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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117458
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20240822BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01F17/04 A
H01F17/04 F
H01F27/28 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023574
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 洋史
(72)【発明者】
【氏名】東田 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】三浦 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 亮介
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
【Fターム(参考)】
5E043BA02
5E070AA01
5E070AB07
5E070BA06
(57)【要約】
【課題】高周波帯において、インピーダンスの周波数特性の広帯域化を可能とするコイル装置を提供すること。
【解決手段】コイル装置1は、ワイヤ2が巻回されてなる巻回部20を有する。巻回部20は、その巻軸に沿って巻回部20を複数の分割区画9aおよび9bに分割する少なくとも1つの境界領域8を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤが巻回されてなる巻回部を有し、
前記巻回部は、その巻軸に沿って前記巻回部を複数の分割区画に分割する少なくとも1つの境界領域を有するコイル装置。
【請求項2】
前記巻軸は、コイル装置の設置面に対して垂直に配置される請求項1に記載のコイル装置。
【請求項3】
前記ワイヤは、複数の前記分割区画の少なくとも1つにおいて、前記巻軸に垂直な方向に積層されつつ、前記巻軸に沿って往復するように連続して巻回されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項4】
複数の前記分割区画は、前記境界領域を介して隣接する第1分割区画と第2分割区画とを有し、
前記第1分割区画における前記ワイヤの巻終端と、前記第2分割区画における前記ワイヤの巻始端とは、前記ワイヤの連結部を介して連続している請求項3に記載のコイル装置。
【請求項5】
前記ワイヤは、前記連結部を介して、前記第1分割区画から前記第2分割区画へ向かって巻回されており、
前記第1分割区画では、前記巻回部は、その径方向に沿って奇数層で構成されている請求項4に記載のコイル装置。
【請求項6】
前記ワイヤは、コイル装置の設置面に向かうように、前記第1分割区画の第1端から、前記第1端とは前記巻軸に沿って反対側の前記第2分割区画の第2端に向かって巻回されている請求項5に記載のコイル装置。
【請求項7】
前記ワイヤは、前記巻回部から引き出された引出部をさらに有し、
前記引出部は、前記境界領域に隣接する位置で、複数の前記分割区画のいずれかにおいて、前記巻回部の径方向の最外層から引き出されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項8】
前記ワイヤは、前記巻回部から引き出された引出部をさらに有し、
前記引出部は、複数の前記分割区画のいずれかにおいて、前記巻回部の径方向の最外層から引き出されており、
前記引出部が引き出された前記分割区画では、前記巻回部は、その径方向に沿って偶数層で構成されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項9】
前記巻回部が設けられる芯部を備えたコアをさらに有する請求項1または2に記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インダクタなどのコイル装置には、ワイヤが螺旋状に巻回された巻回部が具備されている。従来から、ワイヤの巻回態様として、種々の巻回態様が提案されている(例えば特許文献1を参照)。一般的なコイル装置では、ワイヤは、巻芯の軸方向の第1端と第2端との間を往復するように連続して巻回される。すなわち、ワイヤは、巻芯の軸方向の第1端から第2端に向かって巻き始められ、第2端まで巻回されると、第2端から第1端に向かって逆方向に巻回される。このような態様でワイヤが巻回されることにより、径方向に複数の層を有する巻回部が形成される。
【0003】
しかしながら、従来のワイヤの巻回態様では、ワイヤの線間浮遊容量(各ターン間の浮遊容量)に起因して、高周波帯において、インピーダンスの周波数特性を広帯域で確保しにくいことが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4-246811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、高周波帯において、インピーダンスの周波数特性の広帯域化を可能とするコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示のコイル装置は、
ワイヤが巻回されてなる巻回部を有し、
前記巻回部は、その巻軸に沿って前記巻回部を複数の分割区画に分割する少なくとも1つの境界領域を有する。
【0007】
本開示のコイル装置では、巻回部が、その巻軸に沿って巻回部を複数の分割区画に分割する少なくとも1つの境界領域を有する。そのため、巻回部は、少なくとも1つの境界領域によって、巻軸に沿って、第一の分割区画、第二の分割区画、・・・、第nの分割区画(n≧2)に分割される。このように、巻回部が複数の分割区画に分割されることにより、例えば、第一の分割区画のいずれかのターンと、第二の分割区画のいずれかのターンとの間で、線間浮遊容量を低減することが可能となる。これにより、高周波帯において、インピーダンスの周波数特性の広帯域化を図ることができる。
【0008】
前記巻軸は、コイル装置の設置面に対して垂直に配置されてもよい。
【0009】
前記ワイヤは、複数の前記分割区画の少なくとも1つにおいて、前記巻軸に垂直な方向に積層されつつ、前記巻軸に沿って往復するように連続して巻回されていてもよい。
【0010】
複数の前記分割区画は、前記境界領域を介して隣接する第1分割区画と第2分割区画とを有し、前記第1分割区画における前記ワイヤの巻終端と、前記第2分割区画における前記ワイヤの巻始端とは、前記ワイヤの連結部を介して連続していてもよい。
【0011】
前記ワイヤは、前記連結部を介して、前記第1分割区画から前記第2分割区画へ向かって巻回されており、前記第1分割区画では、前記巻回部は、その径方向に沿って奇数層で構成されていてもよい。
【0012】
前記ワイヤは、コイル装置の設置面に向かうように、前記第1分割区画の第1端から、前記第1端とは前記巻軸に沿って反対側の前記第2分割区画の第2端に向かって巻回されていてもよい。
【0013】
前記ワイヤは、前記巻回部から引き出された引出部をさらに有し、前記引出部は、前記境界領域に隣接する位置で、複数の前記分割区画のいずれかにおいて、前記巻回部の径方向の最外層から引き出されていてもよい。
