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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117483
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240822BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01L27/04 P
H01L21/90 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023610
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 文悟
【テーマコード(参考)】
5F033
5F038
【Fターム(参考)】
5F033GG01
5F033GG02
5F033HH07
5F033HH08
5F033HH11
5F033HH13
5F033HH14
5F033HH18
5F033HH19
5F033HH21
5F033HH26
5F033HH32
5F033HH33
5F033JJ01
5F033JJ08
5F033JJ11
5F033JJ13
5F033JJ14
5F033JJ18
5F033JJ19
5F033JJ21
5F033JJ32
5F033JJ33
5F033KK08
5F033KK11
5F033KK13
5F033KK14
5F033KK18
5F033KK19
5F033KK21
5F033KK32
5F033KK33
5F033PP15
5F033QQ08
5F033QQ09
5F033QQ25
5F033QQ37
5F033RR04
5F033RR06
5F033SS11
5F033TT02
5F033VV07
5F033VV09
5F033XX19
5F033XX33
5F038AR07
5F038AR12
5F038AR21
5F038AR25
5F038EZ02
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】半導体装置の小型化を図ること。
【解決手段】第1チップ14は、基板と、基板上に設けられた素子絶縁層40と、素子絶縁層40に設けられた半導体抵抗層20と、を備える。半導体抵抗層20は、X方向に延びる表面側抵抗層21と、Z方向において表面側抵抗層21よりも基板寄りに配置された基板側抵抗層22と、素子絶縁層40内に設けられ、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22とを電気的に直列接続する内部接続部23と、を含む。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた素子絶縁層と、
前記素子絶縁層に設けられた半導体抵抗層と、
を備え、
前記半導体抵抗層は、
前記基板の厚さ方向と直交する第1方向に延びる表面側抵抗層と、
前記厚さ方向において前記表面側抵抗層よりも前記基板寄りに配置された基板側抵抗層と、
前記表面側抵抗層と前記基板側抵抗層とを電気的に直列接続する内部接続部と、
を含む、半導体装置。
【請求項2】
前記基板側抵抗層は、前記厚さ方向から視て前記表面側抵抗層とオーバーラップしているオーバーラップ領域を含む
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記オーバーラップ領域は、前記基板側抵抗層の前記第1方向の全体にわたり形成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1方向において、前記表面側抵抗層は、前記基板側抵抗層よりも長い
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記内部接続部は、
前記表面側抵抗層に接続された第1内部ビアと、
前記第1方向において前記第1内部ビアとは異なる位置に設けられ、前記基板側抵抗層に接続された第2内部ビアと、
前記厚さ方向において前記表面側抵抗層および前記基板側抵抗層の双方と異なる位置に配置され、前記第1内部ビアおよび前記第2内部ビアの双方に接続された内部配線層と、
を含む
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記内部接続部は、前記表面側抵抗層と前記基板側抵抗層の前記オーバーラップ領域との双方に接続された内部ビアによって構成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記表面側抵抗層および前記基板側抵抗層の双方は、前記第1方向の両端部である第1端部および第2端部を含み、
前記内部ビアは、前記第1方向における前記表面側抵抗層および前記基板側抵抗層の前記第2端部同士を接続している
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体抵抗層は、前記厚さ方向から視て、前記第1方向と直交する第2方向に互いに離隔して複数配置されており、
前記複数の半導体抵抗層は、前記第2方向において互いに隣り合う第1半導体抵抗層、第2半導体抵抗層、および第3半導体抵抗層を含み、
前記第2方向において隣り合う前記第1半導体抵抗層の前記基板側抵抗層と前記第2半導体抵抗層の前記基板側抵抗層とを電気的に接続する第1外部接続部と、
前記第2方向において隣り合う前記第2半導体抵抗層の前記表面側抵抗層と前記第3半導体抵抗層の前記表面側抵抗層とを電気的に接続する第2外部接続部と、
を備える
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1外部接続部は、
前記第1半導体抵抗層の前記基板側抵抗層に接続された第1基板側ビアと、
前記第2半導体抵抗層の前記基板側抵抗層に接続された第2基板側ビアと、
前記第2方向に延びており、前記第1基板側ビアおよび前記第2基板側ビアの双方に接続された第1外部配線層と、
を含む
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2外部接続部は、
前記第2半導体抵抗層の前記表面側抵抗層に接続された第1表面側ビアと、
前記第3半導体抵抗層の前記表面側抵抗層に接続された第2表面側ビアと、
前記第2方向に延びており、前記第1表面側ビアおよび前記第2表面側ビアの双方に接続された第2外部配線層と、
を含む
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記表面側抵抗層および前記基板側抵抗層の双方は、前記第1方向の両端部である第1端部および第2端部を含み、
前記内部接続部は、前記表面側抵抗層の前記第2端部および前記基板側抵抗層の前記第2端部に設けられており、
前記第1外部接続部および前記第2外部接続部の双方は、前記第1方向において前記半導体抵抗層の中央よりも前記第1端部寄りに配置されている
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2外部接続部は、前記厚さ方向において前記表面側抵抗層に対して前記基板側抵抗層とは反対側に配置されている
請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記表面側抵抗層および前記基板側抵抗層の双方は、前記第1方向の両端部である第1端部および第2端部を含み、
前記第1外部接続部および前記第2外部接続部は、前記表面側抵抗層の前記第1端部において、前記厚さ方向から視て互いに重なるように設けられている
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1外部接続部は、前記第1半導体抵抗層の前記基板側抵抗層および前記第2半導体抵抗層の前記基板側抵抗層と前記厚さ方向において同じ位置に設けられ、前記両基板側抵抗層を接続する接続配線層を含む
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1外部接続部は、前記第1半導体抵抗層の前記基板側抵抗層および前記第2半導体抵抗層の前記基板側抵抗層と前記厚さ方向において同じ位置に設けられ、前記両基板側抵抗層を接続する第1接続配線層を含み、
前記第2外部接続部は、前記第2半導体抵抗層の前記表面側抵抗層および前記第3半導体抵抗層の前記表面側抵抗層と前記厚さ方向において同じ位置に設けられ、前記両表面側抵抗層を接続する第2接続配線層を含む
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記表面側抵抗層および前記基板側抵抗層の双方は、前記第1方向の両端部である第1端部および第2端部を含み、
前記第1接続配線層および前記第2接続配線層は、前記表面側抵抗層の前記第1端部において、前記厚さ方向から視て互いに重なる位置に設けられている
請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1方向において、前記表面側抵抗層の長さと前記基板側抵抗層の長さとは互いに等しい
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記厚さ方向から視て、前記表面側抵抗層の幅寸法と前記基板側抵抗層の幅寸法とは互いに等しい
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記表面側抵抗層の厚さと前記基板側抵抗層の厚さとは互いに等しい
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記素子絶縁層は、
前記基板上に設けられた基板側絶縁層と、
前記基板側絶縁層上に積層された表面側絶縁層と、
を備え、
前記基板側絶縁層は、複数の第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の応力緩和となる複数の第2絶縁膜とが1つずつ交互に積層された構成であり、
前記半導体抵抗層は、前記表面側絶縁層に埋め込まれている
請求項1~19のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の一例として、半導体基板と、半導体基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された半導体抵抗層と、を備える構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-212299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体装置においては小型化が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する半導体装置は、基板と、前記基板上に設けられた素子絶縁層と、前記素子絶縁層に設けられた半導体抵抗層と、を備え、前記半導体抵抗層は、前記基板の厚さ方向と直交する第1方向に延びる表面側抵抗層と、前記厚さ方向において前記表面側抵抗層よりも前記基板寄りに配置された基板側抵抗層と、前記表面側抵抗層と前記基板側抵抗層とを電気的に直列接続する内部接続部と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
上記半導体装置によれば、半導体装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の半導体モジュールの概略平面図である。
図2図2は、図1の半導体モジュールにおける第1チップおよび第2チップの概略平面図である。
図3図3は、第1チップにおける半導体抵抗層の概略平面図である。
図4図4は、図3の枠A1の拡大図である。
図5図5は、図4のF5-F5線で第1チップを切断した概略断面図である。
図6図6は、図3のF6-F6線で第1チップを切断した概略断面図である。
図7図7は、図3の半導体抵抗層の一部の概略平面図である。
図8図8は、図7のF8-F8線で第1チップを切断した概略断面図である。
図9図9は、図7のF9-F9線で第1チップを切断した概略断面図である。
図10図10は、図7のF10-F10線で第1チップを切断した概略断面図である。
図11図11は、第1実施形態の第1チップの製造工程の一例を示す概略断面図である。
図12図12は、図11に続く製造工程を示す配線層およびその周辺の概略断面図である。
図13図13は、図12に続く製造工程であって図12とは別の配線層およびその周辺の概略断面図である。
図14図14は、図13に続く製造工程を示す概略断面図である。
図15図15は、図14に続く製造工程を示す概略断面図である。
図16図16は、図15に続く製造工程を示す概略断面図である。
図17図17は、図16に続く製造工程を示す概略断面図である。
図18図18は、図17に続く製造工程を示す概略断面図である。
図19図19は、第2実施形態の第1チップについて、複数の半導体抵抗層およびその周辺の概略平面図である。
図20図20は、図19のF20-F20線で第1チップを切断した概略断面図である。
図21図21は、第3実施形態の第1チップについて、複数の半導体抵抗層およびその周辺の概略平面図である。
図22図22は、図21のF22-F22線で第1チップを切断した概略断面図である。
図23図23は、図21のF23-F23線で第1チップを切断した概略断面図である。
図24図24は、第4実施形態の第1チップについて、複数の半導体抵抗層およびその周辺の概略平面図である。
図25図25は、図24のF25-F25線で第1チップを切断した概略断面図である。
図26図26は、図24のF26-F26線で第1チップを切断した概略断面図である。
図27図27は、図24のF27-F27線で第1チップを切断した概略断面図である。
図28図28は、第5実施形態の第1チップについて、複数の半導体抵抗層およびその周辺の概略平面図である。
図29図29は、複数の半導体抵抗層における基板側抵抗層の概略平面図である。
図30図30は、図28のF30-F30線で第1チップを切断した概略断面図である。
図31図31は、図28のF31-F31線で第1チップを切断した概略断面図である。
図32図32は、図28のF32-F32線で第1チップを切断した概略断面図である。
図33図33は、第6実施形態の第1チップについて、複数の半導体抵抗層およびその周辺の概略平面図である。
図34図34は、図33のF34-F34線で第1チップを切断した概略断面図である。
図35図35は、図33のF35-F35線で第1チップを切断した概略断面図である。
図36図36は、図33のF36-F36線で第1チップを切断した概略断面図である。
図37図37は、変更例の第1チップについて、第1チップの概略断面図である。
図38図38は、変更例の第1チップについて、複数の半導体抵抗層およびその周辺の概略平面図である。
図39図39は、変更例の第1チップについて、複数の半導体抵抗層およびその周辺の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本開示における半導体装置および半導体モジュールのいくつかの実施形態について説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするため、図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするため、断面図ではハッチング線が省略されている場合がある。添付図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0009】
以下の詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0010】
<第1実施形態>
[半導体モジュールの構成]
図1および図2を参照して、第1実施形態の半導体モジュール10の構成について説明する。図1は、半導体モジュール10の全体的な配置構成を概略的に示している。図2は、半導体モジュール10の後述する第1チップ14および第2チップ15の各々の電気的な構成および電気的な接続構成を概略的に示している。なお、図1では、図面を容易に理解するため、後述する封止樹脂16の内部の構成要素を実線で示している。図2では、図面を容易に理解するため、第1チップ14および第2チップ15の内部の構成要素を実線で示している。
【0011】
なお、本開示において使用される「平面視」という用語は、図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ方向に半導体モジュール10を視ることをいう。特に断りが無い場合、「平面視」とは半導体モジュール10をZ軸に沿って上方から視ることを指す。
【0012】
図1に示すように、半導体モジュール10は、フレーム11と、ダイパッド12と、複数(第1実施形態では7つ)のリード13A~13Gと、フレーム11に搭載された第1チップ14と、ダイパッド12に搭載された第2チップ15と、ワイヤW1~W11と、これらを封止する封止樹脂16と、を備える。ここで、本明細書では、第1チップ14は「半導体装置」に対応し、フレーム11は「支持部材」に対応している。
【0013】
封止樹脂16は、例えばZ方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。封止樹脂16は、第1~第4封止側面16A~16Dを有する。図1に示す例では、封止樹脂16は、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状に形成されている。第1封止側面16Aおよび第2封止側面16Bは封止樹脂16のX方向の両端面を構成し、第3封止側面16Cおよび第4封止側面16Dは封止樹脂16のY方向の両端面を構成している。なお、平面視における封止樹脂16の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における封止樹脂16の形状は正方形であってもよい。
【0014】
フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gは、X方向において互いに離隔して配列されている。つまり、X方向は、フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの配列方向となる。図1に示す例では、フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの配列方向は、封止樹脂16の長手方向と一致している。このため、フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gは、封止樹脂16の長手方向において互いに離隔して配列されているともいえる。フレーム11は、ダイパッド12よりも第1封止側面16Aの近くに配置されている。リード13A~13Gは、ダイパッド12よりも第2封止側面16Bの近くに配置されている。つまり、ダイパッド12は、フレーム11とリード13A~13GとのX方向の間に配置されている。フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの各々は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属材料によって形成されている。
【0015】
ここで、第1実施形態では、フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの各々は、金属製の薄板によって形成されている。フレーム11は第1チップ14が搭載されるとともに第1チップ14と電気的に接続されるものである。ダイパッド12は第2チップ15が搭載されるものであり、リード13A~13Gは第2チップ15と電気的に接続されるものである。このため、フレーム11およびリード13A~13Gは、金属製の薄板に限られず、導電層であればよい。また、ダイパッド12は、金属製の薄板等の導電材料に限られず、絶縁材料によって形成された板材であってもよい。つまり、ダイパッド12は、第2チップ15を支持する支持部材であればよい。
【0016】
フレーム11は、ダイパッド部11Aおよびリード部11Bを含む。第1実施形態では、ダイパッド部11Aおよびリード部11Bは、一体に形成されている。
