(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117373
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240822BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20240822BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/06 B
G07G1/12 351D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023438
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富塚 圭
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142DA04
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】有効でない登録番号が記載された書面が適格請求書又は適格簡易請求書として交付される問題の発生を抑制する。
【解決手段】情報処理装置は、適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号の入力を受け付け、登録番号が入力された場合に、所定のデータベースにおける適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて登録番号が有効であるか否かを判別する判別処理を行い、判別処理において登録番号が有効であると判別された場合に、適格請求書又は適格簡易請求書となり得る書面の出力処理により出力される書面が、登録番号が記載された適格請求書又は適格簡易請求書となるように、登録番号を出力処理における出力対象データとして設定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号の入力を受け付け、
前記登録番号が入力された場合に、所定のデータベースにおける前記適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて前記登録番号が有効であるか否かを判別する判別処理を行い、
前記判別処理において前記登録番号が有効であると判別された場合に、適格請求書又は適格簡易請求書となり得る書面の出力処理により出力される前記書面が、前記登録番号が記載された前記適格請求書又は前記適格簡易請求書となるように、前記登録番号を前記出力処理における出力対象データとして設定する
処理部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記登録番号を前記出力対象データとして設定した後の所定の再判別タイミングにおいて前記判別処理を行い、当該判別処理において前記登録番号が有効でないと判別された場合には、前記出力処理における前記出力対象データから前記登録番号を削除する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記出力対象データから前記登録番号を削除した場合には、当該削除後の前記出力処理により出力される前記書面が前記適格請求書又は前記適格簡易請求書ではないことを、前記書面の発行者及び受領者の少なくとも一方に対して報知部により報知させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記出力処理が実行される際に前記出力対象データに前記登録番号が設定されていない場合には、前記出力処理により出力される前記書面が前記適格請求書又は前記適格簡易請求書ではないことを、前記書面の発行者及び受領者の少なくとも一方に対して報知部により報知させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記出力処理が実行される際に前記出力対象データに前記登録番号が設定されていない場合には、前記出力処理により出力される前記書面が前記適格請求書又は前記適格簡易請求書ではないことを、前記書面の受領者が了承したことを表す操作入力がなされた場合に、前記出力処理の実行を許可する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、
前記判別処理において前記登録番号が有効でないと判別された場合には、前記データベースにおける前記適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて、前記登録番号が有効でない理由を判別し、
前記登録番号が有効でない前記理由を、前記書面の発行者に対して報知部により報知させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、
前記登録番号に加えて、当該登録番号に対応する前記適格請求書発行事業者に係る第1の事業者情報の入力を受け付け、
入力された前記第1の事業者情報と、前記データベースに登録されている前記適格請求書発行事業者に係る情報のうち前記第1の事業者情報に対応する第2の事業者情報と、が整合するか否かを判別し、
前記第1の事業者情報と前記第2の事業者情報とが整合すると判別された場合に、前記登録番号を前記出力処理における出力対象データとして設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号の入力を受け付け、
前記登録番号が入力された場合に、所定のデータベースにおける前記適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて前記登録番号が有効であるか否かを判別する判別処理を行い、
前記判別処理において前記登録番号が有効であると判別された場合に、適格請求書又は適格簡易請求書となり得る書面の出力処理により出力される前記書面が、前記登録番号が記載された前記適格請求書又は前記適格簡易請求書となるように、前記登録番号を前記出力処理における出力対象データとして設定する
