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特開2024-117378スクリーン印刷装置、スクリーン印刷方法及び太陽電池製造方法
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  • 特開-スクリーン印刷装置、スクリーン印刷方法及び太陽電池製造方法 図1
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  • 特開-スクリーン印刷装置、スクリーン印刷方法及び太陽電池製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117378
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】スクリーン印刷装置、スクリーン印刷方法及び太陽電池製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20240822BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20240822BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240822BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
B41M1/12
H05K3/34 505D
H01L31/04 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023445
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】古牧 周
(72)【発明者】
【氏名】吉河 訓太
【テーマコード(参考)】
2C035
2H113
5E319
5F251
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FD01
2C035FD42
2C035FD43
2H113AA01
2H113BA10
2H113BC12
2H113CA17
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD35
5E319GG15
5F251CB13
5F251CB21
5F251CB27
(57)【要約】
【課題】複数の被印刷物に均等に印刷を行うことができるスクリーン印刷装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係るスクリーン印刷装置1は、少なくとも機械方向と交差する横断方向に並んで形成される複数の印刷領域11を有するスクリーン印刷版10と、前記機械方向に移動することによりその先端縁21で前記印刷領域11を擦過するスキージ20と、前記印刷領域11に対向するよう被印刷物Sをそれぞれ支持する複数の保持部31を有する基台30と、を備え、前記スキージ20の前記横断方向両側最外部の前記先端縁21と前記基台30の前記横断方向両側最外部の前記保持部31との少なくとも一方は、前記横断方向外側が上方に位置するよう傾斜する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも機械方向と交差する横断方向に並んで形成される複数の印刷領域を有するスクリーン印刷版と、
前記機械方向に移動することによりその先端縁で前記印刷領域を擦過するスキージと、
前記印刷領域に対向するよう被印刷物をそれぞれ支持する複数の保持部を有する基台と、
を備え、
前記スキージの前記横断方向両側最外部の前記先端縁と前記基台の前記横断方向両側最外部の前記保持部との少なくとも一方は、前記横断方向外側が上方に位置するよう傾斜する、スクリーン印刷装置。
【請求項2】
前記横断方向両側最外部の前記スキージ及び前記横断方向両側最外部の前記保持部の少なくとも一方の傾斜角度は、0.005°以上、0.090°以下である、請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
前記横断方向に並ぶ複数の前記スキージを備える、請求項1又は2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項4】
少なくとも機械方向と交差する横断方向に並んで形成される複数の印刷領域を有するスクリーン印刷版と、前記機械方向に移動することによりその先端縁で前記印刷領域を擦過する複数のスキージと、前記印刷領域に対向するよう被印刷物をそれぞれ支持する複数の保持部を有する基台と、を備えるスクリーン印刷装置を用いて前記被印刷物に印刷を行うスクリーン印刷方法であって、
前記スキージの前記横断方向両側最外部の前記先端縁と前記基台の前記横断方向両側最外部の前記保持部との少なくとも一方を前記横断方向外側が上方に位置するよう傾斜させた状態で印刷を行う、スクリーン印刷方法。
【請求項5】