【0014】
前記ワイヤは、前記巻回部から引き出された引出部をさらに有し、前記引出部は、複数の前記分割区画のいずれかにおいて、前記巻回部の径方向の最外層から引き出されており、前記引出部が引き出された前記分割区画では、前記巻回部は、その径方向に沿って偶数層で構成されていてもよい。
【0015】
前記巻回部が設けられる芯部を備えたコアをさらに有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本開示の第1実施形態のコイル装置の斜視図である。
図2図2は第1コアの内部構成を示す斜視図である。
図3図3は第1コアの斜視図である。
図4図4は巻回部および端子の斜視図である。
図5図5図2に示すV-V線に沿う断面図である。
図6図6は巻回部の巻回態様を示す図である。
図7図7はインピーダンスの周波数特性を示す図である。
図8図8は本開示の第2実施形態のコイル装置の巻回部の巻回態様を示す図である。
図9図9は本開示の第3実施形態のコイル装置の巻回部の巻回態様を示す図である。
図10図10は従来のコイル装置の巻回部の巻回態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。なお、図示する内容は、本開示の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。また、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
(第1実施形態)
図1に示す本開示の第1実施形態のコイル装置1は、例えばインダクタとして機能し、各種の電子機器のフィルタ回路等に搭載される。図2に示すように、コイル装置1は、ワイヤ2が螺旋状に巻回されてなる巻回部20を有する。コイル装置1は、第1コア3と、第2コア4と、端子5aおよび5bとをさらに有していてもよい。
【0019】
ワイヤ2は、例えば銅などで構成された丸線あるいは平角線などの導電性芯線を有する。ワイヤ2は、これらの導電性芯線を絶縁性の被膜で被覆した絶縁被覆ワイヤでもよい。また、ワイヤ2は、融着層が形成された自己融着線でもよい。ワイヤ2の線径は、例えば10~400μmである。巻回部20は、例えば空芯コイルであり、第1コア3に設けられている。巻回部20の巻軸は、コイル装置1の設置面(コイル装置1が設置される基板と対向する面)に対して垂直に配置される。巻回部20の径方向の層数は、複数であり、巻回部20の少なくとも一部において、ワイヤ2は、巻軸に沿って、往復するように巻回されている。
【0020】
図4に示すように、ワイヤ2は、巻回部20に加えて、巻回部20から引き出された引出部21および22をさらに有する。引出部21は巻回部20からワイヤ2の一端まで延在しており、引出部22は巻回部20からワイヤ2の他端まで延在している。引出部21および22は、同一方向に引き出されている。そのため、ワイヤ2のフォーミングを抑えつつ、引出部21および22を巻回部20から引き出すことができる。また、巻回部20において、ワイヤ2のターン数を増大させ、インダクタンスの調整を図ることができる。なお、引出部21および22は、異なる方向に引き出されていてもよい。また、引出部21および22は、平行に引き出されているが、非平行に引き出されていてもよい。
【0021】
引出部21および22の延在方向(引出方向)は、X軸に平行な方向である。あるいは、引出部21および22の延在方向は、X軸に対して、XY面に沿って所定角度で傾斜した方向である。ここで、所定角度とは、特に限定されないが、20度未満である。
【0022】
以下では、巻回部20の巻軸方向の一端を第1端20aと呼び、巻回部20の巻軸方向の他端を第2端20bと呼ぶ。引出部21は、巻回部20の第2端20bから引き出されている。ただし、引出部21は、巻回部20の第1端20aと第2端20bとの間の位置から引き出されていてもよい。例えば、引出部21は、巻回部20の巻軸方向の中心よりも、第1端20aまたは第2端20bに近接する位置から引き出されていてもよい。あるいは、引出部21は、巻回部20の巻軸方向の中心から引き出されていてもよい。引出部22は、巻回部20の第1端20aから引き出されている。ただし、引出部22は、巻回部20の第1端20aと第2端20bとの間の位置から引き出されていてもよい。例えば、引出部22は、巻回部20の巻軸方向の中心よりも、第1端20aまたは第2端20bに近接する位置から引き出されていてもよい。あるいは、引出部21は、巻回部20の巻軸方向の中心から引き出されていてもよい。
【0023】
図3に示すように、第1コア3は、ポットコアであり、磁性体と樹脂とを含む材料で形成されている。本実施形態では、第1コア3は、主として、金属磁性体粒子を含んでいる。金属磁性体粒子としては、Fe-Ni合金粉、Fe-Si合金粉、Fe-Si-Cr合金粉、Fe-Co合金粉、Fe-Si-Al合金粉、アモルファス鉄等が例示される。ただし、第1コア3は、金属磁性粒子に代えて、フェライト粒子等を含んでいてもよい。フェライト粒子としては、Ni-Zn系フェライトやMn-Zn系フェライト等が例示される。第1コア3を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、その他の合成樹脂、あるいはその他の非磁性材料等が例示される。第1コア3は、上述した磁性体と樹脂とを含む材料を圧粉成形あるいは射出成形することにより形成されている。なお、第1コア3は、金属磁性体粒子に代えて、フェライト粒子を主として含んでいてもよい。あるいは、第1コア3は、金属磁性体の焼結体でもよい。
【0024】
第1コア3は、例えば、中芯部30と、側壁部32と、底壁部34とを有する。中芯部30は、円柱形状を有し、底壁部34の中心部から突出している。中芯部30は、底壁部34の中心部から、その径方向にオフセットした位置で突出していてもよい。中芯部30の形状は、図3に示す形状に限定されず、例えば、四角柱、八角柱、あるいはその他の多角柱でもよい。図2および図3に示すように、中芯部30の外周面30cには、巻回部20が設けられている。中芯部30は、巻回部20の径方向の内側に配置されており、その巻軸に沿って巻回部20を貫通している。
【0025】
中芯部30の軸方向の長さは、巻回部20の巻軸方向の長さよりも長くてもよい。以下では、中芯部30の軸方向の一端を第1端30aと呼び、中芯部30の軸方向の他端を第2端30bと呼ぶ。図5に示すように、中芯部30の軸方向に沿って、巻回部20の第1端20aは、中芯部30の第1端30aよりも、コイル装置1の設置面側に位置ずれしている。そのため、第1端20aの位置ずれ幅に応じて、中芯部30の軸方向に沿って、引出部22(図2)の引出位置を調整することができる。これにより、ワイヤ2のフォーミングを抑えつつ、引出部22を巻回部20から引き出すことができる。
【0026】
図2および図3に示すように、側壁部32は、底壁部34の外縁部から、中芯部30と同一方向に向かって突出している。側壁部32は、中芯部30の径方向の外側に位置し、中芯部30を径方向の外側から囲んでいる。また、側壁部32は、巻回部20の径方向の外側に位置し、巻回部20を径方向の外側から囲んでいる。側壁部32の外周面は、巻回部20の巻軸方向から見て、実質的に四角形である。ただし、側壁部32の外周面の形状は四角形に限定されず、六角形、八角形、その他の多角形、円形、楕円形あるいはその他の形状でもよい。
