(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117363
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】吹出口装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/078 20060101AFI20240822BHJP
F24F 13/075 20060101ALI20240822BHJP
F24F 13/068 20060101ALI20240822BHJP
F24F 13/14 20060101ALI20240822BHJP
F24F 13/10 20060101ALI20240822BHJP
F24F 13/15 20060101ALI20240822BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240822BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240822BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20240822BHJP
【FI】
F24F13/078
F24F13/075
F24F13/068 B
F24F13/14 D
F24F13/14 E
F24F13/10 Z
F24F13/15 B
F21V33/00 330
F21V23/00 115
F21V9/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023425
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000164553
【氏名又は名称】空研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】清國 栄治
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 清二
【テーマコード(参考)】
3K014
3L080
3L081
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RA01
3L080BA07
3L080BA10
3L080BB01
3L081AA02
3L081AB01
3L081FA04
(57)【要約】
【課題】開口部からの調和空気の吹出し方向を簡易な手法にて可視化することのできる吹出口装置を提供する。
【解決手段】吹出口装置1は、調和空気を室内空間に吹き出し、当該吹出し方向を変えて調和空気を吹き出す枠体2と、枠体2と一体的に配設され、枠体2から吹き出される調和空気の吹出し方向へ照明を照射する照明部3とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調和空気を室内空間に吹き出し、当該吹出し方向を変えて調和空気を吹き出す枠体と、
前記枠体と一体的に配設され、前記枠体から吹き出される調和空気の吹出し方向へ照明を照射する照明部とを備えることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吹出口装置において、
前記照明部が、調和空気の吹出し領域に向けて照明を照射することを
特徴とする吹出口装置。
【請求項3】
請求項1に記載の吹出口装置において、
回動可能な板状体からなり、当該板状体を回動させることで調和空気の吹出し方向を所定の向きに制限する気流制限部を備えることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項4】
請求項3に記載の吹出口装置において、
前記気流制限部の下方に配設されるとともに、回動可能な板状体からなり、当該板状体が前記気流制限部の板状体とは異なる方向に回動して、調和空気の吹出し方向を所定の向きに案内する気流案内部を備えることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項5】
請求項3に記載の吹出口装置において、
前記気流制限部が、前記枠体に固定された第1の板状体と、前記第1の板状体に対して回動可能な第2の板状体とを備え、
前記第2の板状体が、前記第1の板状体に対して回動することにより調和空気の吹出し方向を制限することを
特徴とする吹出口装置。
【請求項6】
請求項1に記載の吹出口装置において、
前記照明部が、使用環境に応じて色温度を変化させる調色機能を有していることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項7】
請求項1に記載の吹出口装置において、
前記照明部が、前記枠体の底面視外縁部又は周辺部に配設されることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項8】
請求項1に記載の吹出口装置において、
対象者を感知する光学センサを備えることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項9】
請求項1に記載の吹出口装置において、
少なくとも前記照明部の照射経路に向けて微細液滴を噴霧する噴霧部を備えることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項10】
請求項3に記載の吹出口装置において、
前記照明部が、前記気流制限部に一体的に配設されることを
特徴とする吹出口装置。
【請求項11】
請求項4に記載の吹出口装置において、
前記照明部が、前記気流案内部に一体的に配設されることを
特徴とする吹出口装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部からの調和空気の吹出し方向を簡易な手法にて可視化することのできる吹出口装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和設備において、ダクトを通じて送られる調和空気を空気調和対象の室内空間に吹き出す吹出口装置は、室内空間への調和空気の到達しやすさ等を考慮して天井に配設されることが多い。
