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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117402
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】半導体装置とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240822BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01L29/78 657A
H01L29/78 653C
H01L29/78 652K
H01L29/78 658F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023481
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】霜野 貴也
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 洋平
(57)【要約】
【課題】 スイッチング素子と温度センスダイオードを有する半導体装置において、好適に層間絶縁層を形成する。
【解決手段】 半導体装置であって、素子領域とセンス領域を有する。素子領域内のゲート型スイッチング素子が、複数のゲートトレンチと、ゲート電極と、ゲート電極の上面を覆っている層間絶縁層を有する。センス領域内の温度センスダイオードが、アノード領域と、カソード領域と、前記アノード領域内に設けられている複数の第1ダミートレンチと、前記各第1ダミートレンチ内に配置されている第1絶縁層と、前記カソード領域内に設けられている複数の第2ダミートレンチと、前記各第2ダミートレンチ内に配置されている第2絶縁層、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置であって、
ゲート型スイッチング素子が設けられた素子領域(20)と温度センスダイオードが設けられた温度センス領域(40)を有する半導体基板を有し、
前記ゲート型スイッチング素子が、
前記半導体基板の上面に設けられている複数のゲートトレンチ(22)と、
前記各ゲートトレンチ内に配置されているゲート電極(24)と、
前記各ゲートトレンチ内であって各ゲートトレンチの上端よりも下側の範囲内に配置されており、前記ゲート電極の上面を覆っている層間絶縁層(25)、
を有し、
前記温度センスダイオードが、
p型のアノード領域(50)と、
前記アノード領域に接するn型のカソード領域(60)と、
前記アノード領域内の前記半導体基板の前記上面に設けられている複数の第1ダミートレンチ(52)と、
前記各第1ダミートレンチ内であって各第1ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に配置されている第1絶縁層(55)と、
前記カソード領域内の前記半導体基板の前記上面に設けられている複数の第2ダミートレンチ(62)と、
前記各第2ダミートレンチ内であって各第2ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に配置されている第2絶縁層(65)、
を有し、
前記半導体基板の前記上面を覆っている表面絶縁層(14)と、
前記表面絶縁層に設けられており、前記素子領域の上部に配置されているソースコンタクトホール(26)と、
前記ソースコンタクトホール内に配置されており、前記各ゲートトレンチ内の前記層間絶縁層と前記半導体基板の前記上面に接しているソース電極(28)と、
前記表面絶縁層に設けられており、前記アノード領域の上部に配置されているアノードコンタクトホール(56)と、
前記アノードコンタクトホール内に配置されており、前記各第1ダミートレンチ内の前記第1絶縁層と前記アノード領域に接しているアノード電極(58)と、
前記表面絶縁層に設けられており、前記カソード領域の上部に配置されているカソードコンタクトホール(66)と、
前記カソードコンタクトホール内に配置されており、前記各第2ダミートレンチ内の前記第2絶縁層と前記カソード領域に接しているカソード電極(68)、
をさらに有する、
半導体装置。
【請求項2】
ゲート型スイッチング素子と温度センスダイオードを有する半導体装置の製造方法であって、
半導体基板加工工程、絶縁層形成工程、コンタクトホール形成工程、及び、電極形成工程、を有し、
前記半導体基板加工工程が、
・半導体基板の上面に前記ゲート型スイッチング素子が有する複数のゲートトレンチを形成する工程と、
・前記各ゲートトレンチ内であって各ゲートトレンチの上端よりも下側の範囲内にゲート電極を形成する工程と、
・前記半導体基板に、前記温度センスダイオードが有するp型のアノード領域とn型のカソード領域を形成する工程と、
・前記アノード領域内の前記半導体基板の前記上面に複数の第1ダミートレンチを形成する工程と、
・前記カソード領域内の前記半導体基板の前記上面に複数の第2ダミートレンチを形成する工程、
