IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 象印マホービン株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117532
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240822BHJP
   A47J 27/14 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47J27/00 109R
A47J27/00 103D
A47J27/00 109B
A47J27/14 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023671
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】倉 拓海
(72)【発明者】
【氏名】菅原 彩子
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼中 貴大
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健太郎
【テーマコード(参考)】
4B054
4B055
【Fターム(参考)】
4B054AA01
4B054AB01
4B054AB02
4B054CC02
4B054CC13
4B054CH05
4B054CH15
4B055AA02
4B055BA09
4B055CD07
4B055EA01
4B055EA03
4B055GB18
4B055GC31
(57)【要約】
【課題】炊飯鍋内に飯米を自動供給可能な炊飯器における計量の安定性を向上する。
【解決手段】炊飯器1は、炊飯部23に着脱可能に配置される炊飯鍋30と、米収容部24に着脱可能に配置される米容器70と、米容器70内の飯米を炊飯鍋30内に供給するための米供給機構75と、炊飯量に対応する量の飯米を炊飯鍋30に供給する制御部125とを備える。米供給機構75は、最小炊飯容量に対応する容積以下の容積で飯米を計量する米計量部77を有する升部材76と、升部材76を計量位置と給米位置に移動させる駆動部101と、米計量部77内の飯米を自重で炊飯鍋30内に供給可能な給米路83とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯部と、前記炊飯部の上側に設けられた米収容部とを有する筐体と、
前記炊飯部に着脱可能に配置される炊飯鍋と、
前記炊飯鍋による最大炊飯容量以上の飯米を収納可能で、前記米収容部に着脱可能に配置される米容器と、
前記米容器内の飯米を前記炊飯鍋内に供給するための米供給機構と、
炊飯量を含む炊飯情報を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記炊飯情報に基づいて前記米供給機構を制御し、前記炊飯量に対応する量の飯米を前記炊飯鍋に供給する制御部と
を備え、
前記米供給機構は、
前記米容器の底に配置されて前記米容器内の飯米が自重で供給され、前記炊飯鍋による最小炊飯容量に対応する容積以下の容積で飯米を計量する米計量部を有し、前記米計量部が前記米容器内に連通した計量位置と連通が遮断された給米位置との間を移動可能な升部材と、
前記米収容部に配置され、前記米収容部への前記米容器の配置によって前記升部材に接続され、前記升部材を前記計量位置と前記給米位置に移動させる駆動部と、
前記升部材が前記計量位置に移動したときに前記米計量部との連通が遮断され、前記升部材が前記給米位置に移動したときに前記米計量部内に連通し、前記米計量部内の飯米を自重で前記炊飯鍋内に供給可能な給米路と
を有する、炊飯器。
【請求項2】
前記米容器は、前記米計量部に連通する連通口の前記給米位置側に、前記連通口内に先端部が突出する弾性変形可能な複数の弾性片を有する、請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記弾性片の前記先端部は、前記連通口の口壁に沿って延びる対向面と、前記対向面の下端から上側に向かうに従って前記連通口の中央側に傾斜した傾斜面とを有し、前記計量位置と前記給米位置の間を前記升部材が移動するとき、前記対向面及び前記傾斜面のうち一方の下端側が前記升部材の上面に摺接する、請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記米容器は、前記計量位置と前記給米位置の間の前記升部材の移動に連動して、前記米容器の外向きに進出した進出位置と、前記米容器の内向きに後退した後退位置との間を移動可能な操作レバーを有し、
前記米収容部には、前記進出位置に移動した前記操作レバーによって操作されるスイッチが配置されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記筐体は、正面側から見て前記米収容部の一側に隣接するように、前記炊飯部の上側に設けられた水収容部を有し、
前記最大炊飯容量の炊飯に必要な水量以上の水を収納可能で、前記水収容部に着脱可能に配置される水容器と、
前記最小炊飯容量の炊飯に必要な水量に対応する容積以下の容積で前記水容器内の水を計量可能な水計量部を有し、前記水容器内の水を前記炊飯鍋内に供給するための水供給機構と
を更に備え、
前記制御部は、前記炊飯情報に基づいて前記米供給機構と前記水供給機構を制御し、前記炊飯量に対応する量の飯米と水を前記炊飯鍋に供給して炊飯を行う、
請求項1から3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、炊飯鍋が着脱可能に配置される炊飯部、米容器が着脱可能に配置される米収容部、及び水容器が着脱可能に配置される水収容部を備える炊飯器が開示されている。この炊飯器は、給米路を含む米供給機構と、給水路を含む水供給機構と、これらを制御して指定された炊飯量に対応する量の飯米と水を米容器と水容器から炊飯鍋にそれぞれ自動供給し、炊飯部にて炊飯を行う制御部とを備える。飯米と水を自動供給する際、これらの供給量の判断は、米容器、水容器、及び炊飯鍋の重量をそれぞれ検出する3つの重量センサの検出結果に基づいて行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7002028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重量センサを用いた飯米の計量には、周囲の温度変化や長期的な使用による劣化等によって誤差が生じ得る。よって、特許文献1の炊飯器には、計量の安定性について改善の余地がある。
【0005】
本発明は、炊飯鍋内に飯米を自動供給可能な炊飯器における計量の安定性の向上を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、炊飯部と、前記炊飯部の上側に設けられた米収容部とを有する筐体と、前記炊飯部に着脱可能に配置される炊飯鍋と、前記炊飯鍋による最大炊飯容量以上の飯米を収納可能で、前記米収容部に着脱可能に配置される米容器と、前記米容器内の飯米を前記炊飯鍋内に供給するための米供給機構と、炊飯量を含む炊飯情報を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた前記炊飯情報に基づいて前記米供給機構を制御し、前記炊飯量に対応する量の飯米を前記炊飯鍋に供給する制御部とを備え、前記米供給機構は、前記米容器の底に配置されて前記米容器内の飯米が自重で供給され、前記炊飯鍋による最小炊飯容量に対応する容積以下の容積で飯米を計量する米計量部を有し、前記米計量部が前記米容器内に連通した計量位置と連通が遮断された給米位置との間を移動可能な升部材と、前記米収容部に配置され、前記米収容部への前記米容器の配置によって前記升部材に接続され、前記升部材を前記計量位置と前記給米位置に移動させる駆動部と、前記升部材が前記計量位置に移動したときに前記米計量部との連通が遮断され、前記升部材が前記給米位置に移動したときに前記米計量部内に連通し、前記米計量部内の飯米を自重で前記炊飯鍋内に供給可能な給米路とを有する、炊飯器を提供する。
【0007】
米計量部は、最小炊飯容量に対応する容積以下の容積で米容器内の飯米を計量する。また、計量位置から給米位置への升部材の移動によって、米計量部よりも上側の飯米は摺り切られ、米計量部内の定められた容積分の飯米のみが給米路に供給される。このように、炊飯鍋に供給する飯米の計量は、長期的な使用によって誤差が生じ得る重量センサではなく、誤差が生じ得ない構造体の容積によるため、計量に関する安定性を向上できる。
【0008】
升部材が計量位置に移動したときには、米計量部が米容器内に連通して給米路との連通が遮断され、升部材が給米位置に移動したときには、米計量部が給米路に連通して米容器内との連通が遮断される。よって、米収容部に対する米容器の着脱時に、米容器内の飯米がこぼれ落ちることはない。また、筐体から米容器を取り外せるため、米計量部を含む米容器を容易に清掃でき、清潔に保つことができる。
【0009】
前記米容器は、前記米計量部に連通する連通口の前記給米位置側に、前記連通口内に先端部が突出する弾性変形可能な複数の弾性片を有する。
【0010】
この構成によれば、計量位置から給米位置への升部材の移動時に飯米が噛み込む状況になると、その飯米を弾性片の弾性変形によって取り除くことができる。よって、連通口の口壁と米計量部を画定する壁との間に飯米が噛み込み、飯米の割れ欠けすること、及び升部材が移動できないという動作不良が生じることを防止できる。しかも、複数の弾性片のうちの一部のみが弾性変形し、他の弾性片は弾性変形しないため、米計量部よりも上側の飯米を確実に摺り切ることができる。