近年では、天井パネルや、吹出口装置、照明器具等を一つのシステムとして共通の線状に連続して配設した、いわゆるシステム天井の構造も採用されている。
【0003】
例えば、従来の吹出し機構は、居住域に向かって風を送り出す第1の位置と、非居住域に向かって風を送り出す第2の位置との2つの位置に変位可能な風向板と、空調機から吹出し用開口に送られる空気の温度に応じて形態が変化することによって、風向板の位置を変更する位置調整部材とを備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の吹出し機構は、形状記憶合金素材等で構成された位置調整部材が温度に応じて上下方向に進退することを利用して風向板の位置を自動的に変位させ、季節に応じて風向を制御するものである。
【0006】
しかしながら、この吹出し機構では、風向を変えることは可能であるものの、季節に応じてのみ自動的に変わるものであり、また、その風向を可視化するものではない。
すなわち、従来の吹出口装置では、居室に入室した際に、作業スペースあるいはその方向に吹出口装置から調和空気が送り出されているかを居室を見ただけでは判断することはできなかった。その解決策として、調和空気が吹き出す開口部に長尺のテープ等を括り付け、そのテープの流れる方向を見て風向を判断していたが、調和空気の吹出し方向のそれぞれにテープを括り付ける必要があり、見栄えが悪かった。
【0007】
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、開口部からの調和空気の吹出し方向を簡易な手法にて可視化することのできる吹出口装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る吹出口装置は、調和空気を室内空間に吹き出し、当該吹出し方向を変えて調和空気を吹き出す枠体と、前記枠体と一体的に配設され、前記枠体から吹き出される調和空気の吹出し方向へ照明を照射する照明部とを備えるものである。
【0009】
このように本発明においては、照明部が、枠体から吹き出される調和空気の吹出し方向へ照明を照射することから、照明部からの照明方向を確認するだけで調和空気の吹出し方向を判断することができることとなり、見栄えを損なうことなく、開口部からの調和空気の吹出し方向を簡易な手法にて可視化することができる。
【0010】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、照明部が、調和空気の吹出し領域に向けて照明を照射するものである。
【0011】
このように本発明においては、調和空気の吹出し領域に向けて、照明部が照明を照射することから、照明部による照射領域に向けて調和空気が直接的に吹き出されることとなり、調和空気の吹出し領域を照明によって視認できるだけでなく、室内空間において、使用者のみに照明と調和空気の送風を行い、ランニングコストを低減することができる。
【0012】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、回動可能な板状体からなり、当該板状体を回動させることで調和空気の吹出し方向を所定の向きに制限する気流制限部を備えるものである。
【0013】
このように本発明においては、気流制限部にて調和空気の吹出し方向を所定の向きに制限することから、使用者の使用態様に応じて、調和空気の吹出し方向を制御することができる。
【0014】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、前記気流制限部の下方に配設されるとともに、回動可能な板状体からなり、当該板状体が前記気流制限部の板状体とは異なる方向に回動して、調和空気の吹出し方向を所定の向きに案内する気流案内部を備えるものである。
【0015】
このように本発明においては、気流案内部が、気流制限部の板状体とは異なる方向に回動して、調和空気の吹出し方向を所定の向きに案内する板状体から構成されることから、気流制限部で風向を調整された調和空気を、更に異方向へ案内することができることとなり、より多方向へ調和空気を流通させることができる。
【0016】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、前記照明部が、使用環境に応じて色温度を変化させる調色機能を有しているものである。
【0017】
このように本発明においては、使用環境に応じて色温度を変化させる調色機能を照明部が有していることから、使用環境に応じた照明光を使用者に照明できることとなり、空調機能に加えて、使用者の作業の効率化を促進させることができる。
【0018】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、前記気流制限部が、前記枠体に固定された第1の板状体と、前記第1の板状体に対して回動可能な第2の板状体とを備え、前記第2の板状体が、前記第1の板状体に対して回動することにより調和空気の吹出し方向を制限するものである。
【0019】
このように本発明においては、第2の板状体が第1の板状体に対して回動することにより調和空気の吹出し方向を制限する気流制限部を備えることから、複雑な構成を必要とせず、板状体の回動動作という単純な動作によって調和空気の吹出し方向を制限できることとなり、製造コストやランニングコストを抑えることができる。
【0020】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、前記照明部が、前記枠体の底面視外縁部又は周辺部に配設されるものである。
【0021】
