(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117408
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】画像ソートシステム、画像ソートプログラム及び画像ソート方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20240822BHJP
【FI】
G16H30/20
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023491
(22)【出願日】2023-02-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月15日に「画像ソートシステム、画像ソートプログラム及び画像ソート方法」を利用する製品を販売
(71)【出願人】
【識別番号】399057182
【氏名又は名称】PSP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇昭
(72)【発明者】
【氏名】迎田 雅則
(72)【発明者】
【氏名】岡 綾子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】
画像データの優先度を考慮して画像を並び替えることができる新規な技術を提供すること。
【解決手段】
所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替える画像ソートシステムであって、医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別する識別手段と、前記識別に基づいて、前記非画像要素データを前記画像要素データの後に並べて表示処理する表示処理手段を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替える画像ソートシステムであって、
医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、
前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別する識別手段と、
前記識別に基づいて、前記非画像要素データを前記画像要素データの後に並べて表示処理する表示処理手段を備える、画像ソートシステム。
【請求項2】
前記識別手段は、DICOM規格の付帯データに基づいて、前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別する、請求項1に記載の画像ソートシステム。
【請求項3】
前記識別手段は、前記付帯データが、Grayscale Softcopy Presentation State、Structured Report、Key Object Selection Document又はPDFである場合に、前記医用画像データを前記非画像要素データとして識別し、
前記表示処理手段は、前記識別した非画像要素データを、前記画像要素データの後に並べて表示処理する、請求項2に記載の画像ソートシステム。
【請求項4】
前記医用画像データは、医療用検査機器における管理順序を示すシリーズ番号を有し、
前記画像要素データ及び前記非画像要素データは、それぞれ複数のデータを含み、
前記表示処理手段は、前記画像要素データ内、及び前記非画像要素データ内のそれぞれにおいて、各データを前記シリーズ番号に従って並べて表示処理する、請求項1から請求項3の何れかに記載の画像ソートシステム。
【請求項5】
所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替える画像ソートプログラムであって、
医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、
前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別する識別手段と、
前記識別に基づいて、前記非画像要素データを前記画像要素データの後に並べて表示処理する表示処理手段として、コンピュータを機能させる、画像ソートプログラム。
【請求項6】
所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替えるコンピュータを用いた画像ソート方法であって、
医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、
前記コンピュータが、
前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別するステップと、
前記識別に基づいて、前記非画像要素データを前記画像要素データの後に並べて表示処理するステップと、を実行する画像ソート方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ソートシステム、画像ソートプログラム及び画像ソート方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CT(Computed Tomography)、MR(Magnetic Resonance)などの撮影装置(以下、モダリティ)を使った検査が行われることがある。そして、医療現場においては、これらの検査において撮影された医用画像を見ながら患者の診断を行っている。このような場合、医師が診断しやすいように医用画像を表示することが望ましく、そのような医用画像の表示を変更する技術が、例えば、特許文献1、2に提案されている。
【0003】