ダイパッド部11Aは、第1チップ14が搭載される部分であり、第1チップ14を支持している。ダイパッド部11Aは、封止樹脂16のX方向の中央よりも第1封止側面16A寄りに配置されている。一方、ダイパッド部11Aは、第1封止側面16Aに対して第2封止側面16B寄りにX方向に離隔して配置されている。ダイパッド部11Aは、Z方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。平面視におけるダイパッド部11Aの形状は、Y方向が長手方向となり、X方向が短手方向となる矩形状である。つまり、ダイパッド部11Aは、フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの配列方向が短手方向となるように形成されている。ダイパッド部11Aは、封止樹脂16の長手方向が短手方向となるように形成されているともいえる。
【0017】
第1チップ14は、ダイパッド部11Aに実装されている。より詳細には、第1チップ14は、はんだペースト、銀(Ag)ペースト等の導電性接合材によってダイパッド部11Aに接合されている。第1チップ14は、ダイパッド部11Aにダイボンディングされているともいえる。このように、第1チップ14は、フレーム11に実装されているともいえる。
【0018】
リード部11Bは、ダイパッド部11AのY方向の両端部のうち第3封止側面16Cに近い方の端部と、ダイパッド部11AのX方向の両端部のうち第1封止側面16Aに近い方の端部とからなるコーナ部分に接続されている。図1の例では、リード部11Bは、ダイパッド部11Aから第1封止側面16Aに向けてX方向に沿って延びている。
【0019】
なお、フレーム11の構成は任意に変更可能であり、例えばダイパッド部11Aとリード部11Bとが個別に設けられていてもよい。つまり、ダイパッド部11Aとリード部11Bとが互いに離隔して配置されていてもよい。この場合、ダイパッド部11Aは、金属製の薄板(導電層)に限られず、絶縁材料によって形成されていてもよい。つまり、ダイパッド12は、第1チップ14を支持する支持部材であればよい。
【0020】
ダイパッド12は、第2チップ15が搭載される部分であり、第2チップ15を支持している。平面視におけるダイパッド12の形状は、Y方向が長手方向となり、X方向が短手方向となる矩形状である。このため、ダイパッド12の長手方向はフレーム11のダイパッド部11Aの長手方向と一致し、ダイパッド12の短手方向はダイパッド部11Aの短手方向と一致している。つまり、ダイパッド12は、フレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの配列方向が短手方向となるように形成されている。ダイパッド12は、封止樹脂16の長手方向が短手方向となるように形成されているともいえる。
【0021】
第2チップ15は、ダイパッド12に実装されている。より詳細には、第2チップ15は、はんだペースト、銀ペースト等の導電性接合材によってダイパッド12に接合されている。第2チップ15は、ダイパッド12にダイボンディングされているともいえる。
【0022】
リード13Aと、リード13B~13Gとは、封止樹脂16のX方向の両端部に分散して配置されている。より詳細には、リード13Aは、封止樹脂16のX方向の両端部のうち第1封止側面16Aに近い方の端部に配置されている。リード13B~13Gの各々は、封止樹脂16のX方向の両端部のうち第2封止側面16Bに近い方の端部に配置されている。第1実施形態では、リード13Aは、X方向から視て、ダイパッド部11AのY方向の両端部のうち第4封止側面16Dに近い方の端部と重なる位置に配置されている。リード13Aは、ダイパッド部11Aよりも第1封止側面16Aの近くであってダイパッド部11Aから離隔して配置されている。
【0023】
リード13B~13Gの各々は、X方向において互いに揃った状態でY方向において互いに離隔して配列されている。リード13B~13Gは、第4封止側面16Dから第3封止側面16Cに向けて、リード13B、リード13C、リード13D、リード13E、リード13F、およびリード13Gの順に配列されている。図1から分かるとおり、リード13Aとリード部11BとのY方向の間の距離は、リード13B~13GのうちY方向に隣り合うリード間の距離よりも大きい。
【0024】
ダイパッド部11Aに搭載された第1チップ14は、Z方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。平面視における第1チップ14の形状は、Y方向が長手方向となり、X方向が短手方向となる矩形状である。つまり、第1チップ14の長手方向はダイパッド部11Aの長手方向と一致し、第1チップ14の短手方向はダイパッド部11Aの短手方向と一致している。このため、第1チップ14は、その短手方向がフレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの配列方向と一致するように配置されている。第1チップ14は、その短手方向が封止樹脂16の長手方向と一致するように配置されているともいえる。なお、平面視における第1チップ14の形状および配置態様はそれぞれ任意に変更可能である。
【0025】
第1チップ14は、複数の端子P1~P5を含む。端子P1~P5は、第1チップ14のチップ表面から露出するように形成されている。端子P1,P2は、チップ表面のX方向の両端部のうち第1封止側面16Aの近い方の端部に設けられている。端子P1は、チップ表面のうちリード13Aの近くに設けられている。端子P2は、チップ表面のうちリード部11Bの近くに設けられている。端子P3~P5は、チップ表面のX方向の両端部のうち第2チップ15に近い方の端部に設けられている。端子P3~P5は、Y方向において互いに離隔して配列されている。なお、第1チップ14の端子の数は任意に変更可能である。また、端子P1~P5の配置位置は任意に変更可能である。一例では、端子P1および端子P2の少なくとも一方が第1チップ14のX方向の両端部のうち第2チップ15に近い方の端部に配置されていてもよい。
【0026】
ダイパッド12に搭載された第2チップ15は、Z方向を厚方向とする矩形平板状に形成されている。平面視における第2チップ15の形状は、Y方向が長手方向となり、X方向が短手方向となる矩形状である。つまり、第2チップ15の長手方向はダイパッド12の長手方向と一致し、第2チップ15の短手方向はダイパッド12の短手方向と一致している。このため、第2チップ15は、その短手方向がフレーム11、ダイパッド12、およびリード13A~13Gの配列方向と一致するように配置されている。第2チップ15は、その短手方向が封止樹脂16の長手方向と一致するように配置されているともいえる。なお、平面視における第2チップ15の形状および配置態様はそれぞれ任意に変更可能である。
【0027】
第2チップ15は、複数の端子Q1~Q9を含む。複数の端子Q1~Q9は、第2チップ15のチップ表面から露出するように形成されている。端子Q1~Q3は、チップ表面のX方向の両端部のうち第1チップ14に近い方の端部に設けられている。端子Q1~Q3は、Y方向において互いに離隔して配列されている。端子Q4~Q9は、チップ表面のX方向の両端部のうち第2封止側面16B(リード13B~13G)に近い方の端部に設けられている。端子Q4~Q9は、Y方向において互いに離隔して配列されている。なお、第2チップ15の端子の数は任意に変更可能である。
【0028】
第1チップ14の端子P1は、ワイヤW1によってリード13Aに電気的に接続されている。端子P2は、ワイヤW2によってリード部11Bに電気的に接続されている。このため、端子P2は、フレーム11に電気的に接続されているともいえる。リード13Aおよびリード部11Bには、高電圧発生部VTが電気的に接続される。高電圧発生部VTは、例えば直流電源である。リード13Aには高電圧発生部VTの正極が電気的に接続され、リード部11Bには高電圧発生部VTの負極が電気的に接続される。
【0029】
第1チップ14の端子P3~P5と第2チップ15の端子Q1~Q3とはワイヤW3~W5によって個別に電気的に接続されている。端子Q4~Q9は、ワイヤW6~W11によってリード13B~13Gと個別に電気的に接続されている。
【0030】
ここで、第1実施形態では、端子P1~P5のうち端子P1,P2は高圧側端子を構成し、端子P3~P5は低圧側端子を構成している。つまり、第1チップ14の端子P1~P5のうちリード13Aおよびリード部11Bに電気的に接続された端子が高圧側端子を構成し、第2チップ15に電気的に接続された端子が低圧側端子を構成している。
【0031】
このように、高電圧発生部VTに電気的に接続されたフレーム11のダイパッド部11Aは高圧側ダイパッドを構成し、ダイパッド12が低圧側ダイパッドを構成している。このため、端子P3~P5と第1チップ14の後述する基板30との絶縁耐圧は、端子P1,P2と基板30との絶縁耐圧よりも高い。一例では、端子P3~P5と基板30との絶縁耐圧は直流電圧で3850V程度であり、端子P1,P2と基板30との絶縁耐圧は、直流電圧で1400V程度である。
【0032】
次に、第1チップ14および第2チップ15内の回路構成について説明する。
図2に示すように、第1チップ14は、高電圧発生部VT(図1参照)の高電圧を降圧するための第1~第4抵抗回路14A~14Dを含む。第1抵抗回路14Aは抵抗値RAを含み、第2抵抗回路14Bは抵抗値RBを含み、第3抵抗回路14Cは抵抗値RCを含み、第4抵抗回路14Dは抵抗値RDを含む。
【0033】
抵抗値RBは、抵抗値RAよりも小さい。抵抗値RAに対する抵抗値RBの比(RB/RA)は、予め設定されている。抵抗値RCは、抵抗値RDよりも小さい。抵抗値RDに対する抵抗値RCの比(RC/RD)は、予め設定されている。比(RB/RA)および比(RC/RD)は、同一の所定値(例えば1/999)に設定されている。
【0034】
第1~第4抵抗回路14A~14Dは、直列に接続されている。第1~第4抵抗回路14A~14Dの各々は、第1端部および第2端部を有する。第1抵抗回路14Aの第1端部は端子P1に電気的に接続されており、第1抵抗回路14Aの第2端部は第2抵抗回路14Bの第1端部に電気的に接続されている。第1抵抗回路14Aと第2抵抗回路14Bとの接続点は、端子P3に電気的に接続されている。第2抵抗回路14Bの第2端部は、第3抵抗回路14Cの第1端部に電気的に接続されている。第2抵抗回路14Bと第3抵抗回路14Cとの接続点は、端子P4に電気的に接続されている。第3抵抗回路14Cの第2端部は、第4抵抗回路14Dの第1端部に電気的に接続されている。第3抵抗回路14Cと第4抵抗回路14Dとの接続点は、端子P5に電気的に接続されている。第4抵抗回路14Dの第2端部は端子P2に電気的に接続されている。
【0035】
第2チップ15は、電圧検出回路15Aを含む。電圧検出回路15Aは、オペアンプを含む。電圧検出回路15Aは、端子Q1~Q3に電気的に接続されている。端子Q1はワイヤW3によって第1チップ14の端子P3に電気的に接続されており、端子Q2はワイヤW4によって第1チップ14の端子P4に電気的に接続されており、端子Q3はワイヤW5によって第1チップ14の端子P5に電気的に接続されている。このため、電圧検出回路15Aは、第1抵抗回路14Aと第2抵抗回路14Bとの接続点と、第2抵抗回路14Bと第3抵抗回路14Cとの接続点と、第3抵抗回路14Cと第4抵抗回路14Dとの接続点との間の電圧を検出するように構成されている。端子Q4~Q9(リード13B~13G(図1参照))は、第2チップ15内のオペアンプに電源電圧を供給したり、電圧検出回路15Aの出力信号を出力したりするために用いられる。
【0036】
[第1チップの概略的な平面構造]
図3は、第1~第4抵抗回路14A~14D(図2参照)を含む第1チップ14の概略的な平面構造の一例を示している。なお、図3では、図面の理解を容易にするために端子P1,P2を端子P3~P5と同じ側に配置した例を示している。端子P1,P2は、図1に示すように、X方向において第1チップ14のうち端子P3~P5とは反対側に配置されていてもよい。
【0037】
図3に示すように、第1チップ14は、複数の単位半導体抵抗層(以下、「半導体抵抗層20」)を含む。各半導体抵抗層20は、平面視においてX方向に沿って延びている。換言すると、各半導体抵抗層20は、平面視において第1チップ14の短手方向に沿って延びている。平面視において、複数の半導体抵抗層20は、X方向において互いに揃った状態でY方向において互いに離隔して配列されている。換言すると、平面視において、複数の半導体抵抗層20は、第1チップ14の短手方向において互いに揃った状態で、第1チップ14の長手方向において互いに離隔して配列されている。複数の半導体抵抗層20は、電気的に直列接続されている。
【0038】
複数の半導体抵抗層20のうちY方向の第1端に配置された半導体抵抗層20Aには、端子P1が電気的に接続されている。複数の半導体抵抗層20のうちY方向の第1端とは反対側の第2端に配置された半導体抵抗層20Bには、端子P2が電気的に接続されている。端子P1と半導体抵抗層20Aとは、配線層91によって電気的に接続されている。端子P2と半導体抵抗層20Bとは、配線層92によって電気的に接続されている。
【0039】
複数の半導体抵抗層20は、第1~第4抵抗回路14A~14Dの構成要素として用いられている。複数の半導体抵抗層20は、Y方向において複数の抵抗領域として第1~第4抵抗領域R1~R4に区分することができる。つまり、第1~第4抵抗領域R1~R4は、第1チップ14の長手方向に区分された領域である。第1抵抗領域R1は、複数の半導体抵抗層20のY方向の第1端を含む領域である。換言すると、第1抵抗領域R1は、半導体抵抗層20Aを含むY方向の端部の領域である。第4抵抗領域R4は、複数の半導体抵抗層20のY方向の第2端を含む領域である。換言すると、第4抵抗領域R4は、半導体抵抗層20Bを含むY方向の端部の領域である。複数の半導体抵抗層20のうち第1抵抗領域R1と第4抵抗領域R4とのY方向の間に配置された部分は、第2抵抗領域R2および第3抵抗領域R3によって区分されている。第2抵抗領域R2は第1抵抗領域R1と隣り合う領域であり、第3抵抗領域R3は第4抵抗領域R4と隣り合う領域である。このため、第1~第4抵抗領域R1~R4は、複数の半導体抵抗層20のうち第1端(半導体抵抗層20A)から第2端(半導体抵抗層20B)に向かうにつれて、抵抗領域R1,R2,R3,R4の順に並んでいる。第1抵抗領域R1は第1抵抗回路14Aを構成する領域であり、第2抵抗領域R2は第2抵抗回路14Bを構成する領域であり、第3抵抗領域R3は第3抵抗回路14Cを構成する領域であり、第4抵抗領域R4は第4抵抗回路14Dを構成する領域である。
【0040】
端子P3は、第2抵抗領域R2の複数の半導体抵抗層20のうち第1抵抗領域R1寄りの端の半導体抵抗層20Cに電気的に接続されている。端子P3と半導体抵抗層20Cとは配線層93によって電気的に接続されている。
【0041】
端子P4は、第2抵抗領域R2の複数の半導体抵抗層20のうち第3抵抗領域R3寄りの端の半導体抵抗層20Dと、第3抵抗領域R3の複数の半導体抵抗層20のうち第2抵抗領域R2寄りの端の半導体抵抗層20Eとに電気的に接続されている。端子P4と半導体抵抗層20D,20Eとは配線層94によって電気的に接続されている。
【0042】
端子P5は、第3抵抗領域R3の複数の半導体抵抗層20のうち第4抵抗領域R4寄りの端の半導体抵抗層20Fに電気的に接続されている。端子P5と半導体抵抗層20Fとは配線層95によって電気的に接続されている。
【0043】
第1~第4抵抗領域R1~R4の各々の半導体抵抗層20の数は、個別に設定されている。第1実施形態では、第1抵抗領域R1および第4抵抗領域R4の半導体抵抗層20の数は互いに同じであり、第2抵抗領域R2および第3抵抗領域R3の半導体抵抗層20の数は互いに同じである。そして、第1抵抗領域R1および第4抵抗領域R4の各々の半導体抵抗層20の数は、第2抵抗領域R2および第3抵抗領域R3の各々の半導体抵抗層20の数よりも多い。なお、第1~第4抵抗領域R1~R4の各々の半導体抵抗層20の数は、第1実施形態に限られず、任意に変更可能である。
【0044】
[第1チップの内部構造]
図4図6を参照して、第1チップ14の内部構成の一例について説明する。図4は、図3の一点鎖線の枠A1を拡大した平面図である。図5は、図4のF5-F5線で第1チップ14を切断した断面構造を模式的に示している。図6は、図3のF6-F6線で第1チップ14を切断した断面構造を模式的に示している。なお、図5では、説明の便宜上、後述する基板側絶縁層50と表面側絶縁層60との界面を示している。実際には、基板側絶縁層50と表面側絶縁層60との界面が視認できない場合がある。また、図6では、基板側絶縁層50の一部および基板30を省略している。
【0045】
図5に示すように、第1チップ14は、基板30と、基板30上に形成された素子絶縁層40と、を含む。
基板30は、例えばSi(シリコン)を含む材料によって形成された半導体基板である。基板30の厚さは、例えば300μm程度である。なお、基板30は、ワイドバンドギャップ半導体または化合物半導体が用いられていてもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、2.0eV以上のバンドギャップを有する半導体基板である。ワイドバンドギャップ半導体は、SiC(炭化シリコン)であってもよい。化合物半導体は、III-V族化合物半導体であってもよい。化合物半導体は、AlN(窒化アルミニウム)、InN(窒化インジウム)、GaN(窒化ガリウム)、およびGaAs(ヒ化ガリウム)のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0046】
素子絶縁層40は、Z方向において互いに反対側を向く素子表面41および素子裏面42を有する。ここで、第1実施形態では、Z方向は「素子絶縁層の厚さ方向」に対応している。素子裏面42は、基板30と接している。素子表面41は、Z方向において基板30とは反対側の面である。
【0047】
図6に示すように、素子絶縁層40上には、端子P1~P5(図3参照)と、パッシベーション膜43とが形成されている。
端子P1~P5は、素子絶縁層40の素子表面41上に形成されている。端子P1~P5は、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、Ta(タンタル)、TaN(窒化タンタル)、Au(金)、Ag、Cu、Al、Ni(ニッケル)、Pd(パラジウム)、およびW(タングステン)のうち1つまたは複数が適宜選択される。第1実施形態では、端子P1~P5は、Alを含む材料によって形成されている。一例として、図6では、素子表面41上に端子P1が形成された構造が示されている。
【0048】
端子P1は、パッシベーション膜43によって覆われている。一方、パッシベーション膜43は、端子P1を露出する開口部43Xを有する。なお、図示していないが、端子P2~P5とパッシベーション膜43との関係も端子P1とパッシベーション膜43との関係と同様である。このように、端子P1~P5は、電極パッドを構成している。
【0049】
素子絶縁層40の素子表面41上に形成されたパッシベーション膜43は、第1チップ14の表面保護膜である。パッシベーション膜43は、例えばSiNを含む材料によって形成されている。なお、パッシベーション膜43を構成する材料は任意に変更可能であり、例えばSiO(酸化シリコン)を含む材料によって形成されていてもよい。また、パッシベーション膜43は、複数の膜の積層構造であってもよく、例えばSiNを含む材料によって形成された膜とSiOを含む材料によって形成された膜との積層構造であってもよい。
【0050】
図5に示すように、素子絶縁層40は、基板30上に設けられた基板側絶縁層50と、基板側絶縁層50上に積層された表面側絶縁層60と、を含む。
基板側絶縁層50は、例えば第1チップ14の絶縁耐圧を向上させるための絶縁層である。基板側絶縁層50は、素子絶縁層40の素子裏面42を含む絶縁層である。このため、基板側絶縁層50は、基板30に接している。
【0051】
基板側絶縁層50は、複数のエッチングストッパ膜51と、複数のエッチングストッパ膜51上に形成された複数の層間絶縁膜52と、を有する。複数のエッチングストッパ膜51と複数の層間絶縁膜52とは、Z方向において1つずつ交互に積層されている。ここで、エッチングストッパ膜51は「第1絶縁膜」に対応し、層間絶縁膜52は「第2絶縁膜」に対応している。
【0052】
エッチングストッパ膜51は、SiN(窒化シリコン)、SiC、SiCN(窒素添加炭化シリコン)等を含む材料によって形成されている。第1実施形態では、エッチングストッパ膜51は、SiNを含む材料によって形成されている。
【0053】
