(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117511
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】画像形成ユニット及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20240822BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240822BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
G03G21/18 142
G03G21/18 121
G03G21/16 176
G03G15/08 348B
G03G15/08 390Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023646
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】島田 伸吾
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA09
2H077AA35
2H077BA08
2H077BA09
2H077CA12
2H077GA04
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA13
2H171GA29
2H171HA08
2H171HA09
2H171HA23
2H171JA07
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA40
2H171JA45
2H171KA05
2H171KA06
2H171KA10
2H171KA22
2H171KA23
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB17
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB36
2H171QC03
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】画像形成部から現像剤カートリッジを取り外すときに現像剤が飛散しにくい。
【解決手段】画像形成ユニット(3)は、画像形成部(4)と現像剤カートリッジ(5)とを有する。現像剤カートリッジ(5)が画像形成部(4)に装着され、現像剤供給口(500)が現像剤受入口(470)と重なり、現像剤カートリッジ(5)が現像剤受入口(470)の周辺部(471)に接触し、シャッタ(51)が開位置にあるときに、収容部(50)から現像剤供給口(500)を通して現像剤受入口(470)に現像剤が供給される。操作部(53)の移動に連動してシャッタ(51)が開位置から閉位置に移動し、操作部(53)の移動に連動してロック係合部材(512L、…)が回転するときに、ロック係合部材(512L、…)が画像形成部(4)に係合して、現像剤カートリッジ(5)が周辺部(471)から離間する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤受入口を有し、画像を形成する画像形成部と、
現像剤を収容する収容部、前記収容部に設けられた現像剤供給口、前記現像剤供給口を開状態にする開位置又は前記現像剤供給口を閉状態にする閉位置に移動するシャッタ、前記収容部に対して回転可能に備えられたロック係合部材、及び前記シャッタの移動及び前記ロック係合部材の回転が操作される操作部、を有する現像剤カートリッジと、
を有し、
前記現像剤カートリッジが前記画像形成部に装着され、前記現像剤供給口が前記現像剤受入口と重なり、前記現像剤カートリッジが前記現像剤受入口の周辺部に接触し、前記シャッタが前記開位置にあるときに、前記収容部から前記現像剤供給口を通して前記現像剤受入口に前記現像剤が供給され、
前記操作部の移動に連動して前記シャッタが前記開位置から前記閉位置に移動し、前記操作部の移動に連動して前記ロック係合部材が回転するときに、前記ロック係合部材が前記画像形成部に係合して、前記現像剤カートリッジが前記周辺部から離間する
ことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記ロック係合部材は、第1の係合部を有し、
前記画像形成部は、前記第1の係合部に係合する支持部を有し、
前記操作部の移動に連動して前記ロック係合部材が回転するときに、前記第1の係合部が前記支持部に係合して、前記現像剤カートリッジが前記周辺部から離間する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記第1の係合部は、突起部である