【0027】
側壁部32は、第1面32aと、第1面32aと対向する第2面32bと、第3面32cと、第3面32cと対向する第4面32dとを有する。図2および図3等において、X軸は、第1面32aと第2面32bとが対向する方向に平行な軸である。Y軸は、第3面32cと第4面32dとが対向する方向に平行な軸である。Z軸は、X軸およびY軸に垂直な軸である。また、Z軸は、上述した巻回部20の巻軸方向、中芯部30の軸方向および側壁部32の軸方向に平行な軸である。
【0028】
第1面32aと第3面32cとの間に位置する稜線部は、面取りされている。同様に、第1面32aと第4面32dとの間に位置する稜線部は、面取りされている。また、第2面32bと第3面32cとの間に位置する稜線部は、側壁部32の横断面において湾曲している。同様に、第2面32bと第4面32dとの間に位置する稜線部は、側壁部32の横断面において湾曲している。ただし、これらの面取り部および湾曲部は、必須ではなく、省略されてもよい。
【0029】
側壁部32は、端面32eと、内周面32fとをさらに有する。端面32eは、側壁部32の軸方向の一端を構成する面である。端面32eは、中芯部30と側壁部32との間の凹状隙間36の開口縁に形成されており、側壁部32の軸方向に垂直な方向に沿って延在している。端面32eは、巻回部20の第1端20aよりも、Z軸に沿って一方側(Z軸正方向側)に位置する。そのため、例えば、側壁部32の第2面32b側から、側壁部32をX軸に沿って見たとき、第1端20aは、側壁部32(第2面32b)で隠れており、第2面32b側に露出していない。
【0030】
内周面32fは、中芯部30の外周面30cに沿って延在している。内周面32fをZ軸方向から見た形状は、円形であるが、例えば、四角形、八角形、あるいはその他の多角形でもよい。
【0031】
図5に示すように、底壁部34は、底面34aと、設置面34bとを有する。底面34aは、凹状隙間36の底に形成されており、中芯部30の周方向に沿って延在している。底面34aには、巻回部20の第2端20bが配置される。ただし、底面34aと第2端20bとの間には、接着剤などの樹脂10が充填されていてもよい。
【0032】
設置面34bは、Z軸に沿って、底面34aとは反対側に位置する。設置面34bは、中芯部30または側壁部32の軸方向に垂直な面である。また、設置面34bは、コイル装置1が設置される基板(図示略)と対向する面である。本実施形態では、設置面34bを、コイル装置1の設置面と呼ぶ場合がある。
【0033】
図2および図3に示すように、凹状隙間36は、中芯部30の外周面30cと側壁部32の内周面32fとで挟まれた隙間であり、中芯部30の周方向に沿って延在している。凹状隙間36には、巻回部20が収容されている。凹状隙間36には、中芯部30の外周面30cに巻回部20の内周面20c(図4)を接着するための樹脂10が充填されてもよい(図5参照)。
【0034】
図2および図3に示すように、側壁部32の軸方向の一端(端面32e)には、側壁部32の軸方向の他端に向かって切り欠かれた切り欠き部6aおよび6bが形成されている。切り欠き部6aおよび6bは、側壁部32の周方向に沿って延在している。また、切り欠き部6aおよび6bは、側壁部32の径方向に沿って、側壁部32の内周面32fから外周面(第1面32a、第3面32c、第4面32d)にかけて延在している。切り欠き部6aまたは6bによって切り欠かれた側壁部32の内周面32fの周方向の長さは、ワイヤ2の線径の2倍以上、4倍以上、6倍以上、8倍以上あるいは10倍以上でもよい。
【0035】
切り欠き部6aには、引出部21が通過しており、切り欠き部6bには、引出部22が通過している。引出部21は、切り欠き部6aを介して、側壁部32の径方向の内側から外側へ向けて引き出されている。また、引出部22は、切り欠き部6bを介して、側壁部32の径方向の内側から外側へ向けて引き出されている。
【0036】
切り欠き部6aと切り欠き部6bとは、側壁部32の周方向に沿って離間している。切り欠き部6aおよび6bは、全体として、側壁部32のX軸方向の中央よりも、第1面32a側に位置している。切り欠き部6aは、全体として、側壁部32のY軸方向の中央よりも、第3面32c側に位置している。また、切り欠き部6bは、全体として、側壁部32のY軸方向の中央よりも、第4面32d側に位置している。
【0037】
例えば、側壁部32の端面32eの1/8以上が、切り欠き部6aまたは6bによって、切り欠かれていてもよい。あるいは、側壁部32の端面32eの1/6以上が、切り欠き部6aまたは6bによって、切り欠かれていてもよい。あるいは、側壁部32の端面32eの1/5以上が、切り欠き部6aまたは6bによって、切り欠かれていてもよい。
【0038】
また、例えば、側壁部32の端面32eの1/4以上が、切り欠き部6aおよび6bによって、切り欠かれていてもよい。あるいは、側壁部32の端面32eの1/3以上が、切り欠き部6aおよび6bによって、切り欠かれていてもよい。
【0039】
切り欠き部6aと切り欠き部6bとは、同一形状を有するが、異なる形状を有していてもよい。例えば、切り欠き部6aおよび6bの一方が、他方よりも、側壁部32の周方向に沿って、より長い距離で延在していてもよい。
【0040】
切り欠き部6aは、側壁部32の周方向に沿って、第1面32aから第3面32cにかけて連続的に形成されている。切り欠き部6aは、側壁部32の複数の面に跨って形成されており、第1面32aと第3面32cとの間の稜線部は、切り欠き部6aによって切り欠かれている。切り欠き部6aの延在方向の一端である第1端61は、第3面32cのX軸方向の中央部に位置する。ここで、第3面32cのX軸方向の中央部には、第3面32cのX軸方向の中央から、第3面32cのX軸方向の長さの5~10%ほど、X軸正方向側またはX軸負方向側に位置ずれした位置が含まれる。なお、第1端61は、X軸に沿って、第3面32cの中央部よりも第1面32a側に位置していてもよく、あるいは第2面32b側に位置していてもよい。
【0041】
切り欠き部6aの延在方向の他端である第2端62は、第1面32aのY軸方向の中央よりも、第3面32c側に、Y軸に沿って所定距離だけ離間した位置に位置する。ここで、所定距離とは、例えば、第1面32aのY軸方向の長さの5~30%に相当する距離である。
【0042】
切り欠き部6aの第1端61は、巻回部20における引出部21の引出位置23から、巻回部20の径方向に沿って離間した位置(当該位置の近傍も含む)に位置していてもよい。ここで、上記位置の近傍には、上記位置から、X軸に沿って、第3面32cのX軸方向の長さの5~10%ほど位置ずれした位置が含まれる。
【0043】
切り欠き部6bは、側壁部32の周方向に沿って、第1面32aから第4面32dにかけて連続的に形成されている。切り欠き部6bは、側壁部32の複数の面に跨って形成されており、第1面32aと第4面32dとの間の稜線部は、切り欠き部6bによって切り欠かれている。切り欠き部6bの延在方向の一端である第1端61は、第4面32dのX軸方向の中央部に位置する。ここで、第4面32dのX軸方向の中央部には、第4面32dのX軸方向の中央から、第4面32dのX軸方向の長さの5~10%ほど、X軸正方向側またはX軸負方向側に位置ずれした位置が含まれる。なお、第1端61は、X軸に沿って、第4面32dの中央部よりも第1面32a側に位置していてもよく、あるいは第2面32b側に位置していてもよい。