層間絶縁膜52は、エッチングストッパ膜51の応力緩和となる絶縁膜である。層間絶縁膜52は、例えばSiO(酸化シリコン)を含む材料によって形成された酸化膜である。層間絶縁膜52の膜厚は、エッチングストッパ膜51の膜厚よりも厚い。エッチングストッパ膜51は、50nm以上1000nm未満の厚さを有する。層間絶縁膜52は、500nm以上5000nm以下の厚さを有する。第1実施形態では、エッチングストッパ膜51は300nm程度の厚さを有し、層間絶縁膜52は2000nm程度の厚さを有する。なお、図面の見やすさの観点から、図面におけるエッチングストッパ膜51の膜厚と層間絶縁膜52の膜厚との比率は、実際のエッチングストッパ膜51の膜厚と層間絶縁膜52の膜厚との比率とは異なる。
【0054】
表面側絶縁層60は、基板側絶縁層50のうち最上層の層間絶縁膜52に接している。表面側絶縁層60の厚さは、1つのエッチングストッパ膜51と1つの層間絶縁膜52との合計の厚さよりも厚い。表面側絶縁層60は、例えばSiO(酸化シリコン)を含む材料によって形成されている。
【0055】
素子絶縁層40には、複数の半導体抵抗層20が設けられている。第1実施形態では、複数の半導体抵抗層20は、基板側絶縁層50上に設けられている。複数の半導体抵抗層20は、表面側絶縁層60によって覆われている。このため、複数の半導体抵抗層20は、素子絶縁層40に埋め込まれているともいえる。このように、第1チップ14は、基板側絶縁層50上に設けられた半導体抵抗層20と、半導体抵抗層20を覆う表面側絶縁層60と、を備えるともいえる。
【0056】
[半導体抵抗層の構成]
図6および図7を参照して、半導体抵抗層20の構成について説明する。図6は、端子P1と電気的に接続される半導体抵抗層20Aの断面構造を示している。図7は、複数の半導体抵抗層20の一部の平面構造を示している。なお、以下の半導体抵抗層20の説明において、配線層91と関係する場合、半導体抵抗層20Aを用い、配線層91と関係しない場合、半導体抵抗層20を用いる。なお、図7では、図面の理解を容易にするため、平面視で重なる部品の外形線を互いにずらして示している。
【0057】
図6および図7に示すように、各半導体抵抗層20は、X方向に延びる表面側抵抗層21と、Z方向において表面側抵抗層21よりも基板30(図5参照)寄りに配置された基板側抵抗層22と、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22とを電気的に直列接続する内部接続部23と、を含む。なお、基板側抵抗層22は、Z方向において表面側抵抗層21よりも基板側絶縁層50寄りに配置されているともいえる。
【0058】
ここで、本明細書では、X方向が「第1方向」に対応し、Z方向が「基板の厚さ方向」に対応し、Y方向が「第2方向」に対応している。このため、第1方向は、基板の厚さ方向と直交する方向となる。第2方向は、第1方向および基板の厚さ方向の双方と直交する方向となる。
【0059】
表面側抵抗層21は、X方向が長さ方向となり、Y方向が幅方向となる帯状に形成されている。表面側抵抗層21の厚さは、表面側抵抗層21の幅寸法(表面側抵抗層21のY方向の大きさ)よりも薄い。表面側抵抗層21の厚さは、例えば1nm以上100nm以下である。一例では、表面側抵抗層21の厚さは、2.5nm程度である。表面側抵抗層21は、例えばCrSi(クロムシリコン)を含む材料によって形成されている。表面側抵抗層21は、層間絶縁膜52よりも薄い厚さを有してもよい。表面側抵抗層21は、エッチングストッパ膜51よりも薄い厚さを有してもよい。
【0060】
表面側抵抗層21は、X方向の両端部としての第1端部21Aおよび第2端部21Bを含む。図6に示す半導体抵抗層20Aの表面側抵抗層21においては、第1端部21Aは、X方向において例えば表面側抵抗層21の両端部のうち端子P1に近い方の端部を構成している。第2端部21Bは、X方向において例えば表面側抵抗層21の両端部のうち端子P1から遠い方の端部を構成している。
【0061】
図6に示すように、基板側抵抗層22は、表面側抵抗層21に対してZ方向に離隔して配置されている。このため、基板側抵抗層22と表面側抵抗層21との間には、表面側絶縁層60の一部が介在している。基板側抵抗層22は、基板側絶縁層50に対して素子表面41寄り(表面側抵抗層21寄り)にZ方向に離隔して配置されている。このように、基板側抵抗層22および表面側抵抗層21の双方は、表面側絶縁層60に埋め込まれているといえる。つまり、半導体抵抗層20は、表面側絶縁層60に埋め込まれているといえる。
【0062】
基板側抵抗層22は、X方向に延びている。基板側抵抗層22は、X方向が長さ方向となり、Y方向が幅方向となる帯状に形成されている。一例では、基板側抵抗層22の厚さは、表面側抵抗層21の厚さと等しい。ここで、基板側抵抗層22の厚さと表面側抵抗層21の厚さとの差が例えば基板側抵抗層22の厚さの10%以内であれば、基板側抵抗層22の厚さが表面側抵抗層21の厚さと等しいといえる。第1実施形態では、基板側抵抗層22の長さ寸法(基板側抵抗層22のX方向の長さ)は、表面側抵抗層21の長さ寸法(表面側抵抗層21のX方向の長さ)よりも短い。換言すると、表面側抵抗層21の長さ寸法は、基板側抵抗層22の長さ寸法よりも長い。平面視において、基板側抵抗層22の幅寸法(基板側抵抗層22のY方向の長さ)は、表面側抵抗層21の幅寸法(表面側抵抗層21のY方向の長さ)と等しい。ここで、基板側抵抗層22の幅寸法と表面側抵抗層21の幅寸法との差が例えば基板側抵抗層22の幅寸法の10%以内であれば、基板側抵抗層22の幅寸法が表面側抵抗層21の幅寸法と等しいといえる。基板側抵抗層22は、例えばCrSiを含む材料によって形成されている。基板側抵抗層22は、表面側抵抗層21と同じ材料によって形成されているともいえる。
【0063】
基板側抵抗層22は、X方向の両端部としての第1端部22Aおよび第2端部22Bを含む。図6に示す半導体抵抗層20Aの基板側抵抗層22においては、第1端部22Aは、X方向において例えば基板側抵抗層22の両端部のうち端子P1に近い方の端部を構成している。第2端部22Bは、X方向において例えば基板側抵抗層22の両端部のうち端子P1から遠い方の端部を構成している。
【0064】
図7に示すように、平面視において、基板側抵抗層22は、表面側抵抗層21と重なる位置に配置されている。つまり、基板側抵抗層22は、平面視において表面側抵抗層21とオーバーラップしているオーバーラップ領域22Rを含む。
【0065】
基板側抵抗層22の第1端部22Aは、X方向において表面側抵抗層21の第1端部21Aからずれた位置に配置されている。より詳細には、第1端部22Aは、X方向において第1端部21Aに対して第2端部21B寄りの位置に配置されている。基板側抵抗層22の第2端部22Bは、X方向において表面側抵抗層21の第2端部21Bからずれた位置に配置されている。より詳細には、第2端部22Bは、X方向において第2端部21Bに対して第1端部21A寄りの位置に配置されている。このため、第1実施形態では、オーバーラップ領域22Rは、基板側抵抗層22のX方向の全体にわたり形成されている。また、第1実施形態では、オーバーラップ領域22Rは、基板側抵抗層22のY方向の全体にわたり形成されている。このように、第1実施形態では、基板側抵抗層22は、平面視において表面側抵抗層21からはみ出す部分を有していない。
【0066】
図6に示すように、内部接続部23は、表面側抵抗層21の第2端部21Bと基板側抵抗層22の第2端部22Bとを電気的に接続している。内部接続部23は、第1内部ビア23A、第2内部ビア23B、および内部配線層23Cを含む。
【0067】
第1内部ビア23Aは、表面側抵抗層21に接続されている。Z方向において、第1内部ビア23Aは、表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22寄りの位置に配置されている。第1内部ビア23Aは、平面視において表面側抵抗層21の第2端部21Bと重なる位置に配置されている。つまり、第1内部ビア23Aは、表面側抵抗層21の第2端部21Bに接続されている。第1内部ビア23Aは、Z方向に延びている。図示された例では、第1内部ビア23Aは4つであるが、これに限られない。第1内部ビア23Aの数は任意に変更可能である。
【0068】
第2内部ビア23Bは、X方向において第1内部ビア23Aとは異なる位置に設けられている。第2内部ビア23Bは、基板側抵抗層22に接続されている。Z方向において、第2内部ビア23Bは、基板側抵抗層22に対して基板30(図5参照)寄りの位置に配置されている。第2内部ビア23Bは、平面視において基板側抵抗層22の第2端部22Bと重なる位置に配置されている。つまり、第2内部ビア23Bは、基板側抵抗層22の第2端部22Bに接続されている。第2内部ビア23Bは、Z方向に延びている。第2内部ビア23BのZ方向の長さは、第1内部ビア23AのZ方向の長さよりも短い。図示された例では、第2内部ビア23Bは4つであるが、これに限られない。第2内部ビア23Bの数は任意に変更可能である。
【0069】
第1内部ビア23Aおよび第2内部ビア23Bは、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、第1内部ビア23Aおよび第2内部ビア23Bは、Wを含む材料によって形成されている。このように、第1内部ビア23Aは、第2内部ビア23Bと同じ材料によって形成されてもよい。
【0070】
内部配線層23Cは、Z方向において表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の双方と異なる位置に配置されている。第1実施形態では、内部配線層23Cは、Z方向において表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の双方よりも基板30寄りの位置に配置されている。
【0071】
図7に示すように、内部配線層23Cは、X方向に延びている。内部配線層23Cは、X方向が長さ方向となり、Y方向が幅方向となる帯状に形成されている。内部配線層23Cの長さ寸法(内部配線層23CのX方向の大きさ)は、基板側抵抗層22の長さ寸法よりも短い。図6に示すように、内部配線層23Cの厚さは、表面側抵抗層21の厚さおよび基板側抵抗層22の厚さよりも厚い。
【0072】
図7に示すように、平面視において、内部配線層23Cは、表面側抵抗層21および基板側抵抗層22と重なる位置に配置されている。つまり、内部配線層23Cは、平面視において表面側抵抗層21および基板側抵抗層22とオーバーラップしているオーバーラップ領域23Rを含む。
【0073】
図6および図7に示すように、内部配線層23Cは、平面視において基板側抵抗層22の第2端部22Bと表面側抵抗層21の第2端部21Bとの双方と重なる位置に配置されている。オーバーラップ領域23Rは、平面視において基板側抵抗層22の第2端部22Bと重なる領域と、第2端部22BからX方向にはみ出し、平面視において表面側抵抗層21の第2端部21Bと重なる領域と、を含む。このため、第1実施形態では、オーバーラップ領域23Rは、内部配線層23CのX方向の全体にわたり形成されている。また、第1実施形態では、オーバーラップ領域23Rは、内部配線層23CのY方向の全体にわたり形成されている。このように、第1実施形態では、内部配線層23Cは、平面視において表面側抵抗層21からはみ出す部分を有していない。
【0074】
内部配線層23Cは、基板側抵抗層22に対してZ方向に離隔して配置されている。このため、内部配線層23Cと基板側抵抗層22とのZ方向の間と、内部配線層23Cと表面側抵抗層21とのZ方向の間とには、表面側絶縁層60の一部が介在している。
【0075】
内部配線層23Cは、第1内部ビア23Aおよび第2内部ビア23Bの双方に接続されている。このため、第1内部ビア23Aは、内部配線層23Cと表面側抵抗層21とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。第2内部ビア23Bは、内部配線層23Cと基板側抵抗層22とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。内部配線層23Cは、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、内部配線層23Cは、Alを含む材料によって形成されている。
【0076】
図6に示すように、半導体抵抗層20Aは、端子用接続部80によって端子P1と電気的に接続されている。端子用接続部80は、半導体抵抗層20Aの表面側抵抗層21と電気的に接続されている。端子用接続部80は、X方向において基板側抵抗層22に対してずれた位置に配置されている。一方、端子用接続部80は、平面視において表面側抵抗層21と重なる位置に配置されている。端子用接続部80は、平面視において表面側抵抗層21からX方向にはみ出す部分を有する。
【0077】
端子用接続部80は、第1端子用ビア81、第2端子用ビア82、および配線層91を含む。第1端子用ビア81、第2端子用ビア82、および配線層91の各々は、表面側絶縁層60に埋め込まれている。
【0078】
第1端子用ビア81は、表面側抵抗層21の第1端部21Aに接続されている。第1端子用ビア81は、Z方向において表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22寄りの位置に配置されている。第1端子用ビア81は、Z方向に延びている。第1端子用ビア81のZ方向の長さは、第1内部ビア23AのZ方向の長さと等しい。ここで、第1端子用ビア81のZ方向の長さと第1内部ビア23AのZ方向の長さとの差が例えば第1内部ビア23AのZ方向の長さの10%以内であれば、第1端子用ビア81のZ方向の長さが第1内部ビア23AのZ方向の長さと等しいといえる。
【0079】
第2端子用ビア82は、端子P1に接続されている。第2端子用ビア82は、X方向において表面側抵抗層21(半導体抵抗層20A)とは異なる位置に配置されている。第2端子用ビア82は、Z方向に延びている。第2端子用ビア82のZ方向の長さは、第1端子用ビア81のZ方向の長さよりも長い。
【0080】
配線層91は、平面視において、表面側抵抗層21と端子P1との双方と重なる位置に配置されている。配線層91は、表面側抵抗層21からX方向にはみ出す部分を含む。配線層91は、表面側抵抗層21に対してZ方向に離隔して配置されている。このため、配線層91と表面側抵抗層21とのZ方向の間と、配線層91と端子P1とのZ方向の間とには、表面側絶縁層60の一部が介在している。一例では、配線層91は、Z方向において内部配線層23Cと同じ位置に配置されている。なお、配線層91のZ方向の位置は任意に変更可能である。一例では、配線層91は、Z方向において内部配線層23Cよりも表面側抵抗層21寄りに配置されていてもよい。
【0081】
配線層91は、第1端子用ビア81および第2端子用ビア82の双方に接続されている。このため、第1端子用ビア81は、配線層91と表面側抵抗層21とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。第2端子用ビア82は、配線層91と端子P1とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。
【0082】
第1端子用ビア81、第2端子用ビア82、および配線層91の各々は、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、第1端子用ビア81および第2端子用ビア82は、Wを含む材料によって形成されている。つまり、第1端子用ビア81および第2端子用ビア82は、同じ材料によって形成されていてもよい。一例では、配線層91は、Alを含む材料によって形成されている。つまり、配線層91は、第1端子用ビア81および第2端子用ビア82の材料とは異なる材料によって形成されていてもよい。配線層91は、内部配線層23Cと同じ材料によって形成されていてもよい。
【0083】
なお、図示していないが、半導体抵抗層20B~20F、配線層92~95、および端子P2~P5の接続構成は、上述の半導体抵抗層20A、配線層91、および端子P1の構成と概ね共通であるため、その説明を省略する。
【0084】
[半導体抵抗層同士の接続構成]
図7図10を参照して、Y方向において隣り合う半導体抵抗層20同士の接続構成について説明する。図8は、図7のF8-F8線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図9は、図7のF9-F9線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図10は、図7のF10-F10線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。なお、図8図10では、基板側絶縁層50の一部および基板30を省略している。
【0085】
以下の説明において、便宜上、図7に示すとおり、Y方向において隣り合う3つの半導体抵抗層20を「第1半導体抵抗層201」、「第2半導体抵抗層202」、および「第3半導体抵抗層203」とする。つまり、複数の半導体抵抗層20は、第1半導体抵抗層201、第2半導体抵抗層202、および第3半導体抵抗層203を含むといえる。Y方向において、第2半導体抵抗層202は、第1半導体抵抗層201と第3半導体抵抗層203との間に配置されている。また、各半導体抵抗層201~203の共通する構成要素は、同一の符号で説明する。
【0086】
図7および図8に示すように、第1チップ14は、Y方向において隣り合う第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22と第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22とを電気的に接続する第1外部接続部24を含む。第1外部接続部24によって第1半導体抵抗層201と第2半導体抵抗層202とが電気的に直列接続されている。
【0087】
第1外部接続部24は、X方向において半導体抵抗層20の中央よりも第1端部21A,22A寄りに配置されている。第1外部接続部24は、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22の第1端部22Aと第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22の第1端部22Aとを接続している。第1外部接続部24は、第1基板側ビア24A、第2基板側ビア24B、および第1外部配線層24Cを含む。
【0088】
第1基板側ビア24Aは、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22に接続されている。Z方向において、第1基板側ビア24Aは、基板側抵抗層22に対して基板30(図5参照)寄りの位置に配置されている。第1基板側ビア24Aは、平面視において基板側抵抗層22の第1端部22Aと重なる位置に配置されている。つまり、第1基板側ビア24Aは、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22における第1端部22Aに接続されている。第1基板側ビア24Aは、Z方向に延びている。図7および図8の例では、第1基板側ビア24Aは4つであるが、これに限られない。第1基板側ビア24Aの数は任意に変更可能である。
【0089】
第2基板側ビア24Bは、第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22に接続されている。Z方向において、第2基板側ビア24Bは、基板側抵抗層22に対して基板30寄りの位置に配置されている。第2基板側ビア24Bは、Z方向において第1基板側ビア24Aと同じ位置に配置されている。
【0090】
第2基板側ビア24Bは、平面視において基板側抵抗層22の第1端部22Aと重なる位置に配置されている。つまり、第2基板側ビア24Bは、第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22における第1端部22Aに接続されている。このように、第2基板側ビア24Bは、X方向において第1基板側ビア24Aと同じ位置に配置されている。第2基板側ビア24Bは、Z方向に延びている。第2基板側ビア24BのZ方向の長さは、第1基板側ビア24AのZ方向の長さと等しい。ここで、第2基板側ビア24BのZ方向の長さと第1基板側ビア24AのZ方向の長さとの差が例えば第1基板側ビア24AのZ方向の長さの10%以内であれば、第2基板側ビア24BのZ方向の長さは、第1基板側ビア24AのZ方向の長さと等しいといえる。図8の例では、第2基板側ビア24Bは4つであるが、これに限られない。第2基板側ビア24Bの数は任意に変更可能である。