特許文献1には、表示制御手段10は、メモリ11から検像の対象となる画像情報を読み込む(S101)。画像情報は、画像情報に関連付けられている検査オーダの情報に基づいて、検査オーダごとに読み込まれる。続いて表示制御手段10は、定義情報15(画像が表示されるときの並び順を定義する情報)を読みこむ(S102)。そして、ステップS101で読み込んだ画像情報を、定義情報15で定義されている順番に並び替える(S103)。次に、表示制御手段10は、定義情報16(画像表示領域に複数の医用画像を配置するときのレイアウトを定義する情報)を読みこみ(S104)、定義に基づいて各画像を配置する区画を、それぞれ決定する(S105)。そして、フレームメモリ上に各画像がそれぞれ決定された位置に配置された出力用画像を構成し(S106)、構成した画像をディスプレイに出力する(S107)、ことが記載されている。
【0004】
また特許文献2には、RIS10は、オーダ情報を登録し(ステップS21)、オーダ情報をモダリティ20及び医用画像処理装置40に送信する(ステップS22、23)。モダリティ20は、オーダ情報に基づいて、患者を撮影して医用画像を生成する(ステップS24)。モダリティ20は、医用画像を医用画像処理装置40に送信する(ステップS25)。医用画像処理装置40は、医用画像を取得して表示順序の並び替えを行う(ステップS26)。制御部41は、付帯情報を参照して、同一検査の同一シリーズによるものであると判断した場合(ステップS32;Y)、制御部41は、受信した医用画像からRISコード又は条件キー番号の何れかを抽出する(ステップS33)。制御部41は、抽出したRISコード又は条件キー番号が記憶部45により登録されている場合(ステップS34;Y)、制御部41は、テーブルT及び抽出したRISコード又は条件キー番号に基づき、受信した複数の医用画像の表示順序を並び替えて、表示順序を決定する(ステップS35)、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-260061号公報
【特許文献2】特開2010-99157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、検査結果にとっては重要でない非画像情報(検査オーダの情報)が画面左側を占めることで、画像表示領域が相対的に狭くなり、画像情報の一覧性が悪くなるという問題があった。
【0007】
また、特許文献2では、撮影方向及び撮影部位毎に表示順序を変更して画像情報を表示することができるが、非画像情報(オーダ情報)を表示することができないという問題があった。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、画像データの優先度を考慮して画像を並び替えることができる新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替える画像ソートシステムであって、医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別する識別手段と、前記識別に基づいて、前記非画像要素データを前記画像要素データの後に並べて表示処理する表示処理手段を備える。
【0010】
また、本発明は、所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替える画像ソートプログラムであって、医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別する識別手段と、前記識別に基づいて、前記非画像要素データを前記画像要素データの後に並べて表示処理する表示処理手段として、コンピュータを機能させる。
【0011】
また、本発明は、所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替えるコンピュータを用いた画像ソート方法であって、医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、前記コンピュータが、前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別するステップと、前記識別に基づいて、前記非画像要素データを前記画像要素データの後に並べて表示処理するステップと、を実行する。
【0012】
このような構成とすることで、非画像要素データを画像要素データの後に並べて表示することができる。これにより、画像要素データを非画像要素データよりも優先的に表示させることができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記識別手段は、DICOM規格の付帯データに基づいて、前記画像要素データ及び前記非画像要素データを識別する。
【0014】
このような構成とすることで、DICOM規格に対応した医用画像データの識別をすることができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記識別手段は、前記付帯データが、Grayscale Softcopy Presentation State、Structured Report、Key Object Selection Document又はPDFである場合に、前記医用画像データを前記非画像要素データとして識別し、前記表示処理手段は、前記識別した非画像要素データを、前記画像要素データの後に並べて表示処理する。
【0016】
このような構成とすることで、付帯データがGrayscale Softcopy Presentation State、Structured Report、Key Object Selection Document又はPDFである場合に、医用画像データを非画像要素データとして識別し、医用画像データを並び替えることができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記医用画像データは、医療用検査機器における管理順序を示すシリーズ番号を有し、前記画像要素データ及び前記非画像要素データは、それぞれ複数のデータを含み、前記表示処理手段は、前記画像要素データ内、及び前記非画像要素データ内のそれぞれにおいて、各データを前記シリーズ番号に従って並べて表示処理する。
【0018】