このように本発明においては、枠体の底面視外縁部又は周辺部に照明部が配設されることから、調和空気の吹出し方向に加えて、調和空気の吹出し領域に対して、照明部による照明をより容易となり、開口部からの調和空気の吹出し方向及び吹出し領域を簡易な手法にて可視化することができる。
【0022】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、対象者を感知する光学センサを備えるものである。
【0023】
このように本発明においては、対象者を感知する光学センサを備えることから、対象者(使用者)の動きや熱等を感知して、当該感知情報により自動制御できることとなり、対象者の端末操作を要することなく、調和空気の吹出し方向及び照明部による照明方向を自動で切り替えることができる。
【0024】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、少なくとも前記照明部の照射経路に向けて微細液滴を噴霧する噴霧部を備えるものである。
【0025】
このように本発明においては、噴霧部が照明部の照射経路に向けて微細液滴を噴霧することから、微細液滴による照明光の散乱によって微細液滴を認識できることとなり、照明光が当たる作業スペースが直接視認できないような場合であっても、吹出口装置近傍の照明光を散乱させている微細液滴を確認することで、照明部の照明方向を一見して目視で確認することができる。
【0026】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、前記照明部が、前記気流制限部に一体的に配設されるものである。
【0027】
このように本発明においては、気流制限部に一体的に配設される照明部を備えることから、気流制限部の回動に合わせて照明部も気流制限部と同一方向へ向きを変えることができることとなり、開口部からの調和空気の吹出し方向と照明部からの照明方向とをより簡易な駆動制御によって同一に同期させることができる。
【0028】
本発明に係る吹出口装置は、必要に応じて、前記照明部が、前記気流案内部に一体的に配設されるものである。
【0029】
このように本発明においては、気流案内部に一体的に配設される照明部を備えることから、気流案内部の回動に合わせて照明部も気流案内部と同一方向へ向きを変えることができることとなり、開口部からの調和空気の吹出し方向と照明部からの照明方向とをより簡易な駆動制御によって同一に同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る吹出口装置の全開状態を示す平面図である。
【
図2】
図1における吹出口装置を天井に取り付けた際のI-I線端面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る吹出口装置の全閉状態を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る吹出口装置の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る吹出口装置における気流制限部の各種動作状態を示す端面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る吹出口装置の全開状態を示す平面図である。
【
図7】
図6における吹出口装置を天井に取り付けた際のJ-J線端面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る吹出口装置の機能ブロック図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係る吹出口装置における気流制限部の概略図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係る吹出口装置における気流制限部の他の例を示す概略図である。
【
図11】
図10に示す他の気流制限部の構成を説明するための模式図である。
【
図12】本発明の第4の実施形態に係る吹出口装置の平面図である。
【
図13】
図12における吹出口装置を天井に取り付けた際のK-K線端面図である。
【
図14】本発明の第4の実施形態に係る吹出口装置の機能ブロック図である。
【
図15】本発明の第5の実施形態に係る吹出口装置の平面図である。
【
図16】
図15における吹出口装置を天井に取り付けた際のL-L線端面図である。
【
図17】本発明の第6の実施形態に係る吹出口装置の平面図である。
【
図18】
図17における吹出口装置を天井に取り付けた際のM-M線端面図である。
【
図19】本発明の第7の実施形態に係る吹出口装置の平面図である。
【
図20】
図19における吹出口装置を天井に取り付けた際のN-N線端面図である。
【
図21】本発明の第8の実施形態に係る吹出口装置の平面図である。
【
図22】
図21における吹出口装置を天井に取り付けた際のO-O線端面図である。
【
図23】本発明の第8の実施形態に係る吹出口装置の機能ブロック図である。
【
図24】本発明の第8の実施形態に係る吹出口装置の他の例を示す平面図である。
【
図25】
図24における吹出口装置を天井に取り付けた際のP-P線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る吹出口装置について、
図1ないし
図3を用いて説明する。本実施形態の全体を通して、同じ要素には同じ符号を付している。
【0032】
本実施形態に係る吹出口装置1は、調和空気を室内空間に吹き出し、当該吹出し方向を変えて調和空気を吹き出す枠体2と、枠体2と一体的に配設され、枠体2から吹き出される調和空気の吹出し方向へ照明を照射する照明部3とを備える。
【0033】
枠体2は、調和空気が通過可能な所定の開口断面形状の開口部4を取り囲む、金属等の強度の高い材質製の略箱状体として形成され、室内空間における天井50に配設される構成である。この枠体2は、天井50の内側に配設された調和空気供給用の公知のダクト51と接続されて、このダクト51から調和空気を供給され、開口部4を通じて調和空気を室内空間へ吹き出す仕組みである。
