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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117426
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61B8/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023532
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅房 勝徳
(72)【発明者】
【氏名】西浦 朋史
(72)【発明者】
【氏名】笠原 英司
(72)【発明者】
【氏名】長野 智章
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD01
4C601DD19
4C601DD21
4C601DD23
4C601DE04
4C601DE06
4C601DE09
4C601DE10
4C601EE09
4C601EE11
4C601JB34
4C601JC05
4C601JC06
4C601KK12
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、病変についての診断結果を得るまでの労力を低減すると共に、診断結果の客観性を高め、診断を支援することである。
【解決手段】超音波診断装置100は、被検体2に対して超音波を送受信し、受信信号を生成する超音波送受信部4と、受信信号に基づいて複数種の超音波情報を生成する超音波情報生成部5と、複数種の超音波情報に基づいて、病変を検出および計測する検出計測部と、検出計測部による計測結果に基づいて、病変の状態を分析する病変・リスク情報分析部10とを備えている。検出計測部は、腫瘍性病変検出部5-2-1および腫瘍性病変計測部5-3-1の組、線維化病変検出部5-2-2および線維化病変計測部5-3-2の組、石灰化病変検出部5-2-3および石灰化病変計測部5-3-3の組、ならびに脂肪肝検出部5-2-4および脂肪肝計測部5-3-4の組のうち少なくとも1つを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対して超音波を送受信し、受信信号を生成する超音波送受信部と、
前記受信信号に基づいて複数種の超音波情報を生成する超音波情報生成部と、
前記複数種の超音波情報に基づいて、病変を検出および計測する検出計測部と、
前記検出計測部による計測結果に基づいて、病変の状態を分析する分析部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波診断装置であって、
前記検出計測部は、
腫瘍性病変を検出および計測する腫瘍性病変検出計測部、
線維化病変を検出および計測する線維化病変検出計測部、
石灰化病変を検出および計測する石灰化病変検出計測部、ならびに
脂肪肝を検出および計測する脂肪肝検出計測部のうち少なくとも1つを備え、
前記検出計測部は、
病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方を検出および計測し、
前記分析部は、
病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方の状態を分析することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置であって、
前記超音波情報は、異なるモードで生成された複数種の超音波画像データを含み、
前記分析部は、
予め構築された学習モデルに複数種の前記超音波画像データを当てはめて病変の状態を分析することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置であって、
前記分析部は、
予め取得されたルックアップテーブルに基づいて病変の状態を分析するLUT演算部、および予め構築された学習モデルに基づいて病変の状態を分析する機械学習分析部のうちの少なくとも一方に基づいて、病変の状態を分析することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置であって、
前記分析部は、
病変の進行度予測をすることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項5に記載の超音波診断装置であって、
表示制御部を備え、
前記表示制御部は、
病変の進行度予測を表示部に表示し、または、
病変の進行度予測および予測に至る要因を表示部に表示することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置であって、
前記分析部は、
治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波診断装置であって、
表示制御部を備え、
前記表示制御部は、
治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測して得られた情報を表示部に表示し、または、
治療効果の判定をし、治療経過を予測して得られた情報、ならびに、治療効果の判定および治療経過の予測に至る要因を表示部に表示することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置であって、
前記超音波情報は、
Bモード画像、ティッシュハーモニック画像、ティッシュエラスト画像、シェアウェーブエラスト画像、減衰画像、カラーフロー画像および造影ハーモニック画像のうち少なくとも1つを示すデータを含むことを特徴とする超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、病変の状態を分析する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置を用いて癌あるいはその疑いのある腫瘍の有無等を診断することが行われている。診断では、超音波診断装置によって得られた複数種の情報(以下、超音波情報という)に基づいて、診断ガイドラインや、治療ガイドラインおよび、経験に基づいて総合的に診断結果が導き出される。診断には、前癌病変および、非浸潤性癌の発見や、それが浸潤性に進行することの予測がある。診断ガイドラインや、治療ガイドラインは、各国や地域により制定されており、病変に対する評価項目、判定基準、および分類が示されている。
【0003】
以下の特許文献1には、異なる撮像装置で撮影された被検体の被検部位の複数のデータを処理して被検部位の良悪性の判定データを生成する画像診断支援システムが記載されている。特許文献2には、生体内の複数位置における複数種類の計測値に基づいて疾患判別をする画像診断支援装置が記載されている。非特許文献1には、肝癌治療効果判定基準が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-575号公報
【特許文献2】特開2020-192068号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】工藤正俊ほか,「肝癌治療効果判定基準(第6版)(2021年改訂版)」,肝臓,62巻12号,823頁~829頁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
