IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日産自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-配車決定装置及び配車決定方法 図1
  • 特開-配車決定装置及び配車決定方法 図2
  • 特開-配車決定装置及び配車決定方法 図3
  • 特開-配車決定装置及び配車決定方法 図4
  • 特開-配車決定装置及び配車決定方法 図5
  • 特開-配車決定装置及び配車決定方法 図6
  • 特開-配車決定装置及び配車決定方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117417
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】配車決定装置及び配車決定方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20240822BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240822BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240822BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240822BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023507
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】中田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】綿貫 彩加
(72)【発明者】
【氏名】平林 知己
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181MA13
5H181MA42
(57)【要約】
【課題】荷物を集配中の車両がユーザの送迎を行う場合であっても、荷物の集配の遅延を抑制することが可能な配車決定装置及び配車決定方法を提供する。
【解決手段】配車決定装置20は、通信部21と、複数の車両40の各々が集荷又は配達する荷物50に関する情報を記憶する記憶部22と、コントローラ23とを備える。コントローラ23は、通信部21を介して、ユーザの乗車地及び降車地の情報を含む送迎リクエストを取得し、送迎リクエストに基づいて、複数の車両40の中から対象車両を選定する。コントローラ23は、対象車両が集荷又は配達する荷物50に関する情報を記憶部22から取得し、荷物50に関する情報に基づいて、荷物50の集荷又は配達にかかる時間を算出し、荷物50の集荷又は配達にかかる時間に基づいて、対象車両をユーザに配車するか否かを判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、複数の車両の各々が集荷又は配達する荷物に関する情報を記憶する記憶部と、コントローラとを備える配車決定装置であって、
前記コントローラは、
前記通信部を介して、ユーザの乗車地及び降車地の情報を含む送迎リクエストを取得し、
前記送迎リクエストに基づいて、前記複数の車両の中から対象車両を選定し、
前記対象車両が集荷又は配達する荷物に関する情報を前記記憶部から取得し、
前記荷物に関する情報に基づいて、前記荷物の集荷又は配達にかかる時間を算出し、
前記荷物の集荷又は配達にかかる時間に基づいて、前記対象車両を前記ユーザに配車するか否かを判定する
ことを特徴とする配車決定装置。
【請求項2】
前記荷物に関する情報には、前記荷物の集荷先又は配達先の住所、荷物の大きさ及び重さに関する情報が含まれ、
前記コントローラは、
前記荷物の集荷先または配達先の住所が高層階であるほど前記荷物の集荷又は配達にかかる時間が長くなり、前記荷物の大きさが大きくなり、前記荷物の重さが重くなるほど、前記荷物の集荷又は配達にかかる時間が長くなるように、前記荷物の集荷又は配達にかかる時間を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の配車決定装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記対象車両が前記ユーザの前記乗車地から前記降車地まで直接走行した場合にかかる時間と、前記対象車両が前記ユーザの前記乗車地から前記荷物の集荷又は配達を行う地点を経由して前記ユーザの降車地まで走行した場合にかかる時間との差である走行時間差を算出し、
前記走行時間差と、前記荷物の集荷又は配達にかかる時間との和である到着遅延時間を算出し、
前記到着遅延時間が所定値以下である場合に、前記対象車両を前記ユーザに配車すると判定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配車決定装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記到着遅延時間が前記所定値より長い場合に、前記対象車両を前記ユーザに配車しないと判定し、前記対象車両を荷物のみを集配する集配車両として決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の配車決定装置。
