設けられる。梁部42bには、後述する第2小蓋44のラッチ44dと係合可能に上下方向に貫通する係合孔42jが設けられる。
【0087】
図23~25に示すように第1小蓋43は、略矩形板状に設けられる。第1小蓋43は、閉じ位置に移動してボックス係合部42の第1開口42cを塞ぎ、開き位置に移動して第1開口42cを開く。第1小蓋43の上面左部には、他のケースの脚部を載置可能な矩形状の凹部43aが設けられる。第1小蓋43の左部には、前後方向に延出しかつボックス係合部42の第1小蓋支持部42gに回転可能に連結される回転軸43bが設けられる。第1小蓋43は、回転軸43bを中心にして右方の閉じ位置と左方の開き位置との間で回転可能である。第1小蓋43の上面には、ハンドル45を収納可能なU字状の溝状の凹部43cが設けられる。第1小蓋43の右部には、ボックス係合部42の係合孔42iと係合可能なラッチ43dが設けられる。ラッチ43dが上方から下方へ回転して係合孔42iに係合する。これにより第1小蓋43は、ボックス係合部42の第1開口42cを塞いだ閉じ位置で保持される。
【0088】
図23~25に示すように第2小蓋44は、略矩形板状に設けられる。第2小蓋44は、閉じ位置に移動してボックス係合部42の第2開口42dを塞ぎ、開き位置に移動して第2開口42dを開く。第2小蓋44の上面右部には、他のケースの脚部を載置可能な矩形状の凹部44aが設けられる。第2小蓋44の右部には、前後方向に延出しかつボックス係合部42の第2小蓋支持部42hに回転可能に連結される回転軸44bが設けられる。第2小蓋44は、回転軸44bを中心にして左方の閉じ位置と右方の開き位置との間で回転可能である。すなわち第1小蓋43と第2小蓋44は、閉じ位置から開き位置に向かう回転方向が相互に左右逆方向である。
【0089】
図23~25に示すように第2小蓋44の上面には、ハンドル45を収納可能なU字状の溝状の凹部44cが設けられる。第2小蓋44の右部には、ボックス係合部42の係合孔42jと係合可能なラッチ44dが設けられる。ラッチ44dが上方から下方へ回転して係合孔42jに係合する。これにより第2小蓋44は、ボックス係合部42の第2開口42dを塞いだ閉じ位置で保持される。
【0090】
図22,25に示すようにハンドル45は、中央に設けられる把持部45aと、両端に設けられる支軸部45bを有する。ハンドル45は、支軸部45bを中心にして、上下方向に起立した使用位置と、第1小蓋43または第2小蓋44の上面に倣った収納位置の間で左右方向に回転可能である。支軸部45bは、左右方向においてケース40の重心と略同じ位置に設けられる。ハンドル45は、第1小蓋43の凹部43cまたは第2小蓋44の凹部44cに収容されることで、ケース40の上に積載した他のケースとの干渉が抑制される。
【0091】
上述するようにケース40は、
図23に示すように開口31fを備える箱状のボックス31を有する。ケース40は、ボックス31の左面(側面)31dと右面(側面)31eに回転可能に設けられて解除位置と係合位置とに移動する係合部32を有する。ケース40は、開口31fを塞ぎかつ枠部(外周)42aに被係合部42eを備える複数の蓋の少なくとも1つの蓋41を有する。係合部32は、解除位置から係合位置へ移動して蓋41の被係合部42eと係合し、蓋34を交換可能に保持する。
【0092】
したがって蓋41に被係合部42eを設けることで、蓋41をボックス31の係合部32に係合させてボックス31の開口31fを塞ぐことができる。そのため同じボックス31を使い回しながら、ケース40の用途に合わせて複数の蓋を容易に交換できる。
【0093】
次に本開示の第5実施例を
図26に基づいて説明する。第5実施例のケース50は、
図22に示すケース40の蓋41に代えて、蓋51を有する。以下の説明においては、ケース30またはケース40と異なる箇所のみを詳細に説明する。