超音波診断装置を用いた従来の診断では、膨大な医療情報の中から、生体組織の病理学的変化や、解剖学的特性変化等(以下、病変という)を検出する必要があり、診断結果を得るまでの労力が多大である。また、類似した特徴変化に対する客観的な判断が困難な場合がある。
【0007】
本発明の目的は、病変についての診断結果を得るまでの労力を低減すると共に、診断結果の客観性を高め、診断を支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検体に対して超音波を送受信し、受信信号を生成する超音波送受信部と、前記受信信号に基づいて複数種の超音波情報を生成する超音波情報生成部と、前記複数種の超音波情報に基づいて、病変を検出および計測する検出計測部と、前記検出計測部による計測結果に基づいて、病変の状態を分析する分析部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
望ましくは、前記検出計測部は、腫瘍性病変を検出および計測する腫瘍性病変検出計測部、線維化病変を検出および計測する線維化病変検出計測部、石灰化病変を検出および計測する石灰化病変検出計測部、ならびに脂肪肝を検出および計測する脂肪肝検出計測部のうち少なくとも1つを備え、前記検出計測部は、病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方を検出および計測し、前記分析部は、病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方の状態を分析する。
【0010】
望ましくは、前記超音波情報は、異なるモードで生成された複数種の超音波画像データを含み、前記分析部は、予め構築された学習モデルに複数種の前記超音波画像データを当てはめて病変の状態を分析する。
【0011】
望ましくは、前記分析部は、予め取得されたルックアップテーブルに基づいて病変の状態を分析するLUT演算部、および予め構築された学習モデルに基づいて病変の状態を分析する機械学習分析部のうちの少なくとも一方に基づいて、病変の状態を分析する。
【0012】
望ましくは、前記分析部は、病変の進行度予測をする。
【0013】
望ましくは、表示制御部を備え、前記表示制御部は、病変の進行度予測を表示部に表示し、または、病変の進行度予測および予測に至る要因を表示部に表示する。
【0014】
望ましくは、前記分析部は、治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測する。
【0015】
望ましくは、表示制御部を備え、前記表示制御部は、治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測して得られた情報を表示部に表示し、または、治療効果の判定をし、治療経過を予測して得られた情報、ならびに、治療効果の判定および治療経過の予測に至る要因を表示部に表示する。
【0016】
望ましくは、前記超音波情報は、Bモード画像、ティッシュハーモニック画像、ティッシュエラスト画像、シェアウェーブエラスト画像、減衰画像、カラーフロー画像および造影ハーモニック画像のうち少なくとも1つを示すデータを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、病変についての診断結果を得るまでの労力を低減すると共に、診断結果の客観性を高め、診断を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。
図2】超音波情報生成部の構成を示す図である。
図3】腫瘍性病変分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図4】腫瘍性病変分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図5】線維化病変分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図6】線維化病変分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図7】石灰化病変分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図8】石灰化病変分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図9】脂肪肝分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図10】脂肪肝分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図11】患者罹患リスク分析部の構成を、超音波情報生成部の一部の構成要素と共に示す図である。
図12】表示部に表示される画像の例を示す図である。
図13】表示部に表示されるフローチャートの例を示す図である。
図14】表示部に表示されるフローチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示された同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。図1には本発明の実施形態に係る超音波診断装置100の構成が示されている。超音波診断装置100は、超音波プローブ3、超音波送受信部4、超音波情報生成部5、表示部6、制御部7、コントロールパネル8、表示制御部9、病変・リスク情報分析部10および肝腫瘍リスク判定部11を備えている。
【0020】
超音波情報生成部5、病変・リスク情報分析部10、肝腫瘍リスク判定部11、表示制御部9および制御部7は、ハードウエアとしてのプロセッサによって構成されてよい。超音波情報生成部5、病変・リスク情報分析部10、肝腫瘍リスク判定部11、表示制御部9および制御部7のそれぞれを構成するプロセッサは、プログラムを実行することで各機能を実現する。プロセッサは、プログラムを記憶するメモリを備えてもよい。また、プロセッサの外部に、プログラムを記憶するメモリが備えられてもよい。
【0021】
制御部7は、超音波診断装置100の全体的な制御を行ってよい。また、コントロールパネル8は、超音波診断装置100に対する指令情報を医師、術者等のユーザの操作に応じて生成し、制御部7は、コントロールパネル8から取得した指令情報に応じて超音波診断装置100の各構成要素を制御してよい。
【0022】
超音波送受信部4は、送信部4-1および受信部4-2を備えている。超音波プローブ3は、複数の超音波振動子を備えている。送信部4-1は、制御部7による制御に従って、超音波プローブ3が備える各超音波振動子に送信信号を出力する。各超音波振動子は、送信信号を超音波に変換して被検体2に向けて送信する。複数の超音波振動子のそれぞれに出力される送信信号の遅延時間を制御部7が制御することで、超音波プローブ3から特定の方向に向けて送信ビームが形成される。送信ビームは被検体2において走査されてよい。
【0023】
超音波プローブ3が備える各超音波振動子は、被検体2で反射した超音波を受信し、電気信号に変換して受信部4-2に出力する。受信部4-2は、各超音波振動子から出力された電気信号を整相加算して受信信号を生成し、超音波情報生成部5に出力する。整相加算では、各超音波振動子から出力された電気信号の遅延時間を制御部7が調整することで、送信ビームの方向から受信された超音波に基づく電気信号が強め合うように、受信信号が生成される。