このような構成とすることで、非画像要素データ内及び画像要素データ内のそれぞれにおいて、各データを並び替えることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像データの優先度を考慮して画像を並び替えることができる新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る発明のシステム構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る発明において登録される情報の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る医用データ閲覧画面の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る画像ソート処理フローチャートの一例である。
【
図6】本発明の実施形態に係る医用データ閲覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する画像ソートシステムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0022】
例えば、本実施形態では画像ソートシステムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、クライアント端末でその機能を実現する為に外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させてもよい(いわゆるクラウドコンピューティング)。
【0023】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0024】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0025】
本発明は、医師が患者の医用画像データに基づいて診断を行う際に、医用画像データの優先度を考慮して医用画像データを並び替えて表示するシステムに関する。本発明において医用画像データは、CT、MR、又はCR(Computed Radiography)等のモダリティ(医療用検査機器)で撮影された画像データである。また、医用画像データには付帯データが紐づけられており、付帯データに基づいて医用画像データの並び替えが行われる。本実施形態において付帯データとは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格の情報であり、医用画像データの画像種別を示す情報である。
【0026】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像ソートシステム0は、情報処理装置1及び記憶装置2を備える。情報処理装置1及び記憶装置2は通信ネットワークを介して通信可能に構成されている。本実施形態では、病院等の施設内で利用されるコンピュータが情報処理装置1として機能し、院内ネットワーク(LAN;Local Area Network)を介して院内の情報を記憶する記憶装置2と通信する構成を想定する。なお、記憶装置2には、図示しないモダリティが接続され、モダリティが撮影した医用画像データが、記憶装置2に格納される。
【0027】
なお、情報処理装置1として、汎用のパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、画像ソートシステム0は、情報処理装置1であるサーバと、該サーバと有線又は無線で通信可能なクライアントコンピュータにより構成され、情報処理装置1が備える各機能構成要素(部)の一部又は全部がクライアントコンピュータに備えられていてもよい。また、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0028】
<機能構成>
図1に示すように、情報処理装置1は、機能構成として、識別手段10、及び表示処理手段11を備える。これは、ソフトウェア(後述の記憶部102に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(処理部101等)によって具体的に実現されたものである。
【0029】
<1.ハードウェア構成>
図2は、本実施形態における情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、ハードウェア構成として、処理部101、記憶部102、通信部103、入力部104、出力部105を備える。
【0030】
処理部101は、CPU(Central Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含み、本発明に係る画像ソートプログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置1の動作処理全体を制御する。
【0031】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、情報処理装置1の場合には、本発明に係る画像ソートプログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている画像ソートプログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0032】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置1を動作させる為に必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0033】
入力部104は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部101に入力する。出力部105は、ディスプレイ等であって、処理部の処理の結果等を表示する。
【0034】
<2.システム機能構成>