【0034】
枠体2は、その上部中央に、ダクト51との連結に用いられる円筒状のネック部5と、室内空間側に向けて開口断面の拡開状となる外コーン部6と、室内空間側に向けて開口断面の拡開状とされ、調和空気を所定の向きに案内するセンターコーン部7とを備える。
センターコーン部7は、その内側上面に照明部3が取り付けられており、上面が水平状態となるように外コーン部6に支持されている。
【0035】
ネック部5内部には、ネック部5の内側面に固定された駆動部18(18aないし18d)と、調和空気の吹出し方向を所定の向きに制限する気流制限部8とが配設されている。気流制限部8は、矩形状の板状体8aないし8dから構成される。板状体8aないし8dは、その中央において長手方向に配設された駆動軸80aないし80dを介して、それぞれ駆動部18aないし18dに軸支され、この駆動軸80aないし80dを回転軸として回動自在に構成されている。
【0036】
図1及び
図2に示す例では、板状体8aないし8dは、水平状態から垂直に立てられた状態となっており、調和空気はダクト51からほぼ真下の室内空間に向けて吹くこととなる。
また、
図3に示す例では、板状体8aないし8dは、水平方向に配設された状態となっており、ダクト51からの調和空気は板状体8aないし8dに遮られて、室内空間へ流通しないようになっている。
なお、板状体8aないし8dの傾斜角度は、使用者の設定に応じて、自由に変更可能となっている。
【0037】
照明部3は、枠体2のセンターコーン部7内側上面に取り付けられた円板状の支持基板12と、支持基板12に吊下保持されたアーム13と、アーム13に保持された光源14とを備える。
支持基板12は、図示しない駆動部により、周方向に回動自在とされている。
アーム13は、支持基板12の中心位置から偏心した位置に取り付けられている。そのため、支持基板12の回動動作に伴って、アーム13に支持された光源14は、支持基板12の周方向に回動することとなる。
光源14としては、特に制限されず、白熱電球、LED等を使用することができる。また、拡散板で被覆されたLEDも使用することができる。
なお、照明部3は、1軸駆動で光源14の位置を変更可能としているが、これに制限されず、2軸駆動やクランク機構等を採用することにより、光源14の配置位置や照射角度を変更することもできる。また、光源14の個数も特に制限されず、支持基板12の周方向に等間隔に4個の光源を設けることもできる。
【0038】
このように、光源14の配置位置や照射角度を変更すれば、調和空気の吹出し領域に向けて、照明部3が照明を照射することから、照明部3による照射領域に向けて調和空気が直接的に吹き出されることとなり、調和空気の吹出し領域を照明によって視認できるだけでなく、室内空間において、使用者のみに照明と調和空気の送風を行い、ランニングコストを低減することができる。
【0039】
なお、照明部3は、状況に応じて光源14からの照明光の光を変化させる調色機能を有していてもよい。
【0040】
例えば、室内空間の温度が同じ条件下で、昼光色、電球色で人の温度の感じ方を比較すると、色温度の高い昼光色では室内空間の温度を低く感じ、色温度の低い電球色では室内空間の温度を高く感じるとされている。
そこで、通常使用する照明光を昼白色とした場合、吹出口装置1の起動直後において、気温の高い夏場では、照明光の色を昼白色よりも色温度の高い寒色系とし、気温の低い冬場では、照明光の色を昼白色よりも色温度の低い暖色系として、その後、時間の経過に伴って照明光の色を昼白色とすることもできる。
その他、使用者の作業時間帯や作業内容、天候(天気、湿度)などの使用環境に応じて、照明光の色を変化させてもよい。
【0041】
以上のように、使用環境に応じて色温度を変化させる調色機能を照明部3が有していることから、使用環境に応じた照明光を使用者に照明できることとなり、空調機能に加えて、使用者の作業の効率化を促進させることができる。
【0042】
次に、本実施形態に係る吹出口装置1の駆動制御について、
図4及び
図5を用いて説明する。
なお、使用者による吹出口装置1の操作時、気流制限部8は全開状態(
図1及び
図2参照)にあるものとする。
【0043】
吹出口装置1は、リモートコントローラーやスマートフォン等の端末から赤外線通信等により送信された信号を受信し、受信した信号から操作情報を取得する入力部15と、取得した操作情報に基づいて気流制限部8を駆動するための駆動情報を演算し、この気流制限部8の駆動情報に基づいて気流制限部8の駆動を制御する吹出方向制御部16と、吹出方向制御部16に演算された気流制限部8の駆動情報に基づいて照明部3を駆動するための駆動情報を演算し、照明部3の駆動情報に基づいて照明部3の駆動を制御する照明方向制御部17と、吹出方向制御部16が演算した駆動情報に基づいて気流制限部8を駆動する吹出方向駆動部18と、照明方向制御部17が演算した駆動情報に基づいて照明部3を駆動する照明方向駆動部19とを備える。
【0044】
入力部15は、使用者が端末を操作して入力した情報を赤外線通信等により受信すると、当該受信信号から操作情報を取得し、この操作情報を吹出方向制御部16に送信する。
【0045】
吹出方向制御部16は、入力部15から取得した操作情報に基づいて、気流制限部8を駆動するための駆動情報を演算し、気流制限部8の駆動を制御する。
【0046】
例えば、使用者が吹出口装置1の方向A側で作業する場合(
図5(a))、使用者は端末にて吹出口装置1の風向を方向Aに設定する。すると、端末はこの設定に応じた信号を入力部15に送信し、入力部15は受信信号から操作情報を取得する。吹出方向制御部16は、この操作情報に基づいて、板状体8aの垂直な起立状態を維持し、板状体8bないし8dを水平状態とする駆動情報を演算する。
また、使用者が吹出口装置1の方向G側で作業する場合(