【請求項5】
複数の車両の各々が集荷又は配達する荷物に関する情報を記憶し、
ユーザの乗車地及び降車地を示す情報を含む送迎リクエストを取得し、
前記送迎リクエストに基づいて、前記複数の車両の中から対象車両を選定し、
前記対象車両が集荷又は配達する荷物に関する情報に基づいて、前記荷物の集荷又は配達にかかる時間を算出し、
前記荷物の集荷又は配達にかかる時間に基づいて、前記対象車両を前記ユーザに配車するか否かを判定する
ことを特徴とする配車決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配車決定装置及び配車決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転車両の荷物用スペースと乗用スペースを利用した集配サービスを行う荷物集配システムが開示されている。特許文献1に記載の荷物集配システムは、荷物の集配リクエストを第1ユーザから受信した場合、荷物用スペースおよび乗用スペースが空いている車両を集配車両として配車し、送迎リクエストを第2ユーザ(以下、旅客と言う)から受信した場合、少なくとも乗用スペースが空いている車両を送迎車両として配車する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-79425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の荷物集配システムにおいて、荷物の配送中に送迎指示を受信した車両は、ユーザの送迎を荷物の配送に優先して行い、ユーザの送迎を完了後に荷物の配送を行う。このため、荷物の配送を完了するまでに要する時間が増加し、荷物の配送が遅延する恐れがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、荷物を集配中の車両がユーザの送迎を行う場合であっても、荷物の集配の遅延を抑制することが可能な配車決定装置及び配車決定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配車決定装置は、通信部と、複数の車両の各々が集荷又は配達する荷物に関する情報を記憶する記憶部と、コントローラとを備える。コントローラは、通信部を介して、ユーザの乗車地及び降車地を示す情報を含む送迎リクエストを取得し、送迎リクエストに基づいて、複数の車両の中から対象車両を選定する。対象車両が集荷又は配達する荷物に関する情報を記憶部から取得し、荷物に関する情報に基づいて、荷物の集荷又は配達にかかる時間を算出する。荷物の集荷又は配達にかかる時間に基づいて、対象車両をユーザに配車するか否かを判定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、荷物を集配中の車両がユーザの送迎を行う場合であっても、荷物の集配の遅延を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る配車決定装置を含む配車システムの構成を模式的に示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る配車決定装置を含む配車システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る配車決定装置の処理を示すフローチャートである。
図4図4は、対象車両とユーザとの関係の一例を模式的に示す図である。
図5図5は、対象車両とユーザとの関係の一例を模式的に示す図である。
図6図6は、対象車両とユーザとの関係の一例を模式的に示す図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る配車決定装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
[配車システムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る配車決定装置を含む配車システム10の構成を模式的に示す図である。配車システム10は、ユーザの依頼に応じて、車両40を配車するシステムである。配車システム10によって提供されるサービスには、車両40に乗車するユーザを送迎する送迎サービスと、車両40により荷物50を集配する集配サービスとが含まれる。すなわち、配車システム10は、車両40を用いて送迎サービス及び集配サービスを同時に提供することが可能なシステムである。
【0011】
配車システム10は、配車サーバ20(配車決定装置)と、複数の車両40と、ユーザ端末60とを主体に構成されている。配車サーバ20と、複数の車両40と、ユーザ端末60とは、ネットワーク30を介して相互に通信可能に構成されている。ネットワーク30は、例えばインターネットが挙げられる。ネットワーク30は、4G/LTE、又は5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0012】