【0091】
第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24Bは、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24Bは、Wを含む材料によって形成されている。このように、第1基板側ビア24Aは、第2基板側ビア24Bと同じ材料によって形成されてもよい。また、第1基板側ビア24Aは、第1内部ビア23Aおよび第2内部ビア23B(ともに図6参照)と同じ材料によって形成されていてもよい。
【0092】
第1外部配線層24Cは、Y方向に延びている。第1外部配線層24Cは、Y方向が長さ方向となり、X方向が幅方向となる帯状に形成されている。第1外部配線層24Cは、平面視において、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22と第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22との双方と重なるように延びている。第1外部配線層24Cは、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22の第1端部22Aと第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22の第1端部22Aとの双方と重なっている。第1実施形態では、第1外部配線層24Cは、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22および第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22の双方よりも基板30寄りに配置されている。図8に示すように、第1外部配線層24Cが基板側抵抗層22からZ方向に離隔して配置されているため、第1外部配線層24Cと第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22および第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22とのZ方向の間には、表面側絶縁層60の一部が介在している。
【0093】
図9に示すように、第1外部配線層24Cは、内部接続部23の内部配線層23CとZ方向において同じ位置に配置されている。第1外部配線層24Cの厚さは、表面側抵抗層21の厚さおよび基板側抵抗層22の厚さの双方よりも厚い。一例では、第1外部配線層24Cの厚さは、内部配線層23Cの厚さと等しい。ここで、第1外部配線層24Cの厚さと内部配線層23Cの厚さとの差が例えば第1外部配線層24Cの厚さの10%以内であれば、第1外部配線層24Cの厚さが内部配線層23Cの厚さと等しいといえる。
【0094】
第1外部配線層24Cは、第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24Bの双方に接続されている。このため、第1基板側ビア24Aは、第1外部配線層24Cと第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。第2基板側ビア24Bは、第1外部配線層24Cと第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。第1外部配線層24Cは、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、第1外部配線層24Cは、Alを含む材料によって形成されている。また一例では、第1外部配線層24Cは、内部配線層23Cと同じ材料によって形成されている。
【0095】
図7および図10に示すように、第1チップ14は、Y方向において隣り合う第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21と第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21とを電気的に接続する第2外部接続部25を含む。第2外部接続部25によって第2半導体抵抗層202と第3半導体抵抗層203とが電気的に直列接続されている。
【0096】
第2外部接続部25は、X方向において半導体抵抗層20の中央よりも第1端部21A,22A寄りに配置されている。第2外部接続部25は、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21の第1端部21Aと第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21の第1端部21Aとを接続している。このため、図9に示すように、第2外部接続部25は、X方向において第1外部接続部24とは異なる位置に配置されている。また、図7に示すように、第2外部接続部25は、Y方向において第1外部接続部24に対してずれて配置されている。図10に示すように、第2外部接続部25は、第1表面側ビア25A、第2表面側ビア25B、および第2外部配線層25Cを含む。
【0097】
第1表面側ビア25Aは、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21に接続されている。図9に示すように、Z方向において、第1表面側ビア25Aは、表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22寄りの位置に配置されている。図10に示すように、第1表面側ビア25Aは、平面視において第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21の第1端部21Aと重なる位置に配置されている。つまり、第1表面側ビア25Aは、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21における第1端部21Aに接続されている。第1表面側ビア25Aは、Z方向に延びている。第1表面側ビア25AのZ方向の長さは、第1基板側ビア24AのZ方向の長さよりも長い。図7および図10に示す例では、第1表面側ビア25Aは4つであるが、これに限られない。第1表面側ビア25Aの数は任意に変更可能である。
【0098】
第2表面側ビア25Bは、第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21に接続されている。図9に示すように、Z方向において、第2表面側ビア25Bは、表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22寄りの位置に配置されている。図10に示すように、第2表面側ビア25Bは、平面視において第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21の第1端部21Aと重なる位置に配置されている。つまり、第2表面側ビア25Bは、第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21における第1端部21Aに接続されている。第2表面側ビア25Bは、Z方向に延びている。第2表面側ビア25BのZ方向の長さは、第1表面側ビア25AのZ方向の長さと等しい。ここで、第2表面側ビア25BのZ方向の長さと第1表面側ビア25AのZ方向の長さとの差が例えば第1表面側ビア25AのZ方向の長さの10%以内であれば、第2表面側ビア25BのZ方向の長さは、第1表面側ビア25AのZ方向の長さと等しいといえる。図7および図10に示す例では、第2表面側ビア25Bは4つであるが、これに限られない。第2表面側ビア25Bの数は任意に変更可能である。
【0099】
第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bは、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bは、Wを含む材料によって形成されている。このように、第1表面側ビア25Aは、第2表面側ビア25Bと同じ材料によって形成されてもよい。また、第1表面側ビア25Aは、第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24B(ともに図9参照)と同じ材料によって形成されていてもよい。
【0100】
図7に示すように、第2外部配線層25Cは、Y方向に延びている。第2外部配線層25Cは、Y方向が長さ方向となり、X方向が幅方向となる帯状に形成されている。第2外部配線層25Cは、平面視において、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21と第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21との双方と重なるように延びている。第2外部配線層25Cは、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21の第1端部21Aと第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21の第1端部21Aとの双方と重なっている。第1実施形態では、第2外部配線層25Cは、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21および第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21の双方よりも基板30(図5参照)寄りに配置されている。図10に示すように、第2外部配線層25Cが表面側抵抗層21からZ方向に離隔して配置されているため、第2外部配線層25Cと第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21および第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21とのZ方向の間には、表面側絶縁層60の一部が介在している。
【0101】
図9に示すように、第2外部配線層25Cは、第1外部配線層24CとZ方向において同じ位置に配置されている。このため、第2外部配線層25Cは、内部接続部23の内部配線層23CとZ方向において同じ位置に配置されている。第2外部配線層25Cの厚さは、表面側抵抗層21の厚さおよび基板側抵抗層22の厚さの双方よりも厚い。一例では、第2外部配線層25Cの厚さは、第1外部配線層24Cの厚さと等しい。ここで、第2外部配線層25Cの厚さと第1外部配線層24Cの厚さとの差が例えば第1外部配線層24Cの厚さの10%以内であれば、第2外部配線層25Cの厚さが第1外部配線層24Cの厚さと等しいといえる。
【0102】
図10に示すように、第2外部配線層25Cは、第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bの双方に接続されている。このため、第1表面側ビア25Aは、第2外部配線層25Cと第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。第2表面側ビア25Bは、第2外部配線層25Cと第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。第2外部配線層25Cは、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、第2外部配線層25Cは、Alを含む材料によって形成されている。また一例では、第2外部配線層25Cは、第1外部配線層24Cと同じ材料によって形成されている。
【0103】
このように、第1外部接続部24および第2外部接続部25によって第1半導体抵抗層201、第2半導体抵抗層202、および第3半導体抵抗層203が電気的に直列接続されている。図7に示すとおり、第1外部接続部24は、第1半導体抵抗層201の表面側抵抗層21と図示していない第1半導体抵抗層201に対して第2半導体抵抗層202とは反対側に配置された半導体抵抗層20の表面側抵抗層21とを接続している。第2外部接続部25は、第3半導体抵抗層203の基板側抵抗層22と図示していない第3半導体抵抗層203に対して第2半導体抵抗層202とは反対側に配置された半導体抵抗層20の表面側抵抗層21とを接続している。これにより、複数の半導体抵抗層20は、電気的に直列接続されている。
【0104】
第1チップ14は、複数の第1外部接続部24および複数の第2外部接続部25を含むといえる。複数の第1外部接続部24は、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。複数の第2外部接続部25は、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。複数の第1外部接続部24と複数の第2外部接続部25とは、Y方向において1つの半導体抵抗層20分だけずれて配置されている。
【0105】
[第1チップの製造方法]
図11図18を参照して、第1チップ14の製造方法の一例について説明する。図11図18は、第1チップ14の製造工程を示し第1チップ14の構成要素の断面構造を示している。
【0106】
第1チップ14の製造方法は、基板830を用意する工程と、基板830上に基板側絶縁層850を形成する工程と、第1表面側絶縁層861を形成する工程と、配線層を形成する工程と、第2表面側絶縁層862を形成する工程と、第1ビアを形成する工程と、基板側抵抗層22を形成する工程と、第3表面側絶縁層863を形成する工程と、第2ビアを形成する工程と、表面側抵抗層21を形成する工程と、第4表面側絶縁層864を形成する工程と、パッシベーション膜843を形成する工程と、個片化する工程と、を主に備える。また、第1チップ14の製造方法は、第3ビアを形成する工程と、端子P1~P5を形成する工程とを備える。
【0107】
図11に示すように、基板830を用意する工程では、例えばSi基板である基板830が用意される。基板830は、基板30を構成する部品であり、例えば半導体ウエハである。ここで、基板830は、複数の基板30を含むように構成されている。
【0108】
続いて、基板830上に基板側絶縁層850を形成する工程が実施される。この工程では、例えばCVD(chemical vapor deposition:化学気相蒸着法)によって、基板830上に基板側絶縁層850が形成される。より詳細には、基板側絶縁層850は、例えばCVDによってエッチングストッパ膜851と層間絶縁膜852とが交互に積層するように形成される。基板側絶縁層850は、基板側絶縁層50を構成する絶縁層である。エッチングストッパ膜851はエッチングストッパ膜51を構成する絶縁膜であり、層間絶縁膜852は層間絶縁膜52を構成する絶縁膜である。
【0109】
図12は、第1表面側絶縁層861を形成する工程と配線層を形成する工程とを示している。図12以降では、図面を容易に理解するために基板側絶縁層850の一部および基板830を省略している。
【0110】
図12に示すように、第1表面側絶縁層861を形成する工程では、例えばCVDによって基板側絶縁層850上に第1表面側絶縁層861が形成される。第1表面側絶縁層861は、例えばSiOを含む材料によって形成されている。第1表面側絶縁層861は、表面側絶縁層60のうち基板側絶縁層50と、内部接続部23の内部配線層23C、第1外部接続部24の第1外部配線層24C、および第2外部接続部25の第2外部配線層25Cとの間の部分を構成する絶縁層である。このように、第1表面側絶縁層861を形成する工程は、表面側絶縁層860の一部を構成する工程である。
【0111】
図12では、第1表面側絶縁層861と、第1表面側絶縁層861と接する基板側絶縁層50(層間絶縁膜852)との間に界面を二点鎖線で示している。しかし、実際には、第1表面側絶縁層861と層間絶縁膜852とは互いに同じ材料によって形成されているため、第1表面側絶縁層861と層間絶縁膜852との間に界面が視認できない場合がある。
【0112】
続いて、配線層を形成する工程では、内部接続部23の内部配線層23C、第1外部接続部24の第1外部配線層24C、および第2外部接続部25の第2外部配線層25Cの材料膜であるメタル膜(図示略)が第1表面側絶縁層861上に例えばスパッタ法によって形成される。メタル膜は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。続いて、例えばリソグラフィおよびエッチングによってメタル膜をパターニングすることによって内部配線層23C、第1外部配線層24C、および第2外部配線層25Cが形成される。つまり、内部配線層23C、第1外部配線層24C、および第2外部配線層25Cは、メタル膜をパターニングすることによって同時に形成される。なお、図示していないが、配線層91~95(図3参照)もメタル膜をパターニングすることによって内部配線層23C、第1外部配線層24C、および第2外部配線層25Cと同時に形成される。
【0113】
図13は、第2表面側絶縁層862を形成する工程と第1ビアを形成する工程とを示している。
第2表面側絶縁層862を形成する工程では、内部配線層23C、第1外部配線層24C、および第2外部配線層25Cと配線層91~95とを覆うように第1表面側絶縁層861上に第2表面側絶縁層862が例えばCVDによって形成される。第2表面側絶縁層862は、表面側絶縁層860の一部を構成する絶縁層である。第2表面側絶縁層862は、例えばSiOを含む材料によって形成されている。このように、第2表面側絶縁層862を形成する工程は、表面側絶縁層860の一部を形成する工程である。
【0114】
続いて、第1ビアを形成する工程では、まず例えばエッチングによって複数のビア用開口部が形成される。これらビア用開口部は、第2表面側絶縁層862をZ方向に貫通するとともに内部配線層23Cおよび第1外部配線層24Cを露出している。続いて、例えばスパッタ法によって複数のビア用開口部内に金属材料が充填される。金属材料は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。これにより、第2内部ビア23Bおよび第1基板側ビア24Aが形成される。第2内部ビア23Bおよび第1基板側ビア24Aの各々は、第2表面側絶縁層862からZ方向に露出している。なお、図示していないが、この工程では、第2基板側ビア24Bも形成される。第2基板側ビア24Bは、第2表面側絶縁層862からZ方向に露出している。
【0115】
図14は、基板側抵抗層22を形成する工程を示している。
基板側抵抗層22を形成する工程では、第2表面側絶縁層862の表面862Aに、基板側抵抗層22の材料膜である抵抗材料膜が形成される。抵抗材料膜は、例えばCrSiを含む材料によって形成される。抵抗材料膜は、例えば表面862Aの全体にわたり形成される。続いて、例えばリソグラフィおよびエッチングによって抵抗材料膜がパターニングされることによって基板側抵抗層22が形成される。図示していないが、この工程では、Y方向において互いに離隔して配列された複数の基板側抵抗層22が形成される。また、第2内部ビア23Bの上端および第1基板側ビア24Aの上端の各々が基板側抵抗層22に接続される。なお、図示していないが、第2基板側ビア24Bは、図14の基板側抵抗層22とY方向に隣り合う基板側抵抗層22(図示略)に接続される。以上の工程を経て、第1外部接続部24が製造される。
【0116】
図15は、第3表面側絶縁層863を形成する工程と第2ビアを形成する工程とを示している。
第3表面側絶縁層863を形成する工程では、基板側抵抗層22を覆うように第2表面側絶縁層862上に、例えばCVDによって第3表面側絶縁層863が形成される。第3表面側絶縁層863は、第2表面側絶縁層862の表面862Aに積層される。第3表面側絶縁層863は、表面側絶縁層860の一部を構成する絶縁層である。第3表面側絶縁層863は、例えばSiOを含む材料によって形成されている。
【0117】