【0044】
切り欠き部6bの延在方向の他端である第2端62は、第1面32aのY軸方向の中央よりも、第4面32d側に、Y軸に沿って所定距離だけ離間した位置に位置する。ここで、所定距離とは、例えば、第1面32aのY軸方向の長さの5~30%に相当する距離である。
【0045】
切り欠き部6bの第1端61は、巻回部20における引出部22の引出位置23から、巻回部20の径方向に沿って離間した位置(当該位置の近傍も含む)に位置していてもよい。ここで、上記位置の近傍には、上記位置から、X軸に沿って、第4面32dのX軸方向の長さの5~10%ほど位置ずれした位置が含まれる。
【0046】
図2および図3に示すように、引出部21の少なくとも一部は、切り欠き部6aを通じて、図2中のD1方向に向けて露出している。ここで、D1方向は、引出部21の延在方向および側壁部32の軸方向(Z軸方向)に垂直な方向である。そのため、D1方向から見て、引出部21の少なくとも一部は、側壁部32(第3面32c)で隠れておらず、切り欠き部6aを通じて外部に(第3面32c側に)露出している。なお、引出部21の延在方向が、X軸方向である場合、引出部21の少なくとも一部は、切り欠き部6aを通じて、Y軸方向に向けて露出する。また、Y軸方向から見て、引出部21の少なくとも一部は、側壁部32(第3面32c)で隠れることなく、切り欠き部6aを通じて外部に(第3面32c側に)露出する。
【0047】
本実施形態では、切り欠き部6aの第1端61と第2端62との間の側壁部32の周方向に沿った区間(あるいは、切り欠き部6aの第1端61と側壁部32の第1面32aとの間のX軸に沿った区間)において、引出部21の一部が、D1方向(Y軸方向、あるいはY軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)から見て、切り欠き部6aを通じて外部に露出している。しかしながら、当該区間において、引出部21の全部が、D1方向から見て、切り欠き部6aを通じて外部に露出していてもよい。この場合、D1方向から見て、引出部21の全部が、側壁部32(第3面32c)で隠れることになる。
【0048】
引出部21の少なくとも一部は、切り欠き部6aを通じて、引出部21の延在方向(X軸方向、あるいはX軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)に向けて露出している。そのため、引出部21の延在方向から見て、引出部21の少なくとも一部は、側壁部32(第1面32a)で隠れておらず、切り欠き部6aを通じて外部に(第1面32a側に)露出している。
【0049】
切り欠き部6aの少なくとも一部は、引出部21よりもD1方向の外側において、引出部21に対して並列に配置されている。また、切り欠き部6aは、引出部21と交差するように、側壁部32の周方向に沿って延在している。
【0050】
D1方向から見て、引出部21の少なくとも一部(本実施形態では、引出部21の一部)は、側壁部32の軸方向に沿って、切り欠き部6aの底部60よりも端面32e側に位置している。ただし、引出部21の全部が、側壁部32の軸方向に沿って、底部60よりも端面32e側に位置していてもよい。また、引出部21の一部が、底部60に接するように配置されていてもよい。
【0051】
引出部22の少なくとも一部は、切り欠き部6bを通じて、図2中のD2方向に向けて露出している。ここで、D2方向は、引出部22の延在方向および側壁部32の軸方向(Z軸方向)に垂直な方向である。そのため、D2方向から見て、引出部22の少なくとも一部は、側壁部32(第4面32d)で隠れておらず、切り欠き部6bを通じて外部に(第4面32d側に)露出している。なお、引出部22の延在方向が、X軸方向である場合、引出部22の少なくとも一部は、切り欠き部6bを介して、Y軸方向に向けて露出する。また、Y軸方向から見て、引出部22の少なくとも一部は、側壁部32(第4面32d)で隠れることなく、切り欠き部6bを通じて外部に(第4面32d側に)露出する。
【0052】
本実施形態では、切り欠き部6bの第1端61と第2端62との間の側壁部32の周方向に沿った区間(あるいは、切り欠き部6bの第1端61と側壁部32の第1面32aとの間のX軸に沿った区間)において、引出部22の全部が、D2方向(Y軸方向、あるいはY軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)から見て、切り欠き部6bを通じて外部に露出している。しかしながら、当該区間において、引出部22の一部が、D2方向から見て、切り欠き部6bを通じて外部に露出していてもよい。この場合、D2方向から見て、引出部22の一部が、側壁部32(第4面32d)で隠れることになる。
【0053】
引出部22の少なくとも一部は、切り欠き部6bを通じて、引出部22の延在方向(X軸方向、あるいはX軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)に向けて露出している。そのため、引出部22の延在方向から見て、引出部22の少なくとも一部は、側壁部32(第1面32a)で隠れておらず、切り欠き部6bを通じて外部に(第1面32a側に)露出している。
【0054】
切り欠き部6bの少なくとも一部は、引出部22よりもD2方向の外側において、引出部22に対して並列に配置されている。また、切り欠き部6bは、引出部22と交差するように、側壁部32の周方向に沿って延在している。
【0055】
D2方向から見て、引出部22の少なくとも一部(本実施形態では、引出部21の全部)は、側壁部32の軸方向に沿って、切り欠き部6bの底部60よりも端面32e側に位置する。なお、引出部22の一部が、側壁部32の軸方向に沿って、底部60よりも端面32e側に位置していてもよい。また、引出部22の一部が、底部60に接するように配置されていてもよい。
【0056】
巻回部20の巻軸方向の少なくとも一部(例えば、巻回部20の第1端20a、あるいはその近傍)は、切り欠き部6aを通じて、D1方向(Y軸方向、Y軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)に向けて露出している。そのため、D1方向から見て、巻回部20の少なくとも一部は、側壁部32(第3面32c)で隠れておらず、切り欠き部6aを通じて外部に(第3面32c側に)露出している。
【0057】
また、巻回部20の巻軸方向の少なくとも一部(例えば、巻回部20の第1端20a、あるいはその近傍)は、切り欠き部6bを通じて、D2方向(Y軸方向、あるいはY軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)に向けて露出している。そのため、D2方向から見て、巻回部20の少なくとも一部は、側壁部32(第4面32d)で隠れておらず、切り欠き部6bを通じて外部に(第4面32d側に)露出している。
【0058】
巻回部20の巻軸方向の少なくとも一部は、切り欠き部6aおよび6bを介して、引出部21および22の延在方向(X軸方向、あるいはX軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)に向けて露出している。そのため、引出部21および22の延在方向から見て、巻回部20の少なくとも一部は、側壁部32(第1面32a)で隠れておらず、切り欠き部6aおよび6bを通じて外部に(第1面32a側に)露出している。