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号の入力を受け付ける処理、
前記登録番号が入力された場合に、所定のデータベースにおける前記適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて前記登録番号が有効であるか否かを判別する判別処理、
前記判別処理において前記登録番号が有効であると判別された場合に、適格請求書又は適格簡易請求書となり得る書面の出力処理により出力される前記書面が、前記登録番号が記載された前記適格請求書又は前記適格簡易請求書となるように、前記登録番号を前記出力処理における出力対象データとして設定する処理
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等における取引ごとに取引商品や売上等の情報を登録し、買い手に交付するためのレシートを出力することが可能な売上データ処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式が適用される場合には、適格請求書発行事業者の登録番号等の必要事項を記載した請求書やレシート等の書面は、適格請求書又は適格簡易請求書として扱われる。例えば、売り手の課税事業者は、予め適格請求書発行事業者の登録番号を売上データ処理装置に登録しておくことで、登録番号を記載した適格簡易請求書としてのレシートを売上データ処理装置により出力して買い手に交付することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、有効でない登録番号が記載された書面が出力されて交付され得るという課題がある。書面に記載された登録番号が有効でない場合には、当該書面は適格請求書及び適格簡易請求書として扱われないので、例えば、仕入税額控除を受けられなくなるといった不利益を買い手に与えてしまう事態が生じ得る。
【0006】
本発明は、有効でない登録番号が記載された書面が適格請求書又は適格簡易請求書として交付される問題の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、
適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号の入力を受け付け、
前記登録番号が入力された場合に、所定のデータベースにおける前記適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて前記登録番号が有効であるか否かを判別する判別処理を行い、
前記判別処理において前記登録番号が有効であると判別された場合に、適格請求書又は適格簡易請求書となり得る書面の出力処理により出力される前記書面が、前記登録番号が記載された前記適格請求書又は前記適格簡易請求書となるように、前記登録番号を前記出力処理における出力対象データとして設定する
処理部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、有効でない登録番号が記載された書面が適格請求書又は適格簡易請求書として交付される問題の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】売上データ処理システムの構成を示す図である。
【
図3】売上データ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】設定処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図8】判別処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図12】レシート発行処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図13】登録番号が記載された適格簡易請求書としてのレシートの例を示す図である。
【
図16】登録番号が記載されていないレシートの例を示す図である。
【
図17】設定更新処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図19】変形例に係る判別処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
<売上データ処理システムの構成>
図1は、売上データ処理システム1の構成を示す図である。
売上データ処理システム1(情報処理システム)は、売上データ処理装置10(情報処理装置)と、ネットワーク2を介して売上データ処理装置10とデータ通信が可能に接続された管理サーバ20と、を備える。売上データ処理システム1は、ネットワーク2を介して国税庁が運営する適格請求書発行事業者公表システム(以下、「事業者公表システム30」と記す)に接続されている。ネットワーク2は、例えばインターネットであるが、これに限られない。
【0012】
図2は、売上データ処理装置10の外観を示す図である。
図3は、売上データ処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
売上データ処理装置10は、買い手である顧客に対して商品を販売したりサービスを提供したりする店舗等において、取引の記録や金銭の授受といった会計作業に用いられるキャッシュレジスターである。
売上データ処理装置10は、CPU11(Central Processing Unit)(処理部)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、通信部14と、操作入力部15と、本体表示部161及び顧客用表示部162を有する表示部16(報知部)と、印字部17(出力部)と、ドロア18と、読取部19と、を備えている。売上データ処理装置10の各部は、バスB1により接続されている。
【0013】