を有し、
前記絶縁層形成工程では、前記半導体基板の前記上面を覆う絶縁層を、前記ゲートトレンチ、前記第1ダミートレンチ及び前記第2ダミートレンチが前記絶縁層によって埋め込まれるように形成し、
前記コンタクトホール形成工程は、エッチングによって前記絶縁層にソースコンタクトホール、アノードコンタクトホール及びカソードコンタクトホールを形成する工程であって、以下の条件、すなわち、
・前記ソースコンタクトホール内に複数の前記ゲートトレンチが配置される、
・前記ソースコンタクトホール内に前記半導体基板の前記上面が露出する、
・前記ソースコンタクトホール内の前記各ゲートトレンチ内であって前記各ゲートトレンチの上端よりも下側の範囲内に、前記ゲート電極の上面を覆っている状態で前記絶縁層が残存する、
・前記アノードコンタクトホール内に複数の前記第1ダミートレンチが配置される、
・前記アノードコンタクトホール内に前記半導体基板の前記上面が露出する、
・前記アノードコンタクトホール内の前記各第1ダミートレンチ内であって前記各第1ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に、前記絶縁層が残存する、
・前記カソードコンタクトホール内に複数の前記第2ダミートレンチが配置される、
・前記カソードコンタクトホール内に前記半導体基板の前記上面が露出する、
・前記カソードコンタクトホール内の前記各第2ダミートレンチ内であって前記各第2ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に、前記絶縁層が残存する、
という条件を満たすように前記ソースコンタクトホール、前記アノードコンタクトホール及び前記カソードコンタクトホールを形成する工程であり、
前記電極形成工程では、前記ソースコンタクトホール内に前記各ゲートトレンチ内の前記絶縁層と前記半導体基板の前記上面に接するソース電極を形成し、前記アノードコンタクトホール内に前記各第1ダミートレンチ内の前記絶縁層と前記アノード領域に接するアノード電極を形成し、前記カソードコンタクトホール内に前記各第2ダミートレンチ内の前記絶縁層と前記カソード領域に接するカソード電極を形成する工程する、
製造方法。
【請求項3】
前記第1ダミートレンチの幅及び前記第2ダミートレンチの幅が、前記ゲートトレンチの幅と等しく、
前記第1ダミートレンチのピッチ及び前記第2ダミートレンチのピッチが、前記ゲートトレンチのピッチと等しい、
請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ゲートトレンチと前記第1ダミートレンチと前記第2ダミートレンチを同時に形成する請求項2または3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記半導体基板加工工程が、
・前記各第1ダミートレンチ内であって各第1ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に第1ダミー電極を形成する工程、と
・前記各第2ダミートレンチ内であって各第2ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に第2ダミー電極を形成する工程、
をさらに有し、
前記ゲート電極と前記第1ダミー電極と前記第2ダミー電極を同時に形成する、
請求項2または3に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
特許文献1には、トレンチ型のスイッチング素子が開示されている。ゲートトレンチ内には、ゲート電極と層間絶縁層が配置されている。層間絶縁層は、ゲート電極の上面を覆っている。層間絶縁層は、ゲートトレンチの上端よりも下側の範囲内に配置されている。すなわち、層間絶縁層は、半導体基板の上面を覆っていない。半導体基板の上面は、ソース電極によって覆われている。層間絶縁層は、ソース電極とゲート電極の間を絶縁している。このスイッチング素子の製造工程では、ゲートトレンチ内にゲート電極を形成した後に、半導体基板の上面に絶縁層を形成する。次に、絶縁層をエッチングし、半導体基板の上面を露出させる。このとき、ゲートトレンチ内に絶縁層を残存させる。ゲートトレンチ内に残存した絶縁層が層間絶縁層となる。この製造方法によれば、ゲートトレンチ内に層間絶縁層が自己整合的に形成されるので、層間絶縁層の形成位置を制御する必要がない。したがって、ゲートトレンチの間隔を狭くすることができ、スイッチング素子を高集積化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-209807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチング素子と同じ半導体基板に、温度センスダイオードが形成される場合がある。温度センスダイオードによって、スイッチング素子の温度を検出することができる。以下では、半導体基板のうちでスイッチング素子に対応する領域を素子領域といい、温度センスダイオードに対応する領域を温度センス領域という場合がある。