【0059】
D1方向から見て、巻回部20の巻軸方向の少なくとも一部は、側壁部32の軸方向に沿って、切り欠き部6aの底部60よりも端面32e側に位置している。また、D2方向から見て、巻回部20の巻軸方向の少なくとも一部は、側壁部32の軸方向に沿って、切り欠き部6bの底部60よりも端面32e側に位置している。
【0060】
図2および図3に示すように、側壁部32は、凸部7をさらに有していてもよい。凸部7は、側壁部32の外周面(第1面32a)から、その径方向の外側に突出している。凸部7の少なくとも一部は、側壁部32の周方向に沿って、切り欠き部6aと切り欠き部6bとの間に位置する。凸部7は、第1部分71を有する。凸部7は、第1部分71にZ軸に沿って連続する第2部分72をさらに有していてもよい。
【0061】
第1部分71は、側壁部32の外周面から、その径方向の外側に突出している。第1部分71は、第1面32aのY軸方向の中央部に形成されている。ただし、第1面32aのY軸方向の中央部は、側壁部32の周方向に沿った第1面32aの中央部に対応している。第1部分71は、側壁部32の軸方向に沿って、底壁部34の設置面34b(図5)から切り欠き部6aおよび6bの底部60まで延在している。第1部分71のY軸方向の両側には、傾斜面73が形成されている。一方の傾斜面73と他方の傾斜面73との間の間隔は、側壁部32の径方向の外側に向かうにしたがって狭くなっている。そのため、第1部分71は、側壁部32の径方向の外側に向かうにしたがって先細となる先細形状を有する。
【0062】
第2部分72は、切り欠き部6aおよび6bの底部60から、側壁部32の軸方向の一方側(コイル装置1の設置面とは反対側)に向かって突出している。第2部分72のY軸方向の長さは、第1部分71(ただし、傾斜面73を含む)のY軸方向の長さよりも短い。第2部分72のZ軸に沿った突出長は、ワイヤ2の線径よりも大きく、ワイヤ2の線径の2倍以上、4倍以上、6倍以上、8倍以上、あるいは10倍以上でもよい。第2部分72の頂面は、側壁部32の端面32eの一部を構成している。そのため、後述するように、第2コア4を端面32eに配置(接着)する場合において、端面32eに対する第2コア4の安定性(接着強度)を確保することができる。
【0063】
第2部分72は、側壁部32の周方向に沿って、切り欠き部6aの第2端62と切り欠き部6bの第2端62との間に位置する。また、第2部分72は、側壁部32の周方向に沿って、引出部21と引出部22との間に位置する。そのため、第2部分72によって、引出部21と引出部22との間の絶縁を図りやすくなる。
【0064】
側壁部32は、側壁部32の周方向(すなわち、Y軸方向)に沿って凸部7に隣接する凹部74aおよび74bをさらに有していてもよい。凹部74aおよび74bの各々は、第1面32aと、第1面32aに対して交差(傾斜)する傾斜面73とによって画定されている。凹部74aは、凸部7よりも、Y軸方向の一方側に位置する。凹部74bは、凸部7よりも、Y軸方向の他方側に位置する。凹部74aおよび74bは、側壁部32の内周面32f側に凹んでいる。また、凹部74aおよび74bは、側壁部32の軸方向に沿って、底壁部34の設置面34b(図5)から切り欠き部6aおよび6bの底部60まで延在している。
【0065】
図2および図3に示すように、端子5aおよび5bは、金属などの板状の導体で形成されており、側壁部32の外周面に取り付けられている。端子5aは、側壁部32の第1面32aおよび第3面32cと、底壁部34の設置面34b(図5)とに跨って取り付けられている。端子5bは、側壁部32の第1面32aおよび第4面32dと、底壁部34の設置面34bとに跨って取り付けられている。
【0066】
図4に示すように、端子5aは、引出部21に接続される継線部53を有する。端子5aは、例えば、設置部50と、第1側部51と、第2側部52と、かしめ部54とをさらに有していてもよい。端子5bは、引出部22に接続される継線部53を有する。端子5bは、例えば、設置部50と、第1側部51と、第2側部52と、かしめ部54とをさらに有していてもよい。
【0067】
図5(適宜、図3も参照)に示すように、端子5aの設置部50は、第3面32c側で、底壁部34の設置面34bに配置されている。端子5bの設置部50は、第4面32d側で、底壁部34の設置面34bに配置されている。設置部50は、コイル装置1が設置される基板(図示略)に対して、ハンダや導電性接着剤などを介して接続される。
【0068】
図2および図4(適宜、図3も参照)に示すように、第1側部51は、設置部50に連続しており、設置部50に対して直交する方向に延在している。第1側部51は、他の部分よりも、Z軸に沿って幅が狭くなる幅狭部51aを有していてもよい。端子5aの第1側部51は、第3面32cに配置されており、端子5bの第1側部51は、端子5aの第1側部51とY軸に沿って対向するように、第4面32dに配置されている。第1側部51には、例えばハンダなどのフィレットが形成されてもよい。
【0069】
第2側部52は、第1側部51に連続しており、第1側部51に対して直交する方向に延在している。端子5aの第1側部51は、凸部7よりもY軸方向の一方側で、第1面32aに配置されている。端子5bの第1側部51は、凸部7よりもY軸方向の他方側で、第1面32aに配置されている。
【0070】
継線部53は、第2側部52に連続しており、第2側部52に対して直交する方向に延在している。端子5aの継線部53には、引出部21が溶接により接続されており、端子5bの継線部53には、引出部22が溶接により接続されている。継線部53には、溶融部(溶接玉)11が形成されている。なお、引出部21または22を、継線部53に対して、例えばレーザ溶接、ハンダ、導電性接着剤、熱圧着、超音波接合、抵抗ろう付けまたは紫外線硬化樹脂接合等によって接続してもよい。
【0071】
端子5aの継線部53と端子5bの継線部53とは、ともに、引出部21および22の延在方向(X軸方向、あるいはX軸に対してXY面に沿って傾斜した方向)に沿って、同一側(側壁部32の第1面32a側)に配置されている。そのため、ワイヤ2のフォーミングを抑えつつ、引出部21および22を巻回部20から引き出し、さらに、それぞれ端子5aの継線部53と端子5bの継線部53とに接続することができる。なお、端子5aおよび5bの各々の継線部53の位置は、図2および図4に示す位置に限定されない。
【0072】
側壁部32の軸方向から見て、端子5aの継線部53は、凹部74aの範囲内(凹部74aの内側)に配置されている。また、側壁部32の軸方向から見て、端子5bの継線部53は、凹部74bの範囲内(凹部74bの内側)に配置されている。そのため、側壁部32の径方向に沿って、端子5aおよび5bの各々の継線部53は、側壁部32の外周面から、その径方向に離間した位置に配置されにくくなる。そのため、コイル装置1の小型化を図ることができる。なお、継線部53の一部が、凹部54aまたは54bの範囲外(凹部54aまたは54bの外側)に配置されていてもよい。
【0073】
かしめ部54は、継線部53に連続しており、継線部53に対して折曲可能に形成されている。端子5aのかしめ部54は、引出部21をかしめており、引出部21は、端子5aのかしめ部54と継線部53との間に挟み込まれている。端子5bのかしめ部54は、引出部22をかしめており、引出部22は、端子5bのかしめ部54と継線部53との間に挟み込まれている。溶融部11は、継線部53に加えて、かしめ部54に形成されていてもよい。