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記ロック係合部材は、第2の係合部を有し、
前記画像形成部は、前記第2の係合部に係合する第3の係合部を有し、
前記操作部の移動に連動して前記ロック係合部材が回転するときに、前記第2の係合部が前記第3の係合部に係合して、前記現像剤カートリッジが、前記周辺部に接触する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記第2の係合部は、溝部である
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記画像形成部は、前記現像剤カートリッジをガイドするガイド部を有し、
前記ガイド部は、前記現像剤供給口と前記現像剤受入口とが離間する離間方向に前記現像剤カートリッジをガイドする第1溝部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記現像剤カートリッジを前記離間方向とは異なる第1の引抜方向にガイドする第2溝部を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記ガイド部は、前記現像剤カートリッジを前記離間方向とは異なり、前記第1の引抜方向より傾斜の急な第2の引抜方向にガイドする第3溝部を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記ロック係合部材は、前記シャッタに備えられている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記ロック係合部材は、前記シャッタとは別の構成として備えられている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
前記ロック係合部材の回転に連動して前記前記現像剤供給口が前記シャッタによって閉状態になった後に、前記ロック係合部材の回転に連動して前記現像剤カートリッジが、前記現像剤受入口から離間する
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成部と、画像形成部に対して着脱自在な現像剤カートリッジとを有する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像形成部に装着されている現像剤カートリッジを画像形成部から取り外すときに、現像剤カートリッジの現像剤供給口の周辺部及び画像形成部の現像剤受入口の周辺部に付着している現像剤が周囲に飛散することがある。
【0005】
本開示は、画像形成部から現像剤カートリッジを取り外すときに現像剤が飛散しにくい画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の画像形成ユニットは、現像剤受入口を有し、画像を形成する画像形成部と、現像剤を収容する収容部、前記収容部に設けられた現像剤供給口、前記現像剤供給口を開状態にする開位置又は前記現像剤供給口を閉状態にする閉位置に移動するシャッタ、前記収容部に対して回転可能に備えられたロック係合部材、及び前記シャッタの移動及び前記ロック係合部材の回転が操作される操作部、を有する現像剤カートリッジとを有する。前記現像剤カートリッジが前記画像形成部に装着され、前記現像剤供給口が前記現像剤受入口と重なり、前記現像剤カートリッジが前記現像剤受入口の周辺部に接触し、前記シャッタが前記開位置にあるときに、前記収容部から前記現像剤供給口を通して前記現像剤受入口に前記現像剤が供給され、前記操作部の移動に連動して前記シャッタが前記開位置から前記閉位置に移動し、前記操作部の移動に連動して前記ロック係合部材が回転するときに、前記ロック係合部材が前記画像形成部に係合して、前記現像剤カートリッジが前記周辺部から離間する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、画像形成部から現像剤カートリッジを取り外すときに現像剤が飛散しにくいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る画像形成装置の構造を示す断面図である。
【
図2】
図1の画像形成装置(前面カバーが開けられ、画像形成ユニットが取り外されているとき)の構造を示す断面図である。
【
図3】実施の形態に係る画像形成ユニットの構造を示す断面図である。
【
図4】
図3の画像形成ユニットのドラムユニット(画像形成部)と現像剤カートリッジ(装着前)とを示す断面図である。
【
図5】
図3の画像形成ユニットのドラムユニット(画像形成部)を示す斜視図である。
【
図6】
図3の画像形成ユニットのドラムユニット(画像形成部)のガイド溝とその周辺とを示す断面図である。
【
図7】現像剤カートリッジの外観(斜め上から見たとき)を示す斜視図である。