CPU11は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、売上データ処理装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、売上データ処理装置10は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより処理部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0014】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0015】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム131及び設定データ132等を記憶する。記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを含む。設定データ132は、売上データ処理装置10の各種動作の設定に係るデータの他、レシート40の出力処理においてレシート40に出力される内容が設定された出力対象データ1321を含む。出力対象データ1321には、レシート40の記載事項として、売り手である事業者の名称、所在地、電話番号、適用される消費税率(軽減税率が適用される場合には軽減税率を含む)、及び、後述する適格請求書発行事業者の登録番号N(
図13参照)等のデータが含まれる。
【0016】
通信部14は、ネットワークカード又は通信モジュール等により構成され、ネットワーク2を介して管理サーバ20及び事業者公表システム30等の外部装置との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0017】
操作入力部15は、数字を入力するための数字キーや、所定の機能を実行するための機能キー等の操作キーを備える。機能キーは、例えば、登録された商品の小計を算出して表示部16に表示させるための「小計キー」、及び、顧客からの預かり金を登録して、釣銭の額を算出したりレシート40を出力させたりするための「現/預キー」等を含む。操作入力部15は、ユーザによる操作キーに対する操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0018】
表示部16の本体表示部161は、CPU11から供給される制御信号に従って、操作入力部15により受け付けられた操作入力の内容、取引の内容、売上データ処理装置10のステータス、及び所定のエラー画面や報知画面等の、売上データ処理装置10のユーザに向けた各種情報を表示する。
表示部16の顧客用表示部162は、CPU11から供給される制御信号に従って、取引の内容、及び所定の報知画面等の、顧客に向けた各種情報を表示する。
図2では、顧客用表示部162が右手前方向を向いているが、顧客用表示部162を回転させて、顧客のいる方向(例えば、本体表示部161とは反対方向)に向けることができる。
本体表示部161及び顧客用表示部162としては、液晶ディスプレイ等の各種公知のディスプレイを用いることができる。
【0019】
印字部17(出力部)は、CPU11から出力された制御信号に従い、レシート40やジャーナルなどを用紙に印字して出力する。
【0020】
ドロア18は、金銭、商品券等を格納する引き出しであり、CPU11による制御下で開放する開放機構を有する。
【0021】
読取部19は、レーザスキャナ、イメージスキャナ等により構成され、商品に付されたバーコードや2次元コード等のコード情報を読み取ってCPU11に出力する。
【0022】
図4は、管理サーバ20の機能構成を示すブロック図である。
管理サーバ20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、通信部24などを備える。管理サーバ20の各部は、バスB2を介して接続されている。管理サーバ20は、ユーザによる入力操作を受け付ける操作部や、各種表示を行う表示部をさらに備えていてもよい。
【0023】
CPU21は、記憶部23に記憶されているプログラム231を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、管理サーバ20の動作を制御するプロセッサである。なお、管理サーバ20は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU21が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0024】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0025】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム231及び事業者データ232等の各種データを記憶する。記憶部23は、例えばHDD、SSD等の不揮発性メモリを含む。事業者データ232の具体的な内容については後述する。
【0026】
通信部24は、ネットワークカード又は通信モジュール等により構成され、ネットワーク2を介して売上データ処理装置10及び事業者公表システム30等の外部装置との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0027】
<売上データ処理装置の用途及び機能>
本実施形態における売上データ処理装置10のユーザは、店舗で行われる取引における売り手であって、課税事業者(消費税を納付する義務がある法人又は個人事業主)又はその従業員等である。店舗の顧客には、最終消費者以外の中間事業者、例えば小売業者や卸売業者が含まれるものとする。これらの中間事業者も課税事業者であるが、所定の条件を満たすことで仕入税額控除(消費税を算出する際に課税売上の消費税額から課税仕入れの消費税額を差し引くこと)を受けることができる。仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式が適用される場合には、仕入税額控除を受けるために、帳簿のほか、適格請求書発行事業者である売り手から交付を受けた「適格請求書又は適格簡易請求書」(インボイス)の保存が必要となる。我が国では、2023年10月1日から適格請求書等保存方式が開始される。
【0028】