【0074】
図1および図2(適宜、図3も参照)に示すように、第2コア4は、板状のコアであり、側壁部32の端面32eに取り付けられている。第2コア4は、磁性体と樹脂とを含む材料で形成されている。本実施形態では、第2コア4は、第1コア3とは異なる材料で構成されており、主として、フェライト粒子を含んでいる。第2コア4は、フェライトの焼結体であるが、フェライト粒子を含むものであればこれに限定されない。第2コア4は、フェライト粒子に代えて、金属磁性体粒子を主として含んでいてもよい。あるいは、第2コア4は、金属磁性体の焼結体でもよい。本実施形態では、第2コア4を構成する材料は、第1コア3を構成する材料とは異なっているが、同一でもよい。第2コア4の透磁率は、特に限定されないが、第1コア3の透磁率の5倍以上である。また、第2コア4の板厚は、特に限定されないが、側壁部32の軸方向の高さの15%以上である。第2コア4の透磁率および板厚を上記の範囲に設定することにより、磁気飽和の発生を防止することができる。
【0075】
第2コア4は、取付面40を有する。取付面40は、側壁部32の端面32eに接着剤等によって取り付けられている。取付面40は、端面32eのうち、例えば図2中の二点鎖線で示す領域に局所的に接着されている。ただし、取付面40は、端面32eの全域に接着されていてもよい。
【0076】
図6に示すように、巻回部20は、境界領域8を有する。境界領域8は、巻回部20の巻軸に沿って、巻回部20を分割区画9aと分割区画9bとに分割している。分割区画9aと分割区画9bとは、境界領域8を介して、巻回部20の巻軸に沿って隣接している。分割区画9aは、境界領域8を介して、巻回部20の巻軸に沿って、分割区画9bに積層されている。分割区画9aと分割区画9bとは、境界領域8を介して接しているが、物理的に分離していてもよい。本実施形態では、巻回部20は、1つの境界領域8を有するが、複数の境界領域8を有していてもよい。また、巻回部20は、3つ以上の分割区画に分割されていてもよい。
【0077】
分割区画9aは、第1端91aと、巻回部20の巻軸に沿って第1端91aとは反対側の第2端92aとを有する。分割区画9bは、第1端91bと、巻回部20の巻軸に沿って第1端91bとは反対側の第2端92bとを有する。分割区画9aの第1端91aと分割区画9bの第2端92bとは、互いに巻回部20の巻軸に沿って反対側に位置する。第2端92bは、第1端91bよりも、底壁部34の設置面34b(図5)に近接している。また、第2端92bは中芯部30の第2端30bの近傍に位置し、第1端91aは中芯部30の第1端30aの近傍に位置する。
【0078】
ワイヤ2は、分割区画9aにおいて、第1端91aから第2端92aに向かって巻回されている。また、ワイヤ2は、分割区画9bにおいて、第1端91bから第2端92bに向かって巻回されている。ワイヤ2は、全体として、分割区画9aの第1端91aから分割区画9bの第2端92bに向かって巻回されている。ただし、ワイヤ2の巻回態様はこれに限定されず、例えば、ワイヤ2が、全体として、分割区画9bの第2端92bから分割区画9aの第1端91aに向かって巻回されていてもよい。境界領域8は、分割区画9aの第2端92aと、分割区画9bの第1端91bとの間に位置し、巻回部20の径方向に沿って延在している。
【0079】
分割区画9aにおいて、ワイヤ2は、巻回部20の巻軸に垂直な方向(巻回部20の径方向)に積層されつつ、巻軸に沿って往復するように連続して巻回されている。より詳細には、図6中の矢印で示すように、分割区画9aにおいて、巻回部20の径方向の1層目では、ワイヤ2は、中芯部30の外周面30cに沿って、巻回部20の巻軸方向の一方側(中芯部30の第2端30b側)に巻回されている。また、巻回部20の径方向の2層目では、ワイヤ2は、1層目の外周面に沿って、巻回部20の巻軸方向の他方側(中芯部30の第1端30a側)に巻回されている。また、巻回部20の径方向の3層目では、ワイヤ2は、2層目の外周面に沿って、巻回部20の巻軸方向の一方側に巻回されている。このように、分割区画9aでは、巻回部20は、その径方向に沿って奇数層(3層)で構成されており、巻回部20の径方向の1層目、2層目および3層目の各々において、巻回方向が反転している。
【0080】
分割区画9bにおいて、ワイヤ2は、巻回部20の巻軸に垂直な方向(巻回部20の径方向)に積層されつつ、巻軸に沿って往復するように連続して巻回されている。より詳細には、図6中の矢印で示すように、分割区画9bにおいて、巻回部20の径方向の1層目では、ワイヤ2は、中芯部30の外周面30cに沿って、巻回部20の巻軸方向の一方側(中芯部30の第2端30b側)に巻回されている。また、巻回部20の径方向の2層目では、ワイヤ2は、1層目の外周面に沿って、巻回部20の巻軸方向の他方側(中芯部30の第1端30a側)に巻回されている。また、巻回部20の径方向の3層目では、ワイヤ2は、2層目の外周面に沿って、巻回部20の巻軸方向の一方側に巻回されている。このように、分割区画9bでは、巻回部20は、その径方向に沿って奇数層(3層)で構成されており、巻回部20の径方向の1層目、2層目および3層目の各々において、巻回方向が反転している。
【0081】
なお、図10に示す従来のコイル装置の巻回態様とは異なり、図6に示すワイヤ2は、巻回部20の径方向の1層目において、中芯部30の第1端30aから第2端30bまで、連続的に巻回されていない。また、ワイヤ2は、巻回部20の径方向の2層目において、中芯部30の第2端30bから第1端30aまで、連続的に巻回されていない。また、ワイヤ2は、巻回部20の径方向の3層目において、中芯部30の第1端30aから第2端30bまで、連続的に巻回されていない。すなわち、図6に示すように、巻回部20の径方向の1層目、2層目および3層目の各々は、境界領域8を介して、巻回部20の巻軸に沿って分割区画9aと分割区画9bとに分断されている。そして、分割区画9aおよび9bの各々において、仮想的な1つの巻回部が形成され、仮想的な2つの巻回部が、中芯部30の軸方向に沿って配置されている。
【0082】
分割区画9aにおけるワイヤ2の巻終端と、分割区画9bにおけるワイヤ2の巻始端とは、ワイヤ2の連結部24を介して連続している。分割区画9aにおけるワイヤ2の巻終端は、分割区画9aの第2端92aにおいて、巻回部20の径方向の3層目(最外層)に位置する。分割区画9bにおけるワイヤ2の巻始端は、分割区画9bの第1端91bにおいて、巻回部20の径方向の1層目に位置する。連結部24は、分割区画9aと分割区画9bとを跨ぐように、分割区画9aにおける巻回部20の径方向の3層目から、分割区画9bにおける巻回部20の径方向の1層目に向けて延在している。
【0083】
ワイヤ2は、分割区画9aにおいて往復巻きされ、さらに、連結部24を介して、分割区画9aから分割区画9bへ向かって巻回されている。上述したように、分割区画9aでは、巻回部20は、その径方向に沿って奇数層(3層)で構成されている。そのため、分割区画9aでワイヤ2を往復巻きするにあたり、分割区画9aにおける巻回部20の径方向の最外層(3層目)では、ワイヤ2の巻回方向を途中で反転させることなく、連結部24を介して、分割区画9aから分割区画9bへワイヤ2をスムーズに移行させることができる。なお、巻回部20の径方向の層数は、3層に限定されず、奇数層であれば、5層以上でもよい。また、本開示において、巻回部20の径方向の層数が奇数であることは必須ではない。