図26に示すようにケース50は、ボックス係合部42と、ボックス係合部42に回転可能に設けられる第1小蓋52と第2小蓋53を有する。第1小蓋52の上面には、U字状のハンドル54が回転可能に設けられる。第2小蓋53の上面には、U字状のハンドル55が回転可能に設けられる。
【0094】
図26に示すように第1小蓋52は、ハンドル54を有する点を除いて
図25に示す第1小蓋43と同様に設けられる。すなわち、第1小蓋52の上面左部には、他のケースの脚部を載置可能な凹部52aが設けられる。第1小蓋52の左部には、第1小蓋52の回転中心である回転軸52bが設けられる。第1小蓋52の上面には、ハンドル54を収納可能なU字状の溝状の凹部52cが設けられる。第1小蓋52の右部には、ボックス係合部42と係合して閉じ位置で保持可能なラッチ52dが設けられる。
【0095】
図26に示すように第2小蓋53は、ハンドル55を有する点を除いて
図25に示す第2小蓋44と同様に設けられる。すなわち、第2小蓋53の上面右部には、他のケースの脚部を載置可能な凹部53aが設けられる。第2小蓋53の右部には、第2小蓋53の回転中心である回転軸53bが設けられる。第2小蓋53の上面には、ハンドル55を収納可能なU字状の溝状の凹部53cが設けられる。第2小蓋53の右部には、ボックス係合部42と係合して閉じ位置で保持可能なラッチ53dが設けられる。
【0096】
図26に示すようにハンドル54は、中央に設けられる把持部54aと、両端に設けられる支軸部54bを有する。ハンドル54は、支軸部54bを中心にして、上下方向に起立した使用位置と、第1小蓋52の上面に倣った収納位置の間で回転可能である。ハンドル54は、左方に回転して収納位置で第1小蓋52の凹部52cに収容される。支軸部54bは、ケース40の重心の左方に位置する。ハンドル55は、中央に設けられる把持部55aと、両端に設けられる支軸部55bを有する。ハンドル55は、支軸部55bを中心にして、上下方向に起立した使用位置と、第2小蓋53の上面に倣った収納位置の間で回転可能である。ハンドル55は、左方に回転して収納位置で第2小蓋53の凹部53cに収容される。支軸部55bは、ケース40の重心の右方に位置する。使用者は、使用位置に移動したハンドル54とハンドル55の両方を把持してケース50を持ち運びできる。
【0097】
以上説明した各実施例には種々変更を加えることができる。相互に異なる方向に回転する2つの蓋を例示した。これに代えて相互に異なる方向に回転する3つ以上の蓋を設けても良い。相互に逆方向に回転可能に設けられてボックス2の開口を開閉する第1蓋3と第2蓋4を例示した。これに代えて、例えば相互に逆方向にスライド可能に設けられてボックス2の開口を開閉する第1蓋3と第2蓋4としても良い。第1蓋3の回転軸3cと第2蓋4の回転軸4cが相互に平行に延出する構成を例示した。これに代えて、例えば第1蓋3の回転軸3cと第2蓋4の回転軸4cが30°,45°,60°,90°,120°等の角度で相互に交差する方向に延出していても良い。
【0098】
光透過窓9を第2蓋4に設ける構成を例示した。これに代えて光透過窓9を第1蓋3、あるいは第1蓋3と第2蓋4の両方に設けても良い。ライト8または光透過窓9またはバッテリ装着部2hを第2~第5実施例のいずれかに適用しても良い。
【0099】
可撓性の高いウレタン樹脂製の中蓋5,27や小物入れ37等の仕切りを例示した。これに代えて仕切りは、例えば繊維製の網であっても良い。仕切りを網で設けることで可撓性を更に高めることができる。また、仕切りが閉じ位置の場合でも奥側領域S2を視認することができる。仕切りを1つ設ける構成を例示したが、仕切りを複数個設けて奥側領域S2をさらに区分けする構成としても良い。仕切りを設けない構成としても良い。