【0011】
前記弾性片の前記先端部は、前記連通口の口壁に沿って延びる対向面と、前記対向面の下端から上側に向かうに従って前記連通口の中央側に傾斜した傾斜面とを有し、前記計量位置と前記給米位置の間を前記升部材が移動するとき、前記対向面及び前記傾斜面のうち一方の下端側が前記升部材の上面に摺接する。
【0012】
この構成によれば、連通口の口壁と米計量部の壁との間への飯米の噛み込みを確実に防止できるうえ、米計量部よりも上側の飯米を確実に摺り切ることができる。
【0013】
前記米容器は、前記計量位置と前記給米位置の間の前記升部材の移動に連動して、前記米容器の外向きに進出した進出位置と、前記米容器の内向きに後退した後退位置との間を移動可能な操作レバーを有し、前記米収容部には、前記進出位置に移動した前記操作レバーによって操作されるスイッチが配置されている。
【0014】
この構成によれば、制御部は、駆動部を作動させて升部材を移動させ、所定時間を超えてもスイッチから信号を検出できない場合、米容器が未装着又は升部材に動作不良が生じていると判断できる。このように、1つのスイッチによって、米容器の装着の有無と、升部材の動作不良を検出できるため、炊飯器の小型化とコストダウンを図ることができる。
【0015】
前記筐体は、正面側から見て前記米収容部の一側に隣接するように、前記炊飯部の上側に設けられた水収容部を有し、前記最大炊飯容量の炊飯に必要な水量以上の水を収納可能で、前記水収容部に着脱可能に配置される水容器と、前記最小炊飯容量の炊飯に必要な水量に対応する容積以下の容積で前記水容器内の水を計量可能な水計量部を有し、前記水容器内の水を前記炊飯鍋内に供給するための水供給機構とを更に備え、前記制御部は、前記炊飯情報に基づいて前記水供給機構を制御し、前記炊飯量に対応する量の水を前記炊飯鍋に供給して炊飯を行う。
【0016】
この構成によれば、炊飯鍋内への飯米と水の供給を自動で行い、米飯を炊き上げることができるため、ユーザの利便性を向上できる。また、炊飯部の上側に米収容部と水収容部が設けられているため、飯米と水を自動供給不可能な周知の炊飯器と比較して、筐体の全高は高くなるが、設置面積が増大することはない。よって、例えば食器棚が備える限られた専用スペースに炊飯器を設置できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、炊飯鍋内に飯米を自動供給可能な炊飯器における計量の安定性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る炊飯器の斜視図。
図2】扉を開けて側面パネルを外した炊飯器の斜視図。
図3図1の炊飯器の概略図。
図4図1の炊飯器のブロック図。
図5】外装パネルを外した炊飯器の前方斜視図。
図6】外装パネルを外した炊飯器の後方斜視図。
図7】炊飯部に対して米収容部と水収容部を分解した炊飯器の斜視図。
図8図1のVIII-VIII線断面図。
図9図1のIX-IX線断面図。
図10図1のX-X線断面図。
図11】扉を開けた炊飯器の図9と同様の断面図。
図12】炊飯鍋、蓋、及び昇降台の分解斜視図。
図13】米収容部と水収容部、米容器、及び水容器の分解斜視図。
図14】蓋を開けた米容器の断面斜視図。
図15】升部材を図14の状態から移動させた米容器の断面斜視図。
図16】蓋を開けた水容器の断面斜視図。
図17】水容器の後方斜視図。
図18】弁体を備える蓋と弁体の駆動機構の関係を示す斜視図。
図19】米容器を上方から見た分解斜視図。
図20】米容器を下方から見た分解斜視図。
図21】米計量部を備える升部材と米容器の間に飯米が噛み込んだ状態を示す斜視図。
図22】米収容部に米容器を配置して升部材を計量位置に移動させた状態を図21のXXII-XXII線部分で切断した断面図。
図23】米収容部に米容器を配置して升部材を給米位置に移動させた図22と同様の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0020】
図1から図3を参照すると、本発明の実施形態に係る炊飯器1は、炊飯鍋30が着脱可能に配置される炊飯部23、米容器70が着脱可能に配置される米収容部24、及び水容器90が着脱可能に配置される水収容部25が形成された直方体状の筐体10を備える。また、炊飯器1は、給米路83を含む米供給機構75、給水路108を含む水供給機構94、操作パネル120、及び制御部125(図4参照)を備える。
【0021】
添付図面におけるX方向、Y方向、及びZ方向は、それぞれ炊飯器1の幅方向、前後方向、及び高さ方向である。また、Y方向のうち矢印が示す向きが後側(背面側)で、矢印とは逆向きが前側(正面側)である。
【0022】
図3及び図4を参照すると、炊飯部23は、炊飯鍋30を加熱する加熱部として、コイル32、胴ヒータ33、及び蓋ヒータ34を備える。また、炊飯部23は、炊飯鍋30の温度を検出する鍋温度センサ37と蓋温度センサ38を備える。
【0023】
米収容部24には、米容器70内の飯米を炊飯鍋30に供給するための米供給機構75が設けられている。この米供給機構75は、米計量部77を有する升部材76、升部材76を図14に示す計量位置と図15に示す給米位置に移動させる給米モータ80、及び給米路83を備える。図14に示す計量位置では、飯米が米容器70内から米計量部77に供給されて計量される一方、給米路83を通した米計量部77内から炊飯鍋30内への飯米の供給は不可能である。図15に示す給米位置では、給米路83を通して米計量部77内の定量の飯米を炊飯鍋30内に供給可能であり、米容器70内から米計量部77への飯米の供給は不可能である。
【0024】
水収容部25には、水容器90内の水を炊飯鍋30に供給するための水供給機構94が設けられている。この水供給機構94は、水計量部95、給水モータ101を含むポンプ98、給水ソレノイド104、及び給水路108を備える。この水供給機構94では、給水モータ101によって水容器90内の水が水計量部95に供給されて計量され、給水ソレノイド104によって給水路108を通して水計量部95内の定量の水を炊飯鍋30内に供給可能である。
【0025】
図1及び図4を参照すると、操作パネル120は、炊飯量を含む炊飯情報を受け付ける受付部の一例である。受付部は、スマートフォン等の通信端末によって、ネットワーク経由で炊飯量を含む炊飯情報を受け付けてもよい。操作パネル120は、後述する下扉18の前面に設けられている。但し、操作パネル120は、筐体10の天面等、下扉18以外の部分に設けられてもよい。操作パネル120は、1つの液晶パネル121と複数のスイッチを備える。本明細書では、炊飯スイッチ122及びとりけしスイッチ123の2つのみを図示している。液晶パネル121は、静電容量方式のタッチパネルで構成されてもよい。
【0026】
図4を参照すると、制御部125には、コイル32、胴ヒータ33、蓋ヒータ34、鍋温度センサ37、蓋温度センサ38、給米モータ80、給水モータ101、給水ソレノイド104、及び操作パネル120が接続されている。
【0027】
制御部125は、操作パネル120の操作によって入力された炊飯情報に基づいて給米モータ80、給水モータ101、及び給水ソレノイド104を制御し、米容器70内の飯米と水容器90内の水を、米計量部77と水計量部95によってそれぞれ計量し、炊飯鍋30内に供給する。飯米と水の供給が完了すると、鍋温度センサ37と蓋温度センサ38の検出結果に基づいて、コイル32、胴ヒータ33、及び蓋ヒータ34を制御し、予熱工程、中ぱっぱ工程、沸騰維持工程、及びむらし工程を含む炊飯処理を実行する。これにより、指定された炊飯量の米飯が炊き上げられる。また、炊飯処理が完了すると、制御部125は引き続いて保温処理を実行し、米飯を保温する。
【0028】
本実施形態では、このように飯米と水の自動計量と自動供給が可能な炊飯器1に関し、ユーザの使用性向上を図るとともに、定められた容積による米計量部77と水計量部95によって計量に関する安定性向上を図る。
【0029】
以下、筐体10、炊飯部23、米供給機構75を含む米収容部24、及び水供給機構94を含む水収容部25の構成について説明する。
【0030】
(筐体の構成)
図1図2図8、及び図9を参照すると、筐体10は、樹脂製の下枠体11、下枠体11の上方に配置された樹脂製の上枠体12、及びこれらを固着する金属製のフレーム13を備える。これらの外表面は外装パネルによって覆われている。具体的には、フレーム13の両側は側面パネル14によってそれぞれ覆われ、フレーム13の後側が背面パネル15によって覆われている。下枠体11の下側は底面パネル16によって覆われ、上枠体12の上側は天面パネル17によって覆われている。
【0031】
下枠体11の前端は下扉18によって閉鎖され、上枠体12の前端は上扉19によって閉鎖されている。図2及び図11を参照すると、下扉18は、幅方向に延びる回転軸まわりの回動が許容されるように下枠体11の前端下部に取り付けられ、側壁11aの幅方向外側に配置されたアーム部材62によって前開きした開放位置に保持される。アーム部材62は、後に詳述するリンク機構61の一部を構成する。上扉19は、幅方向に延びる回転軸まわりの回動が許容されるように上枠体12の前端下部に取り付けられ、側壁12aの幅方向外側に配置されたアーム部材20によって前開きした開放位置に保持される。但し、下扉18と上扉19は、高さ方向に延びる回転軸まわりに回動可能な構成であってもよい。また、下扉18と上扉19を一体に設け、炊飯部23、米収容部24、及び水収容部25それぞれの前端開口を1つの扉で開閉してもよい。
【0032】