続いて、第2ビアを形成する工程では、まず例えばエッチングによって複数のビア用開口部が形成される。これらビア用開口部は、第3表面側絶縁層863および第2表面側絶縁層862をZ方向に貫通するとともに内部配線層23Cおよび第2外部配線層25Cを露出している。続いて、例えばスパッタ法によって複数のビア用開口部内に金属材料が充填される。金属材料は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。これにより、第1内部ビア23Aおよび第1表面側ビア25Aが形成される。第2内部ビア23Bおよび第1表面側ビア25Aの各々は、第2表面側絶縁層862からZ方向に露出している。なお、図示していないが、この工程では、第2表面側ビア25Bおよび第1端子用ビア81も形成される。第2表面側ビア25Bおよび第1端子用ビア81の各々は、第2表面側絶縁層862からZ方向に露出している。以上の工程を経て、内部接続部23が製造される。
【0118】
図16は、表面側抵抗層21を形成する工程を示している。
表面側抵抗層21を形成する工程では、第3表面側絶縁層863の表面863Aに、表面側抵抗層21の材料膜である抵抗材料膜が形成される。抵抗材料膜は、例えばCrSiを含む材料によって形成される。一例では、表面側抵抗層21を形成するための抵抗材料膜は、基板側抵抗層22を形成するための抵抗材料膜と同じ材料の膜が用いられる。抵抗材料膜は、例えば表面863Aの全体にわたり形成される。続いて、例えばリソグラフィおよびエッチングによって抵抗材料膜がパターニングされることによって表面側抵抗層21が形成される。図示していないが、この工程では、Y方向において互いに離隔して配列された複数の表面側抵抗層21が形成される。平面視において、各表面側抵抗層21は、各基板側抵抗層22と重なる位置に形成される。
【0119】
また、第1内部ビア23Aの上端および第1表面側ビア25Aの上端の各々が表面側抵抗層21に接続される。なお、図示していないが、第2表面側ビア25Bは、図16の表面側抵抗層21とY方向に隣り合う表面側抵抗層21(図示略)に接続される。また、図示していないが、第1端子用ビア81は、図16の表面側抵抗層21、および図16の表面側抵抗層21とY方向に隣り合う表面側抵抗層21の双方とは異なる表面側抵抗層21に接続される。以上の工程を経て、第2外部接続部25および半導体抵抗層20が製造される。
【0120】
図17は、第4表面側絶縁層864を形成する工程を示している。
第4表面側絶縁層864を形成する工程では、表面側抵抗層21を覆うように第3表面側絶縁層863上に、例えばCVDによって第4表面側絶縁層864が形成される。第4表面側絶縁層864は、第3表面側絶縁層863の表面863Aに積層される。第4表面側絶縁層864は、表面側絶縁層860の一部を構成する絶縁層である。第4表面側絶縁層864は、例えばSiOを含む材料によって形成されている。以上の工程を経て、表面側絶縁層860が形成される。
【0121】
図18は、第3ビアを形成する工程と、端子P1~P5を形成する工程と、パッシベーション膜843を形成する工程と、個片化する工程とを示している。図18では、半導体抵抗層20Aおよびその周辺の断面構造を示している。
【0122】
第3ビアを形成する工程では、まず例えばエッチングによって複数のビア用開口部が形成される。これらビア用開口部は、第4表面側絶縁層864、第3表面側絶縁層863、および第2表面側絶縁層862をZ方向に貫通するとともに配線層91~95(図3参照)を露出している。図18では、配線層91が示されている。続いて、例えばスパッタ法によって複数のビア用開口部内に金属材料が充填される。金属材料は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。これにより、第2端子用ビア82が形成される。第2端子用ビア82は、表面側絶縁層860からZ方向に露出している。
【0123】
続いて、端子P1を形成する工程では、例えばスパッタ法によって第4表面側絶縁層864上に端子P1の材料膜であるメタル膜が形成される。メタル膜は、第2端子用ビア82と接している。メタル膜は、例えばTi、TiN、Ta,TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。続いて、リソグラフィおよびエッチングによってメタル膜をパターニングすることによって端子P1が形成される。なお、図示していないが、端子P2~P5も同様に形成される。このように、端子P1~P5は、第2端子用ビア82と接している。
【0124】
続いて、パッシベーション膜843を形成する工程では、まず例えば第4表面側絶縁層864上および端子P1~P5上にパッシベーション膜843の材料膜であるパッシベーション材料膜が形成される。続いて、例えばエッチングによってパッシベーション材料膜のうち端子P1~P5を覆う部分の一部が除去される。つまり、端子P1~P5の一部は、パッシベーション材料膜から露出する。パッシベーション膜843には、端子P1~P5を露出する開口部843Xが形成されるともいえる。これにより、パッシベーション材料膜からパッシベーション膜843が形成される。パッシベーション膜843は、パッシベーション膜43を構成する膜であり、例えばSiNを含む材料によって形成される。なお、図18では、端子P1を露出する開口部843Xが示されている。開口部843Xは、開口部43Xに対応する。
【0125】
続いて、個片化する工程では、例えばダイシングブレードを用いて図18の切断線CLに沿ってパッシベーション膜843、表面側絶縁層860、基板側絶縁層850、および基板830(図11参照)が切断される。これにより、パッシベーション膜43、表面側絶縁層60、基板側絶縁層50、および基板30が形成される。以上の工程を経て、第1チップ14が製造される。
【0126】
[作用]
第1実施形態の作用について説明する。
第1チップ14においては、複数の半導体抵抗層20の合計の長さに応じて抵抗値が主に設定される。第1実施形態では、半導体抵抗層20は、Z方向において互いに異なる位置に配置された表面側抵抗層21および基板側抵抗層22と、表面側抵抗層21および基板側抵抗層22を電気的に直列接続する内部接続部23と、を含む。これにより、半導体抵抗層20は、半導体抵抗層20を折り返す構成となる。このため、半導体抵抗層20が表面側抵抗層21および基板側抵抗層22のいずれか一方のみを含む構成と比較して、平面視における半導体抵抗層20の長さ寸法を短くすることができる。これにより、X方向において第1チップ14の小型化を図ることができる。また、半導体抵抗層20が表面側抵抗層21および基板側抵抗層22のいずれか一方のみを含む構成と比較して、半導体抵抗層20の合計の長さが同じであれば、複数の半導体抵抗層20の数を減らすことができる。これにより、Y方向において第1チップ14の小型化を図ることができる。
【0127】
[効果]
第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)第1チップ14は、基板30と、基板30上に設けられた素子絶縁層40と、素子絶縁層40に設けられた半導体抵抗層20と、を備える。半導体抵抗層20は、基板30の厚さ方向(Z方向)と直交する第1方向(X方向)に延びる表面側抵抗層21と、Z方向において表面側抵抗層21よりも基板30寄りに配置された基板側抵抗層22と、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22とを電気的に直列接続する内部接続部23と、を含む。
【0128】
この構成によれば、半導体抵抗層20が表面側抵抗層21および基板側抵抗層22のいずれか一方のみを含む構成と比較して、平面視における半導体抵抗層20の長さ方向(X方向)の長さを短くすることができる。これにより、X方向において第1チップ14の小型化を図ることができる。
【0129】
(1-2)基板側抵抗層22は、Z方向から視て、表面側抵抗層21とオーバーラップしているオーバーラップ領域22Rを含む。
この構成によれば、基板側抵抗層22がオーバーラップ領域22Rを含まない構成と比較して、第1チップ14の小型化を図ることができる。
【0130】
(1-3)オーバーラップ領域22Rは、基板側抵抗層22のX方向の全体にわたり形成されている。
この構成によれば、基板側抵抗層22が表面側抵抗層21に対してX方向にずれた部分を含む場合と比較して、X方向における第1チップ14の小型化を図ることができる。
【0131】
(1-4)オーバーラップ領域22Rは、基板側抵抗層22のY方向の全体にわたり形成されている。
この構成によれば、基板側抵抗層22が表面側抵抗層21に対してY方向にずれた部分を含む場合と比較して、Y方向における第1チップ14の小型化を図ることができる。
【0132】
(1-5)素子絶縁層40は、基板30上に設けられた基板側絶縁層50と、基板側絶縁層50上に積層された表面側絶縁層60と、を備える。基板側絶縁層50は、複数のエッチングストッパ膜51と、エッチングストッパ膜51の応力緩和となる複数の層間絶縁膜52とが1つずつ交互に積層された構成である。半導体抵抗層20は、表面側絶縁層60に埋め込まれている。
【0133】
この構成によれば、表面側絶縁層60に埋め込まれた半導体抵抗層20と基板30との間に基板側絶縁層50が介在することによって半導体抵抗層20と基板30とのZ方向の間の距離を大きくとることができる。したがって、第1チップ14の絶縁耐圧の向上を図ることができる。
【0134】
また、複数のエッチングストッパ膜51と、エッチングストッパ膜51の応力緩和となる複数の層間絶縁膜52とが1つずつ交互に積層された基板側絶縁層50が構成となることによって、基板側絶縁層50を厚くしても第1チップ14の反り量の増加を抑制できる。
【0135】
(1-6)内部接続部23の内部配線層23C、第1外部接続部24の第1外部配線層24C、および第2外部接続部25の第2外部配線層25Cは、Z方向において互いに同じ位置に配置されている。
【0136】
この構成によれば、内部配線層23C、第1外部配線層24C、および第2外部配線層25Cを共通の工程で形成することができる。したがって、第1チップ14の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0137】
(1-7)内部接続部23の第2内部ビア23Bと、第1外部接続部24の第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24Bとは、Z方向において互いに同じ位置に配置されている。第2内部ビア23B、第1基板側ビア24A、および第2基板側ビア24Bの各々のZ方向の長さは互いに等しい。
【0138】
この構成によれば、第2内部ビア23B、第1基板側ビア24A、および第2基板側ビア24Bを共通の工程で形成することができる。したがって、第1チップ14の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0139】
(1-8)内部接続部23の第1内部ビア23Aと、第2外部接続部25の第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bとは、Z方向において互いに同じ位置に配置されている。第1内部ビア23A、第1表面側ビア25A、および第2表面側ビア25Bの各々のZ方向の長さは互いに等しい。
【0140】
この構成によれば、第1内部ビア23A、第1表面側ビア25A、および第2表面側ビア25Bを共通の工程で形成することができる。したがって、第1チップ14の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0141】
<第2実施形態>
図19および図20を参照して、第2実施形態の半導体モジュール10の構成について説明する。第2実施形態の半導体モジュール10は、第1実施形態の半導体モジュール10と比較して、半導体抵抗層20の基板側抵抗層22および内部接続部23の構成が異なる。以下では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0142】
[半導体抵抗層の接続構成]
図19は、複数の半導体抵抗層20の一部の平面構造を示している。図20は、図19のF20-F20線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。なお、図19では、図面の理解を容易にするため、平面視で重なる部品の外形線を互いにずらして示している。
【0143】
図19および図20に示すように、第2実施形態の基板側抵抗層22の長さ寸法(基板側抵抗層22のX方向の長さ)は、第1実施形態の基板側抵抗層22の長さ寸法よりも長い。第2実施形態の基板側抵抗層22の長さ寸法は、表面側抵抗層21の長さ寸法(表面側抵抗層21のX方向の長さ)よりも短い。
【0144】
基板側抵抗層22の第2端部22Bは、平面視において表面側抵抗層21の第2端部21Bと重なる位置に配置されている。一例では、基板側抵抗層22のX方向の両端面のうち第2端部22Bに近い方の端面は、表面側抵抗層21のX方向の両端面のうち第2端部21Bに近い方の端面とX方向において同じ位置に配置されている。このため、基板側抵抗層22のオーバーラップ領域22Rは、基板側抵抗層22のX方向の全体にわたり形成されている。また、第2実施形態では、オーバーラップ領域22Rは、基板側抵抗層22のY方向の全体にわたり形成されている。このように、第2実施形態では、基板側抵抗層22は、平面視において表面側抵抗層21からはみ出す部分を有していない。
【0145】
第2実施形態の内部接続部23は、第1実施形態の第1内部ビア23A、第2内部ビア23B、および内部配線層23C(図6参照)に代えて、内部ビア23Dによって構成されている。内部ビア23Dは、Z方向において基板側抵抗層22と表面側抵抗層21との間に配置されている。
【0146】
内部ビア23Dは、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22のオーバーラップ領域22Rとの双方を接続している。一例では、内部ビア23Dは、X方向における表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の端部同士を接続している。第2実施形態では、内部ビア23Dは、表面側抵抗層21の第2端部21Bと基板側抵抗層22の第2端部22Bとを接続している。
【0147】
内部ビア23Dは、Z方向に延びている。内部ビア23Dは、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22とのZ方向の間の表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。図19および図20に示すように、内部ビア23Dは4つであるが、これに限られない。内部ビア23Dの数は任意に変更可能である。
【0148】
[第1チップの製造方法]
次に、第1チップ14の製造方法について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と共通の製造工程については説明を省略する。
【0149】
第2実施形態の第1チップ14の製造方法では、第1実施形態と比較して、内部配線層23C、第2内部ビア23B、および第1内部ビア23Aが形成される工程が省略される一方、内部ビア23Dを形成する工程が追加される。内部ビア23Dを形成する工程は、第2表面側絶縁層862上に形成された基板側抵抗層22を覆うように第3表面側絶縁層863(図15参照)が形成された後、実施される。内部ビア23Dを形成する工程では、例えばエッチングによって第3表面側絶縁層863にビア用開口部が形成される。ビア用開口部は、第3表面側絶縁層863をZ方向に貫通することによって基板側抵抗層22の第2端部22Bを露出している。続いて、例えばスパッタ法によってビア用開口部内に金属材料が充填される。金属材料は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。これにより、内部ビア23Dが形成される。内部ビア23Dが形成された後、第3表面側絶縁層863上に表面側抵抗層21が形成される。これにより、表面側抵抗層21の第2端部21Bは内部ビア23Dに接続される。その後の工程は、第1実施形態と概ね共通である。
【0150】
[効果]
第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2-1)内部接続部23は、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22のオーバーラップ領域22Rとの双方に接続された内部ビア23Dによって構成されている。
【0151】
この構成によれば、内部接続部23として基板側抵抗層22に接続されるビア、表面側抵抗層21に接続されるビア、およびこれらビアと接続される配線層を備える構成と比較して、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22との接続構成の簡素化を図ることができる。
【0152】
(2-2)内部ビア23Dは、X方向における表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の第2端部21B,22B同士を接続している。
この構成によれば、表面側抵抗層21、基板側抵抗層22、および内部ビア23Dによって構成される1つの半導体抵抗層20の電流経路を長くすることができる。
【0153】
<第3実施形態>
図21図23を参照して、第3実施形態の半導体モジュール10の構成について説明する。第3実施形態の半導体モジュール10は、第1実施形態の半導体モジュール10と比較して、第1チップ14における第2外部接続部25の構成が異なる。以下では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0154】
[半導体抵抗層の接続構成]
図21は、複数の半導体抵抗層20の一部の平面構造を示している。図22は、図21のF22-F22線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図23は、図21のF23-F23線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。なお、図21では、図面の理解を容易にするため、平面視で重なる部品の外形線を互いにずらして示している。
【0155】
図21および図22に示すように、第2外部接続部25は、Z方向において半導体抵抗層20の表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22とは反対側に配置されている。第2外部接続部25は、第1実施形態と同様に、平面視において表面側抵抗層21の第1端部21Aと重なる位置に配置されている。
【0156】
図22および図23に示すように、第3実施形態の第2外部接続部25では、第1表面側ビア25A、第2表面側ビア25B、および第2外部配線層25Cが一体に形成されている。第2外部接続部25は、Ti、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、第2外部接続部25は、Alを含む材料によって形成されている。
【0157】
第1表面側ビア25Aは、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21における第1端部21Aに接続されている。第2表面側ビア25Bは、第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21における第1端部21Aに接続されている。図示された例では、第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bの各々は1つであるが、これに限られない。第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bの各々の数は任意に変更可能である。
【0158】
第2外部配線層25Cは、Z方向において表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22とは反対側に配置されている。第2外部配線層25Cは、素子絶縁層40の素子表面41上に形成されている。第2外部配線層25Cは、パッシベーション膜43によって覆われている。第2外部配線層25Cと表面側抵抗層21とのZ方向の間には表面側絶縁層60の一部が介在している。このため、第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bの双方は、第2外部配線層25Cと表面側抵抗層21とのZ方向の間に介在する表面側絶縁層60をZ方向に貫通している。
【0159】
[第1チップの製造方法]
