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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117382
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】車両の制御方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240822BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240822BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20240822BHJP
【FI】
G08G1/16 A
B60W50/14
B60W30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023449
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水口 孝夫
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA31
3D241BA57
3D241CD07
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DB12Z
3D241DC18Z
3D241DC25Z
3D241DD13Z
5H181AA01
5H181AA05
5H181BB04
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF32
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】車両に対する不要な衝突防止支援を抑制する。
【解決手段】本開示に係る車両の制御装置は、第1車輪及び第2車輪が結合された車体と、位置センサと、車速センサと、方向指示操作部と、他車両と無線通信可能である無線通信回路と、出力回路と、を備えた車両を制御する。前記制御装置は、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が所定値以上ある場合、前記出力回路が所定の報知信号を出力し、前記走行速度がゼロになる停止状態になり、前記停止状態の後に、第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車輪と、第2車輪と、前記第1車輪及び前記第2車輪が結合された車体と、位置を検出する位置センサと、走行速度を検出する車速センサと、右又は左の方向指示を受ける方向指示操作部と、他車両と無線通信可能であり、前記他車両の走行情報を受信可能な無線通信回路と、出力回路と、を備えた車両の制御方法であって、
前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が所定値以上ある場合、前記出力回路が所定の報知信号を出力し、
前記走行速度がゼロになる停止状態になり、前記停止状態の後に、右又は左の内、第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない、
車両の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御方法であって、
右又は左の内、前記第1方向と反対の第2方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が減少する減速状態になり、前記減速状態の後に、前記走行速度がゼロになる前記停止状態になり、前記停止状態の後に、前記第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する前記加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない、
車両の制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の車両の制御方法であって、
前記第2方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が減少する前記減速状態になり、前記減速状態の後に、前記走行速度がゼロになった後所定時間経過したら前記停止状態になり、前記停止状態の後に、前記第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する前記加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない、
車両の制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載の車両の制御方法であって、
前記停止状態は、前記第2方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度がゼロである、
車両の制御方法。
【請求項5】
請求項1に記載の車両の制御方法であって、
前記車両は、前記車体に連結されたスタンドを備え
前記停止状態は、少なくとも前記第1車輪と前記スタンドで前記車両が支持されると伴に、前記走行速度がゼロである、
車両の制御方法。
【請求項6】
請求項1に記載の車両の制御方法であって、
前記停止状態は、イグニッションがOFF状態からON状態になると伴に、前記走行速度がゼロである、
車両の制御方法。
【請求項7】
請求項1に記載の車両の制御方法であって、
前記走行速度がゼロになる停止状態になり、前記停止状態の後に、前記第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合で、前記車両の前記走行速度が所定値より大きい場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力する、