配車サーバ20は、ユーザからのリクエストと車両40の情報とを取得し、取得した情報に基づいて、配車すべき車両を決定する。配車サーバ20は、例えば、複数の車両40を用いて送迎サービスを提供する事業者によって運用されるが、これに限らない。
【0013】
車両40は、送迎サービス及び集配サービスを提供する車両である。図1に示す例では、車両40が3台示されているが、これに限定されない。車両40は、ドライバの手動運転により走行する車両であってもよく、ドライバが乗車した上で自動運転機能により走行する車両でもよい。車両40は、荷物用スペースと乗用スペースを有する。荷物用スペースは、例えば荷室である。乗用スペースは、例えば、車両40の車室である。但し、車両40の車室に仕切りを設けて、荷物用スペースと乗用スペースに分割することもできる。
【0014】
ユーザ端末60は、ユーザの操作を受け付け、ユーザの操作に基づいてユーザからのリクエストデータを生成する。生成されたリクエストデータは、配車サーバ20に送信される。ユーザ端末60としては、例えば、ユーザが日常的に利用する携帯端末(スマートフォン、タブレットなど)が挙げられる。
【0015】
ユーザからのリクエストには、送迎リクエストが含まれる。送迎リクエストとは、送迎サービスの利用を希望するユーザが配車サーバ20に対して送迎を依頼するリクエストである。送迎リクエストデータには、ユーザが乗車を希望する希望乗車地(以下、単に乗車地と言う)、及びユーザが降車を希望する希望降車地(以下、単に降車地と言う)などの情報が含まれる。なお、送迎リクエストデータには、ユーザが乗車を希望する時刻である希望乗車時刻、降車を希望する時刻である希望降車時刻などの情報が含まれてもよい。
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図2図5を参照して説明する。
[配車決定装置の構成]
第1実施形態に係る配車決定装置である配車サーバ20について説明する。図2に示すように、配車サーバ20は、通信部21と、データベース22(記憶部)と、コントローラ23と、を備える。
【0017】
通信部21は、ネットワーク30を介して車両40又はユーザ端末60との間で通信を行う。通信部21は、車両40及びユーザ端末60から所定のデータを受信したり、車両40及びユーザ端末60に所定のデータを送信したりする。また、通信部21は、ネットワーク30を介して外部装置(図示せず)と通信することで、渋滞などの交通情報を含む道路交通データを取得することができる。例えば、通信部21は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi(登録商標)通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0018】
データベース22は、送迎サービス及び集配サービスに必要な各種のデータを格納する記憶部である。データベース22は、例えば、運行情報及び荷物情報を有している。
【0019】
運行情報には、送迎サービスの状況、及び集配サービスの状況を示す情報が含まれる。送迎サービスの状況には、車両40がユーザを送迎中であるか否か、送迎サービスを依頼したユーザのID、送迎サービスに関する走行ルートなどの情報が含まれる。また、集配サービスの状況には、車両40が荷物の集荷又は配達を実行しているか否か、集配サービスに関する走行ルートなどの情報が含まれる。また、運行情報には、車両40の位置などの情報も含まれる。さらに、運行情報には、後述するような車両40が集配車両か否かの情報も含まれる。
【0020】
荷物情報には、集配サービスにより集荷又は配達される荷物50に関する情報が含まれる。荷物情報には、荷物50の集荷先又は配達先の住所、荷物50の大きさ及び重さに関する情報が含まれる。また、荷物情報には、荷物50を集荷又は配達する時間帯、荷物50の集荷先又は配達先のエレベータの有無及び個数などの情報が含まれてもよい。
【0021】
運行情報及び荷物情報は、送迎サービス及び集配サービスの提供を予定する車両40毎に管理されている。運行情報及び荷物情報は、車両40を識別する車両IDが紐付けられている。運行情報及び荷物情報の内容はコントローラ23によって管理され、必要に応じて更新される。コントローラ23は、通信部21を介して車両40及びユーザ端末60と通信することで、運行情報の管理に必要なデータを受信することができる。また、コントローラ23は、通信部21を介して、集配サービスに必要な情報を管理する外部の管理サーバ(図示せず)などと通信することで、荷物情報の管理に必要なデータを受信することができる。
【0022】
また、データベース22は、地図に関する情報を含む地図データを保有している。地図データは、車両40の走行ルートを生成したり、ユーザの位置、荷物の集荷又は配送先の位置、及び車両40の位置を認識したりするために利用される。
【0023】
なお、配車サーバ20は、クラウドコンピューティングにより運行情報を外部のデータサーバから取得してもよい。データベース22は、地図情報及び渋滞情報などを、外部サーバから通信部21を介して取得し、記憶してもよい。
【0024】