【0024】
超音波情報生成部5は、受信部4-2から出力された受信信号に基づいて、超音波画像データおよび超音波計測情報を生成し、病変・リスク情報分析部10および表示制御部9に出力する。ここで、超音波計測情報は、計測結果を示す数値等による情報であってよい。
【0025】
なお、超音波プローブ3、超音波送受信部4、超音波情報生成部5および制御部7は、Bモード画像データ(断層画像データ)を生成するモード、エラスト画像データ(弾性率分布を示す画像データ)を生成するモード、ティッシュハーモニック画像(反射波の高調波成分に基づく画像データ)を生成するモード、カラードプラ画像データを生成するモード等、様々なモードで動作する。超音波送受信部4からは各モードに応じた受信信号が超音波情報生成部5に出力される。超音波情報生成部5は、各モードに応じて生成された超音波画像データおよび超音波計測情報を生成し、病変・リスク情報分析部10および表示制御部9に出力する。
【0026】
図2には、超音波情報生成部5の構成が示されている。超音波情報生成部5は、超音波画像情報生成部5-1、病変検出部5-2および超音波計測情報生成部5-3を備えている。
【0027】
超音波画像情報生成部5-1は、Bモード画像生成部5-1-1(図面ではBと表記)、ティッシュハーモニック画像生成部5-1-2(図面ではTHIと表記)、ティッシュエラスト画像生成部5-1-3(図面ではTEと表記)、シェアウェーブエラスト画像生成部5-1-4(図面ではSWEと表記)、減衰画像生成部5-1-5(図面ではATTと表記)、カラーフロー画像生成部5-1-6(図面ではCFIと表記)および、造影ハーモニック画像生成部5-1-7(図面ではCHIと表記)を備えている。
【0028】
Bモード画像生成部5-1-1は、反射エコー強度(反射超音波の強度)を輝度に変換したBモード画像を表すBモード画像データ、およびBモード情報(組織の分布情報、組織の形状情報等)を生成する。ティッシュハーモニック画像生成部5-1-2は、反射エコー強度に加え、生体に非線形伝搬したエコーの強度を輝度に変換したティッシュハーモニック画像データ、および、ティッシュハーモニック情報(組織の分布情報、形状情報等)を生成する。ティッシュエラスト画像生成部5-1-3は、外的圧力による生体の変位量と、変位量をカラー表示したストレイン画像データを生成する。シェアウェーブエラスト画像生成部5-1-4は、超音波放射力で発生したせん断波による生体弾性係数、および、生体弾性係数に基づくシェアウェーブ画像データを生成する。減衰画像生成部5-1-5は、超音波の生体伝搬減衰情報、および、減衰画像データを生成する。カラーフロー画像生成部5-1-6は、ドプラ計測に基づいて物理情報(血流速度、分散、強度等)、および、カラーフロー画像データを生成する。造影ハーモニック画像生成部5-1-7は、造影剤による組織染影情報、および造影剤エコーのハーモニックデータ(造影ハーモニック画像データ)を生成する。
【0029】
超音波画像情報生成部5-1は、血流速度を時間的にトレーシングするドプラ画像データ、所定の位置の動きをトレーシングするM画像データ、生体組織の動きを検出して追跡したティッシュトラッキング画像データ等を生成する超音波画像生成部(図示せず)を備えてもよい。
【0030】
病変検出部5-2は、腫瘍性病変検出部5-2-1、線維化病変検出部5-2-2、石灰化病変検出部5-2-3および脂肪肝検出部5-2-4を備えている。各検出部は、被検体2で検出された各病変の位置および各病変が及ぶ範囲を示す数値情報を出力してよい。
【0031】
病変検出部5-2を構成する各検出部は、(i)アフイン変換や、拡大縮小変換、回転変換等の幾何学的画像変換、(ii)エッジや、コントラストの強調処理、(iii)画像フィルタによるノイズ除去、(iv)体動、プローブ操作等の影響を除く補正処理、(v)エッジ検出や、確率論的、モロフォロジカル処理な演算から病変を検出するセグメンテーション処理、(vi)形状等の幾何学的情報や、弾性情報等の物性的情報からなる病変モデルに対するパターン認識、(vii)特徴量の相関、統計的手法のそれぞれもしくは、組み合わせによるマッチング処理、(viii)病変画像を学習させたCNN(Convolutional Neural Network)等による機械学習処理のうち少なくとも一つ、または、これらの処理を組み合わせて病変を検出してよい。病変の検出は、例えば、被検体2において病変が生じている領域を特定する数値データを生成することで行われる。
【0032】
腫瘍性病変検出部5-2-1は腫瘍を検出する。腫瘍性病変検出部5-2-1は、例えば、腫瘍性病変の特徴的なエコーパターンに基づいて腫瘍を検出してよい。特徴的なエコーパターンには、例えば、節型、塊状型、嚢胞等を示すエコーパターンがある。また、腫瘍性病変検出部5-2-1は、腫瘍が疑われる領域の大きさ(径1cm以上、3cm以下等)、形状(円形、類円形、不整形等)、境界明瞭性およびいびつさ等に基づいて腫瘍を検出してもよい。腫瘍性病変検出部5-2-1は、Bモード画像データが示すBモード画像における内部エコーの有無、後方エコー増強の有無等に基づいて腫瘍を検出してもよい。腫瘍性病変検出部5-2-1は、非線形情報、ストレイン情報、弾性情報、減衰情報、血流情報等から腫瘍を検出してもよい。血流情報は、多寡、走行(バスケットパターン、車軸状)、性状(定常性、拍動性)、造影剤の染影情報(走行、染影相(動脈相、門脈相、後期相))等を示す情報であってよい。
【0033】
線維化病変検出部5-2-2は、線維化病変を検出する。線維化病変検出部5-2-2は、例えば、線維化病変の特徴的なエコーパターンに基づいて、線維化病変を検出してよい。線維化病変検出部5-2-2は、線維化病変が疑われる領域の形状、境界等に基づいて線維化病変を検出してもよい。線維化病変検出部5-2-2は、Bモード画像データが示すBモード画像における内部エコーの有無、後方エコー増強の有無、境界線等に基づいて線維化病変を検出してもよい。線維化病変検出部5-2-2は、非線形情報、ストレイン情報(ストレイン比等)、弾性情報、減衰情報、血流情報、異方性情報等から線維化病変を検出してもよい。
【0034】
石灰化病変検出部5-2-3は、石灰化病変を検出する。石灰化病変検出部5-2-3は、石灰化病変の特徴的なエコーパターンに基づいて石灰化病変を検出してよい。石灰化病変検出部5-2-3は、Bモード画像データが示すBモード画像における点状エコー、石灰化病変が疑われる領域の境界、内部エコーの有無、後方エコーの有無等に基づいて石灰化病変を検出してよい。石灰化病変検出部5-2-3は、非線形情報、ストレイン情報、弾性情報、減衰情報、音速情報等から石灰化病変を検出してもよい。
【0035】
脂肪肝検出部5-2-4は脂肪肝を検出する。脂肪肝検出部5-2-4は、脂肪肝の特徴的なエコーパターン(高輝度肝、深部減衰、肝内門脈・静脈不明瞭)に基づいて脂肪肝を検出してよい。脂肪肝検出部5-2-4は、Bモード画像データが示すBモード画像における、肝腎コントラスト、腎脾コントラスト、後方散乱等に基づいて、脂肪肝を検出してもよい。脂肪肝検出部5-2-4は、減衰情報、非線形情報、ストレイン情報、弾性情報、音速情報から脂肪肝を検出してもよい。
【0036】
超音波計測情報生成部5-3は、腫瘍性病変計測部5-3-1、線維化病変計測部5-3-2、石灰化病変計測部5-3-3および脂肪肝計測部5-3-4を備えている。各計測部は、各検出部によって検出された各病変についての種々の計測値を超音波計測情報として出力してよい。