車両の制御方法。
【請求項8】
請求項1に記載の車両の制御方法であって、
前記出力回路は、表示部を備える、
車両の制御方法。
【請求項9】
請求項1に記載の車両の制御方法であって、
前記出力回路は、スピーカを備える、
車両の制御方法。
【請求項10】
請求項1に記載の車両の制御方法であって、
前記車両は、前記出力回路を制御する制御回路を備える、
車両の制御方法。
【請求項11】
第1車輪と、
第2車輪と、
前記第1車輪及び前記第2車輪が結合された車体と、
位置を検出する位置センサと、
走行速度を検出する車速センサと、
右又は左の方向指示を受ける方向指示操作部と、
他車両と無線通信可能であり、前記他車両の走行情報を受信可能な無線通信回路と、
出力回路と、
を備えた車両の制御装置であって、
前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が所定値以上ある場合、前記出力回路が所定の報知信号を出力し、
前記走行速度がゼロになる停止状態になり、前記停止状態の後に、右又は左の内、第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない、
車両の制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載の車両の制御装置であって、
右又は左の内、前記第1方向と反対の第2方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が減少する減速状態になり、前記減速状態の後に、前記走行速度がゼロになる前記停止状態になり、前記停止状態の後に、前記第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する前記加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない、
車両の制御装置。
【請求項13】
請求項12に記載の車両の制御装置であって、
前記第2方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が減少する前記減速状態になり、前記減速状態の後に、前記走行速度がゼロになった後所定時間経過したら前記停止状態になり、前記停止状態の後に、前記第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する前記加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない、
車両の制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載の車両の制御装置であって、
前記停止状態は、前記第2方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度がゼロである、
車両の制御装置。
【請求項15】
請求項11に記載の車両の制御装置であって、
前記車両は、前記車体に連結されたスタンドを備え
前記停止状態は、少なくとも前記第1車輪と前記スタンドで前記車両が支持されると伴に、前記走行速度がゼロである、
車両の制御装置。
【請求項16】
請求項11に記載の車両の制御装置であって、
前記停止状態は、イグニッションがOFF状態からON状態になると伴に、前記走行速度がゼロである、
車両の制御装置。
【請求項17】
請求項11に記載の車両の制御装置であって、
前記走行速度がゼロになる停止状態になり、前記停止状態の後に、前記第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合で、前記車両の前記走行速度が所定値より大きい場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力する、
車両の制御装置。
【請求項18】
請求項11に記載の車両の制御装置であって、
前記出力回路は、表示部を備える、
車両の制御装置。
【請求項19】
請求項11に記載の車両の制御装置であって、
前記出力回路は、スピーカを備える、
車両の制御装置。
【請求項20】
請求項11に記載の車両の制御装置であって、
前記車両は、前記出力回路を制御する制御回路を備える、
車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミリ波レーダなどの周囲の特徴を監視するセンサにより得られた情報に基づいて、対向車両などの他車両の存在を検知する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2021-002112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
衝突防止支援が不要な場合に、車両に対して衝突防止支援が行われるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る車両の制御装置は、第1車輪と、第2車輪と、前記第1車輪及び前記第2車輪が結合された車体と、位置を検出する位置センサと、走行速度を検出する車速センサと、右又は左の方向指示を受ける方向指示操作部と、他車両と無線通信可能であり、前記他車両の走行情報を受信可能な無線通信回路と、出力回路と、を備えた車両を制御する。前記車両の制御装置は、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が所定値以上ある場合、前記出力回路が所定の報知信号を出力し、前記走行速度がゼロになる停止状態になり、前記停止状態の後に、右又は左の内、第1方向の方向指示を前記方向指示操作部が受けると伴に、前記走行速度が増加する加速状態になる場合で、前記車両の前記位置と前記走行速度と、前記他車両の前記走行情報を基に、前記車両が前記他車両と衝突する可能性が前記所定値以上ある場合、前記出力回路は、前記所定の報知信号を出力しない。