(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117401
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】運転支援装置、運転支援装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023479
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 孝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 潤
(72)【発明者】
【氏名】山本 新之介
(72)【発明者】
【氏名】中野 栄治
(72)【発明者】
【氏名】高梨 陸
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC27
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置、運転支援装置の制御方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る運転支援装置は、運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部と、自動運転システムによる自動運転制御信号を取得する自動運転制御信号取得部と、操作信号取得部が取得した操作信号と、自動運転制御信号取得部が取得した自動運転制御信号とを比較する信号比較部と、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断する乖離状態判断部と、操作ごとの乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、操作ごとに運転者の運転技能低下と評価する技能評価部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部と、
自動運転システムによる自動運転制御信号を取得する自動運転制御信号取得部と、
操作信号取得部が取得した前記操作信号と、自動運転制御信号取得部が取得した前記自動運転制御信号とを比較する信号比較部と、
運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断する乖離状態判断部と、
前記操作ごとの前記乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、前記操作ごとに運転者の運転技能低下と評価する運転技能評価部と、を備える、
運転支援装置。
【請求項2】
運転者の運転技能の低下と評価された操作に対して、自動運転制御信号による制御信号を与える制御信号切替部と、をさらに備える、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記信号比較部が比較した結果に関するデータを記憶する比較データ記憶部と、をさらに備え、
前記乖離状態判断部は、前記比較データ記憶部に記憶された前記データの蓄積に基づいて、操作ごとの乖離状態を判断し、
前記運転技能評価部は、前記乖離状態判断部が、乖離状態が所定の閾値を超えたと判断した回数が所定の回数を超えた場合に、運転者の技能低下と評価する、
請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記制御信号切替部は、前記操作に関して、前記乖離状態判断部が判断した乖離状態が第一閾値を超えて第二閾値以下である場合に、所定の表示を行う制御信号の切り替えを行い、前記乖離状態判断部が判断した乖離状態が第二閾値を超えた場合に、自動運転制御信号による制御信号を与える、
請求項3に記載の運転支援装置。
【請求項5】
車両の走行ルートの記録を含む車両の運転に関するデータを記録する運転データ記憶部と、をさらに備え、
前記制御信号切替部は、前記運転データ記憶部に記憶された走行ルートの記録が現在走行している走行ルートを所定の回数以上走行したことを示す場合に、前記第一閾値、及び前記第二閾値を所定値だけ引き上げた値に設定して、制御信号を切り替える、
請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項6】
運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得するステップと、
自動運転システムによる自動運転制御信号を取得するステップと、
取得した前記操作信号と、取得した前記自動運転制御信号とを比較するステップと、
運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断するステップと、
前記操作ごとの前記乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、前記操作ごとに運転者の運転技能低下と評価するステップと、
運転支援装置の制御方法。
【請求項7】
運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得するステップと、
自動運転システムによる自動運転制御信号を取得するステップと、
取得した前記操作信号と、取得した前記自動運転制御信号とを比較するステップと、
運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断するステップと、