【0037】
超音波計測情報生成部5-3を構成する各計測部は、病変部位に対して、(i)径、隔壁の厚さ、面積等についての幾何学的属性解析、(ii)病変の構造上または、統計的なテクスチャ―解析、(iii)血流動態や、時間的、空間的な変位量等のモーション分析、(iv)病変内、外または、境界線周辺の情報(反射エコー、生体非線形情報、ストレイン情報、弾性情報、減衰情報、速度情報)変化を示す信号および画像についての解析等から、病変の特徴量を計測してよい。
【0038】
腫瘍性病変計測部5-3-1は、腫瘍性病変検出部5-2-1で検出された腫瘍性病変の特徴量を計測する。腫瘍性病変の特徴量は、腫瘍性病変の特徴を示す数値または情報である。腫瘍性病変の特徴量には、腫瘍性病変の最大径、腫瘍発生場所を示す情報、腫瘍数、腫瘍構造を示す情報、血流動態を示す情報、変位量、ストレイン情報、弾性情報、減衰情報、速度情報、腫瘍内パターンを示す情報、腫瘍周辺パターンを示す情報、境界部エコー強度、後方エコー強度、造影剤の染影情報等がある。
【0039】
線維化病変計測部5-3-2は、線維化病変検出部5-2-2で検出された線維化病変の特徴量を計測する。線維化病変の特徴量は、線維化病変の特徴を示す数値または情報である。線維化病変の特徴量には、線維化病変の領域を示す情報、線維化発生場所を示す情報、腫瘍数、線維化構造を示す情報、血流動態を示す情報、変位量、ストレイン情報、弾性情報、減衰情報、速度情報、線維化パターンを示す情報、周辺パターンを示す情報、境界部エコー強度、後方エコー強度等がある。
【0040】
石灰化病変計測部5-3-3は、石灰化病変検出部5-2-3で検出された石灰化病変の特徴量を計測する。石灰化病変の特徴量は、石灰化病変の特徴を示す数値または情報である。石灰化病変の特徴量には、石灰化病変の径、石灰化発生場所を示す情報、数、弾性情報、減衰情報、速度情報、石灰化パターンを示す情報、境界部エコー強度、後方エコー強度等がある。
【0041】
脂肪肝計測部5-3-4は、脂肪肝検出部5-2-4で検出された脂肪肝の特徴量を計測する。脂肪肝の特徴量は、脂肪肝の特徴を示す数値または情報である。脂肪肝の特徴量には、高輝度肝の輝度、深部減衰量、肝内門脈・静脈明瞭性を示す情報、肝腎コントラストを示す情報、腎脾コントラストを示す情報、非線形情報、ストレイン情報、弾性情報、音速情報等がある。
【0042】
図1に戻って説明する。病変・リスク情報分析部10は、超音波情報生成部5によって得られた各超音波画像データおよび各超音波計測情報に基づいて各病変を分析し、分析結果を示す分析情報を肝腫瘍リスク判定部11に出力する。病変・リスク情報分析部10は、腫瘍性病変分析部10-1、線維化病変分析部10-2、石灰化病変分析部10-3、脂肪肝分析部10-4および患者罹患リスク分析部10-5を備えている。
【0043】
腫瘍性病変分析部10-1は、充実性と嚢胞性を含む腫瘍性病変を分析する。線維化病変分析部10-2は線維化病変を分析する。石灰化病変分析部10-3は石灰化病変を分析する。脂肪肝分析部10-4は脂肪肝を分析する。患者罹患リスク分析部10-5は、コントロールパネル8から読み込まれた患者に関する医療情報から、患者の罹患リスクを分析する。
【0044】
図3および図4には、腫瘍性病変分析部10-1の構成が、超音波情報生成部5の一部の構成要素と共に示されている。腫瘍性病変分析部10-1は、腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1、LUT演算部10-1-2および腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3を備えている。腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1は、超音波情報生成部5で生成された超音波画像データおよび超音波計測情報から腫瘍性病変を分析し、分析情報を生成するCNN等の機械学習機能を有している。LUT演算部10-1-2は、超音波情報生成部5で生成された超音波計測情報から、腫瘍性病変の統計学的情報、医学的ガイドライン等に基づいた演算情報をルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)として記憶している。LUT演算部10-1-2は、ルックアップテーブルに基づいて分析情報を生成する。腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3は、RNN(Recurrent Neural Network)やLSTM(Long Short Term Memory)等の機械学習機能を有し、連続的な情報から腫瘍性病変の予後を推定することで分析情報を生成する。
【0045】
腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1は、CNN等の学習機能をそれぞれが備えた複数の機械学習部によって構成されている。腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1は、Bモード画像を学習するB学習部12-1-1、THI画像を学習するTHI学習部12-2-1、TE画像を学習するTE学習部12-3-1、SWE画像を学習するSWE学習部12-4-1、ATT画像を学習するATT学習部12-5-1、CFI画像を学習するCFI学習部12-6-1および、CHI画像を学習するCHI学習部12-7-1を備えている。図3には示されていないが、腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1は、他のモードによって生成された超音波画像データに対する学習部を備えてもよい。
【0046】
ここで、THI画像、TE画像、SWE画像、ATT画像、CFI画像および、CHI画像とは、それぞれ、ティッシュハーモニック画像、ティッシュエラスト画像、シェアウェーブエラスト画像、減衰画像、カラーフロー画像および、造影ハーモニック画像をいう。
【0047】
各学習部は、次のような機能を有する。すなわち、各学習部は、予め構築した学習モデルを用いて、(i)腫瘍径、縦横比、嚢胞性、混合性、充実性等のエコーパターン、(ii)円形、多角形、分葉系、不整形、楕円形等の腫瘍形状、(iii)均一性や、レベル等の腫瘍内部エコー情報、(iv)境界のエコー強度や、平滑度、明瞭度等の境界部エコー情報、(v)後方エコー情報、石灰化の有無や、数等の石灰化情報、(vi)管内進展の有無等、腫瘍性病変情報や、病変進行や、治療経過等の予測情報がタグ付けされた肝正常画像、(vii)肝腫瘍性病変画像のうち少なくともいずれかを、判定したい患者のBモード画像、THI画像、TE画像、SWE画像、ATT画像、CFI画像およびCHI画像の各超音波画像から腫瘍性病変情報および、予測情報を分析情報として抽出する。
【0048】
各学習部は、被検体2に対する診断が行われる前に機械学習を行う。すなわち、各学習部は、様々な被検体やファントムについて過去に行われた複数回に亘る診断または観測のそれぞれについて、超音波画像データと、その超音波画像データに対して得られた分析情報との関係を教師データとして記憶し、学習モデルを構築する。この学習モデルは、新たな超音波画像データを与えることで、その新たな超音波画像データに対する分析情報が得られるような学習モデルであってよい。