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、車両に対する不要な衝突防止支援を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る車両及び他車両の概略構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る車両の制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る車両の制御装置により実行される、車両の左折時衝突防止支援の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係る車両の状態遷移における左折時衝突防止支援の要否の遷移を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る車両の制御装置による制御が実行される場面について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る車両の制御方法及び制御装置の実施形態について説明する。
【0009】
なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。また、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、参照符号の末尾にa又はbを付して区別している場合もある。あるいは、同一又は略同一の機能を有する複数の構成要素を区別しない場合には、参照符号の末尾に付されたa又はbを省略することにより統合して記載する場合もある。
【0010】
近年では、車両に搭載した車載用カメラによって自車両の前方の道路環境を撮像し、画像内における色情報や位置情報に基づいて他車両を特定し、特定された他車両との衝突を回避する所謂衝突防止機能を搭載した車両が普及しつつある。以下では、車両と他車両との衝突を回避するための衝突防止支援の制御を実行する車両の制御装置について詳述する。
【0011】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る車両1a及び他車両1bの概略構成を示す図である。
【0012】
車両1aは、車体14aと、所定方向に沿って配置された少なくとも2つの車輪とを有する。車両1aの車体14aは、第1車輪15a及び第2車輪16aにより支持される。車両1aは、例えば二輪車である(図1のA又はB参照)。他車両1bは、車体14bと、所定方向に沿って配置された少なくとも2つの車輪とを有する。車両1bの車体14bは、第1車輪15b、第2車輪16b、第3車輪(不図示)及び第4車輪(不図示)により支持される。他車両1bは、例えば四輪車である(図1のC参照)。本実施形態では、他車両1bが四輪車である場合を例示するが、これに限らない。
【0013】
他車両1bは、例えば、一輪車、二輪車、三輪車(トライク)などであってもよい。他車両1bは、例えば、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車などを含む。車両1a及び他車両1bのそれぞれは、図示しない駆動機を有し、当該駆動機の動力によって車両1a及び他車両1bの第1車輪15及び第2車輪16のうちの少なくとも1つの車輪(駆動輪)を駆動することにより移動可能である。
【0014】
なお、駆動機としては、ガソリンや水素などを燃料とするエンジンやバッテリからの電力を用いるモータ、あるいはエンジンとモータとの組合せなど、任意の駆動機が適用可能である。車両1a及び他車両1bは、不図示のギアの切り替え等により前進又は後退することができる。また、車両1a及び他車両1bは、操舵により右左折することもできる。
【0015】
車両1a及び他車両1bのそれぞれは、方向指示操作部19を有する。方向指示操作部19は、車両1を右折又は左折させる際に、運転者が右方向又は左方向のいずれかの方向の指示を受けることにより、運転者及び車両1の外部に向けて車両1の旋回方向を指示するように構成されている。この操作により、右折又は左折を表す信号が制御装置1に出力される。方向指示操作部19は、例えばウィンカレバーである。車体14a及び車体14bの前方には、それぞれ方向指示操作部19が設けられる。車体14a及び車体14bの少なくとも前方左右には、それぞれ右ウィンカ及び左ウィンカが設けられる。方向指示操作部19が右方向指示を受けた場合、右ウィンカが点滅する。方向指示操作部19が左の方向指示を受けた場合、左ウィンカが点滅する。図1のAでは、車両1aは道路の路面100上を走行している状態が例示される。図1のBでは、車両1aはスタンド17aで支持されている状態が例示される。図1のCでは、車両1bが道路の路面100上を走行している状態が例示される。
【0016】
図2は、実施形態に係る車両の制御装置1aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、右側通行を例とするため、左折時衝突防止支援(Left Turn Assist)を行う例にて説明を行う。例えば、アメリカ合衆国、中国及びドイツにおいて車両は右側通行であるため左折時衝突防止支援の制御が行われるのに対して、日本や英国において車両は左側通行であるため右折時衝突防止支援の制御が行われる。各国の状況に応じて、左折時衝突防止支援又は右折時衝突防止支援を行うかのパラメータの車両1aの制御装置2aの設定は適宜変更可能である。以下では、左折時衝突防止支援について例示するが、以下の説明は、「右」と「左」を入れ替えることで右折時衝突防止支援の説明として適用可能である。
【0017】