【
図8】現像剤カートリッジの外観(斜め下から見たとき)を示す斜視図である。
【
図9】現像剤カートリッジのロック係合部材(回転部材)を示す斜視図である。
【
図10】(A)は、現像剤カートリッジのロック係合部材(シャッタが閉位置にあるとき)を示す側面図であり、(B)は、現像剤カートリッジのロック係合部材(シャッタが開位置にあるとき)を示す側面図である。
【
図11】(A)及び(B)は、現像剤カートリッジのロック係合部材(シャッタが開位置にあるとき)を示す側面図及び現像剤カートリッジのシャッタ(シャッタが開位置にあるとき)を示す断面図であり、(C)及び(D)は、現像剤カートリッジのロック係合部材(シャッタが閉位置にあるとき)を示す側面図及び現像剤カートリッジのシャッタ(シャッタが閉位置にあるとき)を示す断面図である。
【
図12】画像形成ユニットの本体部(画像形成部)のガイド溝と現像剤カートリッジのガイドリブとの状態(現像剤カートリッジが装着され且つロック状態であるとき)を示す断面図である。
【
図13】(A)、(B)、(C)は、現像剤カートリッジが装着位置にあり且つロック状態であるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図であり、(D)、(E)、(F)は、現像剤カートリッジが装着位置にあり且つロック解除状態であるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図であり、(G)、(H)、(I)は、現像剤カートリッジが持ち上げられた状態であるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
【
図14】(A)及び(B)は、現像剤カートリッジが引抜開始状態にあるときの、ガイドリブの状態とシャッタ周辺の状態を示す断面図であり、(C)及び(D)は、現像剤カートリッジが引抜途中状態にあるときのガイドリブの状態とシャッタ周辺の状態を示す断面図である。
【
図15】(A)、(B)、(C)は、現像剤カートリッジが挿入途中状態にあるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図であり、(D)、(E)、(F)は、現像剤カートリッジが挿入途中状態にあるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図であり、(G)、(H)、(I)は、現像剤カートリッジが挿入終了位置にあるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
【
図16】(A)、(B)、(C)は、現像剤カートリッジが挿入終了位置にあるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図であり、(D)、(E)、(F)は、現像剤カートリッジがロック状態移行中であるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図であり、(G)、(H)、(I)は、現像剤カートリッジがロック状態であるときの、ロック係合部材、シャッタ、ガイドリブをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
【
図17】現像剤カートリッジのロック係合部材(シャッタが閉状態であるとき)と、操作部と、操作部の動作をロック係合部材に伝達するギア列を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施の形態に係る画像形成ユニット及び画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
【0010】
画像形成ユニットの基本的な構造は、左右(すなわち、現像剤カートリッジの長手方向の両端)で同じである。したがって、本実施の形態では、画像形成ユニットの左右の一方のみを説明する場合、及び左右の一方のみを図示する場合がある。画像形成ユニットの構造は、左右で同じあることが望ましいが、左右で異なる構造を採用することも可能である。画像形成ユニットの構成要素を示す符号の末尾の記号「L」及び「R」は、それぞれ左側の構成及び右側の構成を表しているが、このような構成要素の一方のみを備えることも可能である。
【0011】
《画像形成装置1》
図1は、実施の形態に係る画像形成装置1の構造を示す断面図である。
図2は、画像形成装置1(前面カバー6が装置前方に90度程度開けられ、画像形成ユニット3が取り外されているとき)の構造を示す断面図である。
図3は、画像形成ユニット3の構造を示す断面図である。
【0012】