スイッチング素子と温度センスダイオードを有する半導体装置の製造工程において、半導体基板の上面に絶縁層を形成すると、温度センス領域において素子領域よりも絶縁層が厚くなる。その後、絶縁層をエッチングして素子領域と温度センス領域のそれぞれにコンタクトホールを形成する。素子領域では、ゲートトレンチ内に絶縁層(すなわち、層間絶縁層)が残存するようにコンタクトホールを形成する。このように各コンタクトホールを形成すると、温度センス領域内の絶縁層が厚いので、温度センス領域に形成されるコンタクトホール内で半導体基板の上面を露出させることができない場合がある。この場合、温度センス領域にコンタクトする電極を適切に形成できない。また、絶縁層のエッチング時間を長くした場合には、温度センス領域において絶縁層から半導体基板の上面を露出させることができるが、素子領域においてゲートトレンチ内に残存する層間絶縁層の厚さが薄くなる。このため、層間絶縁層の絶縁耐圧が低下する。このため、スイッチング素子と温度センスダイオードを有する半導体装置では、自己整合的に層間絶縁層を形成することが困難である。本明細書では、スイッチング素子と温度センスダイオードを有する半導体装置において、好適に層間絶縁層を形成する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する半導体装置は、ゲート型スイッチング素子が設けられた素子領域と温度センスダイオードが設けられた温度センス領域を有する半導体基板を有する。前記ゲート型スイッチング素子が、前記半導体基板の上面に設けられている複数のゲートトレンチと、前記各ゲートトレンチ内に配置されているゲート電極と、前記各ゲートトレンチ内であって各ゲートトレンチの上端よりも下側の範囲内に配置されているとともに前記ゲート電極の上面を覆っている層間絶縁層、を有する。前記温度センスダイオードが、p型のアノード領域と、前記アノード領域に接するn型のカソード領域と、前記アノード領域内の前記半導体基板の前記上面に設けられている複数の第1ダミートレンチと、前記各第1ダミートレンチ内であって各第1ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に配置されている第1絶縁層と、前記カソード領域内の前記半導体基板の前記上面に設けられている複数の第2ダミートレンチと、前記各第2ダミートレンチ内であって各第2ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に配置されている第2絶縁層、を有する。前記半導体装置は、前記半導体基板の前記上面を覆っている表面絶縁層と、前記表面絶縁層に設けられており、前記素子領域の上部に配置されているソースコンタクトホールと、前記ソースコンタクトホール内に配置されているとともに前記各ゲートトレンチ内の前記層間絶縁層と前記半導体基板の前記上面に接しているソース電極と、前記表面絶縁層に設けられているとともに前記アノード領域の上部に配置されているアノードコンタクトホールと、前記アノードコンタクトホール内に配置されているとともに前記各第1ダミートレンチ内の前記第1絶縁層と前記アノード領域に接しているアノード電極と、前記表面絶縁層に設けられているとともに前記カソード領域の上部に配置されているカソードコンタクトホールと、前記カソードコンタクトホール内に配置されているとともに前記各第2ダミートレンチ内の前記第2絶縁層と前記カソード領域に接しているカソード電極、をさらに有する。
【0006】
半導体基板の上面に絶縁層を形成するときに、トレンチの影響によって絶縁層の厚さが変化することが判明した。すなわち、半導体基板の上面にトレンチが設けられている領域では半導体基板の上面だけでなくトレンチ内にも絶縁層が形成されるので、半導体基板の上面において絶縁層の厚さが薄くなる。これに対し、半導体基板の上面にトレンチが設けられていない領域では、トレンチが設けられている領域よりも、半導体基板の上面において絶縁層の厚さが厚くなる。本明細書が開示する上記の半導体装置では、素子領域にゲートトレンチが設けられている一方で、温度センス領域に第1ダミートレンチと第2ダミートレンチが設けられている。したがって、素子領域と温度センス領域に絶縁層を形成するときに、絶縁層の厚さに差が生じることを抑制できる。したがって、この半導体装置の製造工程においては、好適に層間絶縁層を形成することができる。
【0007】