車両1aは、制御装置2aを搭載する。制御装置2aは、少なくとも、車両1aの位置、速度及び方向指示操作部19aが受ける右方向又は左方向といった指示方向を含む無線信号WSを送信可能な装置である。制御装置2aは、例えば、車両1aの内部に設けられたECU(Electronic Control Unit)、もしくはOBU(On Board Unit) である。あるいは、制御装置2aは、車両2aの後方に設置されてもよいし、車両2aのダッシュボード付近に設置された外付けの装置であってもよい。なお、制御装置2aは、カーナビゲーション装置などと一体に構成されていてもよい。
【0018】
他車両1bは、制御装置2bを搭載する。他車両1bの制御装置2bは、車両1aの制御装置1aが送信する無線信号WSを受信可能な装置である。
【0019】
車両1aの制御装置2aは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成を有する。一例として、車両1aの制御装置2aは、図2に示すように、プロセッサ3a、メモリ4a、車両情報インターフェース5a、無線通信インターフェース6a、アンテナ7a、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)インターフェース8a及びGNSS回路9aを有する。GNSS回路9aは、位置センサである。プロセッサ3a、メモリ4a、車両情報インターフェース5a、無線通信インターフェース6a及びGNSSインターフェース8aは、バス13aにより相互に通信可能に接続される。制御装置1aは、車速センサ18a、加速度センサ、ヨーレートセンサなどのセンサを備えていてもよい。
【0020】
プロセッサ3aは、制御装置2aの全体を制御する演算装置である。プロセッサ3aとしては、CPU(Central Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの各種のプロセッサが適宜利用可能である。プロセッサは、それぞれ後述の各処理のうちの少なくとも1つを実現する複数のプロセッサにより構成されていてもよい。ここで、制御装置2aのプロセッサ3aは、制御回路の一例である。
【0021】
一例として、制御装置2aのプロセッサ3aは、少なくとも、車両1aの位置、走行速度、加速度、ヨーレート及び方向指示操作部19aの指示方向並びに、他車両1bの位置、走行速度、加速度及びヨーレートに基づき、車両1aと他車両1bとの衝突の可能性を判定するように構成されている。また、プロセッサ3aは、衝突の可能性が一定以上ある場合、後述の通知デバイスに、車両1aの運転者に所定の通知を出力させるように構成されている。
【0022】
メモリ4aは、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体によって実現される。メモリ4aは、例えば制御装置2aで実行される各種のプログラムや当該プログラムの実行時に使用されるしきい値などの各種のパラメータを記憶する。
【0023】
一例として、プロセッサ3aとしてのCPUは、メモリ4aのROMに記憶されたプログラムを実行することにより、後述する各処理を実現する。
【0024】
なお、制御装置2aで実行される各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、制御装置2aで実行される各プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、制御装置2aで実行される各プログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0025】
車両情報インターフェース5aは、例えばCAN(Controller Area Network)に接続するように設定されている。車両情報インターフェース5aは、例えばCANを介して他のECU又は車両1aの各種センサから車両1aの状態に関する情報を取得する。車両1aの状態に関する情報とは、例えば、車両1aの走行速度、方向指示操作部19aが受ける右方向又は左方向に関する情報、加速度、ヨーレートなどである。
【0026】
ここで、車両1aの車両情報インターフェース5aは、入力回路の一例である。車両情報インターフェース5aは、例えばCANに流れている車速情報に基づいて車両1aの走行速度を取得する。車両情報インターフェース5aは、例えばCANを介して車軸に取り付けられた車速センサ18aからの車速パルスを取得し、当該車速パルスに基づいて車両1aの走行速度を取得する。ここで、車軸に取り付けられた車速センサ18aは、車両1aの走行速度を検出可能な速度検出回路の一例である。
【0027】
無線通信インターフェース6aは、アンテナ7aに接続するように設定されている。無線通信インターフェース6aは、アンテナ7aを介して、車両1aと、他車両1b又は路側機との間で無線信号WSの送受信を実行するためのインターフェースである。当該情報の送受信は、例えば、車車間・路車間通信(Vehicle-to-Everything:V2X) により行われる。
【0028】
なお、通信方式は、例えばIEEEのWi-Fi(登録商標)プロトコルなどに準拠する方式であるが、これに限定されない。また、無線通信インターフェース6aが送受信する情報は、特定の車両を宛先として指定する情報でもよいし、不特定の車両、又は路側機から周囲へブロードキャストする情報でもよい。本実施形態では車両又は路側機からV2X通信によって送信される情報を、無線信号WSと記載する。
【0029】
本実施形態においては、無線通信インターフェース6aは、他車両1bからV2X通信によってブロードキャストされた当該他車両1bに関する無線信号WSを受信可能である。他車両1bに関する無線信号WSには、他車両1bの走行情報が含まれる。走行情報とは、例えば他車両1bの位置、走行速度、加速度、ヨーレートなどである。また、無線通信インターフェース6aは、車両1aに関する無線信号WSを周囲にブロードキャスト(送信)可能である。なお、無線信号WSは、路側機を介して複数の車両の間において送受信されてもよい。