画像形成装置1は、電子写真プロセスによって用紙などの印刷媒体上に画像を形成するプリンタである。画像形成装置1は、印刷機構である画像形成ユニット3を有している。画像形成ユニット3は、画像形成装置1の本体(筐体2)に対して着脱自在に形成されている。画像形成装置1は、複数の画像形成ユニット3を有するカラープリンタであってもよい。また、前面カバー6は、画像形成装置1の本体に対して開閉自在に取り付けられている。
【0013】
画像形成ユニット3は、例えば、ブラックの現像剤(トナー)によって現像剤像(トナー像)を形成する印刷機構である。ただし、現像剤の色は、ブラックに限定されない。画像形成ユニット3は、画像形成部としてのドラムユニット4と、ドラムユニット4に着脱自在に装着される現像剤収容体としての現像剤カートリッジ(トナーカートリッジ)5とを有している。
【0014】
画像形成装置1の筐体2内の下部には、印刷媒体を収容する媒体カセット10と、媒体カセット10に収容されている印刷媒体を1枚ずつ送り出すピックアップローラ11と、印刷媒体のスキュー(すなわち、斜め送りされる状態)を修正するためのローラ対であるリタードローラ12及び搬送ローラ13とが備えられている。また、画像形成装置1の筐体2内には、印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送ローラ対14及び搬送ローラ対15と、印刷媒体を案内する搬送路16と、露光装置としての光ヘッド18と、画像形成ユニット3で形成された静電潜像を印刷媒体上に転写する転写部材としての転写ローラ17と、現像剤像を加熱及び加圧して印刷媒体上に定着させる定着器19と、定着器19を通過した印刷媒体を筐体2の外に排出するための搬送路20とを有している。光ヘッド18は、例えば、発光素子アレイヘッドであるLEDアレイヘッド、又はレーザ走査装置である。また、画像形成装置1の筐体2内には、印刷媒体の通過を検知する複数の媒体センサ(図示せず)、及び印刷媒体を搬送する図示しない搬送ローラが備えられている。
【0015】
画像形成部としてのドラムユニット4は、帯電部材としての帯電ローラ43と、帯電ローラ43により表面が一様に帯電される像担持体としての感光体ドラム40と、現像部材としての現像ローラ41と、層形成ブレードとしての現像ブレード42と、現像剤供給部材としての供給ローラ46と、クリーニング部材としてのクリーニングブレード44と、廃現像剤搬送部材45とを有している。現像ローラ41と、現像ブレード42と、供給ローラ46とは、感光体ドラム40上に現像剤を供給することで、光ヘッド18によって形成された静電潜像を現像する現像部を構成している。
【0016】
画像形成ユニット3の光ヘッド18には、画像データが入力される。画像形成ユニット3では、一様帯電されている感光体ドラム40の表面が光ヘッド18の発光により露光され、感光体ドラム40の表面に静電潜像が形成される。
【0017】
現像剤カートリッジ5から現像室47内に供給された現像剤は、供給ローラ46と現像ローラ41とによって強く擦られて摩擦帯電される。現像剤は、供給ローラ46を経て現像ローラ41に供給され、現像ブレード42によって現像ローラ41上において薄層化され、感光体ドラム40との接触部に運ばれる。
【0018】
現像ローラ41上の現像剤は、静電気力によって感光体ドラム40上に移動し、感光体ドラム40上に静電潜像に応じた現像剤像が形成される。画像形成ユニット3の感光体ドラム40の下方には、転写ローラ17が配置されている。感光体ドラム40上の現像剤像は、感光体ドラム40と転写ローラ17との間を搬送される印刷媒体上に転写ローラ17によって転写される。現像剤像が転写された印刷媒体は、定着器19を通過して印刷媒体上に現像剤像が定着する。
【0019】
《画像形成ユニット3》
図4は、画像形成ユニット3のドラムユニット4と現像剤カートリッジ5(装着されていない状態)とを示す断面図である。
図5は、画像形成ユニット3のドラムユニット4を示す斜視図である。
図6は、画像形成ユニット3のドラムユニット4のガイド溝490L、490Rとその周辺とを示す断面図である。
【0020】
図4の画像形成ユニット3は、画像形成部としてのドラムユニット4と、現像剤収容体としての現像剤カートリッジ5とから構成される。現像剤カートリッジ5は、ドラムユニット4の上部の所定位置に装着される。現像剤カートリッジ5内に残っている現像剤が無くなったときには、ユーザは、現像剤カートリッジ5をドラムユニット4から取り外して、新品の現像剤カートリッジ5をドラムユニット4に装着する。
【0021】
本実施の形態では、現像剤カートリッジ5は、ドラムユニット4に対して(すなわち、画像形成装置1の水平方向に対して)所定の角度θ(例えば、15°)の挿入方向Da及び引抜方向Dbに挿抜操作することで着脱可能である。
【0022】