【0049】
ここで、超音波情報毎に学習部を設けることによって、超音波情報(構造、弾性、減衰、速度、染影等を示す情報)毎に抽出された病変の特徴画像を学習することで、腫瘍性病変情報、および、予測情報もしくは分析情報を精度よく抽出することができる。
【0050】
図4には、LUT演算部10-1-2および腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3が示されている。LUT演算部10-1-2は、超音波情報生成部5で生成された超音波計測情報から、腫瘍性病変の統計学的情報や、医学的ガイドライン等に基づいた演算情報を取得し、ルックアップテーブルとして記憶している。医学的ガイドラインの例としては、腹部超音波健診判定マニュアル、肝腫瘤の超音波診断基準、超音波エラストグラフィ診断ガイドライン等がある。国や、地域によってLUTに記憶するエビデンス情報を変更することができる。
【0051】
ルックアップテーブルは、過去の診断結果に基づく統計等に基づいて予め作成されてよい。ルックアップテーブルは、超音波情報生成部5で生成された超音波計測情報を与えることで、分析情報が得られるテーブルであってよい。
【0052】
腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3は、RNNやLSTM等の機械学習機能を有している。腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3は、被検体2に対する診断が行われる前に機械学習を行う。すなわち、腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3は、様々な被検体やファントムについて過去に行われた複数回に亘る診断または観測のそれぞれについて、超音波計測情報と、その超音波計測情報に対して得られた分析情報との関係を教師データとして記憶し、学習モデルを構築する。この学習モデルは、新たな超音波計測情報を与えることで、その新たな超音波計測情報に対する分析情報が得られるような学習モデルであってよい。
【0053】
腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3は、予め構築した学習モデルを用いて、判定したい患者の連続情報、例えば、病変経過観察の期間と病変の変化情報や、治療経過観察の期間と、病変の変化情報から腫瘍性病変情報および、予測情報を分析情報として抽出する。予め構築した学習モデルは、例えば、病変経過観察の期間と病変の変化情報や、治療経過観察の期間と病変の変化情報に対して、計測結果に係る諸条件、因子等をタグ付けした連続的な情報を学習することで構築されてよい。
【0054】
図4では、超音波情報生成部5で生成された超音波計測情報として、腫瘍性病変の信号強度、コントラスト、大きさ、位置、壁厚、境界明瞭性、変形量、弾性係数、弾性波の伝搬速度、減衰量、および染影情報が入力情報として示されている。これは、腫瘍性病変分析における有用な情報に絞り込んだ例である。他に超音波計測情報の優位性に応じて、超音波計測情報が示す数値に重み付け係数を加味するように構成してもよい。情報の組み合わせ等について、例えば最終判定結果に基づいた病変情報により、再構成や、重み付け係数の最適化が行われてよい。
【0055】
図5および図6には、線維化病変分析部10-2の構成が、超音波情報生成部5の一部の構成要素と共に示されている。線維化病変分析部10-2は、線維化病変画像予測学習部10-2-1、LUT演算部10-2-2および線維化病変特徴情報学習部10-2-3を備えている。
【0056】
線維化病変画像予測学習部10-2-1は、超音波情報生成部5で生成された超音波画像データおよび超音波計測情報から線維化病変を分析して分析情報を生成するCNN等の機械学習機能を有している。LUT演算部10-2-2は、超音波情報生成部5で生成された超音波計測情報から、線維化病変の統計学的情報、医学的ガイドライン等に基づいた演算情報を取得し、ルックアップテーブルとして記憶している。LUT演算部10-2-2は、ルックアップテーブルに基づいて分析情報を生成する。線維化病変特徴情報学習部10-2-3は、RNNやLSTM等の機械学習機能を有し、連続的な情報から線維化病変の予後を推定することで分析情報を生成する。
【0057】
線維化病変画像予測学習部10-2-1は、Bモード画像を学習するB学習部12-1-2、THI画像を学習するTHI学習部12-2-2、TE画像を学習するTE学習部12-3-2、SWE画像を学習するSWE学習部12-4-2、ATT画像を学習するATT学習部12-5-2、およびCFI画像を学習するCFI学習部12-6-1を備えている。なお、以下の説明では、学習対象が同一であるB学習部12-1-k、THI学習部12-2-k、TE学習部12-3-k、SWE学習部12-4-k、ATT学習部12-5-k、およびCFI学習部12-1-k(k=1~4)については、末尾の「-k」を省略した符号を用い、k=1~4を含む包括的な説明をする場合がある。
【0058】
線維化病変画像予測学習部10-2-1は、分析対象が線維化病変である点で、分析対象が腫瘍性病変である腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1と異なっている。また、線維化病変画像予測学習部10-2-1は、CHI学習部12-7-1を有しない点において、腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1と異なっている。線維化病変画像予測学習部10-2-1は、その他の点において腫瘍性病変画像予測学習部10-1-1と同様の構成を有し、同様の処理を実行する。
【0059】
CHI学習部12-7-1およびそれに関連する構成要素が、線維化病変の分析に用いられなくてもよい理由は次の通りである。肝正常細胞には、貪食細胞がおり、これが造影剤を一時的に貪食することにより細胞に取り込むが、腫瘍性病変において、この貪食細胞が死滅する。このため、腫瘍性病変では造影がされない。これによって、造影剤による組織染影情報(造影剤に染まる時間、造影剤が流出する時間)が腫瘍性病変では重要となる場合がある。線維化病変では、慢性的な炎症により肝細胞の壊死、修復を繰り返すことにより結合組織が増加し、変質するものであり、造影剤へ影響することがあるが、必ずしも腫瘍性病変ほど重要ではない。石灰化病変および脂肪肝についても、必ずしも腫瘍性病変ほど重要ではない。
【0060】
図6に示されるLUT演算部10-2-2および線維化病変特徴情報学習部10-2-3は、分析対象が線維化病変である点で、分析対象が腫瘍性病変であるLUT演算部10-1-2および腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3と異なっている。また、LUT演算部10-2-2および線維化病変特徴情報学習部10-2-3は、超音波計測情報の染影情報を用いない点で、分析対象が腫瘍性病変であるLUT演算部10-1-2および腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3と異なっている。LUT演算部10-2-2および線維化病変特徴情報学習部10-2-3は、その他の点においてLUT演算部10-1-2および腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3と同様の構成を有し、同様の処理を実行する。