本明細書は、ゲート型スイッチング素子と温度センスダイオードを有する半導体装置の製造方法を提案する。この製造方法は、半導体基板加工工程、絶縁層形成工程、コンタクトホール形成工程、及び、電極形成工程、を有する。前記半導体基板加工工程が、・半導体基板の上面に前記ゲート型スイッチング素子が有する複数のゲートトレンチを形成する工程と、・前記各ゲートトレンチ内であって各ゲートトレンチの上端よりも下側の範囲内にゲート電極を形成する工程と、・前記半導体基板に、前記温度センスダイオードが有するp型のアノード領域とn型のカソード領域を形成する工程と、・前記アノード領域内の前記半導体基板の前記上面に複数の第1ダミートレンチを形成する工程と、・前記カソード領域内の前記半導体基板の前記上面に複数の第2ダミートレンチを形成する工程、を有する。前記絶縁層形成工程では、前記半導体基板の前記上面を覆う絶縁層を、前記ゲートトレンチ、前記第1ダミートレンチ及び前記第2ダミートレンチが前記絶縁層によって埋め込まれるように形成する。前記コンタクトホール形成工程は、エッチングによって前記絶縁層にソースコンタクトホール、アノードコンタクトホール及びカソードコンタクトホールを形成する工程であって、以下の条件、すなわち、・前記ソースコンタクトホール内に複数の前記ゲートトレンチが配置される、・前記ソースコンタクトホール内に前記半導体基板の前記上面が露出する、・前記ソースコンタクトホール内の前記各ゲートトレンチ内であって前記各ゲートトレンチの上端よりも下側の範囲内に、前記ゲート電極の上面を覆っている状態で前記絶縁層が残存する、・前記アノードコンタクトホール内に複数の前記第1ダミートレンチが配置される、・前記アノードコンタクトホール内に前記半導体基板の前記上面が露出する、・前記アノードコンタクトホール内の前記各第1ダミートレンチ内であって前記各第1ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に、前記絶縁層が残存する、・前記カソードコンタクトホール内に複数の前記第2ダミートレンチが配置される、・前記カソードコンタクトホール内に前記半導体基板の前記上面が露出する、・前記カソードコンタクトホール内の前記各第2ダミートレンチ内であって前記各第2ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に、前記絶縁層が残存する、という条件を満たすように前記ソースコンタクトホール、前記アノードコンタクトホール及び前記カソードコンタクトホールを形成する工程である。前記電極形成工程では、前記ソースコンタクトホール内に前記各ゲートトレンチ内の前記絶縁層と前記半導体基板の前記上面に接するソース電極を形成し、前記アノードコンタクトホール内に前記各第1ダミートレンチ内の前記絶縁層と前記アノード領域に接するアノード電極を形成し、前記カソードコンタクトホール内に前記各第2ダミートレンチ内の前記絶縁層と前記カソード領域に接するカソード電極を形成する工程する。
【0008】
なお、半導体基板加工工程が有する各工程は、どのような順序で実施されてもよい。また、半導体基板加工工程が有する各工程のうちの2つ以上が同時に実施されてもよい。また、コンタクトホール形成工程では、ソースコンタクトホール、アノードコンタクトホール及びカソードコンタクトホールを同時に形成してもよいし、これらを個別に形成してもよい。また、電極形成工程では、ソース電極、アノード電極及びカソード電極を同時に形成してもよいし、これらを個別に形成してもよい。
【0009】
この製造方法では、半導体基板の上面にゲートトレンチ、第1ダミートレンチ及び第2ダミートレンチが存在する状態で絶縁層を形成するので、素子領域と温度センス領域に絶縁層を形成するときに絶縁層の厚さに差が生じることを抑制できる。したがって、この製造方法によれば、好適に層間絶縁層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】半導体装置の平面図。
図2】温度センス領域の拡大平面図。
図3】温度センス領域の断面図(図2のD-D線における断面図)。
図4】素子領域とアノード領域とカソード領域の断面図(図1、2のA-A線、B-B線、C-C線における断面図)。
図5】半導体装置の製造方法の説明図。
図6】半導体装置の製造方法の説明図。
図7】半導体装置の製造方法の説明図。
図8】半導体装置の製造方法の説明図。
図9】半導体装置の製造方法の説明図。
図10】半導体装置の製造方法の説明図。
図11】半導体装置の製造方法の説明図。
図12】比較例の製造方法の説明図。
図13】比較例の製造方法の説明図。
図14】第1変形例の温度センス領域の拡大平面図。
図15】第2変形例の温度センス領域の拡大平面図。
図16】第3変形例の温度センス領域の拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記第1ダミートレンチの幅及び前記第2ダミートレンチの幅が、前記ゲートトレンチの幅と等しくてもよい。また、前記第1ダミートレンチのピッチ及び前記第2ダミートレンチのピッチが、前記ゲートトレンチのピッチと等しくてもよい。
【0012】
なお、上記の「等しい」は、対象の2つの値の差が製造誤差以下であることを意味する。
【0013】
この構成によれば、素子領域と温度センス領域の間で絶縁層の厚さに差が生じることをより効果的に抑制できる。
【0014】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記ゲートトレンチと前記第1ダミートレンチと前記第2ダミートレンチを同時に形成してもよい。