コントローラ23は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータである。CPUは、メモリなどに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。プログラムを実行することにより、CPUは、コントローラ23が備える複数の情報処理回路として機能する。
【0025】
なお、ここでは、ソフトウェアによってコントローラ23が備える複数の情報処理回路を実現する例を示す。ただし、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0026】
コントローラ23は、複数の情報処理回路として、リクエスト取得部231、地図情報取得部232、車両選定部233、走行ルート算出部234、荷物情報取得部235、到着遅延時間算出部236、判定部237を備える。
【0027】
リクエスト取得部231は、ユーザからのリクエストを取得する。具体的には、リクエスト取得部231は、通信部21を介してユーザ端末60から送信された送迎リクエストデータを取得する。送迎リクエストデータには、ユーザの乗車地及び降車地の情報が含まれる。
【0028】
地図情報取得部232は、データベース22に記憶されている地図情報を取得する。特に、地図情報取得部232は、ユーザの乗車地の情報に基づいて、乗車地の周辺の地図情報を取得する。地図情報取得部232は、地図情報をデータベース22から取得する代わりに、地図情報を外部サーバから通信部21を介して取得するものであってもよい。
【0029】
車両選定部233は、データベース22に記憶されている運行情報を取得する。車両選定部233は、送迎リクエストデータ及び運行情報に基づいて、複数の車両40の中から、ユーザに配車する車両の候補となる対象車両を選定する。車両選定部233は、例えば、ユーザの乗車地から所定範囲以内に位置している車両40の中から、他のユーザを送迎中ではなく、荷物の集荷中ではなく、集配車両ではない車両を対象車両として選定する。なお、車両選定部233は、ユーザの乗車地に、ユーザの希望乗車時刻までに到着可能な車両40を対象車両として選定してもよく、対象車両の選定方法は限定されない。本実施形態において、ユーザに対して配車される車両40には、空車の車両40のみならず、ユーザは乗車していないが、荷物が積載されており、荷物の配達中である車両40が含まれる。なお、「集配車両」とは、後述する判定部237により決定された荷物のみを集配する車両を示す。
【0030】
走行ルート算出部234は、送迎リクエストデータと、運行情報及び荷物情報とに基づいて、対象車両がユーザを送迎した場合の、対象車両の最適な走行ルート(送迎ルート)を算出する。走行ルート算出部234は、例えば、対象車両が荷物の配達中ではない場合には、対象車両が現在位置からユーザの乗車地を経由して降車地まで走行する走行ルートを算出する。
【0031】
また、対象車両が荷物50の配達中である場合には、走行ルート算出部234は、例えば、対象車両が現在地から乗車地から荷物50の配達を行う地点を経由して降車地まで走行する第1走行ルートを算出する。また、走行ルート算出部234は、対象車両が荷物50の配達中である場合に、対象車両が乗車地から降車地まで走行し、ユーザが降車した後に、荷物50の配達を行う地点まで走行する第2走行ルートを算出する。走行ルート算出部234は、例えば、第1走行ルートと第2走行ルートのうちの対象車両の走行距離が短い走行ルートを、対象車両の送迎ルートとして算出する。走行ルート算出部234は、例えば、第1走行ルート及び第2走行ルートのうちの対象車両の走行時間が短い走行ルートを、対象車両の送迎ルートとして算出してもよい。
【0032】
荷物情報取得部235は、データベース22から対象車両の荷物情報を取得する。荷物情報取得部235は、対象車両が荷物50を配達中の場合に、対象車両に積載されている荷物50の配達先の住所、荷物50の大きさ及び重さに関する情報を取得する。
【0033】
到着遅延時間算出部236は、対象車両が荷物50を配達中の場合に、取得した荷物情報に基づいて、荷物50の配達にかかる時間を算出する。荷物50の配達にかかる時間とは、車両40が荷物50の配達先の付近に停車してから、車両40のドライバ又は作業者が荷物50を車両40から下ろし、配達先まで運搬し、車両40に戻るまでの時間を含む。到着遅延時間算出部236は、例えば、荷物50の配達先が高層階であるほど荷物の配達にかかる時間が長くなり、荷物50の大きさが大きくなり、荷物50の重さが重くなるほど荷物の配達にかかる時間が長くなるように、荷物の配達にかかる時間を算出する。荷物50の配達にかかる時間は、例えば、予め設定された、荷物に関する情報に含まれる各情報をパラメータとして用いた算出式を用いて算出される。到着遅延時間算出部236は、例えば、荷物50の配達先のエレベータの個数や、時間帯など、荷物50を対象車両から配達先まで運搬するまでに要する時間に影響を及ぼすパラメータをさらに考慮して、荷物50の配達にかかる時間を算出してもよい。荷物50の配達にかかる時間の算出方法は限定されるものではない。
【0034】
また、到着遅延時間算出部236は、対象車両がユーザの乗車地から降車地まで直接走行した場合にかかる時間と、対象車両がユーザの乗車地から降車地まで走行する間に荷物を配達した場合にかかる時間との差(走行時間差)を算出してもよい。到着遅延時間算出部236は、走行時間差と、荷物50の配達にかかる時間との和である到着遅延時間を算出してもよい。
