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  • 特開-ガイドチェーン端部の固定金具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117493
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ガイドチェーン端部の固定金具
(51)【国際特許分類】
   E02D 7/10 20060101AFI20240822BHJP
   E02D 13/04 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
E02D7/10
E02D13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023622
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000179915
【氏名又は名称】ジェコス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522226661
【氏名又は名称】株式会社 シンセイマシナリー
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 健治
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 淳
【テーマコード(参考)】
2D050
【Fターム(参考)】
2D050CB16
2D050EE04
2D050EE10
(57)【要約】
【課題】特に繰返しの使用に耐え長期にわたって使用できるガイドチェーン端部の固定金具を提供する。
【解決手段】バイブロハンマAが備えるチャックBの下部に取り付ける。チャックBの下部に取り付けられ、ガイドチェーンCの端部が貫通する下部ルーズ孔2bを有する固定金具本体2と、固定金具本体2に取り付けられ、下部ルーズ孔2bと対応する位置に下部ルーズ孔2bを貫通したガイドチェーンCの端部が貫通する上部ルーズ孔4aを有する固定金具4と、上部ルーズ孔4aを跨いで設置され、ガイドチェーンCの端部に取り付けられたトッグルDを上部ルーズ孔4aの周縁部に仮固定するトッグル固定シャフト6と、固定金具4に取り付けられ、トッグル固定シャフト6が挿入されるシャフト挿入孔7aを有するシャフト固定ブロック7を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイブロハンマが備えるチャックの下部に取り付けられ、鋼杭を吊るガイドチェーンの端部を仮固定するガイドチェーン端部の固定金具であって、前記チャックに取り付けられ、前記ガイドチェーンの端部が貫通する下部ルーズ孔を有する固定金具本体と、前記固定金具本体に取り付けられ、前記下部ルーズ孔と対応する位置に前記下部ルーズ孔を貫通した前記ガイドチェーンの端部が貫通する上部ルーズ孔を有する固定金具と、前記上部ルーズ孔を跨いで設置され、前記ガイドチェーンの端部に取り付けられたトッグルを前記上部ルーズ孔の周縁部に仮固定するトッグル固定シャフトと、前記固定金具に取り付けられ、前記トッグル固定シャフトが挿入されるシャフト挿入孔を有するシャフト固定ブロックを備えていることを特徴とするガイドチェーン端部の固定金具。
【請求項2】
請求項1記載のガイドチェーン端部の固定金具において、前記トッグル固定シャフトの端部に抜け止めピンが取り付けられていることを特徴とするガイドチェーン端部の固定金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイブロハンマが備えるチャックの下部に取り付けられ、H形鋼杭やシートパイル等(以下「鋼杭」)を吊るガイドチェーンの端部を仮固定するガイドチェーン端部の固定金具に関し、特に繰返しの使用に耐え長期にわたって使用できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
バイブロハンマを用いて鋼杭を地中に打ち込む鋼杭の施工方法として、通常、バイブロハンマが備えるチャックによって鋼杭の上端部を掴み、バイブロハンマによって振動を与えながら地中に強制的に打ち込む方法が一般に知られている。
【0003】
また、鋼杭の施工に際しては、鋼杭をラフタクレーン等の重機によって吊り起し、バイブロハンマが備えるチャックによって上端部を掴み、打設地点に吊り込む。そして、バイブロハンマを作動させて振動を与えながら地中に強制的に打ち込む。
【0004】
ところで、杭打機が備えるバイブロハンマAに鋼杭Pの上端部を吊るためのガイドチェーンCを取り付けることにより、鋼杭Pを吊るクレーンとしても利用できるようにしたバイブロハンマ杭打機が知られている(図6参照)。
【0005】
この種の杭打機では、ガイドチェーンCの端部は、例えば、図7および図8に図示するようなガイドチェーン端部の固定金具(以下「固定金具」)20によってバイブロハンマAが備えるチャックBの下部に脱着可能に取り付けられている。