図5(b))、使用者は端末にて吹出口装置1の風向を方向Gに設定する。すると、端末はこの設定に応じた信号を入力部15に送信し、入力部15は受信信号から操作情報を取得する。吹出方向制御部16は、この操作情報に基づいて、板状体8dの垂直な起立状態を維持し、板状体8aないし8cを水平状態とする駆動情報を演算する。
また、使用者が吹出口装置1からの調和空気の流通を不要とする場合(
図5(c))、使用者は端末にて吹出口装置1からの調和空気の流通を「OFF」に設定する。すると、端末はこの設定に応じた信号を入力部15に送信し、入力部15は受信信号から操作情報を取得する。吹出方向制御部16は、この操作情報に基づいて、板状体8aないし8dを水平状態とする駆動情報を演算する。
【0047】
風向が方向Aに設定された場合、吹出方向駆動部18(18bないし18d)は、上記のようにして演算された駆動情報に基づいて、板状体8bないし8dを垂直状態から時計まわり又は反時計まわりに90度回転させて水平状態とし、吹出口装置1からの調和空気の風向を方向Aとする。
【0048】
なお、照明部3が調色機能を有している場合、吹出方向制御部16は、使用者による操作情報に基づき演算された駆動情報とともに、例えば、吹出口装置1使用時が夏場であるとき、照明部3による照明光の色をあらかじめ設定された時間だけ寒色系とし、設定時間経過後、照明光の色を昼白色とする情報を照明方向制御部17に送信する。
この際、温度センサにより室内空間の温度を検出し、当該温度があらかじめ設定された閾値よりも高い又は低い場合に、照明部3による照明光の色を変化させるようにしてもよい。また、照明光の色を変化させる場合、段階的に色温度を変化させるようにしてもよい。
【0049】
一方で、照明方向制御部17は、吹出方向制御部16からの気流制限部8の駆動情報に基づいて、照明部3の支持基板12を所定の角度(
図2に示す例では、時計まわりに90度)で回転させて、光源14を方向A側に移動させる駆動情報を演算する。
【0050】
照明方向駆動部19は、光源14を方向A側に移動させる、照明方向制御部17からの駆動情報に基づいて、照明部3の支持基板12を所定の角度で回転させて、光源14を方向A側に移動させる。なお、光源14の点灯は、光源14の移動前又は移動後に行われる。
【0051】
これにより、吹出口装置1の稼働状態(電源のON/OFF状態)、及び調和空気の風向を照明部3の照明方向から認識することができる。
【0052】
なお、使用者により吹出口装置1からの調和空気の流通を「OFF」に設定された場合、照明部3の照明方向は別途設定できるようにしてもよい。また、吹出口装置1からの調和空気の流通がないことを、照明の色や別途設けた補助等の点灯の有無などによって知らせるようにしてもよい。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る吹出口装置1は、照明部3が、枠体2から吹き出される調和空気の吹出し方向へ照明を照射することから、照明部3からの照明方向を確認するだけで調和空気の吹出し方向を判断することができることとなり、見栄えを損なうことなく、開口部4からの調和空気の吹出し方向を簡易な手法にて可視化することができる。
【0054】
(本発明の第2の実施形態)
上記第1の実施形態に係る吹出口装置では、気流制限部のみによって調和空気の風向を変える構成としたが、これに限らず、
図6及び
図7に示すように、更に気流案内部を備えて、調和空気の風向をより多方向に変える構成とすることもできる。
【0055】
気流制限部8の板状体8b及び8dの下方には、気流制限部8側から流通してきた調和空気の吹出し方向を更に調節する気流案内部35、36が設けられている。気流案内部35、36は、それぞれ板状体8b及び8dと接触しないように板状体8b及び8dと隙間をあけて設けられている。
【0056】
気流案内部35、36は、吹出口装置1内部の空間形状に合わせて、平行四辺形状の複数の板状体から構成され、気流制限部8の板状体8aないし8d及び気流案内部35、36の板状体が垂直方向に起立した状態において、平面視した際に気流制限部8の板状体8aないし8dと直交するように配設されている。
【0057】
気流案内部35、36は、それぞれ上端を軸として回動自在にセンターコーン部7に支持されている。気流案内部35、36を構成する板状体は、それぞれ互いに接触しない程度に隙間を開けて連結軸37a、37bに固定されて連設されている。
気流案内部35を構成する板状体のうち、一つの板状体には駆動部38(38a)が接続され、駆動部38aの駆動により前後方向(方向A及び方向E)に傾斜可能となっている。他の板状体も、連結軸37aを介して、駆動部38aが接続された板状体の動きに追従して傾斜する。同様に、気流案内部36を構成する板状体のうち、一つの板状体には駆動部38(38b)が接続され、駆動部38bの駆動により前後方向(方向A及び方向E)に傾斜可能となっている。
【0058】
なお、
図6及び
図7に示す例では、気流制限部8の板状体8a及び8cの下方のみに気流案内部35、36を配置しているが、すべての気流制限部8(板状体8aないし8d)の下方に気流案内部を配置するようにしてもよい。
【0059】
次に、本実施形態に係る吹出口装置1の駆動制御について、
図8を用いて説明する。
なお、入力部15、照明方向制御部17、照明方向駆動部19及び照明部3については、上記第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0060】
吹出方向制御部16は、入力部15から取得した操作情報に基づいて、気流制限部8及び気流案内部35、36を駆動するための駆動情報を演算し、気流制限部8及び気流案内部35、36の駆動を制御する。
【0061】
例えば、使用者が吹出口装置1の方向F側で作業する場合、使用者は端末にて吹出口装置1の風向を方向Fに設定する。すると、端末はこの設定に応じた信号を入力部15に送信し、入力部15は受信信号から操作情報を取得する。吹出方向制御部16は、この操作情報に基づいて、気流制限部8の板状体8aないし8cを閉状態としつつ、方向E側から見て板状体8dを水平状態から反時計まわりに45度の位置に回転させるとともに、気流案内部36を構成する板状体を方向G側から見て直立状態から反時計まわりに45度の位置へ回転させる駆動情報を演算する。