次いで、上述の機能構成について、各手段の処理内容を詳述する。
【0035】
図3は、本実施形態における記憶装置2に格納される情報の一例を示す図である。なお、これらの全部は、情報処理装置1の記憶部102に記憶されてもよいし、これらの一部又は全部が、別の記憶部に記憶されてもよい。
【0036】
図3(a)は、検査を受けた患者に関する患者情報の一例を示す図である。患者情報は、患者を一意に特定する患者ID、患者氏名、身長、体重、年齢、性別、等を含む。
【0037】
図3(b)は、患者に対して実施された検査に関する検査情報の一例を示す図である。検査情報は、実施された検査を一意に特定する検査インスタンスUID、患者ID、検査種別、検査日、部位を含む。ここで、検査種別とは、医用画像データを撮影したモダリティの種別であって、例えばCTやMRである。
【0038】
図3(c)は、モダリティによって撮影された医用画像データの一例を示す図である。医用画像データは、医用画像データを一意に特定するSOPインスタンスUID、患者ID、検査インスタンスUIDを含み、付帯データと紐づけられて格納される。また医用画像データは、モダリティによる検査毎にシリーズを有し、シリーズを一意に特定するシリーズインスタンスUID、シリーズ番号を含む。即ち、モダリティ毎に複数のシリーズが存在し、シリーズ毎にシリーズ番号が管理されている。
【0039】
本実施形態においてシリーズ番号は、モダリティ毎における管理順序を示す番号であるが、モダリティ毎に生成された医用画像データに連番で付与されてもよい。またシリーズ番号は、シリーズ番号の順序が連続するように付与されてもよい。なお、医用画像データは、医用画像データを一意に特定する情報として、SOPインスタンスUIDに加えて情報処理装置1において生成された識別子を含んでいてもよい。
【0040】
ここで付帯データは、DICOM規格上で定義された情報であって、画像種別を示す情報である。また、付帯データには、付帯データ毎に一意の文字列が割り当てられ、文字列に応じて画像種別が決定される。本実施形態において画像種別は、画像要素データ及び非画像要素データを含む。
【0041】
具体的には、文字列としては、DICOM規格においてタグとなるSOP Class UID(Service Object Pair Class Unique Identifier)が用いられ、例えば、
図3(c)における「1.2.840.10008.5.1.4.1.1.1」(Sr103の付帯データ)は「CR画像」(画像要素データ)を示し、「1.2.840.10008.5.1.4.1.1.11.1」(Sr101の付帯データ)は、「GSPS(Grayscale Softcopy Presentation State)」(非画像要素データ)を示す。ここで、本実施形態においては、非画像要素データを示す付帯データとして、「GSPS」、「SR(Structured Report)」、「Key Object Selection Document」、「PDF(Portable Document Format)」が医用画像データに紐づけられる。
【0042】
識別手段10は、画像要素データ及び非画像要素データを識別する。本実施形態において識別手段10は、付帯データに基づいて画像要素データ及び非画像要素データを識別する。
【0043】
表示処理手段11は、所定の検査単位に属する複数の医用画像データを表示処理する。本実施形態において、表示処理手段11は、識別手段10による識別に基づいて、非画像要素データを画像要素データの後に並べて表示処理し、表示処理結果を出力部105に送信する。
【0044】
<3.医用データ閲覧画面>
図4は、情報処理装置1の出力部105において表示される従来の医用データ閲覧画面W1の表示例である。医用データ閲覧画面W1は、医用画像データ表示部IDDを含む。
【0045】
医用画像データ表示部IDDは、非画像要素データNIED及び画像要素データIEDを表示する。本実施形態において表示処理手段11は、シリーズ番号が昇順になるように医用画像データを並べて表示処理する。図示例では、シリーズ番号が各医用画像データの左上部に表示され(「SrXXX」)、相対的に小さいシリーズ番号が付与された医用画像データから順に、医用画像データ表示部IDDの右下に向かうように並べて表示されている。
【0046】
しかし、このような従来の表示方法では、非画像要素データ及び画像要素データに関係なく、シリーズ番号に基づいて医用画像データが表示される為、非画像要素データが医用画像データ表示部IDDの上部等に表示されてしまうことがある。このような場合、医師の診断の際には重要でない医用画像データ(非画像要素データ)が優先的に表示されてしまい、診断業務上非常に不便である。そこで本実施形態における情報処理装置1は、以下の画像ソート処理を実行し、医用画像データの並び替えを行うことで、医師の診断を支援する。
【0047】
<4.画像ソート処理フローチャート>
図5を参照して、医用画像データを並び替えて表示する為の画像ソート方法について説明する。
図5は、医用画像データを情報処理装置1に並び替えて表示するまでの処理フローチャートの一例を示す図である。
【0048】
まずステップS1(以下、単に「ステップSX」を「SX」とする)において、識別手段10は、記憶装置2に格納された検査インスタンスUID毎に、患者情報、及び複数の医用画像データを取得する。そして識別手段10は、取得した各医用画像データに紐づく付帯データを取得する(S2)。
【0049】
次いでS3において識別手段10は、S2で取得した付帯データに基づいて医用画像データを識別する。本実施形態において識別手段10は、付帯データが「GSPS」、「SR」、「Key Object Selection Document」又は「PDF」である場合に(S3でYes)、該付帯データが紐づく医用画像データを非画像要素データとして識別する(S4)。また、識別手段10は、付帯データがこれらの情報でない場合には(S3でNo)、該付帯データが紐づく医用画像データを画像要素データとして識別する(S5)