ドラムユニット4は、感光体ドラム40と、現像ローラ41と、現像ブレード42と、帯電ローラ43と、クリーニングブレード44と、廃現像剤搬送部材45と、供給ローラ46と、現像室47と、サイドフレーム49R(図示しない49L)とを有している。現像室47は、現像剤カートリッジ5から供給される現像剤を受け入れる現像剤受入口470と、スポンジなどの弾性部材からなるシール部材471と、ロック係合部材512L(図示しない512R)が係合する支持部472R(図示しない472L)とを有している。シール部材471は、現像剤受入口470を囲うように、現像剤受入口470の周辺に配置された周辺部である。
【0023】
ドラムユニット4の左右両側のサイドフレーム49R(図示しない49L)は、挿入方向Da及び引抜方向Db(第2溝部では挿入方向Da´及び引抜方向Db´)に延在するガイド溝490R(図示しない490L)と、第3の係合部としてのロック係合ポスト491R(図示しない491L)とを有している。ガイド溝490R(図示しない490L)は、現像剤カートリッジ5の挿入方向Da及び引抜方向Dbと平行に延びる第3溝部4903R(図示しない4903L)と、挿入方向Da及び引抜方向Dbより傾斜が緩やかな挿入方向Da´及び引抜方向Db´に延びる第2溝部4902R(図示しない4902L)と、挿入方向の下流に向かって下方へ延びる第1溝部4901R(図示しない4901L)とを有している。
図6に示されるように、挿入方向Da´は、挿入方向Daよりも緩やかな傾斜角を持っている。
【0024】
図7は、現像剤カートリッジ5の外観(斜め上から見たとき)を示す斜視図である。
図8は、現像剤カートリッジ5の外観(斜め下から見たとき)を示す斜視図である。
図9は、現像剤カートリッジ5のロック係合部材512L(回転部材)を示す斜視図である。
図10(A)は、現像剤カートリッジ5のロック係合部材512L(シャッタ51が閉位置にあるとき)と操作レバー53を示す側面図であり、
図10(B)は、ロック係合部材512L(シャッタ51が開位置にあるとき)と操作レバー53を示す側面図である。
図11(A)及び(B)は、現像剤カートリッジ5のロック係合部材512L(シャッタ51が開位置にあるとき)を示す側面図及び現像剤カートリッジ5のシャッタ51(シャッタ51が開位置にあるとき)を示す断面図である。
図11(C)及び(D)は、現像剤カートリッジ5のロック係合部材512L(シャッタ51が閉位置にあるとき)を示す側面図及び現像剤カートリッジ5のシャッタ51(シャッタ51が閉位置にあるとき)を示す断面図である。なお、
図9には、ロック係合部材512Lのみが示されているが、この反対側の端部には、ロック係合部材512R(図示せず)が備えられている。
【0025】
現像剤カートリッジ5は、収容部50と、シャッタ51と、サイドフレーム52L(図示しない52R)と、操作レバー53とを有している。現像剤カートリッジ5の本体である収容部50は、現像剤を収容し、下面に現像剤供給口500を有している。
【0026】
シャッタ51は、現像剤カートリッジ5のサイドフレーム52L(図示しない52R)に回転可能に支持されており、
図11(A)及び(B)に示されるロック位置と
図11(C)及び(D)に示される現像剤カートリッジの引抜可能位置(TC引抜位置)との間で回転可能に構成されている。シャッタ51は、インナー筒部510と、スポンジなどの弾性部材からなるシール部511とを有している。本実施の形態では、シャッタ51は、ロック係合部材512L(図示しない512R)を備えている。ロック係合部材512L(図示しない512R)には、第1の係合部としての突起部5121L(図示しない5121R)と、第2の係合部としての溝部5122L(図示しない5122R)が形成されている。シャッタ51がロック位置にあるとき、インナー筒部510に設けられた開口は、現像剤供給口500と重なる位置にあり、現像剤供給口500が開放され、開状態になる。シャッタ51がTC引抜位置にあるとき、シール部511が現像剤供給口500を覆う位置にあり、現像剤供給口500は遮蔽され、閉状態になる。シャッタ51の回転は、
図10(A)及び(B)に示される操作レバー53の移動(すなわち、回転)操作と連動しており、操作レバー53を操作することでシャッタ51をロック位置又はTC引抜位置に切り替えることができる構成となっている。
【0027】
現像剤カートリッジ5のサイドフレーム52L(図示しない52R)は、ガイド部材としてのガイドリブ520L(図示しない520R)を備えている。ガイドリブ520L(図示しない520R)には、現像剤カートリッジ5の挿入方向Daにおける上流側端部に後端側ガイド部5202L(図示しない5202R)が備えられ、下流側端部に先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)が備えられている。
【0028】