【0035】
判定部237は、荷物50の配達にかかる時間に基づいて、対象車両をユーザに配車するか否かを判定する。判定部237は、例えば、到着遅延時間が所定値以下である場合に、対象車両をユーザに配車すると判定し、対象車両をユーザの乗車地へ配車して、対象車両の運行情報を更新する。判定部237は、通信部21を介して対象車両に配車を指示する情報を送信する。配車を指示する情報には、例えば、送迎ルートの情報が含まれる。また、判定部237は、到着遅延時間が所定値より長い場合に、対象車両を荷物のみを集配する集配車両として決定し、運行情報を更新する。
【0036】
[車両の構成]
次に車両40について説明する。図2に示すように、車両40は、センサ41と、コントローラ42と、通信部43と、を備える。
【0037】
センサ41には、GPS受信機が含まれてもよい。GPS受信機は、人工衛星からの電波を受信することにより、地上における車両40の位置情報(緯度及び経度情報を含む)を検出する。ただし、車両40の位置情報を検出する方法は、GPS受信機に限定されない。例えば、オドメトリを用いて位置を推定してもよい。この場合、センサ41には、舵角センサ、車輪速センサ、ジャイロセンサが含まれる。
【0038】
コントローラ42は、センサ41、通信部43と接続されており、コントローラ42には、センサ41、通信部43からの情報が入力される。コントローラ42からは、通信部43への情報が出力される。
【0039】
なお、コントローラ42は、例えば、CPU、メモリ、及び入出力部を備えるECU(Electronic Control Unit)である。コントローラ42には、所定のコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ42は、センサ41及び通信部43の制御を行う。
【0040】
コントローラ42が備える各種の機能は、ソフトウェアによって実現されるものであってもよいし、専用のハードウェアによって実現されるものであってもよい。コントローラ42は、通信部43が受信した走行ルートを示すデータを受け付け、各種の処理を行う。手動運転により走行する車両40であれば、コントローラ42は、表示装置又はスピーカなどを制御して、走行ルートをドライバに提示する。自動運転機能により走行する車両40であれば、コントローラ42は、走行ルートに基づいて、車両40の各種アクチュエータ(ステアリングアクチュエータ、アクセルペダルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータなど)を制御して、自動運転を実行する。
【0041】
また、コントローラ42は、配車サーバ20からの依頼に応じて、又は所定の周期で、通信部43を介して、車両40に関する情報を配車サーバ20に送信する。
【0042】
通信部43は、ネットワーク30を介して配車サーバ20との間で通信を行う。通信部43は、配車サーバ20から所定のデータを受信し、配車サーバ20に対して所定のデータを送信する。例えば、通信部43は、4G/LTEのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi(登録商標)通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0043】
[ユーザ端末の構成]
次にユーザ端末60について説明する。図2に示すように、ユーザ端末60は、入力部61と、コントローラ62と、表示部63と、通信部64と、を備える。
【0044】
入力部61は、ユーザが入力操作を行うための装置である。表示部63は、コントローラ62に制御され、ユーザの操作に必要な情報を表示する。例えば、入力部61は、表示部63上に表示される情報に従って入力操作を行うことができるタッチパネルを用いることができる。
【0045】
コントローラ62は、入力部61、表示部63及び通信部64と接続されており、コントローラ62には、入力部61、通信部64からの情報が入力される。コントローラ62からは、通信部64への情報が出力される。
【0046】
なお、コントローラ62は、CPU、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。コントローラ62には、所定のコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ62は、入力部61、表示部63及び通信部64の制御を行う。
【0047】
コントローラ42が備える各種の機能は、ソフトウェアによって実現されるものであってもよいし、専用のハードウェアによって実現されるものであってもよい。コントローラ62は、配車サーバ20に対して依頼する各種のデータを生成する。コントローラ62は、ユーザからのリクエストを受け付けて、リクエストに対応するリクエストデータを生成する。例えば、コントローラ62は、ユーザから送迎リクエストを受け付けて、送迎リクエストに対応する送迎リクエストデータを生成する。
【0048】