前記保持部上に載置した前記被印刷物上に厚みが異なる一対のスペーサを配置した状態で、前記一対のスペーサに当接するよう前記スキージを取り付ける工程をさらに備える、請求項4に記載のスクリーン印刷方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のスクリーン印刷方法により前記被印刷物にパターンを印刷する工程を備え、前記被印刷物は半導体基板である、太陽電池製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷装置、スクリーン印刷方法及び太陽電池製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば太陽電池等の半導体装置の製造において、スクリーン印刷により、半導体基板等の被印刷物にレジスト材料、導電性ペースト等を所望のパターンに積層する場合がある。このような場合に製造効率を向上するためには、大判のスクリーン印刷版を用い、並べて配置した複数の被印刷物に同時に印刷を行うことが考えられる。
【0003】
半導体装置の製造では、パターンを比較的精密に印刷する必要がある。例えば特許文献1には、並べて配置される複数の基板のそれぞれの位置ずれを確認し、予め設定された許容値を越えた位置ずれ量をもって載置された基板があった場合にはその基板のずれ量を除外し、残りの基板のずれ量のみを用いて印刷テーブルの位置を補正することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-14325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スクリーン印刷版を大型化すると、スクリーン印刷版の平面位置によって印刷品質が異なることが分かってきた。具体的には、スキージの長さ方向の中央部と端部とでは、印刷の滲み量等が異なることが確認された。太陽電池の製造において、印刷の滲み量が大きくなると、得られる太陽電池の光電変換効率が低下し得る。そこで、本発明は、複数の被印刷物に均等に印刷を行うことができるスクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法、並びに高い光電変換効率を有する太陽電池を製造できる太陽電池製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るスクリーン印刷装置は、少なくとも機械方向と交差する横断方向に並んで形成される複数の印刷領域を有するスクリーン印刷版と、前記機械方向に移動することによりその先端縁で前記印刷領域を擦過するスキージと、前記印刷領域に対向するよう被印刷物をそれぞれ支持する複数の保持部を有する基台と、を備え、前記スキージの前記横断方向両側最外部の前記先端縁と前記基台の前記横断方向両側最外部の前記保持部との少なくとも一方は、前記横断方向外側が上方に位置するよう傾斜する。
【0007】
上述のスクリーン印刷装置において、前記横断方向両側最外部の前記スキージ及び前記横断方向両側最外部の前記保持部の少なくとも一方の傾斜角度は、0.005°以上、0.090°以下であってもよい。
【0008】
上述のスクリーン印刷装置は、前記横断方向に並ぶ複数の前記スキージを備えてもよい。
【0009】
本発明の別の態様に係るスクリーン印刷方法は、少なくとも機械方向と交差する横断方向に並んで形成される複数の印刷領域を有するスクリーン印刷版と、前記機械方向に移動することによりその先端縁で前記印刷領域を擦過する複数のスキージと、前記印刷領域に対向するよう被印刷物をそれぞれ支持する複数の保持部を有する基台と、を備えるスクリーン印刷装置を用いて前記被印刷物に印刷を行うスクリーン印刷方法であって、前記スキージの前記横断方向両側最外部の前記先端縁と前記基台の前記横断方向両側最外部の前記保持部との少なくとも一方を前記横断方向外側が上方に位置するよう傾斜させた状態で印刷を行う、スクリーン印刷方法。
【0010】
上述のスクリーン印刷方法は、前記保持部上に載置した前記被印刷物上に厚みが異なる一対のスペーサを配置した状態で、前記一対のスペーサに当接するよう前記スキージを取り付ける工程をさらに備えてもよい。
【0011】
本発明のさらに別の態様に係る太陽電池製造方法は、上述のスクリーン印刷方法により前記被印刷物にパターンを印刷する工程を備え、前記被印刷物は半導体基板である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の被印刷物に均等に印刷を行うことができるスクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法、並びに高い光電変換効率を有する太陽電池を製造できる太陽電池製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るスクリーン印刷装置の構成を示す横断方向模式断面図である。
図2】本発明の第2実施形態に係るスクリーン印刷装置の構成を示す横断方向模式断面図である。
図3】本発明に係る太陽電池製造方法の実施例の光電変換効率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明をする。図1は、本発明の第1実施形態に係るスクリーン印刷装置1の構成を示す模式図である。なお、図面は、分かりやすくするための簡略化、省略、誇張等がなされている。
【0015】