【0084】
引出部22は、分割区画9aにおいて、巻回部20の径方向の1層目から引き出されている。引出部21は、分割区画9bにおいて、巻回部20の径方向の最外層(3層目)から引き出されている。本実施形態では、引出部21の引出位置は、中芯部30の第2端30bに近接する位置に位置している。また、引出部21の引出位置は、分割区画9bの第2端92bに位置している。ただし、引出部21の引出位置は、巻回部20の径方向の3層目において、分割区画9bの第1端91bに位置していてもよく、あるいは分割区画9bの第1端91bと第2端92bとの間に位置していてもよい。また、引出部21は、分割区画9b(例えば、第2端92b)において、巻回部20の径方向の1層目から引き出されていてもよい。また、引出部22は、分割区画9a(例えば、第1端91a)において、巻回部20の径方向の最外層(3層目)から引き出されていてもよい。
【0085】
次に、コイル装置1の製造方法について説明する。まず、図2に示す第1コア3と、第2コア4と、端子5aおよび5bとを準備する。次に、接着剤等によって、端子5aおよび5bを、図2に示す第1コア3の外周面の所定の位置に接着する。次に、図6に示すように、境界領域8と分割区画9aおよび9bとを備えた巻回部20を有するワイヤ2を準備する。次に、図2に示すように、巻回部20を第1コア3の中芯部30に配置する。次に、図4に示すように、引出部21を端子5aのかしめ部54でかしめ、継線部53に溶接等によって接続する。また、引出部22を端子5bのかしめ部54でかしめ、継線部53に溶接等によって接続する。
【0086】
次に、図5に示すように、凹状隙間36に樹脂10を充填する。例えば、巻回部20の第1端20aに樹脂10が付着するように、凹状隙間36に樹脂10を流し込む。これにより、中芯部30の外周面30cと巻回部20の内周面20cとの間に樹脂10が充填される。また、巻回部20の第2端20bと底壁部34の底面34aとの間に樹脂10が充填される。ただし、樹脂10の充填範囲は、これに限定されず、例えば、巻回部20の外周面20dと側壁部32の内周面32fとの間に樹脂10が充填されてもよい。
【0087】
次に、図1および図2に示すように、接着剤等によって、側壁部32の端面32eに第2コア4を接着する。以上のようにして、図1に示すコイル装置1を製造することができる。なお、コイル装置1の寸法は特に限定されないが、X軸方向の長さは例えば2~20mmであり、Y軸方向の長さは例えば2~20mmであり、Z軸方向の長さは例えば1~10mmである。
【0088】
図6に示すように、本開示のコイル装置1では、巻回部20が、その巻軸に沿って巻回部20を複数の分割区画(本実施形態では、2つの分割区画9aおよび9b)に分割する少なくとも1つの境界領域8(本実施形態では、1つの境界領域8)を有する。そのため、巻回部20は、少なくとも1つの境界領域8によって、巻軸に沿って、第一の分割区画、第二の分割区画、・・・、第nの分割区画(n≧2)に分割される。このように、巻回部20が複数の分割区画に分割されることにより、例えば、第一の分割区画(分割区画9a)のいずれかのターンと、第二の分割区画(分割区画9b)のいずれかのターンとの間で、線間浮遊容量を低減することが可能になると考えられる。これにより、高周波帯において、インピーダンスの周波数特性の広帯域化を図ることができる。
【0089】
図7において、グラフiは、本実施形態のコイル装置1のインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。また、グラフiiは、従来のコイル装置のインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。本実施形態のコイル装置1では、図6に示すように、巻回部20は、境界領域8を介して、分割区画9aと分割区画9bとに分割されている。他方、従来のコイル装置1では、図10に示すように、ワイヤ2は、中芯部30の軸方向に沿って、中芯部30の第1端30aと第2端30bとの間を往復するように巻回されている。すなわち、従来のコイル装置では、巻回部20は、境界領域8を有していない。
【0090】
図7のグラフiとグラフiiとを対比すれば明らかなように、本実施形態のコイル装置1では、従来のコイル装置に比べて、インピーダンスの周波数特性が高周波帯まで延びており、高周波帯(例えば、1MHz以上)において、インピーダンスの周波数特性の広帯域化を図ることができる。
【0091】
また、図5に示すように、巻回部20の巻軸は、コイル装置1の設置面(底壁部34の設置面34b)に対して垂直に配置されている。そのため、コイル装置1の設置面積を低減することができる。また、本実施形態のように、第1コア3の中芯部30に巻回部20を配置する場合には、中芯部30を太径化することができる。これにより、巻回部20に流れる電流値を増大させ、高周波帯において、インピーダンスの周波数特性のさらなる広帯域化を図ることができる。
【0092】
また、図6に示すように、ワイヤ2は、複数の分割区画の少なくとも1つ(本実施形態では、分割区画9aおよび9b)において、巻回部20の巻軸に垂直な方向に積層されつつ、巻軸に沿って往復するように連続して巻回されている。そのため、巻回部20の巻軸に垂直な方向(巻回部20の径方向)に沿って、複数の層を有する分割区画9aおよび9bが形成され、コイル装置1のインダクタンス値を確保しやすくなる。また、巻回部20の巻軸に垂直な方向(巻回部20の径方向)に沿って、境界領域8を形成することが可能となり、境界領域8を介して隣接する一方の分割区画9aのいずれかのターンと、他方の分割区画9bのいずれかのターンとの間で、線間浮遊容量を低減することができる。
【0093】
また、複数の分割区画は、境界領域8を介して隣接する分割区画9aと分割区画9bとを有する。そして、分割区画9aにおけるワイヤ2の巻終端と、分割区画9bにおけるワイヤ2の巻始端とは、ワイヤ2の連結部24を介して連続されている。そのため、単一のワイヤ2を連続的に巻回しつつ、分割区画9aと分割区画9bとを有する巻回部20を形成することができる。
【0094】
また、ワイヤ2は、コイル装置1の設置面(底壁部34の設置面34b)に向かって、分割区画9aの第1端91aから、第1端91aとは巻軸に沿って反対側に位置する分割区画9bの第2端92bに向かって巻回されている。そのため、分割区画9aでワイヤ2を往復巻きする場合において、分割区画9aにおける巻回部20の径方向の最外層(奇数番目(本実施形態では3番目)の層)では、第1端91aから第2端92bに向かう方向、すなわち分割区画9aから分割区画9bに向かう方向にワイヤ2を巻回することができる。そのため、分割区画9aから分割区画9bへ向けてワイヤ2を巻回しつつ、連結部24を介して、分割区画9aから分割区画9bへワイヤ2をスムーズに移行させることができる。
【0095】
また、コイル装置1は、巻回部20が設けられる中芯部30を備えた第1コア3を有する。そのため、コイル装置1のインダクタンス特性を良好に確保することができる。また、中芯部30の径方向の長さに応じて、巻回部20に流れる電流値を調整することができる。
【0096】
(第2実施形態)