図5及び図8を参照すると、上枠体12には、底壁(仕切壁)12bから上向きに突出して、米収容部24と水収容部25を仕切るための仕切壁12cが設けられている。上枠体12上の仕切壁12cよりも右側には、上方から見て凹字状で金属製の第1仕切部材21が配置されている。上枠体12上の仕切壁12cよりも左側には、四角筒状で金属製の第2仕切部材22が配置されている。
【0033】
このように構成された筐体10のうち、下枠体11内の全領域が炊飯部23に設定されている。正面側から見て、上枠体12内の幅方向の中央領域を含む仕切壁12cよりも右側の領域が米収容部24に設定され、残りの左側の領域が水収容部25に設定されている。つまり、正面側から見て米収容部24は炊飯部23の上方右側に設けられ、正面側から見て水収容部25は米収容部24の横に隣接するように炊飯部23の上方左側に設けられている。但し、米収容部24と水収容部25は、炊飯部23の上側であれば、左右逆に配置されてもよい。
【0034】
図2及び図11を参照すると、炊飯部23の前端開口は、下扉18の前開きによって開放され、米収容部24と水収容部25それぞれの前端開口は、上扉19の前開きによって開放される。これにより、筐体10の前側から炊飯鍋30、米容器70、及び水容器90を水平方向に出し入れできる。この際、下扉18の金属製の内板18aを炊飯鍋30の載置台として使用でき、上扉19の金属製の内板19aを米容器70と水容器90の載置台として使用できる。よって、筐体10に対して炊飯鍋30、米容器70、及び水容器90を容易に出し入れできるため、ユーザの使用性を向上できる。
【0035】
(炊飯部の構成)
図2及び図3を参照すると、炊飯部23は筐体10の下部に設けられ、炊飯鍋30が着脱可能に配置される。図3図4図8、及び図9を参照すると、炊飯部23は、コイル32、胴ヒータ33、蓋ヒータ34、鍋温度センサ37、及び蓋温度センサ38を備える。また、図7及び図12を参照すると、炊飯部23は、炊飯鍋30の上端開口を閉塞する蓋40と、蓋40が着脱可能に配置される昇降台48とを備える。
【0036】
図2及び図12を参照すると、炊飯鍋30は、磁性材料からなり、プレス加工又は鋳造によって有底筒状に成形されている。炊飯鍋30の上端には、径方向外側に突出したフランジ部30aが設けられ、フランジ部30aの下側には、耐熱性樹脂によって成形された断熱カバー31が取り付けられている。
【0037】
図5図8、及び図9を参照すると、コイル32は、下枠体11の下部に配置された樹脂製の保護枠35の下側に配置され、高周波電流の通電によって渦電流を発生させ、炊飯鍋30を誘導加熱する。胴ヒータ33は、保護枠35の上側に配置された金属製の内胴36の外側と、下扉18の内板18aの外側とにそれぞれ配置され、炊飯鍋30の外周部を加熱する。蓋ヒータ34は、昇降台48が備える金属製の放熱板51の上側に配置され、蓋40を介して炊飯鍋30内を加熱する。
【0038】
図3図8、及び図9を参照すると、鍋温度センサ37は、保護枠35に配置され、保護枠35を貫通した検出部によって炊飯鍋30の温度を検出し、その検出結果を制御部125に出力する。蓋温度センサ38は、昇降台48が備える放熱板51上に配置され、蓋40を介して炊飯鍋30内の温度を検出し、その検出結果を制御部125に出力する。
【0039】
図9図11、及び図12を参照すると、蓋40は、昇降台48の下側に配置され、炊飯鍋30の上端開口を開放可能に閉塞する。図12に最も明瞭に示すように、蓋40は、上方から見て四角形状で金属製の蓋本体41を備える。蓋本体41は、炊飯鍋30の開口よりも一回り小さい形状の窪み41aを有する。窪み41aの外周には、炊飯鍋30の内周面に圧接される環状のシール部材42が配置されている。
【0040】
蓋40の窪み41aの前側には、排気ユニット43が設けられている。この排気ユニット43は、図1に示す排気口44に連なる排気部43aを備える。排気ユニット43の内部には、飯米と水の自動供給機能を備えていない周知の圧力炊飯器と同様に、一対の調圧弁45が配置されている。個々の調圧弁45は、昇降台48に配置された調圧ソレノイド53によって、炊飯鍋30内を大気圧よりも高い設定圧力に昇圧可能な加圧状態と昇圧不可能な非加圧状態とに切り換えられる。また、排気ユニット43の内部には、炊飯鍋30内が設定圧力を超える異常圧力に上昇すると、炊飯鍋30内の圧力によって開弁する安全弁46が配置されている。
【0041】
蓋40の窪み41aのうち炊飯鍋30の軸線に対応する中央には1つの貫通孔が設けられ、この貫通孔に弁体47が取り付けられている。弁体47は、下側に向かうに従って拡開した円錐形状の弁本体47aと、弁本体47aから上向きに突出した弁軸47bとを備える。弁軸47bは弁座47cに移動可能に支持されており、この弁座47cが備える開口部47dが、図3に示す給米路83と給水路108に連通する1つの供給口を構成する。昇降台48に配置された供給ソレノイド54によって、図8から図10に示す開弁状態と図11に示す閉弁状態に切り換えられる。供給ソレノイド54によって弁軸47bが下向きに押圧されると、弁体47は、下降して開弁状態になり、炊飯鍋30内への飯米と水の供給を許容する。供給ソレノイド54による弁軸47bの押圧が解除されると、弁体47は、図示しないスプリングの付勢力によって上昇して閉弁状態になり、炊飯鍋30内から給米路83と給水路108への蒸気の逆流を抑制する。
【0042】
図7及び図12を参照すると、昇降台48は、蓋40を取り付けるための取付部48aを備える。この昇降台48は、下枠体11の上部に配置され、下枠体11に配置されたリンク機構61によって昇降可能である。図9及び図10に示す昇降台48の下降状態では、取り付けられた蓋40によって炊飯鍋30の開口を閉塞する。図11に示す昇降台48の上昇状態では、炊飯鍋30の開口を開放し、炊飯部23に対する炊飯鍋30の出し入れを許容する。
【0043】
詳しくは、昇降台48は、下枠体11の一対の側壁11aの後側上部、つまり炊飯部23の下扉18とは反対側に架設されたヒンジ軸49に回動可能に取り付けられている。昇降台48のヒンジ軸49よりも前側には、幅方向外側に突出する一対の係着軸50が設けられている。この係着軸50は、下枠体11の側壁11aを貫通し、リンク機構61により上下に移動されることによって、昇降台48がヒンジ軸49まわりに回動して上下に揺動する。
【0044】
図8及び図9を参照すると、昇降台48の下部には放熱板51が配置され、この放熱板51上に蓋ヒータ34と蓋温度センサ38が配置されている。図7及び図12を参照すると、昇降台48の上面には補強板52が配置され、この補強板52上に一対の調圧ソレノイド53と1つの供給ソレノイド54が配置されている。調圧ソレノイド53のロッドには、蓋40が備える調圧弁45を加圧状態と非加圧状態に切り換えるための操作部材(図示せず)が取り付けられている。供給ソレノイド54のロッドには、蓋40が備える弁体47を開弁状態と閉弁状態に切り換えるための操作部材55が取り付けられている。
【0045】
図9及び図12を参照すると、昇降台48の中央には、図3に示す給米路83及び給水路108それぞれの一部を構成する共通の投入部材(投入部)56が配置されている。この投入部材56は外周壁56a、底壁56b、及び連通部56cを備える。図8及び図9を参照すると、連通部56cは蓋40が備える弁体47の直上に位置する部分に設けられている。この連通部56c内に突出した弁体47の弁軸47bを、供給ソレノイド54が操作部材55を介して操作する。
【0046】
図7及び図12を参照すると、昇降台48の前側両側部には、蓋40が備える排気ユニット43に連通するダクト部材57がそれぞれ配置されている。下枠体11の仕切壁11b上にはファン58が配置されている。一対のダクト部材57とファン58は、チューブ59によってそれぞれ接続されている。炊飯時、ファン58によりチューブ59とダクト部材57を通して排気ユニット43内に送風することによって、炊飯鍋30内から排気ユニット43内に流入した蒸気を、排気部43aを通して図1に示す排気口44から外部に排出できる。
【0047】
図2及び図5を参照すると、昇降台48を昇降させるリンク機構61は、下枠体11の側壁11aの幅方向外側に配置されており、アーム部材62、スライド部材65、及びフック部材66を備える。このリンク機構61は、下扉18の閉回動に連動して、蓋40と一緒に昇降台48を図9に示す下降位置に下降させるとともに、図11に示す上昇位置への昇降台48の移動を規制する。一方で、リンク機構61は、下扉18の開回動に連動して、昇降台48の移動規制を解除した後、蓋40と一緒に昇降台48を図11に示す昇降位置に上昇させる。
【0048】
アーム部材62は、下扉18に軸支された外端部62a、筐体10内に配置された内端部62b、及び外端部62aと内端部62bの間に設けられたガイド溝62cを備える。ガイド溝62cには、下枠体11から突出したガイド突起11cが挿通されている。アーム部材62は、下扉18の開放によって、図5に示す後退位置から図2に示す進出位置に進出するとともに、ガイド突起11cまわりを図2において反時計回りに回動する。これにより、内端部62bが上側に変位し、スライド部材65を押し上げる。一方で、アーム部材62は、下扉18の閉鎖によって、図2に示す進出位置から図5に示す後退位置に後退するとともに、ガイド突起11cまわりを図2において時計回りに回動する。これにより、内端部62bが下側に変位し、スライド部材65の押し上げを解除して、下側へのスライド部材65の移動を許容する。
【0049】
スライド部材65は、アーム部材62の内端部62bの上方に位置するように、下枠体11の側壁11aに上下方向に移動可能に配置されている。スライド部材65の上部には、昇降台48の係着軸50が貫通して係着されている。スライド部材65は、下扉18の開回動に連動したアーム部材62による押し上げによって、係着軸50を介して昇降台48を図11に示す上昇位置に上昇させる。一方で、スライド部材65は、下扉18の閉回動に連動したアーム部材62による押し上げ解除によって、係着軸50を介して昇降台48を図9に示す下降位置に下降させる。