取引において買い手から売り手に交付されるレシートは、適格請求書発行事業者の登録番号N等の必要事項が記載されている場合には、適格簡易請求書として扱われる。本実施形態の売上データ処理装置10は、売り手が適格請求書発行事業者として登録されている場合には、その登録番号Nをレシート40に印字して、適格簡易請求書としてのレシート40を出力(印刷)することができる。売上データ処理装置10により出力されるレシート40は、「適格請求書又は適格簡易請求書となり得る書面」に相当し、レシート40を出力する処理は、「(上記書面を出力する)出力処理」に相当する。また、売上データ処理装置10を操作するユーザは、上記書面の「発行者」に相当し、店舗の顧客は、上記書面の「受領者」に相当する。
【0029】
ただし、レシート40が適格簡易請求書として扱われるためには、レシートに記載された登録番号Nが有効であることが必要である。レシート40に記載された登録番号Nが有効でない場合には、当該レシート40は適格簡易請求書として扱われないので、例えば、仕入税額控除を受けられなくなるといった不利益を買い手に与えてしまう事態が生じ得る。
「登録番号Nが有効である」とは、「登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者が適正に登録されていること」をいう。適正に登録されている適格請求書発行事業者に係る登録番号N及びその他の各種情報は、国税庁が管理する事業者公表システム30のデータベース31に登録されている。また、以下では、有効な登録番号Nが記載され適格簡易請求書として扱われるレシート40を「レシート40a」とも記し、適格簡易請求書として扱われないレシート40を「レシート40b」とも記す。
【0030】
上記の問題に鑑みて、本実施形態の売上データ処理装置10においては、所定のタイミングにおいて、登録番号Nが有効であるか否かの判別が行われ、登録番号Nが有効であると判別された場合に、登録番号Nが記録された適格簡易請求書としてのレシート40aが出力される。以下では、適格簡易請求書としてのレシート40aの出力に係る売上データ処理装置10の各種動作について説明する。
【0031】
<登録番号の設定に係る動作>
まず、
図5~
図11を参照して、適格請求書発行事業者の登録番号Nを記憶部13に設定する動作、及び、当該動作を実現するためにCPU11が実行する設定処理について説明する。
図5は、設定処理の制御手順を示すフローチャートである。
設定処理は、売上データ処理装置10において登録番号Nを設定するための操作入力がなされた場合に開始される。当該操作入力は、例えば、
図6に示す設定項目選択画面51において、「4.インボイス設定」の項目が選択された状態で、決定キーとしての「現/預キー」を押下する操作入力である。
図6の設定項目選択画面51は、所定の機能キーを押下することで本体表示部161に表示される。
【0032】
設定処理が開始されると、CPU11は、本体表示部161に情報入力画面52を表示させる(ステップS101)。
図7は、情報入力画面52を示す図である。
情報入力画面52には、適格請求書発行事業者に対して付与されている登録番号Nを入力するためのテキストボックス521と、その登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者の氏名又は名称I1を入力するためのテキストボックス522と、が表示されている。ユーザは、売上データ処理装置10を使用している事業者に対して付与されている登録番号Nをテキストボックス521に入力し、当該事業者の氏名又は名称I1をテキストボックス522に入力する。テキストボックス522に入力される氏名又は名称I1は、適格請求書発行事業者に係る「第1の事業者情報」に相当する。
【0033】
図5に戻り、CPU11は、登録番号N、及び氏名又は名称I1が入力されたか否かを判別する(ステップS102)。これらのいずれかが入力されていないと判別された場合、具体的には、テキストボックス521又は522が未入力の状態で決定キーとしての「現/預キー」が押下された場合、又は、キャンセルキーとしての「小計キー」が押下された場合には(ステップS102で“NO”)、CPU11は、設定処理を終了する操作入力がなされたか否かを判別する(ステップS103)。CPU11は、当該操作入力がなされていないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、処理をステップS101に戻し、当該処理がなされたと判別された場合には(ステップS103で“YES”)、設定処理を終了させる。
【0034】
登録番号N、及び氏名又は名称I1が入力されたと判別された場合、具体的には、テキストボックス521及び522に情報が入力された状態で「現/預キー」が押下された場合には、CPU11は、入力された登録番号Nが有効であるか否かを判別する判別処理を行う(ステップS104)。
【0035】
図8は、判別処理の制御手順を示すフローチャートである。
図8においては、売上データ処理装置10のCPU11が実行する判別処理と、当該判別処理と並行して管理サーバ20及び事業者公表システム30が実行する処理とが併記されている。また、処理の流れが実線で描かれ、装置間で送受信されるデータが破線で描かれている。
【0036】
判別処理が呼び出されると、CPU11は、情報入力画面52において入力された登録番号Nを、通信部14を介して管理サーバ20に送信する(ステップS201)。
【0037】
登録番号Nを受信した管理サーバ20のCPU21は、事業者公表システム30に対して、登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者の登録状況に係る事業者データ232の送信をリクエストする(ステップS301)。詳しくは、管理サーバ20は、通信部24を介して、事業者公表システム30のWeb-APIに対し、登録番号Nを含む所定の様式のデータを含むリクエストを送信する。
【0038】
リクエストを受信した事業者公表システム30のWeb-APIは、データベース31を参照して、登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者の登録状況に係る事業者データ232を生成し、管理サーバ20に送信する(ステップS401)。