【0030】
GNSSインターフェース8aは、GNSS回路9aに接続するように設定されている。GNSSインターフェース8aは、GNSS回路9aから車両1aの位置情報を取得するためのインターフェースである。GNSS回路9aは、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールであり、GPS衛星から受信されたGPS信号に基づく位置情報を取得する。なお、本実施形態においては車両1aの位置情報としてGNSS座標を例示するが、他の手法によって車両1aの位置が特定されてもよい。例えば、車両1aの位置は、基準点の位置座標と、当該基準点から車両1aが移動した距離によって定義されてもよい。基準点からの車両1aの移動距離は、例えば車両1aの走行速度や加速度などに基づき算出可能である。
【0031】
ここで、車両1aのGNSSインターフェース8aは、例えばGNSS回路9aからの車両1aの位置情報に基づいて車両1aの位置を取得する。この場合、GNSS回路9aは、車両1aの位置を検出可能な位置検出回路の一例である。また、GNSSインターフェース8aは、例えばGNSS回路9aからの車両1aの位置情報の時系列に基づいて車両1aの走行速度を取得する。この場合、GNSS回路9aは、車両1aの走行速度を検出可能な速度検出回路の一例である。
【0032】
車両1aのデバイスインターフェース10aは、警告を出力するように設定されている。具体的には、車両1aのデバイスインターフェース10aは、ディスプレイ11a及びスピーカ12aの少なくとも一方に接続するように設定されている。換言すれば、制御装置2aは、ディスプレイ11a及びスピーカ12aのいずれか一方を有していなくてもよい。以下、ディスプレイ11a及びスピーカ12aを総称して通知デバイスと記載する。デバイスインターフェース10aは、通知デバイスにより車両1aの運転者に所定の通知を出力するためのインターフェースである。ここで、所定の通知とは、後述するように例えば警告である。
【0033】
車両1aの通知デバイスは、例えば、車体14aの運転席の周囲に設けられる。なお、通知デバイスは、車両1aの運転者が認識可能に所定の通知を出力できればよい。
【0034】
例えば、ディスプレイ11aは、映像を出力可能に構成されている。ディスプレイ11aは、所定の通知を映像として出力可能である。ディスプレイ11aは、出力された映像を車両1aの運転者が視認可能に車両1aに設けられる。ディスプレイ11aは、液晶ディスプレイや有機EL(organic electro-luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスである。ディスプレイ11aは、車両1aに搭載されたカーナビゲーション装置のディスプレイであってもよい。また、ディスプレイ11aは、運転者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)として構成されていてもよい。また、ディスプレイ11aは、投影型の表示デバイスであってもよい。なお、ディスプレイ11aは、運転者又は同乗者によるタッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイとして構成されていてもよい。ここで、ディスプレイ11aは、映像出力回路の一例である。
【0035】
例えば、スピーカ12aは、音声を出力可能に構成されている。スピーカ12aは、所定の通知を音声として出力可能である。スピーカ12aは、出力された音声を車両の運転者が聴音可能に車両1aに設けられる。本実施形態において、音声とは、言語に限らず、通知音あるいは警告音を含むものであるとする。ここで、スピーカ12aは、放音回路の一例である。
【0036】
図3は、実施形態に係る車両1aの制御装置2aにより実行される、車両1aの左折時衝突防止支援の流れの一例を示すフローチャートである。なお、車両1aの停車状態201と停車発進状態202は、図4の説明にて詳述する。
【0037】
まず、車両1aの制御装置2aは、車両1aの位置、走行速度、加速度、ヨーレート、方向指示操作部19aの指示方向を検出する。一例として、車両1aの制御装置2aのGNSSインターフェース8aは、GNSS回路9aからの車両1aの位置情報に基づいて車両1aの位置を検出する。また、GNSSインターフェース8aは、当該位置情報の時系列に基づいて車両1aの走行速度を検出する。
【0038】
車両1aの制御装置2aは、他車両1bから送信された無線信号WSを受信する(S101)。一例として、制御装置2aの無線通信インターフェース6aは、アンテナ7aにより、他車両1bから電波として送信された無線信号WSを受信する。一例として、他車両1bの位置、走行速度、加速度、ヨーレートに関する情報を他車両1bから受信する。
【0039】
そして、車両1aの制御装置2aのプロセッサ3aは、車両1a及び他車両1bの位置、走行速度、加速度及びヨーレートに関する情報に基づいて、車両1aの前方から他車両1bが接近しているか否かを判定する(S102)。車両1aの前方から他車両1bが接近していると判定されない場合(S102:No)、出力回路は衝突の可能性を示す報知信号を通知しない(S107)。
【0040】
一方で、車両1aの前方から他車両1bが接近していると判断される場合(S102:Yes)、車両1aの制御装置2aのプロセッサ3aは、車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けながら前進しているか否かを判定する(S103)。車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けながら前進していると判定されない場合(S103:No)、出力回路は衝突の可能性を示す報知信号を通知しない(S107)。
【0041】