前記操作ごとの前記乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、前記操作ごとに運転者の運転技能低下と評価するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転支援装置、運転支援装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転車は、目的地を入力することによって、運転者が操作をすることなく目的地まで移動することができる。自動運転機能を備えた自動車においても、通常の手動運転可能なハンドル、ブレーキ、アクセルなどの操作系を備えることで、通常の手動運転動作が可能である。車線逸脱や交通違反、衝突事故などを起こさないように自動運転機能がセーフティー機能として常に動いて事故を防止することが可能である。
【0003】
また、高齢者にとっては自らの意志と動作で自動車を運転することは大きな喜びであり達成感やボケ防止などの効果が見込まれる一方、認知判断・運転操作ミスによる交通事故が大きな社会問題となっており、このようなセミオートマチック車が必要とされる。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、自動運転モードと手動運転モードとを備え、走行困難性を検出可能なセンサ部と、運転者の操作を受ける操作部と、運転者の操作に基づいて運転者の運転技量の高低を評価する運転技量評価と、を備え、自動運転モードにおいて、運転技量が第1の技量である場合に、センサ部が第1の走行困難性を検出すれば、手動運転モードに切り替わり、自動運転モードにおいて、運転技量が第1の技量より低い第2の技量である場合に、センサ部が第1の走行困難性より低い第2の走行困難性を検出すれば、手動運転モードに切り替わる、車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようなセミオートマチック車の運転では見かけ上、問題のない運転動作が行われるために、自らの運転技能の低下に気が付きにくいという課題があり、他の手動運転車両を運転した場合に事故を起こす可能性が高くなる問題がある。
【0007】
本開示は上記課題を鑑み、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置、運転支援装置の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る運転支援装置は、運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部と、自動運転システムによる自動運転制御信号を取得する自動運転制御信号取得部と、操作信号取得部が取得した前記操作信号と、自動運転制御信号取得部が取得した前記自動運転制御信号とを比較する信号比較部と、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断する乖離状態判断部と、前記操作ごとの前記乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、前記操作ごとに運転者の運転技能低下と評価する運転技能評価部と、を備える。
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る運転支援装置の制御方法は、運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得するステップと、自動運転システムによる自動運転制御信号を取得するステップと、取得した前記操作信号と、取得した前記自動運転制御信号とを比較するステップと、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断するステップと、前記操作ごとの前記乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、前記操作ごとに運転者の運転技能低下と評価するステップと、を含む。
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るプログラムは、運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得するステップと、自動運転システムによる自動運転制御信号を取得するステップと、取得した前記操作信号と、取得した前記自動運転制御信号とを比較するステップと、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断するステップと、前記操作ごとの前記乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、前記操作ごとに運転者の運転技能低下と評価するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置、運転支援装置の制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示に係る運転支援装置の利用場面の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示に係る運転支援装置が搭載される車両の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示に係る運転支援装置の第一実施形態の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示に係る運転支援装置の比較データ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示に係る運転支