【0039】
図9は、事業者データ232の内容例を示す図である。
事業者データ232は、適格請求書発行事業者の登録番号N、登録年月日、取消年月日、失効年月日、適格請求書発行事業者の所在地、及び氏名又は名称I2等のデータを含む。このうち氏名又は名称I2は、「データベースに登録されている適格請求書発行事業者に係る情報のうち第1の事業者情報に対応する第2の事業者情報」に相当する。取消年月日は、適格請求書発行事業者が登録の取消処分を受けている場合に登録が取り消された年月日を表す。失効年月日は、登録後に適格請求書発行事業者が自ら失効届出書を提出している場合に、失効届出書の提出に応じて登録が失効となった年月日を表す。登録年月日が記録され、かつ取消年月日及び失効年月日が記録されていない場合には、登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者が適正に登録されていること、すなわち登録番号Nが有効であることを表す。一方、登録年月日が記録されていない場合、若しくは、取消年月日又は失効年月日が記録されている場合には、登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者が登録されていないこと、すなわち登録番号Nが有効でないことを表す。
【0040】
図8に戻り、管理サーバ20のCPU21は、事業者公表システム30から事業者データ232を受信すると、事業者データ232に基づいて、登録番号Nが有効であるか否かを判別する。また、CPU21は、登録番号Nが有効でない場合には、その理由を特定する。すなわち、CPU21は、事業者データ232において登録年月日が記録されていない場合には、有効でない理由が「未登録」であると判別し、取消年月日が記録されている場合には、有効でない理由が「取消」であると判別し、失効年月日が記録されている場合には、有効でない理由が「失効」であると判別する。CPU21は、登録番号Nが有効であるか否かの判別結果、有効でない場合の理由(「未登録」、「取消」、「失効」のいずれか)、及び、事業者データ232に含まれる「氏名又は名称I2」を含む判別結果情報を生成して売上データ処理装置10に送信する(ステップS302)。
売上データ処理装置10のCPU11は、判別結果情報を受信すると(ステップS202)、判別処理を終了させ、処理を
図5の設定処理に戻す。
このように、「所定のデータベースにおける適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて登録番号が有効であるか否かを判別する判別処理」は、外部装置(管理サーバ20)が上記登録状況に基づいて登録番号が有効であるか否かを判別した結果に係る判別結果情報を、当該外部装置から取得する態様を含む。
【0041】
図5の判別処理(ステップS104)が終了すると、CPU11は、判別処理において登録番号Nが有効でないと判別されている場合には(ステップS105で“NO”)、本体表示部161に登録番号エラー画面53を表示させる(ステップS106)。
【0042】
図10は、登録番号エラー画面53を示す図である。
ここでは、「未登録」であるとの理由で登録番号Nが有効でない場合の登録番号エラー画面53が例示されている。売上データ処理装置10のユーザは、この登録番号エラー画面53により、登録番号Nを売上データ処理装置10に登録できないこと(すなわち、登録番号Nが記載された適格簡易請求書としてのレシート40aを出力できないこと)、及び、登録番号Nが有効でない理由を認識することができる。なお、「取消」又は「失効」の理由によって登録番号Nが有効でない場合には、それぞれの理由を明示した登録番号エラー画面53が同様に本体表示部161に表示される。CPU11が表示部16(本体表示部161)に登録番号エラー画面53を表示させる処理は、登録番号Nが有効でない理由をレシート40の発行者に対して報知部により報知させる処理に相当する。
【0043】
図5に戻り、ステップS105において登録番号Nが有効であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、CPU11は、情報入力画面52において入力された氏名又は名称I1と、事業者公表システム30から送信された氏名又は名称I2(判別処理において取得した判別結果情報に含まれる氏名又は名称)とが整合するか否か(ここでは、一致するか否か)を判別する(ステップS107)。これらの氏名又は名称I1、I2が整合しないと判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU11は、本体表示部161に入力内容エラー画面54を表示させる(ステップS108)。
【0044】
図11は、入力内容エラー画面54を示す図である。
情報入力画面52において入力された氏名又は名称I1と、事業者公表システム30から送信された氏名又は名称I2とが整合しないのは、情報入力画面52において入力された登録番号Nが誤っている場合か、若しくは、氏名又は名称I1が誤っている場合である。このため、入力内容エラー画面54には、入力された登録番号N、若しくは氏名又は名称I1に誤りがある旨のテキストが表示される。
【0045】
図5に戻り、ステップS106又はS108が終了すると、CPU11は、処理をステップS101に戻す。前回のステップS101において入力された登録番号N、若しくは氏名又は名称I1が誤っていた場合には、ユーザは、情報入力画面52において正しい登録番号N及び氏名又は名称I1の入力を再度試みることができる。
【0046】
一方、ステップS107において、情報入力画面52において入力された氏名又は名称I1と、事業者公表システム30から送信された氏名又は名称I2とが一致すると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU11は、情報入力画面52において入力された登録番号Nを、レシート40の出力処理における出力対象データ1321として設定(出力対象データ1321に追加)する(ステップS109)。ステップS109が終了すると、CPU11は、設定処理を終了させる。