図8に示す第2実施形態のコイル装置1Aは、以下に示す点を除いて、第1実施形態のコイル装置1と同様の構成を有する。第1実施形態のコイル装置1と重複する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。なお、図8では、コイル装置1Aのうち、主として、巻回部20Aの構成を図示している。
【0097】
本実施形態では、巻回部20Aは、分割区画9bにおいて、その径方向に沿って偶数層(4層)で構成されている。また、引出部21は、分割区画9aおよび9bのうち、分割区画9bにおいて、巻回部20Aの径方向の最外層(4層目)から引き出されている。このように、分割区画9bにおいて、巻回部20Aをその径方向に沿って偶数層で構成した場合、分割区画9bにおいて、巻回部20Aの径方向の最外層では、第2端92bから第1端91bに向けて(中芯部30の第2端30bから境界領域8に向けて)、ワイヤ2Aを巻回することができる。これにより、ワイヤ2Aのターン数を確保することが可能となり、コイル装置1Aのインダクタンス値を確保することができる。また、巻回部20Aの巻軸に沿って、引出部21の引出位置を第1端91b側に調整することができる。
【0098】
また、引出部21は、分割区画9bにおいて、境界領域8に隣接する位置(第1端91b)で、巻回部20Aの径方向の最外層から引き出されている。そのため、分割区画9bでは、巻回部20Aの径方向の最外層(4層目)において、ワイヤ2Aを境界領域8に隣接する位置まで(すなわち、第2端92bから第1端91bまで)巻回することができる。これにより、コイル装置1Aのインダクタンス値を確保することができる。
【0099】
なお、引出部21は、分割区画9bの第1端91bから引き出されているが、引出部21の引出位置はこれに限定されない。引出部21は、第1端91bに位置するターンの隣のターン(すなわち、巻回部20の軸方向に沿って、第2端92b側に隣接するターン)で引き出されていてもよい。また、引出部21の引出位置は、巻回部20Aの径方向の4層目において、分割区画9bの第2端92bに位置していてもよく、あるいは分割区画9bの第1端91bと第2端92bとの間に位置していてもよい。
【0100】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られ、図7のグラフiで示した第1実施形態のコイル装置1のインピーダンスの周波数特性と同様の周波数特性を得ることができる。
【0101】
(第3実施形態)
図9に示す第3実施形態のコイル装置1Bは、以下に示す点を除いて、第2実施形態のコイル装置1Aと同様の構成を有する。第2実施形態のコイル装置1Aと重複する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。なお、図9では、コイル装置1Bのうち、主として、巻回部20Bの構成を図示している。
【0102】
本実施形態においても、引出部21は、境界領域8に隣接する位置で、巻回部20Bの径方向の最外層(4層目)から引き出されている。ただし、本実施形態では、第2実施形態とは異なり、ワイヤ2Bは、巻回部20Bの径方向の最外層において、中芯部30の軸方向に沿って、境界領域8を分割区画9b側から分割区画9a側に跨ぐように巻回されている。そのため、引出部21は、分割区画9aにおいて、巻回部20Bの径方向の最外層から引き出されている。
【0103】
なお、引出部21は、分割区画9aの第1端91aと第2端92aとの間の位置から引き出されているが、引出部21の引出位置は、これに限定されない。引出部21は、分割区画9aの第2端92aから引き出されていてもよく、あるいは分割区画9aの第1端91aから引き出されていてもよい。
【0104】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、引出部21の引出位置を、巻回部20Bの巻軸に沿って、分割区画9aの第1端91a側に調整することができる。
【0105】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々に改変することができる。
【0106】
図2に示すように、上記第1実施形態では、第1コア3は、ポットコアで構成されていたが、ポットコア以外のコア(例えば、圧粉成形により成形される圧粉コア)で構成されていてもよい。この場合、金型の内部に巻回部20を設置するとともに、磁性体と樹脂とを含む材料を金型の内部に充填し、これを圧縮することにより、第1コア3を形成してもよい。上記第2実施形態および第3実施形態についても同様である。
【0107】
上記第1実施形態では、巻回部20の巻軸は、コイル装置1の設置面に対して垂直に配置されていたが、コイル装置1の設置面に対して平行に配置されていてもよい。上記第2実施形態および第3実施形態についても同様である。
【0108】
図2に示すように、上記第1実施形態では、D1方向から見て、引出部21の少なくとも一部が、切り欠き部6aを通じて外部に露出していた。また、D2方向から見て、引出部22の少なくとも一部が、切り欠き部6bを通じて外部に露出していた。しかしながら、本開示において、これらの構成は必須ではない。D1方向から見て、引出部21は、側壁部32(第3面32c)で隠れていてもよい。また、D2方向から見て、引出部22は、側壁部32(第4面32d)で隠れていてもよい。
【0109】
上記第1実施形態では、図6に示すように、巻回部20は、1つの境界領域8を有していたが、2つ以上の境界領域8を有していてもよい。また、巻回部20は、2つの分割区画(分割区画9aおよび9b)を有していたが、3つ以上の分割区画を有していてもよい。上記第2実施形態および第3実施形態についても同様である。
【0110】
上記第1実施形態では、ワイヤ2は、複数の分割区画の各々(本実施形態では、分割区画9aおよび9bの各々)において、巻回部20の巻軸に沿って、往復するように連続して巻回されていた。しかしながら、ワイヤ2は、複数の分割区画のいずれか(例えば、分割区画9aのみ)において、巻回部20の巻軸に沿って、往復するように連続して巻回されていてもよい。また、ワイヤ2は、分割区画9bにおいて、巻回部20の径方向に沿って単層で構成されていてもよい。上記第2実施形態および第3実施形態についても同様である。
【符号の説明】
【0111】
1,1A,1B…コイル装置
2,2A,2B…ワイヤ
20,20A,20B…巻回部
20a…第1端
20b…第2端
20c…内周面
20d…外周面
21,22…引出部
23…引出位置
24…連結部
3…第1コア
30…中芯部
30a…第1端
30b…第2端
30c…外周面
32…側壁部
32a…第1側面
32b…第2側面
32c…第3側面
32d…第4側面
32e…端面
32f…内周面
34…底壁部
34a…底面
34b…設置面
36…凹状隙間
4…第2コア
40…取付面
5a,5b…端子
50…設置部
51…第1側部
51a…幅狭部
52…第2側部
53…継線部
54…かしめ部
6a,6b…切り欠き部
60…底部
61…第1端
62…第2端
7…凸部
71…第1部分
72…第2部分
73…傾斜面
74a,74b…凹部
8…境界領域
9a,9b…分割区画
91a,91b…第1端
92a,92b…第2端
10…樹脂
11…溶融部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10