一方で、車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けながら前進していると判定される場合(S103:Yes)、車両1aの制御装置2aのプロセッサ3aは、車両1a及び他車両1bの走行速度、走行方向から、車両1aと他車両1bの進路が交差するか否かを判定する(S104)。車両1aと他車両1bの進路が交差するか否かとは、例えば、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上あるか否かを、プロセッサ3aが判定することである。他車両1bの走行方向は、例えば他車両1bの位置、走行速度、加速度、ヨーレートに基づいて判定される。車両1aと他車両1bの進路が交差すると判定されない場合(S104:No)、出力回路は衝突の可能性を示す報知信号を通知しない(S107)。
【0042】
一方で、車両1aと他車両1bの進路が交差すると判定される場合(S104:Yes)、車両1aの制御装置2aのプロセッサ3aは、車両1aが停車状態201あるいは停車発進状態202であるか否かを判定する(S105)。車両1aが停車状態201あるいは停車発進状態202であると判定される場合(S105:Yes)、出力回路は衝突の可能性を示す報知信号を通知しない(S107)。
【0043】
一方で、車両1aが停車状態201あるいは停車発進状態202であると判定されない場合(S105:No)、車両1aの制御装置2aのデバイスインターフェース10aは、衝突の可能性を示す報知信号を出力回路から受信し、通知デバイスにより衝突の可能性を運転者に通知する(S106)。例えば、車両1aの制御装置2aが備えるデバイスインターフェース10aは、プロセッサ3aにより車両1aと他車両1bとの衝突の可能性があると判定される場合、衝突の可能性を示す通知情報を含む通知画面をディスプレイ11aに表示させることにより衝突の可能性を運転者に通知する。あるいは、車両1aの制御装置のデバイスインターフェース10aは、プロセッサ3aにより車両1aと他車両1bとの衝突の可能性があると判定される場合、警告音などの衝突の可能性を示す音声をスピーカ12aに出力させることにより運転者に通知する。
【0044】
左折時の衝突の可能性が通知される(S106)、又は、左折時の衝突の可能性が通知されない(S107)というステップの後、S102の判定を行うというステップに切り替わる。
【0045】
図4は、車両1aの状態遷移における左折時衝突防止支援の要否の遷移を示す図である。
【0046】
まず、車両1aが停車状態201であり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象とならない。例えば、車両1aのイグニッション20aがOFF状態である、車両1aのスタンド17aで車両1aが支持されている、又は、車両1aが停止してから所定時間以上が経過したとプロセッサ3aにより判定される場合には、プロセッサ3aは車両1aが停車状態201であると判定する。所定時間は、例えば3分である(以下同様)。これにより、車両1aが左折を行う状況ではないと判定することができるため、不要な左折時衝突防止支援を抑制することができる。
【0047】
車両1aが停車状態201の後に停車発進状態202となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象とならない。例えば、車両1aの走行速度がゼロから増加する加速状態である場合には、プロセッサ3aは車両1aが停車発進状態202であると判定する。なお、加速状態での走行速度は所定走行速度未満である。所定走行速度は、例えば3m/sである(以下同様)。これにより、車両1aが左折を行う状況ではないと判定することができるため、不要な左折時衝突防止支援を抑制することができる。
【0048】
車両1aが停車発進状態202の後に停車状態201となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象とならない。例えば、車両1aの走行速度が所定走行速度未満の速度からゼロになる場合には、プロセッサ3aは車両1aが停車状態201であると判定する。これにより、車両1aが左折を行う状況ではないと判定することができるため、不要な左折時衝突防止支援を抑制することができる。
【0049】
車両1aが停車発進状態202の後に走行状態203となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象となる。例えば、車両1aの走行速度がゼロから増加する加速状態から所定走行速度以上になる場合、プロセッサ3aは車両1aが走行状態203であると判定する。
【0050】
車両1aが走行状態203の後に推測停車状態204となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であると制御装置2aのプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象となる。例えば、車両1aの走行速度が所定走行速度以上から減速して所定時間未満ゼロになり、かつ、車両1aの方向指示操作部19aが右の方向指示を受ける場合、プロセッサ3aは車両1aが推測停車状態204であると判定する。車両1aの方向指示操作部19aが右の方向指示を受けるとは、例えば、ウィンカレバーが操作され、右ウィンカがON状態になることである。
【0051】
車両1aが推測停車状態204の後に走行状態203となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象となる。例えば、車両1aの走行速度がゼロから増加する加速状態から所定走行速度以上になり、かつ、車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けない場合、プロセッサ3aは車両1aが走行状態203であると判定する。車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けないとは、例えば、ウィンカレバーが操作されず、左ウィンカがOFF状態であることである。