次に、第1チップ14の製造方法について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と共通の製造工程については説明を省略する。
【0160】
第3実施形態の第1チップ14の製造方法は、第1実施形態と比較して、第2外部接続部25の製造工程が異なる。第3実施形態では、第2外部接続部25を形成する工程は、表面側抵抗層21を覆う第4表面側絶縁層864(図17参照)が形成された後に実施される。
【0161】
第2外部接続部25を形成する工程は、第4表面側絶縁層864に、表面側抵抗層21に接続される第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bを形成する工程を含む。より詳細には、まず例えばエッチングによって第1ビア用開口部および第2ビア用開口部を第4表面側絶縁層864に形成する。続いて、例えばスパッタ法によって第1ビア用開口部内および第2ビア用開口部内に金属材料が充填される。金属材料は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。これにより、第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bが形成される。
【0162】
第2外部接続部25を形成する工程は、第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bを接続する第2外部配線層25Cを形成する工程を含む。この工程では、まず例えばスパッタ法によって第4表面側絶縁層864上に金属層が形成される。金属層は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。続いて、金属層をパターニングすることによって第2外部配線層25Cが形成される。以上の工程を経て、第2外部接続部25が製造される。
【0163】
その後、第4表面側絶縁層864上に第2外部配線層25Cを覆うようにパッシベーション膜843(図18参照)が形成される。そしてその後の工程は、第1実施形態と概ね共通である。
【0164】
[効果]
第3実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3-1)第2外部配線層25Cは、Z方向において表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22とは反対側に配置されている。
【0165】
この構成によれば、Z方向において第2外部接続部25が第1外部接続部24と同じ位置に配置されることが回避される。X方向から視て、第2外部接続部25が第1外部接続部24と重なることが回避される。このため、表面側抵抗層21のX方向の長さおよび基板側抵抗層22のX方向の長さの各々の設定の自由度の向上を図ることができる。
【0166】
<第4実施形態>
図24図27を参照して、第4実施形態の半導体モジュール10の構成について説明する。第4実施形態の半導体モジュール10では、第2実施形態の半導体モジュール10と比較して、半導体抵抗層20の基板側抵抗層22、第1外部接続部24、および第2外部接続部25の構成が異なる。以下では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0167】
[半導体抵抗層の接続構成]
図24は、複数の半導体抵抗層20の一部の平面構造を示している。図25は、図24のF25-F25線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図26は、図24のF26-F26線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図27は、図24のF27-F27線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。なお、図24では、図面の理解を容易にするため、平面視で重なる部品の外形線を互いにずらして示している。
【0168】
図24に示すように、第4実施形態の第1外部接続部24は、第2実施形態と比較して、X方向における配置位置が異なる。具体的には、平面視において、第1外部接続部24は、第2外部接続部25と重なる位置に配置されている。換言すると、第1外部接続部24は、半導体抵抗層20の表面側抵抗層21の第1端部21Aと重なる位置に配置されている。つまり、第1外部接続部24および第2外部接続部25は、表面側抵抗層21の第1端部21Aにおいて、平面視において互いに重なるように設けられている。
【0169】
図25に示すように、第1外部接続部24は、Y方向に隣り合う2つの半導体抵抗層20の基板側抵抗層22の第1端部22A同士を接続している。このため、第1端部22Aは平面視において表面側抵抗層21の第1端部21Aと重なる位置に配置されている。図26に示すとおり、第4実施形態では、基板側抵抗層22の長さ寸法(基板側抵抗層22のX方向の長さ)は、表面側抵抗層21の長さ寸法(表面側抵抗層21のX方向の長さ)と等しい。ここで、基板側抵抗層22の長さ寸法と表面側抵抗層21の長さ寸法との差が例えば表面側抵抗層21の長さ寸法の10%以内であれば、基板側抵抗層22の長さ寸法が表面側抵抗層21の長さ寸法と等しいといえる。
【0170】
図27に示すように、第2外部接続部25は、Y方向に隣り合う2つの半導体抵抗層20の表面側抵抗層21の第1端部21A同士を接続している。図25および図27に示すように、第1外部接続部24および第2外部接続部25では、電気的に接続する2つの半導体抵抗層20が1つ分ずれている。
【0171】
図27に示すとおり、第4実施形態の第2外部接続部25の構成は、第3実施形態の第2外部接続部25の構成と同じである。一例では、第2外部接続部25の第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bを構成する材料と、第1外部接続部24の第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24Bを構成する材料とは、互いに異なる。
【0172】
[第1チップの製造方法]
次に、第1チップ14の製造方法について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と共通の製造工程については説明を省略する。
【0173】
第4実施形態の第1チップ14の製造方法では、第1実施形態と比較して、内部配線層23C、第2内部ビア23B、および第1内部ビア23Aが形成される工程が省略される一方、内部ビア23Dを形成する工程が追加される。また、第4実施形態の第1チップ14の製造方法は、第1実施形態と比較して、第2外部接続部25の製造工程が異なる。内部ビア23Dを形成する工程は、第2実施形態の内部ビア23Dを形成する工程と同様である。第2外部接続部25を形成する工程は、第3実施形態の第2外部接続部25を形成する工程と同様である。
【0174】
[効果]
第4実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(4-1)X方向において、表面側抵抗層21の長さと基板側抵抗層22の長さとは互いに等しい。この構成によれば、第1チップ14のX方向の範囲内において、表面側抵抗層21のX方向の長さおよび基板側抵抗層22のX方向の長さの各々を最大限延ばすことができる。
【0175】
(4-2)第1外部接続部24および第2外部接続部25は、表面側抵抗層21の第1端部21Aにおいて、平面視において互いに重なるように設けられている。
この構成によれば、表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の各々における電流経路を長くとることができる。
【0176】
<第5実施形態>
図28図32を参照して、第5実施形態の半導体モジュール10の構成について説明する。第5実施形態の半導体モジュール10は、第2実施形態の半導体モジュール10と比較して、半導体抵抗層20の基板側抵抗層22、第1外部接続部24、および第2外部接続部25の構成が異なる。以下では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0177】
[半導体抵抗層の接続構成]
図28は複数の半導体抵抗層20の平面構造を示し、図29は複数の基板側抵抗層22の平面構造を示している。図30は、図28のF30-F30線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図31は、図28のF31-F31線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図32は、図28のF32-F32線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。なお、図28では、図面の理解を容易にするため、平面視で重なる部品の外形線を互いにずらして示している。
【0178】
図28および図29に示すように、第5実施形態の第1外部接続部24は、第2実施形態と比較して、X方向における配置位置が異なる。具体的には、平面視において、第1外部接続部24は、第2外部接続部25と重なる位置に配置されている。換言すると、第1外部接続部24は、半導体抵抗層20の表面側抵抗層21の第1端部21Aと重なる位置に配置されている。つまり、第1外部接続部24および第2外部接続部25は、表面側抵抗層21の第1端部21Aにおいて、平面視において互いに重なるように設けられている。
【0179】
図29に示すように、第5実施形態の第1外部接続部24は、第1基板側ビア24A、第2基板側ビア24B、および第1外部配線層24C(図8参照)に代えて、接続配線層70を含む。接続配線層70は、Y方向において隣り合う2つの基板側抵抗層22の間に設けられ、かつこれら基板側抵抗層22と一体に設けられている。接続配線層70は、これら基板側抵抗層22の第1端部22A同士を繋ぐように形成されている。一例では、接続配線層70の幅寸法(接続配線層70のX方向の大きさ)は、基板側抵抗層22の幅寸法(基板側抵抗層22のY方向の大きさ)と等しい。ここで、接続配線層70の幅寸法と基板側抵抗層22の幅寸法との差が例えば基板側抵抗層22の幅寸法の10%以内であれば、接続配線層70の幅寸法が基板側抵抗層22の幅寸法と等しいといえる。なお、接続配線層70の幅寸法は任意に変更可能である。なお、図29では、図面を容易に理解するため、基板側抵抗層22の第1端部22Aと接続配線層70との境界を二点鎖線で示している。
【0180】
図30に示すように、接続配線層70は、Z方向において基板側抵抗層22と同じ位置に設けられている。また、接続配線層70の厚さは、基板側抵抗層22の厚さと等しい。ここで、接続配線層70の厚さと基板側抵抗層22の厚さとの差が基板側抵抗層22の厚さの10%以内であれば、接続配線層70の厚さが基板側抵抗層22の厚さと等しいといえる。接続配線層70は、基板側抵抗層22と同じ材料によって形成されている。一例では、接続配線層70は、CrSiを含む材料によって形成されている。
【0181】
図31に示すように、表面側抵抗層21と基板側抵抗層22とは、表面側抵抗層21の第2端部21Bと基板側抵抗層22の第2端部22Bとを内部ビア23Dが接続することによって電気的に直列接続されている。このように、基板側抵抗層22の長さ寸法は、表面側抵抗層21の長さ寸法と等しい。
【0182】
図31および図32に示すように、第5実施形態の第2外部接続部25は、第3実施形態の第2外部接続部25の構成と同じである。一例では、第2外部接続部25を構成する材料と、第1外部接続部24を構成する材料とは、互いに異なる。
【0183】
[第1チップの製造方法]
次に、第1チップ14の製造方法について説明する。以下では、第4実施形態と異なる点について説明し、第4実施形態と共通の製造工程については説明を省略する。
【0184】
第5実施形態の第1チップ14の製造方法は、第4実施形態と比較して、第1外部接続部24を形成する工程が異なる。第5実施形態の第1チップ14の製造方法は、第1外部配線層24Cを形成する工程と、第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24Bを形成する工程とが省略される一方、接続配線層70を形成する工程を含む。
【0185】
接続配線層70を形成する工程は、基板側抵抗層22を形成する工程と共通の工程で実施される。つまり、基板側抵抗層22と接続配線層70とは一体に形成される。このため、第1チップ14の製造方法は、第2表面側絶縁層862(図14参照)に基板側抵抗層22および接続配線層70を形成する工程を含む。このため、接続配線層70は、基板側抵抗層22と同じ材料によって形成される。なお、その後の工程は、第4実施形態と同様である。
【0186】
[効果]
第5実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(5-1)第1外部接続部24は、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22および第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22とZ方向において同じ位置に設けられ、両基板側抵抗層22を接続する接続配線層70を含む。
【0187】
この構成によれば、第1外部接続部24として第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22に接続されるビア、第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22に接続されるビア、およびこれらビアと接続される配線層を備える構成と比較して、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22と第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22との接続構成の簡素化を図ることができる。
【0188】
(5-2)内部接続部23、第1外部接続部24、および第2外部接続部25の各々は、Z方向において基板側抵抗層22と同じ位置、または基板側抵抗層22に対して基板30とは反対側の位置に設けられている。
【0189】
この構成によれば、基板30と、内部接続部23、第1外部接続部24、および第2外部接続部25の各々とのZ方向の間の距離を大きくとることができる。したがって、第1チップ14の絶縁耐圧の向上を図ることができる。
【0190】
(5-3)接続配線層70は、基板側抵抗層22と一体に形成されている。
この構成によれば、第1外部接続部24が基板側抵抗層22とは別の部品として形成される場合と比較して、第1外部接続部24および基板側抵抗層22を容易に形成することができる。このため、第1チップ14の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0191】
(5-4)接続配線層70は、基板側抵抗層22と同じ材料によって形成されている。
この構成によれば、接続配線層70が基板側抵抗層22の一部として構成することができる。したがって、接続配線層70が半導体抵抗層20の一部を構成することができるので、半導体抵抗層20の長さを長くとることができる。
【0192】
<第6実施形態>
図33図36を参照して、第6実施形態の半導体モジュール10の構成について説明する。第6実施形態の半導体モジュール10は、第5実施形態の半導体モジュール10と比較して、半導体抵抗層20の表面側抵抗層21および第2外部接続部25の構成が異なる。以下では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0193】
[半導体抵抗層の接続構成]
図33は複数の半導体抵抗層20の平面構造を示している。図34は、図33のF34-F34線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図35は、図33のF35-F35線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。図36は、図33のF36-F36線で第1チップ14を切断した断面構造を示している。なお、図33では、図面の理解を容易にするため、平面視で重なる部品の外形線を互いにずらして示している。
【0194】
図33および図35に示すように、第6実施形態の内部接続部23は、第5実施形態(第2実施形態)の内部接続部23と同様である。また、第5実施形態と同様に、表面側抵抗層21のX方向の長さと基板側抵抗層22のX方向の長さとは互いに等しい。また、基板側抵抗層22のオーバーラップ領域22Rは、X方向において基板側抵抗層22の全体にわたり形成されている。またオーバーラップ領域22Rは、Y方向において基板側抵抗層22の全体にわたり形成されている。
【0195】
図34に示すように、第6実施形態の第1外部接続部24は、第5実施形態の第1外部接続部24と同様である。なお、第6実施形態では、説明の便宜上、第5実施形態の第1外部接続部24における接続配線層70を「第1接続配線層71」とする。このため、第1外部接続部24は、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22および第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22とZ方向において同じ位置に設けられ、両基板側抵抗層22を接続する第1接続配線層71を含む。
【0196】
図33および図36に示すように、第6実施形態の第2外部接続部25は、第1表面側ビア25A、第2表面側ビア25B、および第2外部配線層25C(図32参照)に代えて、第2接続配線層72を含む。第2接続配線層72は、Y方向において隣り合う2つの表面側抵抗層21の間に設けられ、かつこれら表面側抵抗層21と一体に設けられている。一例では、図33に示すように、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21および第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21を接続している。なお、図33では、図面を容易に理解するために表面側抵抗層21の第1端部21Aと第2接続配線層72との境界を二点鎖線で示している。
【0197】
第2接続配線層72は、これら表面側抵抗層21の第1端部21A同士を繋ぐように形成されている。第1接続配線層71および第2接続配線層72は、表面側抵抗層21の第1端部21Aにおいて、平面視において互いに重なる位置に設けられている。
【0198】
一例では、第2接続配線層72の幅寸法(第2接続配線層72のX方向の大きさ)は、表面側抵抗層21の幅寸法(表面側抵抗層21のY方向の大きさ)と等しい。ここで、第2接続配線層72の幅寸法と表面側抵抗層21の幅寸法との差が例えば表面側抵抗層21の幅寸法の10%以内であれば、第2接続配線層72の幅寸法が表面側抵抗層21の幅寸法と等しいといえる。また一例では、第2接続配線層72の幅寸法は、第1接続配線層71の幅寸法と等しい。ここで、第2接続配線層72の幅寸法と第1接続配線層71の幅寸法との差が例えば第1接続配線層71の幅寸法の10%以内であれば、第2接続配線層72の幅寸法が第1接続配線層71の幅寸法と等しいといえる。また一例では、第2接続配線層72の長さ寸法(第2接続配線層72のY方向の長さ)は、第1接続配線層71の長さ寸法(第1接続配線層71のY方向の長さ)と等しい。ここで、第2接続配線層72の長さ寸法と第1接続配線層71の長さ寸法との差が例えば第1接続配線層71の長さ寸法の10%以内であれば、第2接続配線層72の長さ寸法が第1接続配線層71の長さ寸法と等しいといえる。なお、第2接続配線層72の幅寸法および長さ寸法の各々は任意に変更可能である。
【0199】
図36に示すように、第2接続配線層72は、Z方向において表面側抵抗層21と同じ位置に設けられている。また、第2接続配線層72の厚さは、表面側抵抗層21の厚さと等しい。ここで、第2接続配線層72の厚さと表面側抵抗層21の厚さとの差が表面側抵抗層21の厚さの10%以内であれば、第2接続配線層72の厚さが表面側抵抗層21の厚さと等しいといえる。また、第2接続配線層72の厚さは、第1接続配線層71の厚さと等しい。ここで、第2接続配線層72の厚さと第1接続配線層71の厚さとの差が例えば第1接続配線層71の厚さの10%以内であれば、第2接続配線層72の厚さが第1接続配線層71の厚さと等しいといえる。
【0200】