【0062】
風向が方向Fに設定された場合、吹出方向駆動部18(18d)は、上記のようにして演算された駆動情報に基づいて、気流制限部8の板状体8aないし8cを閉状態としつつ、方向E側から見て板状体8dを水平状態から反時計まわりに45度の位置に回転させる。一方で、吹出方向制御部16が演算した駆動情報に基づいて気流案内部35、36を駆動する駆動部38(38b)は、気流案内部36を構成する板状体を方向G側から見て直立状態から反時計まわりに45度の位置へ回転させて、吹出口装置1からの調和空気の風向を方向Fとする。
【0063】
このように、気流案内部35、36が、気流制限部8の板状体8aないし8dとは異なる方向に回動して、調和空気の吹出し方向を所定の向きに案内する板状体から構成されることから、気流制限部8で風向を調整された調和空気を、更に異方向へ案内することができることとなり、より多方向へ調和空気を流通させることができる。
【0064】
(本発明の第3の実施形態)
上記第1の実施形態に係る吹出口装置では、矩形状の板状体からなる気流制限部によって調和空気の風向を変える構成としたが、これに限らず、
図9に示すように、円板状の板状体からなる気流制限部によって調和空気の風向を変える構成とすることもできる。
【0065】
本実施形態に係るネック部5は、例えば、無底円筒状を呈している。このネック部5には、ネック部5と中心を同一とし、水平方向に延在する気流制限部81が配設されている。気流制限部81は、調和空気の吹出し方向を所定の向きに制限するものである。
気流制限部81は、中心角を概ね22.5度とする扇形状の板状体81aないし81pから構成される。板状体81b、81d、81f、81h、81j、81l、81n及び81pは固定され、板状体81a、81c、81e、81g、81i、81k、81m及び81oは、図示しない駆動部に軸支され、それぞれ時計まわりに22.5度回転可能とされている。板状体81a、81c、81e、81g、81i、81k、81m及び81oすべてが時計まわりに22.5度回転し、板状体81b、81d、81f、81h、81j、81l、81n及び81pにそれぞれ重ね合わされて収納されると全開状態となり、すべての方向(方向AないしH)に調和空気が吹き出されることとなる(
図9(b))。
【0066】
例えば、全開状態から風向を方向Aとする場合には、板状体81a及び81oをそれぞれ板状体81b及び81pに重ね合わせた状態で、板状体81c、81e、81g、81i、81k及び81mを反時計まわりに22.5度回転させる。
【0067】
なお、
図9では、気流制限部81を16個の板状体(各板状体が、円を16分割したものの一つ)からなるものとしたが、これに制限されず、8個の板状体からなるもの(各板状体が、円を8分割したものの一つ)や32個の板状体からなるもの(各板状体が円を32分割したものの一つ)とすることもできる。
【0068】
また、
図10に示すような気流制限部82を採用することもできる。
図10に示す例では、説明の便宜上、4方向(方向A、方向C、方向E及び方向G)に調和空気を流通させる気流制限部について説明する。
【0069】
気流制限部82は、ネック部5の内側面に固定された、円板状の固定板83と、固定板83上方に隣接して配設され、周方向に回動可能な円板状の回転板84とを備える。
【0070】
固定板83には、調和空気の吹出し方向(4方向)に対応して、周方向に90度ごとに流通孔83aないし83dが形成されている。
【0071】
回転板84は、その中心部を図示しない駆動部によって軸支され、周方向に回動可能に構成される。
回転板84には、所定の角度ごとに12個の貫通孔84aないし84lが形成されている。これら貫通孔84aないし84lは、
図11に示すように、全開状態(
図11(a))、3方向のみが開状態(
図11(b))、隣接する2方向のみが開状態(
図11(c))、対向する2方向のみが開状態(
図11(d))、1方向のみが開状態(
図11(e))、全閉状態(
図11(f))のものを15度ずつずらして重ね合わせ、各状態の貫通孔に相当する位置に形成されたものである。すなわち、時計まわりに、貫通孔84bないし84eは貫通孔84aから中心角で15度ごとに形成され、貫通孔84fは貫通孔84eから30度間隔をあけて形成され、貫通孔84g、84hは貫通孔84fから15度ごとに形成され、貫通孔84iは貫通孔84hから60度間隔をあけて形成され、貫通孔84jは貫通孔84iから15度間隔をあけて形成され、貫通孔84kは貫通孔84jから30度間隔をあけて形成され、貫通孔84lは貫通孔84kから45度間隔をあけて形成されている。貫通孔84aと貫通孔84lとの間は、90度となっている。
【0072】
例えば、全開状態、すなわち、回転板84の貫通孔84a、84f、84i及び84lが、それぞれ固定板83の流通孔83aないし83dと一致している状態から、反時計まわりに60度回転させると、回転板84の貫通孔84eと固定板83の流通孔83aとが一致し、方向Aのみに調和空気が吹き出すこととなる。
【0073】
このように、気流制限部81、82にて調和空気の吹出し方向を所定の向きに制限することから、使用者の使用態様に応じて、調和空気の吹出し方向を制御することができる。
【0074】
また、第2の板状体(81a、81c、81e、81g、81i、81k、81m及び81o、回転板84)が第1の板状体(板状体81b、81d、81f、81h、81j、81l、81n及び81p、固定板83)に対して回動することにより調和空気の吹出し方向を制限する気流制限部81、82を備えることから、複雑な構成を必要とせず、板状体の回動動作という単純な動作によって調和空気の吹出し方向を制限できることとなり、製造コストやランニングコストを抑えることができる。
【0075】
(本発明の第4の実施形態)