各種のリクエストを行う場合、ユーザは、入力部61を操作して、リクエストの内容を入力する。コントローラ62には、入力部61から、ユーザの入力操作に応じた操作信号が入力される。コントローラ62は、この操作信号に基づいてリクエストデータを生成する。
【0049】
通信部64は、ネットワーク30を介して配車サーバ20との間で通信を行う。通信部64は、配車サーバ20から所定のデータを受信したり、配車サーバ20に対して所定のデータを送信したりする。例えば、通信部64は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi(登録商標)通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0050】
[配車決定の処理手順]
次に、図3図5を参照し、本実施形態に係る配車決定の処理手順の一例を説明する。図3は、本実施形態に係る配車決定装置の処理を示すフローチャートである。以下の説明では、ユーザから送迎リクエストがあった場合に、配車サーバ20がユーザに対して荷物の集荷中の車両以外の車両を配車するものとする。
【0051】
まず、ユーザ端末60から送迎リクエストデータが送信されると、ステップS101において、配車サーバ20のリクエスト取得部231は、通信部21を介して送迎リクエストデータを取得する。送迎リクエストデータには、ユーザの乗車地及び降車地の情報が含まれる。地図情報取得部232は、データベース22に記憶されている地図情報を取得する。特に、地図情報取得部232は、ユーザの乗車地の周辺の地図情報を取得する。
【0052】
処理はステップS102に進み、車両選定部233は、データベース22に記憶されている運行情報を取得する。車両選定部233は、送迎リクエストデータ及び運行情報に基づいて、複数の車両40の中から、ユーザに配車する車両の候補となる対象車両を選定する。車両選定部233は、ユーザの乗車地から所定範囲以内に位置している車両40の中から、他のユーザを送迎中ではなく、荷物の集荷中ではなく、集配車両ではない車両を対象車両として選定する。
【0053】
処理はステップS103に進み、荷物情報取得部235は、データベース22から対象車両の荷物情報を取得する。処理はステップ104に進み、走行ルート算出部234は、送迎リクエストデータと、運行情報及び荷物情報とに基づいて、対象車両がユーザを送迎した場合の、対象車両の最適な走行ルートを算出する。対象車両が荷物を配達中ではない場合には、走行ルート算出部234は、対象車両が現在位置からユーザの乗車地を経由して降車地まで走行する走行ルートを算出する。
【0054】
また、例えば、図4に示すように、位置P1で荷物50を積載し、位置P4に向かって荷物を配達中の対象車両が選定され、対象車両は、位置P2において送迎リクエストを受信したとする。この場合、走行ルート算出部234は、例えば、乗車地P3から荷物50の配達を行う地点P4を経由して降車地P5まで走行する第3走行ルートを算出する。
【0055】
なお、ステップS104において、例えば図5に示すように、位置P6で荷物50を積載し、位置P10に向かって荷物を配達中の車両が対象車両として選定され、対象車両は、位置P7において送迎リクエストを受信したとする。この場合、図5に示すように、走行ルート算出部234は、例えば、乗車地P8から降車地P9まで走行し、ユーザが降車した後に、荷物50の配達を行う地点P10まで走行する第4走行ルートを算出する。走行ルート算出部234は、例えば、第3走行ルート及び第4走行ルートのうちの対象車両の走行距離が短い走行ルートを、対象車両の送迎ルートとして算出する。走行ルート算出部234は、例えば、第3走行ルート及び第4走行ルートのうちの対象車両の走行時間が短い走行ルートを、対象車両の送迎ルートとして算出してもよい。
【0056】
処理はステップS105に進み、到着遅延時間算出部236は、対象車両の運行情報に基づいて、対象車両が荷物を配達中か否かを判定する。対象車両が荷物を配達中ではない場合(ステップS105でNO)には、処理はステップS110へ進む。一方、対象車両が荷物を配達中である場合(ステップS105でYES)には、処理はステップS106に進む。
【0057】
ステップS106において、到着遅延時間算出部236は、取得した荷物情報に基づいて、荷物50の配達にかかる時間を算出する。到着遅延時間算出部236は、例えば、荷物50の配達先が高層階であるほど荷物の配達にかかる時間が長くなり、荷物50の大きさが大きくなり、荷物50の重さが重くなるほど荷物50の配達にかかる時間が長くなるように、荷物50の配達にかかる時間を算出する。
【0058】
処理はステップS107に進み、到着遅延時間算出部236は、対象車両がユーザの乗車地から降車地まで直接走行した場合にかかる時間と、対象車両がユーザの乗車地から降車地まで走行する間に荷物50を配達した場合にかかる時間との差(走行時間差)を算出する。図4の例においては、到着遅延時間算出部236は、対象車両がユーザの乗車地P3から降車地P5まで直接走行した場合にかかる時間と、対象車両がユーザの乗車地P3から荷物の配達を行う地点P4を経由してユーザの降車地P5まで走行した場合にかかる時間との差を算出する。図5の例においては、対象車両はユーザの乗車地P8から降車地P9まで直接走行するため、走行時間差は0となる。
【0059】