援装置の制御方法の第一態様のフローを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示に係る運転支援装置の制御方法の第二態様のフローを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示に係る運転支援装置の第二実施形態の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示に係る運転支援装置の運転データ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示に係る運転支援装置の操作系に対する操作を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示に係る運転支援装置の自動運転における保険との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
(運転支援装置の概要)
まず、本開示に係る運転支援装置100の概要について、
図1を用いて説明する。
図1は、本開示に係る運転支援装置の利用場面の一例を示す図である。
図1に示すように、本開示に係る運転支援装置100は、例えば、車両Cに搭載されて、運転者の運転を支援する情報処理装置である。
図1に示すように、運転支援装置100は、各種の情報を表示する表示部170を備えて、表示部170に表示された地図上に運転経路を示すことによる経路案内や、渋滞情報などの各種の情報を運転者や同乗者に対して伝達してもよい。
【0015】
自動運転車の社会実装が進む状況が見えてきている一方、世界的に高齢化社会が進展している状況があった。また、高齢者の自動車の運転による事故の発生が社会問題となるケースがあった。そのため、自動運転車が社会実装された状態を見据えて、高齢者の自動車の運転の喜びと、事故のない安心安全な社会の実現を両立させる必要があった。すなわち、運転者の状態に応じて、自動運転と手動運転の切り替えや、それらの配分を的確に決定することが求められていた。
【0016】
(車両の構成)
次に、本開示に係る運転支援装置100が搭載される車両Cの構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、本開示に係る運転支援装置が搭載される車両の構成例を示す図である。
図2に示すように、車両Cは、運転支援装置100と、自動運転システム200と、操作系300と、を含む。なお、前述した構成以外に、車両Cは、エンジンやタイヤなどを含むが、これらは本開示に係る運転支援装置100との関係が薄いことから説明を省略する。
【0017】
運転支援装置100は、上述したように、運転者の運転を支援する情報処理装置である。運転支援装置100の概要については上述した通りであり、運転支援装置100の構成の詳細な説明については後述することから、ここでの説明はこの程度に留める。
【0018】
自動運転システム200は、車外の様子をLIDAR(Light Detection And Ranging)やカメラ、赤外線センサなどを用いて計測して、車両Cの操作系300に対して、制御信号を与える。自動運転システム200は、上述したような複数のセンサと、演算処理装置、記憶装置などによって構成されてよく、認知・判断・制御が自動的に行われる機能を有し、運転支援装置100との間において相互に通信可能に接続されている。
【0019】
操作系300は、ハンドル、アクセル、ブレーキなどの車両Cを操縦するための運転操作機器である。操作系300は、手動運転の場合は、運転者による操作に応じて、車両Cの操作系300に対応する構成に対して制御信号を与えて、対応する車両Cの構成を制御する。
【0020】
なお、自動運転システム200は、必ずしも車両Cに設けられる必要はなく、車両Cとネットワークを介して接続された外部のクラウドサーバ装置に自動運転システム200を実装して、ネットワークを介して、自動運転制御信号を車両Cに与えてもよい。これにより、車両Cに大掛かりな装置などを設ける必要がなく、自動運転を実現することが可能となる。
【0021】
(運転支援装置の構成)
(第一実施形態)
次に、本開示に係る運転支援装置100の構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、本開示に係る運転支援装置の構成例を示す図である。
図3に示すように、本開示に係る運転支援装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、ハンドル制御部140と、アクセル制御部150と、ブレーキ制御部160と、表示部170と、を備える。
【0022】
通信部110は、運転支援装置100の内部と外部を相互に通信可能に接続し、運転支援装置100の内部と外部との間で相互に情報を送受信する。通信部110は、例えば、CAN(Controller Area Network)インターフェイスデバイス、無線LAN(Local Area Network)カード、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。
【0023】
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置とを備える。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0024】
図3に示すように、記憶部120は、比較データ記憶部121を備える。
【0025】