【0061】
図7および図8には、石灰化病変分析部10-3の構成が、超音波情報生成部5の一部の構成要素と共に示されている。石灰化病変分析部10-3は、石灰化病変画像予測学習部10-3-1、LUT演算部10-3-2および石灰化病変特徴情報学習部10-3-3を備えている。
【0062】
石灰化病変画像予測学習部10-3-1は、超音波情報生成部5で生成された超音波画像データおよび超音波計測情報から石灰化病変を分析し、分析情報を生成するCNN等の機械学習機能を有している。LUT演算部10-3-2は、超音波情報生成部5で生成された超音波計測情報から、石灰化病変の統計学的情報、医学的ガイドライン等に基づいた演算情報を取得し、ルックアップテーブルとして記憶している。LUT演算部10-3-2は、ルックアップテーブルに基づいて分析情報を生成する。石灰化病変特徴情報学習部10-3-3は、RNNやLSTM等の機械学習機能を有し、連続的な情報から石灰化病変の予後を推定することで分析情報を生成する。
【0063】
石灰化病変分析部10-3は、分析対象が石灰化病変である点で、分析対象が線維化病変である線維化病変分析部10-2と異なっている。石灰化病変分析部10-3は、その他の点において線維化病変分析部10-2と同様の構成を有し、同様の処理を実行する。
【0064】
図9および図10には、脂肪肝分析部10-4の構成が、超音波情報生成部5の一部の構成要素と共に示されている。脂肪肝分析部10-4は、脂肪肝画像予測学習部10-4-1、LUT演算部10-4-2および脂肪肝特徴情報学習部10-4-3を備えている。脂肪肝画像予測学習部10-4-1は、超音波情報生成部5で生成された超音波画像データおよび超音波計測情報から脂肪肝を分析し、分析情報を生成するCNN等の機械学習機能を有している。LUT演算部10-4-2は、超音波情報生成部5で生成された超音波計測情報から、脂肪肝の統計学的情報、医学的ガイドライン等に基づいた演算情報を取得し、ルックアップテーブルとして記憶している。LUT演算部10-4-2は、ルックアップテーブルに基づいて分析情報を生成する。脂肪肝特徴情報学習部10-4-3は、RNNやLSTM等の機械学習機能を有し、連続的な情報から脂肪肝の予後を推定することで分析情報を生成する。
【0065】
脂肪肝分析部10-4は、分析対象が脂肪肝である点で、分析対象が線維化病変である線維化病変分析部10-2と異なっている。脂肪肝分析部10-4は、その他の点において線維化病変分析部10-2と同様の構成を有し、同様の処理を実行する。
【0066】
図11には、患者罹患リスク分析部10-5の構成が、超音波情報生成部5の一部の構成要素と共に示されている。患者罹患リスク分析部10-5は、LUT演算部10-5-2および罹患リスク情報学習部10-5-3を備えている。
【0067】
LUT演算部10-5-2は、患者の医療情報から、病態生理学的分析、地域・環境等の分析、疫学的分析、リスク因子との相関分析、統計学的分析、あるいは、生化学的分析の結果を取得し、ルックアップテーブルとして記憶する。LUT演算部10-5-2は、ルックアップテーブルに基づいて分析情報を生成する。患者の医療情報には、年齢、身長、体重、親族の病歴、生活習慣等の患者ヒアリング情報、血液や内分泌等の生理学的検査の情報、腫瘍マーカ等の遺伝子情報、他の画像診断情報、患者の放射線治療や薬物療法の情報等がある。患者の医療情報は、電子カルテや、分析器や、PACS(Picture Archiving and Communication System)や、他の診断機器等から、ネットワークを介して患者罹患リスク分析部10-5が取得してよい。また、ユーザの操作に応じてコントロールパネル8が患者の医療情報を読み込み、コントロールパネル8が制御部7を介して、患者罹患リスク分析部10-5に患者の医療情報を入力してもよい。罹患リスク情報学習部10-5-3は、ニューラルネットワーク等に機械学習させて構築される患者罹患リスクモデルを用いて学習的分析を行い、患者の肝腫瘍罹患リスク、治療効果の特徴量を分析情報として抽出する。
【0068】
図1に戻って説明する。肝腫瘍リスク判定部11は、病変・リスク情報分析部10から得られた各分析情報に基づき総合的に肝腫瘍を鑑別し、進行度予測や、治療効果の判定、治療経過予測等をする。肝腫瘍リスク判定部11は、被検体2において肝腫瘍が及んでいる領域、進行度予測、治療効果の判定、治療経過予測等を示す判定結果情報を生成する。肝腫瘍リスク判定部11は、腫瘍性病変、線維化病変、石灰化病変、脂肪肝、および患者の医療情報についての分析情報をマルチモーダルAI(Multimodal Artificial Intelligence)によって総合判断する。ここで、マルチモーダルAIとは、画像データ、数値データ、テキストデータ、音声データ等、様々な態様の複数種の情報に基づいて学習モデルを構築し、学習モデルに基づいて結果を導き出す人工知能をいう。
【0069】
肝腫瘍リスク判定部11は、被検体2に対する診断が行われる前に、マルチモーダルAIによる機械学習を行う。すなわち、肝腫瘍リスク判定部11は、様々な被検体やファントムについて過去に行われた複数回に亘る診断または観測のそれぞれについて、分析情報と診断結果情報との関係を教師データとして記憶し、学習モデルを構築する。この学習モデルは、病変・リスク情報分析部10から得られた新たな分析情報を与えることで、その新たな分析情報に対する診断結果情報が得られるような学習モデルであってよい。
【0070】
肝腫瘍リスク判定部11は、マルチモーダルAI等の学習モデルを用いてよいが、一部の判定をルックアップテーブルや、演算等によって行ってもよい。各種情報より、適切な情報を抽出した上で、これらの情報を学習した学習モデルを用いることにより、精度の高い判定が実現される。
【0071】
さらに、数値情報は、予め例えば統計的な算出結果に基づいた結果を記憶したルックアップテーブルや、差、二乗、積算等の数値計算から統計的算術計算させる演算によって行われてよい。連続的な信号情報における予測計算等は、RNNやLSTM等によって行われてよい。また、画像分析はCNN等によって行われてよい。それぞれの分析に適した学習モデル、また、これらの組み合わせを適宜選択することで、精度の高い分析が行われる。
【0072】
表示制御部9は、超音波情報生成部5から出力された各超音波画像データおよび各超音波計測情報と、肝腫瘍リスク判定部11から出力された判定結果情報に基づいて、判定結果の画像を示す画像データを生成する。表示制御部9は、画像データに基づく映像信号を生成し、表示部6に出力する。表示部6は、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって構成されるモニタであってよい。表示部6は、映像信号に基づいて、判定結果を示す画像を表示する。
【0073】
図12には、表示部6に表示される画像の例が示されている。表示部6には、Bモード画像20と共に判定結果22が示されている。図12に示されている例では、病変が認められる領域が略円形を描く線によって示され、判定結果22がテキストによって表示されている。判定結果として以下の表示がされている。
【0074】
「肝腫瘤の可能性:70%」、「2年後に肝腫瘍性病変へ進行する予測:50%」、「カテゴリー:C」、「腫瘍性病変:充実性」、「画像パターン:認められない」、「後方エコー:なし」、「最大径:14.5mm」、「リスク評価:C型慢性肝炎、危険因子:AFR」