【0050】
図2図7、及び図8を参照すると、フック部材66は、アーム部材62のガイド溝62cの上方に位置するように、下枠体11の側壁11aに配置されている。フック部材66は、係止片66aと操作受部66bを備え、図7及び図8に示す係止位置と図2に示す係止解除位置とに前後方向に延びる回転軸まわりを回動可能である。図7及び図8に示す係止位置では、下降位置にある昇降台48の補強板52の上面に係止片66aが係止し、図11に示す上昇位置への昇降台48の上昇を規制する。図2に示す係止解除位置では、昇降台48に対する係止片66aの係止が解除され、図11に示す上昇位置への昇降台48の上昇を許容する。
【0051】
フック部材66は、図示しないスプリングによって図7に示す係止位置に付勢されている。図7に示す係止位置から図2に示す係止解除位置へのフック部材66の回動規制と回動操作を行うために、アーム部材62にはストッパ63aと操作片64が設けられている。具体的には、アーム部材62の幅方向内側には補助部材63が取り付けられており、この補助部材63にストッパ63aが設けられ、操作片64が取り付けられている。
【0052】
ストッパ63aは、補助部材63から上向きに突出している。このストッパ63aは、アーム部材62が図5に示す後退位置にあるとき、フック部材66の操作受部66bの幅方向内側に位置し、図7に示す係止位置から図2に示す係止解除位置へのフック部材66の回動を規制する。一方で、ストッパ63aは、アーム部材62が図2に示す進出位置にあるとき、操作受部66bに対して前側に間隔をあけて位置し、図7に示す係止位置と図2に示す係止解除位置との間のフック部材66の回動を許容する。
【0053】
操作片64は、ストッパ63aよりも後側に取り付けられ、補助部材63から上向きに突出している。この操作片64は、アーム部材62が図5に示す後退位置にあるとき、フック部材66の操作受部66bに対して後側に間隔をあけて位置し、フック部材66を回動操作できない。一方で、操作片64は、アーム部材62が図2に示す進出位置に移動したとき、操作受部66bを幅方向内側に押圧し、フック部材66を図2に示す係止解除位置に回動させる。この操作片64によるフック部材66の係止解除の完了後、前述したアーム部材62の内端部62bによるスライド部材65の上昇が開始される。
【0054】
このように構成された炊飯部23では、下扉18の閉回動に連動した昇降台48の下降により蓋40によって炊飯鍋30の開口が閉塞される一方、下扉18の開回動に連動した昇降台48の上昇により蓋40によって炊飯鍋30の開口が開放される。そのため、飯米と水の自動供給機能を備えていない周知の炊飯器と同様に、下扉18の開放状態で炊飯鍋30を出し入れできる。よって、飯米と水の自動計量と自動供給が可能な炊飯器1の使用性を向上できる。
【0055】
(米供給機構を含む米収容部の構成)
図3図8、及び図9を参照すると、米収容部24は、正面側から見て炊飯部23の上方右側に設けられ、米容器70が着脱可能に配置される。米容器70を含む米収容部24には、米容器70内の飯米を炊飯鍋30内に供給するための米供給機構75が設けられている。
【0056】
図8図14、及び図15を参照すると、米容器70は、上方から見て四角筒状のホッパからなる米容器本体71と、米容器本体71の上端開口を塞ぐ蓋72とを備える。米容器70は、1回の炊飯処理で炊飯可能な最大の炊飯量、つまり最大炊飯容量以上の飯米(本実施形態では無洗米)を収容可能な容積を有する。この米容器70の容積については後に詳述する。
【0057】
米容器本体71の底壁71aは、下側に向かうに従って収縮した逆四角錐状で、長方形状をなす中央の連通口71bが最も下側に位置している。底壁71aを構成する個々の傾斜面は、飯米が自重で連通口71bに流動可能な角度で傾斜している。底壁71aの連通口71bよりも左側、つまり炊飯器1の幅方向中央側には、樹脂製の摺切部材73が配置されている。摺切部材73は、弾性変形可能な複数の弾性片73aを備える櫛状である。
【0058】
図3図8、及び図13から図15を参照すると、米供給機構75は、飯米を定量ずつ供給するための米計量部77を有する升部材76と、升部材76を移動させる給米モータ80とを備える。また、米供給機構75は、米計量部77内の飯米を炊飯鍋30内に導く給米路83を備える。
【0059】
升部材76は、上方から見て四角形状であり、米容器本体71の底壁71aの下側に配置されている。より具体的には、升部材76は、米容器本体71の底に配置された底カバー78と支持カバー79の間に配置されている。この升部材76は、複数の歯を幅方向に並設したラック76aを備え、図8及び図14に示す計量位置と図15に示す給米位置との間を、米容器本体71に対して幅方向に移動可能である。
【0060】
升部材76は、炊飯器1の幅方向中央側である左寄りの位置に米計量部77を備える。この米計量部77は、升部材76を高さ方向に貫通した直方体状の空間からなり、米容器本体71の連通口71bの形状に対応する形状を有する。米計量部77の容積は、1回の炊飯処理で炊飯可能な最小の容量、つまり最小炊飯容量と対応する容積以下に設定されている。米計量部77の高さ方向の寸法、つまり升部材76の高さ方向の厚みは、米計量部77の開口面積と米計量部77に必要な容積に基づいて定められている。この米計量部77の容積については後に詳述する。
【0061】
底カバー78は、樹脂製で平坦な板体からなり、米容器本体71の連通口71bの下端に配置され、水平方向(XY平面)に沿って延びている。底カバー78には、連通口71bに連通する連通孔が設けられている。
【0062】
支持カバー79は、長い樋状であり、底カバー78の下面に固着され、升部材76を幅方向に移動可能に支持する。支持カバー79には、升部材76のラック76aを露出させる打抜部が形成されている。また、支持カバー79には、図7及び図8に示す投入部材56の上方に位置するように給米孔79aが設けられている。この給米孔79aは、給米路83の入口であり、米容器本体71の連通口71bに対して幅方向に間隔をあけて位置し、米計量部77の形状に対応する形状で設けられている。
【0063】
図6及び図9を参照すると、給米モータ80は、正転及び逆転が可能なステッピングモータからなり、米収容部24の後側部分に配置されている。給米モータ80の出力軸には駆動歯車81が取り付けられ、米収容部24には駆動歯車81に噛み合う従動歯車(ピニオン)82が取り付けられている。図13を参照すると、従動歯車82の一部は上枠体12内に突出し、米収容部24への米容器70の配置によって升部材76のラック76aが噛み合う。この給米モータ80及びラック76aと従動歯車82は、升部材76を図14に示す計量位置と図15に示す給米位置とに移動させる駆動部の一例である。但し、駆動部は、升部材76を移動可能な構成であれば、必要に応じて変更可能である。また、升部材76は、幅方向の直動に限られず、高さ方向に延びる回転軸まわりを回転する構成であってもよい。
【0064】
図14に示す計量位置では、米計量部77は、連通口71bと対向して米容器本体71内に連通する一方、給米孔79aから離反して給米路83との連通が遮断される。また、米計量部77の下端は支持カバー79によって閉塞される。これにより、米容器70内の飯米が自重で米計量部77内に供給される一方、米計量部77内の飯米は給米路83には供給できない。また、この状態で米収容部24から米容器70が取り外されても、米容器70内及び米計量部77内の飯米がこぼれ落ちることはない。
【0065】
図15に示す給米位置では、米計量部77は、給米孔79aと対向して給米路83に連通する一方、連通口71bから離反して米容器本体71との連通が遮断される。また、米容器70の下端である連通口71bは升部材76の上面で閉塞される。これにより、米計量部77内の飯米が自重で給米路83に供給される一方、米容器本体71内の飯米は米計量部77には供給されない。また、この状態で米収容部24から米容器70が取り外されても、米容器70内の飯米がこぼれ落ちることはない。
【0066】
升部材76が図14に示す計量位置から図15に示す給米位置に向けて移動するとき、米計量部77の上端よりも上側に位置する飯米は、摺切部材73によって摺り切られる。よって、米計量部77の容積を超える量の飯米が給米路83に供給されることはない。
【0067】
図3に示す給米路83は、図13に示す連通孔12d、図7図12に示す投入部材56、及びダクト84によって構成されている。
【0068】
図8及び図13を参照すると、連通孔12dは、上枠体12の底壁12bのうち支持カバー79の給米孔79aの直下に位置し、かつ炊飯鍋30の軸線上に位置する部分に設けられており、給米孔79aの形状に対応する形状を有する。
【0069】
図7及び図12を参照すると、投入部材56は、昇降台48の上面に配置されており、外周壁56a、底壁56b、及び連通部56cを備える。そのうち、外周壁56aは、上方から見て四角筒状であり、炊飯鍋30の軸線、つまり蓋40の弁体47の直上に位置する部分から後向きに延びている。底壁56bは、外周壁56aの下部に設けられ、連通部56cが最も下側に位置するように前側に向かうに従って下側へ傾斜している。
【0070】
図7図9、及び図11を参照すると、ダクト84は伸縮可能な蛇腹部材からなる。このダクト84の上端は、連通孔12dを取り囲むように上枠体12の下側に接続され、ダクト84の下端は、投入部材56の外周壁56aの上端に接続されている。