比較データ記憶部121は、自動運転制御信号と手動運転制御信号の比較に関係する情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、比較データ記憶部121が記憶する情報の一例について説明する。
図4は、本開示に係る運転支援装置の比較データ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0026】
図4に示す例において、比較データ記憶部121は、「自動運転制御信号」、「手動運転制御信号」、「比較データ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0027】
「自動運転制御信号」は、自動運転システム200から取得した自動運転のための操作系300への制御信号を示す。なお、「自動運転制御信号」は、ハンドル、アクセル、ブレーキという操作系300の構成要素ごとに自動運転の制御信号が記憶されていてよい。「手動運転制御信号」は、運転者が操作系300に対して操作したことによって生じた操作系300への制御信号を示す。なお、「手動運転制御信号」は、ハンドル、アクセル、ブレーキという操作系300の構成要素ごとに手動運転の制御信号が記憶されていてよい。「比較データ」は、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較した結果を示す。なお、「比較データ」は、ハンドル、アクセル、ブレーキという操作系300の構成要素ごとに、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較した結果が記憶されていてよい。
【0028】
すなわち、
図4においては、自動運転制御信号「ADCS#1」と、手動運転制御信号「MDCS#1」と、比較データ「CDT#1」が紐付けて記憶されている例が示されている。
【0029】
なお、比較データ記憶部121に記憶される情報は、「自動運転制御信号」、「手動運転制御信号」、「比較データ」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の自動運転制御信号と手動運転制御信号の比較に関係する情報が記憶されてよい。
【0030】
制御部130は、運転支援装置100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0031】
図3に示すように、制御部130は、操作信号取得部131と、自動運転制御信号取得部132と、信号比較部133と、乖離状態判断部134と、運転技能評価部135と、フィードバック部136と、を備える。制御部130は、記憶部120からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、これらの機能を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、電子回路によって実現されてもよい。また、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順に説明する。
【0032】
操作信号取得部131は、運転者の手動運転時のハンドルや、アクセル、ブレーキを含む操作系300に対する手動による操作を示す操作信号を取得する。操作信号取得部131は、通信部110を介して、例えば、ハンドルの操作によって生じた制御信号を取得する。なお、操作信号取得部131は、ハンドル、アクセル、ブレーキの制御信号をそれぞれ取得して、それぞれ異なる信号として、比較データ記憶部121に記憶してよい。
【0033】
自動運転制御信号取得部132は、自動運転システム200による操作系300に対する自動運転制御信号を取得する。自動運転制御信号取得部132は、自動運転システム200が生成した制御信号を自動運転システム200から取得してよい。自動運転制御信号取得部132は、例えば、自動運転システム200がハンドルに対する自動運転制御信号として生成した自動運転制御信号を取得する。自動運転制御信号取得部132は、ハンドル、アクセル、ブレーキに対する自動運転制御信号をそれぞれ取得して、それぞれ異なる自動運転制御信号として、比較データ記憶部121に記憶してよい。
【0034】
信号比較部133は、操作信号取得部131が取得した操作信号と、自動運転制御信号取得部132が取得した自動運転制御信号とを比較する。例えば、信号比較部133は、操作信号と自動運転制御信号に対して、正規化処理やノイズ除去処理などを行った後に、操作信号と自動運転制御信号の差の絶対値を算出することにより、操作信号と自動運転制御信号を比較してよい。また、信号比較部133は、操作信号と自動運転制御信号のタイミングの差を比較してもよい。すなわち、信号比較部133は、操作信号が変動するタイミングと、自動運転制御信号が変動するタイミングを比較してもよい。
【0035】
乖離状態判断部134は、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との操作ごとの乖離状態を判断する。例えば、乖離状態判断部134は、信号比較部133の比較により生成された操作信号と自動運転制御信号の差の絶対値に対して、所定の数値ごとに区切って、区切られた数値範囲について乖離状態のレベルを当て嵌めて、乖離状態を判断してよい。例えば、乖離状態判断部134は、操作信号と自動運転制御信号の差の絶対値が小さい方から順に、乖離レベル1、乖離レベル2、乖離レベル3というように乖離レベルを当て嵌めてよい。なお、乖離状態判断部134は、操作系300ごとに乖離状態を判断してよい。
【0036】