【0006】
その構造を簡単に説明すると、固定金具20は、バイブロハンマAが備えるチャックBの下部に取り付けられ、側部フランジ21aにガイドチェーンCの端部が貫通するルーズ孔21bを有する固定金具本体21と、固定金具本体21の側部フランジ21aに複数の固定ボルト22によってボルト止めされ、かつルーズ孔21bと対応する位置にルーズ孔21bを貫通したガイドチェーンCの端部が貫通するルーズ孔23aを有する固定金具23と、固定金具本体21の側部フランジ21aに複数の固定ボルト22によって脱着可能にボルト止めされ、かつガイドチェーンCの端部に取り付けられたトッグルDをルーズ孔23aの周縁部に固定するトッグル固定金具24を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-007221号公報
【特許文献2】特開04-131425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述するガイドチェーン端部の固定金具においては、固定金具23を固定金具本体21の側部フランジ21aに固定する固定ボルトと同じ固定ボルト22によって、トッグル固定金具24が固定金具本体21の側部フランジ21aに固定されている。
【0009】
このため、ガイドチェーン端部の固定と固定解除を繰り返すうちに、固定金具本体21の側部フランジ21aに形成された固定ボルト22のねじ孔(図省略)が摩耗し、固定金具本体21の短期間での交換を強いられ、部品コストが高くつくという課題があった。
【0010】
また、トッグル固定金具24は、固定ボルト22によって固定金具23と一緒に固定されているため、ガイドチェーンCの端部を取り外す度に、トッグル固定金具24、固定金具23および固定ボルト22がバラバラになって部品数が増え、ガイドチェーン端部の固定等の作業が非常に煩わしいという課題もあった。
【0011】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、特に耐久性が高く長期にわたっての使用が可能で、かつ脱着時の部品数が少なくガイドチェーン端部の固定および固定解除を簡単に行えるようにしたガイドチェーン端部の固定金具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、バイブロハンマが備えるチャックの下部に取り付けられ、鋼杭を吊るガイドチェーンの端部を仮固定するガイドチェーン端部の固定金具であって、前記チャックに取り付けられ、前記ガイドチェーンの端部が貫通する下部ルーズ孔を有する固定金具本体と、前記固定金具本体に取り付けられ、前記下部ルーズ孔と対応する位置に前記下部ルーズ孔を貫通した前記ガイドチェーンの端部が貫通する上部ルーズ孔を有する固定金具と、前記上部ルーズ孔を跨いで設置され、前記ガイドチェーンの端部に取り付けられたトッグルを前記上部ルーズ孔の周縁部に仮固定するトッグル固定シャフトと、前記固定金具に取り付けられ、前記トッグル固定シャフトが挿入されるシャフト挿入孔を有するシャフト固定ブロックを備えていることを特徴とするものである。
【0013】
前記トッグル固定シャフトの端部に抜け止めピンを取り付けることで、前記トッグル固定シャフトが前記シャフト挿入孔から抜け落ちるのを未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のガイドチェーン端部の固定金具は、ガイドチェーン端部の固定と固定解除をトッグル固定シャフトのみで行うことができ、固定ボルトを一切使わないため、長期にわたっての使用が可能で、かつ脱着時の部品数が少なくガイドチェーン端部の固定および固定解除を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のガイドチェーン端部の固定金具の一実施形態を図示したものであり、図(a)は図6におけるイ部拡大図、図(b)は図(a)におけるロ-ロ線矢視図である。
図2図1に図示するガイドチェーン端部の固定金具の分解縦断面図である。
図3図1に図示するガイドチェーン端部の固定金具を図示したものであり、図(a)は固定金具、シャフト固定ブロックおよびトッグルの位置関係を示す斜視図、図(b)は図(a)においてトッグル固定シャフトが挿着された状態を示す斜視図である。
図4図1に図示するガイドチェーン端部の固定金具を図示したものであり、図(a)は側面図、図(b)は図(a)におけるハ-ハ線矢視図である。
図5図1に図示するガイドチェーン端部の固定金具を図示したものであり、図(a)は側面図、図(b)は図(a)におけるニ-ニ線矢視図である。
図6】ガイドチェーン端部の固定金具を備えたバイブロハンマ杭打機の側面図である。
図7】ガイドチェーン端部の固定金具の従来例を図示したものであり、図(a)は側面図、図(b)は図(a)におけるホ-ホ線矢視図である。