上記第1の実施形態に係る吹出口装置では、使用者による端末の操作によって吹出口装置の駆動制御を行う構成としたが、これに限らず、
図12及び
図13に示すように、光学センサによる検知状態に応じて吹出口装置の駆動制御を行う構成とすることもできる。
【0076】
光学センサ20は、人感センサやモーションセンサ等で構成され、対象者の動きや熱等を感知するものであり、例えば、外コーン部6に室内空間側に向けて取り付けられている。
【0077】
この光学センサ20を備えた吹出口装置1の駆動制御においては、
図14に示すように、光学センサ20により対象者の動きや熱等を感知すると、検出部21がこの感知情報を対象者の位置情報として、吹出方向制御部16に送信する。
吹出方向制御部16は、検出部21から取得した対象者の位置情報に基づいて、気流制限部8を駆動するための駆動情報を演算し、気流制限部8の駆動を制御することとなる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る吹出口装置1は、対象者を感知する光学センサ20を備えることから、対象者(使用者)の動きや熱等を感知して、当該感知情報により自動制御できることとなり、対象者の端末操作を要することなく、調和空気の吹出し方向及び照明部3による照明方向を自動で切り替えることができる。
【0079】
(本発明の第5の実施形態)
上記第1の実施形態に係る吹出口装置では、照明部を吹出口装置の底面視中央部に配置する構成としたが、これに限らず、
図15及び
図16に示すように、照明部を底面視外縁部に配置する構成とすることもできる。
【0080】
吹出口装置1における照明部22は、外コーン部6の底面視外縁部に沿って取り付けられ、各辺に光源23(23aないし23d)、24(24aないし24d)、25(25aないし25d)、26(26aないし26d)が配設されている。なお、光源23ないし26は、水平状態から外側に向かって傾斜するようにして取り付けられていてもよい。
光源23ないし26としては、特に制限されず、白熱電球、LED等を使用することができる。また、拡散板で被覆されたLEDも使用することができる。
【0081】
センターコーン部27は、調和空気を所定の向きに案内する。
【0082】
本実施形態に係る吹出口装置1では、調和空気の風向を方向Aとする場合には、光源23aないし23dを点灯させ、調和空気の風向を方向Bとする場合には、光源23c、23d及び光源24a、24bを点灯させる。
【0083】
以上のように、本実施形態に係る吹出口装置1は、枠体2の底面視外縁部に照明部22(光源23ないし26)が配設されることから、調和空気の吹出し方向に加えて、調和空気の吹出し領域に対して、照明部22による照明をより容易となり、開口部4からの調和空気の吹出し方向及び吹出し領域を簡易な手法にて可視化することができる。
【0084】
(本発明の第6の実施形態)
上記第1の実施形態における吹出口装置では、照明部を吹出口装置の底面視中央部に配置する構成としたが、これに限らず、
図17及び
図18に示すように、照明部を外コーン部の底面視周辺部に一体的に配置する構成としてもよい。
【0085】
吹出口装置1における枠体28の外縁部には、外コーン部6に連続して、凹形状の光源取付部29が形成されている。光源取付部29は、開口部4の形状に応じて、各辺に隣接して設けられている。
【0086】
照明部30(光源31ないし34)は、光源取付部29に取り付けられ、外コーン部6の各辺に平行となるように配設されている。
図17及び
図18に示す例では、光源31ないし34として蛍光灯である場合を示しているが、これに限らず、複数のLED光源を並設して配置してもよい。
【0087】
本実施形態に係る吹出口装置1では、調和空気の風向を方向Aとする場合には、光源31を点灯させることとなる。
【0088】
このように、本実施形態に係る吹出口装置1は、枠体28の底面視周辺部に照明部30が配設されることから、調和空気の吹出し方向に加えて、調和空気の吹出し領域に対して、照明部30による照明をより容易となり、開口部4からの調和空気の吹出し方向及び吹出し領域を簡易な手法にて可視化することができる。
【0089】
(本発明の第7の実施形態)
上記第1の実施形態における吹出口装置では、照明部により作業スペースのみを照射する構成としたが、これに限らず、
図19及び
図20に示すように、微細液滴を噴霧する噴霧部を設け、作業スペースに加え、照射経路も視認できる構成とすることもできる。
【0090】
吹出口装置1は、センターコーン部7の内側面に微細液滴を噴霧する噴霧部39を備える。噴霧部39は、照明部3からの照明光を遮ることがないように、照明光の照射経路を避けて配置されている。
噴霧部39は、少なくとも液滴を貯留するタンク(図示略)が吹出口装置1から着脱可能となるように取り付けられている。
なお、噴霧部39は、外コーン部6に配設されていてもよいし、また、照明部3の配置に合わせて複数設けられていてもよい。
【0091】
噴霧部39は、少なくとも照明部3からの照明光の照射経路上に微細液滴を噴霧する。この微細液滴は、平均粒径がマイクロメートル(μm)オーダーとされ、これにより、微細液滴内に入射した照明光を拡散させて、照明光の照射経路を視認可能とする。例えば、照明光が白色光である場合、照明光は微細液滴内で散乱され、微細液滴は虹色を呈することとなり、この虹色を視認することで照明光の照射経路、すなわち、吹出口装置1からの調和空気の吹出し方向を確認することができる。
微細液滴は、従来公知の手法、例えば、超音波発振により形成することができる。
【0092】
微細液滴は、平均粒径がμmオーダーであることから、水滴内に次亜塩素酸や銀イオンなどを含む抗菌・抗ウイルス水とすることもできる。これにより、吹出口装置1から室内空間に向けて吹き出される調和空気を清浄化することができる。
また、微細液滴は、香気成分を含んでいてもよい。
【0093】
噴霧部39からの微細液滴の噴霧は、少なくとも吹出口装置1の起動時に行われ、その後、連続して、又は間欠的になされることとなる。