【0015】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記半導体基板加工工程が、・前記各第1ダミートレンチ内であって各第1ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に第1ダミー電極を形成する工程、と・前記各第2ダミートレンチ内であって各第2ダミートレンチの上端よりも下側の範囲内に第2ダミー電極を形成する工程、をさらに有していてもよい。前記ゲート電極と前記第1ダミー電極と前記第2ダミー電極を同時に形成してもよい。
【0016】
図1に示す実施形態の半導体装置10は、半導体基板12を有している。上から見たときに、半導体基板12は、素子領域20と温度センス領域40を有している。素子領域20には、ゲート型スイッチング素子が設けられている。温度センス領域40には、温度センスダイオードが設けられている。図1、2に示すように、温度センスダイオードは、p型のアノード領域50とn型のカソード領域60を有している。図3に示すように、アノード領域50とカソード領域60は、半導体基板12の内部であって半導体基板12の上面12aを含む範囲に配置されている。アノード領域50とカソード領域60は互いに接している。
【0017】
図4は、素子領域20、アノード領域50、及び、カソード領域60における半導体装置の断面を示している。なお、図4~11において、左図は図1のA-A線における断面を示し、中央図は図2のB-B線における断面を示し、右図は図2のC-C線における断面を示す。図4に示すように、半導体基板12の上面12aには、表面絶縁層14が設けられている。図1、2に示すように、表面絶縁層14には、ソースコンタクトホール26、アノードコンタクトホール56及びカソードコンタクトホール66が設けられている。ソースコンタクトホール26は、素子領域20の上部に配置されている。アノードコンタクトホール56は、アノード領域50の上部に配置されている。カソードコンタクトホール66は、カソード領域60の上部に配置されている。
【0018】
ソースコンタクトホール26内には、ソース電極28が設けられている。ソース電極28は、ソースコンタクトホール26内で半導体基板12の上面12aに接している。アノードコンタクトホール56内には、アノード電極58が設けられている。アノード電極58は、アノードコンタクトホール56内で半導体基板12の上面12a(すなわち、アノード領域50)に接している。カソードコンタクトホール66には、カソード電極68が設けられている。カソード電極68は、カソードコンタクトホール66内で半導体基板12の上面12a(すなわち、カソード領域60)に接している。半導体基板12の下面12bには、ドレイン電極16が設けられている。ドレイン電極16は、下面12bの略全体に接している。
【0019】
素子領域20内の半導体基板12の上面12aに、複数のゲートトレンチ22が設けられている。ソースコンタクトホール26内に複数のゲートトレンチ22が配置されている。複数のゲートトレンチ22は、上面12aにおいて平行に伸びている。各ゲートトレンチ22の内面は、ゲート絶縁膜23によって覆われている。各ゲートトレンチ22内に、ゲート電極24が配置されている。ゲート電極24は、ゲート絶縁膜23によって半導体基板12から絶縁されている。ゲートトレンチ22内であってゲート電極24の上部に、層間絶縁層25が配置されている。層間絶縁層25は、ゲート電極24の上面を覆っている。層間絶縁層25は、ゲートトレンチ22の上端よりも下側の範囲内に配置されている。したがって、層間絶縁層25は半導体基板12の上面12aに接していない。層間絶縁層25の上面に、ソース電極28が接している。層間絶縁層25は、ゲート電極24をソース電極28から絶縁している。
【0020】
素子領域20内の半導体基板12の内部には、ソース領域30、コンタクト領域32、ボディ領域34が設けられている。ソース領域30は、n型不純物濃度が高いn型領域である。コンタクト領域32は、p型不純物濃度が高いp型領域である。ソース領域30とコンタクト領域32は、半導体基板12の上面12aを含む範囲に配置されている。ソース領域30とコンタクト領域32は、ソース電極28に接触している。ソース領域30とコンタクト領域32は、2つのゲートトレンチ22によって挟まれた範囲(以下、トレンチ間範囲という)に配置されている。各トレンチ間範囲において、ソース領域30とコンタクト領域32がゲートトレンチ22と平行な方向に沿って交互に設けられている。ソース領域30とコンタクト領域32は、ゲートトレンチ22の側面においてゲート絶縁膜23に接している。ソース領域30は、カソード領域60と略同じ厚さを有している。コンタクト領域32は、アノード領域50と略同じ厚さを有している。ボディ領域34は、コンタクト領域32よりも低いp型不純物濃度を有するp型領域である。ボディ領域34は、ソース領域30とコンタクト領域32に対して下側から接している。ボディ領域34は、ソース領域30とコンタクト領域32の下側でゲート絶縁膜23に接している。
【0021】