スクリーン印刷装置1は、複数の被印刷物Sに同時にスクリーン印刷を行う装置である。スクリーン印刷装置1により印刷される被印刷物Sとしては、板状体が想定され、例えば半導体基板とされ得る。スクリーン印刷装置1により被印刷物Sに印刷される塗料としては、ペースト状の材料、例えばレジスト、導電性ペースト等が想定される。スクリーン印刷装置1は、スクリーン印刷版10と、複数のスキージ20と、複数の被印刷物Sを支持する基台30と、を備える。
【0016】
スクリーン印刷版10は、機械方向(図1の紙面に垂直な奥行方向)及び機械方向と交差する横断方向(図1の左右方向)に並んで形成される複数の印刷領域11を有する。各印刷領域11は、それぞれ1つの被印刷物Sに対して印刷される平面パターンで塗料を選択的に透過させ得る。スクリーン印刷版10は、図示する例では3列の印刷領域11を有するが、2列以上の印刷領域11を有するものであればよい。スクリーン印刷版10は、平面視で略全体に配置されるスクリーン12(紗、メッシュとも呼ばれる)と、スクリーン12を支持する乳剤13と、を有する構成とされ得る。
【0017】
スクリーン12は、フィラーを含む塗料が通過可能な網状の材料で構成される。スクリーン12は、一般的には、線状の材料の織物によって構成され、典型的には、平織の網からなる。スクリーン12の材質としては、例えばポリエステル、ポリアミド、ステンレス鋼等を挙げることができる。スクリーン12の目開きとしては、例えば20μm以上200μm以下、典型的には50μm以上100μm以下とされ得る。
【0018】
乳剤13は、印刷領域11にそれぞれ印刷すべきパターンで形成され、塗料を通過させる印刷開口を有する。スクリーン12と被印刷物Sとの間隔を定めるスペーサとして機能し、印刷開口を通して被印刷物に付着させる塗料の厚みを定める。乳剤13は、例えば感光性樹脂等によって形成され得る。
【0019】
スキージ20は、自身の先端縁21でスクリーン印刷版10の表面を機械方向に擦過することにより、スクリーン12を通して乳剤13の印刷開口に塗料を押し込む。スキージ20は、それぞれ1以上の印刷領域の列に対応するよう横断方向に並んで配設され、好ましくは印刷領域11の列と一対一に対応して配置される。複数のスキージ20は、単一の駆動機構22により機械方向に移動させられるよう設けられ得る。
【0020】
少なくとも横断方向両側最外部のスキージ20ひいてはその先端縁21は、機械方向視で横断方向外側が上方に位置するよう傾斜する。複数のスキージ20の傾斜角度は、機械方向視で左右対称であることが好ましい。さらに、3以上のスキージ20を備える場合、複数のスキージ20は機械方向視で外側程先端縁21の傾斜角度が大きくなるよう下に凸に湾曲するよう並べられることがより好ましい。
【0021】
横断方向両側最外部のスキージ20の先端縁21の傾斜角度の下限としては、0.005°が好ましく、0.010°がより好ましい。一方、横断方向両側最外部のスキージ20の先端縁21の傾斜角度の上限としては、0.090°が好ましく、0.060°がより好ましい。横断方向両側最外部のスキージ20の先端縁21の傾斜角度を前記下限以上とすることによって、また、横断方向両側最外部のスキージ20の先端縁21の傾斜角度を前記上限以下とすることによって、スクリーン印刷版10の撓み等に起因する塗料の塗布量の偏差を抑制できる。具体的には、スキージ20を機械方向視で傾斜させることによって、スキージ20による擦過後のスクリーン印刷版10の被印刷物Sからの離間のタイミングが横断方向位置で異なること等に起因する横断方向位置による印刷される塗料の厚みの違いを補償することができると考えられる。
【0022】
スキージ20の先端縁21の傾斜角度は、スクリーン印刷版10を取り外したスクリーン印刷装置1において、保持部31上に載置した被印刷物S上に厚みが異なる一対のスペーサを配置した状態で、一対のスペーサに当接するようスキージ20を駆動機構22に取り付けることによって正確に調整され得る。スキージ20の傾斜角度調整に用いられるスペーサとしては、例えば樹脂フィルム、金属薄板等が用いられ得る。
【0023】
スキージ20の断面形状としては、例えば平型、角型、剣型等、適宜選択できる。また、スキージ20の材質としては、例えばウレタンゴム、シリコンゴム等のゴム、例えばポリプロピレン、ポリアミド等の樹脂、例えばステンレス鋼等の金属など、適宜選択できる。その他のスキージ20の設計仕様については、従来のスクリーン印刷装置と同様とすることができる。
【0024】
基台30は、それぞれ被印刷物Sを印刷領域11に対向するよう保持する複数の保持部31を有する。複数の保持部31は、例えば被印刷物Sを受け容れる凹部等の保持構造を有する。本実施形態において、複数の保持部31は、それぞれが支持する複数の被印刷物Sの表面を同一の仮想平面上に配置するよう形成されている。
【0025】
以上の構成を有するスクリーン印刷装置1は、横断方向両側最外部のスキージ20の先端縁21の横断方向外側が上方に位置するよう傾斜して配設されていることによって、スクリーン印刷版10の撓み等に起因する横断方向位置による塗膜の厚みの違いひいては塗料の滲み(塗料の拡がり)のバラツキを抑制できる。このため、スクリーン印刷装置1は、被印刷物Sに均等で精度の高い印刷を行うことができる。
【0026】