【0075】
以上の実施形態は、医師が病変の診断をするために有用な判定結果を示すものである。超音波診断装置100は、多くの超音波情報に基づくの中から、特に、診断に有用な情報を選択して、表示してよい。図12には、テキストによる数値表記の例が示されたが、例えば相関グラフや、カラーバー等の指標表示がされてもよい。
【0076】
また、診断ガイダンスに基づく判断のためのフローチャートが表示されると共に、判定に至るまでの該当項目や、分岐線がハイライト表示されてもよい。このフローチャートは、超音波診断画像とオーバーレイ表示されてもよい。図13には肝細胞癌判定のフローチャートの例が示されている。図13では、「早期造影あり」、「後期造影なし」、「腫瘍径≧1cm」、「肝細胞癌確診」および「肝細胞癌の疑い」の各欄がハイライト表示されている。図14には肝細胞癌治療判定のフローチャートの例が示されている。図14では、「肝予備能」、「肝外転移」、「脈管侵襲」、「腫瘍数」、「腫瘍径」、および「治療法」の欄について、それぞれ、「分類A,B」、「なし」、「なし」、「1~3個」、「3cm超」、および「切除塞栓」の文字がハイライト表示されている。
【0077】
また、超音波診断装置100は、医師の判断により、カテゴリーや、病変の状態を変更できる入力機能を有し、医師の判断したカテゴリーや、病変状態に基づき、確率演算や、推定演算等を再処理し、結果を訂正するものであってもよい。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る超音波診断装置100は、超音波プローブ3によって被検体2に対して超音波を送受信し、受信信号を生成する超音波送受信部4を備えている。また、超音波診断装置100は、受信信号に基づいて複数種の超音波情報を生成する超音波情報生成部5を備えている。超音波情報には、超音波画像データおよび超音波計測情報が含まれている。超音波計測情報は数値データであってよい。本実施形態に係る超音波画像データには、Bモード画像、THI画像、TE画像、SWE画像、ATT画像、CFI画像またはCHI画像を示す画像データがある。
【0079】
超音波診断装置100は、複数種の超音波情報に基づいて、病変を検出および計測する検出計測部として、病変検出部5-2および超音波計測情報生成部5-3を備えている。また、超音波診断装置100は、検出計測部による計測結果に基づいて、病変の状態を分析する分析部として、病変・リスク情報分析部10を備えている。
【0080】
検出計測部は、腫瘍性病変を検出および計測する腫瘍性病変検出計測部、線維化病変を検出および計測する線維化病変検出計測部、石灰化病変を検出および計測する石灰化病変検出計測部、ならびに脂肪肝を検出および計測する脂肪肝検出計測部のうち少なくとも1つを備えてよい。
【0081】
ここで、腫瘍性病変検出計測部は、腫瘍性病変検出部5-2-1および腫瘍性病変計測部5-3-1によって構成される。線維化病変検出計測部は、線維化病変検出部5-2-2および線維化病変計測部5-3-2によって構成される。石灰化病変検出計測部は、石灰化病変検出部5-2-3および石灰化病変計測部5-3-3によって構成される。脂肪肝検出計測部は、脂肪肝検出部5-2-4および脂肪肝計測部5-3-4によって構成される。検出計測部は、病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方を検出および計測し、分析部は、病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方の状態を分析する。
【0082】
分析部としての病変・リスク情報分析部10は、予め構築された学習モデルに複数種の超音波画像データを当てはめて病変の状態を分析する複数種の学習部を備えている。複数種の学習部としては、B学習部12-1-k、THI学習部12-2-k、TE学習部12-3-k、SWE学習部12-4-k、ATT学習部12-5-k、CFI学習部12-6-kおよびCHI学習部12-7-1がある(k=1~4)。
【0083】
分析部としての病変・リスク情報分析部10は、予め取得されたルックアップテーブルに基づいて病変の状態を分析するLUT演算部および予め構築された学習モデルに基づいて病変の状態を分析する機械学習分析部のうちの少なくとも一方に基づいて、病変の状態を分析し、分析情報を出力してよい。LUT演算部には、腫瘍性病変分析部10-1、線維化病変分析部10-2、石灰化病変分析部10-3および脂肪肝分析部10-4がそれぞれ備えるLUT演算部10-1-2~10-4-2がある。機械学習分析部には、腫瘍性病変分析部10-1、線維化病変分析部10-2、石灰化病変分析部10-3および脂肪肝分析部10-4がそれぞれ備える腫瘍性病変特徴情報学習部10-1-3、線維化病変特徴情報学習部10-2-3、石灰化病変特徴情報学習部10-3-3および脂肪肝特徴情報学習部10-4-3がある。
【0084】
本実施形態に係る超音波診断装置100によれば、被検体2に対する診断が行われる前に機械学習が行われる。すなわち、様々な被検体やファントムについて過去に行われた複数回に亘る診断または観測のそれぞれについて、超音波情報と、その超音波情報に対して得られた分析情報との関係が教師データとして記憶され、学習モデルが構築される。また、過去の診断結果に基づく統計等に基づいて予めルックアップテーブルが作成される。
【0085】
病変・リスク情報分析部10は、ルックアップテーブルに基づいて病変の状態を分析するLUT演算部、および学習モデルに基づいて病変の状態を分析する機械学習分析部のうちの少なくとも一方に基づいて、病変の状態を分析し、分析情報を出力する。肝腫瘍リスク判定部11は、分析情報に基づいて診断結果情報を生成する。これによって、病変についての診断結果を得るまでの労力が低減されると共に、診断結果の客観性が高められる。また、ルックアップテーブルが用いられることで、機械学習分析部のみを用いる場合に比べて処理される情報の量が軽減される。
【0086】
分析部としての病変・リスク情報分析部10は、病変の進行度予測をしてよい。表示制御部9は、病変の進行度予測を表示部6に表示し、または、病変の進行度予測および予測に至る要因を表示部6に表示してよい。
【0087】
分析部としての病変・リスク情報分析部10は、治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測してよい。表示制御部9は、治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測して得られた情報を表示部6に表示し、または、治療効果の判定をし、治療経過を予測して得られた情報、ならびに、治療効果の判定および治療経過の予測に至る要因を表示部6に表示してよい。
【0088】
上記では、腫瘍性病変、線維化病変、石灰化病変および脂肪肝について分析を行う実施形態が示された。これ以外に医学的な判定項目がある場合は、分析対象はこれに限られない。例えば、腫瘍性病変に代えて、または腫瘍性病変と共に、腫瘤性病変が分析されてもよい。この場合、腫瘤性病変が病変検出部5-2によって検出され、超音波計測情報生成部5-3によって計測され、病変・リスク情報分析部10によって分析されてよい。また、例えば乳腺の学習モデルを用いて、乳癌の進展の有無を超音波診断画像から求めることが行われてもよい。また、その他の生体組織の学習モデルを用いて、生体組織における癌の進展の有無を超音波診断画像から求めることが行われてもよい。