第2接続配線層72は、表面側抵抗層21と同じ材料によって形成されている。一例では、第2接続配線層72は、CrSiを含む材料によって形成されている。また、第2接続配線層72は、第1接続配線層71と同じ材料によって形成されてもよい。このため、第2接続配線層72は、基板側抵抗層22と同じ材料によって形成されてもよい。
【0201】
[第1チップの製造方法]
次に、第1チップ14の製造方法について説明する。以下では、第4実施形態と異なる点について説明し、第4実施形態と共通の製造工程については説明を省略する。
【0202】
第6実施形態の第1チップ14の製造方法は、第4実施形態と比較して、第1外部接続部24を形成する工程および第2外部接続部25を形成する工程が異なる。第6実施形態の第1チップ14の製造方法は、第1外部配線層24Cを形成する工程と、第1基板側ビア24Aおよび第2基板側ビア24Bを形成する工程とが省略される一方、第1接続配線層71を形成する工程を含む。第6実施形態の第1チップ14の製造方法は、第2外部配線層25Cを形成する工程と、第1表面側ビア25Aおよび第2表面側ビア25Bを形成する工程とが省略される一方、第2接続配線層72を形成する工程を含む。
【0203】
第1接続配線層71を形成する工程は、基板側抵抗層22を形成する工程と共通の工程で実施される。つまり、基板側抵抗層22と第1接続配線層71とは一体に形成される。このため、第1チップ14の製造方法は、第2表面側絶縁層862(図14参照)上に基板側抵抗層22および第1接続配線層71を形成する工程を含む。このため、第1接続配線層71は、基板側抵抗層22と同じ材料によって形成される。
【0204】
第2接続配線層72を形成する工程は、表面側抵抗層21を形成する工程と共通の工程で実施される。つまり、表面側抵抗層21と第2接続配線層72とは一体に形成される。このため、第1チップ14の製造方法は、第3表面側絶縁層863(図15参照)上に表面側抵抗層21および第2接続配線層72を形成する工程を含む。このため、第2接続配線層72は、表面側抵抗層21と同じ材料によって形成される。なお、その後の工程は、第4実施形態と同様である。
【0205】
[効果]
第6実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(6-1)第1外部接続部24は、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22および第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22とZ方向において同じ位置に設けられ、両基板側抵抗層22を接続する第1接続配線層71を含む。第2外部接続部25は、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21および第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21とZ方向において同じ位置に設けられ、両表面側抵抗層21を接続する第2接続配線層72を含む。
【0206】
この構成によれば、第1外部接続部24として第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22に接続されるビア、第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22に接続されるビア、およびこれらビアと接続される配線層を備える構成と比較して、第1半導体抵抗層201の基板側抵抗層22と第2半導体抵抗層202の基板側抵抗層22との接続構成の簡素化を図ることができる。また、第2外部接続部25として第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21に接続されるビア、第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21に接続されるビア、およびこれらビアと接続される配線層を備える構成と比較して、第2半導体抵抗層202の表面側抵抗層21と第3半導体抵抗層203の表面側抵抗層21との接続構成の簡素化を図ることができる。
【0207】
(6-2)第1接続配線層71および第2接続配線層72は、表面側抵抗層21の第1端部21Aにおいて、平面視において互いに重なる位置に設けられている。
この構成によれば、表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の各々における電流経路を長くとることができる。
【0208】
(6-3)内部接続部23、第1外部接続部24、および第2外部接続部25の各々は、Z方向において基板側抵抗層22と同じ位置、または基板側抵抗層22に対して基板30とは反対側の位置に設けられている。
【0209】
この構成によれば、基板30と、内部接続部23、第1外部接続部24、および第2外部接続部25の各々とのZ方向の間の距離を大きくとることができる。したがって、第1チップ14の絶縁耐圧の向上を図ることができる。
【0210】
(6-4)第1接続配線層71は、基板側抵抗層22と一体に形成されている。第2接続配線層72は、表面側抵抗層21と一体に形成されている。
この構成によれば、第1外部接続部24が基板側抵抗層22とは別の部品として形成される場合と比較して、第1外部接続部24および基板側抵抗層22を容易に形成することができる。第2外部接続部25が表面側抵抗層21とは別の部品として形成される場合と比較して、第2外部接続部25および表面側抵抗層21を容易に形成することができる。このため、第1チップ14の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0211】
(6-5)第1接続配線層71は、基板側抵抗層22と同じ材料によって形成されている。第2接続配線層72は、表面側抵抗層21と同じ材料によって形成されている。
この構成によれば、第1接続配線層71が基板側抵抗層22の一部として構成することができ、第2接続配線層72が表面側抵抗層21の一部として構成することができる。したがって、第1接続配線層71および第2接続配線層72の双方が半導体抵抗層20の一部を構成することができるので、半導体抵抗層20の長さを長くとることができる。
【0212】
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0213】
・第1~第6実施形態は技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせることができる。
一例では、第3実施形態において、内部接続部23として第2実施形態の内部ビア23Dを組み合わせてもよい。この構成によれば、第2実施形態の(2-1)の効果を得ることができる。
【0214】
一例では、第5実施形態において、第2外部接続部25の構成として第1実施形態の第2外部接続部25の構成を適用してもよい。この場合、表面側抵抗層21のX方向の長さは、基板側抵抗層22のX方向の長さよりも長い。つまり、第2外部接続部25が第1外部接続部24に対してX方向にずれて設けられるように、表面側抵抗層21の第1端部21Aは、基板側抵抗層22の第1端部22AよりもX方向にずれている。
【0215】
一例では、第6実施形態において、第1外部接続部24の構成として第1実施形態の第1外部接続部24の構成を適用してもよい。
一例では、第4~第6実施形態において、内部接続部23として第1または第3実施形態の内部接続部23を組み合わせてもよい。
【0216】
・第1および第3実施形態において、内部接続部23の構成は任意に変更可能である。一例では、図37に示すように、内部接続部23の内部配線層23Cは、Z方向において表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22とは反対側に配置されていてもよい。一例では、内部配線層23Cは、素子絶縁層40の素子表面41上に配置されている。内部配線層23Cは、パッシベーション膜43によって覆われている。
【0217】
図37に示すとおり、基板側抵抗層22の第2端部22Bは、表面側抵抗層21の第2端部21BからX方向にはみ出す位置に設けられている。つまり、基板側抵抗層22は、平面視において表面側抵抗層21からX方向にはみ出すはみ出し部を含む。このはみ出し部は、基板側抵抗層22の第2端部22Bを含む。
【0218】
第1内部ビア23Aは、表面側抵抗層21の第2端部21Bに接続されている。第1内部ビア23Aは、Z方向において表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22とは反対側に設けられている。第1内部ビア23Aは、内部配線層23Cに接続されている。
【0219】
第2内部ビア23Bは、基板側抵抗層22の第2端部22Bに接続されている。第2内部ビア23BのZ方向の長さは、第1内部ビア23AのZ方向の長さよりも長い。第2内部ビア23Bは、内部配線層23Cに接続されている。このように、内部配線層23Cは、基板側抵抗層22よりも素子表面41寄りに設けられていてもよい。
【0220】
・第3実施形態において、基板側抵抗層22の第1端部22AのX方向の位置は任意に変更可能である。一例では、基板側抵抗層22の第1端部22Aは、平面視において表面側抵抗層21の第1端部21Aと重なる位置に設けられていてもよい。
【0221】
・第4~第6実施形態において、表面側抵抗層21のX方向の長さおよび基板側抵抗層22のX方向の長さの各々は任意に変更可能である。一例では、表面側抵抗層21のX方向の長さが基板側抵抗層22のX方向の長さよりも長くてもよい。また一例では、基板側抵抗層22のX方向の長さが表面側抵抗層21のX方向の長さよりも長くてもよい。
【0222】
・第5実施形態において、接続配線層70は基板側抵抗層22とは異なる材料によって形成されていてもよい。
・第5実施形態において、接続配線層70のX方向における位置は任意に変更可能である。一例では、接続配線層70は、第2外部接続部25よりも基板側抵抗層22の第2端部22B寄りに配置されていてもよい。
【0223】
・第5実施形態において、接続配線層70のZ方向における位置は任意に変更可能である。一例では、接続配線層70はZ方向において基板側抵抗層22とは異なる位置に配置されていてもよい。一例では、接続配線層70は、Z方向において基板側抵抗層22よりも基板30寄りに配置されていてもよい。
【0224】
・第6実施形態において、第1接続配線層71のX方向における位置は任意に変更可能である。一例では、第1接続配線層71は、第2接続配線層72よりも基板側抵抗層22の第2端部22B寄りに配置されていてもよい。
【0225】
・第6実施形態において、第1接続配線層71のZ方向における位置は任意に変更可能である。一例では、第1接続配線層71は、Z方向において基板側抵抗層22とは異なる位置に配置されていてもよい。一例では、第1接続配線層71は、Z方向において基板側抵抗層22よりも基板30寄りに配置されていてもよい。
【0226】
・第6実施形態において、第2接続配線層72のX方向における位置は任意に変更可能である。一例では、第2接続配線層72は、第1接続配線層71よりも表面側抵抗層21の第2端部21B寄りに配置されていてもよい。
【0227】
・第6実施形態において、第2接続配線層72のZ方向における位置は任意に変更可能である。一例では、第2接続配線層72は、Z方向において表面側抵抗層21とは異なる位置に配置されていてもよい。一例では、第2接続配線層72は、Z方向において表面側抵抗層21に対して基板側抵抗層22とは反対側に配置されていてもよい。
【0228】
・第6実施形態において、第1接続配線層71は基板側抵抗層22とは異なる材料によって形成されていてもよい。
・第6実施形態において、第2接続配線層72は表面側抵抗層21とは異なる材料によって形成されていてもよい。
【0229】
・各実施形態において、表面側抵抗層21の幅寸法および基板側抵抗層22の幅寸法の関係は任意に変更可能である。一例では、表面側抵抗層21の幅寸法は基板側抵抗層22の幅寸法よりも大きくてもよい。また一例では、表面側抵抗層21の幅寸法は基板側抵抗層22の幅寸法よりも小さくてもよい。
【0230】
・各実施形態において、表面側抵抗層21の厚さおよび基板側抵抗層22の厚さの関係は任意に変更可能である。一例では、表面側抵抗層21は基板側抵抗層22よりも厚くてもよい。また一例では、表面側抵抗層21は基板側抵抗層22よりも薄くてもよい。
【0231】
・各実施形態において、Y方向における表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の配置関係は任意に変更可能である。
一例では、図38に示すように、基板側抵抗層22は、Y方向において表面側抵抗層21と部分的にずれた位置に配置されていてもよい。つまり、基板側抵抗層22のオーバーラップ領域22Rは、基板側抵抗層22のY方向の一部に設けられている。換言すると、基板側抵抗層22は、平面視において表面側抵抗層21からY方向にはみ出すはみ出し部を含む。
【0232】
別の例では、図39に示すように、基板側抵抗層22は、Y方向においてその全体が表面側抵抗層21とずれた位置に配置されていてもよい。つまり、基板側抵抗層22は、平面視において表面側抵抗層21と重なる部分がなくてもよい。換言すると、基板側抵抗層22は、オーバーラップ領域22R(図38参照)を含んでいなくてもよい。
【0233】
・各実施形態において、X方向における表面側抵抗層21および基板側抵抗層22の配置関係は任意に変更可能である。一例では、基板側抵抗層22は、表面側抵抗層21からX方向においてはみ出すはみ出し部を含んでいてもよい。
【0234】
・各実施形態において、半導体抵抗層20の数は任意に変更可能である。一例では、半導体抵抗層20の数は1つであってもよい。半導体抵抗層20の数が1つの場合、半導体抵抗層20は、例えば平面視において蛇腹状に形成されていてもよい。
【0235】
・各実施形態において、内部接続部23のX方向の位置は任意に変更可能である。一例では、内部接続部23は、基板側抵抗層22の第2端部22Bよりも基板側抵抗層22のX方向の中央寄りに設けられていてもよい。内部接続部23は、表面側抵抗層21の第2端部21Bよりも表面側抵抗層21のX方向の中央寄りに設けられていてもよい。
【0236】
・各実施形態において、第1外部接続部24のX方向の位置は任意に変更可能である。一例では、第1外部接続部24は、基板側抵抗層22の第1端部22Aよりも基板側抵抗層22のX方向の中央寄りに設けられていてもよい。
【0237】
・各実施形態において、第2外部接続部25のX方向の位置は任意に変更可能である。一例では、第2外部接続部25は、表面側抵抗層21の第1端部21Aよりも表面側抵抗層21のX方向の中央寄りに設けられていてもよい。
【0238】
・各実施形態において、基板側絶縁層50の構成は任意に変更可能である。一例では、基板側絶縁層50は、エッチングストッパ膜51を含むことなく、層間絶縁膜52によって形成されていてもよい。
【0239】
・各実施形態において、第1チップ14からパッシベーション膜43を省略してもよい。
・各実施形態において、半導体モジュール10が備える半導体チップの数は任意に変更可能である。一例では、半導体モジュール10は、第1チップ14および第2チップ15に加え、第3チップを備えていてもよい。第3チップは、例えば第1チップ14および第2チップ15の少なくとも一方とワイヤによって電気的に接続されている。
【0240】
・各実施形態において、半導体モジュール10から第2チップ15を省略してもよい。この場合、半導体モジュール10からダイパッド12を省略してもよい。また、半導体モジュール10は、リード13A~13Gに代えて、第1チップ14のP3~P5にワイヤW3~W5によって個別に接続される3つのリードを備えてもよい。なお、半導体モジュール10からリード13A~13Gを省略してもよい。つまり、半導体モジュール10は、第1チップ14(半導体装置)と、第1チップ14を支持するフレーム11と、第1チップ14およびフレーム11を封止する封止樹脂16と、を備えていればよい。
【0241】
本明細書に記載の様々な例のうち1つまたは複数を、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、「AがB上に形成される」という表現は、上記各実施形態ではAがBに接触してB上に直接配置され得るが、変更例として、AがBに接触することなくBの上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、AとBとの間に他の部材が形成される構造を排除しない。
【0242】
本開示で使用されるZ方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造は、本明細書で説明されるZ方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えば、X方向が鉛直方向であってもよく、またはY方向が鉛直方向であってもよい。
【0243】
<付記>
上記各実施形態および各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載した構成について実施形態中の対応する符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各符号に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0244】
[付記1]
基板(30)と、
前記基板(30)上に設けられた素子絶縁層(40)と、
前記素子絶縁層(40)に設けられた半導体抵抗層(20)と、
を備え、
前記半導体抵抗層(20)は、
前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)と直交する第1方向(X方向)に延びる表面側抵抗層(21)と、
前記厚さ方向(Z方向)において前記表面側抵抗層(21)よりも前記基板(30)寄りに配置された基板側抵抗層(22)と、
前記表面側抵抗層(21)と前記基板側抵抗層(22)とを電気的に直列接続する内部接続部(23)と、
を含む、半導体装置(14)。
【0245】
[付記2]
前記基板側抵抗層(22)は、前記厚さ方向(Z方向)から視て前記表面側抵抗層(21)とオーバーラップしているオーバーラップ領域(22R)を含む
付記1に記載の半導体装置。
【0246】
[付記3]
前記オーバーラップ領域(22R)は、前記基板側抵抗層(22)の前記第1方向(X方向)の全体にわたり形成されている
付記2に記載の半導体装置。
【0247】
[付記4]
前記第1方向(X方向)において、前記表面側抵抗層(21)は、前記基板側抵抗層(22)よりも長い
付記1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0248】
[付記5]
前記内部接続部(23)は、
前記表面側抵抗層(21)に接続された第1内部ビア(23A)と、
前記第1方向(X方向)において前記第1内部ビア(23A)とは異なる位置に設けられ、前記基板側抵抗層(22)に接続された第2内部ビア(23B)と、
前記厚さ方向(Z方向)において前記表面側抵抗層(21)および前記基板側抵抗層(22)の双方と異なる位置に配置され、前記第1内部ビア(23A)および前記第2内部ビア(23B)の双方に接続された内部配線層(23C)と、
を含む
付記1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0249】
[付記6]
前記内部接続部(23)は、前記表面側抵抗層(21)と前記基板側抵抗層(22)の前記オーバーラップ領域(22R)との双方に接続された内部ビア(23D)によって構成されている
付記2または3に記載の半導体装置。
【0250】
[付記7]
前記表面側抵抗層(21)および前記基板側抵抗層(22)の双方は、前記第1方向(X方向)の両端部である第1端部(21A,22A)および第2端部(21B,22B)を含み、
前記内部ビア(23D)は、前記第1方向(X方向)における前記表面側抵抗層(21)および前記基板側抵抗層(22)の前記第2端部(21B,22B)同士を接続している
付記6に記載の半導体装置。
【0251】
[付記8]
前記半導体抵抗層(20)は、前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1方向(X方向)と直交する第2方向(Y方向)に互いに離隔して複数配置されており、