【0071】
このように構成された給米路83には、弁体47が図9に示す開弁位置に移動された状態で、升部材76が図15に示す給米位置に移動されることによって、米計量部77内の飯米が自重で供給される。これにより、飯米は、自重で連通孔12d、ダクト84、及び投入部材56を通り、開放された開口部47dから炊飯鍋30内に供給される。この際、飯米は、円錐形状の弁本体47aに衝突することで、炊飯鍋30内に均一に分散して供給される。
【0072】
図3を参照すると、米収容部24には更に、米容器70の配置の有無を検出するスイッチ(米容器検出部)85が配置されている。スイッチ85は、図14に示す計量位置に移動した升部材76を検出し、信号を制御部125に出力する。
【0073】
このように構成された米供給機構75では、定められた容積分の飯米のみが米計量部77内から給米路83に供給される。この飯米の計量は、長期的な使用によって誤差が生じ得る重量センサではなく、誤差が生じ得ない構造体の容積によるため、計量の安定性を向上できる。
【0074】
(水供給機構を含む水収容部の構成)
図3図8、及び図10を参照すると、水収容部25は、正面側から見て米収容部24の横に隣接するように炊飯部23の上方左側に設けられ、水容器90が着脱可能に配置される。水容器90を含む水収容部25には、水容器90内の水を炊飯鍋30内に供給するための水供給機構94が設けられている。
【0075】
図8図10、及び図16を参照すると、水容器90は有底四角筒状であり、上端開口が蓋91によって開放可能に塞がれている。水容器90の内部は、仕切壁90aによって、水容器本体90bと水供給機構94の一部を構成する水計量部95とに仕切られている。図17を参照すると、水容器本体90bの底壁90cは、水計量部95の底壁95bよりも低い。水容器本体90bは、最大炊飯容量の炊飯に必要な水量以上の水を収納可能な容積を有する。この水容器本体90bの容積については後に詳述する。
【0076】
図3図6、及び図10を参照すると、水供給機構94は、水を定量ずつ供給するための水計量部95、水容器本体90b内の水を水計量部95に汲み上げるポンプ98、及び水計量部95内の水を供給するための給水ソレノイド104を備える。また、水供給機構94は、水計量部95内の水を炊飯鍋30内に導く給水路108を備える。
【0077】
図16を参照すると、水計量部95は、前述のように仕切壁90aを設けることによって水容器90内に設けられている。但し、水計量部95は、水容器90とは別に設けられてもよい。本実施形態の水計量部95は、仕切壁95aによって第1升部96Aと第2升部96Bに更に仕切られている。第1升部96Aの容積は第2升部96Bの容積よりも大きい。第1升部96Aと第2升部96Bによって構成された水計量部95の総容積は、最小炊飯容量の炊飯に必要な水量に対応する容積以下に設定されている。この水計量部95の容積については後に詳述する。
【0078】
図10及び図17を参照すると、図3に示すポンプ98は、水容器90に配置された羽根車99と、水収容部25に配置された給水モータ101とを備える。
【0079】
羽根車99は、水計量部95の下側に設けられたケース部99a内に配置されている。ケース部99aと羽根車99によってポンプ本体が構成されている。図16及び図17を参照すると、ケース部99a内は、連通孔99bを通して水容器本体90b内に連通している。ケース部99aの上側にはパイプ部100が設けられ、このパイプ部100の上端が第1升部96A上に配置されている。
【0080】
図6及び図10を参照すると、給水モータ101は、ステッピングモータからなり、羽根車99の背部に位置するように水収容部25内に配置されている。給水モータ101と羽根車99は、水収容部25への水容器90の配置により継手102によって接続される。継手102には、マグネットカップリング等の非接触式継手が用いられている。給水モータ101と継手102は、羽根車99を回転させる駆動部の一例である。但し、駆動部は、水収容部25への水容器90の配置により羽根車99に接続されて、羽根車99を回転可能な構成であれば、必要に応じて変更可能である。
【0081】
図10及び図16を参照すると、給水モータ101によって羽根車99が回転すると、水容器本体90b内の水がケース部99a内に吸引されて、パイプ部100を通して第1升部96Aに水が供給される。第1升部96A内が水で満たされると、オーバーフローした水が第2升部96Bに供給され、第2升部96B内が水で満たされると、オーバーフローした水が水容器本体90b内に戻される。
【0082】
図16及び図17を参照すると、水計量部95の底壁95bには給水口が設けられ、この給水口に止水弁103が配置されている。止水弁103は、給水口の上側に配置されて下向きに付勢された常閉弁である。
【0083】
図6及び図10を参照すると、給水ソレノイド104は、止水弁103の背部に位置するように水収容部25内に配置されている。この給水ソレノイド104のロッドには操作部材105が取り付けられている。給水ソレノイド104により操作部材105が上向きに移動されることによって、止水弁103が上向きに移動して開弁する。これにより、水計量部95内の水が排出される。給水ソレノイド104と操作部材105は、止水弁103を開弁させる駆動部の一例である。但し、駆動部は、止水弁103を開弁可能な構成であれば、必要に応じて変更可能である。
【0084】
図16及び図17を参照すると、本実施形態では、水計量部95を構成する第1升部96Aと第2升部96Bの両方にそれぞれ止水弁103が配置されている。図6及び図10を参照すると、給水ソレノイド104と操作部材105は、個々の止水弁103と対応するようにそれぞれ配置されている。以下の説明では、第1升部96Aの止水弁103を作動させる方を給水ソレノイド104Aと言い、第2升部96Bの止水弁103を作動させる方を給水ソレノイド104Bと言うことがある。
【0085】
図3に示す給水路108は、図10図13に示す水受部109、図7図12に示す投入部材56、及び図7図10に示すに示すチューブ110によって構成されている。
【0086】
図10及び図13を参照すると、水受部109は、止水弁103の下方に位置するように上枠体12に設けられた溝からなる。水受部109は傾斜しており、止水弁103から流出した水を受けて、下端に位置する1つの給水口(図示せず)に導く。
【0087】
図7図10、及び図12を参照すると、投入部材56は、前述のように弁体47の直上に位置するように昇降台48の上面に配置されており、外周壁56a、底壁56b、及び連通部56cを備える。また、投入部材56は、外周壁56aの後端から後向きに突出した筒状の接続部56dを備える。
【0088】
図7及び図10を参照すると、チューブ110は、水受部109と投入部材56を接続する可撓性を有する接続部材である。チューブ110の上端は水受部109の給水口に接続され、チューブ110の下端は投入部材56の接続部56dに接続されている。
【0089】
このように構成された給水路108には、弁体47が図10に示す開弁位置に移動された状態で、給水ソレノイド104により操作部材105を介して止水弁103が開弁されることによって、水計量部95内の水が自重で供給される。これにより、水は、自重で水受部109、チューブ110、及び投入部材56を通り、開放された開口部47dから炊飯鍋30内に供給される。この際、水は、円錐形状の弁本体47aに衝突することで、炊飯鍋30内に均一に分散して供給される。
【0090】
図3及び図4を参照すると、水収容部25には更に、水容器90の配置の有無と水の有無を検出するセンサ(水容器検出部)112と、水容器90内の水を加熱する水容器ヒータ113とが配置されている。センサ112は、水容器90内を透して発光素子が発した光を受光素子が受光する水位センサであり、受光素子が受けた光量に対応する信号を制御部125に出力する。水容器ヒータ113は第2仕切部材22に配置され、定められたタイミングで水容器90を加熱することによって、内部の水に雑菌が繁殖することを抑制する。
【0091】
このように構成された水供給機構94では、定められた容積分の水のみが水計量部95内から給水路108に供給される。この水の計量は、長期的な使用によって誤差が生じ得る重量センサではなく、誤差が生じ得ない構造体の容積によるため、計量の安定性を向上できる。
【0092】
(制御部の構成)
図3及び図4を参照すると、制御部125は、タイマ126とメモリ127を備える。この制御部125は、単一又は複数のマイクロコンピュータ、及びその他の電子デバイスにより構成されている。但し、タイマ126とメモリ127は、制御部125とは別の電子デバイスにより構成されてもよい。
【0093】
タイマ126は、炊飯処理の定められた工程及び保温処理の実行時間等を計測する。メモリ127には、給米処理、給水処理、炊飯処理、及び保温処理を実行するためのプログラム、及びプログラムに用いられる設定値等が記憶されている。設定値には、炊飯量に対応する米供給機構75による給米回数、及び炊飯量に対応する水供給機構94による給水回数が含まれる。また、設定値には、炊飯処理と保温処理の実行時に用いられる温度と時間が含まれる。
【0094】
制御部125は、図1に示す炊飯スイッチ122が操作されると、図12に示す供給ソレノイド54によって弁体47を開弁させる。続いて、指定された炊飯量を読み込み、給米モータ80、給水モータ101、及び給水ソレノイド104を制御して、炊飯量に対応する量の飯米と水を、それぞれ自動計量して炊飯鍋30に自動供給する給米処理と給水処理を実行する。これらの処理が完了すると、制御部125は、供給ソレノイド54によって弁体47を閉弁させた後、鍋温度センサ37と蓋温度センサ38の検出結果に基づいて、コイル32、胴ヒータ33、及び蓋ヒータ34を制御して炊飯処理を実行する。