現像剤カートリッジ5がドラムユニット4に装着され、現像剤供給口500が現像剤受入口470と重なり、現像剤カートリッジ5が現像剤受入口470の周辺部であるシール部材471に接触し、シャッタ51が開位置にあるときに、収容部50から現像剤供給口500を通して現像剤受入口470に現像剤が供給される。また、操作部である操作レバー53の移動に連動してシャッタ51が開位置から閉位置に移動し、操作レバー53の移動に連動してロック係合部材512L(図示しない512R)が回転するときに、ロック係合部材512L(図示しない512R)がドラムユニット4に係合することで、現像剤カートリッジ5が持ち上がり、現像剤カートリッジ5がドラムユニット4のシール部材471から離間する。言い換えれば、操作部である操作レバー53の移動に連動してロック係合部材512L(図示しない512R)がドラムユニット4に係合して、現像剤カートリッジ5がドラムユニット4のシール部材471から離間する。
【0029】
《現像剤カートリッジの取り外し》
図12は、画像形成ユニット3のドラムユニット4のガイド溝490Lと現像剤カートリッジ5のガイドリブ520Lとの状態(現像剤カートリッジ5が装着され且つロック状態であるとき)を示す断面図である。
図13(A)、(B)、(C)は、現像剤カートリッジ5が装着位置にあり且つロック状態であるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
図13(D)、(E)、(F)は、現像剤カートリッジ5が装着位置にあり且つロック解除状態であるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
図13(G)、(H)、(I)は、現像剤カートリッジ5が持ち上げられた状態である引抜開始位置にあるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
【0030】
現像剤カートリッジ5がドラムユニット4に実装されている状態、つまり、シャッタ51がロック位置にある状態おいて、画像形成ユニット3は、
図12及び
図13(A)、(B)、(C)に示されるロック状態にある。このとき、ロック係合部材512L(図示しない512R)の溝部5122L(図示しない5122R)とサイドフレーム49L(図示しない49R)のロック係合ポスト491L(図示しない491R)とが接触して係合しており、現像剤カートリッジ5がドラムユニット4のシール部材471に接触している。このとき、第1溝部4901L(図示しない4901R)が上方へ移動することが規制されており、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)は第1溝部4901L(図示しない4901R)の範囲内に位置し、後端側ガイド部5202L(図示しない5202R)は、第3溝部4903L(図示しない4903R)の挿入方向Daにおける下流側端部に位置する。すなわち、このときには、溝部5122L(図示しない5122R)とロック係合ポスト491L(図示しない491R)とが係合しているため、現像剤カートリッジ5がドラムユニット4に対して移動することができないように固定された状態となる。このとき、現像剤カートリッジ5は、現像剤供給口500の周辺においてシール部材471を圧縮するようにして接触しており、現像剤供給口500は、現像剤受入口470と連通した状態となるため、現像剤カートリッジ5内の現像剤をドラムユニット4内へ供給することが可能な状態になっている。
【0031】
操作レバー53の移動に連動してシャッタ51がロック状態からロック解除位置(TC引抜位置)に向かって回転すると、
図13(D)、(E)、(F)に示される状態になり、ロック係合部材512L(図示しない512R)の突起部5121L(図示しない5121R)が現像室47のカバーの支持部472L(図示しない472R)に接触する。このとき、現像剤カートリッジ5とシール部材471は接触した状態のままであり、現像剤供給口500はシール部材511に覆われて遮蔽された閉状態となり、現像剤カートリッジ5内の現像剤が外部へ排出されなくなる。
【0032】
操作レバー53のさらなる移動に連動してシャッタ51がTC引抜位置に向かって回転すると、ロック係合部材512L(図示しない512R)の突起部5121L(図示しない5121R)が現像室47の支持部472L(図示しない472R)に接触しているため、現像剤カートリッジ5を上方へ移動させる方向への力が発生する。すると、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)が第1溝部4901L(図示しない4901R)でガイドされながら上方へ移動することで現像剤カートリッジ5の操作レバー53側に対してシャッタ51側が上方へ移動するようにして現像剤カートリッジ5が持ち上がる。このときの状態は、
図13(G)、(H)、(I)に示される。