【0100】
ボックス31と分離可能に設けられる係合部32を例示した。これに代えて係合部32は、例えばボックス31に回転可能に一体に設けられるラッチ等であっても良い。押し操作される係合部32を例示した。これに代えて係合部32は、例えばスライド操作や引き操作、回転操作等でボックス31と複数の蓋のいずれか1つを係合する構成であっても良い。
【0101】
第1開口42cと第2開口42dのいずれもボックス31の内部の同じ収容スペースに連通される蓋41を例示した。これに代えて蓋41にボックス31の収容スペースを区分けする仕切りを設け、第1開口42cと第2開口42dがそれぞれ別の区分けされた収容スペースに連通される構成であっても良い。
【符号の説明】
【0102】
1…工具ケース
2…ボックス、2a…B面(底面)、2b…F面、2c…R面、2d…第1開口
2e…第2開口、2f…リブ、2g…凹部、2h…バッテリ装着部
2i…脚部
3…第1蓋、3a…左面、3b…T面、3c…回転軸、3d…先端縁
3e…連結部材、3f…凹部、3g…凹部
4…第2蓋、4a…右面、4b…T面、4c…回転軸、4d…先端縁
4e…被連結部、4f…凹部、4g…凹部
5…中蓋(仕切り)、5a…工具支持部
6…小物入れ
7…ハンドル、7a…把持部、7b…支軸部
8…ライト、8a…照射面、8b…スイッチ、8c…回転軸
9…光透過窓
20…工具ケース
21…ボックス、21a…F面、21b…R面、21c…左面、21d…右面
21e…第1開口、21f…第2開口、21g……凹部、21h…突出部
21i…仕切り
22…ラッチ(連結部材)
23…第1蓋、23a…回転軸、23b…被連結部、23c,23d…凹部
23e…内側トレイ、23f…凹部
24…ハンドル、24a…把持部、24b…支軸部
25…第2蓋、25a…回転軸、25b…被連結部、25c,25d…凹部
25e…内側トレイ、25f…凹部
26…ハンドル、26a…把持部、26b…支軸部
27…中蓋、27a…第1中蓋、27b…第2中蓋、27c…工具支持部
27d…切欠き部
30…ケース
31…ボックス、31a…底面、31b…前面(側面)、31c…後面(側面)
31d…左面(側面)、31e…右面(側面)、31f…開口
31g…貫通孔、31h…凸部、31i…脚部
32…係合部、32a…上部、32b…下部、32c,32d…蓋挟持部
32e…ボックス当接部、32f…片持ち梁部、32g…爪、32h…押し操作部
33…ハンドル、33a…把持部、33b…支軸部
34…蓋
35…ボックス係合部、35a…枠部(外周)、35b…開口、35c…凹部
35d…被係合部、35e…突出部、35f…ラッチ
36…ヒンジ軸
37…小物入れ(仕切り)、37a…リブ、37b…開口、37c…凹部
37d…回転支持凹部、37e…凸部、37f…係合孔
38…小蓋、38a…凹部、38b…凹部、38c…回転軸部、38d…ラッチ
40…ケース
41…蓋
42…ボックス係合部、42a…枠部(外周)、42b…梁部、42c…第1開口
42d…第2開口、42e…被係合部、42f…凸部
42g…第1小蓋支持部、42h…第2小蓋支持部、42i,42j…係合孔
43…第1小蓋、43a…凹部、43b…回転軸、43c…凹部、43d…ラッチ
44…第2小蓋、44a…凹部、44b…回転軸、44c…凹部、44d…ラッチ
45…ハンドル、45a…把持部、45b…支軸部
50…ケース
51…蓋
52…第1小蓋、52a…凹部、52b…回転軸、52c…凹部
53…第2小蓋、53a…凹部、53b…回転軸、53c…凹部
54…ハンドル、54a…把持部、54b…支軸部
55…ハンドル、55a…把持部、55b…支軸部
100…工具
101…充電式バッテリ
102…充電器
103…
S…収容スペース
S1…開口側領域、S2…奥側領域
P1…閉じ位置、P2…開き位置
L1…内向き位置、L2…外向き位置