また、スクリーン印刷装置1は、本発明の一態様に係るスクリーン印刷方法を実施するものである。つまり、本発明の一態様に係るスクリーン印刷方法は、横断方向両側最外部のスキージ20の先端縁21を横断方向外側が上方に位置するよう傾斜させた状態で印刷を行う。本発明の一態様に係るスクリーン印刷方法は、実際に印刷を行う前に、保持部31上に載置した被印刷物S上に厚みが異なる一対のスペーサを配置した状態で、一対のスペーサに当接するようスキージ20を取り付ける工程をさらに備えてもよい。
【0027】
続いて、本発明の第2実施形態について説明をする。図2は、本発明の第2実施形態に係るスクリーン印刷装置1Aの構成を示す模式図である。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して重複する説明を省略することがある。
【0028】
スクリーン印刷装置1Aは、スクリーン印刷版10と、単一のスキージ20Aと、複数の被印刷物Sを支持する基台30Aと、を備える。本実施形態のスクリーン印刷装置1Aは、横断方向に並ぶ全ての印刷領域11を単一のスキージ20の直線状の先端縁21Aで擦過する。また、本実施形態のスクリーン印刷装置1Aにおいて、基台30Aは、座板32と、座板32上に取り付けられる別部材によって構成される複数の保持部31Aと、を有する。保持部31Aは、基台30Aとの間に配置されるシム33等によって高さ及び傾斜が微調整され得る。これにより、基台30Aは、複数の被印刷物Sを横断方向両端部が上方に位置するよう屈曲する仮想凹面上に配置する。
【0029】
スクリーン印刷装置1Aは、基台30の横断方向両側最外部の保持部31の横断方向外側が上方に位置するよう傾斜することにより、スクリーン印刷版10の撓み等に起因する塗膜の厚みのバラツキを抑制できるため、被印刷物Sに均等で精度の高い印刷を行うことができる。
【0030】
以上のスクリーン印刷装置1Aも、本発明の一態様に係るスクリーン印刷方法を実施するものである。つまり、本発明の一態様に係るスクリーン印刷方法は、横断方向両側最外部の保持部を横断方向外側が上方に位置するよう傾斜させた状態で印刷を行う。本発明の一態様に係るスクリーン印刷方法は、実際に印刷を行う前に、保持部31上に載置した被印刷物S上に厚みが異なる一対のスペーサを配置した状態で、一対のスペーサに当接するようスキージ20を取り付ける工程をさらに備えてもよい。
【0031】
図1のスクリーン印刷装置1又は図2のスクリーン印刷装置1Aを用いるスクリーン印刷方法は、本発明に係る太陽電池製造方法の一部として、半導体基板にパターンを印刷するために実施され得る。つまり、本発明の一実施形態に係る太陽電池製造方法は、本発明の一態様に係るスクリーン印刷方法により被印刷物Sにパターンを印刷する工程を備え、被印刷物Sは半導体基板である。太陽電池製造方法において、上述スクリーン印刷方法により印刷され得る塗料としては、エッチングレジスト材料、リフトオフ層形成材料、エッチングペースト、導電性ペースト等が挙げられる。
【0032】
本発明の一態様に係る太陽電池製造方法は、均等で精密なパターンを印刷できる上述のスクリーン印刷方法を用いることにより、各構成要素を正確に形成できるため、高い光電変換効率を有する太陽電池を製造できる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更及び変形が可能である。例として、本発明に係るスクリーン印刷装置において、スキージの先端縁及び基台の保持部の角度はともに調整不能であってもよい。具体的には、屈曲する先端縁を有する単一のスキージ、仮想凹面上に位置するよう複数の保持部が固定された基台等を使用することによっても、印刷ムラを抑制できる。また、本発明に係るスクリーン印刷装置において、横断方向外側のスキージの先端縁及び基台の保持部の両方を傾斜させてもよい。この場合、スキージの先端縁及び基台の保持部の一方の傾斜を固定し、他方の傾斜角度の微調整により印刷品質の最適化を行うようにしてもよい。
【実施例0034】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。半導体基板にスクリーン印刷装置によってパターンを印刷する工程を備える太陽電池製造方法により、太陽電池セルを試作し、光電変換効率を測定した。スクリーン印刷装置としては、2列の印刷領域が形成されたスクリーン印刷版と、印刷領域の各列をそれぞれ擦過する2つのスキージと、2列に並んで半導体基板を支持する基台と、を備えるものを使用した。
【0035】
厚みが異なるテープを半導体基板に貼着した状態で、スキージを固定することにより、スキージの先端縁の傾斜角度を調整した。スキージの先端縁の傾斜角度と得られた太陽電池セルの光電変換効率との関係を、スキージを半導体基板と平行にした場合の光電変換効率に対する比率として、次の表及び図3のグラフに示す。
【0036】
【表1】
【0037】
以上の結果から、スキージを僅かに傾斜させることによって、印刷パターンの精度を向上し、得られる太陽電池セルの光電変換効率を向上できることが確認できた。
【符号の説明】
【0038】
1,1A スクリーン印刷装置
10 スクリーン印刷版
11 印刷領域
12 スクリーン
13 乳剤
20,20A スキージ
21,21A 先端縁
22 駆動機構
30,30A 基台
31,31A 保持部
32 座板
33 シム
S 被印刷物
図1
図2
図3