【0033】
シャッタ51がTC引抜位置まで回転した状態において、現像剤カートリッジ5はシール部材471から離間し、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)は第3溝部4903L(図示しない4903R)と第2溝部4902L(図示しない4902R)の切り替わり部に位置し、現像剤カートリッジ5をドラムユニット4から引抜方向Db´その後、引抜方向Db(
図6に示される)に引き抜くことができるようになる。
【0034】
現像剤カートリッジ5をドラムユニット4から取り外す操作における動作を説明する。
図14(A)及び(B)は、現像剤カートリッジ5が引抜開始状態にあるときの、ガイドリブ520Lの状態とシャッタ51周辺の状態を示す断面図であり、
図14(C)及び(D)は、現像剤カートリッジ5が引抜途中状態にあるときのガイドリブ520Lの状態とシャッタ51周辺の状態を示す断面図である。
【0035】
現像剤カートリッジ5をドラムユニット4から取り外す際、ユーザが操作レバー53を操作することで、シャッタ51がロック位置からTC引抜位置に向かって回転し、現像剤カートリッジ5がシール部材471から離間し、現像剤カートリッジ5を挿入方向Daとは反対の引抜方向Dbに向かって引き抜くことができる状態となる。この状態からユーザが現像剤カートリッジ5を引抜方向Dbに向かって引き抜くと、
図14(C)に示されるように、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)が第2溝部4902L(図示しない4902R)にガイドされるため、現像剤カートリッジ5とシール部材471が離間したまま現像剤カートリッジ5は移動し、ドラムユニット4から現像剤カートリッジ5が取り外される。
【0036】
《現像剤カートリッジ5の取り付け》
図15(A)、(B)、(C)は、現像剤カートリッジ5がドラムユニット4に挿入されている挿入途中状態にあるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
図15(D)、(E)、(F)は、現像剤カートリッジ5が
図15(A)、(B)、(C)の状態よりさらにドラムユニット4に挿入された挿入途中状態にあるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
図15(G)、(H)、(I)は、現像剤カートリッジ5が
図15(D)、(E)、(F)の状態よりさらにドラムユニット4に挿入された現像剤カートリッジ5が挿入終了位置にあるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
【0037】
図16(A)、(B)、(C)は、現像剤カートリッジ5が挿入終了位置にあるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
図16(D)、(E)、(F)は、現像剤カートリッジ5がロック状態に移行するロック移行状態中であるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
図16(G)、(H)、(I)は、現像剤カートリッジ5がロック状態であるときの、ロック係合部材512L、シャッタ51、ガイドリブ520Lをそれぞれ示す側面図、断面図、断面図である。
【0038】
現像剤カートリッジ5をドラムユニット4に装着する際には、
図15(A)、(B)、(C)の状態、
図15(D)、(E)、(F)の状態、
図15(G)、(H)、(I)の状態(すなわち、
図16(A)、(B)、(C)の状態)、
図16(D)、(E)、(F)の状態、
図16(G)、(H)、(I)の状態、の順に装着の動作が進められる。
【0039】
先ず、ユーザが現像剤カートリッジ5をドラムユニット4に対して挿入方向Daに挿入すると、
図15(A)、(B)、(C)に示される挿入途中状態になり、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)が第2溝部4902L(図示しない4902R)にガイドされて、現像剤カートリッジ5がシール部材471から離れたまま挿入される。
【0040】
さらに現像剤カートリッジ5を挿入方向Daに挿入すると、
図15(D)、(E)、(F)に示される挿入途中状態になり、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)が第2溝部4902L(図示しない4902R)に達するときには、突起部5121L(図示しない5121R)が支持部472L(図示しない472R)上に位置した状態となる。
【0041】
さらに現像剤カートリッジ5を挿入方向Daに挿入すると、
図15(G)、(H)、(I)及び