処理はステップS108に進み、到着遅延時間算出部236は、走行時間差と、荷物50の配達にかかる時間との和である到着遅延時間を算出する。
【0060】
処理はステップS109に進み、判定部237は、到着遅延時間が所定値以下か否かを判定する。判定部237は、到着遅延時間が所定値以下である場合(ステップS109でYES)に、対象車両をユーザに配車すると判定し、対象車両をユーザの乗車地へ配車して、対象車両の運行情報を更新する。判定部237は、通信部21を介して対象車両に送迎ルートを送信する。そして、図3の処理を終了する。また、判定部237は、到着遅延時間が所定値より長い場合(ステップS109でNO)に、対象車両を荷物のみを集配する集配車両として決定し、運行情報を更新する。そして、処理はステップS102に戻る。
【0061】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。第2実施形態に係る配車決定装置は、第1実施形態に係る配車決定装置20の構成うち、コントローラ23の動作に違いが有る。その他の構成は、図2に示す配車決定装置20と等しい。よって、相違する部分を中心に説明し、等しい部分については再度の説明を省略する。
【0062】
第1実施形態においては、コントローラ23の車両選定部233が、ユーザの乗車地から所定範囲以内に位置している車両40の中から、他のユーザを送迎中ではなく、荷物の集荷中ではなく、集配車両ではない車両を対象車両として選定する。第2実施形態においては、車両選定部233は、ユーザの乗車地から所定範囲以内に位置している車両40の中から、他のユーザを送迎中ではなく、集配車両ではない車両を対象車両として選定する。すなわち、第2実施形態においては、車両選定部233は、荷物を配達中の車両だけでなく、荷物を集荷予定の車両も対象車両として選択可能である。本実施形態において、ユーザに対して配車される車両40には、空車の車両40のみならず、ユーザは乗車しておらず、荷物が積載されておらず、荷物の集荷予定がある車両40が含まれる。
【0063】
図6及び図7を参照し、本実施形態に係る配車決定の処理手順の一例を説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る配車決定装置の処理を示すフローチャートである。図7のステップS201、S203、S206、S210~S212の処理は、図3のステップS101、S103、S106、S108~S110の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0064】
ステップS202において、車両選定部233は、データベース22に記憶されている運行情報を取得する。車両選定部233は、送迎リクエストデータ及び運行情報に基づいて、複数の車両40の中から、ユーザに配車する車両の候補となる対象車両を選定する。車両選定部233は、ユーザの乗車地から所定範囲以内に位置している車両40の中から、他のユーザを送迎中ではなく、集配車両ではない車両を対象車両として選定する。処理はステップS203に進み、コントローラ23は、図3のステップS103と同様な処理を行う。
【0065】
処理はステップ204に進み、走行ルート算出部234は、送迎リクエストデータと、運行情報及び荷物情報とに基づいて、対象車両がユーザを送迎した場合の、対象車両の最適な走行ルートを算出する。対象車両が荷物を集荷予定又は配達中ではない場合には、走行ルート算出部234は、対象車両が現在位置からユーザの乗車地を経由して降車地まで走行する走行ルートを算出する。
【0066】
例えば、図6において、位置P11に位置し且つ位置P14において荷物を集荷予定の車両が、対象車両として選定され、対象車両は、位置P12において送迎リクエストを受信したとする。この場合、走行ルート算出部234は、乗車地P13から荷物50の集荷を行う地点P14を経由して降車地P15まで走行し、集荷した荷物を位置P16で回収する第5走行ルートを算出する。なお、位置P16は、例えば、集荷した荷物を回収する集配ステーションの位置である。
【0067】
処理はステップS205に進み、到着遅延時間算出部236は、対象車両の運行情報に基づいて、対象車両が荷物を配達中か否かを判定する。対象車両が荷物を配達中ではない場合(ステップS205でNO)には、処理はステップS207へ進む。一方、対象車両が荷物を配達中である場合(ステップS205でYES)には、処理はステップS206に進み、コントローラ23は、図3のステップS106と同様な処理を行う。
【0068】
ステップS207において、到着遅延時間算出部236は、対象車両の運行情報に基づいて、対象車両が荷物を集荷予定か否かを判定する。対象車両が荷物を集荷予定ではない場合(ステップS207でNO)には、処理はステップS212へ進む。一方、対象車両が荷物を集荷予定である場合(ステップS207でYES)には、処理はステップS208に進む。
【0069】