ボディ領域34の下側に、ドリフト領域36が設けられている。ドリフト領域36は、ソース領域30よりも低いn型不純物濃度を有するn型領域である。ドリフト領域36は、ボディ領域34に対して下側から接している。ドリフト領域36は、ボディ領域34の下側でゲート絶縁膜23に接している。ドリフト領域36は、素子領域20と温度センス領域40に跨って分布している。ドリフト領域36は、温度センス領域40内においてアノード領域50とカソード領域60に対して下側から接している。
【0022】
ドリフト領域36の下側に、ドレイン領域38が設けられている。ドレイン領域38は、ドリフト領域36よりもn型不純物濃度が高いn型領域である。ドレイン領域38は、素子領域20と温度センス領域40に跨って分布している。ドレイン領域38は、素子領域20及び温度センス領域40内において、ドリフト領域36に対して下側から接している。ドレイン領域38は、素子領域20及び温度センス領域40内においてドレイン電極16に接している。
【0023】
図2、4に示すように、アノード領域50内の半導体基板12の上面12aに複数のダミートレンチ52が設けられている。各ダミートレンチ52は互いに平行に伸びている。複数のダミートレンチ52は、アノードコンタクトホール56内に配置されている。各ダミートレンチ52は、ゲートトレンチ22と略同じ深さを有している。各ダミートレンチ52は、上面12aからアノード領域50を貫通してドリフト領域36まで伸びている。ダミートレンチ52の幅は、ゲートトレンチ22の幅と等しい。また、ダミートレンチ52のピッチ(すなわち、2つのトレンチの中心線どうしの間の間隔)は、ゲートトレンチ22のピッチと等しい。
【0024】
ダミートレンチ52の内面は、絶縁膜53によって覆われている。ダミートレンチ52内に、ダミー電極54が配置されている。ダミー電極54は、絶縁膜53によって半導体基板12から絶縁されている。ダミートレンチ52内であってダミー電極54の上部に、絶縁層55が配置されている。絶縁層55はダミー電極54の上面を覆っている。絶縁層55は、ダミートレンチ52の上端よりも下側の範囲内に配置されている。したがって、絶縁層55は半導体基板12の上面12aに接していない。
【0025】
図2、4に示すように、カソード領域60内の半導体基板12の上面12aに複数のダミートレンチ62が設けられている。各ダミートレンチ62は互いに平行に伸びている。複数のダミートレンチ62は、カソードコンタクトホール66内に配置されている。各ダミートレンチ62は、ゲートトレンチ22と略同じ深さを有している。各ダミートレンチ62は、上面12aからカソード領域60を貫通してドリフト領域36まで伸びている。ダミートレンチ62の幅は、ゲートトレンチ22の幅と等しい。また、ダミートレンチ62のピッチは、ゲートトレンチ22のピッチと等しい。
【0026】
ダミートレンチ62の内面は、絶縁膜63によって覆われている。ダミートレンチ62内に、ダミー電極64が配置されている。ダミー電極64は、絶縁膜63によって半導体基板12から絶縁されている。ダミートレンチ62内であってダミー電極64の上部に、絶縁層65が配置されている。絶縁層65はダミー電極64の上面を覆っている。絶縁層65は、ダミートレンチ62の上端よりも下側の範囲内に配置されている。したがって、絶縁層65は半導体基板12の上面12aに接していない。
【0027】
素子領域20内には、ソース領域30、コンタクト領域32、ボディ領域34、ドリフト領域36、ドレイン領域38、ゲート電極24、ソース電極28及びドレイン電極16等によってMOSFET(metal-oxide-semiconductor field effect transistor)が形成されている。温度センス領域40内には、アノード領域50、カソード領域60、アノード電極58及びカソード電極68によってpnダイオードが形成されている。pnダイオードの順方向電圧降下は、半導体基板12の温度によって変化する。したがって、pnダイオードを用いて半導体基板12の温度を検出することができる。温度センス領域40が素子領域20の隣に配置されているので、pnダイオードによってMOSFETの温度を検出することができる。
【0028】
次に、半導体装置10の製造方法について説明する。図5は、加工前の半導体基板12を示している。加工前の半導体基板12は、ドレイン領域38とドリフト領域36を有している。半導体装置10の製造方法は、半導体基板加工工程、絶縁層形成工程、コンタクトホール形成工程、及び、電極形成工程を有する。
【0029】
(半導体基板加工工程)
まず、図6に示すように、半導体基板12の上面12aにp型不純物を選択的に注入することによって、素子領域20内にボディ領域34を形成する。次に、半導体基板12の上面12aにp型不純物を選択的に注入することによって、コンタクト領域32とアノード領域50を形成する。すなわち、コンタクト領域32とアノード領域50を同時に形成する。なお、他の実施形態においては、コンタクト領域32とアノード領域50を別工程で形成してもよい。次に、半導体基板12の上面12aにn型不純物を選択的に注入することによって、ソース領域30とカソード領域60を形成する。すなわち、ソース領域30とカソード領域60を同時に形成する。なお、他の実施形態においては、ソース領域30とカソード領域60を別工程で形成してもよい。