【0047】
<レシートの出力に係る動作>
次に、売上データ処理装置10においてレシート40を出力、発行する動作、及び当該動作を実現するためにCPU11が実行するレシート発行処理について説明する。
図12は、レシート発行処理の制御手順を示すフローチャートである。
レシート発行処理は、会計において操作入力部15や読取部19を用いて会計商品の登録が行われた後、締めのレシート40の発行を指示する操作入力が行われた場合に開始される。
【0048】
レシート発行処理が開始されると、CPU11は、出力対象データ1321を参照し、出力対象データ1321に適格請求書発行事業者の登録番号Nの設定があるか否かを判別する(ステップS501)。出力対象データ1321に登録番号Nの設定があると判別された場合には(ステップS501で“YES”)、CPU11は、出力対象データ1321に基づき、登録番号Nが記載された適格簡易請求書としてのレシート40aを印字部17に出力させる(ステップS502)。ステップS502の処理は、「出力処理」に相当する。
【0049】
図13は、登録番号Nが記載された適格簡易請求書としてのレシート40aの例を示す図である。
適格簡易請求書としてのレシート40aには、出力対象データ1321の内容に基づいて、店舗(適格請求書発行事業者)の名称、所在地、電話番号、取引年月日、消費税率ごとに区分した会計商品の対価の額、及び消費税率ごとに区分した消費税額等に加えて、最下部に、適格請求書発行事業者の登録番号Nが印字されている。
【0050】
図12に戻り、ステップS501において、設定データ132に登録番号Nの設定がないと判別された場合には(ステップS501で“NO”)、CPU11は、顧客用表示部162に、出力されるレシート40が適格簡易請求書ではない旨の顧客用報知画面55(
図14参照)を表示させる(ステップS503)。顧客は、この顧客用報知画面55を視認することで、発行されるレシート40が適格簡易請求書ではないことを認識することができる。CPU11が表示部16(顧客用表示部162)に顧客用報知画面55を表示させる処理は、出力処理により出力されるレシート40が適格簡易請求書ではないことをレシート40の受領者に対して報知部により報知させる処理に相当する。なお、顧客用報知画面55と同様の内容の画面を本体表示部161にも表示させて、売上データ処理装置10のユーザ(レシート40の発行者)に対して併せて報知を行ってもよい。
【0051】
CPU11は、本体表示部161に、出力されるレシート40が適格簡易請求書ではないことについての受領者(顧客)の確認を促すための確認画面56(
図15参照)を表示させる(ステップS504)。
図15に示すように、確認画面56には、出力されるレシート40が適格簡易請求書ではないことについて受領者が了承済である場合には、所定の操作入力を行うよう、ユーザに促すテキストが表示される。ここでは、所定の操作入力は、現/預キーを押下する操作であるが、これに限られない。
【0052】
CPU11は、受領者が了承したことを表す上記の所定の入力操作がなされたか否かを判別する(ステップS505)。当該入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS505で“YES”)、CPU11は、出力処理の実行を許可し、出力対象データ1321に基づき、登録番号Nが記載されていないレシート40bを印字部17に出力させる(ステップS506)。ステップS506の処理は、「出力処理」に相当する。
【0053】
図16は、登録番号Nが記載されていないレシート40bの例を示す図である。
図16のレシート40bは、
図13に示す適格簡易請求書としてのレシート40aから登録番号Nを削除し、付記情報41を追加したものに相当する。付記情報41は、当該レシート40bが適格簡易請求書ではない旨の表示と、そのことについて顧客が了承済である旨の表示とを含む。
図14の顧客用報知画面55の表示に加えて、レシート40bに付記情報41を印字することで、レシート40bが適格簡易請求書であると顧客が誤認する問題をより生じにくくすることができる。
【0054】
図12のステップS502又はS506が終了した場合、又は、ステップS505において、受領者が了承したことを表す操作入力がなされなかった場合には、CPU11は、レシート発行処理を終了させる。
【0055】
<登録番号の設定の更新に係る動作>
上述のとおり、適格請求書発行事業者の登録番号Nは、取消又は失効により事後的に有効でなくなる場合がある。そこで、本実施形態の売上データ処理装置10においては、出力対象データ1321に登録番号Nが設定された後、所定の再判別タイミングにおいて、登録番号Nが有効である場合に設定を更新し、登録番号Nが有効でない場合に登録番号Nを削除するための設定更新処理が行われる。再判別タイミングは、特には限られないが、例えば1日1回決められた時刻が経過したタイミングとすることができる。あるいは、再判別タイミングは、売上データ処理装置10の電源が投入されて起動したタイミング、1日の営業が終了してその日の精算作業が行われるタイミング、又は、取引ごとに、当該取引が開始又は終了するタイミング等であってもよい。
【0056】
図17は、設定更新処理の制御手順を示すフローチャートである。
設定更新処理が開始されると、CPU11は、設定されている登録番号Nが有効であるか否かを判別する判別処理を実行する(ステップS601)。この判別処理は、判別対象が、出力対象データ1321において設定されている登録番号Nである点を除いて、
図5のステップS104及び
図8の判別処理と同一であるので説明を省略する。
【0057】
判別処理において登録番号Nが有効でないと判別された場合には(ステップS602で“NO”)、CPU11は、登録番号Nを出力対象データ1321から削除する(ステップS603)。また、CPU11は、本体表示部161に、登録番号Nがレシート40に印字されない旨の報知画面57を表示させる(ステップS604)。