【0095】
給米処理では、指定された炊飯量を米計量部77の容積に対応する容量で除算した給米回数を満足するまで、給米工程を繰り返し行う。この給米工程は、供給ステップと計量ステップを備える。供給ステップでは、給米モータ80を正転させて升部材76を図14に示す計量位置(初期位置)から図15に示す給米位置に移動させ、米計量部77内の飯米を炊飯鍋30内へ供給する。計量ステップでは、給米モータ80を逆転させて升部材76を図15に示す給米位置から図14に示す計量位置に移動させ、飯米を米容器本体71から米計量部77に補充して計量する。
【0096】
給水処理では、指定された炊飯量の炊飯に必要な水量に基づいて、第1升部96Aからの第1供給回数と第2升部96Bからの第2供給回数とを設定し、これらの給水回数を満足するまで給水工程を繰り返し行う。この給水工程は、計量ステップと供給ステップを備える。計量ステップでは、給水モータ101を動作させ、水容器本体90b内の水を第1升部96Aと第2升部96Bに補充して計量する。給水モータ101の動作は、第1升部96A内と第2升部96B内が水で満たされ、オーバーフローした水が水容器本体90bに環流する満水時間が経過すると停止される。供給ステップでは、給水ソレノイド104A,104Bのうちの少なくとも一方を動作させ、第1升部96A及び第2升部96Bのうち対応する方の水を炊飯鍋30内へ供給する。給水ソレノイド104A,104Bの動作は、第1升部96A内と第2升部96B内の全ての水を排出可能な排出時間が経過すると停止される。
【0097】
ここで、炊飯器1には、炊飯鍋30による最大炊飯容量と最小炊飯容量が定められている。例えば、炊飯鍋30による最大炊飯容量は3cupに設定される。これに対し、米容器70及び水容器90の水容器本体90bは、3cupの炊飯5回分の飯米と水をそれぞれ収容可能な容積を有するように形成されている。また、最小炊飯容量は1/2cupに設定される。これに対し、米計量部77は1/6cupに対応する容積を有するように形成されている。また、1/2cupの炊飯に必要な水量は130ccであり、第1升部96Aは90ccに対応する容積に設定され、第2升部96Bは20ccに対応する容積に設定される。つまり、水計量部95は110ccに対応する容積を有するように形成されている。
【0098】
以下、米計量部77が1/6cupに対応する容積で形成され、第1升部96Aが90ccに対応する容積で形成され、第2升部96Bが20ccに対応する容積で形成されている場合の給米処理と給水処理について説明する。
【0099】
給米処理では、例えば炊飯量が1/2cupの場合、制御部125は、まず供給ステップの実行によって、給米路83を通して米計量部77内の1/6cup分の飯米を炊飯鍋30内に供給する。続いて、定められた待機時間が経過すると、制御部125は、計量ステップの実行によって、米容器70内の飯米を米計量部77内に供給し、次に炊飯鍋30に供給する1/6cupの飯米を計量する。この一連の給米工程が終了し、定められた待機時間が経過すると、2回目の給米工程を行う。このようにして全3回の給米工程を行うと、給米処理が完了する。なお、炊飯量が3cupの場合、全18回の給米工程を行う。
【0100】
給水処理では、例えば炊飯量が1/2cupの場合、制御部125は、まず計量ステップの実行によって、水容器本体90b内の水を第1升部96Aと第2升部96Bに水を供給し、炊飯鍋30に供給する20ccと90ccの水を計量する。続いて、制御部125は、供給ステップの実行、具体的には給水ソレノイド104Bの動作によって、給水路108を通して第2升部96B内の20ccの水を炊飯鍋30内に供給する。この一連の給水工程が終了すると、制御部125は、2回目の給水工程を実行する。この第2給水工程の供給ステップでは、給水ソレノイド104A,104Bの両方を動作させ、給水路108を通して第1升部96A内の90ccの水と第2升部96B内の20ccの水を炊飯鍋30内に供給する。これにより給水処理が完了する。つまり、第1升部96Aから1回給水し、第2升部96Bから2回給水する。なお、炊飯量が3cupの場合、全700ccの水を供給するために、第1升部96Aから6回給水し、第2升部96Bから8回給水する。
【0101】
以上の給米処理と給水処理は、いずれを先に行ってもよい。また、給米処理の給米工程と給水処理の給水工程とを交互に行ってもよい。
【0102】
このように構成された炊飯器1では、定量の飯米と水を確実に計量でき、指定された炊飯量に対応する量の飯米と水を炊飯鍋30に確実に供給して、米飯を炊き上げることができる。よって、家事に必要な時間を低減できる。
【0103】
次に、図18を参照して、炊飯鍋30への飯米と水の供給口(開口部47d)を備える弁体47、供給ソレノイド54、及び操作部材55の構成について、より具体的に説明する。
【0104】
図18を参照すると、弁体47は、蓋40に取り付けられており、円錐状の弁本体47aと弁座47cを備える。弁本体47aは、弁座47cの開口部47d(図8参照)を塞ぐように、図示しないスプリングによって上向きに付勢されている。図18に示す供給ソレノイド54、操作部材55、及び投入部材56は、図12に示す昇降台48上に配置されており、弁本体47aから突出した弁軸47bは、投入部材56内に配置されている。
【0105】
供給ソレノイド54のロッドには可動部材54aが取り付けられている。この可動部材54aは、供給ソレノイド54の作動によって前側(図18において左側)に移動し、供給ソレノイド54の作動停止によって後側(図18に示す位置)に移動する。可動部材54aの前端側には上向きに突出した操作部54bが設けられている。
【0106】
操作部材55は、図12に示す昇降台48に配置された前後方向に延びる軸(図示せず)に軸支される軸受部55aを備える。操作部材55には、軸受部55aから可動部材54aの操作部54bに向けて突出する操作受部55bが設けられている。また、操作部材55には、軸受部55aから操作受部55bとは反対側に突出する操作部55cが設けられている。この操作部55cは、投入部材56の挿通孔56eを通して投入部材56内に突出し、弁体47の弁軸47b上に配置されている。
【0107】
供給ソレノイド54の作動による可動部材54aの前進によって、操作部54bが操作部材55の操作受部55bを上向きに移動させる。これにより、操作部材55が図18において反時計回りに回動し、操作部55cが弁体47の弁軸47bを下向きに押圧する。その結果、弁本体47aが下向きに移動し、図8及び図9に示す開弁状態になる。この状態で、制御部125は、図3に示す給米モータ80を正転及び逆転させることによって、図3に示す給米路83を介して米容器70内の飯米を炊飯鍋30に自動供給できる。また、図3に示すポンプ98と給水ソレノイド104の作動によって、図3に示す給水路108を介して水容器90内の水を炊飯鍋30に自動供給できる。
【0108】
一方で、給米ソレノイド54の作動停止による可動部材54aの後退によって、操作部54bによる操作部材55の操作受部55bの操作が解除される。これにより、弁体47がスプリングの付勢力によって上向きに移動し、図11に示す閉弁状態になる。その結果、操作部材55が図18において時計回りに回動する。この状態では、制御部125は、図3に示す給米モータ80を作動させることなく、米容器70内の飯米の自動供給は行わない。また、図3に示すポンプ98と給水ソレノイド104を作動させることなく、水容器90内の水の自動供給は行わない。
【0109】
次に、主に図19から図21を参照して、米計量部77を備える升部材76を含む米容器70の構成について、より具体的に説明する。
【0110】
図3図8、及び図9を参照すると、米容器70は、炊飯部23の上側の米収容部24に着脱可能に配置される。米収容部24は、上枠体12が位置する筐体10の上部の幅方向の中央領域を含む右側領域に位置する直方体状の空間からなる。この米収容部24は、上枠体12の底壁12b、上枠体12の右側の側壁12bと第1仕切部材21の右壁部、上枠体12の仕切壁12cと第1仕切部材21の左壁部、天面パネル17、背面パネル15、及び上扉19によって画定されている。
【0111】
米容器70は、米容器本体71と蓋72を備える。米容器本体71の底壁71aの下側には、米供給機構75を構成する升部材76が、底カバー78と支持カバー79の間に挟み込まれた状態で取り付けられている。また、米容器本体71の底壁71aと底カバー78の間には、図3及び図22に示すスイッチ85を操作する操作レバー86が配置されている。
【0112】
米容器本体71は、四角筒状のホッパからなり、最大炊飯容量(例えば3cup)以上の飯米(例えば15cup)を収容可能な容積を有する。米容器本体71の底壁71aには、下端中央に位置するように長方形状の連通口71bが設けられている。この連通口71bは、高さ方向に延びる直方体状の空間からなり、4つの口壁71cによって画定されている。また、底壁71aの連通口71bよりも左側、つまり図14に示す計量位置から図15に示す給米位置に移動する方(給米位置側)には、下向きに窪む凹部71dが設けられ、この凹部71dに摺切部材73が取り付けられている。
【0113】
摺切部材73は、弾性変形可能な複数の弾性片73aを備える櫛状である。この摺切部材73の上面は、凹部71dへの取り付けによって底壁71aの上面に対して概ね同一平面上に位置している。弾性片73aは、升部材76の移動方向に沿うように左側から右側へ幅方向に延びており、その先端部73bが連通口71b内に突出している。個々の弾性片73aの前後の幅は、例えば楕円体状の飯米の短手方向の寸法と同等に設定されている。一方で、隣り合う弾性片73a間の隙間は、飯米の短手方向の寸法の半分以下(例えば1mm)に設定されている。