図8図7に図示するガイドチェーン端部の固定金具の分解縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図6は、本発明の一実施形態であり、杭打機のバイブロハンマが備えるチャックの下部に取り付けられ、鋼杭を吊るガイドチェーンの端部をチャックの下部に仮固定するガイドチェーン端部の固定金具(以下「固定金具」)を図示したものである。
【0017】
図において、符号2は固定金具1の固定金具本体であり、杭打機のバイブロハンマAが備えるチャックBの下部に複数の取付けボルト3によって脱着可能に取り付けられている(図2図6参照)。
【0018】
また、固定金具本体2の側部フランジ2aに鋼杭Pの杭頭部を吊るガイドチェーンC,Cの端部がそれぞれ貫通する下部ルーズ孔2b,2bが形成されている。
【0019】
符号4は、ガイドチェーンC,Cの端部を側部フランジ2aの上に仮固定する固定金具であり、固定金具4は矩形板状に形成され、かつ側部フランジ2aに複数の取付けボルト5によって脱着可能に取り付けられている。
【0020】
なお、取付けボルト5は側部フランジ2aに形成されたねじ孔(図省略)に締め付けられている。また、当該実施形態では、取付けボルト5は後述するトッグル固定ブロック7を固定する取付けボルトを兼ねている。さらに、固定金具4は、側部フランジ2aに溶接などによって取り付けられてもよい。
【0021】
固定金具4には上部ルーズ孔4a,4aが形成され、当該上部ルーズ孔4a,4aは下部ルーズ孔2b,2bとそれぞれ対応し、かつ下部ルーズ孔2b,2bを貫通したガイドチェーンC,Cの端部がルーズ孔4aの下側から上側に貫通している。
【0022】
ガイドチェーンC,Cの端部にトッグルD,Dがそれぞれ取り付けられている。トッグルDは上部ルーズ孔4aの直径方向に架設された際に両端部がルーズ孔4aの周縁部に係止可能な長さに形成されている。
【0023】
符号6は、固定金具4の上にトッグルD,Dを仮固定するトッグル固定シャフトである。トッグル固定シャフト6は、固定金具4の上にトッグルD,Dと直交する方向に設置され、かつ上部ルーズ4a,4aをその直径方向に跨いで設置されている。
【0024】
符号7は、トッグル固定シャフト6を固定金具4の上に仮固定するシャフト固定ブロックである。シャフト固定ブロック7は、上部ルーズ孔4a,4a間と各上部ルーズ孔4a,4aの外側にそれぞれトッグルD,Dと平行に配置されている。また、シャフト固定ブロック7は固定金具4の上に取付けボルト5によってボルト止めまたは溶接によって固定されている。
【0025】
また、各シャフト固定ブロック7にシャフト固定孔7aがそれぞれ形成され、当該シャフト固定孔7aにトッグル固定シャフト6が通して挿入されている。
【0026】
これにより、トッグルD,Dが上部ルーズ孔4aの周縁部とトッグル固定シャフト6間に挟持されることにより、ガイドチェーンC,Cの端部がチャックBの下部にそれぞれ仮固定されている。
【0027】
また、シャフト固定孔7aからトッグル固定シャフト6を抜き取ることにより、ガイドチェーンC,Cの端部をチャックBの下部から簡単に取り外すことができる。
【0028】
なお、固定金具4として、ガイドチェーンCの端部が貫通する上部ルーズ4aの径の異なる金具を少なくとも2種類程度、予め容易しておくことにより、径の異なるガイドチェーンCに速やかに対応することができる(図4,5参照)。
【0029】
また、シャフト固定ブロック7は固定金具4と一体に形成されてもよく、また図示するように別々に形成され、互いにボルト止めされていてもよい。
【0030】
また、上部ルーズ孔4a,4aの周縁部にトッグルDの端部を仮固定できるような凹部(図省略)を設けることにより、トッグルDの位置決めとトッグル固定シャフト6のシャフト固定孔7aへの挿入を容易に行うことができる。
【0031】
さらに、トッグル固定シャフト6のトッグルD,Dとの当接面部にトッグルD,Dがそれぞれ嵌り込むような凹部(図省略)を設けることにより、トッグルD,Dを上部ルーズ孔4a,4aの周縁部に確実に仮固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、バイブロハンマが備えるチャックの下部に取り付けられ、鋼杭を吊るガイドチェーンの端部を仮固定するガイドチェーン端部の固定金具であり、チャックの下部に固定ボルトを使わずに取り付けることができ、かつ繰り返しの固定と取り外しに耐え、長期にわたって使用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 固定金具(ガイドチェーン端部の固定金具)
2 固定金具本体、2a 側部フランジ、2b 下部ルーズ孔
3 取付けボルト、4 固定金具、4a 上部ルーズ孔、
5 取付けボルト、6 トッグル固定シャフト、
6a 抜け止めピン、7 シャフト固定ブロック、
7a シャフト固定孔、
A バイブロハンマ、B チャック、
C ガイドチェーン、D トッグル、P 鋼杭
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8