【0058】
図18は、報知画面57を示す図である。
ここでは、「取消」の理由で登録番号Nが有効でなくなっている場合の報知画面57が例示されている。売上データ処理装置10のユーザは、この報知画面57により、以降の出力処理において登録番号Nがレシート40に印字されないことを認識することができる。なお、「失効」の理由によって登録番号Nが有効でない場合には、当該理由を明示した報知画面57が同様に本体表示部161に表示される。CPU11が表示部16(本体表示部161)に報知画面57を表示させる処理は、出力処理により出力されるレシート40が適格簡易請求書ではないことをレシート40の発行者に対して報知部により報知させる処理に相当する。なお、取引前又は取引中に設定更新処理が実行されている場合には、併せて顧客用表示部162にも同様の報知画面を表示させて、レシート40の受領者に対して併せて報知を行ってもよい。
【0059】
図17に戻り、ステップS604が終了した場合には、CPU11は、設定更新処理を終了させる。また、ステップS602において登録番号Nが有効であると判別された場合には(ステップS602で“YES”)、CPU11は、出力対象データ1321における登録番号Nの設定を維持(更新)して、設定更新処理を終了させる。
【0060】
<変形例>
続いて上記実施形態の変形例について説明する。以下では、上記実施形態との相違点について説明し、上記実施形態と共通する点については説明を省略する。
本変形例は、上記実施形態において管理サーバ20が実行していた機能を売上データ処理装置10に実装し、管理サーバ20が省略される点で上記実施形態と異なる。この結果、本変形例では、判別処理の制御手順が上記実施形態と異なる。
【0061】
図19は、変形例に係る判別処理の制御手順を示すフローチャートである。
本変形例における判別処理では、売上データ処理装置10のCPU11は、事業者公表システム30に対して直接、登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者の登録状況に係る事業者データ232の送信をリクエストする(ステップS701)。リクエストを受信した事業者公表システム30のWeb-APIは、データベース31を参照して、登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者の登録状況に係る事業者データ232を生成し、売上データ処理装置10に送信する(ステップS401)。売上データ処理装置10のCPU11は、受信した事業者データ232に基づいて、登録番号Nが有効であるか否かを判別し、登録番号Nが有効でない場合には、その理由を特定する(ステップS702)。ステップS702が終了すると、CPU11は、判別処理を終了させる。
【0062】
本変形例によれば、管理サーバ20を省略できるので、売上データ処理システム1の構成を簡素化することができる。
【0063】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る売上データ処理装置10は、CPU11を備え、CPU11は、適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号Nの入力を受け付け、登録番号Nが入力された場合に、所定のデータベース31における適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて登録番号Nが有効であるか否かを判別する判別処理を行い、判別処理において登録番号Nが有効であると判別された場合に、適格簡易請求書となり得るレシート40の出力処理により出力されるレシート40が、登録番号Nが記載された適格簡易請求書となるように、登録番号Nを出力処理における出力対象データ1321として設定する。これにより、登録番号Nが有効でない場合に、レシート40に登録番号Nが印字されないようにすることができる。よって、有効でない登録番号Nが記載されたレシート40が、適格簡易請求書として交付される問題の発生を抑制することができる。これにより、仕入税額控除を受けられなくなるといった不利益を買い手に与えてしまう事態を生じにくくすることができる。
【0064】
また、CPU11は、登録番号Nを出力対象データ1321として設定した後の所定の再判別タイミングにおいて判別処理を行い、当該判別処理において登録番号Nが有効でないと判別された場合には、出力処理における出力対象データ1321から登録番号Nを削除する。これにより、登録番号Nが事後的に有効ではなくなった場合においても、有効でない登録番号Nが記載されたレシート40が出力される問題を生じにくくすることができる。
【0065】
また、CPU11は、出力対象データ1321から登録番号Nを削除した場合には、当該削除後の出力処理により出力されるレシート40が適格簡易請求書ではないことを、レシート40の発行者及び受領者の少なくとも一方に対して表示部16により報知させる(
図18の報知画面57を表示させる)。これにより、発行者が、有効でない登録番号Nが記載されたレシート40を意図せずに発行したり、受領者が、当該レシート40を適格簡易請求書と誤認して受領したりする事態を生じにくくすることができる。
【0066】
また、CPU11は、出力処理が実行される際に出力対象データ1321に登録番号Nが設定されていない場合には、出力処理により出力されるレシート40が適格簡易請求書ではないことを、レシート40の発行者及び受領者の少なくとも一方に対して表示部16により報知させる(
図14の顧客用報知画面55を表示させる)。これにより、発行者が、有効でない登録番号Nが記載されたレシート40を意図せずに発行したり、受領者が、当該レシート40を適格簡易請求書と誤認して受領したりする事態を生じにくくすることができる。
【0067】
また、CPU11は、出力処理が実行される際に出力対象データ1321に登録番号Nが設定されていない場合には、出力処理により出力されるレシート40が適格簡易請求書ではないことを、レシート40の受領者が了承したことを表す操作入力がなされた場合に、出力処理の実行を許可する。これにより、受領者が、当該レシート40を適格簡易請求書と誤認して受領する事態を生じにくくすることができる。