運転技能評価部135は、操作ごとの乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、操作ごとに運転者の運転技能低下と評価する。すなわち、運転技能評価部135は、乖離状態判断部134が、操作ごとに判断した乖離状態に基づいて、操作ごとに運転者の運転技能を評価する。例えば、運転技能評価部135は、乖離状態判断部134が乖離レベル3と判断した場合に、運転者の運転技能低下と評価してよい。なお、運転技能評価部135が、運転者の運転技能低下と評価する閾値は、任意に設定してよい。
【0037】
フィードバック部136は、運転技能評価部135が、運転者の運転技能低下と評価した場合に、運転技能低下と評価された操作系300に対して乖離状態を示す信号を与える。例えば、フィードバック部136は、運転技能の低下が見られる操作系300に対して、操作反力の強弱を変化させることや振動、光などによって乖離状態を運転者に伝達してよい。なお、フィードバック部136は、表示部170に乖離状態を表示することによって、運転者に運転技能低下を伝達してもよい。
【0038】
ハンドル制御部140は、ハンドルに対して制御信号を与える。すなわち、ハンドル制御部140は、通信部110を介して、車両Cのハンドルの制御回路に接続されており、ハンドルに対して制御信号を与えることができる。なお、フィードバック部136から乖離状態を示す信号が送られた場合は、ハンドル制御部140は、ハンドルの操作反力の強弱を変化させることや、振動、光を発生させることによって、乖離状態を運転者に伝達するようにハンドルを制御する。
【0039】
アクセル制御部150は、アクセルに対して制御信号を与える。すなわち、アクセル制御部150は、通信部110を介して、車両Cのアクセルの制御回路に接続されており、アクセルに対して制御信号を与えることができる。なお、フィードバック部136から乖離状態を示す信号が送られた場合は、アクセル制御部150は、アクセルの操作反力の強弱を変化させることや、振動、光を発生させることによって、乖離状態を運転者に伝達するようにアクセルを制御する。
【0040】
ブレーキ制御部160は、ブレーキに対して制御信号を与える。すなわち、ブレーキ制御部160は、通信部110を介して、車両Cのブレーキの制御回路に接続されており、ブレーキに対して制御信号を与えることができる。なお、フィードバック部136から乖離状態を示す信号が送られた場合は、ブレーキ制御部160は、ブレーキの操作反力の強弱を変化させることや、振動、光を発生させることによって、乖離状態を運転者に伝達するようにブレーキを制御する。
【0041】
表示部170は、車両の運転者や同乗者に向けて各種の情報を表示する。表示部170は、車載インフォテインメントシステムの表示デバイスや、バックミラー型の表示デバイス、HUD(Head-Up Display)であってよい。また、表示部170は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。表示部170が設けられる箇所は、ダッシュボード上やセンタークラスターなどに限定されることなく、前方座席の背面や、リアウィンドウに設けられてもよい。
【0042】
(運転支援装置の制御方法)
次に、本開示に係る運転支援装置の制御方法の第一態様について、
図5を用いて説明する。
図5は、本開示に係る運転支援装置の制御方法の第一態様のフローを示すフローチャートである。
図5に示すフローに沿って、本開示に係る運転支援の制御方法の第一態様について説明する。
【0043】
まず、運転支援装置100は、操作系300に対する手動による操作を示す操作信号を取得する(ステップS101)。次に、運転支援装置100は、自動運転システム200による操作系300に対する自動運転制御信号を取得する(ステップS102)。次に、運転支援装置100は、操作信号と、自動運転制御信号を比較する(ステップS103)。次に、運転支援装置100は、操作信号と自動運転制御信号の乖離状態を判断し、乖離状態が閾値以上か否かを判定する(ステップS104)。乖離状態が閾値以上の場合(ステップS104:Yes)、運転支援装置100は、操作系300に対してフィードバックを与える(ステップS105)。
【0044】
なお、乖離状態が閾値以上ではない場合(ステップS104:No)、運転支援装置100は、ステップS101に戻って以降の処理を実行する。
【0045】
これによれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較して、両者の乖離状態を判断して、乖離状態が閾値以上の場合に、操作系300に対してフィードバックを与えることができる。そのため、運転技能が低下した場合に、フィードバックを受けて、運転操作を改善することに役立てることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置100、運転支援装置100の制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【0046】
次に、本開示に係る運転支援装置の制御方法の第二態様について、
図6を用いて説明する。
図6は、本開示に係る運転支援装置の制御方法の第二態様のフローを示すフローチャートである。
図6に示すフローに沿って、本開示に係る運転支援の制御方法の第二態様について説明する。
【0047】