【0052】
車両1aが走行状態203の後に停止状態206となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であると制御装置2aのプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象となる。例えば、車両1aの走行速度が所定走行速度以上から減速して所定時間未満の間走行速度がゼロになり、イグニッション20aがON状態であり、車両1aのスタンド17aで車両1aが支持されておらず、かつ、車両1aの方向指示操作部19aが右の方向指示を受けない場合、プロセッサ3aは車両1aが停止状態206であると判定する。車両1aの方向指示操作部19aが右の方向指示を受けないとは、例えば、ウィンカレバーが操作されず、右ウィンカがOFF状態であることである。
【0053】
車両1aが停止状態206の後に走行状態203となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象となる。例えば、車両1aの走行速度がゼロから増加する加速状態から所定走行速度以上になる場合、プロセッサ3aは車両1aが走行状態203であると判定する。
【0054】
車両1aが推測停車状態204の後に停車発進状態202となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象とならない。例えば、車両1aの走行速度がゼロから増加する加速状態であり、かつ、車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受ける場合には、プロセッサ3aは車両2が停車発進状態202であると判定する。車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けるとは、例えば、ウィンカレバーが操作され、左ウィンカがON状態であることである。これにより、車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けながら車両1aが左折を行う状況と、道路の路肩にて車両1aを止めた後、車両1aの方向指示操作部19aが左の方向指示を受けながら走行に戻る状況とを区別することができるため、不要な左折時衝突防止支援を抑制することができる。
【0055】
車両1aが停止状態206の後に停車状態201となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であると制御装置2aのプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象となる。例えば、車両1aのイグニッション20aがOFF状態である、車両1aのスタンド17aで車両1aが支持されている、又は、車両1aが停止してから所定時間以上が経過したとプロセッサ3aにより判定される場合には、プロセッサ3aは車両1aが停車状態206であると判定する。これにより、車両1aが左折を行う状況ではないと判定することができるため、不要な左折時衝突防止支援を抑制することができる。
【0056】
車両1aが推測停車状態204の後に停車状態206となり、かつ、車両1aと他車両1bとが衝突する可能性が所定値以上であるとプロセッサ3aが判定する場合、車両1aは制御装置2aによる左折時衝突防止支援の対象とならない。例えば、車両1aのイグニッション20aがOFF状態である、車両1aのスタンド17aで車両1aが支持されている、又は、車両1aが停止してから所定時間以上が経過したとプロセッサ3aにより判定される場合には、プロセッサ3aは車両1aが停車状態206であると判定する。これにより、車両1aが左折を行う状況ではないと判定することができるため、不要な左折時衝突防止支援を抑制することができる。
【0057】
図5は、実施形態に係る実施形態に係る車両1aの制御装置2aによる制御が実行される場面について説明するための図である。
【0058】
本実施形態においては2車線の道路を想定しており、ここでは2車線の右側車線に車両1a、左側車線に他車両1bがそれぞれ走行している右側通行の状況を示している。また、説明の簡単のために、車両1aが前進する方向を進行方向と記載する。例えば、車両1aが直進している状態、あるいは他車両1bが直進している状態のとき、進行方向とは、車体14aの前後方向に沿う方向であるとする。
【0059】
車両1aは右車線において路肩に停車された後に、方向指示操作部19aで左の方向指示を受ける操作がなされながら発進をする際に、対向車線(左車線)において他車両1bが接近している場合であっても、車両1aの制御装置2aは、出力回路から報知信号を出力しない。これにより、車両1aの運転者に対して不要な衝突防止支援を抑制することができるため、快適な運転を行うことができる。
【0060】
なお、図5は、対向車線に1台の他車両1bが存在する例であるが、これに限らない。例えば、対向車線に他車両1bが2台以上の複数台存在していてもよい。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
1a 車両
1b 他車両
2a 制御装置
2b 制御装置
3a プロセッサ
4a メモリ
5a 車両情報インターフェース
6a 無線通信インターフェース
7a アンテナ
8a GNSSインターフェース
9a GNSS回路
10a デバイスインターフェース
11a ディスプレイ
12a スピーカ 13a バス
14a 車体
14b 車体
15a 第1車輪
15b 第1車輪
16a 第2車輪
16b 第2車輪
17a スタンド
18a 車速センサ
19a 方向指示操作部
20a イグニッション
100 路面
図1
図2
図3
図4
図5