【0030】
次に、図7に示すように、半導体基板12の上面12aを選択的にエッチングすることによって、上面12aにゲートトレンチ22、ダミートレンチ52及びダミートレンチ62を形成する。ゲートトレンチ22は、ボディ領域34を貫通してドリフト領域36に達するように形成される。ダミートレンチ52は、アノード領域50を貫通してドリフト領域36に達するように形成される。ダミートレンチ62は、カソード領域60を貫通してドリフト領域36に達するように形成される。
【0031】
次に、図8に示すように、熱酸化によってゲートトレンチ22、ダミートレンチ52及びダミートレンチ62の内面を覆う薄い絶縁膜を形成する。ゲートトレンチ22内の絶縁膜がゲート絶縁膜23であり、ダミートレンチ52内の絶縁膜が絶縁膜53であり、ダミートレンチ62内の絶縁膜が絶縁膜63である。また、ここでは、半導体基板12の上面12aにも薄い絶縁膜が形成される。次に、ゲートトレンチ22、ダミートレンチ52及びダミートレンチ62内にゲート電極24、ダミー電極54及びダミー電極64を形成する。より詳細には、まず、半導体基板12上に、ゲートトレンチ22、ダミートレンチ52及びダミートレンチ62を埋め込むようにポリシリコン層を形成する。次に、ポリシリコン層をエッチングして、上面12a上と各トレンチの上部のポリシリコン層を除去する。各トレンチの下部には、ポリシリコン層を残存させる。ゲートトレンチ22内に残存したポリシリコン層がゲート電極24となり、ダミートレンチ52内に残存したポリシリコン層がダミー電極54となり、ダミートレンチ62内に残存したポリシリコン層がダミー電極64となる。
【0032】
(絶縁層形成工程)
次に、図9に示すように、CVD(chemical vapor deposition)によって半導体基板12上に厚い絶縁層14aを形成する。絶縁層14aのうちの上面12aを覆う部分が表面絶縁層14である。また、ゲートトレンチ22、ダミートレンチ52及びダミートレンチ62は、絶縁層14aによって埋め込まれる。ゲートトレンチ22内では、絶縁層14aがゲート電極24の上面を覆う。ダミートレンチ52内では、絶縁層14aがダミー電極54の上面を覆う。ダミートレンチ62内では、絶縁層14aがダミー電極64の上面を覆う。
【0033】
(コンタクトホール形成工程)
次に、図10に示すように、絶縁層14a上にマスク層70を形成し、マスク層70を介して絶縁層14aを部分的にエッチングする。これによって、絶縁層14aにコンタクトホール26、56、66を形成する。ソースコンタクトホール26内では、上面12a上の絶縁層14aを除去して上面12aを露出させる。また、ソースコンタクトホール26内には複数のゲートトレンチ22が配置されている。ソースコンタクトホール26内では、ゲートトレンチ22内に残存する絶縁層14aの上端がゲートトレンチ22の上端(すなわち、上面12a)よりも下側の範囲内に位置するようにゲートトレンチ22内に絶縁層14aを残存させる。ゲートトレンチ22内に残存する絶縁層14aは、ゲート電極24の上面を覆っている。ゲートトレンチ22内に残存する絶縁層14aが層間絶縁層25となる。また、アノードコンタクトホール56内では、上面12a上の絶縁層14aを除去して上面12aを露出させる。アノードコンタクトホール56内には複数のダミートレンチ52が配置されている。アノードコンタクトホール56内では、ダミートレンチ52内に残存する絶縁層14aの上端がダミートレンチ52の上端(すなわち、上面12a)よりも下側の範囲内に位置するようにダミートレンチ52内に絶縁層14aを残存させる。ダミートレンチ52内に残存する絶縁層14aが絶縁層55となる。また、カソードコンタクトホール66内では、上面12a上の絶縁層14aを除去して上面12aを露出させる。カソードコンタクトホール66内には複数のダミートレンチ62が配置されている。カソードコンタクトホール66内では、ダミートレンチ62内に残存する絶縁層14aの上端がダミートレンチ62の上端(すなわち、上面12a)よりも下側の範囲内に位置するようにダミートレンチ62内に絶縁層14aを残存させる。ダミートレンチ62内に残存する絶縁層14aが絶縁層65となる。
【0034】
(電極形成工程)
次に、図11に示すように、ソース電極28、アノード電極58及びカソード電極68を形成する。より詳細には、まず、コンタクトホール26、56、66が埋め込まれるように表面絶縁層14上に金属層を形成する。次に、表面絶縁層14上の金属層をエッチングして、ソースコンタクトホール26内の金属層、アノードコンタクトホール56内の金属層及びカソードコンタクトホール66内の金属層を互いから分離させる。ソースコンタクトホール26内の金属層がソース電極28となり、アノードコンタクトホール56内の金属層がアノード電極58となり、カソードコンタクトホール66内の金属層がカソード電極68となる。ソース電極28は、各層間絶縁層25と半導体基板12の上面12aに接している。アノード電極58は、各絶縁層55とアノード領域50に接している。カソード電極68は、各絶縁層65とカソード領域60に接している。