まず、運転支援装置100は、操作系300に対する手動による操作を示す操作信号を取得する(ステップS201)。次に、運転支援装置100は、自動運転システム200による操作系300に対する自動運転制御信号を取得する(ステップS202)。次に、運転支援装置100は、操作信号と、自動運転制御信号を比較する(ステップS203)。次に、運転支援装置100は、操作信号と、自動運転制御信号の比較結果を記憶する(ステップS204)。次に、運転支援装置100は、操作信号と自動運転制御信号の乖離状態を判断し、乖離状態が閾値以上か否かを判定する(ステップS205)。乖離状態が閾値以上の場合(ステップS205:Yes)、運転支援装置100は、乖離回数が閾値以上か否かを判定する(ステップS206)。乖離回数が閾値以上の場合(ステップS206:Yes)、運転支援装置100は、操作系に対してフィードバックを与える(ステップS207)。
【0048】
なお、乖離状態が閾値以上ではない場合(ステップS205:No)、運転支援装置100は、ステップS201に戻って以降の処理を実行する。なお、乖離回数が閾値以上ではない場合も(ステップS206:No)、運転支援装置100は、ステップS201に戻って以降の処理を実行する。
【0049】
これによれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較して、両者の乖離状態を判断して、乖離状態が閾値以上となった回数が所定の回数以上である場合に、操作系300に対してフィードバックを与えることができる。そのため、運転技能が低下して、乖離状態が閾値を超えたと所定の回数を超えて判断される場合に、フィードバックを受けて、運転操作を改善することに役立てることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置100、運転支援装置100の制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【0050】
(運転支援装置の構成)
(第二実施形態)
次に、本開示に係る運転支援装置100の第二実施形態の構成について、
図7を用いて説明する。
図7は、本開示に係る運転支援装置の第二実施形態の構成例を示す図である。
図7に示すように、本開示に係る運転支援装置100の第二実施形態は、運転支援装置100の第一実施形態に対して、記憶部120に運転データ記憶部122が追加され、制御部130に制御信号切替部137が追加されたこと以外は、運転支援装置100の第一実施形態と同じである。そのため、本開示に係る運転支援装置100の第二実施形態の構成のうち、運転支援装置100の第一実施形態と同じ構成については説明を省略し、運転支援装置100の第一実施形態と異なる構成について説明する。
【0051】
運転データ記憶部122は、車両Cが走行したルートや自動運転記録などの運転に関係するデータを記憶する。ここで、
図8を用いて、運転データ記憶部122が記憶する情報の一例について説明する。
図8は、本開示に係る運転支援装置の運転データ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0052】
図8に示す例において、運転データ記憶部122は、「運転データID」、「日時」、「走行ルートデータ」、「自動運転ON/OFF記録」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0053】
「走行ルートID」は、走行ルートを識別する識別子であり、文字列や番号によって表される。「日時」は、「走行ルートID」により識別される走行ルートを走行した日時を示しており、例えば、出発日時と到着日時が記憶されていてよい。「走行ルートデータ」は、走行ルートを示す情報であり、例えば、出発地から目的地に至るまでのルートをノードとリンクによって表してよい。「自動運転ON/OFF記録」は、操作系300が自動運転制御信号によって操作された記録を示す。なお、「自動運転ON/OFF記録」は、「走行ルートデータ」に対応付けて、走行ルートの特定の範囲を自動運転による制御信号によって操作されたことを示してよい。
【0054】
すなわち、
図8においては、運転データID「DDTID#1」により識別される運転データとして、日時「TIME#1」と、走行ルートデータ「RTDATA#1」と、自動運転ON/OFF記録「ATDRDT#1」が紐付けて記憶されている例が示されている。
【0055】
なお、運転データ記憶部122に記憶される情報は、「走行ルートID」、「日時」、「走行ルートデータ」、「自動運転ON/OFF記録」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の運転データに関係する情報が記憶されてよい。
【0056】
制御信号切替部137は、操作系300に与える制御信号を切り替える。例えば、制御信号切替部137は、操作ごとの乖離状態が所定の閾値を超えて、操作ごとに運転者の運転技能低下と評価した場合に、運転技能低下と評価された操作系300に対して与える制御信号を自動運転制御信号に切り替える。例えば、運転技能評価部135が、操作系300のうちのハンドルに対して、運転技能低下と評価した場合に、制御信号切替部137は、ハンドル制御部140に与える制御信号を自動運転制御信号に切り替える。
【0057】
なお、制御信号切替部137による制御信号の切り替えにおいて、操作系、条件、運転支援は常に一対一の対応関係ではなくてもよい。このような処理について、
図9を用いて説明する。
図9は、本開示に係る運転支援装置の操作系に対する操作を示す図である。
図9に示すハンドルの例で説明する。