【0050】
そしてS6において、表示処理手段11は、S3~5において識別した非画像要素データを、画像要素データの後に並べて表示処理する。本実施形態において、表示処理手段11は、検査毎に紐づく全ての画像要素データの後に非画像要素データを並べて表示する。また更に、表示処理手段11は、画像要素データ内、及び非画像要素データ内のそれぞれにおいて、各データをシリーズ番号に従って並べて表示する。
【0051】
図6は、識別に基づいて、医用画像データが並び替えられた後の医用データ閲覧画面W1の一例を示す図である。図示例では、非画像要素データNIEDとして「SR」、画像要素データIEDとして「CT画像」が表示され、ある検査において撮影された全ての「CT画像」の後に「SR」が並べて表示されている。また、「CT画像」内、及び「SR」内の複数のデータにそれぞれ付与されたシリーズ番号に従って、各データ内でシリーズ番号が昇順になるように画像要素データ及び非画像要素データが並べて表示されている。
【0052】
なお、シリーズ番号が降順になるように画像要素データ及び非画像要素データが並べて表示されてもよく、ユーザが設定した任意のシリーズ番号の順序で画像要素データ及び非画像要素データが並べて表示されてもよい。
【0053】
以上、S1~S6の処理によって、医用画像データに紐づくDICOM規格の付帯データに基づいて、非画像要素データであるか否かを識別することができる。これにより、わざわざ医用画像データの並び替えを定義する情報を登録しなくとも、モダリティによって生成される付帯データを取得するだけで、医用画像データの画像種別を識別することができる。そして、画像要素データを医用画像データ表示部IDDの上部に表示することで、医師は優先的に画像要素データを確認することができる。これにより、1日において激務をこなす医師の診断業務を支援することができる。
【0054】
また従来、医用画像データ表示部IDDの外部に非画像要素データが表示されることで、その分相対的に医用画像データ表示部IDDの表示領域が狭くなり、画像要素データの一覧性が悪くなるという問題があった。これに対し、本発明は、医用画像データ表示部IDDの領域を縮小させることなく、医用画像データ表示部IDDの上部に優先的に画像要素データを表示することで、画像要素データの一覧性を確保することができる。
【符号の説明】
【0055】
0 :画像ソートシステム
1 :情報処理装置
2 :記憶装置
100 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
104 :入力部
105 :出力部
10 :識別手段
11 :表示処理手段
W1 :医用データ閲覧画面
IDD :医用画像データ表示部
NIED :非画像要素データ
IED :画像要素データ
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替える画像ソートシステムであって、
医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、
DICOM規格の付帯データに基づいて、前記医用画像データが前記画像要素データであるか前記非画像要素データであるかを識別する識別手段と、
検査毎の前記画像要素データ及び前記非画像要素データを一覧表示する領域において、前記領域の左部及び上部を前方として、前記識別に基づいて、前記非画像要素データを全ての前記画像要素データの後に並び替えて表示処理する表示処理手段を備える、画像ソートシステム。
【請求項2】
前記識別手段は、前記付帯データが、Grayscale Softcopy Presentation State、Structured Report、Key Object Selection Document又はPDFである場合に、前記医用画像データが前記非画像要素データであると識別し、
前記表示処理手段は、前記識別した非画像要素データを、前記画像要素データの後に並び替えて表示処理する、請求項1に記載の画像ソートシステム。
【請求項3】
前記画像要素データ及び前記非画像要素データは、それぞれ複数のデータを含み、
該データは医療用検査機器における管理順序を示すシリーズ番号が付与され、
前記表示処理手段は、前記画像要素データ内、及び前記非画像要素データ内のそれぞれにおいて、各データを前記シリーズ番号に従って並び替えて表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の画像ソートシステム。
【請求項4】
所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替える画像ソートプログラムであって、
医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、
DICOM規格の付帯データに基づいて、前記医用画像データが前記画像要素データであるか前記非画像要素データであるかを識別する識別手段と、
検査毎の前記画像要素データ及び前記非画像要素データを一覧表示する領域において、前記領域の左部及び上部を前方として、前記識別に基づいて、前記非画像要素データを全ての前記画像要素データの後に並び替えて表示処理する表示処理手段として、コンピュータを機能させる、画像ソートプログラム。
【請求項5】
所定の検査単位に属する複数の医用画像データを並び替えるコンピュータを用いた画像ソート方法であって、
医用画像データは、画像要素データ及び非画像要素データを含み、
前記コンピュータが、
DICOM規格の付帯データに基づいて、前記医用画像データが前記画像要素データであるか前記非画像要素データであるかを識別するステップと、
検査毎の前記画像要素データ及び前記非画像要素データを一覧表示する領域において、前記領域の左部及び上部を前方として、前記識別に基づいて、前記非画像要素データを全ての前記画像要素データの後に並び替えて表示処理するステップと、を実行する画像ソート方法。