【0068】
また、CPU11は、判別処理において登録番号Nが有効でないと判別された場合には、データベース31における適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて、登録番号Nが有効でない理由が、未登録、取消、及び失効のいずれであるかを判別し、登録番号Nが有効でない理由を、レシート40の発行者に対して表示部16により報知させる(
図10の登録番号エラー画面53を表示させる)。これにより、登録番号Nが有効ではなくなった理由をレシート40の発行者に認識させることができる。
【0069】
また、CPU11は、登録番号Nに加えて、当該登録番号Nに対応する適格請求書発行事業者に係る氏名又は名称I1の入力を受け付け、入力された氏名又は名称I1と、データベース31に登録されている適格請求書発行事業者に係る氏名又は名称I2と、が整合するか否かを判別し、これらの氏名又は名称I2が整合すると判別された場合に、登録番号Nを出力処理における出力対象データ1321として設定する。これにより、誤った登録番号Nが出力対象データ1321に設定される問題を生じにくくすることができる。
【0070】
また、本実施形態に係る情報処理方法において、CPU11は、適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号Nの入力を受け付け、登録番号Nが入力された場合に、所定のデータベース31における適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて登録番号Nが有効であるか否かを判別する判別処理を行い、判別処理において登録番号Nが有効であると判別された場合に、適格簡易請求書となり得るレシート40の出力処理により出力されるレシート40が、登録番号Nが記載された適格簡易請求書となるように、登録番号Nを出力処理における出力対象データ1321として設定する。これにより、有効でない登録番号Nが記載されたレシート40が、適格簡易請求書として交付される問題の発生を抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態に係るプログラム131は、CPU11に、適格請求書発行事業者に対して付与される登録番号Nの入力を受け付ける処理、登録番号Nが入力された場合に、所定のデータベース31における適格請求書発行事業者の登録状況に基づいて登録番号Nが有効であるか否かを判別する判別処理、判別処理において登録番号Nが有効であると判別された場合に、適格簡易請求書となり得るレシート40の出力処理により出力されるレシート40が、登録番号Nが記載された適格簡易請求書となるように、登録番号Nを出力処理における出力対象データ1321として設定する処理、を実行させる。これにより、有効でない登録番号Nが記載されたレシート40が、適格簡易請求書として交付される問題の発生を抑制することができる。
【0072】
<その他>
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、売上データ処理装置10が情報処理装置に相当する態様を例示したが、管理サーバ20が情報処理装置に相当する態様としてもよい。この場合には、管理サーバ20のCPU21(処理部)は、売上データ処理装置10から入力された登録番号Nが有効であるか否かを判別する判別処理を行い、有効であると判別された場合に、当該登録番号Nを、売上データ処理装置10における出力処理において参照される出力対象データとして設定する。この態様においては、出力対象データは、例えば管理サーバ20の記憶部23に記憶され、売上データ処理装置10は、レシート40の出力処理を実行する際に、管理サーバ20の出力対象データを参照して出力内容を決定する。
【0073】
また、出力処理において、適格簡易請求書としてのレシート40が出力される例を挙げて説明したが、これに限られず、出力処理において適格請求書としての請求書等が出力されてもよい。よって、情報処理装置は、適格請求書を出力する印刷装置、又は当該印刷装置を制御する制御装置(例えばPC)等であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、適格請求書又は適格簡易請求書となり得る書面の出力の態様として、レシート40の印字(印刷)を例示したが、書面の出力の態様はこれに限られない。例えば、書面の出力の態様は、表示部16に書面を表示する態様や、書面の電子データ(電子インボイスのデータ)を顧客の端末装置等に送信する態様等であってもよい。
【0075】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ、CD-ROM等の情報記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0076】
また、上記実施形態における売上データ処理装置10及び管理サーバ20の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0077】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0078】
1 売上データ処理システム
10 売上データ処理装置(情報処理装置)
11 CPU(処理部)
13 記憶部
131 プログラム
132 設定データ
1321 出力対象データ
16 表示部(報知部)
161 本体表示部
162 顧客用表示部
17 印字部
20 管理サーバ
232 事業者データ
30 事業者公表システム
31 データベース
40、40a レシート(書面、適格簡易請求書)
40b レシート(書面)
41 付記情報
51 設定項目選択画面
52 情報入力画面
53 登録番号エラー画面
54 入力内容エラー画面
55 顧客用報知画面
56 確認画面
57 報知画面
I1 氏名又は名称(第1の事業者情報)
I2 氏名又は名称(第2の事業者情報)
N 登録番号