図9に示すように、自動運転に対して、手動運転のタイミングの差が第一閾値以下であれば、「[レベル1]車線変更タイミングの表示」を行う。これは、表示部170の例えば、HUDに対して、適切な車線タイミングを運転者へ報知するものであり、運転制御へは直接的には関与しないものである。しかしながら、自動運転に対して、手動運転時のタイミングの差が第二閾値以上(第二閾値>第一閾値)であれば、自動運転と手動運転の差が大きく危険な運転である。このような場合は、
図9に示す「[レベル2]自動車線変更」を行って、自動運転制御信号によって自動運転システム200が直接的に運転に関与する。このように、閾値を用いた段階的な運転支援により、運転者の技量に合わせて、より運転の楽しみを高めることができる。
【0058】
また、制御信号切替部137が制御信号の切り替えの判断の基準に用いる第一閾値、第二閾値は、任意に設定してよい。例えば、運転データ記憶部122に記憶されたデータを参照して、頻繁に走行するルート(例えば、過去に所定の回数以上走行したことがあるルートや、週に数回程度走行しているルート)に対しては、第一閾値、第二閾値をより低く設定してよい(ハンドルの例で言えば、後続車との距離が短くてもよい)。また、頻繁に走行しないルートに対しては、第一閾値、第二閾値を高く設定してよい(ハンドルの例で言えば、後続車との距離が遠くなければならない)。これにより、自動運転と手動運転の切替条件は、普段慣れたルートであれば緩やかになり、慣れないルートであれば厳しくなるため、運転者の運転技量と環境に合わせて支援することができる。
【0059】
なお、制御信号切替部137が制御信号の切り替えの判断の基準に用いる第一閾値、第二閾値の設定は、上述した例の逆に設定してもよい。つまり、頻繁に走行するルートに対しては、第一閾値、第二閾値をより高く設定し、頻繁に走行しないルートに対しては、低く設定する。これにより、普段走行しないルートは運転者にとって安全に注意する可能性があり、また、知らないルートを運転する楽しみが提供できる。さらに慣れたルートは注意を怠りがちな可能性があるため、より適切な運転支援ができる。
【0060】
また、制御信号切替部137は、制御信号の切り替えの判断の基準は、運転者の運転状況に応じて切り替えてもよい。つまり、ルートの頻度とそのルートにおける運転状況(ハンドルの例で言うと、後続車との距離)とを記録しておく。走行する頻度が高いルートの場合、運転状況が荒い運転者の場合には、第一閾値、第二閾値を高く設定する(ハンドルの例で言うと、後続車との距離が遠くなければならない)。このように運転者の運転傾向に応じて、運転者ごとに第一閾値、第二閾値を設定してもよい。
【0061】
次に、本開示に係る運転支援装置100のデータの活用事例について、
図10を用いて説明する。
図10は、本開示に係る運転支援装置の自動運転における保険との関係を示す図である。
図10に示すように、自動運転のON/OFF記録に応じて保険適用を変えてよい。つまり、自動運転のON/OFF記録により、保険料の適用を管理する。例えば、
図8に示す運転データ記憶部122に記憶される情報の一例に示すように、走行ルートデータに紐付けて自動運転ON/OFF記録を記憶しておく。特に、事故があったときに、どの機能がON/OFFになっていたかを記憶しておく。
図10に示すように、その記録に応じて、保険適用の目安を予め記録しておく。
図10に示す保険適用の番号は、適用される保険の番号を示す。例えば、保険事業者の保険商品後に割り当てられる管理番号を示してよい。このようにすれば、手動運転、自動運転の切替が入り乱れる運転環境において、簡易に保険適用を管理することができる。
【0062】
(構成と効果)
本開示に係る運転支援装置100は、運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部131と、自動運転システム200による自動運転制御信号を取得する自動運転制御信号取得部132と、操作信号取得部131が取得した操作信号と、自動運転制御信号取得部132が取得した自動運転制御信号とを比較する信号比較部133と、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断する乖離状態判断部134と、操作ごとの乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、操作ごとに運転者の運転技能低下と評価する運転技能評価部135と、を備える。
【0063】
この構成によれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較して、両者の乖離状態を判断して、乖離状態が閾値以上の場合に、操作系に対してフィードバックを与えることができる。そのため、運転技能が低下した場合に、フィードバックを受けて、運転操作を改善することに役立てることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置100を提供することができる。
【0064】
本開示に係る運転支援装置100は、運転者の運転技能の低下と評価された操作に対して、自動運転制御信号による制御信号を与える制御信号切替部137と、をさらに備える。
【0065】
この構成によれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較して、両者の乖離状態を判断して、乖離状態が閾値以上の場合に、運転技能の低下と評価された操作に対して、自動運転制御信号による制御信号を与えることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置100を提供することができる。
【0066】