前記複数の半導体抵抗層(20)は、前記第2方向(Y方向)において互いに隣り合う第1半導体抵抗層(201)、第2半導体抵抗層(202)、および第3半導体抵抗層(203)を含み、
前記第2方向(Y方向)において隣り合う前記第1半導体抵抗層(201)の前記基板側抵抗層(22)と前記第2半導体抵抗層(202)の前記基板側抵抗層(22)とを電気的に接続する第1外部接続部(24)と、
前記第2方向(Y方向)において隣り合う前記第2半導体抵抗層(202)の前記表面側抵抗層(21)と前記第3半導体抵抗層(203)の前記表面側抵抗層(21)とを電気的に接続する第2外部接続部(25)と、
を備える
付記1~7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0252】
[付記9]
前記第1外部接続部(24)は、
前記第1半導体抵抗層(201)の前記基板側抵抗層(22)に接続された第1基板側ビア(24A)と、
前記第2半導体抵抗層(202)の前記基板側抵抗層(22)に接続された第2基板側ビア(24B)と、
前記第2方向(Y方向)に延びており、前記第1基板側ビア(24A)および前記第2基板側ビア(24B)の双方に接続された第1外部配線層(24C)と、
を含む
付記8に記載の半導体装置。
【0253】
[付記10]
前記第2外部接続部(25)は、
前記第2半導体抵抗層(202)の前記表面側抵抗層(21)に接続された第1表面側ビア(25A)と、
前記第3半導体抵抗層(203)の前記表面側抵抗層(21)に接続された第2表面側ビア(25B)と、
前記第2方向(Y方向)に延びており、前記第1表面側ビア(25A)および前記第2表面側ビア(25B)の双方に接続された第2外部配線層(25C)と、
を含む
付記8または9に記載の半導体装置。
【0254】
[付記11]
前記表面側抵抗層(21)および前記基板側抵抗層(22)の双方は、前記第1方向(X方向)の両端部である第1端部(21A,22A)および第2端部(21B,22B)を含み、
前記内部接続部(23)は、前記表面側抵抗層(21)の前記第2端部(21B)および前記基板側抵抗層(22)の前記第2端部(22B)に設けられており、
前記第1外部接続部(24)および前記第2外部接続部(25)の双方は、前記第1方向(X方向)において前記半導体抵抗層(20)の中央よりも前記第1端部(21A,22A)寄りに配置されている
付記8~10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0255】
[付記12]
前記第2外部接続部(25)は、前記厚さ方向(Z方向)において前記表面側抵抗層(21)に対して前記基板側抵抗層(22)とは反対側に配置されている
付記8~11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0256】
[付記13]
前記表面側抵抗層(21)および前記基板側抵抗層(22)の双方は、前記第1方向(X方向)の両端部である第1端部(21A,22A)および第2端部(21B,22B)を含み、
前記第1外部接続部(24)および前記第2外部接続部(25)は、前記表面側抵抗層(21)の前記第1端部(21A)において、前記厚さ方向(Z方向)から視て互いに重なるように設けられている
付記12に記載の半導体装置。
【0257】
[付記14]
前記第1外部接続部(24)は、前記第1半導体抵抗層(201)の前記基板側抵抗層(22)および前記第2半導体抵抗層(202)の前記基板側抵抗層(22)と前記厚さ方向(Z方向)において同じ位置に設けられ、前記両基板側抵抗層(22)を接続する接続配線層(70)を含む
付記8に記載の半導体装置。
【0258】
[付記15]
前記第1外部接続部(24)は、前記第1半導体抵抗層(201)の前記基板側抵抗層(22)および前記第2半導体抵抗層(202)の前記基板側抵抗層(22)と前記厚さ方向(Z方向)において同じ位置に設けられ、前記両基板側抵抗層(22)を接続する第1接続配線層(71)を含み、
前記第2外部接続部(25)は、前記第2半導体抵抗層(202)の前記表面側抵抗層(21)および前記第3半導体抵抗層(203)の前記表面側抵抗層(21)と前記厚さ方向(Z方向)において同じ位置に設けられ、前記両表面側抵抗層(21)を接続する第2接続配線層(72)を含む
付記8に記載の半導体装置。
【0259】
[付記16]
前記表面側抵抗層(21)および前記基板側抵抗層(22)の双方は、前記第1方向(X方向)の両端部である第1端部(21A,22A)および第2端部(21B,22B)を含み、
前記第1接続配線層(71)および前記第2接続配線層(72)は、前記表面側抵抗層(21)の前記第1端部(21A)において、前記厚さ方向(Z方向)から視て互いに重なる位置に設けられている
付記15に記載の半導体装置。
【0260】
[付記17]
前記第1方向(X方向)において、前記表面側抵抗層(21)の長さと前記基板側抵抗層(22)の長さとは互いに等しい
付記1~16のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0261】
[付記18]
前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記表面側抵抗層(21)の幅寸法と前記基板側抵抗層(22)の幅寸法とは互いに等しい
付記1~17のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0262】
[付記19]
前記表面側抵抗層(21)の厚さと前記基板側抵抗層(22)の厚さとは互いに等しい
付記1~18のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0263】
[付記20]
前記素子絶縁層(40)は、
前記基板(20)上に設けられた基板側絶縁層(50)と、
前記基板側絶縁層(50)上に積層された表面側絶縁層(60)と、
を備え、
前記基板側絶縁層(60)は、複数の第1絶縁膜(51)と、前記第1絶縁膜(51)の応力緩和となる複数の第2絶縁膜(52)とが1つずつ交互に積層された構成であり、
前記半導体抵抗層(20)は、前記表面側絶縁層(50)に埋め込まれている
付記1~19のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0264】
[付記21]
前記第2外部配線層(25C)は、前記素子絶縁層(40)上に設けられており、パッシベーション膜(43)によって覆われている
付記10に記載の半導体装置。
【0265】
[付記22]
前記接続配線層(70)は、前記基板側抵抗層(22)と同じ材料によって形成されている
付記14に記載の半導体装置。
【0266】
[付記23]
前記第1接続配線層(71)は、前記基板側抵抗層(22)と同じ材料によって形成されており、
前記第2接続配線層(72)は、前記表面側抵抗層(21)と同じ材料によって形成されている
付記15に記載の半導体装置。
【0267】
[付記24]
前記第1接続配線層(71)は、前記基板側抵抗層(22)と一体に形成され、
前記第2接続配線層(72)は、前記表面側抵抗層(21)と一体に形成されている
付記23に記載の半導体装置。
【0268】
[付記25]
前記内部接続部(23)は、前記厚さ方向(Z方向)において前記表面側抵抗層(21)に対して前記基板側抵抗層(22)とは反対側に配置されている
付記1~24のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0269】
[付記26]
付記1~25のいずれか1つに記載の半導体装置(14)と、
前記半導体装置(14)を支持する支持部材(11)と、
前記半導体装置(14)および前記支持部材(11)を封止する封止樹脂(16)と、
を備える、半導体モジュール(10)。
【0270】
[付記27]
基板(830)上に基板側絶縁層(850)を形成する工程と、
前記基板側絶縁層(850)上に第1表面側絶縁層(861)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に第1外部配線層(24C)、第2外部配線層(25C)、および内部配線層(23C)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に、前記第1外部配線層(24C)、前記第2外部配線層(25C)、および前記内部配線層(23C)を覆うように第2表面側絶縁層(862)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)に、前記第1外部配線層(24C)に接続される第1基板側ビア(24A)および第2基板側ビア(24B)と、前記内部配線層(23C)に接続される第2内部ビア(23B)とを形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に基板側抵抗層(22)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に前記基板側抵抗層(22)を覆うように第3表面側絶縁層(863)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)および前記第2表面側絶縁層(862)に、前記第2外部配線層(25C)に接続される第1表面側ビア(25A)および第2表面側ビア(25B)と、前記内部配線層(23C)に接続される第1内部ビア(23A)とを形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に表面側抵抗層(21)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に前記表面側抵抗層(21)を覆うように第4表面側絶縁層(864)を形成する工程と、
を含む、半導体装置(14)の製造方法。
【0271】
[付記28]
基板(830)上に基板側絶縁層(850)を形成する工程と、
前記基板側絶縁層(850)上に第1表面側絶縁層(861)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に第1外部配線層(24C)および第2外部配線層(25C)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に、前記第1外部配線層(24C)および前記第2外部配線層(25C)を覆うように第2表面側絶縁層(862)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)に、前記第1外部配線層(24C)に接続される第1基板側ビア(24A)および第2基板側ビア(24B)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に基板側抵抗層(22)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に前記基板側抵抗層(22)を覆うように第3表面側絶縁層(863)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)に前記基板側抵抗層(22)に接続される内部ビア(23D)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)および前記第2表面側絶縁層(862)に、前記第2外部配線層(25C)に接続される第1表面側ビア(25A)および第2表面側ビア(25B)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に表面側抵抗層(21)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に前記表面側抵抗層(21)を覆うように第4表面側絶縁層(864)を形成する工程と、
を含む、半導体装置(14)の製造方法。
【0272】
[付記29]
基板(830)上に基板側絶縁層(850)を形成する工程と、
前記基板側絶縁層(850)上に第1表面側絶縁層(861)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に第1外部配線層(24C)および内部配線層(23C)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に、前記第1外部配線層(24C)および前記内部配線層(23C)を覆うように第2表面側絶縁層(862)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)に、前記第1外部配線層(24C)に接続される第1基板側ビア(24A)および第2基板側ビア(24B)と、前記内部配線層(23C)に接続される第2内部ビア(23B)とを形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に基板側抵抗層(22)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に前記基板側抵抗層(22)を覆うように第3表面側絶縁層(863)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)および前記第2表面側絶縁層(862)に、前記内部配線層(23C)に接続される第1内部ビア(23A)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に表面側抵抗層(21)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に前記表面側抵抗層(21)を覆うように第4表面側絶縁層(864)を形成する工程と、
前記第4表面側絶縁層(864)に、前記表面側抵抗層(21)に接続される第1表面側ビア(25A)および第2表面側ビア(25B)を形成する工程と、
前記第4表面側絶縁層(864)上に、前記第1表面側ビア(25A)および前記第2表面側ビア(25B)を接続する第2外部配線層(25C)を形成する工程と、
を含む、半導体装置(14)の製造方法。
【0273】
[付記30]
基板(830)上に基板側絶縁層(850)を形成する工程と、
前記基板側絶縁層(850)上に第1表面側絶縁層(861)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に第1外部配線層(24C)を形成する工程と、
前記第1表面側絶縁層(861)上に、前記第1外部配線層(24C)を覆うように第2表面側絶縁層(862)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)に、前記第1外部配線層(24C)に接続される第1基板側ビア(24A)および第2基板側ビア(24B)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に基板側抵抗層(22)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に前記基板側抵抗層(22)を覆うように第3表面側絶縁層(863)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)に前記基板側抵抗層(22)に接続される内部ビア(23D)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に表面側抵抗層(21)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に前記表面側抵抗層(21)を覆うように第4表面側絶縁層(864)を形成する工程と、
前記第4表面側絶縁層(864)に、前記表面側抵抗層(21)に接続される第1表面側ビア(25A)および第2表面側ビア(25B)を形成する工程と、
前記第4表面側絶縁層(864)上に、前記第1表面側ビア(25A)および前記第2表面側ビア(25B)を接続する第2外部配線層(25C)を形成する工程と、
を含む、半導体装置(14)の製造方法。
【0274】
[付記31]
基板(830)上に基板側絶縁層(850)を形成する工程と、
前記基板側絶縁層(850)上に第1表面側絶縁層(861)および第2表面側絶縁層(862)を順に形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に基板側抵抗層(22)および接続配線層(70)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に前記基板側抵抗層(22)を覆うように第3表面側絶縁層(863)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)に、前記基板側抵抗層(22)に接続される内部ビア(23D)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に表面側抵抗層(21)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に前記表面側抵抗層(21)を覆うように第4表面側絶縁層(864)を形成する工程と、
前記第4表面側絶縁層(864)に、前記表面側抵抗層(21)に接続される第1表面側ビア(25A)および第2表面側ビア(25B)を形成する工程と、
前記第4表面側絶縁層(864)上に、前記第1表面側ビア(25A)および前記第2表面側ビア(25B)を接続する第2外部配線層(25C)を形成する工程と、
を含む、半導体装置(14)の製造方法。
【0275】
[付記32]
基板(830)上に基板側絶縁層(850)を形成する工程と、
前記基板側絶縁層(850)上に第1表面側絶縁層(861)および第2表面側絶縁層(862)を順に形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に基板側抵抗層(22)および第1接続配線層(71)を形成する工程と、
前記第2表面側絶縁層(862)上に前記基板側抵抗層(22)を覆うように第3表面側絶縁層(863)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)に、前記基板側抵抗層(22)に接続される内部ビア(23D)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に表面側抵抗層(21)および第2接続配線層(72)を形成する工程と、
前記第3表面側絶縁層(863)上に前記表面側抵抗層(21)を覆うように第4表面側絶縁層(864)を形成する工程と、
を含む、半導体装置(14)の製造方法。
【0276】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0277】
10…半導体モジュール
11…フレーム
11A…ダイパッド部
11B…リード部
12…ダイパッド
13A~13G…リード
14…第1チップ
14A~14D…第1~第4抵抗回路
15…第2チップ
15A…電圧検出回路
16…封止樹脂
16A~16D…第1~第4封止側面
20,20A~20F…半導体抵抗層
21…表面側抵抗層
21A…第1端部
21B…第2端部
22…基板側抵抗層
22A…第1端部
22B…第2端部
22R…オーバーラップ領域
23…内部接続部
23A…第1内部ビア
23B…第2内部ビア
23C…内部配線層
23D…内部ビア
23R…オーバーラップ領域
24…第1外部接続部
24A…第1基板側ビア
24B…第2基板側ビア
24C…第1外部配線層
25…第2外部接続部
25A…第1表面側ビア
25B…第2表面側ビア
25C…第2外部配線層
30…基板
40…素子絶縁層
41…素子表面
42…素子裏面
43…パッシベーション膜
43X…開口部
50…基板側絶縁層
51…エッチングストッパ膜
52…層間絶縁膜
60…表面側絶縁層
70…接続配線層
71…第1接続配線層
72…第2接続配線層
80…端子用接続部
81…第1端子用ビア
82…第2端子用ビア
91~95…配線層
201…第1半導体抵抗層
202…第2半導体抵抗層
203…第3半導体抵抗層
830…基板
843…パッシベーション膜
850…基板側絶縁層
851…エッチングストッパ膜
852…層間絶縁膜
860…表面側絶縁層
861…第1表面側絶縁層
862…第2表面側絶縁層
862A…表面
863…第3表面側絶縁層
863A…表面
864…第4表面側絶縁層
P1~P5,Q1~Q9…端子
R1~R4…第1~第4抵抗領域
RA~RD…抵抗値
W1~W11…ワイヤ
VT…高電圧発生部
CL…切断線
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