【0114】
弾性片73aの先端部73bは、連通口71bの口壁71cに沿って延びる対向面73cと、この対向面73cに対して傾斜した傾斜面73dとを有する。弾性片73aが弾性変形していないとき、対向面73cは、対向する口壁71cに沿って延びており、口壁71cとの間には、先端部73bの弾性変形を許容するための隙間が確保されている。対向面73cの下端は、連通口71bを貫通して下側に突出し、図15に示す給米位置から図14に示す計量位置への升部材76の移動を妨げない範囲で升部材76の上面76bに摺接する。傾斜面73dは、対向面73cの下端から上側に向かうに従って連通口71bの中央側に傾斜している。この傾斜によって傾斜面73dは、図14に示す計量位置と図15に示す給米位置の間の升部材76の移動を阻害することなく許容する。また、傾斜面73dの下端側は、図14に示す計量位置から図15に示す給米位置への升部材76の移動を妨げない範囲で升部材76の上面76bに摺接する。
【0115】
升部材76は、上方から見て四角形状であり、底カバー78を介して米容器本体71の底壁71aの下側に配置されている。升部材76の後側には、駆動部を構成する従動歯車82に噛み合うラック76aが形成されている。升部材76の上面76bは、XY平面に沿って延びる平坦面である。ラック76aの前側には、上面76bから下向きに窪み、升部材76の移動方向である幅方向に延びる凹溝76cが設けられている。この凹溝76cの底には、高さ方向に延びる回転軸まわりを回転自在なガイドローラ76dが配置されている。ガイドローラ76dは前後方向に対向する2個を1組とし、幅方向に間隔をあけて2組配置されている。
【0116】
升部材76は、図14及び図22に示す計量位置に移動したとき、米容器本体71の右側壁71eに近接し、左側壁71fに対して間隔をあけて位置する。この状態で、升部材76の左側面76eは、連通口71bよりも左側壁71f側に位置する。一方で、升部材76は、図15及び図23に示す給米位置に移動したとき、米容器本体71の左側壁71fに近接し、右側壁71eに対して間隔をあけて位置する。この状態で、升部材76の右側面76fは、連通口71bよりも右側壁71e側に位置する。つまり、升部材76の左側面76eから右側面76fまでの寸法である、升部材76の移動方向(幅方向)の寸法は、図14及び図22に示す計量位置と図15及び図23に示す給米位置のいずれでも、連通口71bを越えて反対側に一部が位置する長さである。
【0117】
升部材76の左側部分には、飯米を計量する米計量部77が形成されている。この米計量部77は、上方から見て米容器本体71の連通口71bの形状に対応する形状を有し、4つの孔壁77aによって画定されている。米計量部77の容積は、最小炊飯容量(例えば1/2cup)と対応する容積以下の飯米(例えば1/6cup)を収容可能な大きさである。米計量部77は、升部材76が図14及び図22に示す計量位置に移動するとき、連通口71bの直下に位置する一方、升部材76が図15及び図23に示す給米位置に移動したとき、給米孔79aの直上に位置する。
【0118】
底カバー78は、XY平面に沿って延びる平坦な板体からなり、連通口71bの下端に位置するように米容器本体71にネジ止めによって固着されている。底カバー78には、連通口71bに対応する連通孔78aが形成されている。底カバー78には、下向きに突出して升部材76のガイドローラ76dに挟み込まれ、升部材76を幅方向に誘導するガイド凸部78bが設けられている。
【0119】
支持カバー79は、升部材76の前後方向の寸法に対応する幅で、升部材76の幅方向の寸法よりも長い樋状である。具体的には、支持カバー79は、升部材76を載置する平坦な底板部79bと、底板部79bの前後から上向きに突出した一対の側板部79cとを備え、底カバー78を貫通させたネジを米容器本体71に締め付けることによって固着されている。底板部79bには、図13に示す給米路83を構成する連通孔12dの直上に位置する部分に給米孔79aが設けられている。この給米孔79aは、米容器本体71の連通口71bに対して幅方向に間隔をあけて位置している。底板部79bから後側の側板部79cにかけて、升部材76のラック76aを露出させる打抜部79dが設けられている。
【0120】
このように構成された升部材76は、図9に示す米収容部24への米容器70の配置によって、駆動歯車81を介して給米モータ80に接続された従動歯車82に接続され、図14及び図22に示す計量位置と図15及び図23に示す給米位置に直動される。
【0121】
図14及び図22に示す計量位置では、米計量部77は、連通口71bを通して米容器本体71内に連通する一方、図3に示す給米路83との連通が遮断される。また、米計量部77の下端は支持カバー79によって閉塞される。よって、米容器70内の飯米が自重で米計量部77内に供給される一方、この状態で米収容部24から米容器70が取り外されても、米容器70内及び米計量部77内の飯米がこぼれ落ちることはない。
【0122】
図15及び図23に示す給米位置では、米計量部77は、給米孔79aを通して図3に示す給米路83に連通する一方、米容器本体71との連通が遮断される。また、米容器70の下端である連通口71bは升部材76の上面76bで閉塞される。よって、米計量部77内の飯米が自重で給米路83に供給される一方、この状態で米収容部24から米容器70が取り外されても、米容器70内の飯米がこぼれ落ちることはない。
【0123】
升部材76が図14に示す計量位置から図15に示す給米位置に向けて移動するとき、米計量部77の上端よりも上側に位置する飯米は、摺切部材73によって摺り切られる。よって、米計量部77の容積を超える量の飯米が給米路83に供給されることはない。この際、図21に最も明瞭に示すように、連通口71bの口壁71cと米計量部77の孔壁77aとの間に飯米が噛み込む状況になると、弾性片73aの弾性変形によって飯米が取り除かれる。しかも、複数の弾性片73aのうち、飯米に当接した一部のみが弾性変形し、他の弾性片73aは弾性変形しない。よって、米計量部77よりも上側の飯米を確実に摺り切ることができる。
【0124】
操作レバー86は、図3に示す米収容部24に配置したスイッチ85を操作し、米収容部24への米容器70の配置と、計量位置(初期位置)への升部材76の移動とを検出可能とする。この操作レバー86は、図14及び図22に示す計量位置に移動した升部材76に隣接するように、米容器本体71の右側に配置されている。図20図22、及び図23を参照すると、操作レバー86は、米容器本体71の底壁71aから下向きに突出した軸部71gまわりに回動可能である。なお、図22図23では、操作レバー86と升部材76の関係を明確にするために、これらの間に介在する底カバー78が省略されている。
【0125】
図22及び図23を参照すると、操作レバー86は、米容器本体71の軸部71gに軸支される軸着部86aと、軸着部86aから前側に突出した受部86bと、軸着部86aから後側に突出した突出部86cとを備える。この操作レバー86は、図22に示す計量位置と図23に示す給米位置との間の升部材76の移動に連動して、図22に示す進出位置と図23に示す後退位置との間を回動可能である。この操作レバー86は、図示しないスプリングによって図23に示す後退位置に付勢されている。
【0126】
受部86bは、升部材76に対して米容器70の幅方向に隣接し、図22に示す計量位置に移動した升部材76による押圧操作を受ける。これにより、操作レバー86が図23に示す後退位置から図22に示す進出位置に回動する。
【0127】
突出部86cには、スイッチ85を操作するための操作部86cが、図22において左側に突出するように設けられている。この操作部86cは、米容器本体71の凹部71hの壁に設けられた貫通孔71iを介して外部に露出している。なお、凹部71hは、図13に示す米収容部24が備える膨出部12eを配置するために設けられており、この膨出部12eに従動歯車82の一部を米収容部24内に突出させるための貫通孔12fが設けられている。
【0128】
スイッチ85は、米収容部24において膨出部12eの外側に配置されている。ここで言う外側とは米収容部24の外部側を意味する。このスイッチ85は、受動レバー87を介して操作レバー86の操作を受ける。但し、受動レバー87を用いることなく、スイッチ85が操作レバー86の操作を直接受けてもよい。
【0129】
受動レバー87は、スイッチ85と操作レバー86の間に位置するように、米収容部24の膨出部12eの外側に隣接して配置されている。この受動レバー87は、図22に示す操作位置と図23に示す非操作位置とに、高さ方向に延びる軸部まわりに回動可能であり、スイッチ85が備えるレバーによって図23に示す非操作位置に付勢されている。受動レバー87は図22において右側に突出する突出部87aを備える。この突出部87aは、図23に示す非操作位置に受動レバー87が移動した状態で、膨出部12eに設けられた貫通孔12gを通して米収容部24内に突出可能である。また、突出部87aは、操作レバー86の操作部86cに対して幅方向に対向しており、図22に示す進出位置に移動した操作レバー86の操作を受けることが可能である。
【0130】
例えば、制御部125は、図1に示す炊飯スイッチ122の操作によって炊飯情報を受け付けると、給米モータ80を逆転させ、升部材76を計量位置(初期位置)に移動させる。これにより、升部材76は、図14及び図22に示す計量位置以外に位置する場合、図14及び図22に示す計量位置に移動される。この升部材76の移動に連動して操作レバー86は、操作部86cが米容器70の内向きに後退した後退位置(図23参照)から、操作部86cが米容器70の外向きに進出した進出位置(図22参照)に回動する。ここで言う内向きとは米容器70の内部側を意味し、外向きとは米容器70の外部側を意味する。