図16(A)、(B)、(C)に示される挿入終了状態になり、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)が第2溝部4902L(図示しない4902R)から抜けて、先端側ガイド部5201L(図示しない5201R)の下方側が支持されなくなる。このとき、突起部5121L(図示しない5121R)が支持部472L(図示しない472R)に接触して現像剤カートリッジ5が下方へ移動しないように規制されるため、現像剤カートリッジ5は、シール部材471から離れたまま、現像剤カートリッジ5がTC引抜位置まで移動する。
【0042】
現像剤カートリッジ5がTC引抜位置まで挿入された状態でユーザが操作レバー53を操作すると、
図16(D)、(E)、(F)に示されるロック状態移行中になり、シャッタ51が時計回り方向に回転し、ロック係合部材512L(図示しない512R)の突起部5121L(図示しない5121R)がシャッタ51に対して上方へ移動し、現像剤カートリッジ5は自重によって下方へ移動して現像剤カートリッジ5がシール部材471に接触する。このとき、現像剤供給口500は閉状態にある。
【0043】
さらに操作レバー53を操作してシャッタ51を時計回り方向に回転させると、
図16(G)、(H)、(I)に示されるロック状態になり、現像剤供給口500が開放され、ロック係合部材512L(図示しない512R)の溝部5122L(図示しない5122R)がロック係合ポスト491L(図示しない491R)と係合し、現像剤カートリッジ5がドラムユニット4に対して固定された状態となる。
【0044】
《効果》
以上に説明したように、使用済みの現像剤カートリッジ5をドラムユニット4から取り外す際、現像剤カートリッジ5を引き抜く操作の前に現像剤カートリッジ5がシール部材471から離間しているため、現像剤カートリッジ5の引抜方向Dbへの引抜操作中に、現像剤カートリッジ5でシール部材471を擦り付けることが無くなる。このため、シール部材471に付着している現像剤が飛散して画像形成装置1の内部を汚染することを抑制することができる。
【0045】
また、現像剤カートリッジ5をドラムユニット4に取り付ける際には、現像剤カートリッジ5とシール部材471が離れたままの状態で現像剤供給口500が現像剤受入口470の上方に位置するまで現像剤カートリッジ5が挿入された後に、現像剤カートリッジ5が下方(つまり、シール部材471に近づく方向)に移動する構成となっている。このため、現像剤カートリッジ5とシール部材471が接触した状態で現像剤供給口500が現像剤受入口470の上方に位置するまで現像剤カートリッジ5が挿入される構成に比して、シール部材471が現像剤カートリッジ5に擦られて変形することがなく、現像剤カートリッジ5とシール部材471が安定して接触できる。
【0046】
《変形例》
図17は、現像剤カートリッジ5のロック係合部材512L(シャッタ51が閉状態であるとき)と、操作部としての操作レバー53と、操作レバー53の回転動作をロック係合部材512Lに伝達するギア列(ギア54、55を含む)を示す側面図である。
図1~
図16の例では、ロック係合部材512L(図示しない512R)がシャッタ51と一体に構成されている例を説明したが、
図17の例では、ロック係合部材512L(図示しない512R)は、シャッタ51とは別の部材である。
図17の例では、操作レバー53の移動に連動してギア54、55が回転し、さらにロック係合部材512L(図示しない512R)が回転する。また、操作レバー53の移動に連動してギア54が回転し、ギア54に連結されているシャッタ51が回転する。
図17の例においても、
図1~
図16の例と同様に、現像剤の飛散を防止することができる。このように、ロック係合部材512L
をシャッタ51とは別個の部材とした場合には、動作の安定性は、
図10(A)及び(B)に比べ劣る可能性があるが、現像剤カートリッジ5の構造の設計の自由度が向上する利点がある。
【0047】
上記説明では、画像形成装置1がモノクロプリンタである例を説明したが、画像形成装置1は、カラープリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置、 2 筐体、 3 画像形成ユニット、 4 ドラムユニット(画像形成部)、 5 現像剤カートリッジ(現像剤収容体)、 6 前面カバー、 50 収容部(現像剤カートリッジの本体)、 53 操作レバー(操作部)、 470 現像剤受入口、 471 シール部材、 472L、472R 支持部、 490L、490R ガイド溝、 491L、491R ロック係合ポスト(第3の係合部)、 500 現像剤供給口、 512L、512R ロック係合部材、 520L、520R ガイドリブ、 5121L、5121R 突起部(第1の係合部)、 5122L、5122R 溝部(第2の係合部)。