【0094】
このように、本実施形態に係る吹出口装置1は、噴霧部39が照明部3の照射経路に向けて微細液滴を噴霧することから、微細液滴による照明光の散乱によって微細液滴を認識できることとなり、照明光が当たる作業スペースが直接視認できないような場合であっても、吹出口装置1近傍の照明光を散乱させている微細液滴を確認することで、照明部3の照明方向を一見して目視で確認することができる。
【0095】
(本発明の第8の実施形態)
上記第1の実施形態における吹出口装置では、照明部がセンターコーン部の内側上面に配設される構成としたが、これに限らず、
図21及び
図22に示すように、照明部が気流制限部を構成する板状体の開口部側に配設される構成とすることもできる。
【0096】
吹出口装置1における気流制限部8は、ネック部5の内側面下部に駆動部18を介して配置されている。
【0097】
この気流制限部8の板状体8aないし8dには、板状体8aないし8dの全開状態における枠体2の開口部4側となる位置に照明部40(光源41ないし44)がそれぞれ配設されている。
図21及び
図22に示す例では、各板状体8aないし8dの短手方向における枠体2の開口部4側の側面中央に設けられているが、全開状態において吹出口装置1の外側面となる主面上の開口部4側に設けられていてもよい。
照明部40は、照明部40の照射経路に、外コーン部6や調和空気を所定の向きに案内するセンターコーン部27が重ならないように配置される。
なお、板状体8aないし8dには、複数の光源がそれぞれ取り付けられていてもよい。
【0098】
次に、本実施形態に係る吹出口装置1の駆動制御について、
図23を用いて説明する。
なお、上記第1の実施形態に係る吹出口装置1の駆動制御と重複するものについては、その記載を省略する。
【0099】
吹出口装置1は、リモートコントローラーやスマートフォン等の端末から赤外線通信等により送信された信号を受信し、受信した信号から操作情報を取得する入力部15と、取得した操作情報に基づいて気流制限部8を駆動するための駆動情報を演算し、この気流制限部8の駆動情報に基づいて気流制限部8の駆動を制御する吹出方向制御部16と、吹出方向制御部16が演算した駆動情報に基づいて気流制限部8を駆動する吹出方向駆動部18とを備える。
【0100】
入力部15は、使用者が端末を操作して入力した情報を赤外線通信等により受信すると、当該受信信号から操作情報を取得し、この操作情報を吹出方向制御部16に送信する。
【0101】
吹出方向制御部16は、入力部15から取得した操作情報に基づいて、気流制限部8を駆動するための駆動情報を演算し、気流制限部8の駆動を制御する。
【0102】
吹出方向駆動部18(18bないし18d)は、吹出方向制御部16によって演算された駆動情報に基づいて、照明部40(光源41ないし44)と一体的に形成された板状体8aないし8dを適宜回動させる。
【0103】
これにより、吹出口装置1の稼働状態(電源のON/OFF状態)、及び調和空気の風向を照明部40の照明方向から認識することができる。
【0104】
このように、本実施形態に係る吹出口装置1は、気流制限部8に一体的に配設される照明部40を備えることから、気流制限部8の回動に合わせて照明部40も気流制限部8と同一方向へ向きを変えることとなり、開口部4からの調和空気の吹出し方向と照明部40からの照明方向とをより簡易な駆動制御によって同一に同期させることができる。
【0105】
なお、上記第2の実施形態で示すように、吹出口装置1が気流制限部8に加えて気流案内部35、36を備える場合、照明部は気流案内部35、36の枠体2における開口部4側に配設されることとなる。
【0106】
具体的には、
図24及び
図25に示すように、気流案内部35、36を構成するいずれかの板状体の短手方向における枠体2の開口部4側の側面中央には、照明部45(光源46、47)が設けられている。
なお、照明部45は、気流案内部35、36を構成する板状体のいずれかの主面上の開口部4側に設けられていてもよい。また、光源は各板状体にそれぞれ設けられていてもよいし、一つの板状体に複数の光源が設けられていてもよい。
【0107】
気流案内部35、36と照明部45とが一体的に設けられていることから、気流制限部8と照明部40が一体的に設けられている場合と同様に、照明方向制御部17等は不要となる。
【0108】
このように、気流案内部35、36に一体的に配設される照明部45を備えることから、気流案内部35、36の回転に合わせて照明部45も気流案内部35、36と同一方向へ向きを変えることとなり、開口部4からの調和空気の吹出し方向と照明部45からの照明方向とをより簡易な駆動制御によって同一に同期させることができる。
【0109】
なお、照明部45は、気流制限部8の回転に合わせて、気流制限部8と平行となるように回転するように構成することもできる。
【0110】
なお、上記各実施形態は、適宜組み合わせて使用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 吹出口装置
2 枠体
3 照明部
4 開口部
5 ネック部
6 外コーン部
7 センターコーン部
8 気流制限部
8a~8d 板状体
12 支持基板
13 アーム
14 光源
15 入力部
16 吹出方向制御部
17 照明方向制御部
18、18a~18d 吹出方向駆動部
19 照明方向駆動部
20 光学センサ
21 検出部
22 照明部
23~26 光源
27 センターコーン部
28 枠体
29 光源取付部
30 照明部
31~34 光源
35、36 気流案内部
37a、37b 連結軸
38、38a、38b 駆動部
39 噴霧部
40 照明部
41~44 光源
45 照明部
46、47 光源
50 天井
51 ダクト
80a~80d 駆動軸
81 気流制限部
81a~81p 板状体
82 気流制限部
83 固定板
83a~83d 流通孔
84 回転板
84a~84l 貫通孔