【0035】
次に、半導体基板12の下面12bにドレイン電極16を形成する。これによって、図1~4に示す半導体装置10が完成する。
【0036】
図12、13は、比較例として、温度センス領域40にダミートレンチ52、62が存在しない半導体装置の製造工程を示している。絶縁層14aを形成する工程では、トレンチ近傍ではトレンチが存在しない位置よりも、上面12a上における絶縁層14aの成長速度が遅くなる。これは、CVDの原料ガスがトレンチ内での絶縁層14aの成長によって消費されるので、トレンチの近傍の上面12a上に絶縁層14aが成長し難くなるためであると考えられる。図12では、温度センス領域40にダミートレンチが存在しないので、温度センス領域40内の上面12a上の絶縁層14aの厚さT2が、素子領域20内の上面12a上の絶縁層14aの厚さT1よりも厚くなる。このため、その後にコンタクトホール26、56、66を形成するときに、図13に示すように、コンタクトホール56、66内の上面12a上に薄い絶縁層14aが残存して上面12aを露出させることができない場合がある。この場合、その後に電極を形成するときに、アノード電極58をアノード領域50に低抵抗で接触させることができず、カソード電極68をカソード領域60に低抵抗で接触させることができない。また、エッチング時間を長くすればコンタクトホール56、66内で上面12aを露出させるとはできるが、その場合には素子領域20内で層間絶縁層25が薄くなり、層間絶縁層25の耐圧が低下するという問題が生じる。
【0037】
これに対し、本実施形態の製造方法では、温度センス領域40内にダミートレンチ52、62が存在するので、図9に示すように、温度センス領域40内の絶縁層14aの厚さT2が素子領域20内の絶縁層14aの厚さT1と略等しくなる。このため、図10に示すように、コンタクトホール26、56、66内で上面12aを露出させるときに、適切な厚さの層間絶縁層25をゲートトレンチ22内に残存させることができる。したがって、この製造方法によれば、層間絶縁層25の耐圧を確保しながら、アノード電極58、カソード電極68をアノード領域50、カソード領域60に低抵抗で接触させることができる。
【0038】
なお、上述した実施形態では、ダミートレンチの幅がゲートトレンチの幅と等しく、ダミートレンチのピッチがゲートトレンチのピッチと等しかった。しかしながら、ダミートレンチの幅がゲートトレンチの幅と異なっていてもよく、ダミートレンチのピッチがゲートトレンチのピッチと異なっていてもよい。また、上述した実施形態では、ダミートレンチの深さがゲートトレンチの深さと等しかったが、ダミートレンチの深さがゲートトレンチの深さと異なっていてもよい。このように、ダミートレンチとゲートトレンチとで寸法やピッチが異なっていても、温度センス領域ダミートレンチを設けることで、温度センス領域40内の上面12a上で絶縁層14aが厚くなることを防止できる。ただし、ゲートトレンチの形状及びピッチがダミートレンチの形状及ピッチと等しい場合には、素子領域と温度センス領域の間で絶縁層の厚さの差をより小さくすることができる。
【0039】
また、上述した実施形態では、ゲートトレンチをダミートレンチと同時に形成したが、ゲートトレンチとダミートレンチを別工程で形成してもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、ダミートレンチ内にダミー電極を形成したが、ダミートレンチ内にダミー電極を形成しなくてもよい。例えば、ダミー電極を形成せずにダミートレンチの全体を絶縁層14aで埋め込んでもよい。このような構成でも、温度センス領域40内の上面12a上で絶縁層14aが厚くなることを防止できる。
【0041】
なお、図14に示すように、ダミートレンチ52、62が図2とは異なる向きに伸びていてもよい。また、図15に示すように、ダミートレンチ52がアノードコンタクトホール56の外部まで伸びており、ダミートレンチ62がカソードコンタクトホール66の外部まで伸びていてもよい。また、図16に示すように、ダミートレンチ52、62が互いに繋がっていてもよい。
【0042】
ダミートレンチ52は、第1ダミートレンチの一例である。絶縁層55は、第1絶縁層の一例である。ダミートレンチ62は、第2ダミートレンチの一例である。絶縁層65は、第2絶縁層の一例である。
【0043】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0044】
14:表面絶縁層、20:素子領域、22:ゲートトレンチ、24:ゲート電極、25:層間絶縁層、26:ソースコンタクトホール、28:ソース電極、50:アノード領域、52:ダミートレンチ、55:絶縁層、56:アノードコンタクトホール、58:アノード電極、60:カソード領域、62:ダミートレンチ、65:絶縁層、66:カソードコンタクトホール、68:カソード電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図15
図16