【0131】
これにより、操作レバー86に押された受動レバー87が図23に示す非操作位置から図22に示す操作位置に回動し、受動レバー87によってスイッチ85がオフ状態からオン状態に切り換わり、制御部125に信号を出力する。その結果、制御部125は、図14及び図22に示す計量位置への升部材76の移動を検出でき、米容器70が適切に装着されていると判断できる。これにより、制御部125は、引き続いて図3に示す弁体47を開弁した後、図3に示す米供給機構75によって炊飯鍋30への飯米の供給を行う。
【0132】
一方で、米容器70が未装着又は升部材76に動作不良が生じている場合、制御部125は、図15及び図23に示す給米位置から図14及び図22に示す計量位置への升部材76の移動に必要な時間を超えても、スイッチ85からの信号を検出できない。そのため、この場合、制御部125は、給米モータ80を停止し、米供給機構75による炊飯鍋30への飯米の供給は行わない。
【0133】
以上のように、制御部125は、スイッチ85からの信号に基づいて米容器70の装着の有無を判断し、米容器70に配置された升部材76の米計量部77によって、定められた容積分の飯米を炊飯鍋30に供給できる。よって、指定された炊飯量に応じた量の飯米を炊飯鍋30に確実に自動供給できる。
【0134】
このように構成された炊飯器1は、以下の特徴を有する。
【0135】
米計量部77は、最小炊飯容量に対応する容積以下の容積で米容器70内の飯米を計量する。また、計量位置から給米位置への升部材76の移動によって、米計量部77よりも上側の飯米は摺り切られ、米計量部77内の定められた容積分の飯米のみが給米路83に供給される。このように、炊飯鍋30に供給する飯米の計量は、長期的な使用によって誤差が生じ得る重量センサではなく、誤差が生じ得ない構造体の容積によるため、計量に関する安定性を向上できる。
【0136】
升部材76が計量位置に移動したときには、米計量部77が米容器70内に連通して給米路83との連通が遮断され、升部材76が給米位置に移動したときには、米計量部77が給米路83に連通して米容器70内との連通が遮断される。よって、米収容部24に対する米容器70の着脱時に、米容器70内の飯米がこぼれ落ちることはない。また、筐体10から米容器70を取り外せるため、米計量部77を含む米容器70を容易に清掃でき、清潔に保つことができる。
【0137】
米容器70は、米計量部77に連通する連通口71b内に先端部73bが突出する弾性変形可能な複数の弾性片73aを有する。これにより、計量位置から給米位置への升部材76の移動時に飯米が噛み込む状況になると、その飯米を弾性片73aの弾性変形によって取り除くことができる。よって、連通口71bの口壁と米計量部77を画定する壁との間に飯米が噛み込み、飯米の割れ欠けすること、及び升部材76が移動できないという動作不良が生じることを防止できる。しかも、複数の弾性片73aのうちの一部のみが変形し、他の弾性片73aと米計量部77の間は摺接状態に維持されるため、米計量部77よりも上側の飯米を確実に摺り切ることができる。
【0138】
弾性片73aの先端部73bは、連通口71bの口壁に沿って延びる対向面73cと、対向面73cの下端から上側に向かうに従って連通口71bの中央側に傾斜した傾斜面73dとを有し、対向面73cの下端側が升部材76の上面に摺接する。よって、連通口71bの口壁と米計量部77の壁との間への飯米の噛み込みを確実に防止できるうえ、米計量部77よりも上側の飯米を確実に摺り切ることができる。
【0139】
米容器70は、計量位置と給米位置の間の升部材76の移動に連動して進出位置と後退位置に移動可能な操作レバー86を有し、米収容部24には操作レバー86によって操作されるスイッチ85が配置されている。そのため、制御部125は、給米モータ80を作動させて升部材76を移動させ、所定時間を超えてもスイッチ85から信号を検出できない場合、米容器70が未装着又は升部材76に動作不良が生じていると判断できる。このように、1つのスイッチ85によって、米容器70の装着の有無、及び升部材76の動作不良を検出できるため、炊飯器1の小型化とコストダウンを図ることができる。
【0140】
操作レバー86は、升部材76が計量位置に移動したときに、進出位置に移動してスイッチ85を操作する。よって、制御部125は、スイッチ85からの信号によって、升部材76が計量位置に移動したことを確実に検出できる。
【0141】
炊飯部23の上側の水収容部25に着脱可能に配置される水容器90と、水容器90内の水を水計量部95で計量して炊飯鍋30内に供給する水供給機構94とを備え、制御部125は、炊飯情報に基づいて水供給機構94を制御し、炊飯量に対応する量の水を炊飯鍋30に供給して炊飯を行う。このように、炊飯鍋30内への飯米と水の供給を自動で行い、米飯を炊き上げることができるため、ユーザの利便性を向上できる。また、炊飯部23の上側に米収容部24と水収容部25が設けられているため、飯米と水を自動供給不可能な周知の炊飯器と比較して、筐体10の全高は高くなるが、設置面積が増大することはない。よって、例えば食器棚が備える限られた専用スペースに炊飯器1を設置できるため、使用性を向上できる。
【0142】
なお、本発明は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0143】
例えば、摺切部材73の弾性片73aの先端部73bは、対向面73cと傾斜面73dが無い単なる線条であってもよい。また、摺切部材73は、複数の弾性片73aを具備しない板状であってもよい。また、米容器70は摺切部材73がない構成であってもよい。
【0144】
升部材76が給米位置に移動したときに、操作レバー86が進出位置に移動してスイッチ85を操作してもよい。また、スイッチ85は、米収容部24への米容器70の装着の有無のみを検出可能であってもよい。この場合、操作レバー86の代わりに、米容器70に単なる凸部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0145】
1 炊飯器
10 筐体
11 下枠体
11a 側壁
11b 仕切壁
11c ガイド突起
12 上枠体
12a 側壁
12b 底壁
12c 仕切壁
12d 連通孔
12e 膨出部
12f 貫通孔
12g 貫通孔
13 フレーム
14 側面パネル
15 背面パネル
16 底面パネル
17 天面パネル
18 下扉
18a 内板
19 上扉
19a 内板
20 アーム部材
21 第1仕切部材
22 第2仕切部材
23 炊飯部
24 米収容部
25 水収容部
30 炊飯鍋
30a フランジ部
31 断熱カバー
32 コイル
33 胴ヒータ
34 蓋ヒータ
35 保護枠
36 内胴
37 鍋温度センサ
38 蓋温度センサ
40 蓋
41 蓋本体
41a 窪み
42 シール部材
43 排気ユニット
43a 排気部
44 排気口
45 調圧弁
46 安全弁
47 弁体
47a 弁本体
47b 弁軸
47c 弁座
47d 開口部(供給口)
48 昇降台
48a 取付部
49 ヒンジ軸
50 係着軸
51 放熱板
52 補強板
53 調圧ソレノイド
54 供給ソレノイド
54a 可動部材
54b 操作部
55 操作部材
55a 軸受部
55b 操作受部
55c 操作部
56 投入部材(投入部)
56a 外周壁
56b 底壁
56c 連通部
56d 接続部
56e 挿通孔
57 ダクト部材
58 ファン
59 チューブ
61 リンク機構
62 アーム部材
62a 外端部
62b 内端部
62c ガイド溝
63 補助部材
63a ストッパ
64 操作片
65 スライド部材
66 フック部材
66a 係止片
66b 操作受部
70 米容器
71 米容器本体
71a 底壁
71b 連通口
71c 口壁
71d 凹部
71e 右側壁
71f 左側壁
71g 軸部
71h 凹部
71i 貫通孔
72 蓋
73 摺切部材
73a 弾性片
73b 先端部
73c 対向面
73d 傾斜面
75 米供給機構
76 升部材
76a ラック
76b 上面
76c 凹溝
76d ガイドローラ
76e 左側面
76f 右側面
77 米計量部
77a 孔壁
78 底カバー
78a 連通孔
78b ガイド凸部
79 支持カバー
79a 給米孔
79b 底板部
79c 側板部
79d 打抜部
80 給米モータ(駆動部)
81 駆動歯車
82 従動歯車(ピニオン)
83 給米路
84 ダクト
85 スイッチ(米容器検出部)
86 操作レバー
86a 軸着部
86b 受部
86c 突出部
86d 操作部
87 受動レバー
87a 突出部
90 水容器
90a 仕切壁
90b 水容器本体
90c 底壁
91 蓋
94 水供給機構
95 水計量部
95a 仕切壁
95b 底壁
96A 第1升部
96B 第2升部
98 ポンプ
99 羽根車(ポンプ本体)
99a ケース部
99b 連通孔
100 パイプ部
101 給水モータ(駆動部)
102 継手
103 止水弁
104,104A,104B 給水ソレノイド(駆動部)
105 操作部材
108 給水路
109 水受部
110 チューブ
112 センサ(水容器検出部)
113 水容器ヒータ
120 操作パネル
121 液晶パネル(受付部)
122 炊飯スイッチ
123 とりけしスイッチ
125 制御部
126 タイマ
127 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23