【0089】
また、腫瘤を有しない肝腫瘍等、他の医学的ガイドラインがあり、これに基づいた検出アルゴリズムが本発明に用いられてもよい。さらに、腫瘍性病変、線維化病変、石灰化病変および脂肪肝のうちいずれかの組み合わせによって分析が行われてもよい。例えば、肝組織がよく発達した高濃度肝の場合や、脂肪性肝の分別する場合にはテクスチャー解析等によって得られる異方性情報や、超音波減衰情報が有効である。
【0090】
上記では、本発明の実施形態に係る腫瘍性病変分析部10-1、線維化病変分析部10-2、石灰化病変分析部10-3、脂肪肝分析部10-4および、患者罹患リスク分析部10-5による構成で、各超音波情報に基づいて、分析を行うことを説明したが、これらすべての分析部および、すべての超音波情報を用いる必要はない。病変の状態に応じて、十分な判定ができる超音波情報に基づく分析を実施できる範囲で計測、算出、分析する処理を限定し、不要な処理を取り止めまたは、処理結果の重み付けを変更する等し、判定処理のスリム化、高速化が図られてもよい。また、医師の判断により使用する超音波情報や、判定に使用する処理の内容が変更されてもよい。
【0091】
医学的ガイドラインは、国や地域により異なる。国や地域による相違に応じて、構成や、手法を組み換えや、表示内容を変更することも、本発明の記載内容において実現可能なものは特許請求の範囲に含まれる。さらに、医学的ガイドラインは、年々進歩しておりあらたな因子が追加になる。この場合も、新たな超音波診断モード、超音波計測手法が本発明において実現されてよい。
【0092】
本発明に対しては、例えばMRI(Magnetic Resonance Imaging)等、他の画像診断装置や、分析器が追加されてもよい。これによって、医師のための判断材料が増え、診断の精度が高まる。他の画像診断装置や、分析器が生成した情報は、インターネット等の電気通信回線を介して、超音波診断装置100が取り込んでもよい。
【0093】
[本発明の構成]
本発明は、以下の構成を有してよい。
構成1:
被検体に対して超音波を送受信し、受信信号を生成する超音波送受信部と、
前記受信信号に基づいて複数種の超音波情報を生成する超音波情報生成部と、
前記複数種の超音波情報に基づいて、病変を検出および計測する検出計測部と、
前記検出計測部による計測結果に基づいて、病変の状態を分析する分析部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
構成2:
構成1に記載の超音波診断装置であって、
前記検出計測部は、
腫瘍性病変を検出および計測する腫瘍性病変検出計測部、
線維化病変を検出および計測する線維化病変検出計測部、
石灰化病変を検出および計測する石灰化病変検出計測部、ならびに
脂肪肝を検出および計測する脂肪肝検出計測部のうち少なくとも1つを備え、
前記検出計測部は、
病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方を検出および計測し、
前記分析部は、
病変として前癌病変、および肝癌のうち少なくとも一方の状態を分析することを特徴とする超音波診断装置。
構成3:
構成1または構成2に記載の超音波診断装置であって、
前記超音波情報は、異なるモードで生成された複数種の超音波画像データを含み、
前記分析部は、
予め構築された学習モデルに複数種の前記超音波画像データを当てはめて病変の状態を分析することを特徴とする超音波診断装置。
構成4:
構成1から構成3のいずれか1つに記載の超音波診断装置であって、
前記分析部は、
予め取得されたルックアップテーブルに基づいて病変の状態を分析するLUT演算部、および予め構築された学習モデルに基づいて病変の状態を分析する機械学習分析部のうちの少なくとも一方に基づいて、病変の状態を分析することを特徴とする超音波診断装置。
構成5:
構成1から構成4のいずれか1つに記載の超音波診断装置であって、
前記分析部は、
病変の進行度予測をすることを特徴とする超音波診断装置。
構成6:
構成5に記載の超音波診断装置であって、
表示制御部を備え、
前記表示制御部は、
病変の進行度予測を表示部に表示し、または、
病変の進行度予測および予測に至る要因を表示部に表示することを特徴とする超音波診断装置。
構成7:
構成1から請求項6のいずれか1つに記載の超音波診断装置であって、
前記分析部は、
治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測することを特徴とする超音波診断装置。
構成8:
構成7に記載の超音波診断装置であって、
表示制御部を備え、
前記表示制御部は、
治療効果の判定をし、さらに治療経過を予測して得られた情報を表示部に表示し、または、
治療効果の判定をし、治療経過を予測して得られた情報、ならびに、治療効果の判定および治療経過の予測に至る要因を表示部に表示することを特徴とする超音波診断装置。
構成9:
構成1から構成8のいずれか1つに記載の超音波診断装置であって、
前記超音波情報は、
Bモード画像、ティッシュハーモニック画像、ティッシュエラスト画像、シェアウェーブエラスト画像、減衰画像、カラーフロー画像および造影ハーモニック画像のうち少なくとも1つを示すデータを含むことを特徴とする超音波診断装置。
【符号の説明】
【0094】
2 被検体、3 超音波プローブ、4 超音波送受信部、5 超音波情報生成部、5-1 超音波画像情報生成部、5-1-1 Bモード画像生成部、5-1-2 ティッシュハーモニック画像生成部、5-1-3 ティッシュエラスト画像生成部、5-1-4 シェアウェーブエラスト画像生成部、5-1-5 減衰画像生成部、5-1-6 カラーフロー画像生成部、5-1-7 造影ハーモニック画像生成部、5-2 病変検出部、5-2-1 腫瘍性病変検出部、5-2-2 線維化病変検出部、5-2-3 石灰化病変検出部、5-2-4 脂肪肝検出部、5-3 超音波計測情報生成部、5-3-1 腫瘍性病変計測部、5-3-2 線維化病変計測部、5-3-3 石灰化病変計測部、5-3-4 脂肪肝計測部、6 表示部、7 制御部、8 コントロールパネル、10 病変・リスク情報分析部、10-1 腫瘍性病変分析部、10-1-1 腫瘍性病変画像予測学習部、10-1-2,10-2-2,10-3-2,10-4-2,10-5-2 LUT演算部、10-1-3 腫瘍性病変特徴情報学習部、10-2 線維化病変分析部、10-2-1 線維化病変画像予測学習部、10-2-3 線維化病変特徴情報学習部、10-3 石灰化病変分析部、10-3-1 石灰化病変画像予測学習部、10-3-3 石灰化病変特徴情報学習部、10-4 脂肪肝分析部、10-4-1 監視坊画像予測学習部、10-4-3 肝脂肪特徴情報学習部、10-5 患者罹患リスク分析部、10-5-3 罹患リスク情報学習部、11 肝腫瘍リスク判定部、12-1-1~12-1-4 B学習部、12-2-1~12-2-4 THI学習部、12-3-1~12-3-4 TE学習部、12-4-1~12-4-4 SWE学習部、12-5-1~12-5-4 ATT学習部、12-6-1~12-6-4 CFI学習部、12-7-1 CHI学習部、20 Bモード画像、22 診断結果、100 超音波診断装置。
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