本開示に係る運転支援装置100は、信号比較部133が比較した信号を記憶する比較データ記憶部121と、をさらに備え、乖離状態判断部134は、比較データ記憶部121に記憶されたデータの蓄積に基づいて、操作ごとの乖離状態を判断し、運転技能評価部135は、乖離状態判断部134が、乖離状態が所定の閾値を超えたと判断した回数が所定の回数を超えた場合に、運転者の技能低下と評価する。
【0067】
この構成によれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較して、両者の乖離状態を判断して、乖離状態が閾値以上となった回数が所定の回数以上である場合に、操作系300に対してフィードバックを与えることができる。そのため、運転技能が低下して、乖離状態が閾値を超えたと所定の回数を超えて判断される場合に、フィードバックを受けて、運転操作を改善することに役立てることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置100を提供することができる。
【0068】
本開示に係る運転支援装置100は、制御信号切替部137は、操作に関して、乖離状態判断部134が判断した乖離状態が第一閾値を超えて第二閾値以下である場合に、所定の表示を行う制御信号の切り替えを行い、乖離状態判断部134が判断した乖離状態が第二閾値を超えた場合に、自動運転制御信号による制御信号を与える。
【0069】
この構成によれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号の乖離状態の程度に応じて、操作系300に対する制御信号を切り替えることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置100を提供することができる。
【0070】
本開示に係る運転支援装置100は、車両の走行ルートの記録を含む車両の運転に関するデータを記録する運転データ記憶部122と、をさらに備え、制御信号切替部137は、運転データ記憶部122に記憶された走行ルートの記録が現在走行している走行ルートを所定の回数以上走行したことを示す場合に、第一閾値、及び第二閾値を所定値だけ引き上げた値に設定して、制御信号の切り替えを判断する。
【0071】
この構成によれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号の切替条件は、普段慣れた走行ルートであれば緩やかになり、慣れない走行ルートであれば厳しくなるため、運転者の技量と走行ルートに応じて、運転を支援することができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置100を提供することができる。
【0072】
本開示に係る運転支援装置の制御方法は、運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得するステップと、自動運転システム200による自動運転制御信号を取得するステップと、取得した操作信号と、取得した自動運転制御信号とを比較するステップと、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断するステップと、操作ごとの乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、操作ごとに運転者の運転技能低下と評価するステップと、を含む。
【0073】
この構成によれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較して、両者の乖離状態を判断して、乖離状態が閾値以上の場合に、操作系300に対してフィードバックを与えることができる。そのため、運転技能が低下した場合に、フィードバックを受けて、運転操作を改善することに役立てることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができる運転支援装置の制御方法を提供することができる。
【0074】
本開示に係るプログラムは、運転者の手動運転時の操作を示す操作信号を取得するステップと、自動運転システム200による自動運転制御信号を取得するステップと、取得した操作信号と、取得した自動運転制御信号とを比較するステップと、運転者の手動運転時の操作信号と、自動運転による自動運転制御信号との所定の操作ごとの乖離状態を判断するステップと、操作ごとの乖離状態が所定の閾値を超えた場合に、操作ごとに運転者の運転技能低下と評価するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0075】
この構成によれば、自動運転制御信号と手動運転制御信号を比較して、両者の乖離状態を判断して、乖離状態が閾値以上の場合に、操作系に対してフィードバックを与えることができる。そのため、運転技能が低下した場合に、フィードバックを受けて、運転操作を改善することに役立てることができる。そのため、運転者の状態に基づいて的確に運転を支援することができるプログラムを提供することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0077】
100 運転支援装置
110 通信部
120 記憶部
121 比較データ記憶部
122 運転データ記憶部
130 制御部
131 操作信号取得部
132 自動運転制御信号取得部
133 信号比較部
134 乖離状態判断部
135 運転技能評価部
136 フィードバック部
137 制御信号切替部
140 ハンドル制御部
150 アクセル制御部
160 ブレーキ制御部
170 表示部
200 自動運転システム
300 操作系
C 車両