ステップS208において、到着遅延時間算出部236は、取得した荷物情報に基づいて、荷物50の集荷にかかる時間を算出する。荷物50の集荷にかかる時間とは、車両40が荷物50の集荷先の付近に停車してから、車両40のドライバ又は作業者が集荷先から荷物50を受け取って運搬し、車両40に積載するまでの時間を含む。到着遅延時間算出部236は、例えば、荷物50の集荷先が高層階であるほど荷物の集荷にかかる時間が長くなり、荷物50の大きさが大きくなり、荷物50の重さが重くなるほど荷物50の集荷にかかる時間が長くなるように、荷物50の集荷にかかる時間を算出する。
【0070】
処理はステップS209に進み、到着遅延時間算出部236は、対象車両がユーザの乗車地から降車地まで直接走行した場合にかかる時間と、対象車両がユーザの乗車地から降車地まで走行する間に荷物50を集荷又は配達した場合にかかる時間との差(走行時間差)を算出する。図6の例においては、到着遅延時間算出部236は、対象車両がユーザの乗車地P13から降車地P15まで直接走行した場合にかかる時間と、対象車両がユーザの乗車地P13から荷物の集荷を行う地点P14を経由してユーザの降車地P15まで走行した場合にかかる時間との差を算出する。その後、コントローラ23は、ステップS210~S212において、図3のステップS108~S110と同様な処理を行う。
【0071】
[作用効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る配車決定装置20は、通信部21と、複数の車両40の各々が集荷又は配達する荷物50に関する情報を記憶する記憶部22と、コントローラ23とを備える。コントローラ23は、通信部21を介して、ユーザの乗車地及び降車地の情報を含む送迎リクエストを取得し、送迎リクエストに基づいて、複数の車両40の中から対象車両を選定する。コントローラ23は、対象車両が集荷又は配達する荷物50に関する情報を記憶部22から取得し、荷物50に関する情報に基づいて、荷物50の集荷又は配達にかかる時間を算出し、荷物の集荷又は配達にかかる時間に基づいて、対象車両をユーザに配車するか否かを判定する。
【0072】
本実施形態に係る配車決定装置20は、荷物50の集荷又は配達にかかる時間が短く、ユーザの送迎の途中で荷物50を配達しても、ユーザの送迎にかかる時間の増加が少ない車両40をユーザに配車できる。したがって、ユーザの送迎を荷物50の集配に優先しなくとも、ユーザの降車地に到着する時間への遅延を抑制しつつ、荷物とユーザを混載した配送サービスを提供できる。これにより、荷物50を集荷中又は配達中の車両40がユーザの送迎を行う場合であっても、荷物50の集配の遅延を抑制することができる。
【0073】
また、荷物50に関する情報には、荷物50の集荷先又は配達先の住所、荷物50の大きさ及び重さに関する情報が含まれる。本実施形態に係る配車決定装置20のコントローラ23は、荷物50の配達先の住所が高層階であるほど荷物の集荷又は配達にかかる時間が長くなり、荷物50の大きさが大きくなり、荷物50の重さが重くなるほど、荷物50の集荷又は配達にかかる時間が長くなるように、荷物の集荷又は配達にかかる時間を算出する。
【0074】
これにより、荷物50の集荷先又は配達先が高層階の場合と、及び荷物50が大きい、重いなどの持ち運びに時間を要するものである場合には、荷物50の集荷又は配達にかかる時間を長く算出できる。これにより、荷物50の集荷又は配達にかかる時間が短く、ユーザの送迎の途中で荷物を集配しても、ユーザの送迎にかかる時間の増加が少ない車両を判断できる。
【0075】
また、本実施形態に係る配車決定装置20のコントローラ23は、対象車両がユーザの乗車地から降車地まで直接走行した場合にかかる時間と、対象車両がユーザの乗車地から荷物50の集荷又は配達を行う地点を経由してユーザの降車地まで走行した場合にかかる時間との差である走行時間差を算出する。走行時間差と、荷物50の集荷又は配達にかかる時間との和である到着遅延時間を算出する。到着遅延時間が所定値以下である場合に、対象車両をユーザに配車すると判定する。
【0076】
これにより、ユーザの送迎の途中で荷物50を集配した場合の車両40の走行ルートと、荷物50の集荷又は配達にかかる時間とを考慮して、到着遅延時間が所定値以下の車両をユーザに配車できる。したがって、ユーザの送迎を荷物50の集配に優先しなくとも、ユーザの降車地に到着する時間の遅延を抑制しつつ、荷物50とユーザを混載した配送サービスを提供できる。
【0077】
また、本実施形態に係る配車決定装置20のコントローラ23は、到着遅延時間が所定値より長い場合に、対象車両をユーザに配車しないと判定し、対象車両を荷物のみを集配する集配車両として決定する。
【0078】
到着遅延時間が所定値より長い車両を荷物のみを集配する集配車両と決定することにより、車両にユーザが乗車するための乗用スペースを確保する必要がなくなり、複数の荷物50をまとめて積載できる。車両を集配車両として効率的に運用できる。車両をユーザに配車する車両の候補から除外することができ、次回以降の配車決定処理の効率を向上できる。
【0079】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0080】
20 配車決定装置(配車サーバ)
21 通信部
22 記憶部(データベース)
23 コントローラ
40 車両
50 荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7